JP6739412B2 - 血液濾過ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、血液濾過ユニットに関する。
特許文献1及び特許文献2には、血液濾過材料が収容された濾過部で血液を濾過し、濾過された濾過液(血漿又は血清)を筒状の濾過液受槽(貯留部)に貯留させる血液濾過ユニットが開示されている。特に、特許文献1に記載の血液濾過ユニットでは、血液を吸引するノズルの開口及び濾過液出口(流出口)を開封可能に密閉し、かつ、ユニット内部を減圧状態にすることで、別途減圧装置を必要とせずに血液を濾過できる構成となっている。また、特許文献2に記載の血液濾過ユニットでは、濾過液出口に設けられていた対向面を撤去し又は濾過液出口の下辺の長さを0.8mm以上とすることで濾過液出口付近の液保持性を低下させる構成となっている。
特開平11−295298号公報 特開2000−81432号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示された血液濾過ユニットでは、流出口
から流出した濾過液の濡れ広がり(濡れ上がり)を抑制する構造については検討されていない。このため、流出口から流出した濾過液が濡れ広がることで貯留部の開口端面を伝って貯留部の外側へ流れる可能性がある。
本発明は、上記事実を考慮して、流出口から流出した濾過液が濡れ広がるのを抑制することができる血液濾過ユニットを得ることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1態様に係る血液濾過ユニットは、血液濾過材料が収容された濾過部と、前記濾過部へ血液が流入する血液流入部と、一端が開口された筒状とされ、内部に前記濾過部による濾過後の濾過液が貯留される貯留部と、前記貯留部の外周に沿って形成され、前記濾過液が流れる流路を備えた濾過液流路部と、前記濾過液流路部の端部から前記貯留部の前記一端よりも突出された一対の壁部の間に、前記貯留部の前記一端の開口端面に沿って流出口が形成された流出部と、前記貯留部の開口端面に形成され、前記一対の壁部から前記開口へ向かって延在された突起部及び溝部の少なくとも一方を含んだガイド部と、を有する。
本発明の第1態様に係る血液濾過ユニットによれば、濾過部には血液濾過材料が収容されており、血液流入部から濾過部へ血液が流入する。また、濾過部による濾過後の濾過液は、濾過液流路部の流路を通って貯留部へ貯留される。さらに、濾過液流路部の端部から貯留部の一端よりも突出された一対の壁部の間に流出部が設けられており、この流出部には流出口が形成されている。これにより、血液流入部から濾過部へ流入した血液は、血液濾過材料によって濾過され、濾過液が濾過液流路部の流路を通って流出口から貯留部へ流れて貯留される。
また、貯留部の開口端面にはガイド部が形成されており、このガイド部は、一対の壁部から貯留部の開口へ向かって延在された突起部及び溝部の少なくとも一方を含んでいる。これにより、流出口から流出した濾過液の液滴は、開口端面に接触しながら濡れ広がろうとするが、液滴がガイド部に接触することで濾過液の濡れ広がりを抑制することができる。
本発明の第2態様に係る血液濾過ユニットは、第1態様に係る血液濾過ユニットにおいて、前記ガイド部は、前記突起部を含んで構成されている。
本発明の第2態様に係る血液濾過ユニットによれば、濾過液の液滴が突起部に接触することで、濾過液が濡れ広がるのを抑制することができる。
本発明の第3態様に係る血液濾過ユニットは、第2態様に係る血液濾過ユニットにおいて、前記突起部は、延在方向と直交する方向に切断した断面が三角形状とされている。
本発明の第3態様に係る血液濾過ユニットによれば、突起部の断面を三角形状とすることで、突起部の頂部が曲面とされた構成と比較して、濾過液の液滴が回り込みにくくなり(乗り越えにくくなり)、濡れ広がりを効果的に抑制することができる。
本発明の第4態様に係る血液濾過ユニットは、第2態様又は第3態様に係る血液濾過ユニットにおいて、前記突起部は、前記流出口を挟んで一方の前記壁部及び他方の前記壁部から互いに平行に延在されている。
本発明の第4態様に係る血液濾過ユニットによれば、濾過液の液滴を確実に流出口の両側の突起部に接触させることができ、濾過液の濡れ広がりを効果的に抑制することができる。
本発明の第5態様に係る血液濾過ユニットは、第2態様〜第4態様の何れか1つの態様に係る血液濾過ユニットにおいて、前記開口端面に対する前記突起部の高さは、1μm以上でかつ2mm以下である。
本発明の第5態様に係る血液濾過ユニットによれば、開口端面に対する突起部の高さを上記範囲に設定することで、濾過液の濡れ広がりを効果的に抑制することができる。すなわち、開口端面に対する突起部の高さを1μmよりも低くすれば、突起部としての機能を十分に果たせない。また、開口端面に対する突起部の高さを2mmよりも高くすれば、液滴の保持体積が増えるため、濾過液が貯留部の外側に流れ易くなる。
本発明の第6態様に係る血液濾過ユニットは、第2態様〜第5態様の何れか1つの態様に係る血液濾過ユニットにおいて、前記突起部は、前記流出口を挟んで一方の前記壁部及び他方の前記壁部からそれぞれ複数延在されている。
