JP2923926B2 - 炭酸カルシウム分散体の製造方法及び食品組成物 - Google Patents
炭酸カルシウム分散体の製造方法及び食品組成物Info
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- C01F—COMPOUNDS OF THE METALS BERYLLIUM, MAGNESIUM, ALUMINIUM, CALCIUM, STRONTIUM, BARIUM, RADIUM, THORIUM, OR OF THE RARE-EARTH METALS
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- C01F11/18—Carbonates
- C01F11/185—After-treatment, e.g. grinding, purification, conversion of crystal morphology
Description
の製造方法に関し、更に詳しくは、特に牛乳・ジュース
等の液体食品に添加してカルシウムを強化するのに有効
に利用される、液中での分散安定性の良好な炭酸カルシ
ウム分散体の製造方法、及び該炭酸カルシウム分散体を
添加調製された食品組成物に関する。
れており、この傾向は育ち盛りの子供及び老人において
顕著である。このカルシウム摂取量の不足を解消するた
め、カルシウム強化食品が販売されるようになってきて
おり、一般的にカルシウムの含有量が多いとされている
牛乳においても、さらにカルシウムを添加してカルシウ
ム強化牛乳として提供することが試みられている。その
他ジュース類にもカルシウム強化した商品も多数販売さ
れ始めている。
方法の多くは、水溶性の有機酸カルシウム形態のカルシ
ウムを牛乳に添加するものであって、炭酸カルシウムの
ような水不溶性の無機塩形態のカルシウムを牛乳に添加
する方法はあまり提案されていない。これは、炭酸カル
シウムは比重が2.7と高く、牛乳中へ分散させた場合
短時間で沈澱するため、又牛乳に高濃度で添加し、安定
状態に保持することが困難であるからであり、充分満足
できる添加方法の開発が待たれていた。
方法として、結晶セルロースを同時的に添加してその網
目構造により炭酸カルシウム粒子を支持させる方法(特
開昭56−117753号)、及びスラリー状炭酸カル
シウムもしくはスラリー状炭酸カルシウムにHLB10
以上の親水性乳化剤を添加したものに超音波を照射し、
炭酸カルシウムの分散性を改良する方法(特開昭64−
69513号)等が提案されている。しかし、上記のよ
うに結晶セルロースを添加する方法では、牛乳の粘度が
高くなるので食感上好ましくない。また、超音波を照射
し炭酸カルシウムの分散性を改良する方法は、スラリー
状炭酸カルシウムもしくはスラリー状炭酸カルシウムに
HLB10以上の親水性乳化剤を添加したものについて
はある程度効果的であるものの、炭酸カルシウムの分散
に限度があるばかりではなく、この方法を応用した炭酸
カルシウム粉体と水からなる炭酸カルシウムの水懸濁液
の分散性改良には多大な分散時間、分散経費を必要と
し、好ましい方法とは言えない。さらにまた炭酸カルシ
ウムの分散状態と親水性乳化剤の添加割合に関する技術
の提供はない。即ち、炭酸カルシウムは一般的に、水酸
化カルシウムの水懸濁液(石灰乳)に炭酸ガスを反応さ
せる炭酸ガス法により、通常固形分として5〜20重量
%のスラリー状炭酸カルシウムとして調製され、通常こ
のスラリー状炭酸カルシウムは食品添加物用途には、経
時安定性及び食品添加物規格の観点から、脱水乾燥及び
粉砕粉末化され、水分含有率2重量%以下の粉体とした
後、該粉体を原料として使用されなければならず、この
ようにして調製される炭酸カルシウム粉体は、炭酸カル
シウム本来の凝集力の大きいことに加え、脱水乾燥を行
っていないスラリー状炭酸カルシウムと比較し、乾燥時
に大きな凝集体を形成しているため、前述の超音波を照
射する方法は、これら食品添加物用の炭酸カルシウム粉
体の分散方法として現実的でなく、また食品添加物規格
厳守の観点からも好ましい方法ではない。
保存可能な容器、保存方法の進歩に伴い、該食品を販売
店、自動販売機、家庭内の大型冷蔵庫等において長期間
保存するケースが増加しており、同種の液体食品にカル
シウム強化の目的で添加されている炭酸カルシウム粒子
は、その食品中における分散状態が極めて良好でない場
合、長期間の液体食品の保存の間に食品容器底部に沈澱
してしまい、牛乳、ジュース類液体食品を飲用する際、
その沈澱物が飲用者に不快感、不清潔感を与えることが
多くなっている。従って現在カルシウム強化の目的で従
来技術で調製された炭酸カルシウム粒子を添加し市販さ
れている液体食品類は、該無機粒子の食品中における分
散安定期間が短いため、該無機粒子の添加量は極少量に
制限される必要があり、また一般消費者が購入後1〜2
日の間に必ず食用に用いられるような液体食品に制限さ
れる。
に鑑み、上記課題を解決した、特に牛乳等の食品への添
加剤として好適な炭酸カルシウム分散体の製造方法、及
