JPH09308460A - 高分散性を有する食品添加用カルシウム剤、及び該カルシウム剤を含有する食品組成物 - Google Patents

高分散性を有する食品添加用カルシウム剤、及び該カルシウム剤を含有する食品組成物

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JPH09308460A
JPH09308460A JP8150090A JP15009096A JPH09308460A JP H09308460 A JPH09308460 A JP H09308460A JP 8150090 A JP8150090 A JP 8150090A JP 15009096 A JP15009096 A JP 15009096A JP H09308460 A JPH09308460 A JP H09308460A
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fatty acid
calcium
weight
alkali metal
metal salt
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JP8150090A
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Juichi Hojo
壽一 北条
Naoki Kubota
直樹 久保田
Shiro Motoyoshi
嗣郎 源吉
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Maruo Calcium Co Ltd
Original Assignee
Maruo Calcium Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液中での分散性及び長期分散安定性の良好な
食品添加用カルシウム剤を提供する。 【解決手段】 下記(a)(b)の条件を具備するショ
糖脂肪酸エステルと、炭酸カルシウム及び/又は燐酸カ
ルシウムの混合物に、下記(c)(d)の条件を具備す
る脂肪酸のアルカリ金属塩を含有させたことを特徴とす
る。 (a)HLBが10以上のシヨ糖脂肪酸エステル、
(b)ショ糖脂肪酸エステル中の脂肪酸組成において、
該脂肪酸に占める炭素数18の脂肪酸の割合が50重量
%以上のショ糖脂肪酸エステル、(c)ショ糖脂肪酸エ
ステルに対する脂肪酸のアルカリ金属塩中のアルカリ金
属の割合が、0.1重量%以上1.5重量%以下、
(d)脂肪酸のアルカリ金属塩中の脂肪酸組成におい
て、該脂肪酸組成中に占める不飽和脂肪酸の割合Y(重
量%)が、下記(e)の条件を満たす脂肪酸のアルカリ
金属塩 (e) 100≧ Y >(−10X/14)+(15
/14) X:ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸のアルカリ金
属塩中のアルカリ金属の割合(重量%)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分散性を有する
食品添加用カルシウム剤及び該食品添加用カルシウム剤
を含有してなる食品組成物に関し、更に詳しくは、特に
牛乳・ヨーグルト・ジュース・ミルク粉末等の食品に添
加してカルシウムを強化するのに有効に利用される食品
添加用カルシウム剤において、水、牛乳、ヨーグルト、
ジュース類等の液中での分散安定性の良好で且つ高濃度
な食品添加用カルシウム剤スラリー、該食品加工用カル
シウム剤スラリーを乾燥粉末化したカルシウム剤パウダ
ー、及び該カルシウム剤を添加調製した食品組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、カルシウム摂取量の不足が指摘さ
れており、この傾向は育ち盛りの子供及び老人において
顕著である。このカルシウム摂取量の不足を解消するた
め、カルシウム強化食品が販売されるようになってきて
おり、一般的にカルシウムの含有量が多いとされている
牛乳においても、さらにカルシウムを添加してカルシウ
ム強化牛乳として提供することが試みられており、その
他ジュース、ミルク粉末類にもカルシウム強化した商品
も多数販売され始めている。例えば牛乳においては、カ
ルシウムを強化する目的で、乳酸カルシウム、塩化カル
シウム等の水溶性の無機又は有機酸カルシウム形態のカ
ルシウム、炭酸カルシウムあるいは燐酸カルシウム等の
水不溶性の無機形態のカルシウムが添加され使用されて
いる。
【0003】しかしながら水溶性の無機又は有機酸カル
シウム形態のカルシウムは、牛乳中のタンパク質の安定
性を阻害しやすく、一定量以上の配合が困難なため、カ
ルシウム原料として多量に使用することができないとい
う欠点を有していた。
【0004】一方水不溶性の無機形態のカルシウムは、
水不溶性のため牛乳中のタンパク質の安定性を阻害する
ことがないため、添加量の観点からは多量に用いること
が可能であるものの、該無機形態のカルシウムは全般に
比重が2.7以上と高く、牛乳中へ分散させた場合短時
間で沈澱するため、食品としての美観上好ましくなく、
結局その添加量は制限され多量に使用することができな
いという欠点を有していた。
【0005】この欠点を補い食品用途に多量のカルシウ
ムを添加することのできる方法については、数多く提案
されており、例えば牛乳中に用いる無機形態のカルシウ
ム剤スラリーの調製方法としては、特開昭64−695
13号公報には、炭酸カルシウム製造工程に於いて乾燥
粉末化工程を行わないスラリー状炭酸カルシウムもしく
はスラリー状炭酸カルシウムにHLB10以上の親水性
乳化剤を添加したものに超音波を照射し、炭酸カルシウ
ムの分散性を改良する方法が提案されている。その実施
例2には、10重量%のスラリー状炭酸カルシウムと約
6重量%のHLB15のショ糖脂肪酸エステルの水溶液
の混合物を、超音波照射することによる炭酸カルシウム
固形分が約8重量%のカルシウム剤スラリーの調製方法
が記載されている。
【0006】しかしながらこの方法で得られる8重量%
程度の低濃度炭酸カルシウム固形分では、従来の概念を
打破した良好な分散性を有するカルシウム剤は得られる
ものの、ロングライフ牛乳等の長期間保存可能食品への
添加が可能な0.3μm未満の平均粒子径を有する極め
て分散良好なカルシウム剤スラリーを調製することが困
難であり、調製し得たとしても、分散に要するエネルギ
ーコストは膨大となる。さらにこのエネルギーコストの
増加のみならず、カルシウム剤スラリーを各方面の使用
先に搬送する際に必要な、カルシウム剤スラリーの充填
容器、冷蔵費、輸送費等の流通コストも増大することに
なり好ましい方法とはいえなかった。
【0007】さらに特開平6−127909号公報に
は、HLBが16のショ糖ステアリン酸エステルと燐酸
カルシウムの混合物を特定の条件下において湿式粉砕し
て燐酸カルシウム分散体を調製する製造方法が、特開平
6−127939号公報にはHLBが16のショ糖ステ
アリン酸エステルと炭酸カルシウムの混合物を同様の方
法で湿式粉砕して炭酸カルシウム分散体を調製する製造
方法が提案されている。これらの方法によれば、0.3
μm未満の平均粒子径を有する極めて分散したカルシウ
ム剤スラリーを調製することは可能となるが、提案され
ているカルシウム剤スラリーのカルシウム剤固形分濃度
は約10重量%に過ぎず、特開昭64−69513号公
報の提案と同様流通経費の観点から充分な方法とはいえ
なかった。
【0008】このように従来の方法、つまりショ糖ステ
アリン酸エステルに代表されるショ糖脂肪酸エステルを
炭酸カルシウムや燐酸カルシウムの分散助剤として用い
る方法において、得られるカルシウム剤の固形分濃度を
充分高めることができなかった理由として、ショ糖脂肪
酸エステルの高濃度水溶液の調製の困難性を挙げること
ができる。
【0009】通常HLB15〜16程度のショ糖脂肪酸
エステル、例えばショ糖ステアリン酸エステルは、3重
量%以下の水溶液として調製され多方面の用途に使用さ
れるが、6重量%以上の水溶液の調製は特殊な溶解装置
を必要とし、該装置を使用したとしても7重量%を越え
る水溶液の調製は困難とされている。これはショ糖脂肪
酸エステルが60℃以上の温水には比較的溶解するもの
の、その溶解液を腐敗防止の目的等で10℃以下に冷却
した場合、容易にゲル化してしまい流動性を全く失う性
質を有しているからであり、且つ又ゲル化する際高温時
に温水中に溶解していたショ糖脂肪酸エステルが一部未
溶解物として析出し、該析出物が炭酸カルシウムや燐酸
カルシウム等の分散助剤としての機能を発揮できなくな
るからである。
【0010】例えば炭酸カルシウムと該炭酸カルシウム
に対し20重量%に相当するショ糖ステアリン酸エステ
ルを含有するカルシウム剤スラリーを調製する場合、仮
に20重量%の炭酸カルシウムの水懸濁液と、調製が困
難な7重量%のショ糖ステアリン酸エステルの水溶液を
混合使用したとしても、その混合物のカルシウム剤固形
分濃度は12.7重量%にすぎず、且つ該混合物の10
℃以下の冷却物は全く流動性を示さないものであるた
め、以降の分散等の処置を充分行うことができないわけ
である。
【0011】従ってカルシウム剤固形分濃度が15重量
%以上の流通コスト的に有利なカルシウム剤スラリーを
調製しようとする場合、従来技術においてはその調製が
不可能である約12重量%以上のショ糖ステアリン酸エ
ステルの水溶液を、10℃以下でも充分流動性を保持し
た状態で調製する必要があり、解決を要する問題点とな
っていた。又、特公平2−31942には、スラリー状
形態の炭酸カルシウムと親水性乳化剤の混合物を脱水処
理した後真空乾燥を行う、炭酸カルシウム複合体粉体の
製造方法が提案されている。この方法によれば、炭酸カ
ルシウム複合体の乾燥粉末が得られるため、流通過程に
おける冷蔵輸送の必要はなくなり又流通コストは前述の
方法と比較し大幅に低減可能となるため、流通経済的に
は有利になる反面、真空乾燥という特殊で経済的でない
乾燥方法を用いなければならず、さらにこの方法により
得られる炭酸カルシウムを再度水に再分散に分散させた
場合に得られる炭酸カルシウムの平均粒子径は、0.9
〜1.0μm程度でしかないため、この方法により得ら
れる炭酸カルシウムを添加した牛乳は、その製造工程中
におけるクラリファイアー等の遠心分級機における炭酸
カルシウムの歩留まりが悪く、又牛乳等の食品中におい
て沈降しやすく、ロングライフ牛乳等の長期間保存可能
食品への添加用途には良好とはいえなかった。
【0012】さらに特開平−197736公報には、H
LBが16のショ糖ステアリン酸エステルと燐酸カルシ
ウムあるいは炭酸カルシウムの混合物からなるカルシウ
ム剤スラリーをスプレードライヤー等の乾燥機を用いて
乾燥粉末を調製する製造方法が提案されているが、乾燥
原料であるカルシウム剤スラリーのカルシウム剤の固形
分濃度は共に10重量%程度と低濃度であり、乾燥エネ
ルギーのみならず乾燥機設備の投資額の観点からも改善
すべき問題点となっていた。
【0013】最近、牛乳、ジュース類液体食品の長期間
保存可能な容器、保存方法の進歩に伴い、該食品を販売
店、自動販売機、家庭内の大型冷蔵庫等において長期間
保存するケースが増加しており、同種の食品にカルシウ
ム強化の目的で添加されている炭酸カルシウム粒子は、
その食品中における分散状態が極めて良好でない場合、
長期間の液体食品の保存の間に食品容器底部に沈澱して
しまい、牛乳、ジュース類液体食品を飲用する際、その
沈澱物が飲用者に不快感、不清潔感を与えることが多く
なっている。従って現在カルシウム強化の目的で従来技
術で調製された炭酸カルシウム等の無機粒子を添加し市
