JP2864035B2 - 全血分析要素 - Google Patents

全血分析要素

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、全血を試料として用いて血液中の被検成分
(アナライト)の量又は活性値を乾式化学分析法により
定量分析するのに適した一体型多層分析要素に関する。
[従来技術とその欠点] 体液中に存在する各種代謝成分、例えばグルコース、
ビリルビン、尿素窒素、尿酸、コレステロール、乳酸脱
水素酵素、クレアチンキナーゼ、ALT(アラニンアミノ
トランスフェラーゼ)、AST(アスパルテートアミノト
ランスフェラーゼ)等の定量分析は、臨床医学上重要
で、疾患の診断、治療経過の追跡、予後の判定などに不
可欠である。血液等を試料とする臨床化学検査では、微
量の液体試料で、精度の高い検査を行うことができるこ
とが望ましい。従来、溶液試薬を用いる湿式法が広く用
いられているが、迅速性に欠ける。
乾式化学分析、すなわち実質的に乾燥状態の分析要
素、例えば、試験片や多層分析要素中に、分析試薬系を
導入した臨床分析法が知られている。乾式化学分析は湿
式法による化学分析(すなわち、溶液中に試薬を用いる
方法)より、例えば使用上の簡易性、経済上の節約及び
分析の迅速さなどの点で優れている。乾式多層分析要素
は、微量の液体試料で、精度の高い検査を迅速に行うこ
とができる分析手段として、開発された。乾式多層分析
要素は、例えば、特公昭53-21677、特開昭55-164356、
特開昭60-222769等で知られている。乾式多層分析要素
の一例を挙げれば、透明支持体、試薬層、光反射層、展
開層から構成されている。透明支持体は、例えば下塗り
処理を施した薄い有機ポリマーシートである。透明支持
体の上に塗布された試薬層には、液体試料中に含まれる
被検成分と反応し、その成分量に応じた光学濃度に発色
する試薬が含まれる。光反射層は、試薬層に入射した光
が展開層に達するのを防ぎ、試薬層の光学測定の際展開
層に点着した液体試料の光学的影響を受けないようにす
る役割を持つ。展開層は、点着された液体試料を均一
(一様)に、液の量にほぼ比例する面積に広げる。この
ような乾式分析要素を用いて定量分析するには、液体試
料、例えば全血を展開層の表面に一定量点着する。展開
層で展開された血液は、光反射層を通って試薬層に達
し、ここで試薬と反応し、発色する。点着後、化学分析
スライドを適当な時間、一定温度に保って(インクベー
ション)発色反応を充分に進行させた後、透明支持体側
から照明光を試薬層に照射し、特定波長域で反射光量を
測定して反射光学濃度を求め、予め求めておいた検量線
に基づいて定量分析を行う。
従来、湿式法、乾式化学分析いずれにおいても、赤血
球を除去した血漿又は血清を試料として分析が行なわれ
ることが多かった。しかし血液の他の成分から赤血球を
分離する操作には多くの労力と装置のコストを伴うの
で、未稀釈の全血で分析できることが望ましい。
全血を試料として乾式化学分析を行うには、血球(赤
血球及び白血球)及び全血の他の高分子量成分を、分析
要素中で何らかの手段で分離しなければならない。特公
昭53-21677には、血球及び全血の高分子量成分を、分析
要素中で分離するために、濾過層を設けることを開示し
ている。しかし、特開昭60-111960に記載されているよ
うに、乾式分析要素に設けた濾過層により全血から血球
成分を除去する場合には非常に時間がかかり、また血漿
又は血清中の被検成分の一部が濾過層中で失われて、定
量分析が不正確になる恐れがあった。
赤血球による定量分析の妨害を回避するために、全血
中の赤血球を分析要素中で全血から分離除去し、しかも
血漿中の被検成分の試薬層への拡散が速やかに行なわれ
る、全血試料中の被検成分の定量分析に有用な乾式分析
法の一体型多層分析要素が、特開昭62-138756で提案さ
れた。この分析要素は、第1の非繊維質多孔性層、第2
の非繊維質多孔性層、繊維質多孔性層がこの順に一体に
積層されており、前記3層の多孔性層がそれぞれ隣接す
る面の間で、液体の均一(一様)透過が実質的に妨げら
れないような微少貫通路を形成するように部分的に配置
された接着剤により実質的に密着して接着されて一体化
されている、一体型多層分析要素であり、発色を生ずる
試薬組成物は前記3層の多孔性層のいずれかに含まれ、
第2の非繊維多孔性層の平均有効孔径を0.8μmから30
μmとしたものである。しかし、この多層分析要素を用
いても全血中の被検成分の定量分析を行うと、全血から
の血球成分の分離除去が不充分で、血液のヘマトクリッ
ト値(血液中に占める血球の容積百分率)の大小によ
り、血漿中の被検成分含量が同じ血液でも分析結果にか
なり差が出ることが経験された。
