JP5752397B2 - 鉄強化乳飲料用組成物 - Google Patents

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本発明は、鉄強化を目的とした乳飲料用の鉄強化組成物に関する。詳細には、飲食品中で鉄成分が金属味を呈することなく乳飲料自体の良好な風味を維持し、且つ分散性に優れ、保存時の二次凝集を効果的に防止する鉄強化乳飲料用組成物及びその調製方法に関する。
従来より、牛乳や乳飲料、ヨーグルトや乳酸菌飲料等の発酵乳は栄養価が高く健康に良いとされ、近年では更にビタミンやミネラル等の栄養成分を強化した製品が販売されている。特にミネラルは、健康にとって重要な栄養素であるが、人が体内で自ら作り出すことができず体外の供給源に頼らざるを得ないものの、生命の維持に不可欠な存在である。
ミネラルの中でも特に鉄は、人体内の鉄の60〜70%が赤血球ヘモグロビン中にヘム鉄として存在し、酸素の運搬には必要不可欠なミネラルであることが知られている。生体内において鉄が欠乏すると、血液中の酸素輸送能が低下し、貧血の症状がでたり疲労しやすくなり、運動能力が減少し、低温状態で体温を維持する能力が失われてしまうことが知られている。また、リンパ球や好中球の機能にも障害が起こり、感染防御機構が弱まり、感染症に罹患しやすくなる。また、幼児では精神機能の発達が遅れ、泥、チョーク、灰などを食べる異食症という異常行動を起こすことがある。以上のことから、鉄が生命維持に不可欠な成分で摂取の重要性が謳われるようになり、鉄を強化した商品が注目されている。
一方、鉄は食品・医薬品等の製品の呈味に大きな影響を与えてしまうため、製品への添加が難しくその添加方法に関して様々な研究がされている。鉄の添加方法として、水溶性の鉄を添加すると、溶解性は高いが鉄味が非常に強く、製品自体の味を損ねてしまうため問題とされていた。そのため、鉄塩を添加する研究が多くなされているが、鉄塩は水に不溶性であり比重が2.75以上と高いため、短時間で沈殿してしまうという大きな問題点がある。その問題点を解決するために、キレート剤を含有することにより、製造時の作業性及び水相中での再分散性の優れた鉄強化食品用組成物(特許文献1)、カルシウム剤及び鉄剤を特定量のアラビアガムを用い、分散安定性の良好な食品添加剤スラリー組成物及びパウダー組成物、及びこれらの組成物を含有してなる食品組成物(特許文献2)等が開示されている。さらに、鉄以外の不溶性金属塩を分散させる方法としては、ガティガムやサイリウムシードガム等の特定のガム類を配合することにより、カルシウム剤及びドロマイト(苦灰石)の食品中での分散性に優れ、風味の良好なミネラル強化食品を与える食品用組成物添加剤(特許文献3)、乳酸発酵した酸乳に、ピロリン酸第二鉄乳化剤被覆組成物を配合してなる鉄分を強化した発酵乳(特許文献4)、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム及びピロリン酸第二鉄からなる群から選ばれた少なくとも1種に対し、アルギン酸プロピレングリコールエステルを添加してなる食品添加剤(特許文献5)、ガティガムと水不溶性鉄塩を含有することを特徴とする鉄強化飲食品用組成物(特許文献6)が挙げられる。
特開2007−215480号公報 特許第3512113号公報 特開2002−186458号公報 特開平10−225263号公報 特許第3189901号公報 特開2009−89634号公報
本発明は、上記技術では解決できなかった、乳飲料に鉄強化の目的で添加した鉄成分により、鉄成分そのものや乳蛋白質が凝集して沈殿が多量に生じるという問題を解決するものである。
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたもので、水不溶性鉄塩を含有する鉄強化乳飲料用組成物に関する。詳細には、牛乳をはじめ乳成分を含有する発酵乳等に鉄成分を添加しても凝集による沈殿を生じず、また鉄の金属味を呈することなく乳飲料自体の良好な風味を維持し、保存時の二次凝集を効果的に防止する鉄強化乳飲料用組成物及びその調製方法の提供を目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、水不溶性鉄塩とカゼインナトリウム、シクロデキストリンを併用し組成物とすることにより、水不溶性鉄塩を長時間保存しても鉄成分や乳蛋白質が凝集することなく安定に分散し、更には鉄成分の金属味が乳飲料に影響を与えず、飲食品自体の良好な風味を維持可能とした鉄強化乳飲料用組成物を提供できることを見出し、本発明に至った。
本発明は以下の態様を有する鉄強化乳飲料用組成物及びその調製方法に関する;
