JP2924689B2 - 発電機 - Google Patents

発電機

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JP2924689B2
JP2924689B2 JP7028540A JP2854095A JP2924689B2 JP 2924689 B2 JP2924689 B2 JP 2924689B2 JP 7028540 A JP7028540 A JP 7028540A JP 2854095 A JP2854095 A JP 2854095A JP 2924689 B2 JP2924689 B2 JP 2924689B2
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K5/00Casings; Enclosures; Supports
    • H02K5/24Casings; Enclosures; Supports specially adapted for suppression or reduction of noise or vibrations

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  • Power Engineering (AREA)
  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Synchronous Machinery (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、駆動源より回転動力
を受けて発電を行う交流発電機、直流発電機等の発電機
に関するもので、例えば車両に搭載されたバッテリを充
電するオルタネータに使用される車両用交流発電機に係
わる。
【0002】
【従来の技術】近年、車両の静粛化の要求が高まり、車
両部品への低騒音化の要求が顕著化してきた。特に車両
用交流発電機においては、騒音発生要因の1つとして発
電機能上発生する磁気音の低減が急務となっている。な
お、磁気音は、電機子巻線に負荷電流が流れる時に発生
する特有のもので、電機子反作用によるエアギャップの
磁束変化に基づきローレンツ力がロータとステータとの
間に加振力として働き、固定子やフレーム等が振動する
ことによって発生することが知られている。
【0003】そこで、従来より、特にランデル型のロー
タの爪状磁極部の表面を最適化形状にしたり、ロータと
ステータとの間のエアギャップを大きくしたりする等の
方法により、ロータとステータとの間の急激な磁束変化
を緩和して加振力を減少させ、その結果、磁気音を低減
させる技術(例えば特公昭61−11066号公報、特
公昭63−49467号公報、特開平5−56615号
公報など)が周知である。
【0004】ここで、従来例としてのオルタネータの単
体構造を図7に示し、従来例としてのオルタネータ取付
装置を図8に示す。このオルタネータ100は、ドライ
ブフレーム101のインロー部102とリヤフレーム1
03のインロー部104との間にステータ105を挟み
込んだ状態で、複数個のスルーボルト106でドライブ
フレーム101とリヤフレーム103とを締付け固定し
ていた。
【0005】そして、ドライブフレーム101にはマウ
ントステー107およびアジャストバー側ステー108
が一体成形され、リヤフレーム103にはマウントステ
ー107に対向するようにマウントステー109が一体
成形されている。また、エンジンには、オルタネータ1
00のマウントステー107、109を取付ボルト11
0で組み付けるためのエンジン側ブラケット111、1
12、およびアジャストバー側ステー108を取付ボル
ト113で組み付けるためのエンジン側アジャストバー
114が設けられている。
【0006】なお、図7中のAはマウントステー107
端面とマウントステー109端面との間に予めフレーム
寸法吸収用として設けられたクリアランス(隙間)で、
Bはステータ105の積層コア(電機子鉄心)115の
積層厚さ、つまりドライブフレーム101のインロー部
102とリヤフレーム103のインロー部104との隙
間(クリアランス)で、Cはオルタネータ100の全長
である。また、L1 はオルタネータ100のステー全幅
で、エンジンのステー取付寸法L2 (図8参照)とほぼ
同一の寸法である。そして、116、117はステー用
補強リブで、118はロータで、119はVリブドプー
リで、120、121はベアリングで、122はブラシ
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような従来例とし
てのオルタネータ100の単体構造の磁気音レベルをい
くら改良しても、マウントステー107の被取付面から
マウントステー109の被取付面までのステー全幅Lが
オルタネータ100の全長Cの約1/2以下しかない。
【0008】このため、このようなオルタネータ100
をエンジンに組み付けて、車体やエンジン等の振動源か
らマウントステー107、109に振動が加わった場合
には、オルタネータ100の下部を支持固定するマウン
トステー107、109のステー用補強リブ116、1
17の剛性不足により、振動源からの振動がマウントス
テー107、109にて増幅されてドライブフレーム1
01とリヤフレーム103に伝達され、ロータ118、
ステータ105等の振動が大きくなる。
【0009】これにより、ドライブフレーム101とリ
ヤフレーム103に応力歪が発生して変形することによ
って、オルタネータ100の内部部品、とくにステータ
105およびロータ118に応力歪、変形等の悪影響を
与えることにより、磁気歪が増幅される。あるいは、ス
テータ105およびロータ118等の振動が大きくなる
ことにより、磁気歪が増幅される。したがって、オルタ
ネータ100の単体構造時に比べて磁気音が非常に大き
くなり、比較的エンジン回転数の低い低速域において耳
障りな異常音(騒音)として聞こえるという問題点があ
った。
【0010】この発明の目的は、振動体から伝達される
