JP4951052B2 - 食品添加剤スラリー組成物及びパウダー組成物、並びにこれらを含有する食品組成物 - Google Patents
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Description
一方、水不溶性の無機形態のカルシウムは、水不溶性のため牛乳、ヨーグルト中のタンパク質の安定性を阻害することがないため、添加量の観点からは多量に用いることが可能であるものの、該無機形態のカルシウムは全般に比重が2.7以上と高く、牛乳中へ分散させた場合短時間で沈澱するため、食品としての美観上好ましくなく、結局その添加量は制限され多量に使用することができないという欠点を有していた。
上記特許文献1の実施例2には、10重量%のスラリー状炭酸カルシウムと約6重量%のHLB15のショ糖脂肪酸エステルの水溶液の混合物を、超音波照射することによる炭酸カルシウム固形分が約8重量%のカルシウム剤スラリーの調製方法が記載されている。
これらの方法によれば、0.3μm未満の平均粒子径を有する極めて分散性の良好なカルシウム剤スラリーを調製することは可能となるが、提案されているカルシウム剤スラリーのカルシウム剤固形分濃度は高々約10重量%に過ぎず、特許文献1の提案と同様、設備費、流通経費等の観点から充分な方法とはいえなかった。
R≧8.6・・・・・・・・・・・・(a)
10(R+2) /10Q ≧125・・・・(b)
10(S+2) /10R ≦80・・・・・(c)
但し、Q,Rは同一温度条件下のpHである。
また、pH値Sは、Sが8.6未満の場合、Sは8.6として計算。
後者の方法に用いる場合、使用する炭酸カルシウムの粉体のpHに関しては、本発明に使用する親水性乳化剤の機能低下防止、及び粉砕及び分級時の効率の上昇の観点から、炭酸カルシウム粉体の固形分濃度20重量%の水懸濁液200ccを、300W,20kHzで10分間超音波処理した後の水懸濁液の25℃におけるpHが、11.7以下の炭酸カルシウム粉体を使用するのが好ましく、より好ましくは11.5以下である。
また、本発明の原料として用いるドロマイトの窒素吸着法(BET法)による比表面積は、1m2 /g〜50m2 /gの範囲が好ましい。比表面積が、1m2 /g未満の場合、牛乳等の液体食品中での長期間の安定性に問題が生じ、また、50m2 /gを越える場合、ドロマイト粉体の凝集力が極めて強くなるため、その分散が困難となる。
カルシウム剤及びドロマイトから選ばれた少なくとも1種(A)と加工デンプン(B)と水の食品添加剤スラリー組成物を調製するのに必要不可欠な条件は、該食品添加剤スラリー組成物中のカルシウム剤及びドロマイトから選ばれた少なくとも1種(A)100重量部に対し、加工デンプン(B)が0.1〜80重量部含有されていることであり、好ましくは加工デンプン(B)が、1〜70重量部含有されていることであり、より好ましくは2〜50重量部含有されていることである。
(a) 0.17≦N≦4.00
N:粉砕及び/又は分散後の食品添加剤スラリー組成物を、カルシウム剤固形分濃度5%に調製後の電気伝導度
電気伝導度N(mS/cm)が、0.17未満の場合、カルシウム剤の表面安定性が不安定となり、カルシウム剤が再凝集し易いものが得られるため、牛乳等に使用した場合、安定なものを得られ難くなる傾向にあるため好ましくなく、Nが4.00を越えた場合、牛乳等に使用した場合、タンパク質の安定性を阻害し易いため、増粘傾向にあり、極端な場合、ゲル化することがあるため好ましくない。
測定機種 :パーソナルSCメーター ModelSC82
試料の調製:食品添加剤スラリー組成物を、溶媒で固形分濃度5重量%に調整 する。
溶媒 :イオン交換水
(α)0.04≦K≦0.8
(β)0.04≦K≦0.5
(γ)0.04≦K≦0.3
測定機種 :島津製作所製 SA−CP4L
