JP4584396B2 - 化粧材容器及び化粧材容器のカートリッジ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、棒状化粧材を繰出可能に収容する化粧材容器及び化粧材容器のカートリッジの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
カートリッジ内に収容されたアイライナー、アイブロウ、アイシャドー、リップライナー等の棒状化粧材を、カートリッジと容器本体の相対回転によってカートリッジ先端から繰り出す化粧材容器としては、例えば、特開昭60−48706号公報、実公平4−30961号公報等に提案がなされている。
【0003】
これらのうち、図7、図8に示す特開昭60−48706号公報の化粧材容器においては、カートリッジ301の先筒302内に同軸的に延びる内筒303を一体に形成し、この内筒303の外周に相対回転自在に配置したねじ筒304を、容器本体305のホルダー部306に相対回転不能にスプライン結合する。さらに、棒状化粧材307を保持する保持部材308に形成した係合突起109を、内筒303に軸方向に延びて形成された摺動溝310と、ねじ筒304にその軸回りの螺旋状に形成された螺旋溝311の両方に係合させる。これにより、カートリッジ301と容器本体305を相対回転させると、内筒303とねじ筒304が相対回転をし、摺動溝310と螺旋溝311が重なり合う部分が先筒302の先端側に移動していき、この重なり合う部分で摺動溝310及び螺旋溝311に係合する保持部材308(係合突起309)は先筒302の先端側に押し出される。
【0004】
この結果、保持部材308に保持された棒状化粧材307は、先筒先端の開口312から繰り出されていく。
【0005】
しかしながら、この特開昭60−48706号公報の化粧材容器においては、保持部材308の係合突起309を摺動溝310及び螺旋溝311の両方に係合させる必要があるため、摺動溝310が形成される内筒303と螺旋溝311が形成されるねじ筒304とを並列に重ね合わせた形に構成する必要があり、その分、化粧材容器の径が太くなってしまう。
【0006】
一方、図9に示す実公平4−30961号の化粧材容器においては、カートリッジ401の先筒402の先端側前半身の内周面に摺動溝403を形成する一方、先筒402の基端側後半身に、螺旋溝404を形成した螺旋筒405を回動自在に収容する。先端に棒状化粧材406を保持する保持部材407は、先端側の係合突起408において摺動溝403に係合するとともに、基端側の係合突起409において螺旋溝404に係合する。
【0007】
カートリッジ401は図示されない容器本体に相対回転自在に収容され、螺旋筒205はこの容器本体に対して相対回転不能に連結される。
【0008】
このような構成により、先筒402の摺動溝403が形成される部分と螺旋筒405とを軸方向に並べて構成することが出来、これらが並列に重なり合うことがなくなり、化粧材容器を全体に細身に形成することが出来る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この実公平4−30961号のカートリッジ401では、保持部材407の基端に形成された係合突起409が、螺旋筒405内周の螺旋溝404に螺合して保持部材407を押し出すようになっているので、係合突起409は保持部材407及び棒状化粧材406のストローク分だけ軸方向に移動することになる。
【0010】
従って、螺旋溝404は、少なくとも棒状化粧材406のストローク長以上の軸方向の長さを持つ必要があるが、螺旋溝405の製造において、このような長い螺旋溝404を作るのには多大な手間がかかってしまう。
【0011】
詳しく説明すると、一般に螺旋筒405の成型は、成型用型に備えられたコアピンの外周でなされ、螺旋溝404はこのコアピン外周面形状に従って形成される。そして、成型後の螺旋筒405はコアピンから外される事になるが、この場合、螺旋筒405(螺旋溝404)が短ければコアピンから自然に抜き出すことが出来るが、螺旋筒405(螺旋溝404)が長く設定されている場合には、特にコアピンを回転させなければ成型用型から取り外すことが出来ない。
【0012】