振動等を原因とするステー部やフレームの変形を防止し
て、固定子および回転子等の変形を防止することが可能
な発電機を提供することにある。また、この発明の目的
は、ステー部とフレームの連結強度を向上して、回転子
や固定子等の振動が大きくなることを防止し、且つ回転
子の回転変動を防止する発電機を提供することにある。
さらに、この発明の目的は、回転数の低い低速域におい
て耳障りな騒音の発生を抑制することが可能な発電機を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、回転軸と共に一体的に回転する回転子と、この回転
子の外周に対向して配された固定子と、前記回転軸を回
転自在に支持する側壁部、および内部に前記回転子およ
び前記固定子を収容する円筒部を有するフレームと、こ
のフレームの円筒部の外周に設けられ、振動する振動体
の支持部に支持される被支持部、およびこの被支持部の
内側部分と前記円筒部の外周とを連結する脚部を有する
ステー部と、前記ステー部と前記フレームとを連結する
ように前記脚部の軸方向の一側面に設けられ、前記被支
持部の内側部分から前記側壁部の外周側へ向かうよう、
前記回転軸に対して垂直な面に対して傾斜した補強部材
とを備えた技術手段を採用した。
【0012】請求項7に記載の発明は、回転軸と共に一
体的に回転する回転子と、この回転子の外周に対向して
配された固定子と、前記回転軸を回転自在に支持する側
壁部、および内部に前記回転子および前記固定子を収容
する円筒部を有するフレームと、このフレームの円筒部
の外周に設けられ、振動する振動体の支持部に支持され
る被支持部を有するステー部と、前記ステー部と前記フ
レームとを連結するように設けられ、前記被支持部の内
側部分から前記側壁部の外周側へ向かうような、前記回
転軸に対して垂直な面に対して傾斜した傾斜面を有する
連結部材とを備えた技術手段を採用した。
【0013】なお、振動体としては、車両に搭載される
エンジン、吸収式冷凍装置等の加熱源としてのエンジ
ン、車両の車体や、これらに取り付けられるブラケット
などの振動伝達部材が考えられる。
【0014】前記補強部材を、前記被支持部の外周面の
軸方向寸法の略1/2の位置と前記発電機の軸方向の一
端が前記回転軸の中心線に交わる位置とを結ぶよう、前
記回転軸に対して垂直な面に対して傾斜しており、前記
円筒部の外周に一体的に設けても良い。また、前記フレ
ームを、前記円筒部の開口端部間に前記固定子を挟み込
んだ一対の第1、第2のフレームより構成しても良く、
前記ステー部を、前記一対の第1、第2のフレームの円
筒部の外周に一体的に設けられる一対の第1、第2のス
テー部より構成しても良い。そして、前記支持部を、前
記第1のステー部を支持する第1の支持部、および前記
第2のステー部を支持する第2の支持部より構成しても
良く、前記第1のステー部に、前記第1の支持部に支持
される被支持部、およびこの被支持部の内側部分と前記
円筒部の外周とを連結する脚部を設けても良く、前記第
2のステー部は、前記第2の支持部に支持される被支持
部、およびこの被支持部の内側部分と前記円筒部の外周
とを連結する脚部を設けても良い。そして、前記補強部
材を、前記一対の第1、第2のステー部の脚部の軸方向
の一側面および他側面に設け、前記第1のステー部の被
支持部の被取付面から前記第2のステー部の被支持部の
被取付面までの前記一対の第1、第2のステー部の被支
持部の外周面の軸方向寸法の略1/2の位置と前記発電
機の軸方向の一端が前記回転軸の中心線に交わる位置お
よび前記発電機の軸方向の他端が前記回転軸の中心線に
交わる位置とをそれぞれ結ぶよう、前記回転軸に対して
垂直な面に対して傾斜した略二等辺三角形状の外形線を
持つ第1、第2のステー用補強リブより構成しても良
い。そして、前記補強部材の外形線の傾斜角度を、前記
被支持部の外周面の軸方向寸法の略1/2の位置と前記
発電機の軸方向の一端が前記回転軸の中心線に交わる位
置とを結ぶよう、前記円筒部の径方向に対して傾斜した
仮想線に対し、−20°ないし+10°とした構成を採
用しても良い。
【0015】
【作用】請求項1もしくは請求項7に記載の発明によれ
ば、フレームとステー部とを連結する補強部材もしくは
連結部材を、ステー部の被支持部の内側部分から側壁部
の外周側へ向かうように、回転軸に対して垂直な面に対
して傾斜させているため、振動源から伝達される振動が
フレーム全体に分散することにより、振動がステー部の
みに集中することがなくなる。これにより、振動源から
伝達される振動等を原因とする応力歪がステー部および
フレームの円筒部や側壁部に発生しない。特に固定子を
保持固定するフレームに応力歪が発生しないので、フレ
ームの円筒部および側壁部の変形が抑えられる。このた
め、フレームの円筒部内に収容された固定子および回転
子の変形が抑えられることにより、磁気歪が増幅される
ことがなくなる。さらに、ステー部の補強部材もしくは
連結部材の剛性が高まることにより、回転子の回転変動
も阻止されると共に、振動体からの振動がステー部にて
増幅されてフレームに伝達されることはないので、固定
子および回転子に伝達される振動が大きくならないの
で、磁気歪が増幅されることがなくなる。
【0016】
【実施例】
〔実施例の構成〕次に、この発明の発電機を自動車等の
車両用交流発電機としてのオルタネータに適用した実施
例に基づいて説明する。図1はオルタネータの単体構造
を示した図で、図2はオルタネータ取付装置を示した図
である。
【0017】このオルタネータ取付装置1は、オルタネ
ータ2を自動車の車体や走行用のエンジン(駆動源)等
の振動体、発電機取付手段に取り付ける発電機取付装置
であって、自動車のエンジンルーム(図示せず)に設置
されている。このオルタネータ2は、ロータ3、ステー
タ4およびハウジング5等より構成されており、回転動
力を受けて発電を行う発電機本体である。
【0018】ロータ3は、本発明の回転子であって、界
磁として働く部分で、シャフト(回転軸)6と一体的に
回転する。このロータ3は、ランデル型のポールコア
(界磁極、界磁鉄心またはロータコアとも言う)7、界
