JP2007003481A - 血液分離装置 - Google Patents

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Yutaka Sakakibara
裕 榊原
Ryusuke Okamoto
隆介 岡本
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Abstract

【課題】 血液の採取から検体としての血漿もしくは血清の回収までを簡便にかつ効率良く行うことができ、血球による目詰まりが生じ難く、溶血による検体の汚染が生じ難い、血液分離装置を提供する。
【解決手段】 管状の容器本体2の第1の開口2a及び第2の開口2bが第1,第2の栓体3,4で封止されており、かつ内部が減圧されており、管状の容器本体2の内部において、第1の開口2a側に入口としての開口5aを有し、かつ血球は通過させないが、血漿または血清は通過させる血液分離膜からなる筒状体5が配置されており、該筒状体5の外周面が管状の容器本体2の内周面に液密的に固定されており、採取された血液が筒状体5内に導かれ、血液採取部を大気に連通させることにより、圧力差により血漿または血清が筒状体5外に濾過され、第2の開口2b側に導かれる、血液分離装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、血液から血漿または血清成分を分離し、採取するための血液分離装置に関し、特に管状の容器本体を用いて構成されており、血液の採取から、分離された血漿または血清成分の回収までを行うことを可能とする血液分離装置に関する。
従来、臨床検査等において血漿または血清を得るために、遠心分離法が広く用いられていた。しかしながら、遠心分離法を用いた分離方法では、高価な遠心分離機を必要とし、かつ分離に比較的長い時間を要するという問題があった。
近年、血液から血球成分を除去し、臨床検査に必要な血漿もしくは血清を得るために、様々なフィルタ装置が提案されている。フィルタ装置を用いた分離法では、遠心分離機を必要とせず、従って、コストの低減、スペースの低減及び血漿もしくは血清を得るための時間の短縮を図ることができる。
例えば、下記の特許文献1には、直径0.05〜1μmの細孔を多数有し、外面開口率が40%以下、内面開口率が60%の中空繊維を用いたフィルタにより、血液から血漿を採取する方法が開示されている。
また、下記の特許文献2には、平均直径0.2〜5μm及び密度0.1〜0.5g/cm2の繊維層、すなわち、繊維集合体からなるフィルタを用い、血液から血漿もしくは血清を分離する方法が開示
されている。
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、中空繊維を用いているため、ディスポーザブルなフィルタを構成した場合、コストが高くつくという問題があった。
また、特許文献2に記載のフィルタでは、血漿または血清を血液から分離し得るものの、濾過速度が遅く、圧力を加えて濾過速度を高めた場合には溶血が生じたり、赤血球が血漿や血清中に漏洩したりするという問題があった。
特公平2−23831号公報 特公平6−64054号公報
上記のように、特許文献1に記載の構成では、中空繊維を用いているため、コストが高くつき、特許文献2に記載のフィルタでは、濾過速度が遅く、圧力を高めて濾過速度を高めた場合には、溶血が生じるおそれがあった。
また、特許文献2に記載のように、繊維層からなる血液分離フィルタを用いた場合、フィルタ内にトラップされる血液量が比較的多くなる。そのため、少ない血液から、血漿や血清を効率良く分離することが困難であった。
また、特許文献1,2に記載の血液分離フィルタなどにおいては、上記のように、血液から血漿もしくは血清が分離されるが、分離された血漿もしくは血清を直ちに検査等に供給することは困難であった。すなわち、分離された血漿もしくは血清を、試験管などに再度分注しなければならなかった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、血液から血漿もしくは血清を速やかにかつ簡便に分離することができ、分離された血漿や血清などの検体をそのまま検査機器に容易に供給でき、しかも分離に際しての溶血が生じ難い、血液分離装置を提供することにある。
