JP3733462B2 - ミネラル強化飲料用分散剤およびミネラル分散スラリー - Google Patents

ミネラル強化飲料用分散剤およびミネラル分散スラリー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミネラル強化飲料用分散剤(以下、単に「分散剤」ともいう。)、及び該分散剤を用いて調製されたミネラル分散スラリーに関する。詳しくは、例えば、牛乳などの飲料にカルシウムやマグネシウムといったミネラルをさらに添加してミネラル強化飲料(ミネラルが強化(増量)された飲料)を製造するに際し、液中での水難溶性ミネラルの分散安定性を良好にせしめる分散剤に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
近年、カルシウム摂取量不足が高齢者の骨粗鬆症の増加や若年者の骨折多発化などの原因として問題視されており、このカルシウムの摂取量不足を解消するために、カルシウム強化食品が販売されるようになった。
【0003】
例えば、牛乳に添加するカルシウム強化剤としては、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウムなどの水溶性有機酸カルシウム塩や、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどの水難溶性カルシウム塩があるが、カルシウム強化度や、牛乳中のタンパク質の安定性から、水難溶性カルシウム塩を用いるほうが良いとされ、応用例も増えている。
【0004】
かかる水難溶性カルシウム塩を用いる場合、飲料に安定して分散させるために分散剤を用いる必要がある。その場合、カルシウム強化飲料は、通常、水難溶性カルシウム塩、分散剤及び水を混合してプレミックススラリーを調製し、その後、これを粉砕機などで分散処理することによりカルシウム分散スラリーを得て、このカルシウム分散スラリーを飲料に添加して撹拌することにより製造されている。その際、性能の良くない分散剤を使用すると、カルシウム分散スラリーを通常の冷蔵条件で静置したときに、水難溶性カルシウム塩の一次粒子同士が凝集して粒子径が増大してしまい、その結果、沈殿、分離を生じてしまうという問題がある。
【0005】
従来、この種の分散剤としては、構成脂肪酸がステアリン酸やパルミチン酸であるHLB11以上のショ糖脂肪酸エステルが一般に使用されている。このショ糖脂肪酸エステルは、水難溶性カルシウム塩の濃度が比較的低濃度の場合や水難溶性カルシウム塩の粒子径が比較的大きい場合には高い分散安定効果を発揮する。
【0006】
しかしながら、最近、水難溶性カルシウム塩の濃度を高めたり、また、水難溶性カルシウム塩の粒子径を微細化することが要望されており、上記従来のショ糖脂肪酸エステル単独では、かかる要望への対応が難しくなっている。すなわち、水難溶性カルシウム塩を高濃度化したり、水難溶性カルシウム塩を微細化して比表面積が大きくなった場合、上記従来のショ糖脂肪酸エステル単独では、プレミックススラリーの粘度が高くなり、また、分散処理後も長期分散安定効果が得られないという問題がある。また、分散効果を高めるために分散剤の濃度を高くすると分散剤水溶液の粘度も高くなってしまう。このように分散剤水溶液やプレミックススラリーの粘度が高いと、工場レベルでカルシウム分散スラリーを調製する際に工程間の送液が困難になり、作業性や効率が低減することになる。
【0007】
[発明の目的]
本発明は上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、分散剤水溶液やプレミックススラリーの粘度を低減して作業性を改善することができ、また、分散処理後の長期分散安定性に優れるミネラル強化飲料用分散剤、及びそれを用いたミネラル分散スラリーを提供するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の点に鑑みて鋭意検討した結果、上記従来の分散剤、即ち構成脂肪酸がステアリン酸やパルミチン酸であるショ糖脂肪酸エステルに、構成脂肪酸の炭素数が8〜14であるショ糖脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステルを添加することにより、上記の課題を解決できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明のミネラル強化飲料用分散剤は、
(A)構成脂肪酸の炭素数が8〜14であるショ糖脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル、ならびに、
(B)構成脂肪酸の炭素数が16〜22である多価アルコール脂肪酸エステル、を含有するものである。
