JP2989503B2 - 棒状化粧材繰出容器 - Google Patents

棒状化粧材繰出容器

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JP2989503B2
JP2989503B2 JP33030094A JP33030094A JP2989503B2 JP 2989503 B2 JP2989503 B2 JP 2989503B2 JP 33030094 A JP33030094 A JP 33030094A JP 33030094 A JP33030094 A JP 33030094A JP 2989503 B2 JP2989503 B2 JP 2989503B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は棒状化粧材(口紅やアイ
ライン等)の繰出容器に関する。特には、棒状化粧材の
前進限(繰出端)や後退限(引込端)におけるクラッチ
機構(空回り機構)を有する棒状化粧材繰出容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来の棒状化粧材繰出容器の一
例を示す断面図である。この図の棒状化粧材繰出容器1
01は、先筒(第二の筒体)131、容器本体筒(第一
の筒体)141(メネジ部145一体)、押棒151及
び尾栓159の4部品よりなる。棒状化粧材133は、
先筒131内に、軸方向(図の上下方向)に移動可能な
ように収められている。棒状化粧材133の後端(図の
下側端)は、押棒151の先端に設けられたチャック1
53の腔部に嵌合保持されている。
【0003】先筒131内孔には、同期係合縦溝137
が軸方向に切られており、この溝137と、後述する押
棒151外面の一群の突起157とが、軸方向摺動自在
かつ回動不能に係合して、先筒131と押棒151とが
同期係合(回り止め)される。先筒131には、容器本
体筒141が、回動自在に同軸で嵌合している。容器本
体筒141の内孔には、メネジ部145が一体に形成さ
れているられている。メネジ部145の内面にはラセン
溝147が切られており、この溝には押棒151の外面
の一群の突起157が螺合している。
【0004】容器本体筒141と先筒131の嵌合部に
は、環状凸部139と環状凹部143よりなる回動自在
の連結部が設けられていて、先筒131が容易に抜けな
いようになっている。容器本体筒141の基端には尾栓
159が取り付けられており、この尾栓159の上端面
は、押棒151の径大部155下面と当接して、押棒の
後退側ストロークエンドを決めている。一方、押棒15
1の前進側のストロークエンドは、押棒径大部155の
上面とメネジ部145の下端面との当接により定まる。
【0005】押棒151の外面には、一群の突起157
が、4本の列状で、あるピッチで設けられている。これ
らの突起157は、見ようによっては、スパイラル状に
も配列されており、メネジ部145内面のラセン溝14
7と螺合してオネジの作用を果たす。また、これらの突
起157は、押棒151の軸方向に直線状に縦リブのよ
うに配列されており、先筒131内孔に切られている同
期係合縦溝137と係合する。
【0006】この容器の作用について説明する。例え
ば、容器本体筒141を左手の指で持って固定し、右手
の指で先筒131を回すと、押棒151は先筒131と
同期回転する(押棒突起157が先筒同期係合溝137
内に入り込んでいるため)。一方、容器本体筒141と
一体のネジ部145は回転しない。そのため、メネジ部
145のラセン溝147と係合している押棒突起157
は、ラセン溝に沿って回転しながら軸方向に移動し、押
棒が前進(又は後退)する。この押棒の軸方向の動きと
連動して、棒状化粧材133も先筒131の先端口13
5から繰り出され(又は引込まれ)る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来の棒状化粧
材繰出容器は、本発明の発明者が特願平5−28975
7号により提案したものであって、押棒の外面に成形し
にくいオネジが存在しないことや、メネジ部材の長さが
短くてすむことから、きわめて製造しやすいという重大
な利点がある。また、押棒外面の一群の突起の配列の選
択により、突起がオネジにもなれば縦リブにもなるとい
う機構上の重大な利点もある。
【0008】しかし、さらに使い勝手の良い棒状化粧材
繰出容器が求められていた。本発明は、棒状化粧材の繰