販されている液体食品類は、該無機粒子の食品中におけ
る分散安定期間が短いため、該無機粒子の添加量は極少
量に制限される必要があり、又一般消費者が購入後1〜
2日の間に必ず食用に用いられるような液体食品に制限
される必要があり、好ましくなかった。
【0014】本発明は、かかる実状に鑑み、上記課題を
解決した、流通経済性、エネルギー省力化特性に優れ且
つ牛乳等の食品への添加剤として好適な高分散性を有す
る食品添加用カルシウム剤スラリー及びパウダー、及び
該カルシウム剤スラリー又はパウダーを添加調製してな
る食品組成物を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、下記
(a)(b)の条件を具備するショ糖脂肪酸エステル
と、炭酸カルシウム及び/又は燐酸カルシウム(以下、
カルシウム剤という)の混合物に、下記(c)(d)の
条件を具備する脂肪酸のアルカリ金属塩を含ませたこと
を特徴とする食品添加用カルシウム剤を内容とする。 (a)HLBが10以上のショ糖脂肪酸エステル (b)ショ糖脂肪酸エステル中の脂肪酸組成において、
該脂肪酸に占める炭素数18の脂肪酸の割合が50重量
%以上のショ糖脂肪酸エステル (c)ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸のアルカリ
金属塩の割合が、0.1重量%以上1.5重量%以下 (d)脂肪酸のアルカリ金属塩中の脂肪酸組成におい
て、該脂肪酸組成中に占める不飽和脂肪酸の割合Y(重
量%)が、下記(e)を満たす脂肪酸のアルカリ金属塩 (e) 100≧ Y >(−10X/14)+(15
/14) X:ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸のアルカリ金
属塩の割合(重量%)
【0016】本発明の第2は、前述の方法により得られ
る食品添加物用カルシウム剤を添加してなる食品組成物
を内容とするものである。
【0017】以下、本発明を詳述する。本発明に用いる
炭酸カルシウムは、炭酸カルシウムを50重量%以上含
有する卵殻等の天然炭酸カルシウム、コーラル炭酸カル
シウム、重質炭酸カルシウム、合成炭酸カルシウムであ
ればよいが、水酸化カルシウムの水懸濁液である石灰乳
と炭酸ガスを反応させる炭酸ガス法に代表される化学的
合成方法により調製される合成炭酸カルシウムが好まし
く、その窒素吸着法(BET法)による比表面積は、2
m2/g〜100m2/gの範囲が好ましく、6m2/g〜6
0m2/gの範囲がさらに好ましい。
【0018】本発明でいう燐酸カルシウムとは、燐酸の
カルシウム塩からなる無機物を指称し、燐酸カルシウム
としては、燐酸カルシウムを50重量%以上含有する乳
清ミネラル等の天然燐酸カルシウム、牛骨、合成燐酸カ
ルシウムであればよいが、ピロ燐酸二水素カルシウム、
燐酸一水素カルシウム、燐酸三カルシウムが好ましい。
これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0019】本発明の原料として用いる炭酸カルシウ
ム、燐酸カルシウム(カルシウム剤)の形態に関して
は、通常の方法で調製されるカルシウム剤の水懸濁液で
もよく、又該水懸濁を常法に従い脱水、乾燥、粉砕を経
て調製されるカルシウム剤の粉体に、再度水を添加して
調製される水懸濁液でもよいが、食品添加物規格厳守、
及び衛生管理面の観点から、後者の形態を採用するのが
好ましい。
【0020】後者の方法を用いる場合、使用する炭酸カ
ルシウムの粉体のpHに関しては、本発明に使用するシ
ョ糖脂肪酸エステルの機能低下防止、及び粉砕及び分級
時の効率の上昇の観点から、炭酸カルシウム粉体の固形
分濃度20重量%の水懸濁液200ccを、300W,
20kHzで10分間超音波処理した後の水懸濁液の2
5℃におけるpHが、11.7以下の炭酸カルシウム粉
体を使用するのが好ましく、より好ましくは11.5以
下であればよい。
【0021】次に、前述のカルシウム剤を用いてカルシ
ウム剤とショ糖脂肪酸エステルと水の混合スラリーを調
製するのであるが、この調製方法は以下(ア)(イ)
(ウ)に示す3種類の方法に大別されるが、何れの方法
を採用しても良い。
【0022】(ア)カルシウム剤と水からなるカルシウ
ム剤の水懸濁液を、化学的分散方法、粉砕機及び/又は
分散機を用いる物理的方法により、粉砕及び/又は分散
処理した後、ショ糖脂肪酸エステルを添加処理する。
【0023】(イ)カルシウム剤とショ糖脂肪酸エステ
ルと水からなるカルシウム剤の水懸濁液を、化学的分散
方法、粉砕機及び/又は分散機を用いる物理的方法によ
り、粉砕及び/又は分散処理する。
【0024】(ウ)カルシウム剤と水からなるカルシウ
ム剤の水懸濁液を、化学的分散方法、粉砕機及び/又は
分散機を用いる物理的方法により、粉砕及び/又は分散
処理した後、ショ糖脂肪酸エステルを添加処理し、さら
に粉砕機及び/又は分散機を用いる物理的方法により、
粉砕及び/又は分散処理する。
【0025】上記(ア)(イ)(ウ)の本発明の方法に
おいて、カルシウム剤とショ糖脂肪酸エステルと水の混
合スラリーを調製するに好ましい要件としては、該混合
スラリー中のカルシウム剤の粒度分布における重量(体
積)平均径V(μm)と、カルシウム剤100重量部に
対するショ糖脂肪酸エステルの添加重量部Wが、下記
(h)の要件を具備することであり、かなり長期間の保
存分散安定性を要求される食品用途には(i)の要件を
具備する事がより好ましく、最も好ましくは(j)の要
件を具備することである。 (h) W≧(1.87/V)+6.17 (i) W≧(1.87/V)+7.67 (j) W≧(1.87/V)+9.17
【0026】又、前述のカルシウム剤とショ糖脂肪酸エ
ステルと水の混合スラリーを調製するに不可欠の要件と
しては、下記(a)(b)の条件を具備するショ糖脂肪
酸エステルと、炭酸カルシウム及び/又は燐酸カルシウ
ム(カルシウム剤)の混合物において、該混合物に下記
(c)(d)の条件を具備する脂肪酸のアルカリ金属塩
を含ませることである。 (a)HLBが10以上のショ糖脂肪酸エステル (b)ショ糖脂肪酸エステル中の脂肪酸組成において、
該脂肪酸に占める炭素数18の脂肪酸の割合が50重量
%以上のショ糖脂肪酸エステル (c)ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸のアルカリ
金属塩の割合が、0.1重量%以上1.5重量%以下 (d)脂肪酸のアルカリ金属塩中の脂肪酸組成におい
て、該脂肪酸組成中に占める不飽和脂肪酸の割合Y(重
量%)が、下記(e)の条件である脂肪酸のアルカリ金
属塩 (e) 100≧ Y >(−10X/14)+(15
/14) X:ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸のアルカリ金
属塩の割合(重量%)
【0027】本発明で使用されるショ糖脂肪酸エステル
は、食品添加物規格に適合するHLBが10以上のショ
糖脂肪酸エステルであり、中でもHLBが15以上のシ
ョ糖脂肪酸エステルが好ましい。ショ糖脂肪酸エステル
中の脂肪酸組成においては、該脂肪酸に占める炭素数1
8の脂肪酸の割合が50重量%以上のショ糖脂肪酸エス
テルであれば良いが、好ましくは60重量%以上、より
好ましくは65重量%以上である。ショ糖脂肪酸エステ
ル中の脂肪酸組成における、該脂肪酸に占める炭素数1
8の脂肪酸の割合が50重量%未満の場合、カルシウム
剤の牛乳等の食品中での安定性に乏しくなるばかりでな
く、風味の点で苦みを呈してゆく傾向にあるため、好ま
しくない。
【0028】又、混合スラリー中の脂肪酸のアルカリ金
属塩の含有量については、ショ糖脂肪酸エステルに対し
て0.1重量%以上1.5重量%以下であれば良いが、
好ましくは0.3重量部以上1.5重量%以下、より好
ましくは0.5重量%以上1.5重量%以下である。該
含有量が、0.1重量%未満の場合は、ショ糖脂肪酸エ
ステルの冷水中への溶解性を阻害する傾向があり、その
結果カルシウム剤の牛乳等の食品中での安定性が乏しい
ため好ましくなく、1.5重量%を越える場合は食品添
加物として使用するのに好ましくない。
【0029】又、脂肪酸のアルカリ金属塩中の脂肪酸組
成における不飽和脂肪酸とは、リノレン酸、リノ−ル
酸、オレイン酸、リシノ−ル酸、パルミトレイン酸等が
例示出来るが、これらのみに限定されるものではない。
尚、これらの不飽和脂肪酸の中で最も好ましいものはオ
レイン酸である。脂肪酸のアルカリ金属塩とは、Na
塩、K塩等で例示出来る。
【0030】脂肪酸のアルカリ金属塩中の脂肪酸組成に
おける該脂肪酸組成中に占める不飽和脂肪酸の割合Y
(重量%)については、下記(e)の条件を満たしてい
れば良いが、好ましくは、下記(f)、より好ましく
は、下記(g)の条件を満たせばよい。脂肪酸のアルカ
リ金属塩中の脂肪酸組成における該脂肪酸組成中に占め
る不飽和脂肪酸の割合Y(重量%)が、下記(e)の条
件を満たさない場合、ショ糖脂肪酸エステルの大部分が
冷水中においてほとんど溶解せず、カルシウム剤の牛乳
等の食品中での安定性が極めて乏しくなり保存安定性の
悪い食品が得られるのみならず、高濃度で且つ充分低粘
度のショ糖脂肪酸エステルの水溶液を得ることができな
いため、高濃度カルシウム剤スラリーを調製することが
できず、好ましくない。 (e) 100≧ Y >(−10X/14)+(15/14) (f) 100≧ Y >(−100X/14)+(150/14) (g) 100≧ Y >(−200X/14)+(300/14) X:ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸のアルカリ金
属塩の割合(重量%)
【0031】これら脂肪酸のアルカリ金属塩及び該脂肪
酸のアルカリ金属塩中の不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩
については、本発明に使用する炭酸カルシウム及び/又
はショ糖脂肪酸エステル中に含ませてもよく、又炭酸カ
ルシウムとショ糖脂肪酸エステルの混合物を調製する際
別途添加してもその効果は同じである。
【0032】混合スラリー中のカルシウム剤の粒度分布
における重量(体積)平均径V(μm)については、下
記(k)の要件を具備することが好ましく、かなり長期
間の保存分散安定性を要求される食品用途には(l)の
要件を具備する事がより好ましい。 (k)0.04≦V<0.5 (l)0.04≦V<0.3
【0033】混合スラリー中のカルシウム剤の粒度分布
における重量(体積)平均径を0.5以下に調製する方
法については、前述の(ア)(イ)(ウ)に記載した方
法によればよいが、物理的方法による粉砕及び/又は分
散方法については、ダイノーミル、サンドミル、コボー
ルミル等の湿式粉砕機、ナノマイザ−、マイクロフルイ
タイザ−、ホモゲナイザ−等の圧力式分散機、超音波分
散機、3本ロールミル等のロールミルが好ましく使用で
きるが、食品添加物規格厳守の観点から、原料カルシウ
ム剤としてカルシウム剤粉体を用いる場合、特開平5−
319817公報、特開平6−127909公報に記載
の方法が例示できる。又、化学的分散方法としては、特
開平5−344862公報に記載の方法が例示できる。
【0034】本発明におけるカルシウム剤とHLBが1
0以上のショ糖脂肪酸エステルと水の混合スラリー中の
カルシウム剤の粒度分布における重量平均径は、下記の
要領で測定計算されたものである。 測定機種 : 島津製作所製 SA−CP3 試料の調製:65℃に加温した混合スラリーを、下記2
5℃の溶媒中に滴下し、粒度分布測定試料とする。 溶媒 :イオン交換水にポリアクリル酸ソーダ0.