磁巻線(フィールドコイル)9および2個のスリップリ
ング10等によって構成されている。シャフト6の一端
部には、エンジンの回転動力をシャフト6に伝達するた
めのVリブドプーリ11が取り付けられている。このV
リブドプーリ11は、伝動ベルト等の伝動手段(図示せ
ず)を介してエンジンの出力軸に装着されたプーリ(図
示せず)に連結されている。なお、シャフト6をエンジ
ンの出力軸に直接連結しても良く、またシャフト6とエ
ンジンの出力軸との間に一段以上の歯車変速機、Vベル
ト式無段変速機等の伝動手段を連結しても良い。
【0019】ポールコア7は、中央に界磁巻線9が巻か
れ、界磁巻線9に励磁電流が流れると、一方の爪状磁極
部が全てN極になり、他方の爪状磁極部が全てS極にな
る。また、一対の爪状磁極部の各々の端面には、ハウジ
ング5内に冷却風を吸い込む冷却ファン12、13が一
体的に取り付けられている。2個のスリップリング10
は、シャフト6の他端部の外周に取り付けられており、
各々の外周がブラシ14に摺接する。
【0020】ステータ4は、本発明の固定子であって、
ポールコア7の外周に対向して配された電機子鉄心1
5、およびこの電機子鉄心15に巻かれた三相の電機子
巻線16等から構成されている。電機子鉄心15は、磁
性材料製の薄鋼板を複数積層してなる積層コア(ステー
タコアとも言う)で、ハウジング5の内周に圧入されて
一体化されている。また、電機子鉄心15は、ポールコ
ア7の一対の爪状磁極部から出た磁束が三相の電機子巻
線(ステータコイルとも言う)16と有効に交差するよ
うに作られた磁束通路を形成する。そして、電機子鉄心
15の内周側には、多数のスロット(図示せず)が等間
隔で形成されている。三相の電機子巻線16は、Y結線
またはΔ結線により接続され、ロータ3の回転に伴って
三相交流出力が誘起する。
【0021】次に、図1ないし図4に基づいてハウジン
グ5を詳細に説明する。ここで、図3はオルタネータ2
のフロント側端部を示した図で、図4はオルタネータ2
のリヤ側端部を示した図である。ハウジング5は、ドラ
イブフレーム(フロントフレームともいう)21、リヤ
フレーム22およびリヤカバー23により構成されてい
る。ドライブフレーム21は、本発明の第1のフレーム
であって、ロータ3やシャフト6の一端側を回転自在に
支持すると同時に、エンジンへの取り付けを行うもので
ある。
【0022】また、ドライブフレーム21は、円筒部2
4および側壁部25等をアルミニウムダイカストにて一
体成形している。円筒部24は、本発明の円筒部であっ
て、リヤフレーム22と対向する開口端部(インロー
部)26にてステータ4の電機子鉄心15の一端部(フ
ロント側端部)を保持固定している。
【0023】円筒部24および側壁部25には、図3に
も示したように、冷却ファン12、13の回転により吸
い込まれる冷却風の通気用の穴27、28が多数開口し
ている。また、円筒部24および側壁部25には、図3
にも示したように、フレーム用補強リブ29が複数箇所
に形成されている。フレーム用補強リブ29は、ドライ
ブフレーム21を補強するための補強手段であって、側
壁部25の内周部より円筒部24の開口端部26に向か
って延びるように形成されている。そして、側壁部25
の内周部には、シャフト6がフロントベアリング30を
介して回転自在に支持されている。
【0024】リヤフレーム22は、本発明の第2のフレ
ームであって、ロータ3やシャフト6の他端側を回転自
在に支持すると同時に、エンジンへの取り付けを行うも
のである。また、リヤフレーム22は、円筒部31およ
び側壁部32等をアルミニウムダイカストにて一体成形
している。
【0025】円筒部31は、本発明の円筒部であって、
円筒部24の開口端部26と対向する開口端部(インロ
ー部)33にてステータ4の電機子鉄心15の他端部
(リヤ側端部)を保持固定している。なお、円筒部31
の開口端部33は、円筒部24の開口端部26に対して
シャフト6の軸方向と平行な隙間(クリアランス)B
(図1参照)を隔てて設けられている。また、ドライブ
フレーム21の円筒部24とリヤフレーム22の円筒部
31とは、図3および図4にも示したように、複数個
(本例では4個)のスルーボルト34やワッシャ35等
の締付け具により締付け固定されている。
【0026】円筒部31および側壁部32には、図4に
も示したように、冷却ファン12、13の回転により吸
い込まれる冷却風の通気用の穴36、37が多数開口し
ている。また、円筒部31および側壁部32には、図4
にも示したように、フレーム用補強リブ(図示せず)が
複数箇所に形成されている。フレーム用補強リブは、リ
ヤフレーム22を補強するための補強手段であって、側
壁部32の内周部より円筒部31の開口端部33に向か
って延びるように形成されている。そして、側壁部32
の内周部には、シャフト6がリヤベアリング38を介し
て回転自在に支持されている。
【0027】リヤカバー23は、円筒部39および側壁
部40等を有し、アルミニウム等の金属板をプレス成形
することにより一体成形されている。側壁部40には、
図4にも示したように、冷却ファン12、13の回転に
より吸い込まれる冷却風の通気用の穴41が多数開口し
ている。また、側壁部40には、図4にも示したよう
に、フレーム用補強リブ42が複数箇所に形成されてい
る。フレーム用補強リブ42は、リヤカバー23を補強
するための補強手段であって、リヤカバー23の内周部
よりリヤカバー23の開口端部に向かって延びるように
形成されている。そして、側壁部40の内周部には、シ
ャフト6、スリップリング10、ブラシ14近傍への異
物の侵入を防止するパッキン43が装着されている。
【0028】なお、リヤフレーム22とリヤカバー23
との間には、2個のスリップリング10の外周にそれぞ
れ摺接する2個のブラシ14、およびこれらのブラシ1
4を収納するブラシホルダ44等が取り付けられてい
る。そして、リヤフレーム22とリヤカバー23との間
には、整流装置(図示せず)およびICレギュレータ4
5等がねじ等の手段で組み付けられている。整流装置
