JP2001186863A - 食品添加剤スラリー組成物及びパウダー組成物、及びこれを含有する食品組成物 - Google Patents

食品添加剤スラリー組成物及びパウダー組成物、及びこれを含有する食品組成物

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JP2001186863A
JP2001186863A JP2000000272A JP2000000272A JP2001186863A JP 2001186863 A JP2001186863 A JP 2001186863A JP 2000000272 A JP2000000272 A JP 2000000272A JP 2000000272 A JP2000000272 A JP 2000000272A JP 2001186863 A JP2001186863 A JP 2001186863A
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additive slurry
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Naoki Kubota
直樹 久保田
Juichi Hojo
壽一 北条
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Maruo Calcium Co Ltd
Original Assignee
Maruo Calcium Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヨーグルト、牛乳、ジュース、ミルク粉末等
の食品に添加してカルシウムを強化するのに有用な食品
添加剤スラリー組成物を提供する。 【解決手段】 特定の熱減量、特定の平均粒子径を有す
る炭酸カルシウム100重量部に対し、乳化安定剤を1
〜60重量部含有させてなる食品添加剤スラリー組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヨーグルト、牛
乳、ジュース、ミルク粉末等の食品に添加してカルシウ
ムを強化するのに有効に利用される、高濃度且つ液中で
の分散安定性の良好な食品添加剤スラリー組成物及びパ
ウダー組成物及び該食品添加剤スラリー組成物及びパウ
ダー組成物を添加調製してなる食品組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カルシウム摂取量の不足が指摘さ
れており、この傾向は育ち盛りの子供及び老人において
顕著である。このカルシウム摂取量の不足を解消するた
め、カルシウム強化食品が販売されるようになってきて
おり、一般的にカルシウムの含有量が多いとされている
牛乳においても、さらにカルシウムを添加してカルシウ
ム強化牛乳として提供することが試みられており、その
他ジュース、ミルク粉末類にもカルシウム強化した商品
も多数販売され始めている。例えば牛乳、ヨーグルトに
おいては、カルシウムを強化する目的で、乳酸カルシウ
ム、塩化カルシウム等の水溶性の無機又は有機酸形態の
カルシウム、炭酸カルシウムあるいは燐酸カルシウム等
の水不溶性の無機形態のカルシウムが添加され使用され
ている。
【0003】しかしながら、水溶性の無機又は有機酸形
態のカルシウムは、牛乳、ヨーグルト中のタンパク質の
安定性を阻害しやすく、一定量以上の配合が困難なた
め、カルシウム原料として多量に使用することができな
いという欠点を有していた。一方、水不溶性の無機形態
のカルシウムは、水不溶性のため牛乳、ヨーグルト中の
タンパク質の安定性を阻害することがないため、添加量
の観点からは多量に用いることが可能であるものの、該
無機形態のカルシウムは全般に比重が2.7以上と高
く、牛乳中へ分散させた場合短時間で沈澱するため、食
品としての美観上好ましくなく、結局その添加量は制限
され多量に使用することができないという欠点を有して
いた。
【0004】この欠点を補い食品用途に多量のカルシウ
ムを添加することのできる方法については数多く提案さ
れており、例えば牛乳中に用いる無機形態のカルシウム
剤スラリーの調製方法としては、特開昭64−6951
3号公報には、炭酸カルシウム製造工程に於いて乾燥粉
末化工程を行わないスラリー状炭酸カルシウムもしくは
スラリー状炭酸カルシウムにHLB10以上の親水性乳
化剤を添加したものに超音波を照射し、炭酸カルシウム
の分散性を改良する方法が提案されている。その実施例
2には、10重量%のスラリー状炭酸カルシウムと約6
重量%のHLB15のショ糖脂肪酸エステルの水溶液の
混合物を、超音波照射することによる炭酸カルシウム固
形分が約8重量%のカルシウム剤スラリーの調製方法が
記載されている。しかしながら、この方法で得られる8
重量%程度の低濃度炭酸カルシウム固形分では、従来の
概念を打破した良好な分散性を有するカルシウム剤は得
られるものの、ロングライフ牛乳等の長期間保存可能食
品への添加が可能な0.3μm未満の平均粒子径を有す
る極めて分散性の良好なカルシウム剤スラリーを調製す
ることが困難であり、仮に調製し得たとしても、分散に
要するエネルギーコストは膨大となる。さらにこのエネ
ルギーコストの増加のみならず、カルシウム剤スラリー
を各方面の使用先に搬送する際に必要な、カルシウム剤
スラリーの充填容器費、冷蔵設備費、冷蔵費、輸送費等
の流通コストも増大することになり好ましい方法とはい
えなかった。
【0005】さらに特開平6−127909号公報に
は、HLBが16のショ糖ステアリン酸エステルと燐酸
カルシウムの混合物を特定の条件下において湿式粉砕し
て燐酸カルシウム分散体を調製する製造方法が、また特
開平6−127939号公報にはHLBが16のショ糖
ステアリン酸エステルと炭酸カルシウムの混合物を同様
の方法で湿式粉砕して炭酸カルシウム分散体を調製する
製造方法が提案されている。これらの方法によれば、
0.3μm未満の平均粒子径を有する極めて分散したカ
ルシウム剤スラリーを調製することは可能となるが、提
案されているカルシウム剤スラリーのカルシウム剤固形
分濃度は約10重量%に過ぎず、特開昭64−6951
3号公報の場合と同様に、設備費、流通経費等の観点か
ら充分な方法とはいえなかった。
【0006】また、特開平9−9911号公報には、リ
ン脂質及びタンパク分解物からなる群から選ばれる少な
くとも1種類を炭酸カルシウムに添加し、湿式粉砕を行
い分散性を改良する方法が提案されている。しかしなが
ら、上記の様にリン脂質やタンパク分解物を添加する方
法では、リン脂質に特有の臭気と苦みがあるため、風味
の面で問題が大きい上、該公報によると平均粒子径的に
1〜3μmのカルシウム分散液であるため、この方法に
より得られる炭酸カルシウムを添加した牛乳は、その製
造工程中におけるクラリファイヤー等の遠心分級機にお
ける炭酸カルシウムの歩留まりが悪く、また牛乳等の食
品中において沈降しやすく、ロングライフ牛乳等の長期
間保存可能食品には良好とはいえなかった。また、その
実施例1には、30重量%の多孔質炭酸カルシウム水懸
濁液に、10重量%の大豆レシチン水溶液を炭酸カルシ
ウム100重量部に対し大豆レシチンが20重量部にな
るように添加して約19重量%の炭酸カルシウム固形分
濃度の炭酸カルシウム水懸濁液組成物を調製する方法が
記載されている。しかしながら、この方法で提案されて
いる19重量%程度の濃度の水懸濁液では、特開昭64
−69513号公報の場合と同様に、設備費、流通経費
等の観点から充分な方法とはいえなかった。
【0007】WO98−42210号報公報には、アラ
ビアガムと炭酸カルシウムあるいはリン酸カルシウムの
混合物を高分散させてなる食品添加剤スラリー組成物を
調製する方法が提案されている。この方法によれば、非
常に風味が良く分散性の良い食品添加剤スラリー組成物
を調製する事が可能となり、その実施例1には、40重
量%の炭酸カルシウムスラリー組成物を調製する方法が
記載されており、前述の低濃度品のデメリットは、かな
り改善されているものの、近年、カルシウム強化食品が
多数販売されている状況下、ユーザーからのコスト低減
要求の声は大きく、この方法においても設備費、流通経
費等の観点から充分な方法とはいえなかった。
【0008】最近、牛乳、ヨーグルト、ジュース類等液
体食品の長期間保存可能な容器、保存方法の進歩に伴
い、該食品を販売店、自動販売機、家庭内の大型冷蔵庫
等において長期間保存するケースが増加しており、同種
の食品にカルシウム強化の目的で添加されている炭酸カ