このため、螺旋筒405を大量生産する場合には、一つの成型用型に複数の回転するコアピンを備える必要があり、成型用型は複雑化してしまい、また相応のメンテナンスも必要となってしまう。一方、成型用型を複数のコアピンを持たないように簡略化すれば、生産効率が上がらないものとなってしまう。
【0013】
さらに、棒状化粧材406が細長いものであると、保持部材407のストロークが長くなる分、螺旋筒405は細長い形状のものとなるため、このような細長い螺旋筒405の全長にわたって螺旋溝404を形成するのは困難なものとなる。このような事情は、化粧材容器のコストアップの要因となっていた。
【0014】
また、上記のカートリッジ401では、例えば極細径で硬度も小さい棒状化粧材406のカートリッジとして使用された場合に、棒状化粧材406の繰出の上限において保持部材407がねじられた時等に、棒状化粧材406が破損したり、保持部材407からはずれたりしないような特別な配慮がなされているとは言えないものである。
【0015】
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、棒状化粧材を繰出可能に収容する化粧材容器及びこの化粧材容器のカートリッジであって、製造及び組立が容易かつ低コストで行い得るとともに、設計上の自由度が高く、様々な径や硬度の棒状化粧材に適応可能であるものを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、第1の発明では、棒状化粧材を先端の開口孔より繰り出す先筒を備え、容器本体に回転可能かつ着脱自在に収容されるカートリッジにおいて、先筒と基体とを回転可能に連結しカートリッジ本体を構成するとともに、このカートリッジ本体内に押棒を内挿し、前記先筒の先端開口孔とそれに続く貫通孔は内挿される棒状化粧材を最小限の隙間を持って摺動可能とする保持内周面を形成するとともに、前記貫通孔には複数の摺動溝を設け、前記押棒先端にこの複数の摺動溝に位置する複数の爪片により化粧材保持部を形成し、前記押棒の軸方向に前記先筒の摺動溝に係合する凸条を配するとともに、この凸条表面に複数の突起を配列し、前記基体の前部の螺旋筒部内の螺旋溝に前記複数の突起が螺合係合し、前記押棒先端の爪片の幅は、この爪片より延設される凸条の幅より小さく構成されている
【0017】
第2の発明では、前記押棒の凸条は、繰出下降限より繰出上昇限に至るまで常時とぎれることなく前記先筒の摺動溝に係合している。
第3の発明では、前記押棒の凸条は、前部は前記基体の螺旋筒部に進入不能な凸部を形成し、この凸部下端面と前記螺旋筒部先端面の当接をもって繰出下降限とし、前記押棒の後部にストッパー部材を設け、このストッパー部材上端面と前記螺旋筒部後端面の当接をもって繰出上昇限とするとともに、前記先筒の摺動溝の軸方向の長さを前記押棒の移動ストロークよりも長く設定した。
【0018】
第4の発明では発明1〜いずれか一つに記載のカートリッジと、このカートリッジが着脱自在に収容される容器本体を備え、前記カートリッジが前記容器本体に収容されたときには、前記先筒は前記容器本体に対して回転可能である一方、前記基体は同期係合部を介して前記容器本体に回転不能に連結する。第の発明では、前記カートリッジ内の押棒は、スプリングにより常時後方へ付勢する手段が取られるとともに、前記カートリッジが前記容器本体内に収容されたとき、前記先筒と前記容器本体との回動部に弾性体よりなる摩擦体を介在させた。
【0019】
【作用及び効果】
以上の手段を講じることにより、本発明の化粧材容器及び化粧材容器のカートリッジにおいては、棒状化粧材の進退する先端開口孔を備えた先筒と基体とを回転可能に連結してカートリッジ本体を構成するものである。
【0020】
このカートリッジ本体内に、先端に棒状化粧材を保持する化粧材保持部を備えた押棒を内挿し、先端開口孔と、この先端開口孔より続く貫通孔の内周面は、内挿された棒状化粧材を、最小の隙間を持って摺動可能としているものである。
【0021】
この貫通孔には、軸方向に複数の摺動溝が設けられているものであるが、それとともに、前述した化粧材保持部は複数の爪片により構成され、この爪片は貫通孔に形成されている摺動溝内を移動するものである。
【0022】