本発明に係る血液分離装置は、血液中の血漿または血清成分を血球成分と分離し、採取するための血液分離装置であって、第1の端部に第1の開口を有し、第1の端部と反対側の第2の端部に第2の開口を有する管状の容器本体と、前記容器本体の内部に配置されており、一部に開口を有し、血球は通過させないが、血漿または血清成分を通過させる血液分離膜からなる筒状体と、前記筒状体の外周側面を前記容器本体の内周面に液密的に固定し、かつ前記筒状体の外側において前記第1の開口側から第2の開口側への血液の移動を規制するための接合部材と、前記第1の開口に気密的に取り付けられており、かつ中空針により刺通可能な材料からなる第1の栓体と、前記第2の開口を気密的に封止しており、かつ取り外し可能な第2の栓体とを備え、内部が減圧されており、前記第1の栓体が中空針により刺通され、血液が前記第1の開口側から前記筒状体内に導かれ、筒状体よりも上流の内部空間を大気に連通させることにより、圧力差により血漿または血清成分が筒状体外に濾過され、下流側の内部空間に導かれるように構成されていることを特徴とする。
本発明に係る血液分離装置のある特定の局面では、前記筒状体は、前記入口としての開口とは反対側に設けられている底部を有する。
本発明に係る血液分離装置の他の特定の局面では、前記筒状体よりも第2の開口側に配置されており、第2の開口側への液体成分の通過を防止するために、液体成分と接触した際に膨潤して流路を遮断する流路遮断部材がさらに備えられている。
本発明に係る血液分離装置のさらに別の特定の局面では、上記筒状体が、複数並設されている。
本発明に係る血液分離装置のさらに他の特定の局面では、前記筒状体の入口側の開口と反対側の端部が、出口側の開口として開口されており、該出口側の開口よりも上流側であって、入口側の開口よりも下流側において、前記筒状体の外周面を前記容器本体の内周面に液密的に接合している封止部材をさらに備え、封止部材の上流側において、筒状体から濾過された血漿または血清成分が回収され、前記封止部材よりも下流側においては、分離後の血液が回収されるように構成されている。
本発明に係る血液分離装置のさらに別の特定の局面では、前記筒状体が、らせん状の形状を有する。
本発明に係る血液分離装置のさらに他の特定の局面では、前記封止部材よりも上流側において、濾過された血漿または血清成分が回収される部分において、管状の容器本体の側面に、貫通孔が形成されており、該貫通孔に、取り外し可能な栓体が気密的に取り付けられている。
本発明に係る血液分離装置によれば、管状の容器本体内に、血液分離膜からなる筒状体が配置されており、容器本体内の第1,第2の開口に、それぞれ、第1の栓体及び第2の栓体が気密的に取り付けられており、かつ内部が減圧されている。そして、第1の栓体が、中空針により刺通可能であるため、第1の栓体に中空針を刺通させることにより、血液を管状の容器本体内に導くことができる。導かれた血液は、上記筒状体の血液の入口としての開口から筒状体内に導かれる。筒状体は、上記血液分離膜からなるため、血球成分を通過し、筒状体よりも第2の開口側の空間と、筒状体内との圧力差により血液が濾過され、血漿もしくは血清が筒状体外に移動する。
そのため、遠心分離を必要とすることなく、血液を血漿もしくは血清と血球成分とに分離することができる。
本発明によれば、上記血液分離膜からなる筒状体を用いて濾過が行われるため、濾過に際し、血液分離膜自体にはさほど多くの血液がトラップされない。すなわち、前述した特許文献2に記載の繊維集合体を用いた血液分離フィルタでは、多くの血液がフィルタ部分にトラップされて濾過が行われるのに対し、本発明では、比較的少量の血液が血液分離膜にトラップされた状態で濾過が行われる。従って、少量の血液から血漿もしくは血清を効率良く回収することができる。
