JPH06125741A - 食品添加用カルシウム剤スラリー - Google Patents

食品添加用カルシウム剤スラリー

Info

Publication number
JPH06125741A
JPH06125741A JP4307547A JP30754792A JPH06125741A JP H06125741 A JPH06125741 A JP H06125741A JP 4307547 A JP4307547 A JP 4307547A JP 30754792 A JP30754792 A JP 30754792A JP H06125741 A JPH06125741 A JP H06125741A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
calcium
calcium phosphate
phosphate
weight
milk
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4307547A
Other languages
English (en)
Inventor
Juichi Hojo
壽一 北条
Kayoko Hashimoto
佳代子 橋本
Masako Takahashi
雅子 高橋
Shiro Motoyoshi
嗣郎 源吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maruo Calcium Co Ltd
Original Assignee
Maruo Calcium Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maruo Calcium Co Ltd filed Critical Maruo Calcium Co Ltd
Priority to JP4307547A priority Critical patent/JPH06125741A/ja
Priority to KR1019930008273A priority patent/KR0123539B1/ko
Publication of JPH06125741A publication Critical patent/JPH06125741A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】 燐酸カルシウムとHLBが10以上の親水性
乳化剤と水とからなり、該燐酸カルシウムスラリー中の
燐酸カルシウムの粒度分布における重量(体積)平均径
X(μm)と、燐酸カルシウム100重量部に対する該
親水性乳化剤の添加量Y(重量部)が、下記式(a)の
関係を満足する食品添加用カルシウム剤スラリー: (a) Y≧(1.87/X)+6.17 【効果】 液中での分散性が極めて優れており、この燐
酸カルシウム剤スラリーを用いて調製されるカルシウム
強化牛乳、ジュース等は、長期間の保存安定性が極めて
優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、牛乳、ジュース類等の
食品に添加してカルシウムを強化するのに有効に利用さ
れる、液中での分散安定性の良好な食品添加用カルシウ
ム剤スラリーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カルシウム摂取量の不足が指摘さ
れており、この傾向は育ち盛りの子供及び老人において
顕著である。このカルシウム摂取量の不足を解消するた
め、カルシウム強化食品が販売されるようになってきて
おり、一般的にカルシウムの含有量が多いとされている
牛乳においても、さらにカルシウムを添加してカルシウ
ム強化牛乳として提供することが試みられ、その他ジュ
ース類においてもカルシウム強化した商品が多数販売さ
れ始めている。
【0003】例えば、牛乳にカルシウムを強化するため
の従来の方法の多くは、水溶性の有機酸カルシウム形態
のカルシウムを牛乳に添加するものであって、燐酸カル
シウムのような水不溶性の無機塩形態のカルシウムを牛
乳に添加する方法はあまり提案されていない。これは、