試料の調製:食品添加剤スラリー組成物を、下記20℃の溶媒中に滴下し、粒 度分布測定試料とする。
溶媒 :イオン交換水
予備分散 :SKディスパーザー(セイシン企業製)を用い、
超音波分散100秒
測定温度 :20.0℃±2.5℃
以上の様にして調製されるカルシウム剤及びドロマイトからなる群より選ばれた少なくとも1種(A)と加工デンプン(B)と水の食品添加剤スラリー組成物を乾燥粉末化することにより、本発明の食品添加剤パウダー組成物は調製される。食品添加剤スラリー組成物の乾燥について、乾燥機に特別の制限はないが、各種表面処理剤の変質防止の観点から極めて短時間に乾燥を行うのが好ましく、この観点から乾燥機としては、スプレードライヤー、セラミック媒体を加熱流動状態で用いるスラリードライヤー等の液滴噴霧型乾燥機を用いるのが望ましい。
従って、本発明の食品添加剤スラリー組成物及び/又はパウダー組成物を用いて、食品、例えばカルシウム及びマグネシウム強化牛乳を調製するには、本発明の食品添加剤スラリー組成物及び/又はパウダー組成物を牛乳に直接添加して強力に撹拌し、牛乳中に食品添加剤スラリー組成物及び/又はパウダー組成物を分散させるだけで充分であるが、該食品添加剤スラリー組成物及び/又はパウダー組成物を前もって水中に分散させ得られるカルシウム剤及び/又はドロマイトの水分散液を牛乳に添加しても差し支えない。また還元乳では、本発明の食品添加剤スラリー組成物又はパウダー組成物を、60℃程度の温度で溶解したバター又はバターオイルに加えて高速撹拌して分散させ、次いでこれに還元脱脂乳あるいは脱脂乳を加え、均質化すればよい。
また、本発明の食品添加剤スラリー組成物又はパウダー組成物は、乳酸カルシウム、塩化カルシウム等の水可溶性カルシウム塩及び/又は塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等の水可溶性マグネシウム塩と併用使用しても何等差し支えない。
実施例及び比較例で使用する炭酸カルシウム、リン酸カルシウム及び/又はドロマイトの製造方法を以下に参考例として示す。
比重1.050で温度が10℃の石灰乳10000リッターに、炭酸ガス濃度27重量%の炉ガス(以下炭酸ガスと略記する)を25m3 /minの流速で導通し炭酸化反応を行い、25℃におけるpHがpH9.0の炭酸カルシウムの水懸濁液を得た。
次にpH9.0の炭酸カルシウム水懸濁液を、50℃で12時間撹拌し、炭酸カルシウム水懸濁液の25℃におけるpHが11.8に達した時点でフィルタープレスを用いて脱水し、炭酸カルシウム固形分濃度が48重量%の脱水ケーキを得た。次に得られた脱水ケーキに再度水を加え撹拌し、脱水前の炭酸カルシウム水懸濁液と同一濃度の炭酸カルシウム水懸濁液を得た。該炭酸カルシウム水懸濁液のpHは11.5であった。この炭酸カルシウム水懸濁液に再度炭酸ガスを導通し、炭酸カルシウム水懸濁液のpHを7.0に低下せしめた後、該炭酸カルシウム水懸濁液をフィルタープレスを用い脱水し、そのプレスケーキをパドルドライヤーを用いて乾燥し、乾式粉砕機を用いて炭酸カルシウム粉体を得た。
該炭酸カルシウムの窒素吸着法による比表面積を、QUANTA、CHROME製表面積測定装置NOVA2000を用いて測定した結果30m2 /gであった。
強アンモニア性塩化カルシウム溶液に第二燐酸アンモニウムを添加撹拌後、脱水を行い、得られるケーキを数度水洗した後、乾燥、乾式粉砕を行い白色粉体を得た。X線回折測定により該白色粉体が燐酸三カルシウムであることを確認した。該燐酸三カルシウム水懸濁液をフィルタープレスを用い脱水し、そのプレスケーキをパドルドライヤーを用いて乾燥し、乾式粉砕機を用いて白色粉体を得た。また、該粉体の窒素吸着法による比表面積を、QUANTA、CHROME製表面積測定装置NOVA2000を用いて測定した結果40m2 /gであった。