本発明の第6態様に係る血液濾過ユニットによれば、液滴が1つの突起部を乗り越えた場合でも、2つ目以降の突起部で液滴の濡れ広がりを抑制することができる。すなわち、一方の壁部及び他方の壁部からそれぞれ1つの突起部が設けられた構成と比較して、効果的に濾過液が濡れ広がるのを抑制することができる。
本発明の第7態様に係る血液濾過ユニットは、第5態様に係る血液濾過ユニットにおいて、一方の前記壁部側の隣り合う前記突起部の間隔、及び他方の前記壁部側の隣り合う前記突起部の間隔は、5μm以上でかつ1mm以下である。
本発明の第7態様に係る血液濾過ユニットによれば、隣り合う突起部の間隔を上記範囲に設定することで、濾過液が濡れ広がるのを効果的に抑制することができる。すなわち、隣り合う突起部の間隔(ピッチ)が5μmよりも小さければ、所望の寸法精度を得るのが困難となる。また、ピッチが1mmよりも大きければ、液滴が突起部に接触するまでの濡れ広がり量が大きくなる。
本発明の第8態様に係る血液濾過ユニットは、第1態様に係る血液濾過ユニットにおいて、前記ガイド部は、前記溝部を含んで構成されている。
本発明の第8態様に係る血液濾過ユニットによれば、角度変化が急な部分で液滴が回り込みにくくなるため、濾過液の液滴が溝部のエッジで止まって濾過液が濡れ広がるのを抑制することができる。
本発明の第9態様に係る血液濾過ユニットは、第8態様に係る血液濾過ユニットにおいて、前記溝部は、延在方向と直交する方向から見て矩形に切り欠かれた形状とされている。
本発明の第9態様に係る血液濾過ユニットによれば、溝部を三角形に切り欠かれた形状とした場合と比較して、開口端面と溝壁との角度を小さくすることができ、濾過液が濡れ広がるのを効果的に抑制することができる。
本発明の第10態様に係る血液濾過ユニットは、第8態様又は第9態様に係る血液濾過ユニットにおいて、前記溝部は、前記流出口を挟んで一方の前記壁部及び他方の前記壁部から互いに平行に延在されている。
本発明の第10態様に係る血液濾過ユニットによれば、濾過液の液滴を確実に流出口の両側の溝部のエッジに沿わせることができ、濾過液が濡れ広がるのを効果的に抑制することができる。
本発明の第11態様に係る血液濾過ユニットは、第8態様〜第10態様の何れか1つの態様に係る血液濾過ユニットにおいて、前記開口端面に対する前記溝部の深さは、1μm以上でかつ2mm以下である。
本発明の第11態様に係る血液濾過ユニットによれば、開口端面に対する溝部の深さを上記範囲に設定することで、濾過液が濡れ広がるのを効果的に抑制することができる。すなわち、開口端面に対する溝部の深さを1μmよりも浅くすれば、溝部としての機能を十分に果たせない。また、開口端面に対する溝部の深さを2mmよりも深くすれば、射出成形などによって成形する場合における成形性が低下する場合がある。
本発明の第12態様に係る血液濾過ユニットは、第8態様〜第11態様の何れか1つの態様に係る血液濾過ユニットにおいて、前記溝部は、前記流出口を挟んで一方の前記壁部及び他方の前記壁部からそれぞれ複数延在されている。
本発明の第12態様に係る血液濾過ユニットによれば、液滴が1つの溝部を通過した場合でも、2つ目以降の溝部で液滴の濡れ広がりを抑制することができる。すなわち、一方の壁部及び他方の壁部からそれぞれ1つの溝部が設けられた構成と比較して、効果的に濾過液が濡れ広がるのを抑制することができる。
本発明の第13態様に係る血液濾過ユニットは、第12態様に係る血液濾過ユニットにおいて、一方の前記壁部側の隣り合う前記溝部の間隔、及び他方の前記壁部側の隣り合う前記溝部の間隔は、5μm以上でかつ1mm以下である。
本発明の第13態様に係る血液濾過ユニットによれば、隣り合う溝部の間隔を上記範囲に設定することで、濾過液が濡れ広がるのを効果的に抑制することができる。すなわち、隣り合う溝部の間隔(ピッチ)が5μmよりも小さければ、所望の寸法精度を得るのが困難となる。また、ピッチが1mmよりも大きければ、液滴が溝部のエッジに接触するまでの濡れ広がり量が大きくなる。
本発明の第14態様に係る血液濾過ユニットは、第1態様〜第13態様の何れか1つの態様に係る血液濾過ユニットにおいて、前記血液濾過材料は、ガラス繊維濾紙及び微多孔性膜を含んで構成されている。
本発明の第14態様に係る血液濾過ユニットによれば、ガラス繊維濾紙及び微多孔性膜の一方のみを備えた構成と比較して、血球成分の漏出又は溶出を抑制することができる。
本発明の第15態様に係る血液濾過ユニットは、第1態様〜第14態様の何れか1つの態様に係る血液濾過ユニットにおいて、前記血液濾過材料は、空隙率が40%以上かつ95%以下の材料で構成されている。
本発明の第15態様に係る血液濾過ユニットによれば、空隙率が40%よりも低い血液濾過材料を用いた場合と比較して、濾過効果的に濾過を行うことができる。
以上説明したように、本発明に係る血液濾過ユニットでは、流出口から流出した濾過液が濡れ広がるのを抑制することができる。