004重量%溶解させた水溶液 予備分散 :SKディスパーザー(セイシン企業製)を
用い、超音波分散100秒 測定温度 :27.5℃±2.5℃
【0035】以上のようにして調製されるカルシウム剤
とHLBが10以上のショ糖脂肪酸エステルと水の混合
スラリーからなる食品添加用カルシウム剤スラリーを、
乾燥粉末化することにより、本発明の食品添加用カルシ
ウム剤パウダーは調製される。混合スラリーの乾燥につ
いて、乾燥機に特別の制限はないが、ショ糖脂肪酸エス
テルの変質防止の観点から極めて短時間に乾燥を行うの
が望ましく、この観点から乾燥機としては、スプレード
ライヤー、セラミック媒体を加熱流動状態で用いるスラ
リードライヤー等の液滴噴霧型乾燥機を用いるのが望ま
しい。
【0036】本発明により調製される食品添加用カルシ
ウム剤スラリー及びパウダーは、水中における再分散性
が極めて良好であり、特殊な分散機、攪拌機等を用いず
とも容易に水中に分散する。
【0037】本発明により調製される食品添加用カルシ
ウム剤スラリー及びパウダーを用いて、食品、例えばカ
ルシウム強化牛乳調製する方法に関しては、本発明の方
法により調製されるカルシウム剤パウダーを牛乳に直接
添加して攪拌し、牛乳中にカルシウム剤を分散させるだ
けで充分であるが、該カルシウム剤スラリー又はパウダ
ーを前もって水中に分散させ得られるカルシウム剤水分
散液を牛乳に添加しても差し支えない。又還元乳では、
本発明により調製されるカルシウム剤スラリー又はパウ
ダーを水中で分散させ、該分散液を60℃程度の温度で
溶解したバター又はバターオイルに加えて高速攪拌して
分散させ、次いでこれに還元脱脂乳あるいは脱脂乳を加
え、均質化すればよい。
【0038】本発明で調製したカルシウム強化牛乳は、
クラリファイヤーで除去されるカルシウム剤の量は殆ど
無いに等しく、従来の方法で調製されたカルシウム剤ス
ラリー又はパウダーを添加した場合に比べて、大幅に減
少する。即ち、本発明により調製される食品添加用炭酸
カルシウムを添加した牛乳、ジュース類中には、カルシ
ウム剤が極めて安定に保持されている。また、本発明で
調製した炭酸カルシウムは、分散性が良好であるため、
牛乳等に添加する際の攪拌時間が少なくてすみ、したが
って、バター中で長時間攪拌した場合に見られるような
カルシウム剤の凝集は起こらない。
【0039】又、本発明の食品添加用カルシウム剤パウ
ダーを、粉体状ミルク、粉体状クリームと混合すること
により、カルシウム強化粉体状ミルク、粉体状クリーム
を容易に調製でき、これらカルシウム強化粉体状ミル
ク、粉体状クリームをコーヒー飲用の際添加飲用して
も、食感上の不快感、カルシウム剤等の沈降による違和
感はまったくない。これらカルシウム強化粉体状ミル
ク、粉体状クリームの調製方法については、粉体状ミル
ク、粉体状クリームに本発明のカルシウム剤パウダーを
混合してもよく、又、本発明の食品添加用カルシウム剤
スラリーをミルク又はクリームと混合後、該混合物をス
プレードライヤー等で乾燥粉末化させてもよい。
【0040】本発明のカルシウム剤パウダーは、上記用
途以外に、クリーム、ヨーグルト、コーヒー、紅茶、ウ
ーロン茶等の液体食品、ワイン、酒等のアルコール飲料
等にカルシウム強化の目的で使用することができる。又
本発明のカルシウム剤スラリー及びパウダーは、乳酸カ
ルシウム、塩化カルシウム等の水可溶性カルシウム塩と
併用しても何等さしつかえない。
【0041】
【実施例】以下に実施例、比較例を示し本発明をより詳
細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。
【0042】実施例1 比重1.045で温度が10℃の石灰乳10000リッ
ターに、炭酸ガス濃度27重量%の炉ガス(以下炭酸ガ
スと略記する)を24m3/minの流速で導通し炭酸化
反応を行い、25℃におけるpHがpH9.2の炭酸カ
ルシウムの水懸濁液を得た。次にpH9.2の炭酸カル
シウム水懸濁液を、40℃で12時間攪拌し、炭酸カル
シウム水懸濁液の25℃におけるpHが11.8に達し
た時点でフィルタープレスを用いて脱水し、炭酸カルシ
ウム固形分濃度が48重量%の脱水ケーキを得た。次に
得られた脱水ケーキに再度水を加え攪拌し、脱水前の炭
酸カルシウム水懸濁液と同一濃度の炭酸カルシウム水懸
濁液を得た。該炭酸カルシウム水懸濁液のpHは11.
5であった。この炭酸カルシウム水懸濁液に再度炭酸ガ
スを導通し、炭酸カルシウム水懸濁液のpHを7.0に
低下せしめた。得られた炭酸カルシウムの窒素吸着法に
よる比表面積を、柴田科学機工業表面積測定装置SA−
1000を用いて測定した結果、28m2/gであった。
次に前述の希釈水懸濁液をロータリー濃縮機を用い脱水
し、炭酸カルシウム固形分濃度が20%の含水炭酸カル
シウムを得た。又、別途、70℃の温水にHLBが16
のショ糖ステアリン酸エステルを12重量%の濃度で溶
解させ、5℃まで冷却し、上記で調製された含水炭酸カ
ルシウム中の炭酸カルシウム100重量部に対し、HL
Bが16のショ糖ステアリン酸エステル20重量部を添
加し強力に攪拌混合することにより、炭酸カルシウム固
形分濃度が15重量%の、カルシウム剤と水とショ糖ス
テアリン酸エステルとからなる食品添加用カルシウム剤
スラリーを調製した。ショ糖ステアリン酸エステルの水
溶液の粘度は充分に低く、含水炭酸カルシウムとの混合
は何ら支障なく行うことができ、得られた食品添加用高
濃度カルシウム剤スラリーの流動性についても問題なか
った。該スラリー中の炭酸カルシウムの粒度分布におけ
る重量(体積)平均径は、0.19μmであった。尚、
前述のショ糖ステアリン酸エステルは、ショ糖ステアリ
ン酸エステル中の脂肪酸組成において、該脂肪酸に占め
る炭素数18の脂肪酸の割合が67重量%のものであ
り、又、該混合スラリー中に含まれる脂肪酸のアルカリ
金属塩の割合は、ショ糖ステアリン酸エステルに対して
1.0重量%であり、且つ、該脂肪酸組成中に占めるオ
レイン酸の割合Yが、30.0重量%であった。本実施
例の高濃度カルシウム剤スラリーの調製条件及び得られ
た炭酸カルシウムの重量平均径を、表1,2に示す。
【0043】実施例2,3,4,5,6,7 表1,2に示す調製条件を除き他は実施例1と同様の条
件で、炭酸カルシウムと水とショ糖ステアリン酸エステ
ルとからなる食品添加用カルシウム剤スラリーを調製し
た。ショ糖ステアリン酸エステルの水溶液の粘度は充分
に低く、含水炭酸カルシウムとの混合は何ら支障なく行
うことができ、得られた食品添加用高濃度カルシウム剤
スラリーの流動性についても問題なかった。本実施例の
高濃度カルシウム剤スラリーの調製条件及び得られた炭
酸カルシウムの重量平均径を、表1,2に示す。
【0044】実施例8 強アンモニア性塩化カルシウム溶液に第二燐酸アンモニ
ウムを添加攪拌後、脱水を行い、得られるケーキを数度
水洗した後、乾燥、乾式粉砕を行い白色粉体を得た。X
回折測定により該白色粉体が燐酸三カルシウムであるこ
とを確認した。この白色粉体の窒素吸着法による比表面
積を、柴田科学器機工業製表面積測定装置SA−100
0を用いて測定した結果、18m2/gであった。該燐酸
三カルシウム粉体に水を添加し、燐酸カルシウム固形分
濃度が20重量%の水懸濁液を調整し、湿式粉砕機ダイ
ノ−ミルKDパイロット型を用い湿式粉砕を行い、燐酸
カルシウムの水分散液を得た。又、別途、70℃の温水
にHLBが16のショ糖ステアリン酸エステルを12重
量%の濃度で溶解させ、5℃まで冷却し、上記で調製さ
れた燐酸カルシウムの水分散体中の燐酸カルシウム10
0重量部に対し、HLBが16のショ糖ステアリン酸エ
ステル20重量部を添加し強力に攪拌混合することによ
り、燐酸カルシウム固形分濃度が15重量%の、カルシ
ウム剤と水とショ糖ステアリン酸エステルとからなる食
品添加用高濃度カルシウム剤スラリーを調製した。該ス
ラリー中の燐酸カルシウムの粒度分布における重量(体
積)平均径は、0.20μmであった。尚、前述のショ
糖ステアリン酸エステルは、ショ糖ステアリン酸エステ
ル中の脂肪酸組成において、該脂肪酸に占める炭素数1
8の脂肪酸の割合が67重量%のものであり、又、該混
合スラリ−中に含まれる脂肪酸のアルカリ金属塩の割合
は、ショ糖ステアリン酸エステルに対して0.90重量
%であり、且つ、該脂肪酸組成中に占めるオレイン酸の
割合Yが、1.0重量%であった。ショ糖ステアリン酸
エステルの水溶液の粘度は充分に低く、燐酸カルシウム
の水分散体との混合は何ら支障なく行うことができ、得
られた食品添加用高濃度カルシウム剤スラリーの流動性
についても問題なかった。本実施例の高濃度カルシウム
剤スラリーの調製条件及び得られた炭酸カルシウムの重
量平均径を、表1,2に示す。
【0045】本実施例におけるダイノーミルKDパイロ
ット型を用いた湿式粉砕条件を以下にしめす。 粉砕条件A:80 粉砕条件B:4 粉砕条件C:14 粉砕条件D:20 粉砕条件E:70 粉砕条件F:0.8 A:湿式粉砕機に用いるメディアの充填量であり、湿式
粉砕機の粉砕室(ベッセル容器)容積中に占めるメディ
アの容積量(体積%) B:湿式粉砕機に用いるメディアの真比重 C:湿式粉砕機のディスク又はローターの周辺速度(m
/秒) D:湿式粉砕するカルシウム剤の水懸濁液の、カルシウ
ム剤固形分濃度(%) E:湿式粉砕するカルシウム剤
の水懸濁液の、湿式粉砕機の粉砕室中に滞留する時間
(分) F:湿式粉砕機に用いるメディアの粒子径(m
m)
【0046】実施例9 実施例1で得られた食品添加物用カルシウム剤スラリー
を、スプレードライヤーを用いて乾燥し、白色の食品添
加物用カルシウム剤パウダーを得た。次に該食品添加用
カルシウム剤パウダーを65℃の温水に添加し、ホモミ
キサーにより12000rpmで15分間攪拌し、炭酸
カルシウム固形分濃度が15重量%の再分散液を調製し
た。該再分散液中のカルシウム剤の粒度分布における重
量(体積)平均径は、0.20μmであった。得られた
食品添加用高濃度カルシウム剤再分散液の流動性につい
ては問題なかった。本実施例の高濃度カルシウム剤再分
散液の調製条件及び得られた炭酸カルシウムの重量平均
径を、表1,2に示す。
【0047】実施例10 実施例8で得られた食品添加物用カルシウム剤スラリー
を、実施例9と同様スプレードライヤーを用いて乾燥
し、白色の食品添加物用カルシウム剤パウダーを得た。
次に該食品添加用カルシウム剤パウダーを65℃の温水
に添加し、ホモミキサーにより12000rpmで15
分間攪拌し、燐酸カルシウム固形分濃度が15重量%の
再分散液を調製した。該再分散液中のカルシウム剤の粒
度分布における重量(体積)平均径は、0.22μmで
あった。得られた食品添加用高濃度カルシウム剤再分散
液の流動性については問題なかった。本実施例の高濃度
カルシウム剤再分散液の調製条件及び得られた燐酸カル
シウムの重量平均径を、表1,2に示す。