は、複数個のダイオード(図示せず)を集めたもので、
交流電流を直流電流に変換(整流)するものである。I
Cレギュレータ45は、界磁巻線9とアース(図示せ
ず)との間に入れたトランジスタ等のスイッチング素子
(図示せず)をオン、オフすることにより界磁巻線9を
流れる励磁電流を制御してオルタネータ2の出力電圧を
一定にするものである。
【0029】次に、オルタネータ取付装置1の構造を、
図1および図2に基づいて詳細に説明する。エンジン
は、オルタネータ2を回転駆動する駆動源と、オルタネ
ータ2を自動車等の車両へ取り付けるためのオルタネー
タ取付部とを兼ねている。このオルタネータ取付部は、
オルタネータ2の下部を支持固定するためのエンジン側
ブラケット51、52とオルタネータ2の上部を支持固
定するためのエンジン側アジャストバー53とから構成
され、これらはボルト等の締付け具(図示せず)により
エンジンのボディに締付け固定されている。
【0030】エンジン側ブラケット51は、本発明の振
動体であって、オルタネータ2のマウントステー61を
支持する第1の支持部である。このエンジン側ブラケッ
ト51は、エンジンのボディの外壁面に締結等により固
定されたブラケット本体50よりボディの外壁面に沿っ
て上方へ向かって延長され、円形状の挿通穴(図示せ
ず)が形成されている。また、エンジン側ブラケット5
1内には、円筒状のスライドブッシュ54が挿通穴の中
心線方向に移動可能に嵌め合わされている。このスライ
ドブッシュ54は、焼結金属等よりなり、ブラケット側
ボルト55が挿通可能な円形状のボルト穴(図示せず)
を形成している。
【0031】エンジン側ブラケット52は、本発明の振
動体であって、オルタネータ2のマウントステー62を
支持する第2の支持部である。このエンジン側ブラケッ
ト52は、ブラケット本体50よりボディの外壁面に沿
って上方へ向かって延長され、エンジン側ブラケット5
1の対向面に対してシャフト6の軸方向と平行なステー
取付寸法(隙間、クリアランス)L2 (図2参照)を隔
てて設けられている。また、エンジン側ブラケット52
は、ブラケット側ボルト55が螺合するねじ穴(図示せ
ず)が形成されている。
【0032】エンジン側アジャストバー53は、エンジ
ンのボディの外壁面に沿って下方へ向かって垂下され、
オルタネータ2にエンジンの回転動力を伝達するための
伝動ベルトのテンション等を調整するため、オルタネー
タ2をブラケット側ボルト55を支点として回動させる
ことが可能な円弧状の長穴(図示せず)が形成されてい
る。ブラケット側ボルト55は、円環板状のワッシャ5
7と共に締付け具を構成する。また、アジャストバー側
ボルト56は、円環板状のワッシャ58と共に締付け具
を構成する。
【0033】そして、オルタネータ2のドライブフレー
ム21の円筒部24の下端側の外周には、エンジン側ブ
ラケット51の取付面に対向して取り付けられるマウン
トステー61が一体成形されている。また、リヤフレー
ム22の円筒部31の下端側の外周には、同様にして、
エンジン側ブラケット52の取付面に対向して取り付け
られるマウントステー62が一体成形されている。
【0034】マウントステー61は、本発明の第1のス
テー部であって、ドライブフレーム21の外周面よりシ
ャフト6の径方向の下方側外方(図示下方)へ向かって
延長された略二等辺三角形状の脚部63、およびこの脚
部63の下端部に設けられた円筒状の被支持部(ボルト
挿通部)64から構成されている。
【0035】脚部63は、側面形状が二等辺三角形状
で、被支持部64の内側部分から円筒部24の側壁部2
5側へ傾斜して設けられている。被支持部64は、脚部
63より軸方向の肉厚が厚く、ステータ4と円筒部24
の開口端部26より外周に位置し、ブラケット側ボルト
55が挿通可能な円形状のボルト穴65を穿孔してい
る。
【0036】マウントステー62は、本発明の第2のス
テー部であって、マウントステー61の被支持部64の
対向面との間に、フレーム寸法吸収用のクリアランス
(隙間)A(図1参照)を隔てて設けられている。ま
た、マウントステー62は、リヤフレーム22の外周面
よりマウントステー61と同一方向へ向かって延長され
た略二等辺三角形状の脚部66、およびこの脚部66の
下端部に設けられた円筒状の被支持部(ボルト挿通部)
67から構成されている。
【0037】脚部66は、側面形状が二等辺三角形状
で、被支持部67の内側部分から円筒部31の側壁部3
2側へ傾斜して設けられている。被支持部67は、脚部
66より軸方向の肉厚が厚く、ステータ4と円筒部31
の開口端部33より外周に位置し、ブラケット側ボルト
55が挿通可能な円形状のボルト穴68を穿孔してい
る。
【0038】そして、この実施例のマウントステー61
の被支持部64の被取付面からマウントステー62の被
支持部67の被取付面までのシャフト6の軸方向と平行
な方向(軸方向寸法)となるステー全幅は、ステー取付
寸法L2 と略同一のL1 (図1参照)である。また、ス
テー全幅L1 は、オルタネータ2の全長C(図1参照)
の1/2以下の寸法である。なお、オルタネータ2の全
長Cとは、Vリブドプーリ11のフロント側端部(発電
機の軸方向の一端がシャフト6の中心線に交わる位置)
Pfからリヤカバー23の側壁部40のリヤ側端部(発
電機の軸方向の他端がシャフト6の中心線に交わる位
置)Prまでの軸方向寸法を言う。また、マウントステ
ー61、62は、本例では円筒部24、31の外周に一
体成形されているが、ボルト等の締付け具により締付け
固定、あるいはろう付け等の溶接手段による接合などに
より連結されていても良い。
【0039】ここで、マウントステー61の脚部63の
軸方向のフロント側面(一側面)には、図1に示したよ
うに、被支持部64の外周面の軸方向寸法であるステー
全幅L1 の略1/2の位置Po(本例ではオルタネータ
2の重心より図示下方に垂下した線と交差する)とオル
タネータ2の軸方向のフロント側端部Pfとを結ぶよう
に、シャフト6に対して垂直な面(円筒部24の軸方向
に対して垂直な面)に対して、フロント側に傾斜した外