ルシウム粒子は、その食品中における分散状態が極めて
良好でない場合、長期間の液体食品の保存の間に食品容
器底部に沈澱してしまい、牛乳、ジュース類液体食品を
飲用する際、その沈澱物が飲用者に不快感、不清潔感を
与えることが多くなっている。従って、現在カルシウム
強化の目的で従来技術で調製された炭酸カルシウム等の
無機粒子を添加し市販されている液体食品類は、該無機
粒子の食品中における分散安定期間が短いため、該無機
粒子の添加量は極少量に制限される必要があり、また一
般消費者が購入後1〜2日の間に必ず食用に用いられる
ような液体食品に制限される必要があり、好ましいもの
ではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる実状
に鑑み、上記課題を解決した、流通経済性に優れた非常
に高濃度を有し、且つ牛乳等の食品への添加剤として好
適な高分散性を有する食品添加剤スラリー組成物及びパ
ウダー組成物及びこれを含有してなる食品組成物を提供
するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、下記
(1)〜(4)の要件を具備する炭酸カルシウム100
重量部に対し、乳化安定剤を1〜60重量部含有させて
なることを特徴とする食品添加剤スラリー組成物を内容
とするものである。 L≦1.5・・・・・・・・・・・(1) d1/D1≦25・・・・・・・・(2) d1/d2≦15・・・・・・・・(3) 0.6≦d2/D2≦3・・・・・(4) L:500℃における熱減量(%) d1:使用する炭酸カルシウムの乾燥前の水懸濁液の光
透過遠心沈降式粒度分布測定機SA−CP−4L(島津
製作所製)を用い測定される粒度分布の重量平均粒子径
(μm) D1:使用する炭酸カルシウムの乾燥前の水懸濁液のB
ET比表面積S1(m2/g)から下記式(X)で算出
される平均粒子径(μm) 6/(2.7/S1)・・・(X) d2:食品添加剤スラリー中の炭酸カルシウムの光透過
遠心沈降式粒度分布測定機SA−CP−4L(島津製作
所製)を用い測定される粒度分布の重量平均粒子径(μ
m) D2:食品添加剤スラリー中の炭酸カルシウムのBET
比表面積S2(m2 /g)から下記式(Y)で算出され
る平均粒子径(μm) 6/(2.7/S2)・・・(Y)
【0011】本発明の第2は、上記食品添加剤スラリー
組成物を乾燥粉末化してなる食品添加剤パウダー組成物
を内容とするものである。
【0012】本発明の第3は、湿式粉砕機、高圧乳化分
散装置、超音波分散機、ロールミルの少なくとも1種を
用いて分散させることを特徴とする上記食品添加剤スラ
リー組成物の製造方法を内容とするものである。
【0013】本発明の第4は、上記食品添加剤スラリー
組成物及び/又はパウダー組成物を含有してなることを
特徴とする食品組成物を内容とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳述する。本発
明の食品添加剤スラリー組成物の最も重要な特徴は、下
記(1)〜(4)の要件を具備してなる炭酸カルシウム
を用いることである。 L≦1.5・・・・・・・・・・・(1) d1/D1≦25・・・・・・・・(2) d1/d2≦15・・・・・・・・(3) 0.6≦d2/D2≦3.0・・・(4) L:500℃における熱減量(%) d1:使用する炭酸カルシウムの乾燥前の水懸濁液の光
透過遠心沈降式粒度分布測定機SA−CP−4L(島津
製作所製)を用い測定される粒度分布の重量平均粒子径
(μm) D1:使用する炭酸カルシウムの乾燥前の水懸濁液のB
ET比表面積S1(m2/g)から下記式(イ)で算出
される平均粒子径(μm) 6/(2.7/S1)・・・(イ) d2:食品添加剤スラリー中の炭酸カルシウムの光透過
遠心沈降式粒度分布測定機SA−CP−4L(島津製作
所製)を用い測定される粒度分布の重量平均粒子径(μ
m) D2:食品添加剤スラリー中の炭酸カルシウムのBET
比表面積S2(m2 /g)から下記式(ロ)で算出され
る平均粒子径(μm) 6/(2.7/S2)・・・(ロ)
【0015】より高濃度且つ高分散性を有する食品添加
剤スラリー組成物を調製するには、使用する炭酸カルシ
ウムが下記(5)及び(6)の要件を具備する事がより
好ましい。 5≦S1≦35・・・・・・・・・(5) 0.1≦d2≦0.5・・・・・・(6)
【0016】更に高濃度且つ高分散性を有する食品添加
剤スラリー組成物を調製するには、使用する炭酸カルシ
ウムが下記(7)〜(10)の要件を具備する事が更に
好ましい。 L≦1.1・・・・・・・・・・・(7) d1/D1≦15・・・・・・・・(8) d1/d2≦10・・・・・・・・(9) 0.8≦d2/D2≦2・・・・・(10)
【0017】最も高濃度且つ高分散性を有する食品添加
剤スラリー組成物を調製するには、使用する炭酸カルシ
ウムが下記(11)〜(14)の要件を具備する事が最
も好ましい。 L≦1.0・・・・・・・・・・・(11) d1/D1≦10・・・・・・・・(12) d1/d2≦8・・・・・・・・・(13) 1≦d2/D2≦2・・・・・・・(14)
【0018】本発明に使用する炭酸カルシウムの500
℃における熱減量L値(%)は、L≦1.5の要件を満
たす必要があり、好ましくは、L≦1.1、より好まし
くは、L≦1.0であるのが好ましい。L値が1.5を
越える場合は、使用する炭酸カルシウム中に残存するア
ルカリ量が多いため、本発明の食品添加剤スラリー組成
物を調製する際に添加する乳化安定剤の乳化安定性が著
しく阻害され、高濃度な食品添加剤スラリー組成物の調
製が出来ないだけでなく、充分な分散機能が発揮されな
くなる。
【0019】本発明に使用する炭酸カルシウムのd1/
D1は、d1/D1≦25を満たす必要があり、好まし
くはd1/D1≦15、より好ましくはd1/D1≦1
0である。d1/D1が25を越える場合は、高濃度且
つ高分散性の食品添加剤スラリー組成物用の炭酸カルシ
ウムとしては、分散性が不十分であるため、例えば、牛
乳、ジュース等の食品に添加使用した場合、食品中の炭
酸カルシウムの経時安定性が悪く、短時間に食品容器底
部に凝集し沈降し易くなる。
【0020】本発明に使用する炭酸カルシウムのd1/
d2は、d1/d2≦15を満たす必要があり、好まし
くはd1/d2≦10、より好ましくはd1/d2≦8
である。d1/d2が15を越える場合は、食品添加剤
スラリー組成物中に残存アルカリやカルシウムイオンの
多く含有され、炭酸カルシウムが再凝集し易くなると共
に、牛乳等に使用した場合、タンパク質の安定性を阻害
し易くなる傾向にあり、極端な場合、ゲル化する場合が
ある。
【0021】本発明に使用する炭酸カルシウムのd2/
D2は、0.6≦d2/D2≦3を満たす必要があり、
好ましくは0.8≦d2/D2≦2、より好ましくは1
≦d2/D2≦2である。d2/D2が3を越える場合
は、食品添加剤スラリー組成物中の炭酸カルシウムの表
面安定性が不安定となり、炭酸カルシウムが再凝集し易
くなるため、牛乳等に使用した場合、安定な製品を得ら
れ難くなり、d2/D2が0.6未満の場合は、粗大粒
子が含有した炭酸カルシウムが得られ易いため、例え
ば、コーヒー飲料等に使用した場合、長期間炭酸カルシ
ウムを安定保持することが困難になる。
【0022】本発明に使用する炭酸カルシウムのS1並
びにd2は、下記の要件を具備する事が好ましい。 5≦S1≦35(m2 /g) 0.1≦d2≦0.5(μm)
【0023】即ち、本発明に使用する炭酸カルシウムの
窒素吸着法(BET法)による比表面積S1は、5〜3
5m2 /gの範囲が好ましい。比表面積が5m2 /g未
満の場合、牛乳等の液体食品中での長期間の安定性に問
題が生じ、また、35m2 /gを越える場合、炭酸カル
シウム粉体の凝集力が極めて強くなるため、その分散が
困難となる。本発明の食品添加剤スラリー中の炭酸カル
シウムの粒度分布の重量平均粒子径d2については、
0.1≦d2≦0.5(μm)の要件を満たすことが好
ましいが、かなり長期間の保存分散安定性を要求される
食品用途には、0.1≦d2≦0.3(μm)の要件を
満たす事が好ましい。
【0024】本発明における使用する炭酸カルシウムの
乾燥前の水懸濁液中の炭酸カルシウムの粒度分布におけ
る重量平均径は、下記の要領で測定計算されたものであ
る。 測定機種 :島津製作所製 SA−CP−4L 試料の調製:使用する炭酸カルシウムの乾燥前の水懸濁
液を、下記20℃の溶媒中に滴下し、粒度分布測定試料
とする。 溶媒 :イオン交換水にポリアクリル酸ソーダ0.