燐酸カルシウムは比重が3前後と高く、牛乳中へ分散さ
せた場合短時間で沈澱し、また牛乳に高濃度で添加し、
安定状態に保持することが困難であるからであり、充分
満足できる添加方法の開発が待たれている。
【0004】最近、牛乳に無機カルシウム塩を分散させ
る方法として、結晶セルロースを同時的に添加してその
網目構造により炭酸カルシウム粒子を支持させる方法
(特開昭56−117753号)、及びスラリー状炭酸
カルシウムもしくはスラリー状炭酸カルシウムにHLB
10以上の親水性乳化剤を添加したものに超音波を照射
し、炭酸カルシウムの分散性を改良する方法(特開昭6
4−69513号)等が提案されている。
【0005】しかし、上記のように結晶セルロースを添
加する方法では、牛乳の粘度が高くなるので食感上好ま
しくない。また、特開昭64−69513号の方法は、
スラリー状炭酸カルシウムもしくはスラリー状炭酸カル
シウムにHLB10以上の親水性乳化剤を添加した炭酸
カルシウム粉体スラリーを超音波を用いて分散させる方
法が提供されているにすぎず、無機カルシウム塩、特に
燐酸カルシウムの良好な分散状態を得るための親水性乳
化剤の添加割合に関する報告はない。また、前述の従来
技術に用いられているカルシウム塩は全て炭酸カルシウ
ムであるが、該炭酸カルシウムは本来アルカリ性を呈す
るため、例えば弱酸性を呈する牛乳等への添加剤として
は、安定性の観点から必ずしも良好な添加剤とはいえな
かった。
【0006】最近、牛乳、ジュース類等の液体食品の長
期間保存可能な容器、保存方法の進歩に伴い、該食品を
販売店、自動販売機、家庭内の大型冷蔵庫等において長
期間保存するケースが増加しており、これらの液体食品
にカルシウム強化の目的で添加されている無機カルシウ
ム塩粒子は、その食品中における分散状態が極めて良好
でない場合、長期間の液体食品の保存の間に食品容器底
部に沈澱してしまい、牛乳、ジュース類等液体食品を飲
用する際、その沈澱物が飲用者に不快感、不清潔感を与
えることが多くなっている。従って、現在カルシウム強
化の目的で従来技術で調製された無機カルシウム塩粒子
を添加し市販されている液体食品類は、該無機粒子の食
品中における分散安定期間が短いため、該無機粒子の添
加量は極く少量に制限される必要があり、また一般消費
者が購入後1〜2日の間に必ず食用に供されるような液
体食品に制限される必要があるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
問題を解決した食品添加用カルシウム剤スラリーを提供
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、燐酸カル
シウムの液体食品中における長期間分散安定性の良好な
食品添加用カルシウム剤スラリーを鋭意検討の結果、該
食品添加用カルシウム剤スラリー中の燐酸カルシウムの
分散度に応じた特定の且つ特定量の親水性乳化剤を用い
ることにより、容易に長期間分散性の良好な食品添加用
カルシウム剤スラリーが得られることを見いだし、本発
明を完成した。
【0009】即ち、本発明は、燐酸カルシウムとHLB
が10以上の親水性乳化剤と水とからなり、該燐酸カル
シウムスラリー中の燐酸カルシウムの粒度分布における
重量(体積)平均径X(μm)と、燐酸カルシウム10
0重量部に対する該親水性乳化剤の添加量Y(重量部)
が、下記式(a)の関係を満足する食品添加用カルシウ
ム剤スラリーを内容とするものである。 (a) Y≧(1.87/X)+6.17 尚、本発明にいう燐酸カルシウムとは、燐酸のカルシウ
ム塩からなる無機物を指称する。
【0010】以下、本発明を詳述する。本発明の食品添
加用カルシウム剤スラリーは、該食品添加用カルシウム
剤スラリー中の燐酸カルシウムの粒度分布における重量
(体積)平均径X(μm)と、燐酸カルシウム100重
量部に対するHLBが10以上の親水性乳化剤の添加量
Y(重量部)が、下記式(a)の関係を満足することが
必要であり、また、かなり長期間の保存分散安定性を要
求される食品用途には式(b)の関係を満足することが
好ましく、より好ましくは式(c)の関係を満足するも