【0010】
該分散剤において、(B)成分の多価アルコール脂肪酸エステルとしては、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステルであることが好ましい。
【0011】
また、(B)成分としてポリグリセリン脂肪酸エステルを用いた場合、(A)成分としてはショ糖脂肪酸エステルを用いた方が、後述する実施例に示されているように分散剤水溶液とプレミックススラリーの粘度低下効果が大きい。
【0012】
本発明のミネラル分散スラリーは、上記した本発明の分散剤、水難溶性ミネラル及び水を混合してプレミックススラリーとし、これを分散処理してなるミネラル分散スラリーであって、水難溶性ミネラルの平均粒子径が0.3μm以下で濃度が8重量%以上であり、かつ、プレミックススラリーの粘度(25℃)が400mPa・s以下のものである。ここで、水難溶性ミネラルの平均粒子径とは、分散処理直後の水難溶性ミネラル粒子の平均粒子径であり、即ちプレミックススラリーを上記のように分散処理してミネラル分散スラリーを調製した直後(分散処理後1時間以内)に、レーザー回折式粒度分布測定装置を使用して測定したミネラル粒子の平均粒子径である。
【0013】
【発明の実施の形態】
[ミネラル強化飲料]
本発明でいうミネラル強化飲料は、牛乳などの飲料にミネラルを添加することにより当該ミネラルを強化(増量)した飲料であり、本発明では特に水難溶性ミネラルを対象とする。水難溶性ミネラルとしては、カルシウムやマグネシウムなどを含む水難溶性塩が挙げられる。
【0014】
強化対象となる飲料は、牛乳、加工乳、還元乳、乳飲料、ヨーグルト等のようにもともとカルシウムを含有している飲料でもよく、また、本来カルシウムを全く含まないか、あるいは含んでもごく僅かな飲料(清涼飲料、果実飲料など)でもよい。また、もともとカルシウムを含む牛乳などの飲料に、マグネシウム等の他のミネラルを添加して強化する場合も含まれる。
【0015】
カルシウム源としては、炭酸カルシウムが代表的である。炭酸カルシウム以外では、例えばリン酸カルシウムが使用可能である。なお、炭酸カルシウムとしては、通常、スラリー状炭酸カルシウムが用いられる。スラリー状炭酸カルシウムを得る方法としては、例えば、消石灰水懸濁液に炭酸ガスを導通して得る方法、卵殻または珊瑚もしくは貝殻を洗浄精製した後、焼成またはそのまま湿式粉砕によりスラリー状とする方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
また、カルシウム及びマグネシウム源としては、炭酸マグネシウムカルシウム(ドロマイト)が好適な例として挙げられる。また、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを併用することもできる。
【0017】
[A成分]
(A)成分として用いられる脂肪酸エステルは、炭素数8〜14の脂肪酸を構成脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルである。これらのショ糖脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルは、いずれか単独で用いても、両者を併用してもよい。構成脂肪酸としては、具体的には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸などが挙げられ、これらは1種単独でも2種以上併用されてもよい。
【0018】
(A)成分の脂肪酸エステルは、HLB(親水親油バランス)が11以上であることが好ましく、より好ましくはHLBが13以上である。
【0019】
なお、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、平均重合度が3以上のポリグリセリンに脂肪酸がエステル結合したものである。ポリグリセリン脂肪酸エステルの平均重合度は5〜10であることがより好ましい。
【0020】
[B成分]
(B)成分の多価アルコール脂肪酸エステルにおける構成脂肪酸は、炭素数が16〜22の脂肪酸であり、その具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ドコサン酸などの飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪酸などが挙げられ、これらは1種単独でも2種以上併用されてもよい。
【0021】
これらの脂肪酸を構成成分とする多価アルコール脂肪酸エステルは、不溶性ミネラルの水系への分散を効果的に行うための親水性乳化剤として使用するものであり、HLB11以上のものが好適である。
【0022】