形線P1 (図示破線)を持つステー用補強リブ71が一
体成形されている。すなわち、ステー用補強リブ71
は、マウントステー61を補強する補強部材(第1の補
強部材)であると共に、マウントステー61とドライブ
フレーム21とを連結する連結部材であって、マウント
ステー61の被支持部64の円筒部側部分からドライブ
フレーム21の側壁部25の外周部の図示下方側へ向か
うような傾斜面を有している。
【0040】そして、ステー用補強リブ71は、図3に
も示したように、ドライブフレーム21の円筒部24の
下方側部、側壁部25の下方側外周部および複数個のフ
レーム用補強リブ29と一体になるようにオルタネータ
2のフロント側端部Pfに向かって大きくテーパー状に
形成されている。また、ステー用補強リブ71は、図1
および図3に示したように、脚部63の側面の一部(略
V字状の外形部分のフロント側面)に形成されている。
【0041】マウントステー62の脚部66の軸方向の
リヤ側面(他側面)には、図1に示したように、被支持
部67の外周面の軸方向寸法であるステー全幅L1 の略
1/2の位置Poとオルタネータ2の軸方向のリヤ側端
部Prとを結ぶように、シャフト6に対して垂直な面
(円筒部31の軸方向に対して垂直な面)に対して、リ
ヤ側に傾斜した外形線P2 (図示破線)を持つステー用
補強リブ72が一体成形されている。すなわち、ステー
用補強リブ72は、マウントステー62を補強する補強
部材(第2の補強部材)であると共に、マウントステー
62とリヤフレーム22とを連結する連結部材であっ
て、図4にも示したように、マウントステー62の被支
持部67の円筒部側部分からリヤフレーム22の側壁部
32の外周部の図示下方側へ向かうような傾斜面を有し
ている。
【0042】そして、ステー用補強リブ72は、リヤフ
レーム22のフレーム用補強リブ、およびリヤフレーム
22の側壁部32と一体になるようにオルタネータ2の
リヤ側端部Prに向かって大きくテーパー状に形成され
ている。また、ステー用補強リブ72は、図1および図
4に示したように、脚部66の側面の一部(略V字状の
外形部分のリヤ側面)に形成されている。
【0043】なお、ステー用補強リブ71、72のステ
ー全幅L1 の略1/2の位置Poから結ぶオルタネータ
2の軸方向のフロント側端部Pf、リヤ側端部Prを、
本例ではVリブドプーリ11のフロント側端部Pf、リ
ヤカバー23の側壁部40のリヤ側端部Prとしたが、
ドライブフレーム21のフロント側端部、リヤフレーム
22のリヤ側端部でも良く、シャフト6のフロント側端
部、リヤ端部でも良い。
【0044】また、ステー用補強リブ71、72の肉厚
は、ある程度の剛性を保つ厚み(例えば脚部63、66
の2倍以上の厚み)にすることは言うまでもないが、ア
ルミニウム等の材料費やオルタネータ2の全重量に応じ
て、より経済性および軽量性に優れる厚みを選定するこ
とが望まれる。さらに、ステー用補強リブ71、72
を、本例ではマウントステー61、62の脚部63、6
6の側面の一部に設けているが、脚部63、66の側面
全体に形成しても良い。
【0045】また、オルタネータ2のドライブフレーム
21の円筒部24の上端側には、エンジン側アジャスト
バー53の取付面に対向して取り付けられるアジャスト
バー側ステー73が一体成形、ボルト等の締付け具によ
り締付け固定、あるいはろう付け等の溶接手段により接
合されている。このアジャストバー側ステー73は、ド
ライブフレーム21の外周面よりシャフト6の径方向外
方(図示上方)へ向かって延長されている。さらに、ア
ジャストバー側ステー73は、アジャストバー側ボルト
56が挿通可能な円形状のねじ穴74が形成されてい
る。
【0046】〔実施例の取付方法〕次に、この実施例の
オルタネータ2の取付方法を図1および図2に基づいて
簡単に説明する。オルタネータ2をエンジンに取り付け
る場合には、先ずスライドブッシュ54とエンジン側ブ
ラケット52との間に、オルタネータ2のマウントステ
ー61の被支持部64およびマウントステー62の被支
持部67を差し込む。そして、ワッシャ57を介してス
ライドブッシュ54、被支持部64、被支持部67、エ
ンジン側ブラケット52をブラケット側ボルト55によ
り締付けることによって、オルタネータ2のマウントス
テー62の被支持部67の被取付面がエンジン側ブラケ
ット52の取付面に隙間(クリアランス)なく固定され
る。
【0047】次に、伝動ベルトをエンジンの出力軸のプ
ーリ(図示せず)とオルタネータ2のVリブドプーリ1
1との間に掛け渡し、エンジン側アジャストバー53の
長穴を利用することにより、伝動ベルトに所定のテンシ
ョンが加わる位置で、エンジン側アジャストバー53の
取付面とオルタネータ2のアジャストバー側ステー73
の被取付面とを対向配置させる。そして、ワッシャ58
を介してエンジン側アジャストバー53、アジャストバ
ー側ステー73をアジャストバー側ボルト56により締
付けることによって、オルタネータ2のアジャストバー
側ステー73の被取付面がエンジン側アジャストバー5
3の取付面に固定される。
【0048】これにより、オルタネータ2は、エンジン
側ブラケット52の取付面にブラケット側ボルト55に
より締付け固定され、エンジン側アジャストバー53の
取付面にアジャストバー側ボルト56により締付け固定
されることにより、シャフト6の軸方向の位置決めおよ
びシャフト6の回転方向の位置決めがなされる。したが
って、組付作業を増大化させることなく、エンジンへオ
ルタネータ2が取り付けられることになる。
【0049】〔実施例の作用〕次に、この実施例のオル
タネータ2の作用を図1および図2に基づいて簡単に説
明する。
【0050】エンジンが運転されることによって、エン
ジンの回転動力が伝動ベルトを介してVリブドプーリ1
1に伝達されるとシャフト6が回転することによりロー
タ3が回転する。そして、界磁巻線9にバッテリより電
圧が印加されて界磁巻線9に励磁電流が流れることによ
りポールコア7の一対の爪状磁極部が励磁される。これ
により、一方の爪状磁極部が全てN極になり、他方の爪