第1実施形態に係る血液濾過ユニットの縦断面図である。 第1実施形態に係る血液濾過ユニットを構成する蓋体の平面図である。 第1実施形態に係る血液濾過ユニットを構成する蓋体の底面図である。 第1実施形態に係る血液濾過ユニットの流出部の周辺の斜視図である。 図4の突起部を拡大した斜視図である。 第1実施形態に係る血液濾過ユニットの流出部の周辺の斜視図であり、濾過液の液滴が突起部と接触している状態を模式的に示す図である。 比較例に係る血液濾過ユニットの流出部の周辺の斜視図である。 第2実施形態に係る血液濾過ユニットの溝部を拡大した斜視図である。 第2実施形態に係る血液濾過ユニットの溝部の変形例を示す、図8に対応する斜視図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明に係る第1実施形態を説明する。なお、図面において同一機能を有する構成要素には同一符号を付し、説明を適宜省略する。
図1に示されるように、本実施形態の血液濾過ユニット10は、ホルダ本体12と蓋体14とを含んで構成されている。ここで、以下の説明では便宜上、血液濾過ユニット10におけるホルダ本体12から見て蓋体14を上側とし、蓋体14から見てホルダ本体12を下側とする。すなわち、ホルダ本体12の上方側に蓋体14が配置されている。また、本実施形態の血液濾過ユニット10は一例として、生化学分析装置に取り付けられて用いられる。
(ホルダ本体)
ホルダ本体12は主として、濾過部16と、血液流入部18とを含んで構成されている。また、ホルダ本体12の材料はプラスチックが好ましく、例えば、ポリメタアクリル酸エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリカーボネート等の透明あるいは不透明の樹脂が用いられる。本実施形態では一例として、ハイインパクトポリスチレン樹脂によってホルダ本体12が形成されている。
濾過部16は、ホルダ本体12の上部に位置して円筒状に形成されており、血液導入部16Aと、濾過材料収容部16Bと、微多孔性膜収容部16Cとを含んで構成されている。
血液導入部16Aは、下方側から上方側へ向かうにつれて徐々に径が大きくなる中空の略円錐状に形成されており、この血液導入部16Aの下端部が後述する血液流入部18と連通している。また、血液導入部16Aの内壁の上端部には第1段部22が形成されており、この第1段部22よりも上方側が濾過材料収容部16Bとされている。
濾過材料収容部16Bは、血液導入部16Aよりも径が大きい略円筒状に形成されており、この濾過材料収容部16Bの内部には複数の血液濾過材料の一例としてのガラス繊維濾紙20が積層された状態で収容されている。なお、本実施形態では、ガラス繊維濾紙20が6枚積層されている。また、濾過材料収容部16Bの内壁の上端部には第2段部24が形成されており、この第2段部24よりも上方側が微多孔性膜収容部16Cとされている。
微多孔性膜収容部16Cは、濾過材料収容部16Bよりも径が大きい略円筒状に形成されており、この微多孔性膜収容部16Cの内部には微多孔性膜の一例としてのポリスルホン多孔性膜21が収容されている。ポリスルホン多孔性膜21は第2段部24上に配置されており、このポリスルホン多孔性膜21の上面は、蓋体14と接している。そして、この微多孔性膜収容部16Cの内部には蓋体14の下部が入り込んでいる。
なお、濾過材料収容部16B及び微多孔性膜収容部16C等の収容部の容積は、収納すべき血液濾過材料の乾燥状態で検体(全血)を吸収して膨潤した時の総体積より大きい必要がある。血液濾過材料の総体積に対して収納部の容積が小さいと、濾過が効率良く進行しなかったり、溶血を起こしたりする。収納部の容積の血液濾過材料の乾燥時の総体積に対する比率は、血液濾過材料の膨潤の程度にもよるが、通常は101%〜400%であり、好ましくは110%〜150%であり、さらに好ましくは120%〜140%である。
また、血液濾過材料と収納部の壁面との間は、全血(血液)を吸引した時に血液濾過材料を経由しない流路が出来ないように構成されている。ただし、微多孔性膜で止め得る程度の血球が漏れてきても支障はない。
さらに、血液濾過材料の種類は問わないが、本実施形態の血液濾過材料では、その表面のみで血球をトラップするいわゆる表面濾過材料ではなく、ガラス繊維濾紙等のいわゆる体積濾過材料によるものが使用される。すなわち、厚さ方向に浸透するに従って、初めは大きな血球成分をトラップし、後には小さな血球成分をトラップすることで、厚さ方向の全長にわたって血球を除去していく構造である。好ましいものはガラス繊維濾過又は微多孔性膜等であり、ガラス繊維濾紙と微多孔性膜を組み合わせたものが特に好ましい。
ガラス繊維濾紙としては、密度が0.05〜0.5程度であり、密度が0.07〜0.35程度のものが好ましい。また、密度が0.09〜0.2程度のものが特に好ましい。さらに、保留粒子径が0.8〜9μm程度のものが好ましく、特に保留粒子径が1〜5μm程度のものが好ましい。特開平2−208565号公報及び特開平4−208856号公報に記載された方法でガラス繊維の表面を親水性高分子で処理すれば、濾過をより速やかに行なうことができる。また、ガラス繊維の表面をレクチンで処理することもできる。ガラス繊維濾紙は複数枚を積層して用いることができる。