び該炭酸カルシウム分散体を添加調製してなる食品組成
物を提供するものである。
(ア)、(イ)の物性を具備する炭酸カルシウム粉体に
水を添加して炭酸カルシウム固形分濃度が1〜60重量
%の炭酸カルシウムの水懸濁液を調製し、該水懸濁液を
湿式粉砕機を用い下記(ウ)の、、全ての要件を
満たすように湿式粉砕した後、調製された水スラリー中
の炭酸カルシウム100重量部に対し、HLBが10以
上の親水性乳化剤を下記(エ)の要件を満たすように添
加処理することを特徴とする炭酸カルシウム分散体の製
造方法。 (ア)200℃で4時間乾燥時の含水水分量が2重量%
以下である。 (イ)窒素吸着法(BET法)による比表面積Xが6〜
60m2/gである。 (ウ)Y ≦ 1000X/27 + 88000/9 6 ≦ X ≦ 60 Y ≧ 10 但し、Y=A×B×C1.3 ×D×E / 100×F1.6 ×(100−D) (エ)炭酸カルシウム分散体中の炭酸カルシウムの粒度
分布における重量(体積)平均径P(μm)と、炭酸カ
ルシウム分散体中の炭酸カルシウム100重量部に対す
るHLBが10以上の親水性乳化剤の添加量Q(重量
部)が、下記の関係を満足する: Q ≧ (1.87/P) + 6.17 X:湿式粉砕する原料炭酸カルシウム粉体の窒素吸着法
(BET法)による比表面積(m2/g) A:湿式粉砕機に用いるメディアの充填量であり、湿式
粉砕機の粉砕室(ベッセル容器)容積中に占めるメディ
アの容積量(体積%) B:湿式粉砕機に用いるメディアの真比重 C:湿式粉砕機のディスク又はローターの周辺速度(m
/秒) D:湿式粉砕する炭酸カルシウムの水懸濁液の、炭酸カ
ルシウム固形分濃度(重量%) E:湿式粉砕する炭酸カルシウムの水懸濁液の、湿式粉
砕機の粉砕室中に滞留する時間(分) F:湿式粉砕機に用いるメディアの粒子径(mm)。
性を具備する炭酸カルシウム粉体に、炭酸カルシウム1
00重量部に対し、HLBが10以上の親水性乳化剤及
び水を添加し、炭酸カルシウム固形分濃度が1〜60重
量%の炭酸カルシウムの水懸濁液を調製し、該水懸濁液
を湿式粉砕機を用い、下記(ウ)の、、及び
(エ)のの全ての要件を満たすように湿式粉砕するこ
とを特徴とする炭酸カルシウム分散体の製造方法: (ア)200℃で4時間乾燥時の含水水分量が2重量%
以下である。 (イ)窒素吸着法(BET法)による比表面積Xが6〜
60m2/gである。 (ウ)Y ≦ 1000X/27 + 88000/9 6 ≦ X ≦ 60 Y ≧ 10 但し、Y=A×B×C1.3 ×D×E / 100×F1.6 ×(100−D) (エ)炭酸カルシウム分散体中の炭酸カルシウムの粒度
分布における重量(体積)平均径P(μm)と、炭酸カ
ルシウム分散体中の炭酸カルシウム100重量部に対す
るHLBが10以上の親水性乳化剤の添加量Q(重量
部)が、下記の関係を満足する: Q ≧ (1.87/P) + 6.17 X:湿式粉砕する原料炭酸カルシウム粉体の窒素吸着法
(BET法)による比表面積(m2/g) A:湿式粉砕機に用いるメディアの充填量であり、湿式
粉砕機の粉砕室(ベッセル容器)容積中に占めるメディ
アの容積量(体積%) B:湿式粉砕機に用いるメディアの真比重 C:湿式粉砕機のディスク又はローターの周辺速度(m
/秒) D:湿式粉砕する炭酸カルシウムの水懸濁液の、炭酸カ
ルシウム固形分濃度(重量%) E:湿式粉砕する炭酸カルシウムの水懸濁液の、湿式粉
砕機の粉砕室中に滞留する時間(分) F:湿式粉砕機に用いるメディアの粒子径(mm)
性を具備する炭酸カルシウム粉体に、水を添加して炭酸
カルシウム固形分濃度が1〜60重量%の炭酸カルシウ
ムスラリーを調製し、該スラリーを湿式粉砕機を用い湿
式粉砕(以下、1次粉砕と略記する)した後、調製され
た炭酸カルシウムスラリーに、HLBが10以上の親水
性乳化剤、及び必要に応じ水を添加して炭酸カルシウム
固形分濃度が1〜60重量%の炭酸カルシウムと親水性
乳化剤と水からなる懸濁液を調製し、湿式粉砕機を用い
て湿式粉砕(以下、2次粉砕と略記する)を行うにあた
り、1次粉砕の湿式粉砕条件を下記(ウ)の中の式から
求めたYと、2次粉砕の湿式粉砕条件を(ウ)中の式か
ら求めたYとの合計が、下記(ウ)の、、の全て
の要件を満たし、且つ下記(エ)のを満たすように湿
式粉砕することを特徴とする炭酸カルシウム分散体の製
造方法: (ア)200℃で4時間乾燥時の含水水分量が2重量%
以下である。 (イ)窒素吸着法(BET法)による比表面積Xが6〜
60m2/gである。 (ウ)Y ≦ 1000X/27 + 88000/9 6 ≦ X ≦ 60 Y ≧ 10 但し、Y=A×B×C1.3 ×D×E / 100×F1.6 ×(100−D) (エ)炭酸カルシウム分散体中の炭酸カルシウムの粒度
分布における重量(体積)平均径P(μm)と、炭酸カ
ルシウム分散体中の炭酸カルシウム100重量部に対す
るHLBが10以上の親水性乳化剤の添加量Q(重量
部)が、下記の関係を満足する: Q ≧ (1.87/P) + 6.17 X:湿式粉砕する原料炭酸カルシウム粉体の窒素吸着法
