JP5079006B2

JP5079006B2 - 車両用ブラシレス交流発電機

Info

Publication number: JP5079006B2
Application number: JP2009526306A
Authority: JP
Inventors: 秀行林
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 2007-08-09
Filing date: 2007-08-09
Publication date: 2012-11-21
Anticipated expiration: 2027-08-09
Also published as: EP2194633A1; US8053939B2; US20100301689A1; CN101682231B; CN101682231A; JPWO2009019779A1; EP2194633B1; EP2194633A4; WO2009019779A1

Description

この発明は、自動車、バス、トラック等の走行車両に搭載される車両用ブラシレス交流発電機に関する。

一般に、この種の車両用ブラシレス交流発電機は、例えば特許文献１に示されるように、一対のブラケットを結合して形成された円筒状のケーシング内に、回転軸、ロータ、環状の励磁コイル、環状のステータコイル等の構成部材を収容し、ブラケット外方の回転軸に設けられた外部ファンによって上記構成部材に沿って空気流を生成し、冷却を行うようになっている。

特開２００１−２１１６０８号公報

かかる車両用ブラシレス交流発電機は、励磁コイルがブラケットに固定されている構造のため、励磁コイルへの通風により冷却する必要があるが、ブラケット外方に配置される外部ファンは風量に影響するファンブレード面積の内径側が軸受の外径に制約される一方、軸受は長寿命化のため、できるだけ大径サイズを採用する必要がある。そのため外部ファンのファンブレード内径はあまり小さくできない。
また、冷却風の通路は外部ファンのファンブレード幅の範囲に効果的に流れるので、外部ファンのファンブレード内径より内側に配置されている励磁コイルには効果的な風の流れが発生し難く、そのため励磁コイルが冷却され難く、発電出力の向上を図り難い構造となっている。

この発明は、かかる事情を考慮してなされたものであり、簡単な構成により、励磁コイルに対する冷却性能を向上させ、発電出力の増加を図り得るようにした車両用ブラシレス交流発電機を提供することを目的とする。

この発明の車両用ブラシレス交流発電機は、軸受を介してシャフトを支承するフロント側及びリア側ブラケットと、これらのブラケット間に狭持されたステータコイルを有するステータコアと、複数の爪極を周方向等間隔に有する第１ロータポールと、上記複数の爪極間に配置される複数の爪極を周方向等間隔に有する第２ロータポールとを一体に結合して円筒状に構成され、上記第１ロータポールが上記フロント側ブラケットと対向するように上記シャフトに固定されたロータ組立体と、上記ロータ組立体の内部に配置され、かつ、上記リア側ブラケットの内面に固定された円筒状の励磁コアと、この励磁コアに巻装された励磁コイルと、上記フロント側ブラケットの外方のシャフトに固定された外部ファンと、上記第１ロータポールの上記フロント側ブラケットに対向する側に固定され、上記第１ロータポールの爪極間の谷部にファンブレードが配置された内部ファンとを備え、上記外部ファンと内部ファンの共働作用により上記リア側ブラケットから上記フロント側ブラケットに抜ける同一方向の空気流を生成し、この空気流により少なくとも上記ステータコア、ロータ組立体、励磁コア及び励磁コイルを冷却するようにした。

この発明によれば、励磁コイルに対する冷却性能が向上し、高出力、かつ、高信頼性でメンテナンスフリーの車両用ブラシレス交流発電機を実現することができる。
なお、この発明の上記以外の目的、特徴、観点及び効果は、図面を参照する以下のこの発明の詳細な説明から、更に明らかになるであろう。

この発明の実施の形態１における車両用ブラシレス交流発電機の縦断側面図である。第１ロータポールの上面図である。図２のＡ−Ａ線に沿う矢視断面図である。従来の第１ロータポールの上面図である。図５のＡ−Ａ線に沿う矢視断面図である。外部ファンの上面図である。第１ロータポールに内部ファンを配置した上面図である。