表面を親水化されており血球分離能を有する微多孔性膜は、実質的に分析値に影響を与える程には溶血することなく、全血から血球と血漿を特異的に分離するものである。この微多孔性膜は、孔径がガラス繊維濾紙又は極細繊維の集合体の保留粒子径より小さくかつ0.2μm以上のものが適当である。また、孔径が0.3〜5μm程度のものが好ましく、孔径が0.5〜3μm程度のものがより好ましい。さらに、微多孔性膜の空隙率は高い方が好ましく、具体的には、空隙率が約40%から約95%のものが適当である。また、空隙率が約50%から約95%のものが好ましい。さらに、空隙率が約70%から約95%の範囲のものがより好ましい。微多孔性膜の例としてはポリスルホン膜、フッ素含有ポリマー膜等がある。
微多孔性膜は、ポリスルホン膜又は酢酸セルロース膜等が好ましい。また、微多孔性膜は、ポリスルホン膜が特に好ましい。血液濾過材料においては、ガラス繊維濾紙、極細繊維の集合体及び3次元多孔質体の少なくとも一つが血液供給側に配置され、微多孔性膜が吸引側に配置される。最も好ましい材料は、血液供給側からガラス繊維濾紙あるいは極細繊維の集合体とポリスルホン膜をこの順に積層した積層体である。
本発明で用いられる濾過材料は特開昭62−138756〜8号公報、特開平2−105043号公報、特開平3−16651号公報等に開示された方法に従って各層を部分的に配置された接着剤で接着して一体化することができる。
本方式により濾過し得る全血の量は、ガラス繊維濾紙又は極細繊維の集合体中に存在する空間体積と全血中の血球の体積に大きく影響される。ガラス繊維濾紙又は極細繊維の集合体の密度が高い(粒子保持孔径が小さい)と血球がガラス繊維濾紙又は極細繊維の集合体の表面近傍にトラップされるので、表面からごく浅い領域でガラス繊維濾紙又は極細繊維の集合体の中の空間が閉塞状態になってしまうことが多い。従って、それ以上の濾過が進まず、結果として濾過(回収)し得る血漿又は血清量も少なくなる。この際、回収液量を増やそうとしてさらに強い条件で加圧すると、血球の破壊、すなわち溶血が起きてしまう。つまり表面濾過に近いプロセスとなり、濾紙の空間体積利用効率は低い。
これに対し、ガラス繊維濾紙又は極細繊維の集合体の密度を低くすると、血球は濾紙の深部(出口に近い領域)まで浸透していき血漿又は血清が通過できる空間が増すので、濾材全体の空間体積が有効に利用され、回収される血漿又は血清の量も多くなる。
空間体積あるいは血液濾過量に対応する指標として、透水速度が有効である。透水速度は、入口と出口をチューブに接続できるように絞った濾過ユニット中に一定面積のガラス繊維濾紙又は極細繊維の集合体を密閉保持し、一定量の水を加えて一定圧力で加圧または減圧したときの、単位面積あたりの濾過量を速度で表したものである。
具体例としては、濾過ユニット中に直径20mmのガラス繊維濾紙又は極細繊維の集合体をセットし、その上に100mlの注射筒を立てて60mlの水を入れて自然流下させ、開始後10秒と40秒の間の30秒間にガラス濾紙又は極細繊維の集合体中を通り抜けた水の量をもって透水量とし、これから単位面積あたりの透水速度を算出する。
血液の濾過に特に適しているのは透水速度が1.0〜1.3ml/sec程度のもので、例えば、ワットマン社GF/D、東洋濾紙GA−100、同GA−200等がある。さらに、市販のガラス繊維濾紙を熱水中で再分散してナイロンネット上で再抄紙して低密度濾紙(密度約0.03)を作製することもでき、これは良好な血液濾過特性を示す。
ガラス繊維濾紙の厚さは、回収すべき血漿又は血清の量とガラス繊維濾紙の密度(空隙率)及び面積から定められる。乾式分析素子を用いて複数項目の分析を行なう場合の血漿又は血清の必要量は100〜500μlであり、ガラス繊維濾紙の密度が0.07〜0.2程度、面積が1〜5cm程度が実用的である。この場合ガラス繊維濾紙の厚さは1〜10mm程度、好ましくは2〜8mm程度である。このガラス繊維濾紙は複数枚、例えば2〜10枚程度、好ましくは2〜6枚程度を積層して上記厚さとすることができる。
極細繊維の集合体の体積は、生化学検査の場において供給する検体の量あるいは必要とする濾過血漿の量に応じて、あらかじめ定めた大きさとすることができる。例えば、直径20mm程度の円形のものを2〜10mm程度の厚さにして用いることができる。
微多孔性膜の厚さは0.05〜0.5mm程度、特に0.1〜0.3mm程度でよく、通常は1枚の微多孔性膜を用いればよい。しかしながら、必要により複数枚を用いることもできる。
血液流入部18は、軸方向(上下方向)を長手方向として濾過部16よりも小径の略筒状に形成されている。また、血液流入部18の下端部には、開口18Aが形成されており、この開口18Aから血液流入部18の内部へ血液が流入される。なお、血液濾過の際には、血液流入部18の下端部に図示しない吸引ノズルが装着される。
なお、血液を吸引するノズルは、ホルダ本体12と一体であっても別体であってもよい。本実施形態のようにノズルが別体の場合、ホルダ本体12に固着して血液流入部18との接続部が密閉構造になっていればよく、接続手段は接着、融着、螺着、嵌着、ネジ止め等であってもよい。
(蓋体)
図1及び図2に示されるように、蓋体14は、ホルダ本体12の上方に取り付けられており、主として外筒部26と、接合部28と、貯留部30と、濾過液流路部34と、流出部36とを含んで構成されている。