(BET法)による比表面積(m2/g) A:湿式粉砕機に用いるメディアの充填量であり、湿式
粉砕機の粉砕室(ベッセル容器)容積中に占めるメディ
アの容積量(体積%) B:湿式粉砕機に用いるメディアの真比重 C:湿式粉砕機のディスク又はローターの周辺速度(m
/秒) D:湿式粉砕する炭酸カルシウムの水懸濁液の、炭酸カ
ルシウム固形分濃度(重量%) E:湿式粉砕する炭酸カルシウムの水懸濁液の、湿式粉
砕機の粉砕室中に滞留する時間(分) F:湿式粉砕機に用いるメディアの粒子径(mm)
カルシウム分散体を添加してなる食品組成物を、それぞ
れ内容とするものである。
ルシウム分散体を製造する方法を以下に要約する。 (1)特定の炭酸カルシウム粉体の水懸濁液を湿式粉砕
機を用いて特定の粉砕条件で粉砕し、その後特定量のH
LBが10以上の親水性乳化剤又はその水溶液を添加
し、炭酸カルシウムとHLBが10以上の親水性乳化剤
と水からなる、特定の重量(体積)平均粒子径を有する
炭酸カルシウム分散体を調製する方法。 (2)特定の炭酸カルシウム粉体の水懸濁液に、特定量
のHLBが10以上の親水性乳化剤又はその水溶液を添
加し、その後湿式粉砕機を用いて特定の粉砕条件で粉砕
し、特定の重量(体積)平均粒子径を有する炭酸カルシ
ウム分散体を調製する方法。 (3)特定の炭酸カルシウム粉体の水懸濁液を湿式粉砕
機を用いて特定の粉砕条件で粉砕し(1次粉砕)、その
後特定量のHLBが10以上の親水性乳化剤又はその水
溶液を添加し、炭酸カルシウムとHLBが10以上の親
水性乳化剤と水からなる混合スラリーを調製し、該混合
スラリーをさらに湿式粉砕機を用いて特定の粉砕条件で
粉砕し(2次粉砕)、特定の重量(体積)平均粒子径を
有する炭酸カルシウム分散体を調製する方法。
ルシウム粉体に関しては、200℃で4時間乾燥時の含
水水分量が2重量%以下で、さらにその窒素吸着法(B
ET法)による比表面積が、6〜60m2/gの範囲にあ
れば特に問題はないが、水酸化カルシウムの水懸濁液で
ある石灰乳と炭酸ガスを反応させる炭酸ガス法に代表さ
れる化学的合成方法により調製される合成炭酸カルシウ
ムが好ましく使用できる。この炭酸カルシウム粉体の含
水水分が2重量%を越えた場合、食品用途としての保存
安定性に問題を生じ、比表面積が6m2/g未満の場合、
牛乳等の食品中での長期間安定性に問題が生じ、また6
0m2/gを越える場合、炭酸カルシウム粉体の凝集力が
極めて強くなるため、その分散が困難となる。
ウムを調製する際の、より好ましい方法としては特願平
4−155989、特願平4−182950記載の炭酸
カルシウムの調製方法を例示できる。該調製方法の要旨
を以下(I)に示す。 (I)石灰乳を炭酸ガスを用いて炭酸化反応し、得られ
る炭酸カルシウムの水懸濁液の調製工程において、炭酸
化反応終了して調製されたpHの値がKの炭酸カルシウ
ムの水懸濁液を攪拌、及び/又は湿式粉砕、及び/又は
静置し、該炭酸カルシウムの水懸濁液のpHを以下に示
す式(a)及び(b)を満たすpH値Lに上昇せしめた
後、水懸濁液中に存在するアルカリ物質を除去及び/又
はアルカリ物質の単位体積当たりの濃度を低下せしめ、
炭酸カルシウムの水懸濁液のpHを、以下に示す式
(c)を満たすpH値Mに調整し、その後脱水、乾燥、
湿式粉砕し、炭酸カルシウム粉体を調製する。 L ≧ 8.6 (a) 10(L+2) /10K ≧ 125 (b) 10(M+2) /10L ≦ 80 (c) 但し、K,Lは同一温度条件下のpHである。また、p
H値Mは、Mが8.6未満の場合、Mは8.6として計
算。
Hに関しては特に制限はないが、本発明に使用する親水
性乳化剤の機能低下防止、及び湿式粉砕時の粉砕効率の
上昇の観点から、炭酸カルシウム粉体の固形分濃度20
重量%の水懸濁液200ccを、300W,20kHzで
10分間超音波処理した後の水懸濁液の25℃における
pHが11.7以下の炭酸カルシウム粉体を使用するの
が好ましく、より好ましくは11.5以下であればよ
い。
とは、粉砕室(ベッセル容器)中でガラスビーズ,アル
ミナビーズ,ジルコニアビーズ,チタニアビーズ等のメ
ディアを回転ディスク又はローターを回転させ、該粉砕
室中に供給される被粉砕物スラリーを粉砕する機器であ
り、一般的にサンドミル、ダイノーミル、コボールミル
等と呼称されている湿式粉砕機であればよい。
(ウ)中の、、の要項を共に具備する粉砕条件で
あればよく、式を満たさない粉砕条件の場合、炭酸カ
ルシウム粒子表面が非常に不安定となり、凝集しやすい
炭酸カルシウム分散体しか得られず、また牛乳等食品中
の粘度安定性に問題となる炭酸カルシウム分散体が得ら
れる。また式を満たさない粉砕条件の場合、粗大粒子
を含有した炭酸カルシウムが調製され、保存安定性の悪
い牛乳等の食品が得られる。
述のように各種湿式粉砕を構成する要因関数A,B,
C,D,E,Fを用い前述の式により算出すればよい
が、上記(3)の炭酸カルシウム分散体においては1次
粉砕と2次粉砕の2度の湿式粉砕を行う必要があり、こ
のため(3)の調製方法における粉砕条件Yは、1次粉
砕のみの粉砕条件(Y1)と2次粉砕のみの粉砕条件
(Y2)の合計、換言すればY1+Y2を算出し、