004重量%溶解させた水溶液 予備分散 :SKディスパーザー(セイシン企業製)を
用い、超音波分散100秒 測定温度 :20.0℃±2.5℃
【0025】また、食品添加剤スラリー組成物中の炭酸
カルシウムの粒度分布における重量平均径は、下記の要
領で測定計算されたものである。 測定機種 :島津製作所製 SA−CP−4L 試料の調製:食品添加剤スラリー組成物を、下記20℃
の溶媒中に滴下し、粒度分布測定試料とする。 溶媒 :イオン交換水 予備分散 :SKディスパーザー(セイシン企業製)を
用い、超音波分散100秒 測定温度 :20.0℃±2.5℃
【0026】本発明に使用する炭酸カルシウムは、例え
ば炭酸カルシウムを50重量%以上含有するコーラル炭
酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、合成炭酸カルシウ
ムが挙げられるが、水酸化カルシウムの水懸濁液である
石灰乳と炭酸ガスを反応させる炭酸ガス法に代表される
化学的合成方法により調製される合成炭酸カルシウム
が、微細な分散体を得易い点で好ましい。本発明におい
て使用する炭酸カルシウムの乳化安定剤と混合する前の
形態としては、通常の方法で調製される炭酸カルシウム
の水懸濁液でもよく、また該水懸濁液を常法に従い脱
水、乾燥、粉砕を経て調製される炭酸カルシウムの粉体
に、再度水を添加して調製される水懸濁液でもよいが、
食品添加物規格厳守、及び衛生管理面の観点から、後者
の形態を採用するのが好ましい。
【0027】本発明において、乳化安定剤は、下記
(U)群より選ばれた少なくとも1種が用いられ、より
高濃度、且つ分散性良好な食品添加剤スラリー組成物を
調製するためには、好ましくは下記(V)群より選ばれ
た少なくとも1種が用いられ、更に好ましくは、下記
(W)群より選ばれた少なくとも1種が用いられる。 (U)群:HLBが8以上のショ糖脂肪酸エステル、ポ
リグリセリン脂肪酸エステル、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム(以下CMCと記す)、メチルセルロー
ス(以下MCと記す)、アルギン酸プロピレングリコー
ルエステル(以下PGAと記す)、水溶性大豆多糖類、
アラビアガム、アラビノガラクタン、レシチン及び加工
デンプン (V)群:CMC、MC、アラビアガム、アラビノガラ
クタン、レシチン及び加工デンプン (W)群:アラビアガム、アラビノガラクタン及び加工
デンプン
【0028】次に、前述の炭酸カルシウムと乳化安定剤
と水とからなる食品添加剤スラリー組成物を調製する。
この調製方法は、以下の(ア)、(イ)、(ウ)に示す
3種類の方法に大別されるが、何れの方法を採用して
も、また組み合わせて使用してもよい。 (ア)炭酸カルシウムと水からなる食品添加剤の水懸濁
液を、化学的分散方法、粉砕機及び/又は分散機を用い
る物理的方法により、粉砕及び/又は分散処理した後、
乳化安定剤を添加処理する。 (イ)炭酸カルシウムと乳化安定剤と水からなる食品添
加剤の水懸濁液を、化学的分散方法、粉砕機及び/又は
分散機を用いる物理的方法により、粉砕及び/又は分散
処理する。 (ウ)炭酸カルシウムと水からなる食品添加剤の水懸濁
液を、化学的分散方法、粉砕機及び/又は分散機を用い
る物理的方法により、粉砕及び/又は分散処理した後、
乳化安定剤を添加処理し、さらに粉砕機及び/又は分散
機を用いる物理的方法により、粉砕及び/又は分散処理
する。
【0029】上記(ア)、(イ)、(ウ)において、炭
酸カルシウムと乳化安定剤と水の食品添加剤スラリー組
成物を調製するのに必要不可欠な条件は、該食品添加剤
スラリー組成物中の炭酸カルシウム100重量部に対
し、乳化安定剤が1〜60重量部含有されていることで
あり、ヨーグルト、牛乳等の液体食品において食感上の
喉ごし等を考慮した場合、好ましくは乳化安定剤が、
1.5〜50重量部含有されていることであり、より好
ましくは3〜40重量部含有されていることである。
【0030】乳化安定剤の添加重量部が、1重量部未満
の場合、例え食品添加剤スラリー組成物中の炭酸カルシ
ウムの粒度分布における重量平均径を非常に微細に調製
したとしても、これらの食品添加剤スラリー組成物を例
えば、牛乳、ジュース、ドリンクタイプのヨーグルト等
の食品に添加使用した場合、食品中の炭酸カルシウムの
経時安定性が悪く、著しい場合、24時間以内に食品容
器底部に凝集し沈降する。一方、乳化安定剤の添加重量
部が、60重量部を越える場合、食品添加剤スラリー組
成物を牛乳、ジュース、ドリンクタイプのヨーグルト等
の食品に添加使用した場合、製品の粘度が上昇し食感上
好ましくないだけでなく、製品の粘度上昇に伴い高濃度
での製造がハンドリング上困難となり、固形分濃度を低
くして製造せざるを得ず、経済的な面でも好ましくな
い。
【0031】本発明で用いられるショ糖脂肪酸エステル
は、食品添加物規格に適合するHLBが8以上のショ糖
脂肪酸エステルであればよいが、中でもHLBが15以
上のショ糖脂肪酸エステルが好ましい。ショ糖脂肪酸エ
ステル中の脂肪酸組成においては、該脂肪酸に占める炭
素数18の脂肪酸の割合が50重量%以上のショ糖脂肪
酸エステルが好ましいが、より好ましくは60重量%以
上、更に好ましくは65重量%以上であるのが好まし
い。ショ糖脂肪酸エステル中の脂肪酸組成における、該
脂肪酸に占める炭素数18の脂肪酸の割合が50重量%
未満の場合、炭酸カルシウムの牛乳等の食品中での安定
性に乏しくなるばかりでなく、風味の点で苦みを呈して
ゆく傾向にあるため、好ましくない。また、食品添加剤
スラリー組成物中の脂肪酸のアルカリ金属塩の含有量に
ついては、ショ糖脂肪酸エステルに対して0.1〜2.
0重量%であることが好ましく、より好ましくは0.3
〜1.5重量%、更に好ましくは0.5〜1.5重量%
である。該含有量が、0.1重量%未満の場合は、ショ
糖脂肪酸エステルの冷水中への溶解性を阻害する傾向が
あり、その結果、炭酸カルシウムの牛乳等の食品中での
安定性が乏しいため好ましくなく、また2.0重量%を
越える場合は食品添加物として使用するのに好ましくな
い。
【0032】本発明で用いられるポリグリセリン脂肪酸
エステルとしては、トリグリセリン、ペンタグリセリ
ン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン等の各種脂肪酸
エステル、及び自己乳化型のモノグリセリン脂肪酸エス
テル等、HLBが8〜18までのポリグリセリン脂肪酸
エステルが挙げられるが、好ましくは、トリグリセリ
ン、ペンタグリセリンの脂肪酸エステルが用いられる。
【0033】本発明で用いられるCMCは、食品添加物
規格に適合するものであればよいが、カルボキシメチル
基の置換度に関しては、0.3〜2.0のものが好まし
く、より好ましくは0.3〜1.5、更に好ましくは
0.6〜1.0のものが用いられる。該置換度が、0.