上記血液分離膜からなる筒状体を用いているため、血液分離部分の材料の厚みが薄くされ、かつ濾過面積を大きくすることができ、分離時間を短縮することができる。
また、分離時間が短縮化され、分離に際しての圧力差も小さくてすむため、血球に対する負荷が小さくなり、それによって、時間の短縮だけでなく、溶血の抑制も図ることができる。
筒状体よりも第2の開口側に配置されており、開口側への液体成分の通過を防止するために、液体成分と接触した際に膨潤して流路を遮断する流路遮断部材がさらに備えられている場合には、濾過が進行するうちに、上記流路遮断部材が膨潤する。そして、濾過が終了した後には、膨潤により流路が遮断される。よって、濾過終了後に、ある程度の時間経過し、筒状体内の血球成分において溶血が生じ、溶血により生じた赤血球内の液状成分が流路遮断部材よりも開口側に移動しようとしても、流路遮断部材により移動が妨げられる。従って、溶血により生じた赤血球内成分の血漿や血清への混入を確実に防止することができる。
上記筒状体が複数並設されている場合には、濾過面積をより大きくすることができ、それによって、より一層血液分離時間を短縮することができる。
筒状体が、出口側の開口を有し、封止部材により、筒状体の外周面が容器本体の内周面に気密的に接合されており、封止部材の上流側において、筒状体から濾過された血漿もしくは血清が回収され、封止部材よりも下流側において、分離後の血液が回収されるように構成されている場合には、接合部材の上流側において、分離された検体としての血漿もしくは血清を回収することができる。この場合、好ましくは、筒状体の長さを長くすることにより、濾過面積を広くすることができ、それによって、分離時間の短縮を図ることができるとともに、溶血の抑制を効果的に図ることができる。
上記のように、筒状体の長さを長くする構造は特に限定されないが、例えばらせん状の形状を有する場合には、管状の容器本体の長さを長くすることなく、筒状体の全長を長くすることができ、それによって回収量の向上及び溶血の抑制を効果的に図ることが可能となる。
封止部材よりも上流側において、濾過された血漿または血清が回収される部分において、管状の容器本体内の側面に貫通孔が形成されており、貫通孔に取り外し可能な栓体が気密的に取り付けられている場合には、上記のように、筒状体から濾過された血漿または血清を封止部材よりも上流側において、上記栓体を貫通孔から取り外すことにより、容易に採取することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態を図面を参照しつつ説明することにより、本発明を明らかにする。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る血液分離装置の縦断面図であり、(b)は該血液分離装置に用いられる筒状体の斜視図であり、図2は、本実施形態の血液分離装置の外観を示す斜視図である。
血液分離装置1は、円筒状の管状の容器本体2を有する。管状の容器本体2は、円筒状に限られず、角筒状などの形状を有していてもよい。
管状の容器本体2は、一方端部に第1の開口2aを有し、他方端部に第2の開口2bを有する。
第1の開口2aには、第1の栓体3が気密的に取り付けられている。第1の栓体3は、後述する中空針により刺通可能なゴム弾性材料で構成されている。他方、第2の開口2bは第2の栓体4により気密的に封止されている。
血液分離装置1内は、減圧されている。血液分離装置1内が減圧されているのは、後述するように、血液を採取し、かつ濾過するためである。
減圧度は、特に限定されないが、2〜90kPa程度とされ、より好ましくは、20〜60kPa程度である。減圧度が低くなりすぎた場合、採血を速やかに行うことができないことがあり、減圧度が高すぎると、赤血球に圧力が加わり、溶血を引き起こすおそれがある。