出端や引込端(ストロークエンド)において容器が空回
りするクラッチ機構を有し、使用者がストロークエンド
を明瞭に感じることができて使い勝手の良い棒状化粧材
繰出容器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の棒状化粧材繰出容器は、軸方向に連結され
た相対的に回動自在の2本の筒体と、これらの筒体内に
軸方向に摺動自在に収められた押棒と、この押棒と連動
する、棒状化粧材等を保持するチャックと、上記2本の
筒体のいずれか一方(第一の筒体)と同期回転する、ラ
セン溝の切られた内面を有するメネジ部材と、を具備
し;上記2本の筒体のいずれか他方の筒体(第二の筒
体)の内面、及び、上記押棒又はチャックの外面には、
第二の筒体と押棒とを軸方向摺動自在かつ回動不能に係
合させる同期係合部が設けられており、上記押棒の外面
には、上記メネジ部材のラセン溝と螺合する仮想のスパ
イラル空間の一部を占めるように配列された一群の突起
が設けられており;上記2本の筒体を相対的に回転させ
ることにより押棒とメネジ部材とを相対的に回転させて
押棒を進退させ、もって棒状化粧材を繰出し・引込みす
る棒状化粧材繰出容器であって;上記押棒の前進限及び
/又は後退限(ストロークエンド)を画するストローク
エンド設定部と、上記押棒がストロークエンドにある位
置において上記メネジ部材のラセン溝と螺合する上記押
棒外面の一群の突起の存在する押棒の部位に形成された
可撓性付与切欠部と、を有し;押棒がストロークエンド
にある位置において無理な回転力が押棒にかかった場合
に、メネジ部材のラセン溝と押棒外面の一群の突起との
螺合が解かれ両者が空回りすることを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明の棒状化粧材繰出容器の繰出・引込メカ
ニズムは、上述の従来の棒状化粧材繰出容器と同じであ
る。すなわち、第二の筒体−押棒−スパイラル状に配列
された一群の突起が同期回転し、第一の筒体−メネジ部
材−らせん溝が同期回転する。ここで第二の筒体と第一
の筒体とを相対的に回転させれば(一方を固定して一方
を回せば)、一群の突起がラセン溝中を進んで押棒及び
それと連動するチャックが進退する。チャック進退に伴
いそれに支持されている棒状化粧材が棒状化粧材繰出容
器から繰出し、引込みされる。
【0011】次に、クラッチ機構の作用について説明す
る。本発明の棒状化粧材繰出容器においては、押棒がス
トロークエンドにある位置でメネジ部材のラセン溝と螺
合する押棒外面の一群の突起は、可撓性付与切欠部の形
成された押棒の部分に設けられている。可撓性付与切欠
部は、例えば押棒の芯部を横から窓状に切欠いたもので
ある。そして、この切欠によって肉厚が薄くなって撓み
やすくなった残りの橋状の部分(一例)に一群の突起が
突接されている。したがって、押棒が前進限にありなが
らも、さらに前進させるような方向に容器を回した場
合、メネジ部材のラセン溝と突起とが干渉して力(無理
な力)が働き、上記橋状の部分が内側に撓み、突起とラ
セン溝の螺合が解除され、押棒がメネジ部材内で空回り
する。このときの感触や音で、使用者は、容器がストロ
ークエンドにあることを知る。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1は、
本発明の一実施例に係る棒状化粧材繰出容器を示す断面
図である。
【0013】この図の棒状化粧材繰出容器1は、先筒
(第二の筒体)2、容器本体筒(第一の筒体)6、メネ
ジ部材5、押棒4の4部品よりなる。棒状化粧材10
は、先筒2内に、軸方向(図の上下方向)に移動可能な
ように収められている。棒状化粧材10の後端(図の下
側端)は、押棒4の先端に設けられたチャック3の腔部
17に嵌合保持されている。
【0014】先筒2内孔13には同期係合縦溝15が軸
方向に切られており、この溝15と、後述する押棒4外
面の一群の突起25とが、軸方向摺動自在かつ回動不能
に係合して、先筒2と押棒4とが同期係合(回り止め)
される。先筒2には、容器本体筒6が、回動自在に同軸
で嵌合している。容器本体筒6の内孔には、メネジ部材
5が、ローレット29等により固定されて取り付けられ
ている。メネジ部材5の内面には4条のラセン溝27が
切られており、この溝には押棒4の外面の一群の突起2
5が螺合している。この棒状化粧材繰出容器のラセン溝
27は、リード角が大きめに作られており、メネジ部材