さらに、押棒は爪片より下方に配列してある、摺動溝に係合可能な凸条によって回転止め機能を構成する。さらに、凸条表面に複数の突起を配列してあるが、この突起が基体の前部の螺旋筒部内部に形成されている螺旋溝と螺合係合する事によって繰出機能を構成するので、凸条の断面積の増加により、押棒の強度が増しよじれ等の変形を防止できる。また、押棒の先端に形成されている化粧材保持部を構成する爪片の幅が、爪片下部に延設されている凸条の幅よりも小さく構成されていることが特徴である。化粧材を繰り出す際、爪片には繰出時の回動による回転力がかかるものであるが、爪片は舌状の薄い細長い片であり、この回転力に耐えられずによじれを起こし、安定した棒状化粧材の保持が行えないということが起こり得る。しかし、凸条の方が爪片より幅太で、常時摺動溝に係合摺動するため、爪片には負担が一切かからずに安定した棒状化粧材の保持が行えるものである。
【0023】
第2の発明においては、押棒上の凸条は、繰出下降限により繰出上昇限に至るまでの間に、常時とぎれることなく先筒の摺動溝に係合している。この凸条は、回転止めとして働くものであり、安定した摺動を得ることが出来るものである。
【0024】
第3の発明においては、押棒の凸条は、前部は基体の螺旋筒部に進入不能な凸部を形成しており、この凸部下端面と、螺旋筒部前端面との当接をもって、棒状化粧材の繰出下降限となるものである。
【0025】
押棒の後部には、ストッパー部材が固着されているが、このストッパー部材前端面と、螺旋筒部後端面との当接をもって、押棒の繰出上昇限としている。さらに先筒の摺動溝の長さであるが、押棒の繰上下限の移動ストロークより長く設定されている。つまり、繰出上昇限まで棒状化粧材を繰り出したとしても、棒状化粧材を保持している爪片は、先筒の摺動溝の前端面に当接することはなく、又、繰出上昇限において押棒全体がねじれて変形することが防止できる。
【0026】
そのため、爪片に余計な衝撃や負荷が加わらず、安定した保持を行うことが出来る。
【0030】
の発明においては、請求項1からのいずれか一つに述べられている形態のカートリッジを着脱自在に収容できる容器本体を備えた化粧材容器であり、この容器本体にカートリッジが収容されたときには、カートリッジ先筒と容器本体とは回転可能であり、カートリッジ基体と容器本体とは同期係合部による係合により、回転不能に連結して繰出を行うものである。
【0031】
の発明においては、カートリッジ内の押棒は、スプリングにより常時後方に付勢されているものである。
【0032】
さらに、カートリッジが容器本体に収容された際には、カートリッジ先筒と容器本体との間の回動部に弾性体、例えばOリングを介在させるものである。つまり、スプリングを利用することにより、押棒は常時後方に付勢されるために通常の状態では先筒と基体とを手で押さえていないと、押棒がカートリッジ内に引き込まれるが、先筒と容器本体との間にスプリングの付勢力よりも強い摩擦力のOリングを介在させることで、使用時は押棒を繰り出した位置にとどめておくことが可能でありながらカートリッジを化粧材容器より引き抜いた際には押棒がオートリターンする化粧材容器を提供できるものである。
【0033】
【実施例】
本発明を添付図面に沿って、詳細に説明する。図1は本発明による化粧材容器1であり、カートリッジ2が容器本体50内に収容され、棒状化粧材(図示されず)を繰り出す前の繰出下降限の状態を表す一部縦断面図を表し、図2は繰出上昇限まで繰り上げた状態を示す一部縦断面図である。図3は図1,図2に示された押棒30の立体図であり、図4は押棒30の軸方向の中心付近の横断面図である。
【0034】
図1に示す如く、本発明のカートリッジ2は、先筒10、これに回動可能に凹凸嵌合で連結された基体20でカートリッジ2のカートリッジ本体を構成し、カートリッジ2内に内挿される押棒30及びこの押棒30の後部に設けられたストッパー部材40と、前記先筒10と基体20の回動部に嵌着されるOリング4により構成される。
【0035】
先筒10の先端は、棒状化粧材芯が摺動可能な、棒状化粧材芯よりも微かに大径な開口孔11と、開口孔11と同径の貫通孔13が設けられている。この貫通孔13には、後述する押棒30先端の爪片31が移動可能な摺動溝12が4条形成されている。
【0036】