[解決しようとする技術的課題] 本発明は、一体型多層分析要素で全血中の血球成分を
血漿から分離除去して赤血球による定量分析の妨害を回
避し、しかも血漿中の被検成分の試薬層への拡散が速や
かに行なわれ、全血試料中の被検成分を血液のヘマトク
リット値に拘わらず高い精度で定量分析することができ
る乾式分析要素の提供を技術的課題とする。
[技術的課題の解決手段] 本発明の前記課題は、水不透過性光透過性支持体の上
に、少なくとも3層の多孔性層が一体に積層されてお
り、前記多孔性層がそれぞれ隣接する面の間で、液体の
均一透過が実質的に妨げられない微少貫通部が形成され
るよう、部分的に配置された接着剤により実質的に密着
して接着され一体化されている一体型多層分析要素であ
って、前記少なくとも3層の多孔性層は前記支持体側か
ら、第1の繊維質多孔性層、非繊維質多孔性層、第2の
繊維質多孔性層がこの順に積層されており、被検成分の
存在下に検出し得る光学的変化を生ずる試薬組成物が前
記3層の多孔性層の少なくとも1つに含まれることを特
徴とする一体型多層分析要素により、解決された。前記
試薬組成物は、第1の繊維質多孔性層に含まれることが
好ましい。
本発明の前記課題はまた、水不透過性光透過性支持体
と、その上に一体に積層された、少なくとも3層の多孔
性層を有し、前記多孔性層がそれぞれ隣接する面の間
で、液体の均一透過が実質的に妨げられない微少貫通部
が形成されるよう、部分的に配置された接着剤により実
質的に密着して接着され一体化されている一体型多層分
析要素であって、支持体の上に親水性ポリマーをバイン
ダーとする実質的に無孔性の試薬層を有し、前記少なく
とも3層の多孔性層は、支持体の上に前記無孔性試薬層
を介して、第1の繊維質多孔性層、非繊維質多孔性層、
第2の繊維質多孔性層がこの順に一体に積層されてお
り、被検成分の存在下に検出し得る光学的変化を生ずる
試薬組成物が少なくとも前記無孔性試薬層に含まれるこ
とを特徴とする一体型多層分析要素によって、解決され
た。試薬組成物は、無孔性試薬層と第1の繊維質多孔性
層との両方に含まれてもよいし、全部又は大部分が無孔
性試薬層に含まれてもよい。
[発明の具体的構成の詳細] 非繊維多孔性層として、特公昭53-21677、米国特許1
421 341等に記載のセルロースエステル類、例えば、セ
ルロースアセテート、セルロースアセテートブチレー
ト、硝酸セルロースからなるブラッシュポリマーの層が
好ましい。6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミ
ド、ポリエチレン、ポリプロピレン等の微多孔性膜、特
開昭62-27006に記載のポリスルホンからなる微多孔性膜
も好ましい。その他、特公昭53-21677、特開昭55-90859
等に記載の、ポリマー小粒子、ガラス粒子、珪藻土等が
親水性又は非吸水性ポリマーで結合された連続空隙をも
つ微多孔性層も用いることができる。
非繊維多孔性層の有効孔径は0.8μmから30μmであ
ることが好ましい。本発明で非繊維多孔性層の有効孔径
は、ASTM F316-70に準拠した限界泡圧法(バブルポイン
ト法)により測定した孔径で示す。非繊維多孔性層が相
分離法により作られたいわゆるブラッシュ・ポリマーか
ら成るメンブランフィルターである場合、厚さ方向の液
体通過経路は、膜の製造の際の自由表面側(光沢面)で
最も狭くなっているのが普通で、液体通過経路の断面を
円に近似したときの孔径は、自由表面の近くで最も小さ
くなっている。単位の通過経路における厚さ方向に関す
る最小孔径は、さらにメンブランフィルターの面方向に
ついて分布を持っており、その最大値が粒子に対する濾
過性能を決定する。通常、それは限界泡圧法で測定され
る。
上に述べたように、相分離法により作られたブラッシ
ュ・ポリマーから成るメンブランフィルターでは、厚さ
方向の液体通過経路は膜の製造の際の自由表面側(光沢
面)で最も狭くなっている。本発明の分析要素の非繊維
多孔性層としてこの種の膜を用いる場合には、支持体に
近い側、すなわち第1の繊維質多孔性層に面する側にメ
ンブランフィルターの光沢面を向けることが好ましい。
繊維質多孔性層を構成する材料としては、濾紙、不織
布、織物布地(例えば平織物布地)、編物布地(例えば
トリコット編物布地)、ガラス繊維濾紙等を用いること
ができる。これらのうち織物布地、編物布地が好まし
い。布地等は、特開昭57-66359に記載のようなグロー放
電処理等の物理化学的活性化処理をしてもよい。
非繊維多孔性層を第1の繊維質多孔性層の上に固定す
る方法及び第2の繊維質多孔性層を非繊維質多孔性層の
上に固定する方法としては、接着剤を用いることができ
るが、液体の均一(一様)透過が実質的に妨げられない