状磁極部が全てS極になる。
【0051】そして、ロータ3と相対回転運動するステ
ータ4の電機子鉄心15に回転磁界が発生し、三相の電
機子巻線16に交流電流が誘起する。この三相の交流電
流は、整流装置により直流電流に変換され、バッテリを
充電すると共に、自動車の電気負荷に電力を供給する。
【0052】ここで、エンジンを運転することにより、
エンジンの振動や自動車の車体の振動がエンジン側ブラ
ケット51、52を経てオルタネータ2のマウントステ
ー61、62に伝達されるが、マウントステー61、6
2の脚部63、66の側面にはオルタネータ2全体を包
むような略三角形状のステー用補強リブ71、72が円
筒部24、31の下方側外周部および側壁部25、32
の下方側外周部とを一体的に連結するように設けられて
いる。
【0053】このため、マウントステー61、62の脚
部63、66の剛性(強度)が従来のものと比較して飛
躍的に向上するため、エンジン等の振動源からエンジン
側ブラケット51、52を介してマウントステー61、
62に振動が伝達されても、そのエンジンからの振動が
ドライブフレーム21全体やリヤフレーム22全体に分
散することにより、マウントステー61、62の脚部6
3、66に集中することがなくなる。したがって、マウ
ントステー61、62の振動による応力歪が減少するた
め、ドライブフレーム21やリヤフレーム22の変形を
防止することができる。
【0054】さらに、従来例としてのオルタネータ10
0では、エンジンにより回転駆動される際に、Vリブド
プーリ119に伝動ベルトの張力が加わった場合、マウ
ントステー107のステー用補強リブ116は形状的に
弱かった。このため、集中的にステー用補強リブ116
に応力が加わることによりオルタネータ100を支持で
きなくなり、マウントステー107が変形しロータ11
8が傾いて磁気音が増幅されたり、ベアリング120の
寿命が低下したりするという不具合が見られる。
【0055】この不具合に対して、この実施例では、例
えばドライブフレーム21の側壁部25の内周部にてフ
ロントベアリング30を支持固定しているフレーム用補
強リブ29、ドライブフレーム21の円筒部24の下方
側外周部および側壁部25の下方側外周部と一体的に連
結するようにステー用補強リブ71を設けている。これ
により、Vリブドプーリ11に伝動ベルトの張力が加わ
っても、ステー用補強リブ71に応力が集中せず、複数
箇所設けられているフレーム用補強リブ29およびドラ
イブフレーム21全体で支持する形状となるので、ドラ
イブフレーム21とマウントステー61の脚部63の変
形を防止することできる。
【0056】また、従来例としてのオルタネータ100
のリヤフレーム103においても、ドライブフレーム1
01のステー用補強リブ116が変形した場合、リヤフ
レーム103のステー用補強リブ117も剛性が弱いた
め変形してロータ118(特にシャフト)の回転変動が
大きくなり、ベアリング121の寿命が低下したり、ブ
ラシ122が異常摩耗したりするという不具合が見られ
る。
【0057】この不具合に対しても、この実施例では、
リヤフレーム22のフレーム用補強リブ、リヤフレーム
22の円筒部31の下方側外周部および側壁部32の下
方側外周部と一体的に連結するようにオルタネータ2の
リヤ側端部Prに向かって大きくテーパー状にステー用
補強リブ72を設けている。これにより、仮にステー用
補強リブ72が変形した場合でも、ステー用補強リブ7
2に加わる応力を、リヤフレーム22全体に分散するこ
とによりステー用補強リブ72への応力の集中はない。
したがって、複数箇所設けられているフレーム用補強リ
ブおよびリヤフレーム22全体で支持する形状となるの
で、リヤフレーム22とマウントステー62の脚部66
の変形を防止することできる。
【0058】〔実施例の効果〕以上のように、この実施
例のオルタネータ2は、ドライブフレーム21やリヤフ
レーム22等のハウジング5の変形を防止することがで
きるため、ドライブフレーム21の開口端部26とリヤ
フレーム22の開口端部33との間に固定されているス
テータ4の変形、および側壁部25の内周部と側壁部3
2の内周部とに回転自在に支持されているシャフト6お
よびロータ3の回転変動を防止できるので、オルタネー
タ2の長寿命化を図ることができる。
【0059】また、ステータ4やロータ3の変形、およ
びロータ3の回転変動を防止することにより、ステータ
4の電機子鉄心15の内周真円度が変化せず、ロータ3
のポールコア7の外周とステータ4の電機子鉄心15の
内周との間のエアギャップが変化しなくなるので、磁気
歪が生じることはなく、オルタネータ2が単体構造時と
比較して耳障りな磁気音が増大する心配はない。
【0060】さらに、ステー用補強リブ71、72の剛
性を向上することによりマウントステー61、62の脚
部63、66の強度を高めているので、エンジン等の振
動体からの振動がマウントステー61、62の脚部6
3、66にて増幅されてドライブフレーム21やリヤフ
レーム22に伝達されることがなくなる。このため、エ
ンジン等の振動源からマウントステー61、62、ドラ
イブフレーム21やリヤフレーム22を介してロータ
3、ステータ4およびシャフト6に伝達される振動を低
減することができるので、磁気歪が増大する心配はな
い。
【0061】また、エンジンから振動がマウントステー
61に伝達されても、あるいはVリブドプーリ11に伝
動ベルトの張力が加わっても、ステー用補強リブ71の
みに集中的に応力が加わることはないので、マウントス
テー61により、オルタネータ2が支持できなくなるこ
とを防止できる。したがって、マウントステー61が変
形しないので、シャフト6、ポールコア7等のロータ3
が傾いて磁気音が増幅されたり、フロントベアリング3
0の寿命が低下したりする等の不具合の発生を防止する
ことができる。
【0062】さらに、仮にマウントステー61が変形し
ても、高剛性のステー用補強リブ72の存在により、マ
ウントステー62が変形することはないので、シャフト
6、ポールコア7等のロータ3の回転変動は発生しな