【0048】実施例11 表1,2に示す調製条件を除き他は実施例1と同様の条
件で、炭酸カルシウムと水とショ糖ステアリン酸エステ
ルとからなる食品添加用カルシウム剤スラリーを調製し
た。ショ糖ステアリン酸エステルの水溶液の濃度が低か
ったためその粘度は非常に低く、得られた食品添加用高
濃度カルシウム剤スラリーの流動性についても問題なか
った。本実施例の高濃度カルシウム剤スラリーの調製条
件及び得られた炭酸カルシウムの重量平均径を、表1,
2に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】比較例1,2,3,4 表1,2に示す調製条件を除き他は実施例1と同様の条
件で、炭酸カルシウムと水とショ糖ステアリン酸エステ
ルとからなる食品添加用カルシウム剤スラリーを調製し
た。ショ糖ステアリン酸エステルの水溶液はゲル状を呈
し流動性が全くなく、含水炭酸カルシウムとの混合は充
分に行うことができず、得られた食品添加用高濃度カル
シウム剤は流動性のないペーストとなった。本比較例の
高濃度カルシウム剤ペーストの調製条件及び得られた炭
酸カルシウムの重量平均径を、表3,4に示す。
【0052】比較例5,6,7,8 比較例1,2,3,4において良好な分散性を有する高
濃度カルシウム剤スラリーが得られなかったため、ショ
糖ステアリン酸エステルの水溶液の溶解濃度を7重量%
から3重量%に変更することを除き他は比較例1,2,
3,4と同様の方法で、炭酸カルシウムと水とショ糖ス
テアリン酸エステルとからなる食品添加用カルシウム剤
スラリーを調製した。ショ糖ステアリン酸エステルの水
溶液の濃度が低かったためその粘度は充分に低く、含水
炭酸カルシウムとの混合は何ら支障なく行うことができ
たが、得られた食品添加用カルシウム剤スラリーの炭酸
カルシウム固形分濃度は6重量%と低いものであった。
本比較例の低濃度カルシウム剤スラリーの調製条件及び
得られた炭酸カルシウムの重量平均径を、表3,4に示
す。
【0053】比較例9,10,11,12 比較例1,2,3,4において得られた食品添加物用カ
ルシウム剤ペースト各々に水を加え、炭酸カルシウムの
固形分濃度が6重量%に成るよう調節し、各々の食品添
加物用カルシウム剤ペーストを流動化せしめた後、実施
例9と同様スプレードライヤーを用いて乾燥し、白色の
食品添加物用カルシウム剤パウダーを得た。次に該食品
添加用カルシウム剤パウダーを65℃の温水に添加し、
ホモミキサーにより12000rpmで15分間攪拌
し、炭酸カルシウム固形分濃度が12.7重量%の再分
散液を調製した。得られた食品添加用高濃度カルシウム
剤再分散液の流動性は全くなく、ペースト状を呈してお
り、各々の炭酸カルシウムの分散状態も比較例1,2,
3,4と比較しさらに悪化していた。本比較例の高濃度
カルシウム剤再ペーストの調製条件及び得られた炭酸カ
ルシウムの重量平均径を、表3,4に示す。該再分散液
中の各々のカルシウム剤の粒度分布における重量平均径
を表1に示す。
【0054】比較例13 市販のグリセリン脂肪酸エステルでコーティングされた
コロイド性炭酸カルシウムパウダー(白石カルシウム社
製、コロカルソMG、窒素吸着法による比表面積17m2
/g)を70℃の温水に添加し、ホモミキサーにより1
2000rpmで15分間攪拌し、カルシウム剤固形分
濃度が12.7重量%の再分散ペーストを調製した。該
再分散液中の各々のカルシウム剤の粒度分布における重
量(体積)平均径を表4に示す。
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】次に、実施例1〜11、比較例1〜13で
調製された食品添加用カルシウム剤スラリー(ペースト
状を含む)、食品添加物用カルシウム剤の再分散スラリ
−(ペースト状を含む)を用い、各々のカルシウム剤固
形分濃度が0.65重量%になるように希釈し、希釈液
を60℃に加温後100mlのメスシリンダーにとり、
10℃まで冷却後10℃で静置し、炭酸カルシウムの沈
澱により生ずる透明部分とカルシウム剤分散部分の白色
部分の界面の高さの経時変化、沈降物の量の経時変化を
目視判断し、各再分散液の水中における安定性を調べ
た。メスシリンダーに刻まれたml単位の表示を読みと
り、その結果を下記の5段階表示により表5に示す。
【0058】(界面の高さ) 界面がほぼ98以上100mlである・・・・・・・5 界面が95以上98未満である・・・・・・・・・・4 界面が90以上95未満である・・・・・・・・・・3 界面が50以上90未満である・・・・・・・・・・2 界面が50未満である・・・・・・・・・・・・・・1
【0059】(沈澱の量) 殆ど確認できない・・・・・・・・・・・・・・・・5 わずかに沈澱が確認できる・・・・・・・・・・・・4 0.5mm未満程度の沈澱がある・・・・・・・・・3 0.5mm以上2mm未満の沈澱がある・・・・・・2 2mm以上の沈澱がある・・・・・・・・・・・・・1
【0060】
【表5】
【0061】実施例12 前述の実施例1で調製した食品添加用カルシウム剤スラ
リー500gを、60℃で溶解させたバター300g中
に分散させ、これを脱脂乳9.6kg中に添加攪拌し、
次いで殺菌してカルシウム強化牛乳を得た。このカルシ
ウム強化牛乳を100mlのメスシリンダーにとり、5
℃で保存し、定期的にメスシリンダー中の牛乳を静かに
廃棄し、メスシリンダー底部に残存している沈降物の量
の経時変化を目視観察した。その結果を下記の4段階表
示により表6に示す。
【0062】(沈澱の量) 殆ど確認できない・・・・・・・・・・・・・・・・4 わずかに沈澱が確認できる・・・・・・・・・・・・3 少し沈殿が確認できる・・・・・・・・・・・・・・2 かなり大量の沈澱が確認できる・・・・・・・・・・1
【0063】実施例13〜実施例22 前述の実施例2〜実施例11で調製した食品添加用カル
シウム剤スラリー、又は食品添加用カルシウム剤パウダ
ーの再分散液を用い、実施例12と同一のカルシウム剤
濃度になるよう採取する食品添加用カルシウム剤スラリ
ー、又は食品添加用カルシウム剤パウダーの再分散液の
量を変化させることを除き他は実施例12と同様の方法
でカルシウム強化牛乳を得た。又、これらのカルシウム
強化牛乳の沈澱量を、実施例12に示す同様の方法で観
察した。その結果を表6に示す。
【0064】比較例14〜比較例26 前述の比較例1〜比較例13で調製した食品添加用カル
シウム剤スラリー、又は食品添加用カルシウム剤パウダ
ーの再分散液を用い、実施例12と同一のカルシウム剤
濃度になるよう採取する食品添加用カルシウム剤スラリ
ー、又は食品添加用カルシウム剤パウダーの再分散液の
量を変化させることを除き他は実施例12と同様の方法
でカルシウム強化牛乳を得た。又、これらのカルシウム
強化牛乳の沈澱量を、実施例12に示す同様の方法で観
察した。その結果を表6に示す。
【0065】
【表6】
【0066】
【発明の効果】以上のように、本発明の食品添加用カル
シウム剤スラリー及びパウダーは、液中での再分散性、
及び液中での長期分散安定性が極めて優れており、この
食品添加用カルシウム剤パウダーを用いて調製される食
品組成物は、長期間の保存安定性が極めて優れている。
さらにまた本発明では、高濃度の食品添加用カルシウム
剤スラリーが調製でき、流通コストの低減、食品添加用
カルシウム剤パウダーの製造コスト及び製造設備費の削
減が可能となる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 高分散性を有する食品添加用カルシウ
ム剤、及び該カルシウム剤を含有する食品組成物
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分散性を有する
食品添加用カルシウム剤及び該食品添加用カルシウム剤
を含有してなる食品組成物に関し、更に詳しくは、特に
牛乳・ヨーグルト・ジュース・ミルク粉末等の食品に添
加してカルシウムを強化するのに有効に利用される食品
添加用カルシウム剤において、水、牛乳、ヨーグルト、
ジュース類等の液中での分散安定性の良好で且つ高濃度
な食品添加用カルシウム剤スラリー、該食品加工用カル
シウム剤スラリーを乾燥粉末化したカルシウム剤パウダ
ー、及び該カルシウム剤を添加調製した食品組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、カルシウム摂取量の不足が指摘さ
れており、この傾向は育ち盛りの子供及び老人において
顕著である。このカルシウム摂取量の不足を解消するた
め、カルシウム強化食品が販売されるようになってきて
おり、一般的にカルシウムの含有量が多いとされている
牛乳においても、さらにカルシウムを添加してカルシウ
ム強化牛乳として提供することが試みられており、その
他ジュース、ミルク粉末類にもカルシウム強化した商品
も多数販売され始めている。例えば牛乳においては、カ
ルシウムを強化する目的で、乳酸カルシウム、塩化カル
シウム等の水溶性の無機又は有機酸カルシウム形態のカ
ルシウム、炭酸カルシウムあるいは燐酸カルシウム等の
水不溶性の無機形態のカルシウムが添加され使用されて
いる。
【0003】しかしながら水溶性の無機又は有機酸カル
シウム形態のカルシウムは、牛乳中のタンパク質の安定
性を阻害しやすく、一定量以上の配合が困難なため、カ
ルシウム原料として多量に使用することができないとい
う欠点を有していた。
【0004】一方水不溶性の無機形態のカルシウムは、
水不溶性のため牛乳中のタンパク質の安定性を阻害する
ことがないため、添加量の観点からは多量に用いること
が可能であるものの、該無機形態のカルシウムは全般に
比重が2.7以上と高く、牛乳中へ分散させた場合短時
間で沈澱するため、食品としての美観上好ましくなく、
結局その添加量は制限され多量に使用することができな
いという欠点を有していた。
【0005】この欠点を補い食品用途に多量のカルシウ
ムを添加することのできる方法については、数多く提案
されており、例えば牛乳中に用いる無機形態のカルシウ
ム剤スラリーの調製方法としては、特開昭64−695
13号公報には、炭酸カルシウム製造工程に於いて乾燥
粉末化工程を行わないスラリー状炭酸カルシウムもしく
はスラリー状炭酸カルシウムにHLB10以上の親水性
乳化剤を添加したものに超音波を照射し、炭酸カルシウ
ムの分散性を改良する方法が提案されている。その実施
例2には、10重量%のスラリー状炭酸カルシウムと約
6重量%のHLB15のショ糖脂肪酸エステルの水溶液
の混合物を、超音波照射することによる炭酸カルシウム
固形分が約8重量%のカルシウム剤スラリーの調製方法
が記載されている。
【0006】しかしながらこの方法で得られる8重量%
程度の低濃度炭酸カルシウム固形分では、従来の概念を
打破した良好な分散性を有するカルシウム剤は得られる