基体20は、前部に螺旋溝21が形成された螺旋筒部22を含む後端が開口した状態の筒体で、この螺旋溝21と、押棒30の凸条35外周に設けられた(複数の突起)係合突起36とが螺合係合する事によって繰出機能を構成している。
【0037】
カートリッジ2内に内挿される押棒30の前端には、化粧材保持部33を形成する4片の爪片31が備えられる。この4片の爪片31は、先筒10内に設けられている摺動溝12内に位置し、棒状化粧材が化粧材保持部33に挿入されると、爪片31の後部面に設けた摺動突起32が先筒10の摺動面12aに当接する事によって、爪片31間の計画された棒状化粧材の保持寸法を拡開することなく保ち、確実に棒状化粧材の尾部を保持する。
【0038】
カートリッジ2内に内挿される押棒30は、前述したように先端に4片の爪片31による化粧材保持部33を備え、その下部には、前記先筒10の摺動溝に係合する凸部34と、この凸部34と同幅の凸条35が軸方向に延設され、この凸条35の表面上に係合突起36が、前記基体20の螺旋溝21によるスパイラル空間上に存在している。後部にはストッパー部材40を固着するための、凹部37が備えられている。
【0039】
本実施例の、容器本体50は,アルミニュウム等の金属で製作された有底の筒体と、この容器本体50の前部に載置された板バネ5により構成され、板バネ5の後端は、容器本体50内の段部51によって後方への移動を防止されている。
【0040】
以下にカートリッジ2が容器本体50へ装着された時の、先筒10と容器本体50の回動による本発明の繰出メカニズムを説明する。
容器本体50内に装着されるカートリッジ2においては、基体20が容器本体50内の板バネ5の力によって、容器本体50と同期の回転をするので、先筒10と容器本体50とを回動することによって、化粧材保持部33に保持された棒状化粧材は進退が可能となる。なお、〇リング4の摩擦力よりも大きな保持力を板バネ5は有しているものである。
【0041】
詳細を説明すると、先筒10内の摺動溝12に位置する押棒30先端の4片による爪片31によって棒状化粧材は保持されている。また、押棒30が繰下げられた状態において、爪片31下部の凸条35の先端部分の凸部34が、前記先筒10の摺動溝12に係合して回転止め機能を構成する。さらに凸条35外周面の係合突起36は、基体20の螺旋溝21に螺合係合している。この状態で先筒10と基体20とを回動させると、基体20側と、押棒30とによって繰出機構を構成し、先筒10側では凸条35が押棒30に回転止め機構となるため、先筒10と基体20との回動によって押棒30は先筒10と同期の回転をしながら上昇を始める。
【0042】
それにより棒状化粧材は先筒10の先端開口孔11より突出を始め、押棒30の後部に固着されたストッパー部材40の上端面40aが基体20の前部螺旋筒部22の螺旋筒部後端面22bに当接する事によって、繰出上昇限となる。
【0043】
また、棒状化粧材を後退させ引き込むためには、上記メカニズムにより先筒10と基体20とを逆回転させる。それにより押棒30が引き込まれ、押棒30の凸部34の凸部下端面34aが、基体20の螺旋筒部22先端面22aに当接するところが繰出の下降限となる。
【0044】
本発明の特徴は、押棒30の凸部34を含む凸条35の幅は、爪片31の爪片幅31Lと同等もしくは大きい凸条幅35Lであり、押棒30の移動中常時摺動溝12に係合して回転止め係合部39aとして存在していることにある。また、同じ凸条35の外周面に係合突起36を列状に設け、繰出係合部39bを構成してることにもある。従って回転止め係合部39aと繰出係合部39bは同じ凸条にありながら、繰出機構と同時に回転止め機構として分離した働きをしていることとなる。
【0045】
そのため、凸条上の係合突起36は、凸条の幅より小さい突起でもよく、基体20の前部螺旋溝21に螺合係合して、繰出機構となるものであればよいということになる。
【0046】
また、凸部34を含む凸条35は、先筒10の摺動溝12に常時とぎれることなく係合して、回転止め機構として働くため、常に安定した摺動をするばかりでなく、その幅の設定によって、爪片31に回転力による不要な圧力を一切かけないように設計することが出来る。
【0047】