い。このため、リヤベアリング38の寿命が低下した
り、ブラシ14の異常摩耗が発生したりする等の不具合
の発生を防止することができる。
【0063】そして、ポールコア7の一対の爪状磁極部
の表面を最適化形状にしたり、エアギャップを大きくし
たりする等の方法でオルタネータ2単体時の磁気音レベ
ルを低減しておけば、比較的エンジン回転数の低い低速
域においても耳障りな異常音(騒音)を飛躍的に低減す
ることができる。また、例えば従来例としてのオルタネ
ータ100(図7参照)に実施例の補強リブ71、72
を追加するだけで、上記の種々の効果を得ることができ
るので、オルタネータ2をエンジンに組み付ける際の組
付工数の増大化を防止でき、これによりオルタネータ2
とエンジンにより構成されるオルタネータ取付装置1、
特にオルタネータ2の製品コストの上昇を抑えることが
できる。
【0064】〔実験例〕ここで、図5は、実施例のオル
タネータ2(図1参照)の場合と従来例のオルタネータ
100(図7参照)の場合の実車での磁気音レベルの比
較図である。図5の比較図からも確認できるように、最
も騒音として聞こえ易い低速域(2000rpm〜40
00rpm)にて約5dBの大差があることが分かる。
【0065】〔変形例〕なお、ステー用補強リブ71、
72の外形線P1 、P2 は、ステー全幅L1 の略1/2
の位置Poからオルタネータ2のフロント側端部Pf、
リヤ側端部Prへそれぞれ向かうように略対称形状に形
成すれば良いが、種々の制約条件(例えばアルミニウム
ダイカストの鋳造成形時の型構造上による制約、発熱部
分の冷却性に関係する形状の制約等)により実施例の傾
斜角度(図1参照)を保てないこともある。
【0066】そこで、図1に示したように、ステー用補
強リブ71、72の外形線P1 、P2 を基準にして、傾
斜角度を小さくする側を−θとし、大きくする側を+θ
とした場合に、図6のグラフのように、θ=−20°以
上では磁気音の低減効果があり、θ=−20°より角度
が小さくなると耳障りな磁気音(騒音)として聞こえる
レベルとなる。このため、ステー用補強リブ71、72
の外形線P1 、P2 の傾斜角度は、実施例を基準にし
て、−20°≦θ≦+10°なら上記種々の制約条件に
合わせて変更できる。
【0067】なお、実施例の外形線P1 、P2 を基準に
して、0°>θ≧−20°のステー用補強リブ71、7
2を持つオルタネータ2は、この実施例のものより、材
料費が安価で製品コストを低減できる。さらに、実施例
のものより、体格がコンパクト化できるので、取付スペ
ースに非常に制約の多いエンジンルーム内へ容易に組み
付けることができるという利点を持つことができる。ま
た、実施例の傾斜角度を基準にして、0°<θ≦+10
°のステー用補強リブ71、72を持つオルタネータ2
は、この実施例のものより、マウントステー61、62
の剛性をより向上できるという利点を持つことができ
る。なお、10°とは材料費を考慮した値で、これより
大きいと材料費が嵩む。
【0068】この実施例では、本発明を車両用交流発電
機としてのオルタネータ2に適用したが、本発明を車両
搭載用エンジンを除く内燃機関、電動モータ、水車、風
車等の駆動源により回転駆動されるその他の交流発電機
に適用しても良い。また、本発明を直流発電機に用いて
も良い。
【0069】この実施例では、発電機取付手段としてエ
ンジンを用いたが、発電機取付手段としてエンジンを除
く駆動源、車体等のオルタネータ取付手段(発電機取付
手段)を用いても良い。また、オルタネータ2を支持す
るエンジン側ブラケット51、52等の第1、第2の支
持部は、それぞれ2個以上設けられていても良い。
【0070】この実施例では、本発明をドライブフレー
ム21とリヤフレーム22との間にステータ4を挟み込
んだオルタネータ2に適用したが、本発明をドライブフ
レームとリヤフレームとが直接嵌合しているオルタネー
タに適用しても良い。
【0071】この実施例では、本発明をマウントステー
61、62のステー用補強リブ71、72の両方に適用
したが、本発明をマウントステー61、62のステー用
補強リブ71、72のいずれか一方に適用しても良い。
また、マウントステー61、62の脚部63、66の両
側面よりフレームの円筒部に向かってステー用補強リブ
71、72を形成しても良い。
【0072】
【発明の効果】この発明は、ステー部の補強部材もしく
は連結部材の剛性を向上しているため、振動体から伝達
される振動等を原因としてステー部やフレームに応力歪
が生じないので、フレームの変形が発生しない。特に固
定子を保持する円筒部や、回転軸および回転子を回転自
在に支持する側壁部に応力歪が発生しないので、固定子
および回転子等の変形を抑制できる。これにより、固定
子の内周真円度の変化が小さくなり、回転子の外周と固
定子の内周との間のエアギャップの変化が小さくなるの
で、磁気歪が増幅されることはない。また、ステー部の
補強部材もしくは連結部材の剛性を向上しているため、
回転子の回転変動も阻止できる。さらに、ステー部の補
強部材もしくは連結部材の剛性を向上しているため、振
動体からの振動がステー部にて増幅されてフレームに伝
達されることがなくなる。このため、固定子および回転
子に伝達される振動を低減できるので、磁気歪が増幅さ
れることはない。したがって、磁気歪の増幅を防止する
ことができるので、回転数の低い低速域において耳障り
な騒音の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例のオルタネータの単体構造を
示した断面図である。
【図2】この発明の実施例に用いたオルタネータ取付装
置を示した断面図である。
【図3】図1のオルタネータのフロント側端部を示した
側面図である。
【図4】図1のオルタネータのリヤ側端部を示した側面
図である。
【図5】この発明の実施例および従来例の磁気音レベル
とオルタネータ回転数、エンジン回転数との関係を示し
た比較図である。
【図6】磁気音レベルとマウントステーの補強リブ(補
強部材もしくは連結部材)の傾斜角度との関係を示した
グラフである。
