JP3278566B2 - ルーパ多変数制御装置 - Google Patents
ルーパ多変数制御装置Info
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Description
スタンド間に配置されたルーパの高さと、圧延材のスタ
ンド間張力とを制御するルーパ多変数制御装置に関す
る。
評価基準の一部に板厚及び板幅がある。このうち、板厚
に対して自動板厚制御が行われ、板幅に対して自動板幅
制御が行われる。一方、圧延中の材料にかかる張力は板
厚や板幅に影響するため、張力制御が行われている。
処理されて高温となり圧延材料の変形抵抗が小さくなっ
ており、張力が大きいと材料の破断を起こしやすくな
る。この破断を防止するべく張力を小さく設定すると外
乱や誤設定により無張力の状態になることがあり、その
状態が長く続くと圧延機スタンド間での大きなループの
発生となって事故を引き起こすことがある。そこで、熱
間圧延機ではとくにルーパ装置が設けられ、このルーパ
装置によって張力制御が行われ、また、材料の通板性を
良くする観点からルーパの高さ制御が行われる。
置において、圧延材張力からルーパ高さへの干渉とルー
パの回転速度から張力への干渉とがある。従来からの張
力制御には、それらの干渉を抑えることなくPID制御
により圧延材張力及びルーパ高さを制御する方法、これ
らの干渉を抑えるような非干渉化補償装置を付加して圧
延材張力とルーパ高さとを独立に制御する非干渉制御方
法、あるいは、ルーパと圧延材張力の干渉系を多変数系
としてとらえ、最適制御理論(Linear Quadratic)を適
用する方法等があり、それぞれ実機に適用されている。
よる方法では、圧延材張力とルーパの相互干渉を抑える
働きがないため、即応性や安定性に欠けていた。そこ
で、最近では非干渉制御や最適制御が多く用いられてい
る。
ローラ等の非干渉化のための補償装置を実現するための
一例として、計算機上に非干渉化するための補償装置の
伝達関数を実現している。一般にこの伝達関数は高次に
なり、そのため実際のプラントとモデルの不一致の悪影
響が顕著になったり、計算機上での演算精度に問題を生
じたりすることがあった。また、ルーパの本来の機能と
して、ルーパが動いて張力の変動を抑え張力制御の一部
を担うべきであるが、非干渉化によりルーパ高さが一定
に制御されるため、ルーパの働きが十分に活かされなか
った。
は、操作端として圧延主電動機とルーパとを協調させて
使用するように制御ゲインを設計することができる。こ
の最適制御では、下記(1)式に示す評価関数Jの中の
重み行列Q,Rと実際のプロセスの応答との因果律を見
出すのが難しく、制御系全体の適当な応答を実現する
Q,Rを試行錯誤しながら見付け、制御ゲインを決定す
るのが一般的である。
系の設計やプラントの調整には多くの時間を必要とし
た。また、この最適制御理論による方法では、解析的に
解けないリカッチ方程式を数値的に解く必要があること
から、変数を含んだ最適制御ゲインの一般式を求められ
ないことがあった。
するには、予め圧延材料の性質や圧延条件に合わせた制
御ゲインを求めてゲインテーブルを作成しておき、制御
ゲイン使用時はそのテーブルを参照する方式が一般的で
ある。したがって、このゲインテーブルの値の決定とそ
の維持、管理に多くの手間と時間を必要とした。
記述することは不可能に近く、ゲインテーブルに存在し
ない圧延条件等ではこの圧延条件等と類似するテーブル
からゲインを近似させざるを得ないので、制御性能の劣
化が考えられる。
LQ(Inverse Linear Quadratic)制御がある。これは
最適性の条件を満たしつつも上述のリカッチ方程式を解