(3)の方法における粉砕条件Yとする。湿式粉砕にお
ける温度条件は特に制限はないが、炭酸カルシウムから
生成するカルシウムイオンを少なくし、より牛乳中にお
ける分散性良好な炭酸カルシウムを調製するためには、
50℃以下が好ましく、30℃がより好ましい。同様の
理由により、本発明に使用する親水性乳化剤と炭酸カル
シウム又は炭酸カルシウムの水スラリーと混合する場合
の温度も50℃以下が好ましく、30℃がより好まし
い。
固形分濃度は、1〜60重量%であればよいが、超高粘
性用送液ポンプ等の特殊装置を設置しなくていい等の経
済的理由及びハンドリングの容易性等の観点から、好ま
しくは5〜40重量%、より好ましくは10〜25重量
%である。炭酸カルシウムの固形分濃度が1重量%未満
の場合、湿式粉砕に要する時間が極めて長くなり不経済
であるばかりでなく、湿式粉砕中に湿式粉砕機に使用す
るメディアの混入が考えられ、牛乳等食品添加用の炭酸
カルシウムの製造方法として好ましくない。また60重
量%を越える場合、湿式粉砕機及びこれに付随する液供
給ポンプ等の動力を極めて大きくしたとしても、本発明
の炭酸カルシウム分散体が流動性を失い、良好な分散性
を有する炭酸カルシウム分散体は得られない。
体の製造方法におけるHLBが10以上の親水性乳化剤
の特定の添加量に関しては、調製された炭酸カルシウム
分散体中の炭酸カルシウムの粒度分布における重量(体
積)平均径と極めて重要な関連性が存在し、炭酸カルシ
ウム分散体中の炭酸カルシウムの粒度分布における重量
(体積)平均径P(μm)と、炭酸カルシウム100重
量部に対するHLBが10以上の親水性乳化剤の添加量
Q(重量部)が、Q≧(1.87/P)+6.17の関
係を満足することであり、比較的長期間の保存分散安定
性を要求される食品用途には、Q≧(1.87/P)+
7.67の関係を満足することが好ましく、より好まし
くはQ≧(1.87/P)+9.17を満足すればよ
い。Q<(1.87/P)+6.17の場合、長期間炭
酸カルシウムが安定に分散存在する炭酸カルシウム分散
体を調製することが困難であり、たとえ炭酸カルシウム
の粒度分布における重量(体積)平均径を非常に微細に
調製したとしても、これらの炭酸カルシウムスラリーを
牛乳、ジュース等の食品に添加使用した場合、食品中の
炭酸カルシウムの経時安定性が悪く、著しい場合、24
時間以内に食品容器底部に凝集し沈降する。
ムの粒度分布における重量(体積)平均径に関しては、
特別の限定はないが、比較的粘度の低い牛乳、ジュース
類食品の用途には0.3μm未満が好ましく、また牛乳
への応用に関しては、平均径が小さくなりすぎると炭酸
カルシウムの溶解性が増大し、牛乳中のタンパク質等を
凝集させる傾向が発生し易くなるため、0.04μm以
上が好ましい。
添加物規格に適合するHLBが10以上の親水性乳化剤
であればよく、脂肪酸多価アルコールエステル、中でも
HLB15以上のショ糖脂肪酸エステルを好ましく使用
できる。この親水性乳化剤は、水又は湯に溶解させて使
用するのが好ましく、特にショ糖脂肪酸エステルは、6
0〜70℃の温水に溶解後、冷却せしめ30℃以下の温
度で使用するのが好ましい。
度分布における重量(体積)平均径は、下記の要領で測
定計算されたものである。 測定機種:島津製作所製 SA−CP3 試料の調製:65℃に加温した本発明の炭酸カルシウム
スラリーを、下記25℃の溶媒中に滴下し、粒度分布測
定試料とする。 溶媒:イオン交換水にポリアクリル酸ソーダ0.004
重量%溶解させた水溶液 予備分散:SKディスバーザー(セイシン企業製)を用
い、超音波分散100秒 測定温度:20℃±2.5℃
ウム分散体を用いて、食品、例えばカルシウム強化牛乳
を調製する方法に関しては、本発明の方法により調製さ
れる炭酸カルシウムスラリーを牛乳に直接添加して強力
に攪拌し、牛乳中に炭酸カルシウム分散体を分散させる
だけで充分である。また還元乳では、本発明の方法によ
り調製される炭酸カルシウム分散体を、60℃程度の温
度で溶解したバター又はバターオイルに加えて高速攪拌
して分散させ、次いでこれに還元脱脂乳あるいは脱脂乳
を加え、均質化すればよい。また、燐酸カルシウム等の
他の無機カルシウム塩及び有機カルシウム塩と併用して
もさしつかえない。これらの方法で調製したカルシウム
強化牛乳は、クラリファイヤーで除去される炭酸カルシ
ウムの量はほとんど無くなり、従来の方法で調製された
炭酸カルシウムを添加した場合に比べて、大幅に減少す
る。
カルシウム分散体を添加した牛乳、ジュース類中には、
炭酸カルシウムが極めて安定に保持されている。また、
本発明の方法で調製した炭酸カルシウム分散体は、分散
性が良好であるため、牛乳等に添加する際の攪拌時間が
少なくてすみ、したがって、バター中で長時間攪拌した
場合に見られるような炭酸カルシウムの凝集は起こらな
い。本発明の炭酸カルシウム分散体は、上記用途以外
に、クリーム、ヨーグルト、コーヒー、紅茶、ウーロン
茶等の液体食品、ワイン、酒等のアルコール飲料等にカ
ルシウム強化の目的で使用することができる。本発明の