5を射出成形によって成形する際には、金型のコアを回
転させることなく引き抜き、成形品を自然に回転させて
いる。
【0015】容器本体筒6と先筒2の嵌合部には、環状
凸部19と環状凹部21よりなる回動自在の連結部が設
けられていて、先筒2が容易に抜けないようになってい
る。また、この連結部の下にはOリング23も装着され
ており、先筒2と容器本体筒6の間の回動に適当な摩擦
抵抗を与える役割を果たしている。なお、この摩擦抵抗
がないと、ネジのリード角が大の場合には、棒状化粧材
10の先端に化粧時の圧力がかかった時に、押棒4がメ
ネジ部材5にたいして回転して棒状化粧材10が引っ込
んでしまう(CUP−DOWNという)。このようなC
UP−DOWNを、Oリング23によって防止できる。
このOリングのCUP−DOWN防止効果は、押棒が普
通のオネジを有する場合であっても、同じである。さら
に、先筒2と容器本体筒6とのグラツキも防止できる。
容器本体筒6の基端にはエンドフランジ45が設けられ
ておりこのエンドフランジ上端面43は、押棒4の径大
部39下端面41と当接して、押棒の後退側ストローク
エンドを決めている。一方押棒4の前進側のストローク
エンドは、押棒径大部39の上端面37とメネジ部材5
の下端面31との当接により定まる。
【0016】押棒4の外面には突起25が、4本の列状
で、あるピッチで設けられている。なお突起25が小判
形をしているのは、押棒4のガタツキを防止するためで
ある。これらの突起25は、見ようによっては、スパイ
ラル状にも配列されており、メネジ部材5内面のラセン
溝27と螺合してオネジの作用を果たす。また、これら
の突起25は、押棒4の軸方向に直線状に縦リブのよう
に配列されており、先筒内孔13に切られている同期係
合縦溝15と係合する。
【0017】この容器の作用について説明する。例え
ば、容器本体筒6を左手の指で持って固定し、右手の指
で先筒2を回すと、押棒4は先筒2と同期回転する(押
棒突起25が先筒同期係合溝15内に入り込んでいるた
め)。一方、容器本体筒6に固定されているメネジ部材
5は回転しない。そのため、メネジ部材5のラセン溝2
7と係合している押棒突起25は、ラセン溝に沿って回
転しながら軸方向に移動し、押棒が前進(又は後退)す
る。この押棒の軸方向の動きと連動して、棒状化粧材1
0も先筒2の先端口から繰り出され(又は引込まれ)
る。
【0018】図1の棒状化粧材繰出容器の特徴は、押棒
4の上部及び下部に切欠A33及び切欠B35からなる
クラッチ機構が設けられていることである。両切欠は、
押棒4の横方向に貫通した窓のような形で設けられてい
る。また、両切欠は、軸方向に長く延び、約5個分の突
起25が存在する押棒4の部分に渡っている。
【0019】切欠A33の位置は、押棒4が後退限にあ
る時に(図1の状態)、メネジ部材5と重なる位置であ
る。切欠B35の位置は、押棒4が前進限にある時に、
メネジ部材5と重なる位置である。
【0020】両切欠のクラッチ作用について説明する。
図2は、図1の押棒の切欠部におけるクラッチ作用を模
式的に示す図である。図1の状態から押棒4を無理に後
退側に回そうとすると、押棒4はこれ以上下には行かな
いので、押棒4外面の突起25がそのままの上下位置で
回転しようとする。そうすると、突起25は、ラセン溝
27の境のラセン凸条51に干渉し、この凸条51を乗
り越えようとする。一般的には、ここで無理に押棒4を
回すと、突起25かラセン凸条51のどちらか(あるい
は両方)がこわれてしまう。
【0021】ところが、本実施例の棒状化粧材繰出容器
の場合は、押棒4の中に切欠A33があるため、切欠A
33の両側の橋状部52が突起25に押されて内側に撓
んで、図2のような状態となる。そうなると、突起25
がラセン溝27から内側に外れて、ラセン凸状51を乗
り越えて隣のラセン溝27に入ってしまう。後はこの繰
り返しで、押棒4は後退限で空回りする。この際の感触
や音で、使用者は、棒状化粧材繰出容器が後退限(引込
端)にあることを明瞭に知ることができる。また、無理
回しによる容器の破壊も防止できる。
【0022】この棒状化粧材繰出容器の前進限(繰出
端)における切欠A35のクラッチ作用も上述の後退限
の場合と同様である。図1の棒状化粧材繰出容器は、前
進限及び後退限にクラッチ機構を備えているが、このよ
うなクラッチ機構は、前進限又は後退限のいずれかにあ
ればよい場合もある。例えば、棒状化粧材を使い切って