<項1>
水不溶性鉄塩、カゼインナトリウム及びシクロデキストリンを配合してなることを特徴とする、鉄強化乳飲料用組成物。
<項2>
水不溶性鉄塩とカゼインナトリウムの配合割合が、1:0.05〜0.3である項1に記載の鉄強化乳飲料用組成物。
<項3>
シクロデキストリンの配合割合が、カゼインナトリウム量の1〜30倍量である項1に記載の鉄強化乳飲料用組成物。
<項4>
水不溶性鉄塩がピロリン酸第二鉄である項1乃至3に記載の鉄強化乳飲料用組成物。
<項5>
項1〜4のいずれかに記載の鉄強化乳飲料用組成物を含有する乳飲料。
<項6>
カゼインナトリウムとシクロデキストリンを用いることを特徴とする、乳飲料中の水不溶性鉄塩の分散安定化方法。
本発明により、水不溶性鉄を乳飲料中に添加した場合であっても、鉄成分や乳蛋白質の沈殿の発生を抑制し、鉄成分の金属味を呈することなく乳飲料自体の良好な風味を維持することが可能となる、鉄強化乳飲料用組成物及びその調製方法を提供できるようになった。
本発明の鉄強化乳飲料用組成物は、水不溶性鉄塩、カゼインナトリウム及びシクロデキストリンを含有することを特徴とする。
本発明で鉄強化を行う乳飲料とは、牛乳をはじめとする乳そのもの、またはそれらを加工した乳飲料、或いは乳等を乳酸発酵させて得られる発酵乳製品もしくはその類似製品であって飲料の形態であるもの、具体的にはヨーグルト飲料や乳酸菌飲料等が挙げられる。
これらの乳飲料は、従来公知の製法にて得ることができ、特別な条件や製造装置を必要としないため、容易に実施可能である。また、乳飲料のpHも特に制限されず、中性域から酸性域の広い範囲に含まれる乳飲料への本発明の適用が可能である。
本発明で使用する水不溶性鉄塩は、特に限定されるものではなく、一般に入手可能な鉄塩、例えば、リン酸第二鉄、リン酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、ピロリン酸第一鉄、水酸化第二鉄、酸化第二鉄等が挙げられるが、好ましくは、ピロリン酸第二鉄である。これらは、一種以上を組み合わせて使用することもできる。本発明で使用するピロリン酸第二鉄は商業的に入手可能であり、例えば、富田製薬社製のピロリン酸第二鉄を挙げることができる。
本発明で用いられる水不溶性鉄塩の粒子径は、特に限定されるものではないが、出来る限り微粒子化することが好ましく、平均粒子径が0.8μm以下、より好ましくは0.5μm以下、更に好ましくは0.3μm以下である。微粒子化する方法としては、物理的破砕法あるいは中和造塩法が好ましい。物理的破砕法としては、ダイノミル、サンドミル、コボールミル等の湿式粉砕機、ナノマイザー、マイクロフルイタイザー、ホモジナイザー等の乳化・分散装置、超音波分散機が使用できる。微粒子化することで水中においても極めて安定な鉄強化乳飲料用組成物を製造することが出来る。本願発明における水不溶性鉄塩の平均粒子径の測定方法としては特に限定するものではないが、レーザー回折・散乱法、沈降法、動的光散乱法が好ましい。なお、本願発明における水不溶性鉄塩の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置Microtrac MT-3000II(日機装株式会社)を用いて測定されたものである。
本発明で用いられる水不溶性鉄塩は、使用目的や用途に応じて添加量を設定することが出来るが、鉄強化乳飲料用組成物中、1〜20質量%、好ましくは5〜15質量%を例示することができる。
本発明で用いるカゼインナトリウムは、商業的に入手可能なものを利用することができる。例えば、DMV INTERNATIONAL社製のソディウム・カゼイネート、FONTERRA社製のアラネート 180等を挙げることができる。
本発明におけるカゼインナトリウムの添加量は、特に限定されるものではないが、水不溶性鉄塩100質量%に対してカゼインナトリウムを5〜30質量%含有していることが好ましく、より好ましくは10〜20質量%である。カゼインナトリウムの添加量が5質量%以下の場合は、水不溶性鉄の凝集が起こり十分な効果を得ることができず、30質量%以上になるとカゼインナトリウム自体が凝集を起こすようになり、乳飲料の安定性を確保するのが困難となる。
上記カゼインナトリウムの凝集を抑制するために、本発明ではシクロデキストリンを併用することを特徴とする。
シクロデキストリンはカゼインナトリウムと同じく、商業的に入手可能なものを利用することができ、α型、β型及びγ型のいずれかを単独、或いは併用して用いてもよい。シクロデキストリンの添加量は、カゼインナトリウムの1倍量以上添加すればよく、それ以下になると十分な効果を発揮しないため好ましくない。また、シクロデキストリンの添加量が多くなっても、本発明の効果に差は生じないため、カゼインナトリウムの1倍量以上、好ましくは1〜30倍量添加すればよい。