のである。 (a) Y≧(1.87/X)+6.17 (b) Y≧(1.87/X)+7.67 (c) Y≧(1.87/X)+9.17 Y<(1.87/X)+6.17の場合、燐酸カルシウ
ムが安定に分散存在する燐酸カルシウムスラリーを調製
することが困難であり、たとえ燐酸カルシウムの粒度分
布における重量(体積)平均径を非常に微細に調製した
としても、これらの燐酸カルシウムスラリーを牛乳、ジ
ュース等の食品に添加使用した場合、食品中の燐酸カル
シウムの経時安定性が悪く、著しい場合には、24時間
以内に食品容器底部に凝集し沈降する。
【0011】燐酸カルシウムスラリー中の燐酸カルシウ
ムの粒度分布における重量(体積)平均径に関しては、
特別の限定はないが、比較的粘度の低い牛乳、ジュース
類等食品の用途には0.3μm未満が好ましく、また牛
乳への応用に関しては、平均径が小さくなりすぎると燐
酸カルシウムの溶解性が増大し、牛乳中のタンパク質等
を凝集させる傾向が発生し易くなるため、0.04μm
以上が好ましい。
【0012】本発明における食品添加用カルシウム剤ス
ラリー中の燐酸カルシウムの粒度分布における重量平均
径は、下記の要領で測定計算されたものである。 測定機種 : 島津製作所製 SA−CP3 試料の調製: 65℃に加温した食品添加用カルシウム
剤スラリーを、下記25℃の溶媒中に滴下し、粒度分布
測定試料とする。 溶媒 : イオン交換水にポリアクリル酸ソーダ
0.004重量%溶解させた水溶液 予備分散 : SKディスパーザー(セイシン企業製)
を用い、超音波分散100秒 測定温度 : 20℃±2.5℃
【0013】本発明に用いる燐酸カルシウムは、水酸化
カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム等のカル
シウム塩と燐酸、燐酸ソーダ等の燐酸塩を反応させる化
学的合成方法により調製される合成燐酸カルシウムが好
ましく、中でもピロ燐酸二水素カルシウム、燐酸一水素
カルシウム、燐酸三カルシウムよりなる群から選ばれる
少なくとも1種の燐酸カルシウムが好適である。該燐酸
カルシウムの窒素吸着法(BET法)による比表面積
は、2〜100m2/gの範囲が好ましい。
【0014】本発明に用いる燐酸カルシウムの形態に関
しては、通常の方法で調製される燐酸カルシウムの水懸
濁液でもよく、また該水懸濁を常法に従い脱水、乾燥、
粉砕を経て調製される燐酸カルシウムの粉体に、再度水
を添加して調製される水懸濁液でもよいが、食品添加物
規格厳守、及び衛生管理面の観点から後者の形態を採用
するのが好ましい。
【0015】次に、前述の燐酸カルシウムを用いて本発
明の食品添加用カルシウム剤スラリーを調製するのであ
るが、この調製方法は以下(ア)、(イ)、(ウ)に示
す2種類の方法に大別される何れの方法を採用しても良
く、また(ア)、(イ)、(ウ)の方法を併用しても差
し支えない。 (ア)燐酸カルシウムの水懸濁液を、湿式粉砕機、超音
波分散機、ロールミル等を用いて粉砕及び/又は分散
し、その後HLBが10以上の親水性乳化剤又はその水
溶液を攪拌条件下添加し、燐酸カルシウムとHLBが1
0以上の親水性乳化剤と水とからなる、食品添加用カル
シウム剤スラリーを調製する方法。 (イ)燐酸カルシウムの水懸濁液に、HLBが10以上
の親水性乳化剤又はその水溶液を攪拌条件下添加し、そ
の後湿式粉砕機、超音波分散機、ロールミル等を用いて
粉砕及び/又は分散し、食品添加用カルシウム剤スラリ
ーを調製する方法。 (ウ)燐酸カルシウムの水懸濁液を、湿式粉砕機、超音
波分散機、ロールミル等を用いて粉砕及び/又は分散
し、その後HLBが10以上の親水性乳化剤、又はその
水溶液を攪拌条件下添加し、その後再度湿式粉砕機、超
音波分散機、ロールミル等を用いて粉砕及び/又は分散
し、食品添加物用カルシウム剤スラリーを調整する方
法。
【0016】本発明で使用される親水性乳化剤は、食品
添加物規格に適合するHLBが10以上の親水性乳化剤
であればよく、脂肪酸多価アルコールエステル、中でも
HLB15以上のショ糖脂肪酸エステルを好ましく使用
できる。この親水性乳化剤は、水又は湯に溶解させて使
用するのが好ましく、特にショ糖脂肪酸エステルは60
〜70℃の温水に溶解後、冷却せしめ30℃以下の温度