ものの、ロングライフ牛乳等の長期間保存可能食品への
添加が可能な0.3μm未満の平均粒子径を有する極め
て分散良好なカルシウム剤スラリーを調製することが困
難であり、調製し得たとしても、分散に要するエネルギ
ーコストは膨大となる。さらにこのエネルギーコストの
増加のみならず、カルシウム剤スラリーを各方面の使用
先に搬送する際に必要な、カルシウム剤スラリーの充填
容器、冷蔵費、輸送費等の流通コストも増大することに
なり好ましい方法とはいえなかった。
【0007】さらに特開平6−127909号公報に
は、HLBが16のショ糖ステアリン酸エステルと燐酸
カルシウムの混合物を特定の条件下において湿式粉砕し
て燐酸カルシウム分散体を調製する製造方法が、特開平
6−127939号公報にはHLBが16のショ糖ステ
アリン酸エステルと炭酸カルシウムの混合物を同様の方
法で湿式粉砕して炭酸カルシウム分散体を調製する製造
方法が提案されている。これらの方法によれば、0.3
μm未満の平均粒子径を有する極めて分散したカルシウ
ム剤スラリーを調製することは可能となるが、提案され
ているカルシウム剤スラリーのカルシウム剤固形分濃度
は約10重量%に過ぎず、特開昭64−69513号公
報の提案と同様流通経費の観点から充分な方法とはいえ
なかった。
【0008】このように従来の方法、つまりショ糖ステ
アリン酸エステルに代表されるショ糖脂肪酸エステルを
炭酸カルシウムや燐酸カルシウムの分散助剤として用い
る方法において、得られるカルシウム剤の固形分濃度を
充分高めることができなかった理由として、ショ糖脂肪
酸エステルの高濃度水溶液の調製の困難性を挙げること
ができる。
【0009】通常HLB15〜16程度のショ糖脂肪酸
エステル、例えばショ糖ステアリン酸エステルは、3重
量%以下の水溶液として調製され多方面の用途に使用さ
れるが、6重量%以上の水溶液の調製は特殊な溶解装置
を必要とし、該装置を使用したとしても7重量%を越え
る水溶液の調製は困難とされている。これはショ糖脂肪
酸エステルが60℃以上の温水には比較的溶解するもの
の、その溶解液を腐敗防止の目的等で10℃以下に冷却
した場合、容易にゲル化してしまい流動性を全く失う性
質を有しているからであり、且つ又ゲル化する際高温時
に温水中に溶解していたショ糖脂肪酸エステルが一部未
溶解物として析出し、該析出物が炭酸カルシウムや燐酸
カルシウム等の分散助剤としての機能を発揮できなくな
るからである。
【0010】例えば炭酸カルシウムと該炭酸カルシウム
に対し20重量%に相当するショ糖ステアリン酸エステ
ルを含有するカルシウム剤スラリーを調製する場合、仮
に20重量%の炭酸カルシウムの水懸濁液と、調製が困
難な7重量%のショ糖ステアリン酸エステルの水溶液を
混合使用したとしても、その混合物のカルシウム剤固形
分濃度は12.7重量%にすぎず、且つ該混合物の10
℃以下の冷却物は全く流動性を示さないものであるた
め、以降の分散等の処置を充分行うことができないわけ
である。
【0011】従ってカルシウム剤固形分濃度が15重量
%以上の流通コスト的に有利なカルシウム剤スラリーを
調製しようとする場合、従来技術においてはその調製が
不可能である約12重量%以上のシヨ糖ステアリン酸エ
ステルの水溶液を、10℃以下でも充分流動性を保持し
た状態で調製する必要があり、解決を要する問題点とな
っていた。又、特公平2−31942には、スラリー状
形態の炭酸カルシウムと親水性乳化剤の混合物を脱水処
理した後真空乾燥を行う、炭酸カルシウム複合体粉体の
製造方法が提案されている。この方法によれば、炭酸カ
ルシウム複合体の乾燥粉末が得られるため、流通過程に
おける冷蔵輸送の必要はなくなり又流通コストは前述の
方法と比較し大幅に低減可能となるため、流通経済的に
は有利になる反面、真空乾燥という特殊で経済的でない
乾燥方法を用いなければならず、さらにこの方法により
得られる炭酸カルシウムを再度水に再分散に分散させた
場合に得られる炭酸カルシウムの平均粒子径は、0.9
〜1.0μm程度でしかないため、この方法により得ら
れる炭酸カルシウムを添加した牛乳は、その製造工程中
におけるクラリファイアー等の遠心分級機における炭酸
カルシウムの歩留まりが悪く、又牛乳等の食品中におい
て沈降しやすく、ロングライフ牛乳等の長期間保存可能
食品への添加用途には良好とはいえなかった。
【0012】さらに特開平−197736公報には、H
LBが16のショ糖ステアリン酸エステルと燐酸カルシ
ウムあるいは炭酸カルシウムの混合物からなるカルシウ
ム剤スラリーをスプレードライヤー等の乾燥機を用いて
乾燥粉末を調製する製造方法が提案されているが、乾燥
原料であるカルシウム剤スラリーのカルシウム剤の固形
分濃度は共に10重量%程度と低濃度であり、乾燥エネ
ルギーのみならず乾燥機設備の投資額の観点からも改善
すべき問題点となっていた。
【0013】最近、牛乳、ジュース類液体食品の長期間
保存可能な容器、保存方法の進歩に伴い、該食品を販売
店、自動販売機、家庭内の大型冷蔵庫等において長期間
保存するケースが増加しており、同種の食品にカルシウ
ム強化の目的で添加されている炭酸カルシウム粒子は、
その食品中における分散状態が極めて良好でない場合、
長期間の液体食品の保存の間に食品容器底部に沈澱して
しまい、牛乳、ジュース類液体食品を飲用する際、その
沈澱物が飲用者に不快感、不清潔感を与えることが多く
なっている。従って現在カルシウム強化の目的で従来技
術で調製された炭酸カルシウム等の無機粒子を添加し市
販されている液体食品類は、該無機粒子の食品中におけ
る分散安定期間が短いため、該無機粒子の添加量は極少
量に制限される必要があり、又一般消費者が購入後1〜
2日の間に必ず食用に用いられるような液体食品に制限
される必要があり、好ましくなかった。
【0014】本発明は、かかる実状に鑑み、上記課題を
解決した、流通経済性、エネルギー省力化特性に優れ且
つ牛乳等の食品への添加剤として好適な高分散性を有す
る食品添加用カルシウム剤スラリー及びパウダー、及び
該カルシウム剤スラリー又はパウダーを添加調製してな
る食品組成物を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、下記
(a)(b)の条件を具備するショ糖脂肪酸エステル
と、炭酸カルシウム及び/又は燐酸カルシウム(以下、
カルシウム剤という)の混合物に、下記(c)(d)の
条件を具備する脂肪酸のアルカリ金属塩を含ませたこと
を特徴とする食品添加用カルシウム剤を内容とする。 (a)HLBが10以上のショ糖脂肪酸エステル (b)ショ糖脂肪酸エステル中の脂肪酸組成において、
該脂肪酸に占める炭素数18の脂肪酸の割合が50重量
%以上のショ糖脂肪酸エステル (c)ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸のアルカリ
金属塩中のアルカリ金属の割合が、0.1重量%以上
1.5重量%以下 (d)脂肪酸のアルカリ金属塩中の脂肪酸組成におい
て、該脂肪酸組成中に占める不飽和脂肪酸の割合Y(重
量%)が、下記(e)を満たす脂肪酸のアルカリ金属塩 (e) 100≧ Y >(−10X/14)+(15
/14) X:ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸のアルカリ金
属塩中のアルカリ金属の割合(重量%)
【0016】本発明の第2は、前述の方法により得られ
る食品添加物用カルシウム剤を添加してなる食品組成物
を内容とするものである。
【0017】以下、本発明を詳述する。本発明に用いる
炭酸カルシウムは、炭酸カルシウムを50重量%以上含
有する卵殻等の天然炭酸カルシウム、コーラル炭酸カル
シウム、重質炭酸カルシウム、合成炭酸カルシウムであ
ればよいが、水酸化カルシウムの水懸濁液である石灰乳
と炭酸ガスを反応させる炭酸ガス法に代表される化学的
合成方法により調製される合成炭酸カルシウムが好まし
く、その窒素吸着法(BET法)による比表面積は、2
/g〜100m/gの範囲が好ましく、6m
g〜60m/gの範囲がさらに好ましい。
【0018】本発明でいう燐酸カルシウムとは、燐酸の
カルシウム塩からなる無機物を指称し、燐酸カルシウム
としては、燐酸カルシウムを50重量%以上含有する乳
清ミネラル等の天然燐酸カルシウム、牛骨、合成燐酸カ
ルシウムであればよいが、ピロ燐酸二水素カルシウム、
燐酸一水素カルシウム、燐酸三カルシウムが好ましい。
これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0019】本発明の原料として用いる炭酸カルシウ
ム、燐酸カルシウム(カルシウム剤)の形態に関して
は、通常の方法で調製されるカルシウム剤の水懸濁液で
もよく、又該水懸濁を常法に従い脱水、乾燥、粉砕を経
て調製されるカルシウム剤の粉体に、再度水を添加して
調製される水懸濁液でもよいが、食品添加物規格厳守、
及び衛生管理面の観点から、後者の形態を採用するのが
好ましい。
【0020】後者の方法を用いる場合、使用する炭酸カ
ルシウムの粉体のpHに関しては、本発明に使用するシ
ョ糖脂肪酸エステルの機能低下防止、及び粉砕及び分級
時の効率の上昇の観点から、炭酸カルシウム粉体の固形
分濃度20重量%の水懸濁液200ccを、300W,
20kHzで10分間超音波処理した後の水懸濁液の2
5℃におけるpHが、11.7以下の炭酸カルシウム粉
体を使用するのが好ましく、より好ましくは11.5以
下であればよい。
【0021】次に、前述のカルシウム剤を用いてカルシ
ウム剤とショ糖脂肪酸エステルと水の混合スラリーを調
製するのであるが、この調製方法は以下(ア)(イ)
(ウ)に示す3種類の方法に大別されるが、何れの方法
を採用しても良い。
【0022】(ア)カルシウム剤と水からなるカルシウ
ム剤の水懸濁液を、化学的分散方法、粉砕機及び/又は
分散機を用いる物理的方法により、粉砕及び/又は分散
処理した後、ショ糖脂肪酸エステルを添加処理する。
【0023】(イ)カルシウム剤とショ糖脂肪酸エステ
ルと水からなるカルシウム剤の水懸濁液を、化学的分散
方法、粉砕機及び/又は分散機を用いる物理的方法によ
り、粉砕及び/又は分散処理する。
【0024】(ウ)カルシウム剤と水からなるカルシウ
ム剤の水懸濁液を、化学的分散方法、粉砕機及び/又は
分散機を用いる物理的方法により、粉砕及び/又は分散
処理した後、ショ糖脂肪酸エステルを添加処理し、さら
に粉砕機及び/又は分散機を用いる物理的方法により、
粉砕及び/又は分散処理する。
【0025】上記(ア)(イ)(ウ)の本発明の方法に
おいて、カルシウム剤とショ糖脂肪酸エステルと水の混
合スラリーを調製するに好ましい要件としては、該混合
スラリー中のカルシウム剤の粒度分布における重量(体
積)平均径V(μm)と、カルシウム剤100重量部に
対するショ糖脂肪酸エステルの添加重量部Wが、下記