１：車両用ブラシレス交流発電機、２：ステータ、３：ステータコア、４：ステータコイル、５：ケーシング、６Ａ：ブラケット、６Ｂ：ブラケット、７：通しボルト、８：軸受、９：軸受、１０：シャフト、１１：外部ファン、１１ａ：ファンブレード、１２：プーリ、１３：整流器、１４：レギュレータ、１５：ネジ、２１：ロータ組立体、２２：第１ロータポール、２２ａ：爪極、２２ｂ：谷部、２３：第２ロータポール、２３ａ：爪極、２４：リング体、３１：励磁コア、３２：ボルト、３３：励磁コイル、３４：内部ファン、３４ａ：ファンブレード

実施の形態１．
以下、この発明の実施の形態１を図に基づいて説明する。
図１に示すように車両用ブラシレス交流発電機１は、有蓋円筒状のフロント側ブラケット６Ａと有蓋円筒状のリア側ブラケット６Ｂとを複数本の通しボルト７で相互に締結して円筒状に形成されたケーシング５を有し、このケーシング５内にシャフト１０、ステータ２、ロータ組立体２１、励磁コア３１、励磁コイル３３等を収容し、ブラケット６Ａ，６Ｂの各蓋部にはシャフト１０の両端部を回転自在に支承する軸受８，９を設けている。
また、フロント側ブラケット６Ａから外方に突出するシャフト１０の外端部にはプーリ１２が固定され、このプーリ１２に車両エンジンからの動力をベルトを介して伝達するようになっている。

ステータ２は、複数枚の環状鉄心板を積層して成るステータコア３にステータコイル４が巻装されて構成され、ステータコア３の外周面の一部が外気に露出されるようブラケット６Ａ，６Ｂ間に狭持されている。
そして、ケーシング５内に収容されているシャフト１０の軸方向中間部外周には、ロータ組立体２１をステータ２と同心状に固着している。
このロータ組立体２１は、複数、例えば６個の爪極（爪状磁極）２２ａを周方向等間隔に有する第１ロータポール２２と、前記複数の爪極２２ａ間に配置される複数、例えば６個の爪極（爪状磁極）２３ａを周方向等間隔に有する第２ロータポール２３とを、非磁性金属、例えばステンレス鋼により形成されて前記両ロータポール２２，２３間に圧入また溶接等で固定されたリング体２４を介して一体に結合して構成され、第１ロータポール２２がシャフト１０に固定される。

上記のように構成されたロータ組立体２１において、第１及び第２ロータポール２２，２３は、それぞれ対向方向に向けて先細の複数の爪極２２ａ，２３ａが周方向に所定の間隔を置いて垂直方向に突設され、所定のギャップを置いて交互に配置されるが、特に、第１ロータポール２２の爪極２２ａ間の谷部２２ｂは、後述するように内部ファン３４のファンブレード３４ａを配置し得るよう、爪極３５ａを有する従来のロータポール３５の谷部３５ｂ（図４及び図５参照）に比べて鋭角に深く形成されている。

そして、ロータ組立体２１の内方には円筒状の励磁コア３１が複数本のボルト３２で固定され、この励磁コア３１に環状の励磁コイル３３が巻装される。
この励磁コイル３３には、図示しない車両用のバッテリ等から給電され、爪極２２ａ，２３ａをＮ，Ｓ極にそれぞれ励磁するようになっている。
更に、リア側ブラケット６Ｂには、ステータ２に電気的に接続されて交流電力を直流に変換する整流器１３、励磁コイル３３に流す励磁電流を調整して発電量を制御するレギュレータ１４が固定されている。