また、本発明の繰出しストロークは、前述したように押棒30の凸部下端面34aと螺旋筒部先端面22aとが当接して繰出下降限となり、さらにストッパー部材上端面40aと螺旋筒部後端面22bが当接して繰出上昇限が定められるので、先筒10の摺動溝12の長さを繰出ストロークより長めに設定すれば、爪片31が摺動溝12の終端に当接することがないので一切の負荷を爪片31にかけることがなく、安全な使用を保証できるものである。
【0048】
もちろん先筒10の摺動溝12内の爪片31による棒状化粧材の保持により、貫通孔13が棒状化粧材と最小限の隙間を持って摺動可能とする事による貫通孔13の摺動溝12の間に形成された保持内周面による軸方向の棒状化粧材のサポートも本発明の重要な要素であることはいうまでもない。
【0049】
上記の理由により、本発明のカートリッジ2は細径の棒状化粧材に最も適したものとして利用可能なものである。
【0050】
図4における押棒30の横断面によると、押棒中心軸38の寸法は、例えばこの直径が1.2mmの芯材が通過可能でありながら軸方向の最も微かな隙間でサポート可能に直径が約1.3mm程度に貫通孔13は製作される。
【0051】
従来、押棒の直径は、1.2mmの棒状化粧材を保持する物であれば、押棒も約同径としなければ、先筒に進入することができなかったので、押棒の断面積が大きくとれず押棒の強度が不足しねじれなどの不都合が生じることがあった。これに対し、本発明の押棒30には凸条35が形成されているので、棒状化粧材芯の直径による断面積に加えて凸条35の断面積が付加され、同径の棒状化粧材芯を保持する従来の押棒と比較するとより強度のある押棒30が容易に得られる。
その為、細径の棒状化粧材芯でもねじれ等の不都合を生じない信頼性がより高くなるものである。
【0052】
本発明のカートリッジ2は、先筒10,基体20,押棒30、ストッパー部材40の4部材を基本として製作される。先筒10と基体20の回動部に形成される。
基体20は前部の螺旋溝が、ピッチの粗い螺旋溝21とすることで、成形時にコアピンを回転させるねじ抜機構を使用しない部材として、金型を単純化して生産性を向上することができる。
【0053】
しかし、ピッチを粗くして、1回転当り移動距離であるリードを大きくした螺旋溝21と螺合する押棒30は、上部よりの圧力(使用時の押圧)で簡単にねじが逆転して戻ってしまう現象を生ずる。
【0054】
そこで、Oリング4は、単に先筒10と基体20の摺動重み出しと両部材のぐらつき防止を演出するのみならず適当な回転方向の抵抗となるので、このような現象を防止するOリング4は、基体20の螺旋溝21がねじ抜機構なしで製作可能なくらいリードが大きな場合には必要不可欠の部材となるわけである。
【0055】
それゆえにOリング4なしで棒状化粧材を使用すると、化粧時に繰り出した棒状化粧材を、まぶたや唇、眉などに押し当てる圧力に負けて、棒状化粧材は内部へと引き込まれてしまい、使用上の不都合を生ずる可能性がある。
【0056】
また、カートリッジ2が単体で販売される場合の、輸送等による棒状化粧材芯の先筒10先端開口孔11よりの突出してしまうような事故を防止している。
【0057】
本発明のカートリッジ2は以下の手順で組み付けられる。まずOリング4を基体20の螺旋筒部22の外周の凹部に巻装する。そして基体20の前部螺旋溝21に、押棒30を後部より挿入していき凸条35上の係合突起36を、前記螺旋溝12に次々と螺合係合させていくと、螺旋筒部先端面22aに、押棒30の爪片31下部の凸部下端面34aが当接する事となる。この状態で、ストッパー部材40を基体20の後部開口孔より挿入し、押棒30の後部凹部37へストッパー部材40の凸部を嵌入させることでストッパー部材40を押棒30に固着する。次に先筒10の摺動溝12に、押棒30の先端に形成された爪片31が位置するように組み込み、最後に先筒10と基体20を凹凸嵌合で連結することで組み付けは終了する。
【0058】
次に図5(A)(B)に示されている第2実施例を説明する。図5(A)は、カートリッジ102を表し、部材及び構成、繰出メカニズムは図1,図2に明記されているカートリッジ2と同様のものである。
【0059】