本発明に係る鉄強化乳飲料用組成物は、水不溶性鉄塩、カゼインナトリウム及びシクロデキストリンを混合して得られるものであり、その混合方法は特に限定されるものではなく、以下のいずれかの方法により調整することができる。
(1)親水性溶媒に鉄成分を懸濁し、化学的分散方法、粉砕機及び/または分散機を用いる物理的方法により粉砕及び/または分散処理した後、カゼインナトリウム及びシクロデキストリン溶液を添加し撹拌により混合する方法。
(2)親水性溶媒に鉄成分を懸濁した後、カゼインナトリウム及びシクロデキストリン溶液を加え、化学的分散方法、粉砕機及び/または分散機を用いる物理的方法により粉砕及び/または分散処理する方法。
(3)親水性溶媒に鉄成分を懸濁し、化学的分散方法、粉砕機及び/または分散機を用いる物理的方法により粉砕及び/または分散処理した後、カゼインナトリウム及びシクロデキストリン溶液を添加し、さらに化学的分散方法、粉砕機及び/または分散機を用いる物理的方法により粉砕及び/または分散処理する方法。
尚、親水性溶媒としては水、またはグリセリンやプロピレングリコールといった多価アルコール等を用いることができる。
本発明の鉄強化乳飲料用組成物の形態は特に限定するものではなく、上記で得られた液状品のままでも、乾燥粉末化することにより、鉄強化パウダー組成物としてもよい。乾燥に用いられる乾燥機については特に制限はなく、スプレードライヤー、スラリードライヤー等の液滴噴霧型乾燥機や凍結乾燥機等によって調製することができる。また、パウダー組成物を造粒処理することにより、食品に添加する際に溶解性に優れた顆粒組成物を調製することも可能である。また、適宜公知のバインダーを用いてもよい。
尚、本発明の効果を奏する限りにおいて、鉄強化乳飲料用組成物に対して、例えば増粘多糖類、香料、色素、酸化防止剤、日持ち向上剤、保存料、糖類等の添加剤を併用することが出来る。これらを併用することで鉄強化飲食品の味質や香り、テクスチャーに変化を与えることができ、より高い嗜好性を鉄強化乳飲料に付与することができる。
本発明に係る鉄強化乳飲料用組成物は、上記成分、すなわち水不溶性鉄塩、カゼインナトリウム及びシクロデキストリンをその構成成分とする以外は、本発明の効果を妨げない範囲において他の成分を配合してもよく、上述の通り常法により製造することができる。また、得られた鉄強化乳飲料用組成物を乳飲料に添加しても、鉄成分の金属味が乳飲料に影響を与えることなく乳飲料自体の良好な風味を維持し、且つ鉄成分や乳蛋白質が沈殿することなく均一に分散した鉄強化乳飲料を得ることができる。
本発明により、水不溶性鉄塩を含有する鉄強化乳飲料用組成物を提供できるようになった。詳細には、乳飲料中における鉄の金属味を呈することなく飲食品自体の良好な風味を維持し、且つ分散性に優れ、保存時の二次凝集を効果的に防止する鉄強化乳飲料用組成物及びその調製方法を提供できるようになった。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明は
これらに何ら限定されるものではない。
実施例1〜4:鉄強化乳飲料用組成物の調製
表1に処方を示す。ピロリン酸第二鉄500gをイオン交換水1,500gに混合、分散させ、本分散液を湿式摩砕機ダイノミルによって湿式粉砕を行い、ピロリン酸第二鉄の粒子径の大きさを0.3μmに均一化し、25質量%のピロリン酸第二鉄粉砕物を得た。得られた粉砕物をカゼインナトリウム、α−シクロデキストリン(α−CD)、デキストリン溶液に混合し、ポリトロン式撹拌機にて20,000rpmで2分間処理してピロリン酸第二鉄分散液を得た。
ピロリン酸第二鉄分散液の凝集度合いを比較するために、粒子径の大きさ示すメジアン径を測定した。メジアン径はレーザー回折式粒度分布測定装置Microtrac MT-3000II(日機装株式会社)にて測定した。メジアン径は、値が小さいものほど粒子が小さいことを示し、凝集物を形成することで値は大きくなる。
以上より、カゼインナトリウムとα−シクロデキストリンを併用した実施例1〜4はメジアン径が1μm以下の値を示し、凝集物はほとんど見られなかった。比較例1のカゼインナトリウムのみ、比較例2のα−シクロデキストリンのみ、比較例3のα−シクロデキストリンの代わりにデキストリンをカゼインナトリウムと併用したものについては凝集物が生じ、メジアン径も大きな値を示した。
実施例5〜9