3未満のものの場合は、耐酸性、耐アルカリ性、耐塩性
等に欠ける傾向にあり、その結果、炭酸カルシウムの牛
乳等の食品中での安定性が乏しいため好ましくなく、ま
た2.0を越える場合、その水溶液の粘度が高くなるた
め、牛乳、ドリンクタイプのヨーグルト等の食品に使用
した場合、製品の粘度が上昇し、食感上好ましくない。
【0034】本発明で用いられるPGAとしては、食品
添加物規格に適合するエステル化度が75%以上100
%未満のものであればよいが、好ましくは、エステル化
度が85%以上100%未満、より好ましくはエステル
化度が90%以上100%未満のものが用いられる。エ
ステル化度が75%未満のものは、分散性が劣る傾向に
あるため好ましくなく、また100%にした場合、ゲル
化し易くなるため好ましくない。
【0035】本発明で用いられる水溶性大豆多糖類とし
ては、大豆より抽出・精製した水溶性の多糖類で食品添
加物規格に適合するものであればよいが、ガラクトー
ス、アラビノース、ガラクツロン酸、キシロース、フル
コース、グルコース、ラムノースと、多糖類の糖から構
成されるもので、平均分子量が数十万のものが好まし
い。
【0036】本発明に使用されるアラビアガムとして
は、食品添加物規格に適合するものであればよいが、好
ましくは、アラビアガムの成分中に含まれる蛋白質の含
有量が1重量%以上のものが用いられる。
【0037】本発明で使用されるアラビノガラクタンと
しては、食品添加物規格に適合するものであればよい
が、好ましくは、分子量が1万以上のものが用いられ
る。
【0038】本発明で使用されるレシチンとしては、食
品添加物規格に適合する植物(大豆、なたね、トウモロ
コシ、綿実など)レシチン、高純度レシチン、分別レシ
チン、酵素処理レシチン、酵素分解レシチン等、HLB
が8以上のレシチンが挙げられるが、レシチンは風味に
やや問題があり、動物(卵黄など)レシチン、高純度レ
シチン等が風味等の観点で好ましい。
【0039】本発明に用いられる加工デンプンに関して
特に制限はないが、長期間保存可能な飲料等で非常に優
れた安定性を保持する為には、酸化、酸処理、酵素処
理、エステル化、エーテル化架橋化等の反応又は処理の
1種もしくは2種以上を施して得られたデンプン、即
ち、酸処理デンプン、酸化デンプン、酵素変性デキスト
リン、エステル化デンプン、エーテル化デンプン及び架
橋化デンプンの1種もしくは2種以上組み合わせたデン
プンが好ましく、特にオクテニルコハク酸エステルデン
プンが好ましい。オクテニルコハク酸エステルデンプン
とは、通常、デンプン懸濁液を微アルカリ性にした後、
オクテニルコハク酸懸濁液を滴下する事により得られ
る。また、これに上述した他の処理をしたもの及び/又
はこれらの混合物等を用いる事ができる。上記加工デン
プンの例としてPURITY GUM1773、PUR
ITY GUM 2000、エヌクリーマー46、カプ
シュール(以上ナショナルスターチ社製商品名)エマル
スター30A(松谷化学工業株式会社製商品名)等が挙
げられる。また、本発明に用いられるデンプンの原料の
種類に特に制限はないが、粘液の安定性や粘性の観点か
らワキシコーンスターチが好ましい。
【0040】本発明の食品添加剤スラリー組成物の製造
方法は、前述の(ア)、(イ)、(ウ)に記載した方法
によればよいが、物理的方法による粉砕及び/又は分散
方法については、好ましくは湿式粉砕機、高圧乳化分散
装置、超音波分散機及びロールミルの少なくとも1種を
用いる事により得られ、具体的には、ダイノーミル、サ
ンドミル、コボールミル等の湿式粉砕機、ナノマイザ
ー、マイクロフルイタイザー、ホモジナイザー、アルテ
ィマイザー等の乳化・分散装置、超音波分散機、3本ロ
ールミル等のロールミルが例示出来る。
【0041】上記の内、食品添加物規格の観点から、食
品添加剤スラリー組成物に使用する炭酸カルシウムの形
態が粉体である場合には、前述の湿式粉砕機を使用し、
下記(14)〜(16)を満足する粉砕条件で粉砕する
のが一層好ましい。 2≦ H ≦ 100・・・・・・・・・・・(15) G ≧ 10・・・・・・・・・・・・・・・(16) H:湿式粉砕する炭酸カルシウムの窒素吸着法(BET
法)による比表面積(m2 /g) A:湿式粉砕機に用いるメディアの充填量であり、湿式
粉砕機の粉砕室(ベッセル容器)容積中に占めるメディ
アの容積量(体積%) B:湿式粉砕機に用いるメディアの真比重 C:湿式粉砕機のディスク又はローターの周辺速度(m
/秒) D:湿式粉砕する炭酸カルシウムの水懸濁液の、炭酸カ
ルシウム固形分濃度(%) E:湿式粉砕する炭酸カルシウムの水懸濁液の、湿式粉
砕機の粉砕室中に滞留する時間(分) F:湿式粉砕機に用いるメディアの粒子径(mm)
【0042】以上の如くして、本発明の高濃度且つ高分
散性を有する食品添加剤スラリー組成物は調製される。
本発明の方法によれば、炭酸カルシウム固形分濃度M
(重量%)が5≦M≦70の食品添加剤スラリー組成物
の調製が可能となるが、前記した好ましい調製条件を採
用した場合、炭酸カルシウム固形分濃度Mが30≦M≦
70の食品添加剤スラリー組成物、最も好ましい調整条
件を採用した場合、40≦M≦70の食品添加剤スラリ
ー組成物の調製が可能となる。70重量%を越える場合
は、湿式粉砕機、乳化分散装置等の分散機及びこれに付
随する液供給ポンプ等の必要動力が極めて大きくなり現
実的とは言えない。また、5重量%未満の場合、分散工
程に要する時間が極めて長くなり動力費的に不経済であ
るのみならず、物流コストを含めて経済的に好ましい方
法とは言えない。
【0043】以上の様にして調製される、炭酸カルシウ
ムと乳化安定剤と水とからなる食品添加剤スラリー組成
物を乾燥粉末化することにより、本発明の食品添加剤パ
ウダー組成物は調製される。食品添加剤スラリー組成物
の乾燥に用いられる乾燥機に特別の制限はないが、各種
表面処理剤の変質防止の観点から極めて短時間に乾燥を
行うのが好ましく、この観点から乾燥機としては、スプ
レードライヤー、セラミック媒体を加熱流動状態で用い
るスラリードライヤー等の液滴噴霧型乾燥機を用いるの
が望ましい。
【0044】上記の如き方法により調製される食品添加
剤スラリー組成物及びパウダー組成物は、水中における
再分散性が極めて良好であり、特殊な分散機、撹拌機等
を用いずとも容易に水中に分散する。従って、本発明の
食品添加剤スラリー組成物及びパウダー組成物を用い
て、食品、例えばカルシウム強化牛乳を調製するには、
これらを牛乳に直接添加して強力に撹拌し、牛乳中に分
散させるだけで充分であるが、これらを前もって水中に
分散させ得られる炭酸カルシウムの水分散液を牛乳に添
加しても差し支えない。また還元乳では、本発明の食品
添加剤スラリー組成物及びパウダー組成物を、60℃程
度の温度で溶解したバター又はバターオイルに加えて高
速撹拌して分散させ、次いでこれに還元脱脂乳あるいは
脱脂乳を加え、均質化すればよい。
【0045】これらの方法で調製したカルシウム強化牛
乳等は、クラリファイヤーで除去される炭酸カルシウム
の量が、従来の方法で調製された炭酸カルシウムを添加
した場合に比べて、大幅に減少する。即ち、本発明の食
品添加剤スラリー組成物及びパウダー組成物を添加した
牛乳、ヨーグルト、ジュース類中には、炭酸カルシウム
が極めて安定に保持されている。また、本発明の食品添
加剤スラリー組成物及びパウダー組成物は、炭酸カルシ
ウムの分散性が良好であるため、牛乳等に添加する際の
撹拌時間が少なくてすみ、従って、バター中で長時間撹
拌した場合に見られるような炭酸カルシウムの凝集は起
こらない。本発明の食品添加剤スラリー組成物及びパウ
ダー組成物は、上記用途以外に、クリーム、コーヒー、
紅茶、ウーロン茶等の液体食品、ワイン、酒等のアルコ
ール飲料等にカルシウム強化の目的で使用することが出
来る。また、本発明の食品添加剤スラリー組成物及びパ
ウダー組成物は、乳酸カルシウム、塩化カルシウム等の
水可溶性カルシウム塩、ピロリン酸第2鉄、クエン酸鉄
ナトリウム、塩化マグネシウム等の鉄剤、マグネシウム
剤などの他のミネラルと併用しても何ら差し支えがな
い。
【0046】
【実施例】以下に実施例、比較例を示し本発明をより詳