く必要はなく、入出力を非干渉化する前提を適用すれば
制御ゲインが数値ではなく数式として求められる方法で
ある。制御ゲインが数式で求められれば上述の最適制御
理論による方法の欠点は解消されるが、これは非干渉化
を前提としているため、ルーパの機能が十分に活かされ
ないと言う上述の非干渉制御の欠点が依然として残る。
制御対象モデルは、一般に内部の状態変数の個数で規定
される次数が5以上であり、ILQ制御理論等を使用し
ても設計、調整に時間がかかる欠点があった。
なされたもので、タンデム圧延機の各スタンド間に配置
されたルーパの高さ及び圧延材のスタンド間張力の干渉
系を多変数系として制御する場合、ルーパ及び圧延材張
力の最適制御を可能にするルーパ多変数制御装置を提供
することを目的とする。
機のルーパの高さと圧延材張力との干渉系のモデルとし
て、制御量を圧延材張力及びこの圧延材張力に重みパラ
メータを乗じてルーパ角度に加算した量とし、操作量を
圧延主電動機の速度補正指令値及びルーパ電動機の速度
指令値とする2入力2出力系とし、かつ、内部状態変数
として圧延材張力、ルーパ角度及びルーパ電動機速度の
うち、少なくとも圧延材張力及びルーパ角度を含むもの
を用いる一方、設定手段が圧延材の張力目標値、ルーパ
高さの目標値、制御対象プロセスのモデルを表現する変
数、圧延材張力とルーパ高さの応答を指定するための変
数、圧延材張力とルーパ高さの応答を調整するための変
数、及び重みパラメータをそれぞれ設定すると、制御演
算手段が設定手段で設定された設定値をモデルに対応す
る制御ゲイン式に代入して、制御ゲインを数値として求
め、この制御ゲインを用いて圧延主電動機の速度補正指
令値及びルーパ電動機の速度指令値を演算し、演算され
た速度補正指令値を圧延主電動機の速度制御系に加え、
速度指令値をルーパ電動機の速度制御系に加えるように
したもので、これによって、圧延材料の状態や操業状態
の変化に対してリカッチ方程式を数値的に解いたり、あ
るいは、制御ゲインテーブルを用いる必要性はなく、ま
た、圧延材張力の制御に圧延主電動機とルーパ電動機と
が協調して働くため、圧延材張力及びルーパ高さを最適
に制御することができる。
及びルーパ角度を内部状態変数とするとき、制御演算手
段は、圧延材張力に第1のフィードバックゲインを乗じ
て圧延主電動機の速度制御系の速度補正指令値の補正量
とし、ルーパ角度に第2のフィードバックゲインを乗じ
て圧延主電動機の速度制御系の速度補正指令値の補正量
とし、ルーパ角度に第3のフィードバックゲインを乗じ
てルーパ電動機の速度制御系の速度指令値の補正量とす
る。
力、ルーパ角度及びルーパ電動機速度を内部状態変数と
するとき、制御演算手段は、圧延材張力に第1のフィー
ドバックゲインを乗じて圧延主電動機の速度制御系の速
度補正指令値の補正量とし、ルーパ角度に第2のフィー
ドバックゲインを乗じてルーパ電動機の速度制御系の速
度指令値の補正量と量とし、ルーパ電動機速度に第3の
フィードバックゲインを乗じてルーパ電動機の速度制御
系の速度指令値の補正量とする。
基づいて詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施形
態の概略構成を、適用対象圧延機と併せて示したブロッ
ク図である。図1において、圧延材1は第iスタンド圧
延機2及び第i+1スタンド圧延機3の順で圧延され
る。ここで、タンデム圧延機の全スタンド数をnとする
と、n=5〜7が一般的である。以下に示すルーパ等の
装置は各スタンド間に設置されるが、i〜i+1の2ス
タンド間の状態を考察すれば容易に他のスタンドへも拡
張できるので、ここでは2スタンド間のみを考える。な
お、iは1≦i≦n−1の範囲である。
タンド圧延機3間にルーパ4が設けられている。このと