ようにする必要がある。そのためには、接着剤を部分的
に配置し、接着剤が存在しない部分に微少貫通部が形成
されるようにする。その方法として特開昭62-138756に
記載の、2つの多孔性層を網点刷法(例、グラビア印刷
法、スクリーン印刷法)を利用した部分接着法により接
着一体化する方法が有効である。グラビア印刷法を利用
した部分接着法の代表的な例は、高温に加熱し溶融状態
のホットメルト型接着剤を、繊維質多孔性層か非繊維質
多孔性層のどちらか一方の表面に、グラビアローラーか
らの転写によりドット状に付着させた直後に両者を重ね
てラミネートローラーの間を通すことで接着一体化する
方法である。
第2の繊維質多孔性層は、液体試料の展開層として機
能するので、液体計量作用を有する層であることが好ま
しい。液体計量作用とは、層の表面に点着供給された液
体試料を、その中に含有する成分を実質的に偏在させる
ことなく、層の面方向に単位面積当りほぼ一定量の割合
で広げる作用である。展開層には、展開面積、展開速度
等を調節するために特開昭60-222770、特開昭63-21939
7、特開昭63-112999、特開昭62-182652に記載のような
親水性高分子又は界面活性剤を含有してもよい。
第1の繊維質多孔性層の空隙体積(単位面積当たり;
以下同じ)は非繊維多孔性層と同じでもよいが、後者の
2分の1以下とするのが好ましい。両者の空隙率を同じ
にして、前者の厚さを後者の2分の1以下としてもよい
し、両者の厚さを同じとして、前者の空隙率を後者の2
分の1以下としてもよい。厚さと空隙率の組み合わせ
で、両者の空隙体積の関係を規制してもよい。
非繊維多孔性層と第2の繊維質多孔性層の空隙率は同
じても、異なってもよい。
本発明の分析要素は種々の構成(層の配置)をとるこ
とができる。例えば、米国特許3 992 158、特開昭55-16
4356、特開昭62-138756、特開昭62-138757、特開昭62-1
38758の記載を参考にできる。実用的には例えば、 (1)支持体の上に、第1繊維質多孔性層、非繊維多孔
性層、第2繊維質多孔性層をこの順に、 (2)支持体の上に、接着層(又は吸水層)、第1繊維
質多孔性層、非繊維多孔性層、第2繊維質多孔性層を、
この順に、 (3)支持体の上に、検出層、第1繊維質多孔性層、非
繊維多孔性層、第2繊維質多孔性層を、この順に、 (4)支持体の上に、試薬層、第1繊維質多孔性層、非
繊維多孔性層、第2繊維質多孔性層を、この順に、 (5)支持体の上に、検出層、試薬層、第1繊維質多孔
性層、非繊維多孔性層、第2繊維質多孔性層を、この順
に、 それぞれ有するものが、有用である。支持体は下塗り
層を有していてもよい。検出層は、一般に、被検成分の
存在下で生成した色素等が拡散し、光透過性支持体を通
して光学的に検出され得る層で、親水性ポリマーにより
構成することができる。媒染剤、例えばアニオン性色素
に対してカチオン性ポリマーを、含んでもよい。吸水層
は、一般に、被検成分の存在下で生成する色素が実質的
に拡散しないような層を言い、膨潤しやすい親水性ポリ
マーにより構成することができる。
第1又は第2の繊維質多孔性層と非繊維多孔性層の間
には、さらに他の非繊維または繊維質多孔性層を設ける
ことができる。
試薬層と第1繊維質多孔性層との間、又は検出層と第
1繊維質多孔性層との間に、妨害物除去層、光反射層等
を設けてもよい。
光透過性水不透過性支持体(透明支持体)の材料とし
て好ましいものはポリエチレンテレフタレート、ポリス
チレン、セルローストリアセテート等のセルロースエス
テル類である。親水性層の吸水層、検出層、実質的に無
孔性の試薬層等を支持体に強固に接着させるために、通
常、支持体に下塗り層を設けるか、親水化処理を施す。
試薬組成物には、被検成分の存在下に、光学的に検出
し得る物質、例えば染料を生成し得る組成物を含む。ロ
イコ色素の酸化よって染料を生成する組成物(例、米国
特許4 089 747等に記載のトリアリールイミダゾールロ
イコ色素、特開昭59-193352等に記載のジアリールイミ
ダゾールロイコ色素)、ジアゾニウム塩、酸化されたと
きにカプラー化合物とのカプリングにより染料を生成す
る色原体化合物を含む組成物(例、4−アミノアンチピ
リン類(色原体化合物)と、フェノール類またはナフト
ール類(カプラー)との組合せ)、還元型補酵素と電子
伝達剤の存在下で染料を生成することのできる染料前駆
体化合物からなるもの等を用いることができる。試薬組
成物は酵素を含むものでもよく、特開昭62-138756明細
書18〜20頁に記載の試薬組成物等を用いることができ
る。また、酵素活性を測定する分析要素の場合には、例
えば、p−ニトロフェノール、p−ニトロフェニルホス
フェートのような有色物質を遊離しうる自己顕色性基質