細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。実施例及び比較例で使用する炭酸カル
シウムの製造方法を以下に示す。
【0047】炭酸カルシウムケーキ及び粉体の製造方法 比重1.030、温度3℃の石灰乳10000リッター
に、炭酸ガス濃度30重量%の炉ガス(以下炭酸ガスと
略記する)を25m3 /minの流速で導通し炭酸化反
応を行い、25℃におけるpHが10.0の炭酸カルシ
ウムの水懸濁液を得た。該炭酸カルシウム水懸濁液をパ
ドルドライヤーを用いて乾燥し、乾式粉砕機を用いて炭
酸カルシウム粉体を得た。次に前述のpH10.0の炭
酸カルシウム水懸濁液に、炭酸ガスを5m3 /hrの流
速で吹き込みながら70℃で撹拌し、1時間後(炭酸カ
ルシウムII)、6時間後(炭酸カルシウムIII )、12
時間後(炭酸カルシウムIV)、24時間後(炭酸カルシ
ウムV )、48時間後(炭酸カルシウムVI)60時間後
(炭酸カルシウムVII )の炭酸カルシウム水懸濁液を得
た。上記炭酸カルシウム水懸濁液II〜VII をフィルター
プレスを用いて脱水し、炭酸カルシウム脱水ケーキを得
た後、脱水ケーキに再度水を加え撹拌し、脱水前の炭酸
カルシウム水懸濁液と同一濃度の炭酸カルシウム水懸濁
液を得た。各々の炭酸カルシウム水懸濁液を70℃で前
述したのと同時間攪拌し、再度炭酸ガスを導通し、炭酸
カルシウム水懸濁液のpHを7.0に低下せしめた後、
該炭酸カルシウム水懸濁液をフィルタープレスを用い脱
水し炭酸カルシウムケーキII〜VII を得た。その後、該
プレスケーキの一部をパドルドライヤーを用いて乾燥
し、乾式粉砕機を用いて炭酸カルシウム粉体II〜VII を
得た。該炭酸カルシウムケーキ及び粉体を熱天秤装置T
G8110(理学製)を用いて測定した500℃におけ
る熱減量L、乾燥前の水懸濁液を光透過遠心沈降式粒度
分布測定機SA−CP−4L(島津製作所製)を用い測
定した粒度分布の重量平均粒子径d1、表面積測定装置
NOVA2000(QUANTA、CHROME製)を
用いて測定した窒素吸着法による比表面積S1、及び式
6/2.7S1で計算された平均粒子径D1及びd1/
D1を表1に示す。尚、炭酸カルシウムケーキの500
℃における熱減量Lは、該ケーキを乾燥したものを用い
測定する。従って、L、d1、S1、D1及びd1/D
1は、炭酸カルシウムケーキと炭酸カルシウム粉体は同
一の値となる。
【0048】
【表1】
【0049】実施例1 前述の方法で得た炭酸カルシウム粉体を用い、炭酸カル
シウム固形分100重量部に対しアラビアガム(蛋白質
の含有量:3重量%、五協産業製)を20重量部及び水
を添加し攪拌混合を行い、炭酸カルシウム固形分濃度が
60重量%の食品添加剤スラリーを調製後、湿式粉砕機
ダイノーミルKDパイロット型(WAB社製)を用いて
湿式粉砕を行い、高濃度食品添加剤スラリー組成物を得
た。該食品添加剤剤スラリー組成物中の炭酸カルシウム
の粒度分布における重量平均径d2、BET比表面積S
2、d1/d2及びd2/D2の結果を表2に示す。
尚、得られた高濃度食品添加剤スラリー組成物の粘度は
充分に低く、流動性にも全く問題はなかった。尚、アラ
ビアガムはあらかじめ水で溶解させた後添加した。
【0050】比較例1 使用する炭酸カルシウムの種類を表3のように変更する
他は実施例1と同条件で、高濃度食品添加剤スラリー組
成物を得た。尚、比較例1で得られた高濃度食品添加剤
スラリー組成物の濃度は、実施例1と同様にカルシウム
剤固形分濃度が60重量%の、高濃度食品添加剤スラリ
ー組成物の調製を試みたが、該濃度では粘度が高くハン
ドリングが困難であったため、ハンドリングに支障がな
い濃度まで希釈を行った結果、表3に示す如き固形分濃
度のスラリー組成物が調製された。本比較例の食品添加
剤剤スラリー組成物中の炭酸カルシウムの粒度分布にお
ける重量平均径d2、BET比表面積S2、d1/d2
及びd2/D2の結果を表3に示す。
【0051】実施例2 前述の方法で得た炭酸カルシウムケーキを用い、炭酸カ
ルシウム固形分100重量部に対しアラビノガラクタン
(分子量:18,500、MRCポリサッカライド製)
を40重量部及び水を添加し攪拌混合を行い、炭酸カル
シウム食品添加剤スラリーを調製後、高圧ホモジナイザ
ー(A.P.GAULIN社製)を用い、6860Pa(700k
g/cm2 )の圧力で粉砕を行い、高濃度食品添加剤ス
ラリー組成物を得た。尚、実施例2で得られた高濃度食
品添加剤スラリー組成物の濃度は、実施例1と同様にカ
ルシウム剤固形分濃度が60重量%の、高濃度食品添加
剤スラリー組成物の調製を試みたが、該濃度では粘度が
高くハンドリングが困難であったため、ハンドリングに
支障がない濃度まで希釈を行った結果、表2に示す如き
固形分濃度のスラリー組成物が調整された。該食品添加
剤剤スラリー組成物中の炭酸カルシウムの粒度分布にお
ける重量平均径d2、BET比表面積S2、d1/d2
及びd2/D2の結果を表2に示す。尚、得られた高濃
度食品添加剤スラリー組成物の粘度は充分に低く、流動
性にも全く問題はなかった。尚、アラビノガラクタンは
あらかじめ水で溶解させた後添加した。
【0052】比較例2 使用する炭酸カルシウムの種類を表3のように変更する
他は実施例2と同条件で、高濃度食品添加剤スラリー組
成物を得た。尚、比較例2で得られた高濃度食品添加剤
スラリー組成物の濃度は、実施例1と同様にカルシウム
剤固形分濃度が60重量%の、高濃度食品添加剤スラリ
ー組成物の調製を試みたが、該濃度では粘度が高くハン
ドリングが困難であったため、ハンドリングに支障がな
い濃度まで希釈を行った結果、表3に示す如き固形分濃
度のスラリー組成物が調整された。本比較例の食品添加
剤剤スラリー組成物中の炭酸カルシウムの粒度分布にお
ける重量平均径d2、BET比表面積S2、d1/d2
及びd2/D2の結果を表3に示す。
【0053】実施例3 前述の方法で得た炭酸カルシウム粉体を用い、炭酸カル
シウム固形分100重量部に対しHLBが16のショ糖
ステアリン酸エステル(炭素数18の脂肪酸:70重量
%、三菱化学フーズ製)を15重量部及び水を添加し攪
拌混合を行い、炭酸カルシウム食品添加剤スラリーを調
製後、超音波分散機US−300T(日本精機製作所
製)を用い、300W、20kHzで10分間超音波分
散を行い、高濃度食品添加剤スラリー組成物を得た。
尚、実施例3で得られた高濃度食品添加剤スラリー組成
物の濃度は、実施例1と同様にカルシウム剤固形分濃度
が60重量%の、高濃度食品添加剤スラリー組成物の調
製を試みたが、該濃度では粘度が高くハンドリングが困
難であったため、ハンドリングに支障がない濃度まで希
釈を行った結果、表2に示す如き固形分濃度のスラリー
組成物が調整された。該食品添加剤剤スラリー組成物中
の炭酸カルシウムの粒度分布における重量平均径d2、
BET比表面積S2、d1/d2及びd2/D2の結果
を表2に示す。尚、得られた高濃度食品添加剤スラリー
組成物の粘度は充分に低く、流動性にも全く問題はなか
った。尚、ショ糖脂肪酸エステルはあらかじめ65℃の
温水で溶解させた後、20℃に冷却した後添加した。
【0054】比較例3 使用する炭酸カルシウムの種類を表3のように変更する
他は実施例3と同条件で、高濃度食品添加剤スラリー組
成物を得た。尚、比較例3で得られた高濃度食品添加剤
スラリー組成物の濃度は、実施例1と同様にカルシウム
剤固形分濃度が60重量%の、高濃度食品添加剤スラリ
ー組成物の調製を試みたが、該濃度では粘度が高くハン
ドリングが困難であったため、ハンドリングに支障がな
い濃度まで希釈を行った結果、表3に示す如き固形分濃
度のスラリー組成物が調整された。本比較例の食品添加
剤剤スラリー組成物中の炭酸カルシウムの粒度分布にお
ける重量平均径d2、BET比表面積S2、d1/d2
及びd2/D2の結果を表3に示す。
【0055】実施例4 表2に示す条件に変更する他は実施例1と同条件で、高
濃度食品添加剤スラリー組成物を得た。尚、実施例4で
得られた高濃度食品添加剤スラリー組成物の濃度は、実
施例1と同様にカルシウム剤固形分濃度が60重量%