プラスティックによる一部材で容器本体150が製作され、容器本体50と同様に有底の筒体となっており、内部前部にカートリッジ102を係留するための凹環状部152と、底部側にカートリッジ102の基体120と同期の回転をするための同期係合スプライン151が形成されている。カートリッジ102もそれに合わせ、係合部115と基体120後部側に同期係合部131が設けられている。
【0060】
第2実施例では、容器本体150が第1実施例と異なって、一部材のプラスティックで大量生産可能であり。更に、スプライン151で同期係合するので板バネが不要となるため、第1実施例における化粧材容器1よりも安価な価格で提供するリーズナブルなセルフ販売などによる商材に適している。
【0061】
図6におけるカートリッジ202は本発明の第3実施例のカートリッジであり、その構成及び機能は図1,及び図5におけるカートリッジ2,カートリッジ102と同様であるが、ただし基体220の先筒210との回動部にはOリングは巻装されず、先筒210外周の容器本体250との回動部にOリング6が巻装されている。
【0062】
第3実施例におけるカートリッジ202は、基体220の前部螺旋筒部222の螺旋筒部後端面222bと、押棒230の後部ストッパー部材240との間にスプリング7が押棒230に巻装した形で設置され、押棒230を常時後方へと付勢していることを特徴とする。
【0063】
第3実施例の先筒210,基体220,容器本体250は、第2実施例における先筒110,基体120,容器本体150の部材と寸法は全く同一とすることが可能である。当然押棒130と230も同一とすることが可能なため、使用される棒状化粧材の芯径も同一なものとなる。
【0064】
あえて、その第2実施例と第3実施例の寸法的な差異を示すならば、第3実施例における先筒210のOリング6を巻装するための凹溝6aが、第2実施例においては必要がないことである。
【0065】
この第3実施例の化粧材容器の特徴は、カートリッジ202を容器本体250に収納して先筒210と容器本体250の回動によって図1及び図5のメカニズムと同様な機構によって棒状化粧材芯を先筒210の先端開口孔211より突出させ、化粧を施した後にカートリッジ202を容器本体250より引き抜くと、棒状化粧材芯がスプリング7の反発力によってオートリターン(押棒230が自動的に繰出下降限まで戻る現象)することにある。
【0066】
前述したように、図5における第2実施例の基体120前部の螺旋筒部122内の螺旋溝121は、図1における基体20と同様に回転するコアピンを使用することなく螺旋溝121の形成を可能とするため、そのピッチをやや粗く設定されている。また、押棒130の後戻りを防止するためにOリング5を先筒110と基体120の回動する部所に設置している。
【0067】
しかし、第3実施例の図6では、基体220の螺旋溝221のピッチの粗いのを逆に利用して、スプリング7によって常時後方へと付勢して、カートリッジ202が単独の状態では押棒230が常時繰出下降限の状態になるように製作されている。そのため、カートリッジ202の状態で先筒210と基体220とを回動させると、押棒230を後方に付勢しているスプリング7に抗して、前述のメカニズムによって押棒230は先端方向へ移動を始めようとする。先筒210と基体220のそれぞれを手にしていればスプリング7の付勢力よりも人間の手の力の方が強いため、押棒230は進出するが、この状態で先筒210のみを持つと、自由になった基体220は回転を始め、スプリング7の力で押棒230は繰出下降限まで後退してしまう。
逆に基体220のみを持った場合は、先筒210が回転して同様に押棒230を繰出下降限まで戻してしまう。
【0068】
このスプリングによる押棒230の後退を制御するために、容器本体250と先筒210の回動部に弾性体(この場合Oリング6)を設けて、この摩擦抵抗力により押棒230のスプリングの力による後退を防止している。
【0069】
そのためカートリッジ202は容器本体250から抜かれると、自動的にオートリターンして容器本体250内に収容されて、化粧材容器201として使用されるときには第2実施例の化粧材容器101と同様の作用とすることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の押棒が繰出下降限にある状態を示す一部断面図である。
【図2】本発明の第1実施例の押棒が繰出上昇限にある状態を示す一部断面図である。