炭酸カルシウム分散体は、乳酸カルシウム、塩化カルシ
ウム等の水可溶性カルシウム塩、燐酸三カルシウム、ピ
ロ燐酸二水素カルシウム等の水不溶性又は水難溶性カル
シウム塩と併用しても何らさしつかえない。
細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。実施例、及び比較例に使用するスラリ
ー状炭酸カルシウム及び該炭酸カルシウムの粉体の製造
方法を以下に示す。
濃度25重量%の炉ガス(以下炭酸ガスと略記する)を
25m3/min の流速で導通し炭酸化反応を行い、pH7
で炭酸化反応を完結しスラリー状炭酸カルシウムを得
た。その後攪拌し、スラリー状炭酸カルシウムのpHが
11.5に達した時点でフィルタープレスを用いて脱水
し、得られた脱水ケーキに再度水を加え、脱水前のスラ
リー状炭酸カルシウムと同一濃度のスラリー状炭酸カル
シウムを得た。該スラリー状炭酸カルシウムのpHは1
1.0であった。このスラリー状炭酸カルシウムに再度
炭酸ガスを導通し、スラリー状炭酸カルシウムのpHを
7.0に低下せしめて、スラリー状炭酸カルシウムAを
得た。該スラリー状炭酸カルシウムをフィルタープレス
で脱水し、そのプレスケーキをパドルドライヤーで乾燥
し、乾式粉砕機を用いて炭酸カルシウム粉体Aを調製し
た。
濃度25重量%の炭酸ガスを25m3/min の流速で導通
し炭酸化反応を行い、pH7で炭酸化反応を完結しスラ
リー状炭酸カルシウムを得た。その後攪拌し、スラリー
状炭酸カルシウムのpHが11.5に達した時点で炭酸
ガスを導通しスラリー状炭酸カルシウムのpHを9.5
に低下せしめ、その後温度50℃で48時間攪拌し、さ
らに炭酸ガスを導通しスラリー状炭酸カルシウムのpH
を7.0に低下せしめて、スラリー状炭酸カルシウムB
を得た。該スラリー状炭酸カルシウムをフィルタープレ
スで脱水し、そのプレスケーキをパドルドライヤーで乾
燥し、乾式粉砕機を用いて炭酸カルシウム粉体Bを調製
した。
濃度25重量%の炭酸ガスを25m3/min の流速で導通
し炭酸化反応を行い、pH7で炭酸化反応を完結しスラ
リー状炭酸カルシウムを得た。その後攪拌し、スラリー
状炭酸カルシウムのpHが11.5に達した時点で炭酸
ガスを導通しスラリー状炭酸カルシウムのpHを9.5
に低下せしめ、その後温度50℃で96時間攪拌し、さ
らに炭酸ガスを導通しスラリー状炭酸カルシウムのpH
を7.0に低下せしめて、スラリー状炭酸カルシウムC
を得た。該スラリー状炭酸カルシウムをフィルタープレ
スで脱水し、そのプレスケーキをパドルドライヤーで乾
燥し、乾式粉砕機を用いて炭酸カルシウム粉体Cを調製
した。
の水酸化カルシウム固形分に対し3.5重量%の硫酸を
加え、炭酸ガス濃度25重量%の炭酸ガスを25m3/mi
n の流速で導通し炭酸化反応を行い、pH7で炭酸化反
応を完結しスラリー状炭酸カルシウムDを得た。該スラ
リー状炭酸カルシウムをフィルタープレスで脱水し、そ
のプレスケーキをパドルドライヤーで乾燥し、乾式粉砕
機を用いて炭酸カルシウム粉体Dを調製した。
ス濃度25重量%の炭酸ガスを3m3/min の流速で導通
し炭酸化反応を行い、pH7で炭酸化反応を完結しスラ
リー状炭酸カルシウムEを得た。該スラリー状炭酸カル
シウムをフィルタープレスで脱水し、そのプレスケーキ
をパドルドライヤーで乾燥し、乾式粉砕機を用いて炭酸
カルシウム粉体Eを調製した。表1に炭酸カルシウム粉
体A,B,C,D,Eの物性を示す。
%) 物性2:窒素吸着法(BET法)による比表面積X(m2
/g) 物性3:炭酸カルシウム固形分濃度が20重量%の水懸
濁液200ccを、300W,20kHzで10分間超音
波処理した後の水懸濁液の25℃におけるpH
形分濃度が20重量%の炭酸カルシウム粉体の水懸濁液
を調製し、湿式粉砕機ダイノーミルパイロット型(WA
B社製)を用い、表1に示す湿式粉砕条件で湿式粉砕し
た。湿式粉砕完了後、調製された水スラリー中の炭酸カ
ルシウム100重量部に対し、HLBが16のショ糖ス
テアリン酸エステルを19重量部及び水を添加し強力に
攪拌混合することにより、炭酸カルシウム固形分濃度が
10重量%の炭酸カルシウム分散体を調製した。該炭酸
カルシウム分散体中の炭酸カルシウムの粒度分布におけ
る重量(体積)平均径は、0.20μmであった。尚、
ショ糖ステアリン酸エステルはあらかじめ65℃の温水
に溶解後20℃に冷却し、添加した。
カルシウム粉体Cに変更することを除き、他は実施例1
と同様にして固形分濃度が10重量%の炭酸カルシウム
分散体を調製した。該炭酸カルシウム分散体中の炭酸カ
ルシウムの粒度分布における重量(体積)平均径は、
0.21μm、炭酸カルシウム分散体中の炭酸カルシウ
ムにおける重量(体積)平均径は0.36μmであっ
た。
のショ糖ステアリン酸エステルを25重量部、及び水を
混合し、炭酸カルシウム固形分濃度が25重量%の炭酸
カルシウム粉体Aの水懸濁液を調製し、湿式粉砕機ダイ
ノーミルパイロット型(WAB社製)を用い、表1に示
す湿式粉砕条件で湿式粉砕した。湿式粉砕完了後、水を
添加混合し、炭酸カルシウム固形分濃度が10重量%の