を、試薬層、第1繊維質多孔性層、又は非繊維多孔性層
に含むことができる。
被検成分の存在下に発色を生ずる試薬組成物を前記3
層の多孔性層の少なくとも1層に含有させるには、試薬
組成物の適当な溶液又は分散液を予め含浸又は塗布した
多孔性層を、他の水浸透性層、例えば試薬層の上に接着
一体化する方法で接着させる方法が有用である。適用し
うる接着方法の例として、特開昭55-164356に記載のよ
うに、親水性ポリマーバインダーを含む層(接着層又は
試薬層)の表面全面を水又は界面活性剤含有水でほぼ一
様に湿潤させておき、その表面に多孔性層を重ねあわせ
軽く一様に圧力をかけて接着一体化する方法がある。ま
た、多孔性層を他の水浸透性層(例、下塗り層、接着
層、吸水層)の上に特開昭55-164356に記載のような方
法で接着させた後、試薬組成物の溶液又は分散液を多孔
性層に塗布してもよい。
多孔性層に試薬組成物を含浸又は塗布するには公知の
方法を利用できる。塗布には、例えば、ディップ塗布、
押し出し塗布、ドクター塗布、ホッパー塗布、カーテン
塗布等を適宜選択して用いることができる。
試薬組成物は総てを一つの多孔性層、例えば第1の繊
維質多孔性層に含んでもよく、複数の多孔性層に分けて
含有させてもよい。試薬組成物の一部又は全部を、多孔
性層より支持体に近く設けられた親水性ポリマーを結合
剤とする実質的に均一な(一様な)無孔性の層(無孔性
試薬層)に含ませてもよい。親水性ポリマーとして、例
えば、ゼラチン及びこれらの誘導体(例、フタル化ゼラ
チン)、セルロース誘導体(例、ヒドロキシプロピルセ
ルメース)、アガロース、アクリルアミド重合体、メタ
アクリルアミド重合体、アクリルアミド又はメタアクリ
ルアミドと各種ビニル性モノマーとの共重合体等が利用
できる。
親水性ポリマーを結合剤として試薬組成物を含む均一
な無孔性の層を塗布した後、試薬組成物を含まない繊維
質多孔性層を特開昭55-164356に記載のように、親水性
ポリマーを含む試薬層の表面を水で一様に湿潤させてお
き、その上に多孔性層を重ねて軽くほぼ一様に圧力をか
けて接着させる方法で接着させることによっても、試薬
組成物を第1の繊維多孔性層に実質的に含有させること
ができる。
試薬組成物には、必要に応じ、活性化剤、pH緩衝剤、
架橋剤(硬膜剤又は軟化剤)、界面活性剤等を含有させ
ることができる。本発明の分析要素の試薬層又は試薬層
と液体接触しうる層に含有させることができるpH緩衝剤
の例としては、炭酸塩、硼酸塩、燐酸塩や『Biochemist
ry』5巻(2号)、467-477頁(1966年)に記載のCood
のpH緩衝剤などがある。これらのpH緩衝剤は『蛋白質・
酵素の基礎実験法』(堀尾武一ほか著、南江堂、1981
年)、『Biochemistry』5巻 等の文献の記載を参考に
して選択することができる。
第1の繊維質多孔性層を接着し積層するための接着層
を、支持体、下塗り層、吸水層、検出層等の層の上に設
けてもよい。接着層は水で膨潤したときに多孔性層を接
着することができるような親水性ポリマー、例えば、ゼ
ラチン、ゼラチン誘導体、ポリアクリルアミド、澱粉等
からなることが好ましい。
第1の繊維質多孔性層は、検出層、試薬層等に生じた
検出可能な変化(色変化、発色等)を透明支持体側から
反射測光する際に、全血中の赤血球のヘモグロビンの赤
色を遮蔽するとともに、光反射層又は背景層として機能
する。第1の繊維質多孔性層に親水性ポリマーをバイン
ダーとして分散された二酸化チタン、硫酸バリウム等の
光反射性微粒子を含有させてもよい。バインダーとして
はゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリアクリルアミド等が
好ましい。さらに、実質的に無孔性試薬層、非繊維質多
孔性層のいずれか又は両方に、光反射性微粒子を含ませ
てもよい。
本発明の全血分析要素は、全血中のグルコース、尿
素、尿酸、クレアチニン等の低分子成分の定量は勿論、
総蛋白、アルブミン、各種酵素等の高分子成分、ビリル
ビン等の蛋白質と結合した成分、コレステロール、グリ
セリド等の疎水性成分の定量に特に有用である。多孔性
層に抗原又は抗体の少なくとも一方を含有させて、免疫
学的方法による抗原又は抗体の定量に用いることもでき
る。
[発明の効果] 本発明の全血分析要素は、全血及び血漿を試料とし
て、血液のヘマトクリット値が0%から55%の広い範囲
にわたり、種々の被検成分についてヘマトクリット値に
左右されない分析値を得ることができる。
[実施例1] 総コレステロール定量用一体型多層分析要素1−1ロイ
コ色素分散液の調製 ロイコ色素溶液 下記組成のロイコ色素溶液を調製した。
2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−