で使用するのが好ましい。
【0017】本発明において使用する粉砕機、分散機に
ついては特別の制限はないが、粉砕機としてはダイノー
ミル、サンドミル、コボールミル等の湿式粉砕機、超音
波分散機、3本ロールミル等のロールミルが好ましく使
用でき、特に前述のように燐酸カルシウム原料として、
燐酸カルシウムの粉体を用いる場合には、上記湿式粉砕
機を以下に例示する特定の条件で粉砕するのがより好ま
しい。 湿式粉砕条件 Q ≦ 1000P/27+88000/9 ・・・ 2 ≦ P ≦ 100 ・・・ Q ≧ 10 ・・・ 但し Q = A×B×C1.3 ×D×E/100×F1.6 ×
(100−D) P: 湿式粉砕する燐酸カルシウム粉体の窒素吸着法
(BET法)による比表面積(m2/g) A: 湿式粉砕機に用いるメディアの充填量であり、湿
式粉砕機の粉砕室(ベッセル容器)容積中に占めるメデ
ィアの容積量(体積%) B: 湿式粉砕機に用いるメディアの真比重 C: 湿式粉砕機のディスク又はローターの周辺速度
(m/秒) D: 湿式粉砕する燐酸カルシウムの水懸濁液の、燐酸
カルシウム固形分濃度(%) E: 湿式粉砕する燐酸カルシウムの水懸濁液の、湿式
粉砕機の粉砕室中に滞留する時間(分) F: 湿式粉砕機に用いるメディアの粒子径(mm)
【0018】本発明の食品添加用燐酸カルシウムを用い
て、食品、例えばカルシウム強化牛乳を調製する方法に
関しては、本発明の方法により調製される燐酸カルシウ
ム剤スラリーを牛乳に直接添加して強力に攪拌し、牛乳
中に燐酸カルシウムを分散させるだけで充分である。ま
た還元乳では、本発明の方法により調製される燐酸カル
シウム剤スラリーを、60℃程度の温度で溶解したバタ
ー又はバターオイルに加えて高速攪拌して分散させ、次
いでこれに還元脱脂乳あるいは脱脂乳を加え、均質化す
ればよい。また、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、塩
化カルシウム等の他の無機カルシウム塩と併用してもさ
しつかえない。
【0019】これらの方法で調製したカルシウム強化牛
乳は、クラリファイヤーで除去される燐酸カルシウムの
量は、従来の方法で調製された燐酸カルシウムを添加し
た場合に比べて大幅に減少する。即ち、本発明の方法に
より調製される食品添加用燐酸カルシウムを添加した牛
乳、ジュース類中には、燐酸カルシウムが極めて安定に
保持されている。また、本発明の方法で調製した燐酸カ
ルシウムは分散性が良好であるため、牛乳等に添加する
際の攪拌時間が短くてすみ、したがって、バター中で長
時間攪拌した場合に見られるような燐酸カルシウムの凝
集は起こらない。本発明の燐酸カルシウム分散体は、上
記用途以外に、クリーム、ヨーグルト、コーヒー、紅
茶、ウーロン茶の液体食品、ワイン、酒等のアルコール
飲料等にカルシウム強化の目的で使用することができ
る。
【0020】
【実施例】以下に実施例、比較例を示し本発明をより詳
細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。本実施例及び比較例で使用する燐酸カ
ルシウムを以下の方法で調製した。 ピロ燐酸二水素カルシウム 燐酸の水溶液中に炭酸カルシウムを添加攪拌後、脱水、
乾燥を行い、燐酸水素カルシウムを得た。該燐酸水素カ
ルシウムを200℃で加熱し、X回析測定によりピロ燐
酸二水素カルシウムが生成していることを確認後乾式粉
砕を行い、ピロ燐酸二水素カルシウムの白色粉体を得
た。この白色粉体の窒素吸着法による比表面積を、柴田
科学器機工業製表面積測定装置SA−1000を用いて
測定した結果、15m2/gであった。 燐酸一水素カルシウム 燐酸の水溶液中に水酸化カルシウムを添加攪拌し、X回
析測定により燐酸一水素カルシウムが生成していること
を確認後脱水、乾燥、乾式粉砕を行い、燐酸一水素カル
シウムの白色粉体を得た。この白色粉体の窒素吸着法に
よる比表面積を、柴田科学器機工業製表面積測定装置S
A−1000を用いて測定した結果、20m2/gであっ
た。 燐酸三カルシウム 強アンモニア性塩化カルシウム溶液に第二燐酸アンモニ
ウムを添加攪拌後、脱水を行い、得られるケーキを数度