また、血液分離装置1を作製するに際し、上記減圧度となるように真空吸引しつつ、栓体3,4が管状の容器本体2に取り付けられるが、実際の内部の圧力値(内圧)は、減圧度設定値を20〜90kPaとした場合、81〜11kPa程度となる。上記のように、血液分離装置1内を減圧するため、第1,第2の栓体3,4は、開口2a,2bを気密的に封止するように開口2a,2bに取り付けられている。
また、上記気密封止を達成するため、栓体3,4はガスバリヤ性を有する、ゴム弾性材料により構成されておればよく、このような材料は特に限定されるものではない。このようなゴム弾性材料としては、天然ゴム、ブチルゴム、熱可塑性エラストマーなどを挙げることができる。また、第1の栓体3については、採血針などの中空針により刺通され得るものであることが必要であり、従って、好ましくは上記弾性材料であって、かつ少なくとも中空針により刺通される部分が刺通され得る材料及び厚みを有するように構成されている。
他方、上記管状の容器本体2は、上記減圧を維持するのに十分なガスバリヤ性を有する限り適宜の材料で構成され得る。このような材料としては、ポリエチレンフタレート(PET)などの合成樹脂を挙げることができる。
容器本体2の寸法及び形状は、特に限定されるわけではないが、分析装置や臨床検査装置において検体を採取するための試験管などを装架するためのラックにそのまま挿入し、立てかけることを可能とする寸法及び形状であることが望ましい。従って、容器本体2は、例えば、外径16mm程度、長さ100mmまでの略円筒状の形状であることが望ましい。
上記容器本体2内には、筒状体5が配置されている。筒状体5は、本実施形態では、円筒状の形状を有し、第1の開口2a側に開いた入口開口5aを有する。入口開口5aとは反対側の底部5bは閉じられている。筒状体5は、血液分離膜を筒状に成形することにより形成されている。このような血液分離膜としては、血球を通過させず、血漿または血清成分のみを通過させる適宜の血液分離膜を挙げることができる。
上記血液分離膜は、濾過に際してトラップされる血液の量が、例えば特許文献2に記載のような繊維集合体からなる血液分離フィルタにおける分離に際してトラップされる血液の量よりも少ない、適宜の膜状部材により構成される。すなわち、血液分離膜は、繊維集合体からなるものではなく、例えば、血球を通過させない孔径の貫通孔を有する膜、あるいは血球を通過させないが、血漿または血清などの液状成分を通過させる多孔材料からなる膜を用いることができる。また、血液分離膜の厚みについては、特に限定されないが、分離に際してのトラップされる血液量も多くないためには、5μm〜1mm程度の厚みとすることが望ましい。分離過程において、血球に対し物理的または化学的に障害を引き起こさない表面形状及び材料である限り、血液分離膜を構成する材料は特に限定されない。このような材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリプロピレン(PP)、フッ化エチレン樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂などの各種合成樹脂、ガラスあるいはセルロースなどが挙げられる。
上記血球を通過させない貫通孔や多孔性材料における孔の径としては、膜上面孔径と下面での孔径が異なるようなものであっても良いが、血液分離膜中に存在するすべての流路に対して各流路内の最も小さい箇所の孔径がすべて0.01〜1μmであることが望ましい。上記孔径が小さ過ぎると、血球やタンパク質による目詰まりが生じやすくなり、濾過ができなくなるおそれがあり、かつ濾過に際しての圧力損失が高くなり、分離に多大な駆動力を必要とする。そのため、赤血球への負荷が大きくなり、溶血を引き起こすおそれがある。逆に、孔径が大き過ぎると、特に5μm以上になると、赤血球が通過し、分離精度が低下するおそれがある。また、赤血球を容易に通過させない孔径でも、孔径が1μmを超えると、赤血球が孔に詰まると、赤血球に加わる負荷が大きくなり、溶血するおそれがある。従って、上記のように、孔径は1μm以下であることが好ましい。