4−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−5−フェネ
チルイミダゾール酢酸塩 5.7g 2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−
4−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−5−フェネ
チルイミダゾール塩酸塩 0.8g N,N−ジエチルラウリルアミド 104g ゼラチン水溶液 下記組成のゼラチン水溶液を作成した。
アルカリ処理ゼラチン 300g 水 1900g ビス[(ビニルスルホニルメチルカルボニル)−アミ
ノ]メタン 3.0g ロイコ色素乳化液の調製 ゼラチン水溶液をTKオートホモミキサー(特殊機械工
業社製 乳化器)で約5700回転/分で撹拌しながらロイ
コ色素溶液を添加し、約30分間分散して、ロイコ色素乳
化液を調製した。
1−2発色試薬層の塗布 上記の工程で得られた乳化液を、ゼラチン下塗りさ
れている厚さ180μmで平滑な表面の無色透明ポリエチ
レンテレフタレート(PET)シート(支持体)の上に1m
2当たり150gの割合で塗布し、乾燥させて、無孔性の発
色試薬層(乾燥厚さ約20μm、被覆量約26g/m2)を形成
した。
1−3第1繊維質多孔性層の積層と処理 上記発色試薬層の表面を約25℃の水で一様に湿らせ
(約30g/m2の割合)、50デニール相当のPET紡績糸を36
ゲージ編みしたトリコット編物布地(厚さ約250μm)
を重ね合わせ、乾燥させて発色試薬層に布地を接着させ
た。
次にこのトリコット編物布地の上から、下記の試薬組
成物水溶液を、布地1m2当り下記の成分被覆量(distri
bution parameter)になるように塗布し、乾燥させて、
第1繊維質多孔性層とした。
試薬組成物の成分被覆量(1m2当り) メチルセルロース 3.0g 二酸化チタン微粒子(平均粒子径0.3μm) 24g リポプロテインリパーゼ 200IU コレステロールエステラーゼ 2500IU コレステロールオキシダーゼ 2500IU ペルオキシダーゼ 2500IU 燐酸二水素カリウム 7.3g フェロシアン化カリウム 700mg (IUは酵素国際単位) 1−4第2繊維質多孔性層の含浸処理 別に、第2繊維質多孔性層とするための50デニール相
当のPET紡績糸を36ゲージ編みしたトリコット編物布地
(厚さ約250μm)を下記組成の水溶液に浸漬し、空隙
に液を満たした後、取り出して乾燥させた。
ポリエチレングリコール(分子量約5万) 2.0g 四硼酸ナトリウム 2.0g 精製水 96g 1−5第2繊維質多孔性層と非繊維多孔性層の積層 次に含浸処理済みのトリコット編物布地を温度80℃に
予熱した表面に、温度130℃に加熱して溶解したホット
メルト型接着剤を、グラビア印刷法を利用してグラビア
ローラーからの転写により、点状に付着させた。グラビ
アローラーは円形のドットの直径0.3mm、ドット中心間
距離0.6mm、ドット面積率約20%のものを用いた。付着
した固形成分の量は約3g/m2であった。
接着剤が転写された直後の高温の布地の表面に、有効
孔径3μm、厚さ140μm、空隙率約80%のセルロース
アセテートメンブランフィルター(富士写真フィルム
(株)製ミクロフィルターFM300)の非光沢面とを向か
い合わせてラミネートローラーの間を通し、両者をラミ
ネート(接着一体化)した。
1−6一体型多層分析要素の完成 この重層物(展開層及び第2多孔質層)を上記と同じ
点状接着法により前記第1多孔性層の面の上に接着し、
一体化させた。すなわち上記重層物のメンブランフィル
ター面に、加熱したホットメルト型接着剤を、グラビア
印刷法を利用してグラビアローラーからの転写により、
点状に付着させた後、直ちに前記第1繊維質多孔性層
(支持体及び発色試薬層の上にある)の面と向かい合わ
せ、両者をラミネートローラーの間を通し、ラミネート
(接着一体化)した。
こうして完成した総コレステロール定量用多層分析要
素は、支持体、実質的に無孔性の発色試薬層、第1繊維
質多孔性層、非繊維質多孔性層、第2繊維質多孔性層の
順に一体に積層されている。第2繊維質多孔性層と非繊
維質多孔性層とは協同して血球濾過層として作用する。
第1繊維質多孔性層は、コレステロールの存在下に第2
鉄イオンを生成する反応層として作用する。発色試薬層
は、コレステロールの存在下に第1繊維質多孔性層で生
成した第2鉄イオンにより色素を形成し、色素は透明支
持体を通して光学的に検出される。
1−6分析スライドの製作 得られた総コレステロール定量分析用多層分析要素を
一辺15mmの正方形チップに裁断し、特開昭57-63452に記