表2に処方を示す。ピロリン酸第二鉄500gをイオン交換水1,500gに混合、分散させ、本分散液を湿式摩砕機ダイノミルによって湿式粉砕を行い、ピロリン酸第二鉄の粒子径の大きさを0.3μmに均一化し、25質量%のピロリン酸第二鉄組成物を得た。得られた粉砕物を表2に記載する添加量のカゼインナトリウム、γ−シクロデキストリン(γ−CD)溶液に混合し、高圧ホモジナイザー(50MPa)にて分散処理してピロリン酸第二鉄分散液を得た。
カゼインナトリウムとγ−シクロデキストリンを併用した実施例5〜9については凝集のほとんどない分散液が得られたが、カゼインナトリウムの添加量が4%である比較例4では凝集物を生じ、メジアン径も大きな値を示した。
以上の実験結果から、カゼインナトリウムとシクロデキストリンを併用することによってのみ凝集物の形成を効果的に抑制していることが明らかとなった。また、カゼインナトリウムの配合割合は、ピロリン酸第二鉄1に対し0.05〜0.3の範囲において効果を奏することが確認できた。
市販の乳酸菌飲料に実施例5、比較例2で得たピロリン酸第二鉄製剤を、鉄として5mg/100mLになるように添加して、凝集発生の度合いを比較するために製剤添加1時間後に粒子径の大きさ示すメジアン径を測定した。メジアン径はレーザー回折式粒度分布測定装置Microtrac MT-3000II(日機装株式会社)にて測定した。メジアン径は値が小さいものほど粒子が小さいことを示し、凝集物を含むことで値は大きくなる。ピロリン酸第二鉄が含まれていないものをブランクとし、測定したメジアン径を表3に示す。
表3の結果より、本発明にかかる鉄強化乳飲料用組成物である実施例5の鉄製剤を添加した乳飲料は、メジアン径は鉄製剤を添加していないブランク品と同程度の値にとどまり、粗大粒子の割合の増加も認められなかった。一方の比較例2の鉄製剤を添加した乳飲料では、メジアン径は大きくなり、粗大粒子の割合も顕著に増加していた。
次いで、100mL容ジュース瓶に各飲料を充填し、5℃にて1週間保存後の沈殿の発生状態を目視で確認した。結果を表4に示す。
ブランク品及び実施例5の鉄製剤を添加した乳飲料については、外観からの判別が困難なほどのごく僅かの沈殿が生じていた。一方の比較例2の鉄製剤を添加した乳飲料では、一見してわかるほどに多量の沈殿が生じていた。
続いて、本発明で得られた鉄強化乳飲料用組成物を使用した食品の例を挙げるが、本発明はこれらの処方に限定されるものではない。
実施例10:鉄強化ヨーグルトドリンク
脱脂粉乳20重量%を93℃で15分間殺菌後、40℃まで冷却し、乳酸菌スターターを添加した。40℃にてpH4になるまで培養し、冷却して発酵物を得たのち、この発酵物を15MPaの圧力で均質化処理し、5℃まで冷却した。この均質化処理された発酵乳400gに、実施例5で得られた7.5重量%ピロリン酸第二鉄組成物3.0gを添加したシロップ600gを加え15MPaの圧力で均質化処理を行い、鉄強化ヨーグルトドリンクを得た。得られたヨーグルトドリンクは乳蛋白の凝集による多量の沈殿を生じることなく、風味も良好であり、鉄味を全く感じなかった。
実施例11:鉄強化牛乳
牛乳1kgに実施例5で得られた7.5重量%ピロリン酸第二鉄組成物を1.0g添加し、加熱殺菌後、鉄強化牛乳を得た。得られた牛乳は、牛乳自体の風味が損なわれることなく、良好であり、鉄味を全く感じなかった。また、色調にも影響はなく、乳蛋白質の凝集による沈殿物も生じなかった。
本発明により、乳飲料中で鉄が金属味を呈することなく乳飲料自体の良好な風味を維持し、且つ分散性に優れ、保存時の二次凝集を効果的に防止する鉄強化乳飲料用組成物及びその調整方法を提供できる。詳細には、水不溶性鉄塩が安定に分散し、長時間保存しても鉄が凝集することなく安定に存在し、更には飲食品自体の味を損ねることなく良好な風味を呈する鉄強化乳飲料用組成物を提供することができる。

Claims (4)

  1. 水不溶性鉄塩、カゼインナトリウム及びシクロデキストリンを、1:0.05〜0.3:0.05〜9の割合で配合してなることを特徴とする、鉄強化乳飲料用組成物。
  2. 水不溶性鉄塩がピロリン酸第二鉄である請求項1に記載の鉄強化乳飲料用組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の鉄強化乳飲料用組成物を含有する乳飲料。
  4. カゼインナトリウムとシクロデキストリンを、水不溶性鉄塩1に対し0.05〜0.3:0.05〜9の配合割合で用いることを特徴とする、乳飲料中の水不溶性鉄塩の分散安定化方法。
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