【図3】図1,及び図2の第1実施例において使用される押棒の斜視図である。
【図4】図3で示されているA−A断面図である。
【図5】本発明の第2実施例の一部断面図である。
【図6】本発明の第3実施例の一部断面図である。
【図7】従来例の一部断面図である。
【図8】図7に示す従来例のB−B断面図である。
【図9】従来例の一部断面図である。
【符号の説明】
1・・・・ 化粧材容器
101・・ 化粧材容器
201・・ 化粧材容器
2・・・ カートリッジ
102・・ カートリッジ
202・・・ カートリッジ
4・・・・ Oリング
5・・・・ 板バネ
6・・・・ Oリング
7・・・・ スプリング
10・・・ 先筒
11・・・・ 開口孔
12・・・・ 摺動溝
12a・・・ 摺動面
13・・・・ 貫通孔
20・・・・ 基体
21・・・・ 螺旋溝
22・・・・ 螺旋筒部
22a・・・ 先端面
22b・・・ 後端面
30・・・・ 押棒
31・・・ 爪片
31L・・・ 爪片幅
32・・・・ 摺動突起
33・・・・ 化粧材保持部
34・・・・ 凸部
34a・・・ 凸部下端面
35・・・・ 凸条
35L・・・ 凸条幅
36・・・・ 係合突起
37・・・・ 凹部
38・・・・ 押棒中心軸
39a・・・ 回転止め係合部
39b・・・ 繰出係合部
40・・・・ ストッパー部材
41・・・・ 上端面
50・・・・ 容器本体
51・・・・ 段部
110・・・ 先筒
120・・・ 基体
121・・・ 螺旋溝
122・・・ 螺旋筒部
150・・・ 容器本体
151・・・ スプライン
152・・・ 凹環状部
210・・・ 先筒
211・・・ 開口孔
220・・・ 基体
221・・・ 螺旋溝
222・・・ 螺旋筒部
222b・・ 後端面
230・・・ 押棒
231・・・ 爪片
240・・・ ストッパー部材
240a・・ 前端面
250・・・ 容器本体

Claims (5)

  1. 棒状化粧材を先端の開口孔より繰り出す先筒を備え、容器本体に回転可能かつ着脱自在に収容されるカートリッジにおいて、
    先筒と基体とを回転可能に連結しカートリッジ本体を構成するとともに、
    このカートリッジ本体内に押棒を内挿し、
    前記先筒の先端開口孔とそれに続く貫通孔は内挿される棒状化粧材を最小限の隙間を持って摺動可能とする保持内周面を形成するとともに、
    前記貫通孔には複数の摺動溝を設け、前記押棒先端にこの複数の摺動溝に位置する複数の爪片により化粧材保持部を形成し、
    前記押棒の軸方向に前記先筒の摺動溝に係合する凸条を配するとともに、
    この凸条表面に複数の突起を配列し、
    前記基体の前部の螺旋筒部内の螺旋溝に前記複数の突起が螺合係合し、
    前記押棒先端の爪片の幅は、この爪片より延設される凸条の幅より小さく構成されていることを特徴とした化粧材容器のカートリッジ。
  2. 前記押棒の凸条は、繰出下降限より繰出上昇限に至るまで常時とぎれることなく前記先筒の摺動溝に係合していることを特徴とする請求項1記載の化粧材容器のカートリッジ。
  3. 前記押棒の凸条は、前部は前記基体の螺旋筒部に進入不能な凸部を形成し、この凸部下端面と前記螺旋筒部先端面の当接をもって繰出下降限とし、前記押棒の後部にストッパー部材を設け、このストッパー部材上端面と前記螺旋筒部後端面の当接をもって繰出上昇限とするとともに、前記先筒の摺動溝の軸方向の長さを前記押棒の移動ストロークよりも長く設定したことを特徴とする、請求項1記載の化粧材容器のカートリッジ。
  4. 請求項1〜請求項いずれか一つに記載のカートリッジと、このカートリッジが着脱自在に収容される容器本体を備え、前記カートリッジが前記容器本体に収容されたときには、前記先筒は前記容器本体に対して回転可能である一方、前記基体は同期係合部を介して前記容器本体に回転不能に連結することを特徴とする化粧材容器。
  5. 前記カートリッジ内の押棒は、スプリングにより常時後方へ付勢する手段が取られるとともに、前記カートリッジが前記容器本体内に収容されたとき、前記先筒と前記容器本体との回動部に弾性体よりなる摩擦体を介在させることを特徴とする請求項記載の化粧材容器。
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