短くなり、これ以上繰出せないことを使用者に知らせる
ためのみならば、前進限のみにクラッチ機構があればよ
い。
【0023】図3は、押棒に形成された可撓性付与切欠
部の他の一例を示す図である。図3の押棒4は後端切欠
53を有する。後端切欠53は、押棒4の軸芯部に、押
棒4の後端(下端)から上方に切込まれている。さら
に、押棒4の後端部側面(図の紙面の表側及び裏側)
は、肉のそぎ落とされたそぎ落し面54となっており、
残った押棒4の部分は尾ビレ部55となっている。
【0024】尾ビレ部55の外面には、突起25が突設
されている。また、尾ビレ部55の下端部は径大部(横
方向張出部)39となっている。突起25、径大部39
の役割は、図1の棒状化粧材繰出容器のそれらの役割と
同じである。このように形成された尾ビレ部55は撓み
やすいので、良好なクラッチ機構を構成できる。
【0025】図4は、本発明の第二態様に係る棒状化粧
材繰出容器の一実施例を示す断面図である。図1の棒状
化粧材繰出容器と同様の部位は同じ符号で示されてい
る。この図の態様の棒状化粧材繰出容器は、軸方向に連
結された相対的に回動自在の2本の筒体と、これらの筒
体内に軸方向に摺動自在に収められた押棒と、この押棒
と連動する、棒状化粧材等を保持するチャックと、上記
2本の筒体のいずれか一方(第一の筒体)と同期回転す
る、ラセン溝の切られた内面を有するメネジ部材と、を
具備し;上記2本の筒体のいずれか他方の筒体(第二の
筒体)の内面、及び、上記押棒又はチャックの外面に
は、第二の筒体と押棒とを軸方向 自在かつ回動不能
に係合させる同期係合部が設けられており、上記押棒の
外面には、上記メネジ部材のラセン溝と螺合するオネジ
が設けられており;上記2本の筒体を相対的に回転させ
ることにより押棒とメネジ部材とを相対的に回転させて
押棒を進退させ、もって棒状化粧材を繰出し・引込みす
る棒状化粧材繰出容器であって;上記押棒の前進限及び
/又は後退限(ストロークエンド)を画するストローク
エンド設定部と、上記押棒外面のオネジの切られている
領域の外側に設けられた、メネジ部材のラセン溝と相対
回転自在で、かつ、押棒をオネジとラセン溝とが螺合す
る方向に付勢するクラッチ部と、を有することを特徴と
する。
【0026】この態様の棒状化粧材繰出容器の繰出・引
込メカニズムは、前述の第一態様の棒状化粧材繰出容器
と同様である。なお、押棒外面のオネジは、スパイラル
状に配列された一群の突起であっても、普通のオネジで
あってもよい。
【0027】本発明の第二態様の棒状化粧材繰出容器の
クラッチ機構を説明する。図4に示されている、押棒4
の後端のクラッチ部61がクラッチ機構を構成する。図
5は、図4の棒状化粧材繰出容器の押棒4のクラッチ部
61周辺を拡大した図であって、同棒状化粧材繰出容器
のクラッチ機構の一連の動作を説明するための断面図で
ある。
【0028】図5(A)に示されているように、クラッ
チ部61は、押棒4の突起配列部64に続く突起25の
無いストレートな面62と、このストレート面62の反
突起配列部側に続く、反突起配列部方向に向かって広が
るテーパー面63と、ストレート面62からテーパー面
63にかけての押棒4後端部に形成された可撓性付与切
欠部としての後端切欠53と、から構成されている。
【0029】図5(A)は、押棒4が前進限近くまで前
進した状態である。さらに押棒4が前進する(右に進
む)と、テーパー面63がメネジ部材5の下端部31に
当接してストッパーが効いて、前進限となる。
【0030】図5(B)は、そのようなストッパーが効
き始めた状態である。すなわち、テーパー面63は、実
際には、最後端側のラセン凸状51’と接する。さら
に、押棒4が回転しながら右に進む(詳しくは、図の最
左端の突起25’が図の最右端のラセン凸状51に添っ
てスパイラルな動作をしながら移動すると)、ラセン凸
状51’がテーパー面63を押す力によって後端切欠5
3がすぼまり、テーパー面63はさらに右側に引き込ま
れる。
【0031】図5(C)は、上述のようになって、ほぼ
最大限、押棒4が前進した(右に移動した)状態を示
す。このとき、テーパー面63とラセン凸状51’の当
接力により、押棒4は後退方向すなわち突起25’がラ
セン溝27と螺合する向きに付勢されている。図5
(C)の状態からさらに押棒を回転させると、突起2
5’は、ラセン凸状51の図上における裏側に回り込ん
でしまう。そうなると、ラセン凸状51の裏側はラセン