また、血液分離膜における空隙率、すなわち多数の貫通孔を有する場合には、貫通孔の合計の占める割合、及び多孔性材料の場合には、多数の孔の占める割合は、それぞれ20〜97%が好ましく、より好ましくは30〜95%である。空隙率が低くなり過ぎると、分離量が少なくなり、検体回収効率が低下するおそれがある。逆に、空隙率が高くなり過ぎると、血液分離膜の保形性が低下し、濾過時の圧力により筒状体5が変形し、安定に濾過を行えないことがある。
上記筒状体5を構成している血液分離膜では、血漿または血清などの検体の回収効率を高めるために、表面処理が施されていてもよい。すなわち、表面処理により、静電反発力を与え、血漿や血清の流れ易さを改善し、血球成分をより詰まりにくくしてもよい。
また、血液分離膜における貫通孔に、濾過開始面すなわち筒状体5の内面側から、濾過終了面すなわち筒状体5の外側の面に向ってテーパを設けてもよい。この場合には、濾過開始面側において赤血球が詰まりにくくなる。そのため、血漿や血清の回収効率を高めることができる。
上記筒状体5は、血液分離膜を筒状に形成することにより、構成されている。従って、血液分離膜5自体にトラップされる血液量は少ない。すなわち、従来の繊維集合体などからなり、かつ血球の移動速度と、血漿または血清の移動速度との速度差を利用した血液分離フィルタでは、フィルタに多くの血液がトラップされる。これに対して、血液分離膜5は、上記のように、血球の通過を防止し、血漿または血清を通過させる分離膜により構成されているので、血液分離膜5自体にトラップされる量は少量でよい。よって、少量の血液から、血漿もしくは血清を速やかに分離し、回収することができる。
また、筒状体5は、第1の接合部材6により管状の容器本体2の内周面に液密的に固定されている。接合部材6は、筒状体5の外周側面と、管状の容器本体2の内周面とを接合している。また、上記接合部材6は、開口5aよりも下流であって、底部5bよりも上流側の任意の位置に配置され得るが、好ましくは、開口5aの近傍に配置されることが望ましい。
上記接合部材6は、液体を透過させない性質を有しておればよく、例えば、天然ゴム、ブチルゴムなどのエラストマーなどでもよいし、任意の接着剤を用いてもよく、特に限定されるものではない。
また、上記筒状体5の下流には、流路遮断部材7が配置されている。流路遮断部材7は、水分等の液状成分に接触すると膨潤する材料で構成されている。このような材料としては、例えば、分子骨格に親水性の官能基を有し、自重に対し同量以上の水を吸収できる性質の水膨潤性ポリマーであることが好ましい。水膨潤性ポリマーの具体例としては、ポリアクリル酸アルカリ金属塩系樹脂またはその共重合体およびそれらの架橋体、ポリアクリルアミド系樹脂またはその共重合体およびそれらの架橋体、ポリN−ビニルアセトアミド系樹脂またはその共重合体およびそれらの架橋体、シリコン系樹脂またはその共重合体およびそれらの架橋体、ポリビニルエーテル系樹脂およびその共重合体およびそれら架橋体、ポリアルキレンオキサイド系樹脂またはその共重合体およびそれらの架橋体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンまたはその共重合体およびそれらの架橋体等が挙げられる。
水膨潤性ポリマーは、粉末状、粒状としたものを用いてもよく、フィルタ、シート状に成形したものを用いてもよく、ペースト状、スラリー状または溶液等にして添加し乾燥させるなどしてもよい。
水膨潤性ポリマーは、血漿または血清に接触されることでそれ自身が膨潤し、流路を閉塞させる。そのため、水膨潤性ポリマーの必要量は流路体積によって異なり、水膨潤性ポリマーの膨潤率、膨潤速度から最適な量が計算される。
閉塞させる流路体積は、血液中の水分が吸収されかつ検体の回収量が低下しない範囲で設定される。流路体積が大きくなると、閉塞させるための水膨潤性ポリマーの量も多くなるため、回収量が低下するおそれがある。
従って、閉塞するための流路体積は、0.005〜1.0cm3とすることが好ましい