【図7】従来例としてのオルタネータの単体構造を示し
た断面図である。
【図8】従来例としてのオルタネータ取付装置を示した
断面図である。
【符号の説明】
1 オルタネータ取付装置 2 オルタネータ(発電機) 3 ロータ(回転子) 4 ステータ(固定子) 6 シャフト(回転軸) 7 ポールコア 11 Vリブドプーリ 14 ブラシ 15 電機子鉄心 16 電機子巻線 21 ドライブフレーム(フレーム、第1のフレーム) 22 リヤフレーム(フレーム、第2のフレーム) 24 円筒部 25 側壁部 26 開口端部 30 フロントベアリング 31 円筒部 32 側壁部 33 開口端部 34 スルーボルト 38 リヤベアリング 51 エンジン側ブラケット(振動体) 52 エンジン側ブラケット(振動体) 61 マウントステー(ステー部、第1のステー部) 62 マウントステー(ステー部、第2のステー部) 63 脚部 64 被支持部(ボルト挿通部) 66 脚部 67 被支持部(ボルト挿通部) 71 ステー用補強リブ(補強部材、第1の補強部材、
連結部材) 72 ステー用補強リブ(補強部材、第2の補強部材、
連結部材) L1 ステー全幅 L2 ステー取付寸法 Pf オルタネータのフロント側端部 Po ステー全幅の略1/2の位置 Pr オルタネータのリヤ側端部 P1 外形線 P2 外形線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02K 5/24 H02K 5/00 H02K 19/22

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)回転軸と共に一体的に回転する回転子と、 (b)この回転子の外周に対向して配された固定子と、 (c)前記回転軸を回転自在に支持する側壁部、および
    内部に前記回転子および前記固定子を収容する円筒部を
    有するフレームと、 (d)このフレームの円筒部の外周に設けられ、振動す
    る振動体の支持部に支持される被支持部、およびこの被
    支持部の内側部分と前記円筒部の外周とを連結する脚部
    を有するステー部と、 (e)前記ステー部と前記フレームとを連結するように
    前記脚部の軸方向の一側面に設けられ、前記被支持部の
    内側部分から前記側壁部の外周側へ向かうよう、前記回
    転軸に対して垂直な面に対して傾斜した補強部材とを備
    えた発電機。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の発電機において、 前記補強部材は、前記被支持部の外周面の軸方向寸法の
    略1/2の位置と前記発電機の軸方向の一端が前記回転
    軸の中心線に交わる位置とを結ぶよう、前記回転軸に対
    して垂直な面に対して傾斜しており、前記円筒部の外周
    に一体的に設けられることを特徴とする発電機。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の発電機において、 前記フレームは、前記円筒部の開口端部間に前記固定子
    を挟み込んだ一対の第1、第2のフレームよりなり、 前記ステー部は、前記一対の第1、第2のフレームの円
    筒部の外周に一体的に設けられる一対の第1、第2のス
    テー部よりな ることを特徴とする発電機。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の発電機において、前記支持部は、前記第1のステー部を支持する第1の支
    持部、および前記第2のステー部を支持する第2の支持
    部よりなり、 前記第1のステー部は、前記第1の支持部に支持される
    被支持部、およびこの被支持部の内側部分と前記円筒部
    の外周とを連結する脚部を有し前記第2のステー部は、前記第2の支持部に支持される
    被支持部、およびこの被支持部の内側部分と前記円筒部
    の外周とを連結する脚部を有す ることを特徴とする発電
    機。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の発電機において、 前記補強部材は、前記一対の第1、第2のステー部の脚
    部の軸方向の一側面および他側面に設けられ、 前記第1のステー部の被支持部の被取付面から前記第2
    のステー部の被支持部の被取付面までの前記一対の第
    1、第2のステー部の被支持部の外周面の軸方向寸法の
    略1/2の位置と前記発電機の軸方向の一端が前記回転
    軸の中心線に交わる位置および前記発電機の軸方向の他
    端が前記回転軸の中心線に交わる位置とをそれぞれ結ぶ
    よう、前記回転軸に対して垂直な面に対して傾斜した略
    二等辺三角形状の外形線を持つ第1、第2のステー用
    強リブよりなることを特徴とする発電機。
  6. 【請求項6】請求項に記載の発電機において、前記被支持部の外周面の軸方向寸法の 略1/2の位置
    前記発電機の軸方向の一端が前記回転軸の中心線に交わ
    る位置とを結ぶよう、前記円筒部の径方向に対して傾斜
    した仮想線に対する前記補強部材の外形線の傾斜角度を
    −20°ないし+10°としたことを特徴とする発電
    機。
  7. 【請求項7】 (a)回転軸と共に一体的に回転する回転子と、 (b)この回転子の外周に対向して配された固定子と、 (c)前記回転軸を回転自在に支持する側壁部、および
    内部に前記回転子および前記固定子を収容する円筒部を
    有するフレームと、 (d)このフレームの円筒部の外周に設けられ、振動す
    る振動体の支持部に支持される被支持部を有するステー
    部と、 (e)前記ステー部と前記フレームとを連結するように
    設けられ、前記被支持部の内側部分から前記側壁部の外
    周側へ向かうような、前記回転軸に対して垂直な面に対
    して傾斜した傾斜面を有する連結部材とを備えた発電
    機。
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