天然ドロマイトを数回洗浄した後、Hミルを用い乾式粉砕を行い、分級し白色粉体を得た。X線回折測定により該白色粉体が炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムの混合物であることを確認した。また、白色粉体中のカルシウム含量及びマグネシウムの含量を測定した結果、各々21重量%及び12重量%であることを確認した。また、該粉体の窒素吸着法による比表面積を、QUANTA、CHROME製表面積測定装置NOVA2000を用いて測定した結果5m2 /gであった。
参考例2の方法で得たリン酸カルシウム粉体を用い、リン酸カルシウム固形分100重量部に対し加工デンプン13重量部及び水を添加し攪拌混合を行い食品添加剤スラリー組成物を調製後、湿式粉砕機ダイノーミルKDパイロット型(WAB社製)を用いて湿式粉砕を行い、高濃度食品添加剤スラリー組成物を得た。該食品添加剤剤スラリー組成物中の炭酸カルシウムの粒度分布における重量平均径は、0.22μmであった。また、該食品添加剤スラリー組成物の湿式粉砕後のサンプルを炭酸カルシウム固形分濃度5重量%に希釈後の電気伝導度を測定した結果、0.38mS/cmであった。
本実施例で得られた高濃度食品添加剤スラリー組成物の粘度は充分に低く、流動性にも全く問題はなかった。尚、加工デンプンはあらかじめ水で溶解させた後添加した。
表1に示す条件の他は実施例1と同条件で、高濃度食品添加剤スラリー組成物を得た。尚、実施例2,3で得られた食品添加剤スラリー組成物は、実施例1と同様にカルシウム剤固形分濃度が40重量%の食品添加剤スラリー組成物の調製を試みたが、該濃度では高粘度でハンドリングが困難であったため、ハンドリングに支障のない程度まで希釈を行った結果、表1に示す如き固形分濃度のスラリーが調製された。
本実施例の食品添加剤スラリー組成物中のカルシウム剤又はドロマイトの粒度分布における重量平均径及び湿式粉砕後の電気伝導度を実施例1と同様の方法で測定した結果を表1に示す。
表1に示す条件の他は実施例1と同条件で、食品添加剤スラリー組成物を得た。尚、本比較例で得られた食品添加剤スラリー組成物は、実施例1と同様にカルシウム剤固形分濃度が40重量%の、高濃度食品添加剤スラリー組成物の調製を試みたが、該濃度では粘度が高くハンドリングが困難であったため、ハンドリングに支障がない濃度まで希釈を行った結果、表1に示す如き固形分濃度のスラリーが調整された。本比較例の食品添加剤スラリー組成物中のカルシウム剤の粒度分布における重量平均径及び湿式粉砕後の電気伝導度を実施例1と同様の方法で測定した結果を表1に示す。
参考例1の炭酸カルシウムを用いて、炭酸カルシウム固形分100重量部に対し、酵素分解レシチンを12重量部及び水を添加し攪拌混合を行い、食品添加剤スラリー組成物を調製後、湿式粉砕機ダイノーミルKDパイロット型を用いて湿式粉砕を行い高濃度食品添加剤スラリー組成物を得た。
尚、本比較例で得られた高濃度食品添加剤スラリー組成物は、実施例1と同様に食品添加剤固形分濃度が40重量%の、高濃度食品添加剤スラリー組成物の調製を試みたが、該濃度では粘度が高くハンドリングが困難であったため、ハンドリングに支障がない濃度まで希釈を行った結果、表1に示す如き固形分濃度のスラリーが調整された。
本比較例の食品添加剤スラリー組成物中のカルシウム剤の粒度分布における重量平均径及び湿式粉砕後の電気伝導度を実施例1と同様の方法で測定した結果を表1に示す。尚、酵素分解レシチンはあらかじめ水で溶解させた後添加した。
表1に示す条件の他は比較例2と同条件で、食品添加物剤スラリー組成物を得た。尚、本比較例で得られた高濃度食品添加剤スラリー組成物は、実施例1と同様に食品添加剤固形分濃度が40重量%の、高濃度食品添加剤スラリー組成物の調製を試みたが、該濃度では粘度が高くハンドリングが困難であったため、ハンドリングに支障がない濃度まで希釈を行った結果、表1に示す如き固形分濃度のスラリーが調整された。