き、ルーパロールが受ける圧延材の張力が張力検出装置
5によって検出される。また、ルーパアームの角度に換
算されるルーパの高さがルーパ角度検出装置6によって
検出される(以下、ルーパ高さをルーパ角度ともい
う)。ルーパ4を駆動するルーパ電動機7には回転速度
検出装置8が取付けられ、ルーパ電動機回転速度とその
回転速度指令値との偏差を小さくするようにルーパ電動
機速度制御装置9によってルーパ電動機7が制御され
る。
下、圧延主電動機を主機という)10の速度を制御するた
めの主機速度制御装置11は、主機速度と、上位計算機等
で設定された設定速度を後述の速度補正指令値によって
補正された速度指令値との偏差を小さくするように第i
スタンド主機10の電流を制御する。
第iスタンド主機10の速度補正指令値は制御演算手段12
で演算される。この場合、制御対象プロセスのモデル13
に基づき、設定手段14が圧延材の張力目標値、ルーパ角
度(高さ)の目標値、制御対象プロセスのモデルを表現
する変数、スタンド間張力とルーパ角度の応答を指定す
るための変数、スタンド間張力とルーパ角度の応答を調
整するための変数、及び、制御量として圧延材張力の他
に圧延材張力に重みパラメータを乗じてルーパ角度に加
算した量をとり、その重みパラメータの値をそれぞれ設
定すると、制御演算手段12が設定された各変数を所定の
制御ゲイン式に代入して、制御ゲインを数値として求め
る。
段14を除いたものに対応する制御系のブロック図であ
る。図2において、ブロック21〜26が制御対象プロセス
であり、図1中に参照符号1〜11を付した要素に相当す
る。このうち、図1における主機速度制御系は、速度制
御応答が十分に速いものとして、「1」で近似している
ため、ブロックとしては記述していない。ブロック21は
主機速度から圧延材料速度への影響係数で、fは先進率
を表している。ブロック22は張力発生プロセスにおける
張力発生ゲインと積分器であり、ブロック23は張力発生
プロセスにおけるフィードバックゲインであり、ブロッ
ク22及び23によって張力発生機構をモデル化している。
ブロック24はルーパ回転速度から圧延材料速度への影響
係数である。
御系を一次遅れ応答の一つのブロックで表したものであ
り、ブロック26はルーパ電動機の回転速度からルーパ角
度への伝達関数である。図2のブロック25が図1中に参
照符号7,8,9を付した要素に対応している。
御演算手段12に相当する部分であり、ブロック31からブ
ロック34までは積分器であり、ブロック35からブロック
37まではフィードバック制御器である。ブロック38は張
力制御系応答の調整係数、ブロック39はルーパ角度制御
系応答の調整係数である。この場合、フィードバック制
御器35は圧延材張力にフィードバックゲインを乗じて主
機の速度補正指令値の補正量とし、フィードバック制御
器36はルーパ角度にフィードバックゲインを乗じてルー
パ電動機の速度指令値の補正量とし、フィードバック制
御器37はルーパ電動機速度にフィードバックゲインを乗
じてルーパ電動機の速度指令値の補正量とするものであ
る。
角度と圧延材張力の両方を制御するべく、ブロック40に
おける重みC1 を、圧延材張力の目標値と検出値との差
に乗じてルーパ角度目標値に加え、積分制御器33及び34
へのフィードバック量とする。
プロセスモデルを状態方程式で書くと下記(2),
(3)式のようになる。
微小変化を表し、また、記号の上に付した「・」は時間
微分を表している。したがって例えば、
T として状態方程式を表すと下記(4)式となる。
は2×3であり、これらを下記(5)式に示す。