また、(B)成分の多価アルコール脂肪酸エステルとしては、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルが挙げられ、これらは単独で用いても、両者を併用してもよい。
【0023】
[配合割合]
上記の(A)成分と(B)成分の配合割合は、重量比で(A):(B)=0.1:99.9〜50:50であることが好適である。(A)成分の重量比が0.1未満では十分な粘度低下能を得にくい。一方、(A)成分の重量比が50を越えると、(B)成分の比率が低くなり十分な分散安定効果を得にくくなる。
【0024】
すなわち、本発明の分散剤において、(B)成分は、分散安定効果を発揮する成分であり、(A)成分は、(B)成分の分散安定効果を損なうことなく、むしろその効果を高めながら、分散剤水溶液やプレミックススラリーの粘度低下効果を発揮する成分である。そのため、(B)成分に少量の(A)成分を配合させる使用形態が好ましく、具体的には、両成分の配合割合は重量比で(A):(B)=0.5:99.5〜10:90であることがより好ましい。
【0025】
[ミネラル分散スラリーの調製等]
本発明の分散剤は、上記の(A)成分と(B)成分を配合し、均一に混合することにより得られ、通常、水溶液の形態で用いられる。該水溶液は、(A)成分と(B)成分を混合したものを水に添加し加熱溶解させて調製してもよく、また(A)成分と(B)成分の水溶液を別に調製した後混合してもよく、更に(B)成分の水溶液を調製した後に(A)成分をそのまま添加混合して調製してもよい。
【0026】
本発明のミネラル分散スラリーは、上記分散剤、水難溶性ミネラル及び水を混合してプレミックススラリーを調製し、その後、このプレミックススラリーを分散処理することにより得られる。分散処理は、凝集した水難溶性ミネラルの粒子が粉砕により一次粒子の状態となるように行うことが好ましい。かかる分散処理は、ホモジナイザー、ロールミル、ボールミル、コボールミル、ビーズミルなどの公知の粉砕機を使用して行うことができる。
【0027】
詳細には、例えば、水難溶性ミネラルとして炭酸カルシウムを用いる場合、上記のようにして得られた分散剤水溶液にスラリー状炭酸カルシウムに添加し、混合攪拌槽、ラインミキサーなどによって両者を混合することによりプレミックススラリーを調製し、次いで、ホモジナイザー等の分散装置で分散させることにより炭酸カルシウム分散スラリーを得ることができる。
【0028】
前記ミネラル分散スラリーにおける各成分の割合(重量%)は、水難溶性ミネラル:分散剤:水=1〜50%:0.01〜10%:40〜98.99%(但し、合計で100%)であることが好ましく、8〜20%:0.02〜5%:75〜91.98%であることがさらに好ましい。また、水難溶性ミネラルに対する分散剤の添加量は、固形分重量比で分散剤/水難溶性ミネラル=0.01〜6の範囲内になるよう選択するのが望ましい。0.01未満の場合、分散安定性が低下するという問題が生じる可能性があり、6を超える場合、分散剤特有の味やにおいが著しくなるという問題が生じる可能性がある。
【0029】
このようにして得られたミネラル分散スラリーは、分散処理直後の水難溶性ミネラルの平均粒子径が0.3μm以下と微細なミネラルを用い、スラリー中の水難溶性ミネラルの濃度が8重量%以上と高濃度の場合でも、プレミックススラリーの粘度(25℃)を400mPa・s以下とすることができる。
【0030】
本発明で得られたミネラル分散スラリーを乾燥粉末化してミネラル含有粉末を調製してもよい。ミネラル分散スラリーを乾燥粉末化することにより、長期保存時のスラリー腐敗を回避できるだけでなく、各方面の使用先に輸送する際の充填容器費、冷蔵設備費、冷蔵費、輸送費などの流通コストを減少させることができる。
【0031】
ミネラル分散スラリーの乾燥に用いられる乾燥機については特に限定はなく、公知の方法が使用できるが、各種添加剤の変質などの悪影響を与えないように極めて短時間に乾燥できるものが望ましい。この観点から乾燥機としては、スプレードライヤー、スラリードライヤーなどの液滴噴霧型乾燥機を用いることが望ましく、凍結乾燥などの手法を用いることもできる。
【0032】
ミネラル分散スラリーの粉末化にあたっては、糖類化合物などの皮膜形成剤を使用することもできる。皮膜形成剤としては、果糖、ブドウ糖などの単糖類、ショ糖、乳糖などの二糖類、デキストリンなどの多糖類、及び、ソルビットなどの糖アルコールなどが挙げられる。これらは、1種類を単独で用いても良いし、2種以上混合しても良い。
【0033】
上記のようにして調製されたミネラル分散スラリーやミネラル含有粉末は、飲料または水に添加して分散させることにより、ミネラル強化飲料とすることができる。このミネラル分散スラリーは水中における分散性が極めて良好であり、また、ミネラル含有粉末も水中における再分散性が極めて良好である。従って、両者とも、特殊な分散機や攪拌機などを用いずとも、通常用いられる撹拌混合槽を用いて、容易に飲料または水中に分散させることができる。