本比較例の食品添加剤スラリー組成物中のカルシウム剤の粒度分布における重量平均径及び湿式粉砕後の電気伝導度を実施例1と同様の方法で測定した結果を表1に示す。
尚、ショ糖脂肪酸エステル及びアルギン酸プロピレングリコールエステルはあらかじめ65℃の温水で溶解させた後、20℃に冷却後添加した。
実施例1〜3及び比較例1〜5で得られた食品添加剤スラリー組成物を、スプレードライヤーを用いて乾燥し、食品添加剤パウダー組成物を得た。
次に実施例4〜6及び比較例6〜10で得られた食品添加剤パウダー組成物を水に添加し、ホモミキサーにより11000rpmで15分間攪拌し、カルシウム剤及び/又はドロマイトが各々パウダー化前のスラリー濃度の再分散液を調整した。得られた食品添加剤パウダー組成物の再分散液の粘度は、乾燥前の食品添加剤スラリー組成物と比較してほぼ同程度で流動性にも全く問題はなかった。再分散液中の各々のカルシウム剤及び/又はドロマイトの粒度分布における重量平均径を表2に示す。
(界面の高さ)
界面がほぼ98以上100mlである・・・・・・・5
界面が95以上98未満である・・・・・・・・・・4
界面が90以上95未満である・・・・・・・・・・3
界面が50以上90未満である・・・・・・・・・・2
界面が50未満である・・・・・・・・・・・・・・1
(沈澱物の量)
殆ど沈澱物が確認できない・・・・・・・・・・・・5
わずかに沈澱物が確認できる・・・・・・・・・・・4
0.5mm未満程度の沈澱物がある・・・・・・・・3
0.5mm以上2mm未満の沈澱物がある・・・・・2
2mm以上の沈澱がある・・・・・・・・・・・・・1
実施例1で調製した食品添加剤スラリー組成物200gを、60℃で溶解させたバター500g中に分散させ、これを脱脂乳9.30kg中に添加撹拌し、次いで殺菌を行いカルシウム強化牛乳を得た。該カルシウム強化牛乳を100mlのメスシリンダー数本にとり、5℃で保存し、定期的にメスシリンダー中の牛乳を静かに廃棄し、メスシリンダー底部に残存している沈澱物の量の経時変化を目視観察した。その結果を下記の4段階表示により表4に示す。また、該カルシウム強化牛乳の男女各10名よりなる官能試験を行い、各々に風味に関して5段階の判定をさせ、その平均値も表4に示す。
(沈澱物の量)
殆ど沈澱物が確認できない・・・・・・・・・・・・4
わずかに沈澱物が確認できる・・・・・・・・・・・3
少し沈澱物が確認できる・・・・・・・・・・・・・2
かなり大量の沈澱物が確認できる・・・・・・・・・1
(風味)
風味が良好である・・・・・・・・・・・・・・・・5
風味が少し気になる(やや違和感がある)・・・・・4
風味が少し悪い(やや不快感がある)・・・・・・・3
風味がかなり悪い(かなり不快感がある)・・・・・2
風味が非常に悪い(非常に不快感が強い)・・・・・1
前述の実施例2、実施例4,5、比較例1〜4、比較例6〜9で調製した食品添加剤スラリー組成物又はパウダー組成物の再分散液を用いること、及び各々のカルシウム濃度を実施例7と同濃度に調整することを除き、他は実施例7と同様の方法でカルシウム強化牛乳を得た。また、これらのカルシウム強化牛乳の沈澱物の量の観察並びに風味に関する官能試験を、実施例7に示す同様の方法で行った。その結果を表4に示す。
実施例3で調製した食品添加剤スラリー組成物445gを、60℃で溶解させたバター500g中に分散させ、これを脱脂乳9.05kg中に添加撹拌し、次いで殺菌を行い、カルシウム及びマグネシウム分強化牛乳を得た。
また、これらのカルシウム及びマグネシウム強化牛乳の沈澱物の量の観察並びに風味に関する官能試験を、実施例7に示す同様の方法で観察した。その結果を表4に示す。
前述の実施例6、比較例5,10で調製した食品添加剤スラリー組成物又はパウダー組成物の再分散液を用いること、及び各々のカルシウム及びマグネシウム濃度を実施例9と同濃度に調整することを除き、他は実施例9と同様の方法でカルシウム及びマグネシウム分強化牛乳を得た。