溝27となっているため、突起25’は左方向への支え
を無くして、上記付勢力のため、後退方向(図の左方
向)に戻る。これが図5(D)の状態である。
【0032】さらに押棒を回せば、(A)〜(D)の状
態が繰り返えされ、ちょうどクラッチのような作用とな
る。このようなテーパー面とストッパーとの干渉を利用
したクラッチ機構の利点は、押棒が普通のオネジを有し
ているような場合でも、簡単にクラッチ機構を実現でき
ることである。
【0033】図6は、図5の実施例と同様のクラッチ機
構を有する本発明の一実施例の棒状化粧材繰出容器を示
す断面図である。
【0034】図6の棒状化粧材繰出容器が図5の棒状化
粧材繰出容器と異なるのは次の点である。すなわち、こ
の実施例の棒状化粧材繰出容器の押棒4外面には、通常
のオネジ67が切られている。また、先筒2の内孔13
には、軸方向に同期係合縦溝65が切られている。この
同期係合縦溝65は、チャック3の外面に突き出すよう
に設けられた同期係合リブ69と、軸方向摺動自在、か
つ、回動不能に係合して、押棒4と先筒2との回り止め
となる。
【0035】図6の棒状化粧材繰出容器の利点は、ピッ
チが非常に細かい場合は通常オネジでも割型で生産でき
ることである。
【0036】図7は、図5の実施例と同様のクラッチ機
構を有する棒状化粧材繰出容器に用いられる押棒の一変
形例を示す図である。図8は、図7の押棒と組合わせて
用いる先筒の断面図である。
【0037】図7の押棒の特徴は、通常のオネジ67、
及び、同オネジ67のある部分をそぎ落としたようにそ
ぎ落し面71を有することである。このそぎ落し面71
に、射出成形のパーティングラインがくる。
【0038】図7の押棒を有する棒状化粧材繰出容器の
クラッチ機構は、図5や図6の棒状化粧材繰出容器のク
ラッチ機構と同じである。図7、8に示されているよう
に押棒及び先筒を構成する利点は、上述のように射出成
形する場合、金型のパーティングライン付近にネジが存
在しないので、型開き時におけるネジのアンダーカット
が起きないことである。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の棒状化粧材繰出容器は以下の効果を発揮する。 クラッチ機構を、押棒に加工された切欠やテーパー
面により構成することができるので、従来の棒状化粧材
繰出容器から部品点数を増やすことなくクラッチ機構付
きの棒状化粧材繰出容器を提供できる。
【0040】 図1及び2の実施例のクラッチ機構
は、一群の突起を有する押棒を採用する場合のみ実現で
きるが、図4及び5の実施例のクラッチ機構は、通常の
オネジを有する押棒でも実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る棒状化粧材繰出容器を
示す断面図である。
【図2】図1の押棒の切欠部におけるクラッチ作用を模
式的に示す図である。
【図3】押棒に形成された可撓性付与切欠部の他の一例
を示す図である。
【図4】本発明の第二態様に係る棒状化粧材繰出容器の
一実施例を示す断面図である。
【図5】図4の棒状化粧材繰出容器の押棒4のクラッチ
部61周辺を拡大した図であって、同棒状化粧材繰出容
器のクラッチ機構の一連の動作を説明するための断面図
である。
【図6】図5の実施例と同様のクラッチ機構を有する本
発明の一実施例の棒状化粧材繰出容器を示す断面図であ
る。
【図7】図5の実施例と同様のクラッチ機構を有する棒
状化粧材繰出容器に用いられる押棒の一変形例を示す断
面図である。
【図8】図7の押棒と組合わせて用いる先筒の断面図で
ある。
【図9】従来の棒状化粧材繰出容器の一例を示す断面図
である。
【符号の簡単な説明】
1 棒状化粧材繰出容器 2 先筒 3 チャック 4 押棒 5 メネジ部材 6 容器本体筒 10 棒状化粧材 11 先端開口 13 内孔 15 同期係合
縦溝 17 腔部 19 環状凸部 21 環状凹部 23 Oリング 25 突起 27 ラセン溝 29 ローレット 31 メネジ部
材下端部 33 切欠A 35 切欠B 37 径大部上端面 39 径大部 41 径大部下端部 43 エンドク
ランジ上端部 45 エンドクランジ 51 ラセン凸
状 52 橋状部 53 後端切欠 54 そぎ落し面 55 尾ビレ部 62 ストレート円筒面 63 テーパー
面 64 突起配列部 65 同期係合
縦溝 67 オネジ 69 同期係合
リブ 71 そぎ落し面 73 同期係合