外筒部26は、上下方向を軸方向として上端側が開口された有底円筒状に形成されており、濾過部16と略同軸状に形成されている。また、外筒部26の上端部に形成された開口部26Aには、図示しない生化学分析装置のポンプユニットが接続される。そして、ポンプユニットを作動させることで、血液濾過ユニット10の内部が負圧となり、血液流入部18の下端部に装着された図示しない吸引ノズルから血液が吸引される構成となっている。
ここで、図3に示されるように、外筒部26の底面には、複数の突部32が形成されており、本実施形態では一例として、12個の突部32が形成されている。図1に示されるように、突部32はそれぞれ、外筒部26の底面から下方側へ突出しており、略半球状に形成されている。そして、この突部32により、ポリスルホン多孔性膜21が外筒部26の底面に密着するのを抑制している。
外筒部26の下端部の外周側には接合部28が設けられている。接合部28は、外筒部26の下端部から外周側へ延出された延出部28Aを備えており、この延出部28Aの下面がポリスルホン多孔性膜21の上面に当接している。また、延出部28Aの外周側の端部から上方へ縦壁部28Bが延出されている。縦壁部28Bの外径は、ホルダ本体12の微多孔性膜収容部16Cの内径と略同一の径とされており、この縦壁部28Bが微多孔性膜収容部16Cの内側に嵌合されている。
縦壁部28Bの上端部から外周側へフランジ部28Cが延出されている。そして、このフランジ部28Cが濾過部16の上端面と超音波溶着によって接合されることで、ホルダ本体12に蓋体14が取り付けられている。なお、蓋体14の取付方法としては、超音波溶着に限らず、接着剤を用いて接合してもよい。また、ボルト等の機械的な締結部材を用いて接合してもよい。
外筒部26の内周側には貯留部30が設けられている。貯留部30は、外筒部26よりも小径で上下方向を軸方向として一端(上端)が開口された有底円筒状に形成されており、外筒部26の底面の一部によって貯留部30の底面が構成されている。また、貯留部30の下側の内壁は、下方へ向かうにつれて小径となるテーパ面30Aとされている。さらに、貯留部30の上端部に形成された開口30Bは、後述する流出部36と繋がっており、この貯留部30の内部には濾過部16による濾過後の濾過液が貯留される。また、図4に示されるように、貯留部30の開口端面30Cには、ガイド部としての突起部40が複数形成されている。突起部40の詳細については後述する。
なお、貯留部30の容積は、乾式分析用試料の調製の場合には、100〜900μl程度で、通常は200〜600μl程度である。また、貯留部30の深さは、3〜12mm程度で、横幅(直径または辺)は、5〜11mm程度である。
外筒部26と貯留部30との間には、濾過液流路部34が設けられている。濾過液流路部34は、貯留部30の外周(外壁)に沿って上下方向に形成されており、外筒部26の内壁の一部と貯留部30の外壁の一部との間に濾過液が流れる流路34Aを備えている。流路34Aの下端部は、外筒部26の底面に開口されており、ホルダ本体12の濾過部16と連通されている。また、流路34Aの上端部は、貯留部30の上端部よりも上方に形成された上壁34Bによって閉塞されており、上壁34Bと貯留部30の上端部との間が後述する流出口36Aとされている。このようにして、濾過部16による濾過後の濾過液が流路34Aに吸い上げられ、流出口36Aから流出される構成となっている。
濾過液流路部34の上方側には流出部36が形成されている。図4に示されるように、流出部36は、濾過液流路部34の上端部から貯留部30の上端(一端)よりも突出された一対の壁部36Bと、この壁部36Bの間に形成された流出口36Aとを含んで構成されている。また、流出口36Aは、貯留部30の開口端面30Cに沿って形成されている。すなわち、流出口36Aは、開口端面30C側に開口されている。
一対の壁部36Bは、流出口36Aを挟んで両側に設けられており、この一対の壁部36Bの上端部同士が庇部36Cによって連結されている。また、一対の壁部36Bの下端部はそれぞれ、貯留部30の開口端面30Cに接続されており、この開口端面30Cから上方へ連続して壁部36Bが形成されている。このため、流出口36Aの口縁は、一対の壁部36Bと、庇部36Cと、貯留部30の開口端面30Cによって構成されており、流出口36Aは、正面(壁部36Bと対向する方向)から見て上下方向を長手方向とする略矩形状に形成されている。
なお、流出口36Aの下縁は、貯留部30の設計液面より0.5〜5mm程度上方に位置しており、通常では貯留部30の設計液面より1〜2mm程度上方に位置している。ここで、濾過液量は血液のヘマトクリット値によって変わるが、設計液面はヘマトクリット値が20〜60%の血液を濾過したときの液面である。
庇部36Cは、濾過液流路部34の上壁34Bから貯留部30の内側へ向かって突出して形成されており、この庇部36Cが濾過液流路部34の上壁34Bの一部を構成している。また、庇部36Cは、一対の壁部36Bよりも貯留部30の内側へ突出しており、この庇部36Cによって流出口36Aから流出された濾過液の液滴が上壁34Bへ回り込むのを抑制している。
(ガイド部)