また、これらのカルシウム及びマグネシウム強化牛乳の沈澱物の量の観察並びに風味に関する官能試験を、実施例7に示す同様の方法で観察した。その結果を表4に示す。
実施例1で調製した食品添加剤スラリー組成物200gを、60℃で溶解させたバター300g中に分散させ、これを脱脂乳9.50kg中に添加撹拌し、次いで超高温滅菌を行い、ロングライフ・カルシウム強化牛乳を得た。
また、これらのカルシウム強化牛乳の沈澱物の量の観察並びに風味に関する官能試験を、実施例7に示す同様の方法で行った。その結果を表5に示す。
前述の実施例2、実施例4,5、比較例1〜4、比較例6〜9で調製した食品添加剤スラリー組成物又はパウダー組成物の再分散液を用いること、及び各々のカルシウム濃度を実施例13と同濃度に調整することを除き、他は実施例13と同様の方法でロングライフ・カルシウム強化牛乳を得た。また、これらのカルシウム強化牛乳の沈澱物の量の観察並びに風味に関する官能試験を、実施例7に示す同様の方法で行った。その結果を表5に示す。
実施例3で調製した食品添加剤スラリー組成物445gを、60℃で溶解させたバター300g中に分散させ、これを脱脂乳9.05kg中に添加撹拌し、次いで超高温滅菌を行い、ロングライフカルシウム及びマグネシウム分強化牛乳を得た。
また、これらのカルシウム及びマグネシウム強化牛乳の沈澱量の観察並びに風味に関する官能試験を、実施例7に示す同様の方法で観察した。その結果を表5に示す。
前述の実施例6、比較例5,10で調製した食品添加剤スラリー組成物又はパウダー組成物の再分散液を用いること、及び各々のカルシウム及びマグネシウム濃度を実施例15と同濃度に調整することを除き、他は実施例15と同様の方法でロングライフカルシウム及びマグネシウム分強化牛乳を得た。
また、これらのカルシウム及びマグネシウム強化牛乳の沈澱量の観察並びに風味に関する官能試験を、実施例7に示す同様の方法で観察した。その結果を表5に示す。
実施例1で調製した食品添加剤スラリー組成物200g、市販の牛乳2.4kg、バター150g、脱脂乳1.25kgを水5kgに添加撹拌して均質化し、常法に則り、殺菌冷却した後、あらかじめ調整したスターター200g接種し、180ccのカップに充填し、38℃で5時間発酵させ、カルシウム強化ヨーグルトを得た。
各試料を男女各10名よりなる官能試験を行い、食感に関しては下記の4段階の判定を、風味に関しては下記の5段階の判定を各々にさせ、その平均値を表6に示す。
(食感)
良好な組織を有し、舌ざわりが良好である・・・・・・・・・・・・・・・4
粘度がやや高く、又は、やや組織が悪く、少しざらつきがある・・・・・・3
粘度がかなり高く、又は、かなり組織が悪く、かなりざらつきがある・・・2
濃厚すぎ、又は、離水が見られ、非常にざらつきがある・・・・・・・・・1
(風味)
風味が良好である・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
風味が少し気になる(やや違和感がある)・・・・・・・・・・・・・・・4
風味が少し悪い(やや不快感がある)・・・・・・・・・・・・・・・・・3
風味がかなり悪い(かなり不快感がある)・・・・・・・・・・・・・・・2
風味が非常に悪い(非常に不快感が強い)・・・・・・・・・・・・・・・1
実施例4、比較例1,4,6,9で調製した食品添加剤スラリー組成物又はパウダー組成物の再分散液を用いること、及び各々のカルシウム濃度を実施例19と同濃度に調整することを除き、他は実施例19と同様の方法でカルシウム強化ヨーグルトを得た。また、これらのヨーグルトの官能試験を実施例19の方法と同様の方法で行った。その結果を表6に示す。