炭酸カルシウム分散体を調製した。該炭酸カルシウム分
散体中の炭酸カルシウムの粒度分布における重量(体
積)平均径は、0.12μmであった。尚、ショ糖ステ
アリン酸エステルはあらかじめ65℃の温水に溶解後2
0℃に冷却し、添加した。
固形分濃度が22重量%の水懸濁液を調製し、湿式粉砕
機ダイノーミルKD−PILOT型を用い、表1に示す
粉砕条件で湿式粉砕(1次粉砕)を行い、炭酸カルシウ
ムAの水分散体を得た。その後、該炭酸カルシウムAの
水分散体に、HLBが16のショ糖ステアリン酸エステ
ルを炭酸カルシウム固形分100重量部に対し28重量
部及び水を添加し強力に攪拌混合し、炭酸カルシウム固
形分濃度が10重量%の混合物を調製後、再度この混合
物を湿式粉砕機ダイノーミルKD−PILOT型を用
い、表1に示す粉砕条件で湿式粉砕(2次粉砕)を行い
炭酸カルシウム分散体を調製した。該炭酸カルシウム分
散体中の炭酸カルシウムの粒度分布における重量(体
積)平均径は、0.10μmであった。尚、ショ糖ステ
アリン酸エステルはあらかじめ65℃の温水に溶解後2
0℃に冷却し、添加した。
に変更すること、及び炭酸カルシウム固形分100重量
部に対するショ糖ステアリン酸エステルの添加量を1
5、17、21重量部に変更することを除き、他は実施
例5と同様にして炭酸カルシウム固形分濃度が10重量
%の炭酸カルシウム分散体を調製した。該炭酸カルシウ
ム分散体中の炭酸カルシウムの粒度分布における重量
(体積)平均径は、各々0.35μm、0.25μm、
0.17μmであった。
アリン酸エステルの添加量を26.5重量部及び25重
量部に変更することを除き、他は実施例5と同様にして
炭酸カルシウム固形分濃度が10重量%の炭酸カルシウ
ム分散体を調製した。該炭酸カルシウム分散体中の炭酸
カルシウムの粒度分布における重量(体積)平均径は、
共に0.10μmであった。
アリン酸エステルの添加量を23.5重量部に変更する
ことを除き、他は実施例5と同様にして炭酸カルシウム
固形分濃度が10重量%の炭酸カルシウム分散体を調製
した。該炭酸カルシウム分散体中の炭酸カルシウムの粒
度分布における重量(体積)平均径は、共に0.10μ
mであった。
アリン酸エステルの添加量を11、13、16.5重量
部に変更することを除き、他は実施例6、7、8と同様
にして炭酸カルシウム固形分濃度が10重量%の炭酸カ
ルシウム分散体を調製した。該炭酸カルシウム分散体中
の炭酸カルシウムの粒度分布における重量(体積)平均
径は、各々0.35μm、0.25μm、0.17μm
であった。
他は実施例1と同様にして炭酸カルシウム固形分濃度が
10重量%の炭酸カルシウム分散体を調製した。該炭酸
カルシウム分散体中の炭酸カルシウムの粒度分布におけ
る重量(体積)平均径は、0.16μmであった。
他は実施例1と同様にして炭酸カルシウム固形分濃度が
10重量%の炭酸カルシウム分散体を調製した。該炭酸
カルシウム分散体中の炭酸カルシウムの粒度分布におけ
る重量(体積)平均径は、1.62μmであった。
他は実施例4と同様にして炭酸カルシウム固形分濃度が
10重量%の炭酸カルシウム分散体を調製した。該炭酸
カルシウム分散体中の炭酸カルシウムの粒度分布におけ
る重量(体積)平均径は、0.10μmであった。
他は実施例4と同様にして炭酸カルシウム固形分濃度が
10重量%の炭酸カルシウム分散体を調製した。該炭酸
カルシウム分散体中の炭酸カルシウムの粒度分布におけ
る重量(体積)平均径は、1.88μmであった。
他は実施例5と同様にして炭酸カルシウム固形分濃度が
10重量%の炭酸カルシウム分散体を調製した。該炭酸
カルシウム分散体中の炭酸カルシウムの粒度分布におけ
る重量(体積)平均径は、0.09μmであった。
他は実施例5と同様にして炭酸カルシウム固形分濃度が
10重量%の炭酸カルシウム分散体を調製した。該炭酸
カルシウム分散体中の炭酸カルシウムの粒度分布におけ
る重量(体積)平均径は、0.98μmであった。
ることを除き、他は実施例1と同様にして炭酸カルシウ
ム固形分濃度が10重量%の炭酸カルシウム分散体を調
製した。該炭酸カルシウム分散体中の炭酸カルシウムの
粒度分布における重量(体積)平均径は、0.15μm
であった。
ることを除き、他は実施例1と同様にして炭酸カルシウ
ム固形分濃度が10重量%の炭酸カルシウム分散体を調
製した。該炭酸カルシウム分散体中の炭酸カルシウムの
粒度分布における重量(体積)平均径は、1.15μm
であった。
のショ糖ステアリン酸エステルを15重量部、及び水を
混合し、炭酸カルシウム固形分濃度が20重量%の炭酸
カルシウム粉体の水懸濁液1500gを調製し、超音波
分散機US−300T(日本精機製作所製)を用い、2
0kHz、300Wで2分間超音波照射を行い、その後
水で希釈し炭酸カルシウム固形分濃度が10重量%の炭
酸カルシウム分散体を調製した。該炭酸カルシウム分散
体中の炭酸カルシウムの粒度分布における重量(体積)
平均径は、1.86μmであった。
のショ糖ステアリン酸エステルを15重量部、及び水を
混合しTKホモミキサー(5000rpm 、15分間)に