載のスライド枠に収めて総コレステロール定量用生化学
分析スライドを完成した。
[比較例1] 実施例1の第1繊維質多孔性層に用いたトリコット編
物布地の代わりに、有効孔径1.2μm、厚さ140μm、空
隙率約80%のセルロースアセテートメンブランフィルタ
ー(富士写真フィルム(株)製ミクロフィルターFM12
0)を用い、光沢面を発色試薬層に向ける他は、実施例
1と同様にして、総コレステロール定量用生化学分析ス
ライドを完成した。
[性能評価試験1] 多層分析要素の全血中総コレステロールによる発色
を、下記のようにして評価した。
総コレステロール145mg/dLを含むヒト血漿と、同じ総
コレステロール含有量でヘマトクリット値が25%、40
%、55%のヒト全血試料を用意し、各20μLを、実施例
1及び比較例1の分析スライドの第2繊維質多孔性層上
にそれぞれ点着し、37℃で3分及び6分インクベーショ
ンした後、中心波長640nmの可視光でPET透明支持体側か
ら反射測光により、分析スライドの発色光学濃度を測定
した。結果を第1表に示す。
第1表のデータでは、実施例1の分析要素ではヘマト
クリット値0%(血漿)から55%の全血にわたり、ヘマ
トクリット値にかかわらずほぼ同じ発色光学濃度が得ら
れている。一方、比較例1の従来技術による分析要素で
は、ヘマトクリット値が高くなるにつれて発色光学濃度
が著しく低下している。本発明の全血用多層分析要素で
は、血漿からヘマトクリット値55%の全血にわたり、ほ
ぼ同じ精度で総コレステロールを定量分析できることが
明らかである。
[性能評価試験2] 全血中総コレステロールによる多層分析要素の発色
の、総コレステロール濃度依存性を、下記のようにして
評価した。
検定された総コレステロール濃度が63mg/dLから319mg
/dLの範囲に、ヘマトクリット値が19%から44%の範囲
にあるヒト全血8検体を用意し、各20μLを実施例1で
作製した分析スライドの第2繊維質多孔性層上にそれぞ
れ点着し、37℃で6分インクベーションした後、中心波
長640nmの可視光でPET透明支持体側から反射測光によ
り、分析スライドの発色光学濃度を測定した。結果を第
2表及び第1図に示す。なお総コレステロール濃度0mg/
dLの試料としては、生理食塩水を用いた。
第2表のデータ及び第1図のグラフから、液体試料
(全血及び血漿)のヘマトクリット値の相違があって
も、本発明の多層分析要素の発色光学濃度が液体試料中
の総コレステロール濃度と良好相関を示すことが認めら
れる。
[参考実験] 実施例1と比較例1の分析スライドについて、全血か
らの血球成分を分離除去する能力を下記の方法で調べ
た。
ヘマトクリット値を40%に調整した全血20μLを、実
施例1の分析スライドと比較例1の分析スライドそれぞ
れの第2繊維質多孔性層の上に点着し、35℃に6分保っ
た。この後各層を剥離し、それぞれの層の上面と下面を
中心波長540nmの可視光で反射測光し、光学濃度を測定
した。結果を第3表に示す。
数値は、測定された反射光学濃度から何も点着してい
ない時に測定された反射光学濃度をブランクとして差し
引いた値を示している。
第3表のデータから、第1繊維質多孔性層より上側の
多孔性層で全血から血球成分が完全に分離除去されてい
ることが明らかである。
[実施例2] 2−1発色試薬層の塗布 ゼラチン下塗りされている厚さ180μmで平滑な表面
の無色透明PETシート(支持体)の上に下記の発色試薬
層組成物水溶液を1m2当たり156mLの割合で塗布し、乾
燥させて、無孔性の発色試薬層(乾燥厚さ約15μm、被
覆量約20g/m2)を形成した。
発色試薬層組成物水溶液の組成 ゼラチン 190g ノニルフェノキシポリグリシドール(平均10グリシドー
ル単位含有) 8g ペルオキシダーゼ 15万IU FAD(フラビン・アデニン・ジヌクレオチド) 240mg TPP(チアミン・ピロホスフェート) 100mg ピルビン酸オキシダーゼ 15万IU 2−(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−
4−フェネチル−5−[4−(ジメチルアミノ)フェニ
ル]−イミダゾール(ロイコ色素) 3.0g 水 1360g (希NaOH水溶液でpH6.5に調整する) 2−2接着層の塗布 発色試薬層の上に下記の接着層組成物水溶液を1m2
たり60mLの割合で塗布し、乾燥させて、接着層(乾燥厚
さ約3μm、被覆量約4g/m2)を形成した。
接着層組成物水溶液の組成 ゼラチン 40g ノニルフェノキシポリグリシドール(平均10グリシドー
ル単位含有) 1.6g 水 600g (希NaOH水溶液でpHを7.0に調整する) 2−3.第1繊維質多孔性層の積層と処理 接着層の上に約25℃の水を約30g/m2の割合で全面にほ