貯留部30の開口端面30Cには、ガイド部としての複数の突起部40が形成されている。突起部40はそれぞれ、壁部36Bから貯留部30の開口30Bへ向かって延在されており、本実施形態では一例として、一方の壁部36B及び他方の壁部36Bからそれぞれ2つの突起部40が延在されている。すなわち、合計4つの突起部40が延在されている。また、4つの突起部40は壁部36Bから開口30Bまで互いに平行に延在されている。
図5に示されるように、突起部40は、延在方向と直交する方向に切断した断面が三角形状とされており、流出口36A側の第1傾斜面40Aと、流出口36Aとは反対側の第2傾斜面40Bとを含んで構成されている。ここで、開口端面30Cに対する突起部40の高さは、1μm以上でかつ2mm以下とされており、本実施形態では一例として、0.1mmとされている。また、それぞれの突起部40は、延在方向から見て第1傾斜面40Aの下端部から第2傾斜面40Bの下端部までの長さが0.12mmとされた二等辺三角形状となっている。
さらに、一方の壁部36Bから延在された突起部40のうち流出口36Aに近い突起部40と、他方の壁部36Bから延在された突起部40のうち流出口36Aに近い突起部40との間隔は、1.8mmとされている。さらにまた、一方の壁部36Bに形成された隣り合う突起部40の間隔(ピッチ)は、5μm以上でかつ1mm以下とされており、本実施形態では一例として、0.4mmのピッチとされている。なお、ここでいう突起部40の間隔とは、突起部40における第1傾斜面40Aと第2傾斜面40Bとの接続部の距離とする。すなわち、それぞれの突起部40の頂部間の距離とする。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態では、図1において、血液流入部18に装着した図示しない吸引ノズルを採血管内へ挿入し、外筒部26の開口部26Aに接続された図示しないポンプユニットを作動させることで、血液流入部18に血液(全血)が流入される。血液流入部18に流入された血液は、濾過部16の血液導入部16Aを経てガラス繊維濾紙20及びポリスルホン多孔性膜21を通過しながら濾過される。そして、濾過後の濾過液は、濾過液流路部34の流路34Aを流れ、流出口36Aから貯留部30の内側へ流れる。このようにして、貯留部30に血漿又は血清を濾過液として貯留することができる。
また、本実施形態では、図4及び図5に示されるように、貯留部30の開口端面30Cに突起部40を設けることにより、濾過液が濡れ広がるのを抑制することができる。この効果について、比較例と比較しながら以下に説明する。
図6には、本実施形態の血液濾過ユニット10の蓋体14における流出部36の周辺の拡大図が示されており、図7には、比較例の血液濾過ユニット100における蓋体102の流出部104の周辺の拡大図が示されている。ここで、比較例の血液濾過ユニット100は、ガイド部としての突起部40を備えていない点で本実施形態と異なっており、その他の構成については本実施形態と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
図7に示されるように、濾過液流路部34から流出部36へ吸い上げられた濾過液は、流出口36Aの付近で液滴L2となる。ここで、貯留部30の開口端面30Cに突起部40が形成されていない構成では、流出口36Aから流出された濾過液の液滴L2は、庇部36C及び開口端面30Cに接触しながら大きくなる。そして、この液滴L2が開口端面30Cに沿って貯留部30の周方向に濡れ広がることで、液滴L2の少なくとも一部が貯留部30の外側に流れ落ちることがある。
一方、図6に示されるように、本実施形態の構造では、液滴L1は、庇部36Cと開口端面30Cに接触しながら濡れ広がろうとするが、一方の壁部36Bから延在された突起部40の第1傾斜面40Aと、他方の壁部36Bから延在された突起部40の第1傾斜面40Aとに液滴L1が接触することで、液滴L1が濡れ広がるのを抑制することができる。これにより、液滴L1が貯留部30の外周側に流れ落ちるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、突起部40の断面を三角形状とすることで、第1傾斜面40Aと第2傾斜面40Bとの間で急な角度変化をつけることができる。これにより、頂部が曲面とされた突起部を用いた場合と比較して、濾過液の液滴L1が回り込みにくくなり(乗り越えにくくなり)、濡れ上がりを効果的に抑制することができる。
さらに、本実施形態では、流出口36Aを挟んで形成された一対の突起部40が互いに平行に延在されているため、濾過液の液滴L1を確実に流出口36Aの両側の突起部40に接触させることができ、濾過液の濡れ上がりを効果的に抑制することができる。
さらにまた、本実施形態では、開口端面30Cに対する突起部40の高さを、1μm以上でかつ2mm以下に設定することで、濾過液の濡れ上がりを効果的に抑制することができる。すなわち、開口端面30Cに対する突起部40の高さを1μmよりも低くすれば、突起部40としての機能を十分に果たせない。また、開口端面30Cに対する突起部40の高さを2mmよりも高くすれば、液滴の保持体積が増えるため、濾過液が貯留部30の外側へ流れ易くなる。