【0034】
なお、このようにして得られたミネラル強化飲料は、クラリファイヤーなどを用いて異物の除去を行ったり、高温・高圧化にて殺菌処理を行っても良い。
【0035】
スラリー添加量は、例えば、カルシウム強化飲料を調製する場合、飲料100g当りのカルシウム増加量が100〜500mgとなるように選択することが望ましい。カルシウム強化飲料中の分散剤の含有量は、通常0.00002〜2重量%であり、好ましくは0.00005〜1重量%である。0.00002重量%未満の場合、分散安定性が低下するという問題が生じる可能性があり、2重量%を超える場合、分散剤特有のにおいを感じ、また経済的不利を招くという問題が生じる可能性がある。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、本実施例において「%」は重量%を意味する。
【0037】
〔試験例1(カルシウム強化飲料用分散剤)〕
実施例1〜5:
(A)成分及び(B)成分として、下記表1に示すショ糖脂肪酸エステル(SE)とポリグリセリン脂肪酸エステル(PolyGE)を、表1に示す含有率にて配合し、均一に混合して、実施例1〜5のカルシウム強化飲料用分散剤を調製した。得られた分散剤を水道水に加え、室温分散後、70℃まで加熱攪拌し、完全溶解させた後25℃まで冷却して、分散剤濃度10%の分散剤水溶液を調製した。
【0038】
次いで、スラリー状炭酸カルシウムに上記分散剤水溶液及び水を添加して、炭酸カルシウム固形分濃度と分散剤濃度との比率を表1に示すとおりに調整し、これらを混合攪拌槽にて混合してプレミックススラリーを得た。その後、得られたプレミックススラリーを、実施例1〜3では超音波ホモジナイザー(日本精機(株)製、US−600T、最大出力600W)を用いて、実施例4,5では圧力式ホモジナイザー(25MPa/5MPa)を用いて分散処理を行い、実施例1〜5の炭酸カルシウム分散スラリーを得た。
【0039】
比較例1〜4:
表1に示すように、比較例1では(B)成分のみを用いて、また、比較例2では(A)成分のみを用いて、カルシウム強化飲料用分散剤を調製した。一方、比較例3では、本発明の(A)成分の代わりに構成脂肪酸がオレイン酸からなるポリグリセリン脂肪酸エステルを用い、比較例4では、本発明の(A)成分の代わりにジグリセリン酸脂肪酸エステル(DiGE)を用いて、カルシウム強化飲料用分散剤を調製した。そして、その他は上記した実施例1と同様にして、比較例1〜4の炭酸カルシウム分散スラリーを得た。
【0040】
上記した実施例1〜5及び比較例1〜4において、分散剤水溶液とプレミックススラリーの粘度を、東京計器製造所製のB型粘度計(ロータ−No.2、60rpm×60秒、25℃)を用いて測定した。また、分散処理直後の炭酸カルシウムの平均粒子径を、分散処理後1時間以内に、島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定装置「SALD−2000」を用いて、吸光度が0.050±0.003になるように分散液を希釈して測定した。結果を表1に示す。
【0041】
また、上記で調製した炭酸カルシウム分散スラリーを5℃で保存し、4日後、7日後、14日後、21日後の分離状態を観察するとともに、平均粒子径と粘度を測定した。結果を表2に示す。
【0042】
ここで、分離状態は、分離がほとんど確認できないものを「○」、若干離水が認められるものを「△」、離水が認められるものを「×」と評価した。
【0043】
また、平均粒子径は、島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定装置「SALD−2000」を用い、吸光度が0.050±0.003になるように分散液を希釈し、測定を行った。
【0044】
炭酸カルシウム分散スラリーの粘度は、東京計器製造所製のB型粘度計(ロータ−No.1、60rpm×60秒、必要に応じBLアダプター着用、25℃)を用いて測定した。
【0045】
【表1】
Figure 0003733462
【表2】
Figure 0003733462
【0046】
表1,2に示すように、本発明の(A)成分と(B)成分を併用した実施例の分散剤では、分散剤水溶液及びプレミックススラリーの粘度が低く、また、分散処理後も長期間にわたって低粘度、微細な粒子径を維持しており安定した分散効果が得られた。これに対し、比較例1の分散剤では、分散剤水溶液及びプレミックススラリーの粘度が高く、安定した分散効果も得られなかった。また、比較例2の分散剤では、分散剤水溶液及びプレミックススラリーの粘度は低いものの、安定した分散効果も得られなかった。また、比較例3,4の分散剤では、(A)成分として用いた脂肪酸エステル自体は、本発明の(A)成分と同様、水溶液粘度の低いものであったが、これを(B)成分に添加しても本発明のような粘度低下効果は得られず、また、安定した分散効果も得られなかった。