水洗した後、乾燥、乾式粉砕を行い白色粉体を得た。X
回析測定により該白色粉体が燐酸三カルシウムであるこ
とを確認した。この白色粉体の窒素吸着法による比表面
積を、柴田科学器機工業製表面積測定装置SA−100
0を用いて測定した結果、45m2/gであった。
【0021】実施例1 ピロ燐酸二水素カルシウム粉体に水を添加し、ピロ燐酸
二水素カルシウム固形分濃度が22重量%の水懸濁液を
調製し、湿式粉砕機ダイノーミルKD−PILOT型を
用い湿式粉砕を行ない、ピロ燐酸二水素カルシウムの水
分散体を得た。その後、該ピロ燐酸二水素カルシウムの
水分散体に、HLBが16のショ糖ステアリン酸エステ
ルをピロ燐酸二水素カルシウム固形分100重量部に対
し20重量部及び水を添加し強力に攪拌混合し、ピロ燐
酸二水素カルシウム固形分濃度が10重量%の混合物を
調製後、再度この混合物を湿式粉砕機ダイノーミルKD
−PILOT型を用い湿式粉砕を行ない、ピロ燐酸二水
素カルシウムスラリー中のピロ燐酸二水素カルシウムの
粒度分布における重量(体積)平均径が、表1に示すと
おり、0.18μmに達した時点で湿式粉砕を完了し、
本発明の食品添加用カルシウム剤スラリーを得た。尚、
ショ糖ステアリン酸エステルはあらかじめ65℃の温水
に溶解後20℃に冷却し、添加した。
【0022】実施例2 ピロ燐酸二水素カルシウム固形分100重量部に対する
HLBが16のショ糖ステアリン酸エステルの添加量を
15重量部に変更すること、及びピロ燐酸二水素カルシ
ウムスラリー中のピロ燐酸二水素カルシウムの粒度分布
における重量(体積)平均径が、表1に示すとおり、
0.35μmに達した時点で湿式粉砕を完了することを
除き他は実施例1と同様の方法で、食品添加用カルシウ
ム剤スラリーを得た。
【0023】実施例3 燐酸三水素カルシウム粉体に水を添加し、燐酸三水素カ
ルシウム固形分濃度が22重量%の水懸濁液を調製し、
湿式粉砕機ダイノーミルKD−PILOT型を用い湿式
粉砕を行ない、燐酸三水素カルシウムの水分散体を得
た。その後、該燐酸三水素カルシウムの水分散体に、H
LBが16のショ糖ステアリン酸エステルを燐酸三水素
カルシウム固形分100重量部に対し30重量部及び水
を添加し強力に攪拌混合し、燐酸三水素カルシウム固形
分濃度が10重量%の混合物を調製後、再度この混合物
を湿式粉砕機ダイノーミルKD−PILOT型を用い湿
式粉砕を行ない、燐酸三水素カルシウムスラリー中の燐
酸三水素カルシウムの粒度分布における重量(体積)平
均径が、表1に示すとおり、0.10μmに達した時点
で湿式粉砕を完了し、本発明の食品添加用カルシウム剤
スラリーを得た。尚、ショ糖ステアリン酸エステルはあ
らかじめ65℃の温水に溶解後20℃に冷却し、添加し
た。
【0024】実施例4 燐酸一カルシウム粉体に水を添加し、燐酸一カルシウム
固形分濃度が22重量%の水懸濁液を調製し、湿式粉砕
機ダイノーミルKD−PILOT型を用い湿式粉砕を行
ない、燐酸一カルシウムの水分散体を得た。その後、該
燐酸一カルシウムの水分散体に、HLBが16のショ糖
ステアリン酸エステルを燐酸一カルシウム固形分100
重量部に対し17重量部及び水を添加し強力に攪拌混合
し、燐酸一カルシウム固形分濃度が10重量%の混合物
を調製後、再度この混合物を湿式粉砕機ダイノーミルK
D−PILOT型を用い湿式粉砕を行ない、燐酸一カル
シウムスラリー中の燐酸一カルシウムの粒度分布におけ
る重量(体積)平均径が、表1に示すとおり、0.25
μmに達した時点で湿式粉砕を完了し、本発明の食品添
加用カルシウム剤スラリーを得た。尚、ショ糖ステアリ
ン酸エステルはあらかじめ65℃の温水に溶解後20℃
に冷却し、添加した。
【0025】比較例1 ピロ燐酸二水素カルシウム固形分100重量部に対する
HLBが16のショ糖ステアリン酸エステルの添加量を
15.5重量部に変更することを除き他は実施例1と同
様の方法で、食品添加用カルシウム剤スラリーを得た。
【0026】比較例2 ピロ燐酸二水素カルシウム固形分100重量部に対する
HLBが16のショ糖ステアリン酸エステルの添加量を
11重量部に変更することを除き他は実施例2と同様の