ぼ一様に供給して湿潤させた後、PET製のブロード織物
布地(空隙体積9.8μL/m2)を軽く圧力をかけてラミネ
ートし、乾燥して接着させた。
次にこのブロード織物布地の上から、下記組成の試薬
組成物水溶液を100mL/m2の割合で塗布し、乾燥させ、第
1繊維質多孔質層とした。
試薬組成物水溶液の組成 トリス(ヒドロキシメチルアミノ)メタン 2.2g 燐酸1カリウム 4.5g α−ケトグルタル酸ナトリウム 4.0g L−アラニン 27.5g ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトキシ基28〜
30%、ヒドロキシプロポキシ基7〜12%含有、2%水溶
液の20℃での粘度50cps)(信越化学(株)製メトロー
ズ90 SH 100) 8.7g 4,4′−モノメチンビス−[1−(p−スルフォフェニ
ル)−3−メチル−5−ピラゾロン]オキソノール(染
料) 700mg p−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール 27g 二酸化チタン微粒子(ルチル型) 70g 塩化マグネシウム 2.4g 水 880g (希NaOH水溶液でpH7.5に調整する) 2−4第2繊維質多孔性層の含浸処理 第2繊維質多孔性層とするための50デニール相当のPE
T紡績糸を36ゲージ編みしたトリコット編物布地(厚さ
約250μm)を下記組成の水溶液に浸漬し、空隙に液を
満たした後、取り出して乾燥させた。
ポリエチレングリコール(分子量約5万) 2.0g 四硼酸ナトリウム 2.0g 精製水 96g 2−5第2繊維質多孔性層と非繊維質多孔性層の積層 次に含浸処理済みのトリコット編物生地を温度80℃に
予熱した表面に、温度130℃に加熱して溶解したホット
メルト型接着剤を、グラビア印刷法を利用してグラビア
ローラーからの転写により、点状に付着させた。グラビ
アローラーは円形のドットの直径0.3mm、ドット中心間
距離0.6mm、ドット面積率約20%のものを用いた。付着
した固形成分の量は約3g/m2であった。
接着剤が転写された直後の高温の布地の表面に、有効
孔径3μm、厚さ140μm、空隙率約80%のセルロース
アセテートメンブランフィルター(富士写真フィルム
(株)製ミクロフィルターFM300)の非光沢面とを向か
い合わせてラミネートローラーの間を通し、両者をラミ
ネート(接着一体化)した。
2−6一体型多層分析要素の完成 この重層物(展開層及び第2多孔性層)を上記と同じ
点状接着法により前記第1多孔性層の面の上に接着し、
一体化させた。すなわち上記重層物のメンブランフィル
ター面に、加熱したホットメルト型接着剤を、グラビア
印刷法を利用してグラビアローラーからの転写により、
点状に付着させた後、直ちに前記第1繊維質多孔性層
(支持体及び発色試薬層の上にある)の面と向かい合わ
せ、両者をラミネートローラーの間を通し、ラミネート
(接着一体化)した。
こうして完成したALT(アラニンアミノトランスフェ
ラーゼ)活性定量用多層分析要素は、透明支持体、実質
的に無孔性の発色試薬層、第1繊維質多孔性層、非繊維
質多孔性層、第2繊維質多孔性層の順に一体に積層され
ている。第2繊維質多孔性層と非繊維質多孔性層とは協
同して血球濾過層として作用する。第1繊維質多孔性層
は、ALTの存在下にピルビン酸を生成する反応層として
作用する。無孔性の発色試薬層は、ALTの存在下に第1
繊維質多孔性層で生成したピルビン酸を過酸化水素を経
て色素に変換し得る層として作用する。色素は透明支持
体を通して光学的に検出される。
2−7分析スライドの製作 得られたALT活性定量用多層分析要素を一辺15mmの正
方形チップに裁断し、特開昭57-63452に記載のスライド
枠に収めてALT活性定量用生化学分析スライドを完成し
た。
[性能評価試験3] ALT活性定量用分析スライドの全血中のALTによる発色
を下記のようにして評価した。
ヒト全血を遠心分離した後、得られた血漿の適当量を
再び血球部分に添加、混合することにより、それぞれヘ
マトクリット値が25%,40%,55%の全血試料を用意し
た。この再混合に先立ち、7%HSA水溶液にALTを加えて
調製したALT含有HSA水溶液で、血漿の一部を置き換え、
得られた全血が800Unit/LのALT活性値を有するよう置換
の割合を調節した。血漿についても同様に一部をALT含
有HSA水溶液で置換し、全血と同じALT活性値を持つよう
に調整した。
こうして調製された全血試料各20μLを実施例2の分
析スライドの第2繊維質多孔性層にそれぞれ点着し、各
分析要素を密閉インクベータ中で37℃に保ちつつ点着後
2.5分から4分までの反射光学濃度を波長640nmの可視光
で測定して、1秒当りの光学濃度変化を求めた。測定結