また、本実施形態では、流出口36Aを挟んで突起部40が2つずつ形成されているため、液滴L1が1つの突起部40を乗り越えた場合でも、2つ目の突起部40で液滴L1の濡れ広がりを抑制することができる。すなわち、一方の壁部36B及び他方の壁部36Bからそれぞれ1つの突起部40が設けられた構成と比較して、効果的に濾過液が濡れ広がるのを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、隣り合う突起部40のピッチを5μm以上でかつ1mm以下に設定することで、濾過液が濡れ広がるのを効果的に抑制することができる。すなわち、隣り合う突起部のピッチが5μmよりも小さければ、加工が困難となり、所望の寸法精度を得るのが困難となる。また、ピッチが1mmよりも大きければ、液滴L1が突起部40に接触するまでの濡れ広がり量が大きくなる。
さらにまた、本実施形態では、ガラス繊維濾紙20及びポリスルホン多孔性膜21を含んで血液濾過材料を構成しているため、ガラス繊維濾紙20及びポリスルホン多孔性膜21の一方のみを備えた構成と比較して、血球成分の漏出又は溶出を抑制することができる。また、空隙率が40%以上かつ95%以下の血液濾過材料とすることで、空隙率が40%よりも低い血液濾過材料を用いた場合と比較し、濾過効果的に濾過を行うことができる。
(第2実施形態)
次に、図面を参照しながら本発明に係る第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態の血液濾過ユニット50は、貯留部30の開口端面30Cに形成されたガイド部を除いて第1実施形態と同様の構成とされている。このため、ガイド部のみについて説明する。図8に示されるように、貯留部30の開口端面30Cには、ガイド部としての溝部52が複数形成されている。
溝部52はそれぞれ、壁部36Bから貯留部30の開口30Bへ向かって延在されており、本実施形態では一例として、一方の壁部36B及び他方の壁部36Bからそれぞれ2つの溝部52が延在されている。すなわち、合計4つの溝部52が延在されている。また、4つの溝部52は壁部36Bから開口30Bまで互いに平行に延在されている。なお、図8では、一方の壁部36Bに形成された2つの溝部52のみが図示されているが、流出口36Aを挟んだ他方の壁部36Bにも2つの溝部52が形成されている。
溝部52は、延在方向と直交する方向から見て略三角形に切り欠かれた形状とされており、流出口36A側の第1溝壁52Aと、流出口36Aとは反対側の第2溝壁52Bとを含んで構成されている。ここで、開口端面30Cに対する溝部52の深さは、1μm以上でかつ2mm以下とされており、本実施形態では一例として、0.1mmとされている。また、それぞれの溝部52の溝幅は、0.12mmとされている。
さらに、一方の壁部36Bから延在された溝部52のうち流出口36Aに近い溝部52と、他方の壁部36Bから延在された溝部52のうち流出口36Aに近い溝部52との間隔は、1.8mmとされている。さらにまた、一方の壁部36Bに形成された隣り合う溝部52の間隔(ピッチ)は、5μm以上でかつ1mm以下とされており、本実施形態では一例として、0.4mmのピッチとされている。なお、ここでいう溝部52の間隔とは、溝部52における第1溝壁52Aと第2溝壁52Bとの接続部の距離とする。すなわち、それぞれの溝部52における溝底間の距離とする。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態では、濾過液の液滴が溝部52における第1溝壁52Aと開口端面30Cとの間のエッジで止まって濾過液が濡れ広がるのを抑制することができる。
また、溝部52を互いに平行に形成することで、濾過液の液滴を確実に流出口36Aの両側の溝部52のエッジに沿わせることができ、濾過液が濡れ広がるのを効果的に抑制することができる。
さらに、開口端面30Cに対する溝部52の深さを上記範囲に設定することで、濾過液が濡れ広がるのを効果的に抑制することができる。すなわち、開口端面30Cに対する溝部52の深さを1μmよりも浅くすれば、溝部52としての機能を十分に果たせない。また、開口端面30Cに対する溝部52の深さを2mmよりも深くすれば、射出成形等によって成形する場合における成形性が低下する場合がある。
さらにまた、溝部52を複数形成することで、液滴が1つの溝部52を通過した場合でも、2つ目の溝部52で液滴の濡れ広がりを抑制することができる。すなわち、一方の壁部36B及び他方の壁部36Bからそれぞれ1つの溝部52が設けられた構成と比較して、効果的に濾過液が濡れ広がるのを抑制することができる。
また、隣り合う溝部52のピッチを上記範囲に設定することで、濾過液が濡れ広がるのを効果的に抑制することができる。すなわち、隣り合う溝部52のピッチが5μmよりも小さければ、加工が困難となり、所望の寸法精度を得るのが困難となる。また、ピッチが1mmよりも大きければ、液滴が溝部52のエッジに接触するまでの濡れ広がり量が大きくなる。
なお、溝部52の形状は本実施形態に限定されず、他の形状としてもよい。例えば、図9に示される変形例のように矩形状の溝部62を形成してもよい。
(変形例)