方法で、食品添加用カルシウム剤スラリーを得た。
【0027】比較例3 燐酸三水素カルシウム固形分100重量部に対するHL
Bが16のショ糖ステアリン酸エステルの添加量を24
重量部に変更することを除き他は実施例3と同様の方法
で、食品添加用カルシウム剤スラリーを得た。
【0028】比較例4 燐酸一カルシウム固形分100重量部に対するHLBが
16のショ糖ステアリン酸エステルの添加量を13重量
部に変更することを除き他は実施例4と同様の方法で、
食品添加用カルシウム剤スラリーを得た。
【0029】
【表1】
【0030】応用例1 上記実施例及び比較例で調製した燐酸カルシウム固形分
濃度が10重量%の燐酸カルシウムスラリー各々400
gを、60℃で溶解させたバター500g中に分散さ
せ、これを脱脂乳9Kg中に添加攪拌し、次いで殺菌して
カルシウム強化牛乳を得た。このカルシウム強化牛乳を
100mlのメスシリンダーにとり、5℃で保存し、定期
的にメスシリンダー中の牛乳を静かに廃棄し、メスシリ
ンダー底部に残存している沈澱物の量の経時変化を目視
観察した。その結果を下記の5段階表示により表2に示
す。表2の結果から、実施例1、2、3、4で調製され
た食品添加用カルシウム剤スラリーは、分散性が良好な
ため、同一条件で調製された比較例の燐酸カルシウムス
ラリーと比較し、牛乳中における分散安定性が極めて優
れており、その結果、本発明の方法で調製した食品添加
用燐酸カルシウムを牛乳中に分散させることにより、長
期間安定なカルシウム強化牛乳が得られていることが確
認できる。 (沈澱物の量) まったく無い: 5 ほんの僅かしか確認できない: 4 わずかに沈澱が確認できる: 3 比較的大量の沈澱が確認できる:2 大量の沈澱が存在する: 1
【0031】
【表2】
【0032】応用例2 実施例及び比較例で調製された燐酸カルシウム固形分濃
度が10重量%の燐酸カルシウムスラリーを水で12倍
に希釈し、100mlのメスシリンダーに採り、10℃で
静置し、燐酸カルシウムの沈澱により生ずる上澄み透明
部分と燐酸カルシウム分散部分の白色部分の界面の高さ
の経時変化、沈降物の量の経時変化を目視判断し、各ス
ラリー状燐酸カルシウムの水中における安定性を調べ
た。メスシリンダーに刻まれたml単位の表示を読みと
り、その結果を下記の5段階表示により表3に示す。 (界面の高さ) 界面が存在しない: 5 界面が97以上100ml未満である:4 界面が90以上97ml未満である: 3 界面が50以上90ml未満である: 2 界面が50ml未満である: 1 (沈澱物の量) 殆ど確認できない: 5 わずかに沈澱が確認できる: 4 0.5mm程度の沈澱がある: 3 0.5mm以上2mm未満の沈澱がある:2 2mm以上の沈澱がある: 1
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法で調製され
た食品添加用燐酸カルシウム剤スラリーは、液中での分
散性が極めて優れており、この燐酸カルシウム剤スラリ
ーを用いて調製されるカルシウム強化牛乳、ジュース等
は、長期間の保存安定性が極めて優れている。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燐酸カルシウムとHLBが10以上の親
    水性乳化剤と水とからなり、該燐酸カルシウムスラリー
    中の燐酸カルシウムの粒度分布における重量(体積)平
    均径X(μm)と、燐酸カルシウム100重量部に対す
    る該親水性乳化剤の添加量Y(重量部)が、下記式
    (a)の関係を満足する食品添加用カルシウム剤スラリ
    ー: (a) Y≧(1.87/X)+6.17
  2. 【請求項2】 上記重量(体積)平均径Xと添加量Yが
    下記式(b)の関係を満足する請求項1記載のスラリ
    ー: (b) Y≧(1.87/X)+7.67
  3. 【請求項3】 上記重量(体積)平均径Xと添加量Yが
    下記式(c)の関係を満足する請求項1記載のスラリ
    ー: (c) Y≧(1.87/X)+9.17
  4. 【請求項4】 HLBが10以上の親水性乳化剤がショ
    糖脂肪酸エステルである請求項1記載のスラリー。