【0047】
[試験例2(カルシウムマグネシウム強化飲料用分散剤)]
実施例6:
(A)成分及び(B)成分として、下記表3に示すショ糖脂肪酸エステル(SE)を、表3に示す含有率にて配合し、均一に混合して、実施例6のカルシウムマグネシウム強化飲料用分散剤を調製した。得られた分散剤を水道水に加え、室温分散後、70℃まで加熱攪拌し、完全溶解させた後25℃まで冷却して、分散剤濃度10%の分散剤水溶液を調製した。
【0048】
次いで、ドロマイトに上記分散剤水溶液及び水を添加して、ドロマイト濃度と分散剤濃度との比率を表3に示すとおりに調整し、これらを混合攪拌槽にて混合してプレミックススラリーを得た。その後、得られたプレミックススラリーを超音波ホモジナイザー(日本精機(株)製、US−600T、最大出力600W)を用いて分散処理を行い、実施例6のドロマイト分散スラリーを得た。
【0049】
比較例5:
表3に示すように、(B)成分のみを用いて、カルシウムマグネシウム強化飲料用分散剤を調製した。そして、その他は実施例6と同様にして、比較例5のドロマイト分散スラリーを得た。
【0050】
実施例6及び比較例5において、実施例1と同様に、分散剤水溶液粘度、プレミックススラリー粘度、分散処理直後のドロマイトの粒子径を測定した。結果を表3に示す。また、上記で調製したドロマイト分散スラリーを5℃で保存し、実施例1と同様に、4日後、7日後、14日後、21日後の分離状態を観察するとともに、平均粒子径と粘度を測定した。結果を表4に示す。
【0051】
【表3】
Figure 0003733462
【表4】
Figure 0003733462
【0052】
表3,4に示すように、本発明の(A)成分と(B)成分を併用した実施例の分散剤では、比較例の分散剤に比べて、分散剤水溶液及びプレミックススラリーの粘度が低く、また、分散処理後も長期間にわたって低粘度、微細な粒子径を維持しており安定した分散効果が得られた。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のミネラル強化飲料用分散剤であると、水難溶性ミネラルを微細化し、高濃度化した場合でも、分散剤水溶液及びプレミックススラリーの粘度を低減することができ、作業性、効率が改善される。しかも、本発明の分散剤であると、分散処理後も、長期間にわたって低粘度、微細な粒子径を維持しており、分離もしくは沈殿を生じないか、あるいはたとえ分離もしくは沈殿が生じたとしても、容易に再分散することができるといった、長期分散安定効果が得られる。

Claims (7)

  1. (A)構成脂肪酸の炭素数が8〜14であるショ糖脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル、ならびに、
    (B)構成脂肪酸の炭素数が16〜22である多価アルコール脂肪酸エステル、を含有するミネラル強化飲料用分散剤。
  2. (B)成分の多価アルコール脂肪酸エステルが、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステルである請求項1記載のミネラル強化飲料用分散剤。
  3. 前記ミネラルがカルシウム及び/又はマグネシウムである請求項1又は2記載のミネラル強化飲料用分散剤。
  4. (A)成分と(B)成分のHLBがともに11以上である請求項1〜3のいずれかに記載のミネラル強化飲料用分散剤。
  5. (A)成分と(B)成分の配合比率が、重量比で(A):(B)=0.1:99.9〜50:50である請求項1〜4のいずれかに記載のミネラル強化飲料用分散剤。
  6. (A)成分がショ糖脂肪酸エステルであり、(B)成分がポリグリセリン脂肪酸エステルである請求項1〜5のいずれかに記載のミネラル強化飲料用分散剤。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の分散剤、水難溶性ミネラル及び水を混合してプレミックススラリーとし、これを分散処理してなるミネラル分散スラリーであって、水難溶性ミネラルの平均粒子径が0.3μm以下で濃度が8重量%以上であり、かつ、プレミックススラリーの粘度(25℃)が400mPa・s以下であることを特徴とするミネラル分散スラリー。
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