て攪拌し、炭酸カルシウム固形分濃度が10重量%の炭
酸カルシウム分散体を調製した。該炭酸カルシウム分散
体中の炭酸カルシウムの粒度分布における重量(体積)
平均径は、2.35μmであった。
、粉砕条件A〜F、及びX、Yはそれぞれ下記を意味
する: 炭酸カルシウム粉体A 炭酸カルシウム粉体B 炭酸カルシウム粉体C 炭酸カルシウム粉体D 炭酸カルシウム粉体E A:湿式粉砕機に用いるメディアの充填量であり、湿式
粉砕機の粉砕室(ベッセル容器)容積中に占めるメディ
アの容積量(体積%) B:湿式粉砕機に用いるメディアの真比重 C:湿式粉砕機のディスク又はローターの周辺速度(m
/秒) D:湿式粉砕する炭酸カルシウムの水懸濁液の、炭酸カ
ルシウム固形分濃度(重量%) E:湿式粉砕する炭酸カルシウムの水懸濁液の、湿式粉
砕機の粉砕室中に滞留する時間(分) F:湿式粉砕機に用いるメディアの粒子径(mm) X:湿式粉砕する炭酸カルシウム粉体の窒素吸着法(B
ET法)による比表面積(m2/g) Y:A×B×C1.3 ×D×E / 100×F1.6 ×
(100−D)
カルシウム固形分濃度が10重量%の炭酸カルシウム分
散体を水で炭酸カルシウム固形分濃度が0.65重量%
になるように希釈し、希釈液を60℃に加温後100ml
のメスシリンダーにとり、5℃まで冷却後5℃で静置
し、炭酸カルシウムの沈澱により生ずる透明部分と炭酸
カルシウム分散部分の白色部分の界面の高さの経時変
化、沈降物の量の経時変化を目視判断し、各スラリー状
炭酸カルシウムの水中における安定性を調べた。メスシ
リンダーに刻まれたml単位の表示を読みとり、その結果
を下記の5段階表示により表8に示す。 (界面の高さ) 界面がほぼ98以上100mlである: 5 界面が95以上98ml未満である: 4 界面が90以上95ml未満である: 3 界面が50以上90ml未満である: 2 界面が50ml未満である: 1 (沈澱物の量) 殆ど確認できない: 5 わずかに沈澱が確認できる: 4 0.5mm未満程度の沈澱がある: 3 0.5mm以上2mm未満の沈澱がある: 2 2mm以上の沈澱がある: 1
量%の炭酸カルシウム分散体600gを、60℃で溶解
させたバター500g中に分散させ、これを脱脂乳9Kg
中に添加攪拌し、次いで殺菌してカルシウム強化牛乳を
得た。このカルシウム強化牛乳を100mlのメスシリン
ダーにとり、5℃で保存し、定期的にメスシリンダー中
の牛乳を静かに廃棄し、メスシリンダー底部に残存して
いる沈澱物の量の経時変化を目視観察した。その結果を
下記の3段階評価により表9に示す。 (沈澱物の量) 殆ど確認できない: 3 わずかに沈澱が確認できる: 2 かなり大量の沈澱が確認できる: 1
ることを除き他は実施例11と同様の方法でカルシウム
強化牛乳を得た。また、これらのカルシウム強化牛乳の
沈澱量を、実施例11に示す同様の方法で観察した。そ
の結果を表9に示す。
ることを除き他は実施例11と同様の方法でカルシウム
強化牛乳を得た。また、これらのカルシウム強化牛乳の
沈澱量を、実施例11に示す同様の方法で観察した。そ
の結果を表9に示す。
た炭酸カルシウム分散体は、液中での分散性が極めて優
れており、この炭酸カルシウム分散体を用いて調製され
る食品組成物は、長期間の保存安定性が極めて優れてい
る。
Claims (9)
- 【請求項1】 下記(ア)、(イ)の物性を具備する炭
酸カルシウム粉体に水を添加して炭酸カルシウム固形分
濃度が1〜60重量%の炭酸カルシウムの水懸濁液を調
製し、該水懸濁液を湿式粉砕機を用い下記(ウ)の、
、全ての要件を満たすように湿式粉砕した後、調製
された水スラリー中の炭酸カルシウム100重量部に対
し、HLBが10以上の親水性乳化剤を下記(エ)の要
件を満たすように添加処理することを特徴とする炭酸カ
ルシウム分散体の製造方法: (ア)200℃で4時間乾燥時の含水水分量が2重量%
以下である。 (イ)窒素吸着法(BET法)による比表面積Xが6〜
60m2/gである。 (ウ)Y ≦ 1000X/27 + 88000/9 6 ≦ X ≦ 60 Y ≧ 10 但し、Y=A×B×C1.3 ×D×E / 100×F1.6 ×(100−D) (エ)炭酸カルシウム分散体中の炭酸カルシウムの粒度
分布における重量(体積)平均径P(μm)と、炭酸カ
ルシウム分散体中の炭酸カルシウム100重量部に対す
るHLBが10以上の親水性乳化剤の添加量Q(重量
部)が、下記の関係を満足する: Q ≧ (1.87/P) + 6.17 X:湿式粉砕する原料炭酸カルシウム粉体の窒素吸着法
(BET法)による比表面積(m2/g) A:湿式粉砕機に用いるメディアの充填量であり、湿式
粉砕機の粉砕室(ベッセル容器)容積中に占めるメディ
アの容積量(体積%) B:湿式粉砕機に用いるメディアの真比重 C:湿式粉砕機のディスク又はローターの周辺速度(m
/秒) D:湿式粉砕する炭酸カルシウムの水懸濁液の、炭酸カ
ルシウム固形分濃度(重量%) E:湿式粉砕する炭酸カルシウムの水懸濁液の、湿式粉
砕機の粉砕室中に滞留する時間(分) F:湿式粉砕機に用いるメディアの粒子径(mm) - 【請求項2】 下記(ア)、(イ)の物性を具備する炭