  5. 【請求項5】 上記重量(体積)平均径X(μm)が、
    0.04μm≦X<0.3μmである請求項1記載のス
    ラリー。
  6. 【請求項6】 燐酸カルシウムが、ピロ燐酸二水素カル
    シウム、燐酸一水素カルシウム、燐酸三カルシウムより
    なる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載
    のスラリー。
JP4307547A 1992-05-14 1992-10-20 食品添加用カルシウム剤スラリー Withdrawn JPH06125741A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4307547A JPH06125741A (ja) 1992-10-20 1992-10-20 食品添加用カルシウム剤スラリー
KR1019930008273A KR0123539B1 (ko) 1992-05-14 1993-05-14 고분산성을 갖는 식품첨가용 칼슘제의 제조방법 및 그 칼슘제를 함유하는 식품 조성물

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4307547A JPH06125741A (ja) 1992-10-20 1992-10-20 食品添加用カルシウム剤スラリー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06125741A true JPH06125741A (ja) 1994-05-10

Family

ID=17970409

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4307547A Withdrawn JPH06125741A (ja) 1992-05-14 1992-10-20 食品添加用カルシウム剤スラリー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06125741A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998042210A1 (fr) * 1997-03-24 1998-10-01 Maruo Calcium Company Limited Compositions d'additif alimentaire en poudre et en coulis et compositions alimentaires les contenant
WO1999000021A1 (en) * 1997-06-30 1999-01-07 General Mills, Inc. Calcium fortified yogurt and methods of preparation
JP2010029218A (ja) * 2009-11-12 2010-02-12 Maruo Calcium Co Ltd 食品添加剤スラリー組成物及びパウダー組成物、並びにこれらを含有する食品組成物
JP2014528252A (ja) * 2011-10-14 2014-10-27 コンパニ・ジェルベ・ダノン カルシウム塩を含む組成物、調製方法、および食品中への使用

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998042210A1 (fr) * 1997-03-24 1998-10-01 Maruo Calcium Company Limited Compositions d'additif alimentaire en poudre et en coulis et compositions alimentaires les contenant
US6254905B1 (en) 1997-03-24 2001-07-03 Maruo Calcium Company Limited Food additive slurry or powder composition and food composition containing same and method of making