(h)の要件を具備することであり、かなり長期間の保
存分散安定性を要求される食品用途には(i)の要件を
具備する事がより好ましく、最も好ましくは(j)の要
件を具備することである。 (h) W≧(1.87/V)+6.17 (i) W≧(1.87/V)+7.67 (j) W≧(1.87/V)+9.17
【0026】又、前述のカルシウム剤とショ糖脂肪酸エ
ステルと水の混合スラリーを調製するに不可欠の要件と
しては、下記(a)(b)の条件を具備するショ糖脂肪
酸エステルと、炭酸カルシウム及び/又は燐酸カルシウ
ム(カルシウム剤)の混合物において、該混合物に下記
(c)(d)の条件を具備する脂肪酸のアルカリ金属塩
を含ませることである。 (a)HLBが10以上のショ糖脂肪酸エステル (b)ショ糖脂肪酸エステル中の脂肪酸組成において、
該脂肪酸に占める炭素数18の脂肪酸の割合が50重量
%以上のショ糖脂肪酸エステル (c)ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸のアルカリ
金属塩中のアルカリ金属の割合が、0.1重量%以上
1.5重量%以下 (d)脂肪酸のアルカリ金属塩中の脂肪酸組成におい
て、該脂肪酸組成中に占める不飽和脂肪酸の割合Y(重
量%)が、下記(e)の条件である脂肪酸のアルカリ金
属塩 (e) 100≧ Y >(−10X/14)+(15
/14) X:ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸のアルカリ金
属塩中のアルカリ金属の割合(重量%)
【0027】本発明で使用されるショ糖脂肪酸エステル
は、食品添加物規格に適合するHLBが10以上のショ
糖脂肪酸エステルであり、中でもHLBが15以上のシ
ョ糖脂肪酸エステルが好ましい。ショ糖脂肪酸エステル
中の脂肪酸組成においては、該脂肪酸に占める炭素数1
8の脂肪酸の割合が50重量%以上のショ糖脂肪酸エス
テルであれば良いが、好ましくは60重量%以上、より
好ましくは65重量%以上である。ショ糖脂肪酸エステ
ル中の脂肪酸組成における、該脂肪酸に占める炭素数1
8の脂肪酸の割合が50重量%未満の場合、カルシウム
剤の牛乳等の食品中での安定性に乏しくなるばかりでな
く、風味の点で苦みを呈してゆく傾向にあるため、好ま
しくない。
【0028】又、混合スラリー中の脂肪酸のアルカリ金
属塩中のアルカリ金属の含有量については、ショ糖脂肪
酸エステルに対して0.1重量%以上1.5重量%以下
であれば良いが、好ましくは0.3重量部以上1.5重
量%以下、より好ましくは0.5重量%以上1.5重量
%以下である。該含有量が、0.1重量%未満の場合
は、ショ糖脂肪酸エステルの冷水中への溶解性を阻害す
る傾向があり、その結果カルシウム剤の牛乳等の食品中
での安定性が乏しいため好ましくなく、1.5重量%を
越える場合は食品添加物として使用するのに好ましくな
い。
【0029】又、脂肪酸のアルカリ金属塩中の脂肪酸組
成における不飽和脂肪酸とは、リノレン酸、リノール
酸、オレイン酸、リシノール酸、パルミトレイン酸等が
例示出来るが、これらのみに限定されるものではない。
尚、これらの不飽和脂肪酸の中で最も好ましいものはオ
レイン酸である。脂肪酸のアルカリ金属塩とは、Na
塩、K塩等で例示出来る。
【0030】脂肪酸のアルカリ金属塩中の脂肪酸組成に
おける該脂肪酸組成中に占める不飽和脂肪酸の割合Y
(重量%)については、下記(e)の条件を満たしてい
れば良いが、好ましくは、下記(f)、より好ましく
は、下記(g)の条件を満たせばよい。脂肪酸のアルカ
リ金属塩中の脂肪酸組成における該脂肪酸組成中に占め
る不飽和脂肪酸の割合Y(重量%)が、下記(e)の条
件を満たさない場合、ショ糖脂肪酸エステルの大部分が
冷水中においてほとんど溶解せず、カルシウム剤の牛乳
等の食品中での安定性が極めて乏しくなり保存安定性の
悪い食品が得られるのみならず、高濃度で且つ充分低粘
度のショ糖脂肪酸エステルの水溶液を得ることができな
いため、高濃度カルシウム剤スラリーを調製することが
できず、好ましくない。 (e) 100≧ Y >(−10X/14)+(15/14) (f) 100≧ Y >(−100X/14)+(150/14) (g) 100≧ Y >(−200X/14)十(300/14) X:ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸のアルカリ金
属塩中のアルカリ金属の割合(重量%)
【0031】これら脂肪酸のアルカリ金属塩中のアルカ
リ金属及び該脂肪酸のアルカリ金属塩中の不飽和脂肪酸
のアルカリ金属塩については、本発明に使用する炭酸カ
ルシウム及び/又はショ糖脂肪酸エステル中に含ませて
もよく、又炭酸カルシウムとショ糖脂肪酸エステルの混
合物を調製する際別途添加してもその効果は同じであ
る。
【0032】混合スラリー中のカルシウム剤の粒度分布
における重量(体積)平均径V(μm)については、下
記(k)の要件を具備することが好ましく、かなり長期
間の保存分散安定性を要求される食品用途には(1)の
要件を具備する事がより好ましい。 (k)0.04≦V<0.5 (1)0.04≦V<0.3
【0033】混合スラリー中のカルシウム剤の粒度分布
における重量(体積)平均径を0.5以下に調製する方
法については、前述の(ア)(イ)(ウ)に記載した方
法によればよいが、物理的方法による粉砕及び/又は分
散方法については、ダイノーミル、サンドミル、コボー
ルミル等の湿式粉砕機、ナノマイザー、マイクロフルイ
タイザー、ホモゲナイザー等の圧力式分散機、超音波分
散機、3本ロールミル等のロールミルが好ましく使用で
きるが、食品添加物規格厳守の観点から、原料カルシウ
ム剤としてカルシウム剤粉体を用いる場合、特開平5−
319817公報、特開平6−127909公報に記載
の方法が例示できる。又、化学的分散方法としては、特
開平5−344862公報に記載の方法が例示できる。
【0034】本発明におけるカルシウム剤とHLBが1
0以上のショ糖脂肪酸エステルと水の混合スラリー中の
カルシウム剤の粒度分布における重量平均径は、下記の
要領で測定計算されたものである。 測定機種 :島津製作所製 SA−CP3 試料の調製:65℃に加温した混合スラリーを、下記2
5℃の溶媒中に滴下し、粒度分布測定試料とする。 溶媒 :イオン交換水にポリアクリル酸ソーダ0.
004重量%溶解させた水溶液 予備分散 :SKディスパーザー(セイシン企業製)を
用い、超音波分散100秒 測定温度 :27.5℃±2.5℃
【0035】以上のようにして調製されるカルシウム剤
とHLBが10以上のショ糖脂肪酸エステルと水の混合
スラリーからなる食品添加用カルシウム剤スラリーを、
乾燥粉末化することにより、本発明の食品添加用カルシ
ウム剤パウダーは調製される。混合スラリーの乾燥につ
いて、乾燥機に特別の制限はないが、ショ糖脂肪酸エス
テルの変質防止の観点から極めて短時間に乾燥を行うの
が望ましく、この観点から乾燥機としては、スプレード
ライヤー、セラミック媒体を加熱流動状態で用いるスラ
リードライヤー等の液滴噴霧型乾燥機を用いるのが望ま
しい。
【0036】本発明により調製される食品添加用カルシ
ウム剤スラリー及びパウダーは、水中における再分散性
が極めて良好であり、特殊な分散機、攪拌機等を用いず
とも容易に水中に分散する。
【0037】本発明により調製される食品添加用カルシ
ウム剤スラリー及びパウダーを用いて、食品、例えばカ
ルシウム強化牛乳調製する方法に関しては、本発明の方
法により調製されるカルシウム剤パウダーを牛乳に直接
添加して攪拌し、牛乳中にカルシウム剤を分散させるだ
けで充分であるが、該カルシウム剤スラリー又はパウダ
ーを前もって水中に分散させ得られるカルシウム剤水分
散液を牛乳に添加しても差し支えない。又還元乳では、
本発明により調製されるカルシウム剤スラリー又はパウ
ダーを水中で分散させ、該分散液を60℃程度の温度で
溶解したバター又はバターオイルに加えて高速攪拌して
分散させ、次いでこれに還元脱脂乳あるいは脱脂乳を加
え、均質化すればよい。
【0038】本発明で調製したカルシウム強化牛乳は、
クラリファイヤーで除去されるカルシウム剤の量は殆ど
無いに等しく、従来の方法で調製されたカルシウム剤ス
ラリー又はパウダーを添加した場合に比べて、大幅に減
少する。即ち、本発明により調製される食品添加用炭酸
カルシウムを添加した牛乳、ジュース類中には、カルシ
ウム剤が極めて安定に保持されている。また、本発明で
調製した炭酸カルシウムは、分散性が良好であるため、
牛乳等に添加する際の攪拌時間が少なくてすみ、したが
って、バター中で長時間攪拌した場合に見られるような
カルシウム剤の凝集は起こらない。
【0039】又、本発明の食品添加用カルシウム剤パウ
ダーを、粉体状ミルク、粉体状クリームと混合すること
により、カルシウム強化粉体状ミルク、粉体状クリーム
を容易に調製でき、これらカルシウム強化粉体状ミル
ク、粉体状クリームをコーヒー飲用の際添加飲用して
も、食感上の不快感、カルシウム剤等の沈降による違和
感はまったくない。これらカルシウム強化粉体状ミル
ク、粉体状クリームの調製方法については、粉体状ミル
ク、粉体状クリームに本発明のカルシウム剤パウダーを
混合してもよく、又、本発明の食品添加用カルシウム剤
スラリーをミルク又はクリームと混合後、該混合物をス
プレードライヤー等で乾燥粉末化させてもよい。
【0040】本発明のカルシウム剤パウダーは、上記用
途以外に、クリーム、ヨーグルト、コーヒー、紅茶、ウ
ーロン茶等の液体食品、ワイン、酒等のアルコール飲料
等にカルシウム強化の目的で使用することができる。又
本発明のカルシウム剤スラリー及びパウダーは、乳酸カ
ルシウム、塩化カルシウム等の水可溶性カルシウム塩と
併用しても何等さしつかえない。
【0041】
【実施例】以下に実施例、比較例を示し本発明をより詳
細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。
【0042】実施例1 比重1.045で温度が10℃の石灰乳10000リッ
ターに、炭酸ガス濃度27重量%の炉ガス(以下炭酸ガ
スと略記する)を24m/minの流速で導通し炭酸
化反応を行い、25℃におけるpHがpH9.2の炭酸
カルシウムの水懸濁液を得た。次にpH9.2の炭酸カ
ルシウム水懸濁液を、40℃で12時間攪拌し、炭酸カ
ルシウム水懸濁液の25℃におけるpHが11.8に達
した時点でフィルタープレスを用いて脱水し、炭酸カル
シウム固形分濃度が48重量%の脱水ケーキを得た。次
に得られた脱水ケーキに再度水を加え攪拌し、脱水前の
炭酸カルシウム水懸濁液と同一濃度の炭酸カルシウム水
懸濁液を得た。該炭酸カルシウム水懸濁液のpHは1
1.5であった。この炭酸カルシウム水懸濁液に再度炭
酸ガスを導通し、炭酸カルシウム水懸濁液のpHを7.