果を第4表に示す。
第4表のデータでは、実施例2の多層分析要素ではヘ
マトクリット値0%(血漿)から55%にわたり、ヘマト
クリット値にかかわらずほぼ一定の光学濃度変化が得ら
れている。このことから、本発明の全血用多層分析要素
では、血漿からヘマトクリット値55%の全血にわたり、
ほぼ同じ精度でALT活性値を定量分析できることが明ら
かである。
[性能評価試験4] 得られたALT活性定量用分析スライドの、発色光学濃
度とALT活性値との相関を下記のようにして評価した。
7%HSA水溶液に異なる量のALTを加えて調製した活性
値の異なるALT含有HSA水溶液を調製した。ヒト全血を遠
心分離し、得られた血漿の一定量を前記のALT含有HSA水
溶液で置き換えた後に、これを再び血球部分と混合する
ことにより、ヘマトクリット値40%の全血試料を調製し
た。
こうして調製された全血試料各20μLを実施例2の分
析スライドの第2繊維質多孔性層にそれぞれ点着し、各
分析要素を密閉インクベータ中で37℃に保ちつつ点着後
2.5分から4分までの反射光学濃度を波長640nmの可視光
で測定して、1秒当りの光学濃度の変化速度を求めた。
測定結果を第5表及び第2図に示す。
第5表の最後の行の数値は、遠心分離前のもとの血液
についての測定結果である。
第5表のデータ及び第2図のグラフから、本発明の多
層分析要素の発色光学濃度の変化速度が全血試料中のAL
T活性値とほぼ直線で表される良好な相関関係を示すこ
とが認められる。従って<本発明の全血用多層分析要素
では、広い活性値範囲にわたり、ほぼ同じ精度で全血中
のALT活性値を定量分析できることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は全血試料に含まれる総コレステロール濃度と実
施例1の分析スライドの発色の反射光学濃度との関係を
示すグラフである。 第2図は全血試料中のALT酵素活性と実施例2の分析ス
ライドの発色の反射光学濃度の変化速度との関係を示す
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−138758(JP,A) 特開 昭62−138757(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 33/52 G01N 21/78

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水不透過性光透過性支持体の上に、少なく
    とも3層の多孔性層が一体に積層されており、前記多孔
    性層がそれぞれ隣接する面の間で、液体の均一透過が実
    質的に妨げられない微少貫通部が形成されるよう、部分
    的に配置された接着剤により実質的に密着して接着され
    一体化されている一体型多層分析要素であって、前記少
    なくとも3層の多孔性層は前記支持体側から、第1の繊
    維質多孔性層、非繊維多孔性層、第2の繊維質多孔性層
    がこの順に積層されており、被検成分の存在下に検出し
    得る光学的変化を生ずる試薬組成物が前記3層の多孔性
    層の少なくとも1つに含まれることを特徴とする一体型
    多層分析要素。
  2. 【請求項2】前記試薬組成物が第1の繊維質多孔性層に
    含まれる請求項1に記載の分析要素。
  3. 【請求項3】水不透過性光透過性支持体と、その上に一
    体に積層された、少なくと3層の多孔性層を有し、前記
    多孔性層がそれぞれ隣接する面の間で、液体の均一透過
    が実質的に妨げられない微少貫通部が形成されるよう、
    部分的に配置された接着剤により実質的に密着して接着
    され一体化されている一体型多層分析要素であって、支
    持体の上に親水性ポリマーをバインダーとする実質的に
    無孔性の試薬層を有し、前記少なくとも3層の多孔性層
    は、支持体の上に前記無孔性試薬層を介して、第1の繊
    維質多孔性層が無孔性試薬層に最も近くなる様に、第1
    の繊維質多孔性層、非繊維質多孔性層、第2の繊維質多
    孔性層がこの順に積層されており、被検成分の存在下に
    検出し得る光学的変化を生ずる試薬組成物が少なくとも
    前記無孔性試薬層に含まれることを特徴とする一体型多
    層分析要素。
  4. 【請求項4】前記試薬組成物が前記無孔性試薬層及び第
    1の繊維質多孔性層に含まれる請求項3に記載の分析要
    素。
  5. 【請求項5】前記試薬組成物が前記無孔性試薬層に含ま
    れる請求項3に記載の分析要素。
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