小麦粉50kgに実施例1で調製した食品添加剤スラリー組成物626gを含む飲料水20kgを攪拌しながら注入する。攪拌した原料を熟成させ、ロール等で薄く延ばし、裁断し生麺を生成した後、所定時間蒸し、乾燥させ、理論カルシウム含量2.00mg/gのカルシウム強化即席麺を得た。該カルシウム強化即席麺を任意の10カ所より正確に1g量り取り、即席麺中のカルシウム含量を測定した。測定値の最大値、最小値及び平均値を表7に示す。また、該カルシウム強化即席麺の男女10名よりなる官能試験を行い、食感に関して下記の4段階の判定を各々にさせその平均値を表7に示す。
(食感)
良好な組織を有し、舌ざわりが良好である・・・・・・・・・・・・・・・4
ほとんど違和感が無く、ややざらつきがある・・・・・・・・・・・・・・3
かなり違和感があり、かなりざらつきがある・・・・・・・・・・・・・・2
非常に違和感があり、非常にざらつきがある・・・・・・・・・・・・・・1
前述の実施例2、実施例4,5、比較例1〜4、比較例6〜9で調製した食品添加剤スラリー組成物又はパウダーの再分散液を用いること、及び各々のカルシウム濃度を実施例21と同濃度に調整することを除き、他は実施例21と同様の方法でカルシウム強化即席麺を得た。また、これらのカルシウム強化即席麺のカルシウム含量並びに食感に関する官能試験を、実施例21に示す同様の方法で行った。その結果を表7に示す。
小麦粉50kgに実施例3で調製した食品添加剤スラリー組成物1588gを含む飲料水20kgを均質に攪拌しながら注入する。均質化した原料を熟成させ、ロール等で薄く延ばし、裁断し生麺を生成した後、所定時間蒸し、乾燥させ、理論カルシウム含量2.00mg/g、理論マグネシウム含量1.14mg/gのカルシウム及びマグネシウム強化即席麺を得た。これらのカルシウム及びマグネシウム強化即席麺のカルシウム及びマグネシウム含量並びに食感に関する官能試験を、実施例21に示す同様の方法で行った。その結果を表7、8に示す。
前述の実施例6、比較例5,10で調製した食品添加剤スラリー組成物又はパウダー組成物の再分散液を用いること、及び各々のマグネシウム濃度を実施例23と同濃度に調整することを除き、他は実施例23と同様の方法でカルシウム及びマグネシウム強化即席麺を得た。
また、これらのカルシウム及びマグネシウム強化即席麺のカルシウム及びマグネシウム含量並びに食感に関する官能試験を、実施例21に示す同様の方法で行った。その結果を表7、8に示す。
これに対して、比較例1〜10の食品添加剤スラリー又はパウダー組成物は、20重量%を越えるような高濃度化は困難で、従って流通経済性に乏しい。特に、比較例3、4、8、9のものは液中での安定性や風味は良好であるものの、高濃度化が困難である。また、他の比較例のものは水中での安定性は比較的良好であるものの、牛乳中での風味に劣る。
Claims (5)
- 炭酸カルシウム、燐酸カルシウム(以下、カルシウム剤と記す)及びドロマイトからなる群から選ばれた少なくとも1種(A)100重量部に対し、加工デンプンとしてオクテニルコハク酸エステル(B)を0.1〜80重量部含有させてなることを特徴とする食品添加剤スラリー組成物。
- 下記(a)の電気伝導度N(mS/cm)を満たす請求項1に記載の食品添加剤スラリー組成物。
(a) 0.17≦N≦4.00
N:粉砕及び/又は分散後の食品添加剤スラリー組成物を、固形分濃度5重量%に調整したときの電気伝導度 - カルシウム剤及び/又はドロマイトの粒度分布における重量平均径K(μm)が、0.04μm≦K≦0.8μmである請求項1又は2記載の食品添加剤スラリー組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の食品添加剤スラリー組成物を乾燥粉末化してなることを特徴とする食品添加剤パウダー組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の食品添加剤スラリー組成物及び/又はパウダー組成物を含有してなることを特徴とする食品組成物。
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