の、高濃度食品添加剤スラリー組成物の調製を試みた
が、該濃度では粘度が高くハンドリングが困難であった
ため、ハンドリングに支障がない濃度まで希釈を行った
結果、表2に示す如き固形分濃度のスラリー組成物が調
整された。本実施例の食品添加剤スラリー組成物中の炭
酸カルシウムの粒度分布における重量平均径d2、BE
T比表面積S2、d1/d2及びd2/D2の結果を表
3に示す。尚、高純度レシチンはあらかじめ水で溶解さ
せた後添加した。
【0056】比較例4 使用する炭酸カルシウムの種類を表3のように変更する
他は実施例4と同条件で、高濃度食品添加剤スラリー組
成物を得た。尚、比較例4で得られた高濃度食品添加剤
スラリー組成物の濃度は、実施例1と同様にカルシウム
剤固形分濃度が60重量%の、高濃度食品添加剤スラリ
ー組成物の調製を試みたが、該濃度では粘度が高くハン
ドリングが困難であったため、ハンドリングに支障がな
い濃度まで希釈を行った結果、表3に示す如き固形分濃
度のスラリー組成物が調整された。本比較例の食品添加
剤剤スラリー組成物中の炭酸カルシウムの粒度分布にお
ける重量平均径d2、BET比表面積S2、d1/d2
及びd2/D2の結果を表3に示す。
【0057】実施例5、6、9 表2に示す条件に変更する他は実施例1と同条件で、高
濃度食品添加剤スラリー組成物を得た。尚、実施例5、
6、9で得られた高濃度食品添加剤スラリー組成物の濃
度は、実施例1と同様にカルシウム剤固形分濃度が60
重量%の、高濃度食品添加剤スラリー組成物の調製を試
みたが、該濃度では粘度が高くハンドリングが困難であ
ったため、ハンドリングに支障がない濃度まで希釈を行
った結果、表2に示す如き固形分濃度のスラリー組成物
が調整された。本実施例の食品添加剤スラリー組成物中
の炭酸カルシウムの粒度分布における重量平均径d2、
BET比表面積S2、d1/d2及びd2/D2の結果
を表3に示す。尚、アラビアガム又は加工デンプンはあ
らかじめ水で溶解させた後添加した。
【0058】実施例7 表2に示す条件に変更する他は実施例2と同条件で、高
濃度食品添加剤スラリー組成物を得た。尚、実施例7で
得られた高濃度食品添加剤スラリー組成物の濃度は、実
施例1と同様にカルシウム剤固形分濃度が60重量%
の、高濃度食品添加剤スラリー組成物の調製を試みた
が、該濃度では粘度が高くハンドリングが困難であった
ため、ハンドリングに支障がない濃度まで希釈を行った
結果、表2に示す如き固形分濃度のスラリー組成物が調
整された。本実施例の食品添加剤スラリー組成物中の炭
酸カルシウムの粒度分布における重量平均径d2、BE
T比表面積S2、d1/d2及びd2/D2の結果を表
3に示す。尚、加工デンプンはあらかじめ水で溶解させ
た後添加した。
【0059】比較例5 使用する炭酸カルシウムの種類を表3のように変更する
他は実施例7と同条件で、高濃度食品添加剤スラリー組
成物を得た。尚、比較例5で得られた高濃度食品添加剤
スラリー組成物の濃度は、実施例1と同様にカルシウム
剤固形分濃度が60重量%の、高濃度食品添加剤スラリ
ー組成物の調製を試みたが、該濃度では粘度が高くハン
ドリングが困難であったため、ハンドリングに支障がな
い濃度まで希釈を行った結果、表3に示す如き固形分濃
度のスラリー組成物が調整された。本比較例の食品添加
剤剤スラリー組成物中の炭酸カルシウムの粒度分布にお
ける重量平均径d2、BET比表面積S2、d1/d2
及びd2/D2の結果を表3に示す。
【0060】実施例8 表2に示す条件に変更する他は実施例1と同条件で、高
濃度食品添加剤スラリー組成物を得た。尚、実施例8で
得られた高濃度食品添加剤スラリー組成物の濃度は、実
施例1と同様にカルシウム剤固形分濃度が60重量%
の、高濃度食品添加剤スラリー組成物の調製を試みた
が、該濃度では粘度が高くハンドリングが困難であった
ため、ハンドリングに支障がない濃度まで希釈を行った
結果、表2に示す如き固形分濃度のスラリー組成物が調
整された。本実施例の食品添加剤スラリー組成物中の炭
酸カルシウムの粒度分布における重量平均径d2、BE
T比表面積S2、d1/d2及びd2/D2の結果を表
3に示す。尚、アラビアガム及びアラビノガラクタンは
あらかじめ水で溶解させた後添加した。
【0061】比較例6 使用する炭酸カルシウムの種類を表3のように変更する
他は実施例8と同条件で、高濃度食品添加剤スラリー組
成物を得た。尚、比較例6で得られた高濃度食品添加剤
スラリー組成物の濃度は、実施例1と同様にカルシウム
剤固形分濃度が60重量%の、高濃度食品添加剤スラリ
ー組成物の調製を試みたが、該濃度では粘度が高くハン
ドリングが困難であったため、ハンドリングに支障がな
い濃度まで希釈を行った結果、表3に示す如き固形分濃
度のスラリー組成物が調整された。本比較例の食品添加
剤剤スラリー組成物中の炭酸カルシウムの粒度分布にお
ける重量平均径d2、BET比表面積S2、d1/d2
及びd2/D2の結果を表3に示す。
【0062】実施例10 表2に示す条件に変更する他は実施例1と同条件で、高
濃度食品添加剤スラリー組成物を得た。尚、実施例10
で得られた高濃度食品添加剤スラリー組成物の濃度は、
実施例1と同様にカルシウム剤固形分濃度が60重量%
の、高濃度食品添加剤スラリー組成物の調製を試みた
が、該濃度では粘度が高くハンドリングが困難であった
ため、ハンドリングに支障がない濃度まで希釈を行った
結果、表2に示す如き固形分濃度のスラリー組成物が調
整された。本実施例の食品添加剤スラリー組成物中の炭
酸カルシウムの粒度分布における重量平均径d2、BE
T比表面積S2、d1/d2及びd2/D2の結果を表
3に示す。尚、メチルセルロースはあらかじめ水で溶解
させた後添加した。
【0063】比較例7 使用する炭酸カルシウムの種類を表3のように変更する
他は実施例10と同条件で、高濃度食品添加剤スラリー
組成物を得た。尚、比較例7で得られた高濃度食品添加
剤スラリー組成物の濃度は、実施例1と同様にカルシウ
ム剤固形分濃度が60重量%の、高濃度食品添加剤スラ
リー組成物の調製を試みたが、該濃度では粘度が高くハ
ンドリングが困難であったため、ハンドリングに支障が
ない濃度まで希釈を行った結果、表3に示す如き固形分
濃度のスラリー組成物が調整された。本比較例の食品添
加剤剤スラリー組成物中の炭酸カルシウムの粒度分布に
おける重量平均径d2、BET比表面積S2、d1/d
2及びd2/D2の結果を表3に示す。
【0064】実施例11 表2に示す条件に変更する他は実施例1と同条件で、高
濃度食品添加剤スラリー組成物を得た。尚、実施例11
で得られた高濃度食品添加剤スラリー組成物の濃度は、
実施例1と同様にカルシウム剤固形分濃度が60重量%
の、高濃度食品添加剤スラリー組成物の調製を試みた
が、該濃度では粘度が高くハンドリングが困難であった
ため、ハンドリングに支障がない濃度まで希釈を行った
結果、表2に示す如き固形分濃度のスラリー組成物が調
整された。本実施例の食品添加剤スラリー組成物中の炭
酸カルシウムの粒度分布における重量平均径d2、BE
T比表面積S2、d1/d2及びd2/D2の結果を表
3に示す。尚、カルボキシメチルセルロースナトリウム
(カルボキシメチル基の置換度:0.8)はあらかじめ
水で溶解させた後添加した。
【0065】比較例8 使用する炭酸カルシウムの種類を表3のように変更する
他は実施例11と同条件で、高濃度食品添加剤スラリー
組成物を得た。尚、比較例8で得られた高濃度食品添加
剤スラリー組成物の濃度は、実施例1と同様にカルシウ
ム剤固形分濃度が60重量%の、高濃度食品添加剤スラ
リー組成物の調製を試みたが、該濃度では粘度が高くハ
ンドリングが困難であったため、ハンドリングに支障が
ない濃度まで希釈を行った結果、表3に示す如き固形分
濃度のスラリー組成物が調整された。本比較例の食品添
加剤剤スラリー組成物中の炭酸カルシウムの粒度分布に
おける重量平均径d2、BET比表面積S2、d1/d
2及びd2/D2の結果を表3に示す。
【0066】実施例12 表2に示す条件に変更する他は実施例1と同条件で、高
濃度食品添加剤スラリー組成物を得た。尚、実施例12
で得られた高濃度食品添加剤スラリー組成物の濃度は、