である。 gL :ルーパとルーパ電動機とのギヤ比 E :圧延材のヤング率 tf :前方張力 f :先進率 ωL :ルーパ回転速度 F2 :ルーパ回転速度から圧延材料速度への影響係数 K10:張力フィードバック係数 L :スタンド間距離 VR :主機速度 θ :ルーパ高さ(角度で表す) TLS:ルーパ速度制御系の時定数 添え字REF :その記号の目標値を表す。
角度と圧延材張力の両方を制御するべく上記(3)式を
以下のように変形する。
度θは、(6)式により(7)式のy1 に変更される。 y1 =C1 tf +θ (7) (7)式中の重みC1 を大きくすれば圧延材張力tf の
比重が大きくなり、圧延材張力自体は良好に制御される
がルーパ角度θの変動が大きくなる。また、(7)式中
の重みC1 を小さくすれば圧延材張力tf の比重が小さ
くなり、ルーパ角度θは一定に制御される方向である。
例えば、重みC1 を0にすれば、従来のプロセスモデル
として知られる(3)式となる。
ブロック31〜37の制御ゲインの決定方法を以下に説明す
る。この方法は、基本的にはILQ法を用いて決定す
る。ILQ法とは、LQ制御問題を逆問題の観点から解
いたもので、例えば、文献「ILQ最適サーボ系設計法
の一般化」(藤井隆雄、下村卓著、システム制御学会論
文誌Vol.1,NO.6,1988)に詳しく記述さ
れている。
象プロセスのモデルを用いることによって、圧延材張力
tf とルーパ角度y1 とを非干渉化することを前提とし
てブロック31〜37の制御ゲインを次式で表すことができ
る。 ブロック31:KIO11=−ωTC・L/{E(1+f)} (8) ブロック32:KIO21=−C1 ・ωTC・gL ・TLS・(ωHC−ωTC) (9) ブロック33:KIO12=0 (10) ブロック34:KIO22=gL ・TLS・ωHC 2 (11) ブロック35:KFO11=−L/{E(1+f)} (12) ブロック36:KFO23=gL ・TLS・ωHC (13) ブロック37:KFO22=TLS (14) ここで、 ωTC:張力制御系の指定応答の遮断周波数 (rad/s) ωHC:(7)式におけるy1 の指定応答の遮断周波数(rad/s) であり、それぞれ所望の値を指定する。また、KFOikは
指令値と出力ベクトルの各要素との偏差から入力ベクト
ルuのi番目の要素u(i)へのフィードバックゲイン
を表し、KIOikは指令値と出力ベクトルの各要素との偏
差から入力ベクトルuのi番目の要素u(i)への積分
ゲインを表す。なお、KFO12,KFO13,KFO21は0とな
るため、記載を省略した。
は対象プロセスモデルの変数と、指定する応答の変数の
数式表現で構成されている。
応答になるように、またσ2 はルーパ角度制御系が所望
の応答になるように決定する。一般にσ1 ,σ2 を大き
な値に設定すると速い応答が得られるが、操作量である
主機速度指令値やルーパ電動機速度指令値も大きな値と
なるので、あまり大きな値は実現できないことになる。
制御量を圧延材張力と、圧延材張力に重みパラメータを
乗じてルーパ角度に加算した量の二つとし、上記(8)
〜(14)式における変数gL ,f,TLSが制御対象プ
ロセスのモデルを表現する変数として、ωTC及びωHCが
張力とルーパ角度の応答を指定するための変数として、
C1 がルーパ角度制御に対する制御量としてルーパ角度
に加算する圧延材張力に乗ずる重みパラメータとして、
さらに、図2中のσ1 及びσ2 がスタンド間張力とルー
パ高さの応答を調節する変数としてそれぞれ設定手段14
から制御演算手段12に設定される。制御演算手段12はこ
れらの設定値を(8)〜(14)式に代入してブロック
31〜37の制御ゲインを演算し、設定値σ1 及びσ2 と併
せて数値として計算する。
ッチ方程式を数値的に解いたり、あるいは、制御ゲイン