縦溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A45D 40/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に連結された相対的に回動自在の
    2本の筒体と、 これらの筒体内に軸方向に摺動自在に収められた押棒
    と、 この押棒と連動する、棒状化粧材等を保持するチャック
    と、 上記2本の筒体のいずれか一方(第一の筒体)と同期回
    転する、ラセン溝の切られた内面を有するメネジ部材
    と、を具備し;上記2本の筒体のいずれか他方の筒体
    (第二の筒体)の内面、及び、上記押棒又はチャックの
    外面には、第二の筒体と押棒とを軸方向摺動自在かつ回
    動不能に係合させる同期係合部が設けられており、 上記押棒の外面には、上記メネジ部材のラセン溝と螺合
    する仮想のスパイラル空間の一部を占めるように配列さ
    れた一群の突起が設けられており;上記2本の筒体を相
    対的に回転させることにより押棒とメネジ部材とを相対
    的に回転させて押棒を進退させ、もって棒状化粧材を繰
    出し・引込みする棒状化粧材繰出容器であって;上記押
    棒の前進限及び/又は後退限(ストロークエンド)を画
    するストロークエンド設定部と、 上記押棒がストロークエンドにある位置において上記メ
    ネジ部材のラセン溝と螺合する上記押棒外面の一群の突
    起の存在する押棒の部位に形成された可撓性付与切欠部
    と、を有し;押棒がストロークエンドにある位置におい
    て無理な回転力が押棒にかかった場合に、メネジ部材の
    ラセン溝と押棒外面の一群の突起との螺合が解かれ両者
    が空回りすることを特徴とする棒状化粧材繰出容器。
  2. 【請求項2】 上記押棒外面の一群の突起が、上記メネ
    ジ部材のラセン溝のピッチの整数倍のピッチで、上記押
    棒の軸方向に直線的に配列されており、 上記第二の筒体の内面には軸方向に延びる縦溝が切られ
    ており、これらの突起と縦溝とが軸方向摺動自在かつ回
    動不能に係合して上期同期係合部を形成する請求項1記
    載の棒状化粧材繰出容器。
  3. 【請求項3】 軸方向に連結された相対的に回動自在の
    2本の筒体と、 これらの筒体内に軸方向に摺動自在に収められた押棒
    と、 この押棒と連動する、棒状化粧材等を保持するチャック
    と、 上記2本の筒体のいずれか一方(第一の筒体)と同期回
    転する、ラセン溝の切られた内面を有するメネジ部材
    と、を具備し;上記2本の筒体のいずれか他方の筒体
    (第二の筒体)の内面、及び、上記押棒又はチャックの
    外面には、第二の筒体と押棒とを軸方向摺動自在かつ回
    動不能に係合させる同期係合部が設けられており、 上記押棒の外面には、上記メネジ部材のラセン溝と螺合
    するオネジが設けられており;上記2本の筒体を相対的
    に回転させることにより押棒とメネジ部材とを相対的に
    回転させて押棒を進退させ、もって棒状化粧材を繰出し
    ・引込みする棒状化粧材繰出容器であって;上記押棒の
    前進限及び/又は後退限(ストロークエンド)を画する
    ストロークエンド設定部と、 上記押棒外面のオネジの切られている領域の外側に設け
    られた、メネジ部材のラセン溝と相対回転自在で、か
    つ、押棒をオネジとラセン溝とが螺合する方向に付勢す
    るクラッチ部と、を有することを特徴とする棒状化粧材
    繰出容器。
  4. 【請求項4】 上記クラッチ部が、オネジの端から離れ
    る方向に向かって広がる、メネジ部材端部に当接するテ
    ーパー面を有する請求項3記載の棒状化粧材繰出容器。
  5. 【請求項5】 上記テーパー面を弾性的にすぼませるた
    めの可撓性付与切欠部を有する請求項4記載の棒状化粧
    材繰出容器。
  6. 【請求項6】 上記クラッチ部が、 押棒の突起配列部に続く突起の無い平滑な面と、 この平滑な面の反突起配列部側に続く、反突起配列部方
    向に向かって広がるテーパー面と、 上記平滑な面からテーパー面にかけての押棒に形成され
    た可撓性付与切欠部とから構成されている請求項4記載
    の棒状化粧材繰出容器。
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