0に低下せしめた。得られた炭酸カルシウムの窒素吸着
法による比表面積を、柴田科学機工業表面積測定装置S
A−1000を用いて測定した結果、28m/gであ
った。次に前述の希釈水懸濁液をロータリー濃縮機を用
い脱水し、炭酸カルシウム固形分濃度が20%の含水炭
酸カルシウムを得た。又、別途、70℃の温水にHLB
が16のショ糖ステアリン酸エステルを12重量%の濃
度で溶解させ、5℃まで冷却し、上記で調製された含水
炭酸カルシウム中の炭酸カルシウム100重量部に対
し、HLBが16のショ糖ステアリン酸エステル20重
量部を添加し強力に攪拌混合することにより、炭酸カル
シウム固形分濃度が15重量%の、カルシウム剤と水と
ショ糖ステアリン酸エステルとからなる食品添加用カル
シウム剤スラリーを調製した。ショ糖ステアリン酸エス
テルの水溶液の粘度は充分に低く、含水炭酸カルシウム
との混合は何ら支障なく行うことができ、得られた食品
添加用高濃度カルシウム剤スラリーの流動性についても
問題なかった。該スラリー中の炭酸カルシウムの粒度分
布における重量(体積)平均径は、0.19μmであっ
た。尚、前述のショ糖ステアリン酸エステルは、ショ糖
ステアリン酸エステル中の脂肪酸組成において、該脂肪
酸に占める炭素数18の脂肪酸の割合が67重量%のも
のであり、又、該混合スラリー中に含まれる脂肪酸のア
ルカリ金属塩中のアルカリ金属の割合は、ショ糖ステア
リン酸エステルに対して1.0重量%であり、且つ、該
脂肪酸組成中に占めるオレイン酸の割合Yが、30.0
重量%であった。本実施例の高濃度カルシウム剤スラリ
ーの調製条件及び得られた炭酸カルシウムの重量平均径
を、表1,2に示す。
【0043】実施例2,3,4,5,6,7 表1,2に示す調製条件を除き他は実施例1と同様の条
件で、炭酸カルシウムと水とショ糖ステアリン酸エステ
ルとからなる食品添加用カルシウム剤スラリーを調製し
た。ショ糖ステアリン酸エステルの水溶液の粘度は充分
に低く、含水炭酸カルシウムとの混合は何ら支障なく行
うことができ、得られた食品添加用高濃度カルシウム剤
スラリーの流動性についても問題なかった。本実施例の
高濃度カルシウム剤スラリーの調製条件及び得られた炭
酸カルシウムの重量平均径を、表1,2に示す。
【0044】実施例8 強アンモニア性塩化カルシウム溶液に第二燐酸アンモニ
ウムを添加攪拌後、脱水を行い、得られるケーキを数度
水洗した後、乾燥、乾式粉砕を行い白色粉体を得た。X
回折測定により該白色粉体が燐酸三カルシウムであるこ
とを確認した。この白色粉体の窒素吸着法による比表面
積を、柴田科学器機工業製表面積測定装置SA−100
0を用いて測定した結果、18m/gであった。該燐
酸三カルシウム粉体に水を添加し、燐酸カルシウム固形
分濃度が20重量%の水懸濁液を調整し、湿式粉砕機ダ
イノーミルKDパイロット型を用い湿式粉砕を行い、燐
酸カルシウムの水分散液を得た。又、別途、70℃の温
水にHLBが16のショ糖ステアリン酸エステルを12
重量%の濃度で溶解させ、5℃まで冷却し、上記で調製
された燐酸カルシウムの水分散体中の燐酸カルシウム1
00重量部に対し、HLBが16のショ糖ステアリン酸
エステル20重量部を添加し強力に攪拌混合することに
より、燐酸カルシウム固形分濃度が15重量%の、カル
シウム剤と水とショ糖ステアリン酸エステルとからなる
食品添加用高濃度カルシウム剤スラリーを調製した。該
スラリー中の燐酸カルシウムの粒度分布における重量
(体積)平均径は、0.20μmであった。尚、前述の
ショ糖ステアリン酸エステルは、ショ糖ステアリン酸エ
ステル中の脂肪酸組成において、該脂肪酸に占める炭素
数18の脂肪酸の割合が67重量%のものであり、又、
該混合スラリー中に含まれる脂肪酸のアルカリ金属塩中
のアルカリ金属の割合は、ショ糖ステアリン酸エステル
に対して1.0重量%であり、且つ、該脂肪酸組成中に
占めるオレイン酸の割合Yが、30重量%であった。シ
ョ糖ステアリン酸エステルの水溶液の粘度は充分に低
く、燐酸カルシウムの水分散体との混合は何ら支障なく
行うことができ、得られた食品添加用高濃度カルシウム
剤スラリーの流動性についても問題なかった。本実施例
の高濃度カルシウム剤スラリーの調製条件及び得られた
炭酸カルシウムの重量平均径を、表1,2に示す。
【0045】本実施例におけるダイノーミルKDパイロ
ット型を用いた湿式粉砕条件を以下にしめす。 粉砕条件A:80 粉砕条件B:4 粉砕条件C:14 粉砕条件D:20 粉砕条件E:70 粉砕条件F:0.8 A:湿式粉砕機に用いるメディアの充填量であり、湿式
粉砕機の粉砕室(ベッセル容器)容積中に占めるメディ
アの容積量(体積%) B:湿式粉砕機に用いるメディアの真比重 C:湿式粉砕機のディスク又はローターの周辺速度(m
/秒) D:湿式粉砕するカルシウム剤の水懸濁液の、カルシウ
ム剤固形分濃度(%) E:湿式粉砕するカルシウム剤の水懸濁液の、湿式粉砕
機の粉砕室中に滞留する時間(分) F:湿式粉砕機に
用いるメディアの粒子径(mm)
【0046】実施例9 実施例1で得られた食品添加物用カルシウム剤スラリー
を、スプレードライヤーを用いて乾燥し、白色の食品添
加物用カルシウム剤パウダーを得た。次に該食品添加用
カルシウム剤パウダーを65℃の温水に添加し、ホモミ
キサーにより12000rpmで15分間攪拌し、炭酸
カルシウム固形分濃度が15重量%の再分散液を調製し
た。該再分散液中のカルシウム剤の粒度分布における重
量(体積)平均径は、0.20μmであった。得られた
食品添加用高濃度カルシウム剤再分散液の流動性につい
ては問題なかった。本実施例の高濃度カルシウム剤再分
散液の調製条件及び得られた炭酸カルシウムの重量平均
径を、表1,2に示す。
【0047】実施例10 実施例8で得られた食品添加物用カルシウム剤スラリー
を、実施例9と同様スプレードライヤーを用いて乾燥
し、白色の食品添加物用カルシウム剤パウダーを得た。
次に該食品添加用カルシウム剤パウダーを65℃の温水
に添加し、ホモミキサーにより12000rpmで15
分間攪拌し、燐酸カルシウム固形分濃度が15重量%の
再分散液を調製した。該再分散液中のカルシウム剤の粒
度分布における重量(体積)平均径は、0.22μmで
あった。得られた食品添加用高濃度カルシウム剤再分散
液の流動性については問題なかった。本実施例の高濃度
カルシウム剤再分散液の調製条件及び得られた燐酸カル
シウムの重量平均径を、表1,2に示す。
【0048】実施例11 表1,2に示す調製条件を除き他は実施例1と同様の条
件で、炭酸カルシウムと水とショ糖ステアリン酸エステ
ルとからなる食品添加用カルシウム剤スラリーを調製し
た。シヨ糖ステアリン酸エステルの水溶液の濃度が低か
ったためその粘度は非常に低く、得られた食品添加用高
濃度カルシウム剤スラリーの流動性についても問題なか
った。本実施例の高濃度カルシウム剤スラリーの調製条
件及び得られた炭酸カルシウムの重量平均径を、表1,
2に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】比較例1,2,3,4 表1,2に示す調製条件を除き他は実施例1と同様の条
件で、炭酸カルシウムと水とショ糖ステアリン酸エステ
ルとからなる食品添加用カルシウム剤スラリーを調製し
た。ショ糖ステアリン酸エステルの水溶液はゲル状を呈
し流動性が全くなく、含水炭酸カルシウムとの混合は充
分に行うことができず、得られた食品添加用高濃度カル
シウム剤は流動性のないペーストとなった。本比較例の
高濃度カルシウム剤ペーストの調製条件及び得られた炭
酸カルシウムの重量平均径を、表3,4に示す。
【0052】比較例5,6,7,8 比較例1,2,3,4において良好な分散性を有する高
濃度カルシウム剤スラリーが得られなかったため、ショ
糖ステアリン酸エステルの水溶液の溶解濃度を7重量%
から3重量%に変更することを除き他は比較例1,2,
3,4と同様の方法で、炭酸カルシウムと水とショ糖ス
テアリン酸エステルとからなる食品添加用カルシウム剤
スラリーを調製した。ショ糖ステアリン酸エステルの水
溶液の濃度が低かったためその粘度は充分に低く、含水
炭酸カルシウムとの混合は何ら支障なく行うことができ
たが、得られた食品添加用カルシウム剤スラリーの炭酸
カルシウム固形分濃度は6重量%と低いものであった。
本比較例の低濃度カルシウム剤スラリーの調製条件及び
得られた炭酸カルシウムの重量平均径を、表3,4に示
す。
【0053】比較例9,10,11,12 比較例1,2,3,4において得られた食品添加物用カ
ルシウム剤ペースト各々に水を加え、炭酸カルシウムの
固形分濃度が6重量%に成るよう調節し、各々の食品添
加物用カルシウム剤ペーストを流動化せしめた後、実施
例9と同様スプレードライヤーを用いて乾燥し、白色の
食品添加物用カルシウム剤パウダーを得た。次に該食品
添加用カルシウム剤パウダーを65℃の温水に添加し、
ホモミキサーにより12000rpmで15分間攪拌
し、炭酸カルシウム固形分濃度が12.7重量%の再分
散液を調製した。得られた食品添加用高濃度カルシウム
剤再分散液の流動性は全くなく、ペースト状を呈してお
り、各々の炭酸カルシウムの分散状態も比較例1,2,
3,4と比較しさらに悪化していた。本比較例の高濃度
カルシウム剤再ペーストの調製条件及び得られた炭酸カ
ルシウムの重量平均径を、表3,4に示す。該再分散液
中の各々のカルシウム剤の粒度分布における重量平均径
を表1に示す。
【0054】比較例13 市販のグリセリン脂肪酸エステルでコーティングされた
コロイド性炭酸カルシウムパウダー(白石カルシウム社
製、コロカルソMG、窒素吸着法による比表面積17m
/g)を70℃の温水に添加し、ホモミキサーにより
12000rpmで15分間攪拌し、カルシウム剤固形
分濃度が12.7重量%の再分散ペーストを調製した。
該再分散液中の各々のカルシウム剤の粒度分布における
重量(体積)平均径を表4に示す。
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】次に、実施例1〜11、比較例1〜13で
調製された食品添加用カルシウム剤スラリー(ペースト
状を含む)、食品添加物用カルシウム剤の再分散スラリ
ー(ペースト状を含む)を用い、各々のカルシウム剤固
形分濃度が0.65重量%になるように希釈し、希釈液
を60℃に加温後100mlのメスシリンダーにとり、
10℃まで冷却後10℃で静置し、炭酸カルシウムの沈
澱により生ずる透明部分とカルシウム剤分散部分の白色
部分の界面の高さの経時変化、沈降物の量の経時変化を
目視判断し、各再分散液の水中における安定性を調べ
た。メスシリンダーに刻まれたml単位の表示を読みと
り、その結果を下記の5段階表示により表5に示す。