テーブルを用いたりする必要性はなく、主機とルーパ電
動機とが協調して圧延材張力を制御するため、圧延材張
力及びルーパ高さを最適に制御することができる。
1に示した制御系のうち、設定手段14を除いたものに対
応する制御系のブロック図である。図3において、ブロ
ック21〜26は制御対象プロセスであり、ルーパ電動機の
速度制御系は十分に速いものとしてブロック25を省略し
た点が図2と比較してその構成を異にしている。図3に
おけるブロック41〜46は、図1中の制御演算手段12に相
当する部分であり、このうち、ブロック41〜44は積分制
御器で、ブロック45〜46はフィードバック制御器であ
る。この場合、フィードバック制御器45は圧延材張力に
フィードバックゲインを乗じて主機の速度補正指令値の
補正量とし、フィードバック制御器46はルーパ角度にフ
ィードバックゲインを乗じて主機の速度補正指令値の補
正量とし、フィードバック制御器47はルーパ角度にフィ
ードバックゲインを乗じてルーパ電動機の速度指令値の
補正量とするものである。
26で示した制御対象プロセスを状態方程式で書くと下記
(15),(16)式のようになる。
T として状態方程式を表すと下記(17)式となる。
2、CA は2×2であり、これらを下記(18)式に示
す。
力の両方を制御するべく、上記(16)式を以下のよう
に変形する。
角度θは、(19)式により(20)式のy2 に変更さ
れる。 y2 =C1 tf +θ (20) (20)式中の重みパラメータC1 の意味、及びその設
定方法は第1の実施形態で説明したとおりである。
御対象プロセスのモデルを用いることで、圧延材張力t
f とルーパ角度y2 とを非干渉化することを前提として
ブロック41〜47の制御ゲインを次式で表すことができ
る。 ブロック41:KIO11=−ωTC(C1 ・E・gL ・F2 )/{E(1+f)} (21) ブロック42:KIO12=ωHC・gL ・F2 /(1+f) (22) ブロック43:KIO21=−C1 ・ωTC・gL (23) ブロック44:KIO22=gL ・ωHC (24) ブロック45:KFO11=−L/{E(1+f)} (25) ブロック46:KFO12=gL ・F2 /(1+f) (26) ブロック47:KFO22=gL (27) ここで、 ωTC:張力制御系の指定応答の遮断周波数 (rad/s) ωHC:(20)式におけるy2 の指定応答の遮断周波数(rad/s) であり、それぞれ所望の値を指定する。なお、KFO21は
0となり、記載を省略した。
ンは対象プロセスモデルの変数と指定する応答の変数の
数式表現で構成されている。変数E,F2 ,L,gL ,
fが制御対象プロセスのモデルを表現する変数として、
ωTC及びωHCが張力とルーパ角度の応答を指定するため
の変数として、C1 がルーパ角度制御に対する制御量と
してルーパ角度に加算する圧延材張力に乗ずる重みパラ
メータとして、さらに、図3中のσ1 及びσ2 がスタン
ド間張力とルーパ高さの応答を調節する変数としてそれ
ぞれ設定手段14から制御演算手段12に設定される。制御
演算手段12はこれらの設定値を(21)〜(27)式に
代入してブロック41〜47の制御ゲインを演算し、設定値
σ1 及びσ2 と併せて数値として計算する。
1の実施形態と同様に、リカッチ方程式を数値的に解い
たり、あるいは、制御ゲインテーブルを用いたりする必
要性がなく、主機とルーパ電動機とが協調して圧延材張
力を制御するため、圧延材張力及びルーパ高さを最適に
制御することができる。
れ、特開平5−337529号公報として開示された
「ルーパ多変数制御装置」は、上述の(2)式、(3)
式及び(6)式におけるA,B,Cがそれぞれ5×5,
5×2,2×5の行列であり、主機速度のフィードバッ