更に、プーリ１２のブラケット６Ａの外側面には、プーリ１２よりも大径の外部ファン１１をネジ１５により同心状に固着すると共に、ロータ組立体２１の第１ロータポール２２のフロント側ブラケット６Ａと対向する側面に、同心状に外部ファン１１より小径の内部ファン３４が配置されている。
この内部ファン３４は、図６に示すように爪極２２ａ間の各谷部２２ｂに配置されるように形成された複数のファンブレード３４ａを有している。
内部ファン３４のファンブレード３４ａは、図７に示す外部ファン１１のファンブレード１１ａの枚数（図では１４）とは異なる枚数（図では６枚）になっており、その外径が励磁コア３１及び励磁コイル３３の外径より大きく、内径が励磁コア３１及び励磁コイル３３の外径より小さく設定され、外部ファン１１のファンブレード１１ａと同一方向（励磁コイル側）を向くように取付けられている。

このように構成された車両用ブラシレス交流発電機１は、シャフト１０の回転に応じてステータコイル４に交流起電力が生じ、その交流起電力が整流器１３で直流に整流され、さらにレギュレータ１４で電圧調整された直流電力が、例えばバッテリの充電電力として車両用ブラシレス交流発電機１から出力される。
一方、シャフト１０の回転に伴い、外部ファン１１及び内部ファン３４が共に駆動され、ブラケット６Ａ，６Ｂの各蓋部に設けられた複数の通風口及び両ブラケット間の開口を通して、図１に矢印に示すようにステータ２、ロータ組立体２１、励磁コア３１及び励磁コイル３３に沿った空気流を生成し、これらを冷却する。

この場合、外部ファン１１と内部ファン３４の共働作用により、リア側ブラケット６Ｂからフロント側ブラケット６Ａに抜ける回転子軸方向の効率のよい空気流を作り出すことができる上、第１ロータポール２２の爪極２２ａ間の谷部２２ｂに配置された、外部ファン１１より小径の内部ファン３４により、外部ファン１１でカバーできなかった励磁コイル３３の冷却を限られたスペースの中で効率的に行うことができ、励磁コイル３３に対する冷却性能の向上による高出力化を図ることが可能となる。
また、外部ファン１１と内部ファン３４のファンブレード枚数が異なることにより、風による音の次数成分が分散され、風騒音を低減できる効果がある。
なお、この発明の各種の変形または変更は、関連する熟練技術者がこの発明の範囲と精神を逸脱しない中で実現可能であり、この明細書に記載された実施の形態には制限されないことと理解されるべきである。

Claims

軸受を介してシャフトを支承するフロント側及びリア側ブラケットと、
これらのブラケット間に狭持されたステータコイルを有するステータコアと、
複数の爪極を周方向等間隔に有する第１ロータポールと、上記複数の爪極間に配置される複数の爪極を周方向等間隔に有する第２ロータポールとを一体に結合して円筒状に構成され、上記第１ロータポールが上記フロント側ブラケットと対向するように上記シャフトに固定されたロータ組立体と、
上記ロータ組立体の内部に配置され、かつ、上記リア側ブラケットの内面に固定された円筒状の励磁コアと、
この励磁コアに巻装された励磁コイルと、
上記フロント側ブラケットの外方のシャフトに固定された外部ファンと、
上記第１ロータポールの上記フロント側ブラケットに対向する側に固定され、上記第１ロータポールの爪極間の谷部にファンブレードが配置された内部ファンとを備え、
上記外部ファンと内部ファンの共働作用により上記リア側ブラケットから上記フロント側ブラケットに抜ける同一方向の空気流を生成し、この空気流により少なくとも上記ステータコア、ロータ組立体、励磁コア及び励磁コイルを冷却するようにした
ことを特徴とする車両用ブラシレス交流発電機。
上記内部ファンは上記外部ファンより小径であることを特徴とする請求項１記載の車両用ブラシレス交流発電機。
上記内部ファンのファンブレード枚数は、上記外部ファンのファンブレード枚数と異なっていることを特徴とする請求項１記載の車両用ブラシレス交流発電機。
上記内部ファンのファンブレードは外径が上記励磁コア及び励磁コイルの外径より大きく、内径が励磁コア及び励磁コイルの外径より小さいことを特徴とする請求項１記載の車両用ブラシレス交流発電機。