【0058】 (界面の高さ) 界面がほぼ98ml以上100mlである・・・・・・・5 界面が95ml以上98ml未満である・・・・・・・・・・4 界面が90ml以上95ml未満である・・・・・・・・・・3 界面が50ml以上90ml未満である・・・・・・・・・・2 界面が50未満mlである・・・・・・・・・・・・・・1
【0059】(沈澱の量) 殆ど確認できない・・・・・・・・・・・・・・・・5 わずかに沈澱が確認できる・・・・・・・・・・・・4 0.5mm未満程度の沈澱がある・・・・・・・・・3 0.5mm以上2mm未満の沈澱がある・・・・・・2 2mm以上の沈澱がある・・・・・・・・・・・・・1
【0060】
【表5】
【0061】実施例12 前述の実施例1で調製した食品添加用カルシウム剤スラ
リー500gを、60℃で溶解させたバター300g中
に分散させ、これを脱脂乳9.6kg中に添加攪拌し、
次いで殺菌してカルシウム強化牛乳を得た。このカルシ
ウム強化牛乳を100mlのメスシリンダーにとり、5
℃で保存し、定期的にメスシリンダー中の牛乳を静かに
廃棄し、メスシリンダー底部に残存している沈降物の量
の経時変化を目視観察した。その結果を下記の4段階表
示により表6に示す。
【0062】(沈澱の量) 殆ど確認できない・・・・・・・・・・・・・・・・4 わずかに沈澱が確認できる・・・・・・・・・・・・3 少し沈殿が確認できる・・・・・・・・・・・・・・2 かなり大量の沈澱が確認できる・・・・・・・・・・1
【0063】実施例13〜実施例22 前述の実施例2〜実施例11で調製した食品添加用カル
シウム剤スラリー、又は食品添加用カルシウム剤パウダ
ーの再分散液を用い、実施例12と同一のカルシウム剤
濃度になるよう採取する食品添加用カルシウム剤スラリ
ー、又は食品添加用カルシウム剤パウダーの再分散液の
量を変化させることを除き他は実施例12と同様の方法
でカルシウム強化牛乳を得た。又、これらのカルシウム
強化牛乳の沈澱量を、実施例12に示す同様の方法で観
察した。その結果を表6に示す。
【0064】比較例14〜比較例26 前述の比較例1〜比較例13で調製した食品添加用カル
シウム剤スラリー、又は食品添加用カルシウム剤パウダ
ーの再分散液を用い、実施例12と同一のカルシウム剤
濃度になるよう採取する食品添加用カルシウム剤スラリ
ー、又は食品添加用カルシウム剤パウダーの再分散液の
量を変化させることを除き他は実施例12と同様の方法
でカルシウム強化牛乳を得た。又、これらのカルシウム
強化牛乳の沈澱量を、実施例12に示す同様の方法で観
察した。その結果を表6に示す。
【0065】
【表6】
【0066】
【発明の効果】以上のように、本発明の食品添加用カル
シウム剤スラリー及びパウダーは、液中での再分散性、
及び液中での長期分散安定性が極めて優れており、この
食品添加用カルシウム剤パウダーを用いて調製される食
品組成物は、長期間の保存安定性が極めて優れている。
さらにまた本発明では、高濃度の食品添加用カルシウム
剤スラリーが調製でき、流通コストの低減、食品添加用
カルシウム剤パウダーの製造コスト及び製造設備費の削
減が可能となる。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a)(b)の条件を具備するショ
    糖脂肪酸エステルと、炭酸カルシウム及び/又は燐酸カ
    ルシウム(以下、カルシウム剤という)の混合物に、下
    記(c)(d)の条件を具備する脂肪酸のアルカリ金属
    塩を含有させたことを特徴とする食品添加用カルシウム
    剤。 (a)HLBが10以上のショ糖脂肪酸エステル (b)ショ糖脂肪酸エステル中の脂肪酸組成において、
    該脂肪酸に占める炭素数18の脂肪酸の割合が50重量
    %以上のショ糖脂肪酸エステル (c)ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸のアルカリ
    金属塩の割合が、0.1重量%以上1.5重量%以下 (d)脂肪酸のアルカリ金属塩中の脂肪酸組成におい
    て、該脂肪酸組成中に占める不飽和脂肪酸の割合Y(重
    量%)が、下記(e)の条件を満たす脂肪酸のアルカリ
    金属塩 (e) 100≧ Y >(−10X/14)+(15
    /14) X:ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸のアルカリ金
    属塩の割合(重量%)
  2. 【請求項2】 ショ糖脂肪酸エステル中の脂肪酸組成に
    おいて、該脂肪酸に占める炭素数18の脂肪酸の割合が
    60重量%以上のショ糖脂肪酸エステルである請求項1
    記載の食品添加用カルシウム剤。
  3. 【請求項3】 ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸の
    アルカリ金属塩の割合が、0.3重量%以上1.5重量
    %以下である請求項1記載の食品添加用カルシウム剤。
  4. 【請求項4】 脂肪酸のアルカリ金属塩中の脂肪酸組成
    において、該脂肪酸組成中に占める不飽和脂肪酸の割合
    Y(重量%)が、下記(f)の条件を満たす脂肪酸のア
    ルカリ金属塩である請求項1記載の食品添加用カルシウ
    ム剤。 (f) 100≧ Y >(−100X/14)+(1
    50/14) X:ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸のアルカリ金
    属塩の割合(重量%)
  5. 【請求項5】 ショ糖脂肪酸エステル中の脂肪酸組成に
    おいて、該脂肪酸に占める炭素数18の脂肪酸の割合が
    65重量%以上のショ糖脂肪酸エステルである請求項1
    記載の食品添加用カルシウム剤。
  6. 【請求項6】 ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸の
    アルカリ金属塩の割合が、0.5重量%以上1.5重量
    %以下である請求項1記載の食品添加用カルシウム剤。
  7. 【請求項7】 脂肪酸のアルカリ金属塩中の脂肪酸組成
    において、該脂肪酸組成中に占める不飽和脂肪酸の割合
    Y(重量%)が、下記(g)の条件を満たす脂肪酸のア
    ルカリ金属塩である請求項1記載の食品添加用カルシウ
    ム剤。 (g) 100≧ Y >(−200X/14)+(3
    00/14) X:ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸のアルカリ金
    属塩の割合(重量%)
  8. 【請求項8】 不飽和脂肪酸の種類が、オレイン酸であ
    る請求項1記載の食品添加用カルシウム剤。
  9. 【請求項9】 燐酸カルシウムが、ピロ燐酸二水素カル
    シウム、及び燐酸一水素カルシウム、燐酸三カルシウム
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1
    記載の食品添加用カルシウム剤。
  10. 【請求項10】 下記(a)(b)の条件を具備するシ
    ョ糖脂肪酸エステルと、炭酸カルシウム及び/又は燐酸
    カルシウム(以下、カルシウム剤という)の混合物に、
    下記(c)(d)の条件を具備する脂肪酸のアルカリ金
    属塩を含ませた食品添加用カルシウム剤を含有してなる
    食品組成物。 (a)HLBが10以上のショ糖脂肪酸エステル (b)ショ糖脂肪酸エステル中の脂肪酸組成において、
    該脂肪酸に占める炭素数18の脂肪酸の割合が50重量
    %以上のショ糖脂肪酸エステル (c)ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸のアルカリ
    金属塩の割合が、0.1重量%以上1.5重量%以下 (d)脂肪酸のアルカリ金属塩中の脂肪酸組成におい
    て、該脂肪酸組成中に占める不飽和脂肪酸の割合Y(重
    量%)が、下記(e)の条件を満たす脂肪酸のアルカリ
    金属塩 (e) 100≧ Y >(−10X/14)+(15
    /14) X:ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸のアルカリ金
    属塩の割合(重量%)
  11. 【請求項11】 ショ糖脂肪酸エステル中の脂肪酸組成
    において、該脂肪酸に占める炭素数18の脂肪酸の割合
    が60重量%以上のショ糖脂肪酸エステルである請求項
    10記載の食品組成物。
  12. 【請求項12】 ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸
    のアルカリ金属塩の割合が、0.3重量%以上1.5重
    量%以下である請求項10記載の食品組成物。
  13. 【請求項13】 脂肪酸のアルカリ金属塩中の脂肪酸組
    成において、該脂肪酸組成中に占める不飽和脂肪酸の割
    合Y(重量%)が、下記(f)の条件を満たす脂肪酸の
    アルカリ金属塩である請求項10記載の食品組成物。 (f) 100≧ Y >(−100X/14)+(1
    50/14) X:ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸のアルカリ金
    属塩の割合(重量%)
  14. 【請求項14】 ショ糖脂肪酸エステル中の脂肪酸組成
    において、該脂肪酸に占める炭素数18の脂肪酸の割合
    が65重量%以上のショ糖脂肪酸エステルである請求項
    10記載の食品組成物。
  15. 【請求項15】 ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸
    のアルカリ金属塩の割合が、0.5重量%以上1.5重
    量%以下である請求項10記載の食品組成物。
  16. 【請求項16】 脂肪酸のアルカリ金属塩中の脂肪酸組
    成において、該脂肪酸組成中に占める不飽和脂肪酸の割
    合Y(重量%)が、下記(g)の条件を満たす脂肪酸の
    アルカリ金属塩である請求項10記載の食品組成物。 (g) 100≧ Y >(−200X/14)+(3
    00/14) X:ショ糖脂肪酸エステルに対する脂肪酸のアルカリ金
    属塩の割合(重量%)
  17. 【請求項17】 不飽和脂肪酸の種類が、オレイン酸で
    ある請求項10記載の食品組成物。
  18. 【請求項18】 燐酸カルシウムが、ピロ燐酸二水素カ
    ルシウム、燐酸一水素カルシウム、燐酸三カルシウムよ
    りなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項10
    記載の食品組成物。
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