実施例1と同様にカルシウム剤固形分濃度が60重量%
の、高濃度食品添加剤スラリー組成物の調製を試みた
が、該濃度では粘度が高くハンドリングが困難であった
ため、ハンドリングに支障がない濃度まで希釈を行った
結果、表2に示す如き固形分濃度のスラリー組成物が調
整された。本実施例の食品添加剤スラリー組成物中の炭
酸カルシウムの粒度分布における重量平均径d2、BE
T比表面積S2、d1/d2及びd2/D2の結果を表
3に示す。尚、アルギン酸プロピレングリコールエステ
ル(エステル化度:88%)はあらかじめ65℃の温水
で溶解させた後、20℃に冷却した後添加した。
【0067】比較例9 使用する炭酸カルシウムの種類を表3のように変更する
他は実施例12と同条件で、高濃度食品添加剤スラリー
組成物を得た。尚、比較例9で得られた高濃度食品添加
剤スラリー組成物の濃度は、実施例1と同様にカルシウ
ム剤固形分濃度が60重量%の、高濃度食品添加剤スラ
リー組成物の調製を試みたが、該濃度では粘度が高くハ
ンドリングが困難であったため、ハンドリングに支障が
ない濃度まで希釈を行った結果、表3に示す如き固形分
濃度のスラリー組成物が調整された。本比較例の食品添
加剤剤スラリー組成物中の炭酸カルシウムの粒度分布に
おける重量平均径d2、BET比表面積S2、d1/d
2及びd2/D2の結果を表3に示す。
【0068】実施例13 表2に示す条件に変更する他は実施例1と同条件で、高
濃度食品添加剤スラリー組成物を得た。尚、実施例13
で得られた高濃度食品添加剤スラリー組成物の濃度は、
実施例1と同様にカルシウム剤固形分濃度が60重量%
の、高濃度食品添加剤スラリー組成物の調製を試みた
が、該濃度では粘度が高くハンドリングが困難であった
ため、ハンドリングに支障がない濃度まで希釈を行った
結果、表2に示す如き固形分濃度のスラリー組成物が調
整された。本実施例の食品添加剤スラリー組成物中の炭
酸カルシウムの粒度分布における重量平均径d2、BE
T比表面積S2、d1/d2及びd2/D2の結果を表
3に示す。尚、大豆多糖類はあらかじめ水で溶解させた
後添加した。
【0069】比較例10 使用する炭酸カルシウムの種類を表3のように変更する
他は実施例13と同条件で、高濃度食品添加剤スラリー
組成物を得た。尚、比較例10で得られた高濃度食品添
加剤スラリー組成物の濃度は、実施例1と同様にカルシ
ウム剤固形分濃度が60重量%の、高濃度食品添加剤ス
ラリー組成物の調製を試みたが、該濃度では粘度が高く
ハンドリングが困難であったため、ハンドリングに支障
がない濃度まで希釈を行った結果、表3に示す如き固形
分濃度のスラリー組成物が調整された。本比較例の食品
添加剤剤スラリー組成物中の炭酸カルシウムの粒度分布
における重量平均径d2、BET比表面積S2、d1/
d2及びd2/D2の結果を表3に示す。
【0070】実施例14 表2に示す条件に変更する他は実施例1と同条件で、高
濃度食品添加剤スラリー組成物を得た。尚、実施例14
で得られた高濃度食品添加剤スラリー組成物の濃度は、
実施例1と同様にカルシウム剤固形分濃度が60重量%
の、高濃度食品添加剤スラリー組成物の調製を試みた
が、該濃度では粘度が高くハンドリングが困難であった
ため、ハンドリングに支障がない濃度まで希釈を行った
結果、表2に示す如き固形分濃度のスラリー組成物が調
整された。本実施例の食品添加剤スラリー組成物中の炭
酸カルシウムの粒度分布における重量平均径d2、BE
T比表面積S2、d1/d2及びd2/D2の結果を表
3に示す。尚、ペンタグリセリン脂肪酸エステル(HL
B:14)はあらかじめ水で溶解させた後添加した。
【0071】比較例11 使用する炭酸カルシウムの種類を表3のように変更する
他は実施例14と同条件で、高濃度食品添加剤スラリー
組成物を得た。尚、比較例11で得られた高濃度食品添
加剤スラリー組成物の濃度は、実施例1と同様にカルシ
ウム剤固形分濃度が60重量%の、高濃度食品添加剤ス
ラリー組成物の調製を試みたが、該濃度では粘度が高く
ハンドリングが困難であったため、ハンドリングに支障
がない濃度まで希釈を行った結果、表3に示す如き固形
分濃度のスラリー組成物が調整された。本比較例の食品
添加剤剤スラリー組成物中の炭酸カルシウムの粒度分布
における重量平均径d2、BET比表面積S2、d1/
d2及びd2/D2の結果を表3に示す。
【0072】比較例12〜15 表3に示す条件に変更する他は実施例1と同条件で、高
濃度食品添加剤スラリー組成物を得た。尚、比較例12
〜15で得られた高濃度食品添加剤スラリー組成物の濃
度は、実施例1と同様にカルシウム剤固形分濃度が60
重量%の、高濃度食品添加剤スラリー組成物の調製を試
みたが、該濃度では粘度が高くハンドリングが困難であ
ったため、ハンドリングに支障がない濃度まで希釈を行
った結果、表3に示す如き固形分濃度のスラリー組成物
が調整された。本比較例の食品添加剤剤スラリー組成物
中の炭酸カルシウムの粒度分布における重量平均径d
2、BET比表面積S2、d1/d2及びd2/D2の
結果を表2に示す。尚、アルギン酸プロピレングリコー
ルエステル(エステル化度:88%)はあらかじめ65
℃の温水で溶解させた後、20℃に冷却した後添加し
た。他の乳化安定剤はあらかじめ水で溶解させた後添加
した。
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】実施例15〜28及び比較例16〜30 実施例1〜14及び比較例1〜15で得られた食品添加
剤スラリー組成物を、スプレードライヤーを用いて乾燥
し、食品添加剤パウダー組成物を得た。次に実施例15
〜28及び比較例16〜30で得られた食品添加剤パウ
ダー組成物を水に添加し、ホモミキサーにより1100
0rpmで15分間攪拌し、炭酸カルシウム固形分が各
々パウダー化前のスラリー濃度の再分散液を調整した。
得られた食品添加剤パウダー組成物の再分散液の粘度
は、乾燥前の食品添加剤スラリー組成物と比較してほぼ
同程度で流動性にも全く問題はなかった。再分散液中の
各々の炭酸カルシウムの粒度分布における重量平均径を
表4に示す。
【0076】
【表4】
【0077】次に実施例1〜28及び比較例1〜30で
調製した食品添加剤スラリー組成物及びパウダー組成物
の再分散液を用い、各々のカルシウム剤固形分濃度が
0.75重量%になるように希釈後、該希釈液を100
mlのメスシリンダーにとり、10℃で静置し、炭酸カ
ルシウムの沈澱により生ずる透明部分と炭酸カルシウム
の分散部分の着色部分の界面の高さの経時変化、沈降物
の量の経時変化を目視判断し、各水分散液の水中におけ
る安定性を調べた。メスシリンダーに刻まれたml単位
の表示を読みとり、その結果を下記の5段階表示により
表5、表6に示す。
【0078】(界面の高さ) 界面がほぼ98以上100mlである・・・・・・・5 界面が95以上98未満である・・・・・・・・・・4 界面が90以上95未満である・・・・・・・・・・3 界面が50以上90未満である・・・・・・・・・・2 界面が50未満である・・・・・・・・・・・・・・1 (沈澱物の量) 殆ど確認できない・・・・・・・・・・・・・・・・5 わずかに沈澱が確認できる・・・・・・・・・・・・4 0.5mm未満程度の沈澱がある・・・・・・・・・3 0.5mm以上2mm未満の沈澱がある・・・・・・2 2mm以上の沈澱がある・・・・・・・・・・・・・1
【0079】
【表5】
【0080】
【表6】
【0081】実施例29 実施例1で調製した食品添加剤スラリー組成物120g
を、55℃で溶解させたバター350g中に分散させ、
これを脱脂乳9.53kg中に添加撹拌し、次いで殺菌
を行いカルシウム強化牛乳を得た。該カルシウム強化牛
乳を100mlのメスシリンダー数本にとり、5℃で保
存し、定期的にメスシリンダー中の牛乳を静かに廃棄
し、メスシリンダー底部に残存している沈降物の量の経
時変化を目視観察した。その結果を下記の4段階表示に
より表7に示す。また、該カルシウム強化牛乳の男女各
10名よりなる官能試験を行い、各々に風味に関して5
段階の判定をさせ、その平均値も表7に示す。