酸カルシウム粉体に、炭酸カルシウム100重量部に対
し、HLBが10以上の親水性乳化剤及び水を添加し、
炭酸カルシウム固形分濃度が1〜60重量%の炭酸カル
シウムの水懸濁液を調製し、該水懸濁液を湿式粉砕機を
用い、下記(ウ)の、、及び(エ)のの全ての
要件を満たすように湿式粉砕することを特徴とする炭酸
カルシウム分散体の製造方法: (ア)200℃で4時間乾燥時の含水水分量が2重量%
以下である。 (イ)窒素吸着法(BET法)による比表面積Xが6〜
60m2/gである。 (ウ)Y ≦ 1000X/27 + 88000/9 6 ≦ X ≦ 60 Y ≧ 10 但し、Y=A×B×C1.3 ×D×E / 100×F1.6 ×(100−D) (エ)炭酸カルシウム分散体中の炭酸カルシウムの粒度
分布における重量(体積)平均径P(μm)と、炭酸カ
ルシウム分散体中の炭酸カルシウム100重量部に対す
るHLBが10以上の親水性乳化剤の添加量Q(重量
部)が、下記の関係を満足する: Q ≧ (1.87/P) + 6.17 X:湿式粉砕する原料炭酸カルシウム粉体の窒素吸着法
(BET法)による比表面積(m2/g) A:湿式粉砕機に用いるメディアの充填量であり、湿式
粉砕機の粉砕室(ベッセル容器)容積中に占めるメディ
アの容積量(体積%) B:湿式粉砕機に用いるメディアの真比重 C:湿式粉砕機のディスク又はローターの周辺速度(m
/秒) D:湿式粉砕する炭酸カルシウムの水懸濁液の、炭酸カ
ルシウム固形分濃度(重量%) E:湿式粉砕する炭酸カルシウムの水懸濁液の、湿式粉
砕機の粉砕室中に滞留する時間(分) F:湿式粉砕機に用いるメディアの粒子径(mm) - 【請求項3】 下記(ア)、(イ)の物性を具備する炭
酸カルシウム粉体に、水を添加して炭酸カルシウム固形
分濃度が1〜60重量%の炭酸カルシウムスラリーを調
製し、該スラリーを湿式粉砕機を用い湿式粉砕(以下、
1次粉砕と略記する)した後、調製された炭酸カルシウ
ムスラリーに、HLBが10以上の親水性乳化剤、及び
必要に応じ水を添加して炭酸カルシウム固形分濃度が1
〜60重量%の炭酸カルシウムと親水性乳化剤と水から
なる懸濁液を調製し、湿式粉砕機を用いて湿式粉砕(以
下、2次粉砕と略記する)を行うにあたり、1次粉砕の
湿式粉砕条件を下記(ウ)の中の式から求めたYと、2
次粉砕の湿式粉砕条件を(ウ)中の式から求めたYとの
合計が、下記(ウ)の、、の全ての要件を満た
し、且つ下記(エ)のを満たすように湿式粉砕するこ
とを特徴とする炭酸カルシウム分散体の製造方法: (ア)200℃で4時間乾燥時の含水水分量が2重量%
以下である。 (イ)窒素吸着法(BET法)による比表面積Xが6〜
60m2/gである。 (ウ)Y ≦ 1000X/27 + 88000/9 6 ≦ X ≦ 60 Y ≧ 10 但し、Y=A×B×C1.3 ×D×E / 100×F1.6 ×(100−D) (エ)炭酸カルシウム分散体中の炭酸カルシウムの粒度
分布における重量(体積)平均径P(μm)と、炭酸カ
ルシウム分散体中の炭酸カルシウム100重量部に対す
るHLBが10以上の親水性乳化剤の添加量Q(重量
部)が、下記の関係を満足する: Q ≧ (1.87/P) + 6.17 X:湿式粉砕する原料炭酸カルシウム粉体の窒素吸着法
(BET法)による比表面積(m2/g) A:湿式粉砕機に用いるメディアの充填量であり、湿式
粉砕機の粉砕室(ベッセル容器)容積中に占めるメディ
アの容積量(体積%) B:湿式粉砕機に用いるメディアの真比重 C:湿式粉砕機のディスク又はローターの周辺速度(m
/秒) D:湿式粉砕する炭酸カルシウムの水懸濁液の、炭酸カ
ルシウム固形分濃度 (重量%) E:湿式粉砕する炭酸カルシウムの水懸濁液の、湿式粉
砕機の粉砕室中に滞留する時間(分) F:湿式粉砕機に用いるメディアの粒子径(mm) - 【請求項4】 上記(エ)の重量(体積)平均径P(μ
m)と添加量Q(重量部)が、下記の関係を満足する
請求項1、2又は3記載の製造方法。 Q ≧ (1.87/P) + 7.67 - 【請求項5】 上記(エ)の重量(体積)平均径P(μ
m)と添加量Q(重量部)が、下記の関係を満足する
請求項1、2又は3記載の製造方法。 Q ≧ (1.87/P) + 9.17 - 【請求項6】 HLBが10以上の親水性乳化剤が、シ
ョ糖脂肪酸エステルである請求項1、2又は3記載の製
造方法。 - 【請求項7】 調製された分散体の炭酸カルシウムの粒
度分布における重量(体積)平均径P(μm)が、0.
04μm≦P<0.3μmである請求項1、2又は3記
載の製造方法。 - 【請求項8】 炭酸カルシウム粉体が、炭酸カルシウム
固形分濃度が20重量%の水懸濁液200ccを、300
W,20kHzで10分間超音波処理した後の水懸濁液
の25℃におけるpHが11.7以下である請求項1、
2又は3記載の製造方法。 - 【請求項9】 請求項1〜8記載の方法で得られた炭酸
カルシウム分散体を添加してなる食品組成物。
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