CN1090006C (zh) * 1997-03-24 2002-09-04 丸尾钙株式会社 食品添加剂料浆组合物和粉末组合物以及含该添加剂的食品组合物
WO1999000021A1 (en) * 1997-06-30 1999-01-07 General Mills, Inc. Calcium fortified yogurt and methods of preparation
JP2010029218A (ja) * 2009-11-12 2010-02-12 Maruo Calcium Co Ltd 食品添加剤スラリー組成物及びパウダー組成物、並びにこれらを含有する食品組成物
JP2014528252A (ja) * 2011-10-14 2014-10-27 コンパニ・ジェルベ・ダノン カルシウム塩を含む組成物、調製方法、および食品中への使用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3512113B2 (ja) 食品添加剤スラリー組成物及びパウダー組成物、並びにこれらを含有する食品組成物
JP4484992B2 (ja) 食品添加剤スラリー組成物及びパウダー組成物、並びにこれらを含有する食品組成物
JP3189901B2 (ja) 高分散性を有する食品添加剤及びこれを含有する食品組成物
DE60126840T2 (de) Pastöse und pulverförmige nahrungsmittelzusatzstoffzusammensetzung sowie diese enthaltende nahrungsmittelzusammensetzung
JP4107380B2 (ja) 食品添加剤組成物、及びこれを含有する食品組成物
JPH06125741A (ja) 食品添加用カルシウム剤スラリー
JP3247173B2 (ja) 高分散性を有する食品添加用カルシウム剤パウダーの製造方法、及び該パウダーを含有する食品組成物
JP3469281B2 (ja) 炭酸カルシウム分散体の製造方法
JP3504217B2 (ja) 食品添加剤スラリー組成物及びパウダー組成物、及びこれらを含有する食品組成物
JPH06127909A (ja) 燐酸カルシウム分散体の製造方法及び食品組成物
JP4042977B2 (ja) 食品添加剤組成物の製造方法
JP2923926B2 (ja) 炭酸カルシウム分散体の製造方法及び食品組成物
KR100491425B1 (ko) 식품첨가제 슬러리 조성물 및 파우더 조성물 및 이들을 함유하는 식품조성물, 그리고 식품첨가제 슬러리 조성물의 제조방법
JP3247172B2 (ja) 食品添加用炭酸カルシウム分散体の製造方法、及び該分散体を添加してなる食品組成物
JPH0656423A (ja) 食品添加用炭酸カルシウムスラリーの製造方法
KR0123539B1 (ko) 고분산성을 갖는 식품첨가용 칼슘제의 제조방법 및 그 칼슘제를 함유하는 식품 조성물
JP2001186863A (ja) 食品添加剤スラリー組成物及びパウダー組成物、及びこれを含有する食品組成物
JPH11146770A (ja) 高分散性を有する食品添加用のカルシウム剤、及び該カルシウム剤を含有する食品組成物
JP2003235511A (ja) 食品添加用カルシウム剤組成物の製造方法および食品添加用カルシウム剤組成物
JPH09308460A (ja) 高分散性を有する食品添加用カルシウム剤、及び該カルシウム剤を含有する食品組成物
JP4951052B2 (ja) 食品添加剤スラリー組成物及びパウダー組成物、並びにこれらを含有する食品組成物
JP2943826B2 (ja) 炭酸カルシウム分散体の製造方法及び該炭酸カルシウム分散体を含有する牛乳組成物
JP3299902B2 (ja) 針状又は柱状の無機物からなる食品添加物
JP4062653B2 (ja) ドロマイト水分散スラリー組成物及びその製造方法
JPH05344862A (ja) 食品添加用炭酸カルシウムの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20000104