クを必要とする点で本願発明と構成を異にしている。
本発明によれば、熱間圧延におけるルーパと張力を制御
する場合、コントローラゲインをプロセスの変数や指定
応答を表す変数を用いて表記することにより、圧延材料
の状態や操業条件に対して最適なルーパと張力の制御を
行うことが可能となり、安定な操業に寄与することがで
きる。また、本発明によれば、従来方式で必要とした数
値テーブルを持つ必要性がないため、そのテーブルの維
持、管理に要する労力も軽減される。さらに、ルーパ角
度を圧延材張力の制御にも用いることにより、圧延材張
力とルーパ高さとを非干渉化する方法よりも良好な圧延
材張力の制御性能を実現することができ、安定な操業に
寄与し得る。
施形態の概略構成を、適用対象圧延機と併せて示したブ
ロック図。
示すブロック図。
施形態の制御系の詳細な構成を示すブロック図。
Claims (3)
- 【請求項1】タンデム圧延機のスタンド間に配置された
ルーパの高さとこのルーパが配置されたスタンド間の圧
延材張力との干渉系を多変数系として、圧延材張力を張
力目標値に追従させ、ルーパ高さをルーパ高さ目標値に
追従させるルーパ多変数制御装置において、 ルーパ高さと圧延材張力との多変数系をモデル化したも
のであり、制御量を圧延材張力及びこの圧延材張力に重
みパラメータを乗じてルーパ角度に加算した量とし、操
作量を圧延主電動機の速度補正指令値及びルーパ電動機
の速度指令値とする2入力2出力系であって、内部状態
変数として圧延材張力、ルーパ角度及びルーパ電動機速
度のうち、少なくとも圧延材張力及びルーパ角度を含む
制御対象プロセスのモデルと、 圧延材の張力目標値、ルーパ高さの目標値、前記制御対
象プロセスのモデルを表現する変数、圧延材張力とルー
パ高さの応答を指定するための変数、圧延材張力とルー
パ高さの応答を調整するための変数、及び前記重みパラ
メータをそれぞれ設定する設定手段と、 前記設定手段で設定された設定値を前記制御対象プロセ
スのモデルに対応する制御ゲイン式に代入して、制御ゲ
インを数値として求め、この制御ゲインを用いて前記圧
延主電動機の速度補正指令値及び前記ルーパ電動機の速
度指令値を演算する制御演算手段と、 を備え、前記制御演算手段によって演算された速度補正
指令値を前記圧延主電動機の速度制御系に加え、前記制
御演算手段によって演算された速度指令値を前記ルーパ
電動機の速度制御系に加えることを特徴とするルーパ多
変数制御装置。 - 【請求項2】前記制御対象プロセスのモデルが、圧延材
張力及びルーパ角度を内部状態変数とするとき、前記制
御演算手段は、圧延材張力に第1のフィードバックゲイ
ンを乗じて圧延主電動機の速度制御系の速度補正指令値
の補正量とし、ルーパ角度に第2のフィードバックゲイ
ンを乗じて圧延主電動機の速度制御系の速度補正指令値
の補正量とし、ルーパ角度に第3のフィードバックゲイ
ンを乗じてルーパ電動機の速度制御系の速度指令値の補
正量とすることを特徴とする請求項1に記載のルーパ多
変数制御装置。 - 【請求項3】前記制御対象プロセスのモデルが、圧延材
張力、ルーパ角度及びルーパ電動機速度を内部状態変数
とするとき、前記制御演算手段は、圧延材張力に第1の
フィードバックゲインを乗じて圧延主電動機の速度制御
系の速度補正指令値の補正量とし、ルーパ角度に第2の
フィードバックゲインを乗じてルーパ電動機の速度制御
系の速度指令値の補正量とし、ルーパ電動機速度に第3
のフィードバックゲインを乗じてルーパ電動機の速度制
御系の速度指令値の補正量とすることを特徴とする請求
項1に記載のルーパ多変数制御装置。
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