【0082】(沈澱物の量) 殆ど確認できない・・・・・・・・・・・・・・・・4 わずかに沈澱が確認できる・・・・・・・・・・・・3 少し沈澱が確認できる・・・・・・・・・・・・・・2 かなり大量の沈澱が確認できる・・・・・・・・・・1 (風味) 風味が良好である・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・5 風味が少し気になる(やや違和感がある)・・・・・・
・・・・・・・・・4 風味が少し悪い(やや不快感がある)・・・・・・・・
・・・・・・・・・3 風味がかなり悪い(かなり不快感がある)・・・・・・
・・・・・・・・・2 風味が非常に悪い(非常に不快感が強い)・・・・・・
・・・・・・・・・1
【0083】実施例30〜56、比較例31〜60 前述の実施例2〜28、比較例1〜30で調製した食品
添加剤スラリー組成物又はパウダー組成物の再分散液を
用いること、及び各々の炭酸カルシウム濃度を実施例2
9と同濃度に調整することを除き、他は実施例29と同
様の方法でカルシウム強化牛乳を得た。また、これらの
カルシウム強化牛乳の沈澱量の観察並びに風味に関する
官能試験を、実施例29に示す同様の方法で行った。そ
の結果を表7、表8に示す。
【0084】
【表7】
【0085】
【表8】
【0086】
【発明の効果】以上のように、本発明の食品添加剤スラ
リー組成物又はパウダー組成物は、高濃度化が可能なた
め経済的にも非常に優れている上、液中での再分散性並
びに風味が優れている。また、該食品添加剤スラリー組
成物及びパウダー組成物を用いて調製される食品組成物
は、保存安定性が極めて優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B001 AC03 AC40 AC44 AC46 BC03 EC05 EC53 4B018 LB07 LB08 MD04 MD10 MD34 MD35 MD37 MD38 MD46 ME05 MF02

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)〜(4)の要件を具備する炭
    酸カルシウム100重量部に対し、乳化安定剤を1〜6
    0重量部含有させてなることを特徴とする食品添加剤ス
    ラリー組成物。 L≦1.5・・・・・・・・・・・(1) d1/D1≦25・・・・・・・・(2) d1/d2≦15・・・・・・・・(3) 0.6≦d2/D2≦3・・・・・(4) L:500℃における熱減量(%) d1:使用する炭酸カルシウムの乾燥前の水懸濁液の光
    透過遠心沈降式粒度分布測定機SA−CP−4L(島津
    製作所製)を用い測定される粒度分布の重量平均粒子径
    (μm) D1:使用する炭酸カルシウムの乾燥前の水懸濁液のB
    ET比表面積S1(m2/g)から下記式(X)で算出
    される平均粒子径(μm) 6/(2.7/S1)・・・(X) d2:食品添加剤スラリー中の炭酸カルシウムの光透過
    遠心沈降式粒度分布測定機SA−CP−4L(島津製作
    所製)を用い測定される粒度分布の重量平均粒子径(μ
    m) D2:食品添加剤スラリー中の炭酸カルシウムのBET
    比表面積S2(m2 /g)から下記式(Y)で算出され
    る平均粒子径(μm) 6/(2.7/S2)・・・(Y)
  2. 【請求項2】 使用する炭酸カルシウムが下記(5)及
    び(6)の要件を具備する請求項1に記載の食品添加剤
    スラリー組成物。 5≦S1≦35・・・・・・・・・(5) 0.1≦d2≦0.5・・・・・・(6)
  3. 【請求項3】 使用する炭酸カルシウムが下記(7)〜
    (10)の要件を具備する請求項1に記載の食品添加剤
    スラリー組成物。 L≦1.1・・・・・・・・・・・(7) d1/D1≦15・・・・・・・・(8) d1/d2≦10・・・・・・・・(9) 0.8≦d2/D2≦2・・・・・(10)
  4. 【請求項4】 使用する炭酸カルシウムが下記(11)
    〜(14)の要件を具備する請求項1に記載の食品添加
    剤スラリー組成物。 L≦1.0・・・・・・・・・・・(11) d1/D1≦10・・・・・・・・(12) d1/d2≦8・・・・・・・・・(13) 1≦d2/D2≦2・・・・・・・(14)
  5. 【請求項5】 乳化安定剤がHLBが8以上のショ糖脂
    肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、カルボ
    キシメチルセルロースナトリウム(以下CMCと記
    す)、メチルセルロース(以下MCと記す)、アルギン
    酸プロピレングリコールエステル(以下PGAと記
    す)、水溶性大豆多糖類、アラビアガム、アラビノガラ
    クタン、レシチン及び加工デンプンからなる群より選ば
    れた少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の食品添加剤スラリー組成物。
  6. 【請求項6】 乳化安定剤がCMC、MC、アラビアガ
    ム、アラビノガラクタン、レシチン及び加工デンプンか
    らなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の食品添加剤スラリー組成物。
  7. 【請求項7】 乳化安定剤がアラビアガム、アラビノガ
    ラクタン及び加工デンプンからなる群より選ばれた少な
    くとも1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    食品添加剤スラリー組成物。
  8. 【請求項8】 使用する炭酸カルシウムの形態が粉末で
    ある請求項1〜7のいずれか1項に記載の食品添加剤ス
    ラリー組成物。
  9. 【請求項9】 炭酸カルシウム固形分濃度M(重量%)
    が、下記(α)の要件を満たす請求項1〜7のいずれか
    1項に記載の食品添加剤スラリー組成物。 (α) M≦70
  10. 【請求項10】 炭酸カルシウム固形分濃度M(重量
    %)が、下記(β)の要件を満たす請求項1〜7のいず
    れか1項に記載の食品添加剤スラリー組成物。 (β) 30<M≦70
  11. 【請求項11】 炭酸カルシウム固形分濃度M(重量
    %)が、下記(γ)の要件を満たす請求項1〜7のいず
    れか1項に記載の食品添加剤スラリー組成物。 (γ) 40<M≦70
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の食品添加剤スラリー組成物を乾燥粉末化してなる食品
    添加剤パウダー組成物。
  13. 【請求項13】 湿式粉砕機、高圧乳化分散装置、超音
    波分散機、ロールミルの少なくとも1種を用いて分散さ
    せることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に
    記載の食品添加剤スラリー組成物の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    の食品添加剤スラリー組成物及び/又はパウダー組成物
    を含有してなることを特徴とする食品組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100698897B1 (ko) 2005-08-11 2007-03-22 주식회사 일신웰스 식품첨가용 칼슘제 슬러리 조성물 및 이의 제조방법
JP2009526748A (ja) * 2006-02-17 2009-07-23 ベリトロン・リミテッド カルシウム吸収促進剤
JP5619318B1 (ja) * 2014-07-02 2014-11-05 白石工業株式会社 炭酸カルシウム水性懸濁液及び炭酸カルシウム乾燥組成物
WO2015141346A1 (ja) * 2014-03-17 2015-09-24 白石工業株式会社 炭酸カルシウム水性懸濁液、炭酸カルシウム乾燥組成物及びカルシウム強化食品

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