図9に示されるように、本変形例に係る血液濾過ユニット60では、貯留部30の開口端面30Cに複数の溝部62が形成されている。溝部62はそれぞれ、壁部36Bから貯留部30の開口30Bへ向かって延在されており、本実施形態では一例として、一方の壁部36B及び他方の壁部36Bからそれぞれ2つの溝部62が延在されている。すなわち、合計4つの溝部62が延在されている。また、4つの溝部62は壁部36Bから開口30Bまで互いに平行に延在されている。なお、図9では、一方の壁部36Bに形成された2つの溝部62のみが図示されているが、流出口36Aを挟んだ他方の壁部36Bにも2つの溝部62が形成されている。
溝部62は、延在方向と直交する方向から見て矩形に切り欠かれた形状とされており、流出口36A側の第1溝壁62Aと、流出口36Aとは反対側の第2溝壁62Cと、第1溝壁62Aと第2溝壁62Cとを繋ぐ溝底壁62Bとを含んで構成されている。
本変形例によれば、溝部62を三角形に切り欠かれた形状とした場合と比較して、開口端面30Cと第1溝壁62Aとの角度を小さくすることができ、濾過液が濡れ広がるのを効果的に抑制することができる。
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明したが、本発明は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、上記第1実施形態では、突起部40を三角形状に形成したが、これに限定されず、他の形状としてもよい。また、突起部40の第2傾斜面40Bを開口端面30Cに対して垂直に形成してもよい。この場合、第1傾斜面40Aと第2傾斜面40Bとの間の角度がより鋭くなり、液滴の濡れ広がりを効果的に抑制することができる。
また、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせて、開口端面30Cに突起部40と溝部52の両方を形成した構成としてもよい。
10 血液濾過ユニット
16 濾過部
18 血液流入部
20 ガラス繊維濾紙(血液濾過材料)
21 ポリスルホン多孔性膜(血液濾過材料、微多孔性膜)
30 貯留部
30B 開口
30C 開口端面
34 濾過液流路部
34A 流路
36 流出部
36A 流出口
36B 壁部
40 突起部(ガイド部)
50 血液濾過ユニット
52 溝部
60 血液濾過ユニット
62 溝部

Claims (15)

  1. 血液濾過材料が収容された濾過部と、
    前記濾過部へ血液が流入する血液流入部と、
    一端が開口された筒状とされ、内部に前記濾過部による濾過後の濾過液が貯留される貯留部と、
    前記貯留部の外周に沿って形成され、前記濾過液が流れる流路を備えた濾過液流路部と、
    前記濾過液流路部の端部から前記貯留部の前記一端よりも突出された一対の壁部の間に、前記貯留部の前記一端の開口端面に沿って流出口が形成された流出部と、
    前記貯留部の開口端面に形成され、前記一対の壁部から前記開口へ向かって延在された突起部及び溝部の少なくとも一方を含んだガイド部と、
    を有する血液濾過ユニット。
  2. 前記ガイド部は、前記突起部を含んで構成されている請求項1に記載の血液濾過ユニット。
  3. 前記突起部は、延在方向と直交する方向に切断した断面が三角形状とされた請求項2に記載の血液濾過ユニット。
  4. 前記突起部は、前記流出口を挟んで一方の前記壁部及び他方の前記壁部から互いに平行に延在されている請求項2又は3に記載の血液濾過ユニット。
  5. 前記開口端面に対する前記突起部の高さは、1μm以上でかつ2mm以下である請求項2〜4の何れか1項に記載の血液濾過ユニット。
  6. 前記突起部は、前記流出口を挟んで一方の前記壁部及び他方の前記壁部からそれぞれ複数延在されている請求項2〜5の何れか1項に記載の血液濾過ユニット。
  7. 一方の前記壁部側の隣り合う前記突起部の間隔、及び他方の前記壁部側の隣り合う前記突起部の間隔は、5μm以上でかつ1mm以下である請求項6に記載の血液濾過ユニット。
  8. 前記ガイド部は、前記溝部を含んで構成されている請求項1に記載の血液濾過ユニット。
  9. 前記溝部は、延在方向から見て矩形に切り欠かれた形状とされている請求項8に記載の血液濾過ユニット。
  10. 前記溝部は、前記流出口を挟んで一方の前記壁部及び他方の前記壁部から互いに平行に延在されている請求項8又は9に記載の血液濾過ユニット。
  11. 前記開口端面に対する前記溝部の深さは、1μm以上でかつ2mm以下である請求項8〜10の何れか1項に記載の血液濾過ユニット。
  12. 前記溝部は、前記流出口を挟んで一方の前記壁部及び他方の前記壁部からそれぞれ複数延在されている請求項8〜11の何れか1項に記載の血液濾過ユニット。
  13. 一方の前記壁部側の隣り合う前記溝部の間隔、及び他方の前記壁部側の隣り合う前記溝部の間隔は、5μm以上でかつ1mm以下である請求項12に記載の血液濾過ユニット。
  14. 前記血液濾過材料は、ガラス繊維濾紙及び微多孔性膜を含んで構成されている請求項1〜13の何れか1項に記載の血液濾過ユニット。
  15. 前記血液濾過材料は、空隙率が40%以上かつ95%以下の材料で構成されている請求項1〜14の何れか1項に記載の血液濾過ユニット。
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