。また、水膨潤性ポリマーの体積は閉塞する流路堆積に対し、5〜95%とすることが好ましい。水膨潤性ポリマーの体積が閉塞する流路堆積に対し5%より小さい場合には、流路を閉塞するまでの時間が長くなるため、溶血した血漿または血清が分離した検体が、分離した血漿もしくは血清に混入するおそれがある。水膨潤性ポリマーの体積が閉塞する流路堆積に対し95%より大きい場合には、血漿または血清がすべて回収される前に流路が閉塞されてしまうことがあるために、血漿または血清の回収効率が低下するおそれがある。
本実施形態では、流路遮断部材7は、円板状の形状を有し、中央に貫通孔7aを有する。膨潤により貫通孔7aは閉塞し、液状成分が流路遮断部材7より下方に移動しないように構成されている。また、管状の容器本体2には、流路遮断部材7を支持するための棚部2cが設けられている。棚部2cは、中央に貫通孔2dを有する。貫通孔2dは、貫通孔7aに連ねられている。上記棚部2c上に流路遮断部材7が載置されている。
本実施形態の血液分離装置1の使用方法は、図3〜図6を参照して説明する。
図3(a)に示すように、中空針11を血液分離装置1の第1の栓体3に刺通し、血液12を中空針11から血液分離装置1内に導く。その場合、血液分離装置1内が減圧されているので、該減圧度により、血液が中空針11から血液分離装置1の第1の開口2aの内側の内部空間である血液採取部に速やかに採取される。この場合、中空針11を、第1の栓体3のほぼ中心に刺通させる。他方、筒状体5の入口開口5aは、栓体3の下方に位置している。従って、導かれた血液が筒状体5内に採取される。
なお、血液の採取に際しては、筒状体5の内周面の全てが覆われるまで血液を導く。従って、図3(b)に示すように、より多くの血液12が導かれると、筒状体5内を血液12が満たし、溢れた血液12は、接合部材6の上方部分に至る。
次に、中空針11を栓体3から抜きさり、図4(a)に示す導通針13を栓体3に刺通する。導通針13の外側端部は大気に開放されている。
他方、血液分離装置1内は減圧されているので、導通針13を刺通したことにより、上記筒状体5内から第1の開口2aに至る内部空間の圧力と、筒状体5の外側から第2の開口2bに至る下流側の内部空間の圧力との間に圧力差が生じる。そのため、この圧力差により濾過が開始される。
すなわち、図4(a),(b)及び図5に示すように、血液12が血液分離膜からなる筒状体5により濾過され、血漿もしくは血清12aが筒状体5の外側面から外側に移行し、他方、赤血球や白血球は筒状体5内に留まる。そして、得られた血漿もしくは血清12aが、筒状体5の外側から流路遮断部材7の貫通孔7aを通り、第2の開口2b側に落下する。そして、図5に示すように、第2の栓体4上に、血漿もしくは血清12aが貯留する。
なお、濾過が進行するにつれて、血漿もしくは血清と接触した流路遮断部材7が膨潤し、貫通孔7aは次第に閉塞することとなる(図5)。そのため、流路遮断部材7により流路が遮断された段階では、上方から下方に第2の開口2b側に血漿もしくは血清が滴下しないことになる。よって、図5に示す状態において、長時間放置されたとしても、流路遮断部材7による流路の遮断が果たされると、赤血球が筒状体5内において溶血し、赤血球内成分が漏洩してきたとしても、このような成分が第2の開口2b側に回収されている検体としての血漿もしくは血清12aに混入するおそれがない。
そして、次に、導通針13を引き抜いた後、上下逆転し、第2の栓体4を第2の開口2bから取り外す。このようにして、図6に示すように、回収された検体としての血漿もしくは血清12aが、開口2b側から容易に採取され得るように用意される。従って、図6に示す状態の血液分離装置1を、例えば、分析装置や臨床検査装置のラックに立てかけるだけで、直ちに分析装置や臨床検査装置における検査に提供することができる。
なお、好ましくは、図6に示す状態において、第1の栓体3から血液が下方に漏洩することを防止するために、導通針13を引き抜いた際に、導通針13により刺通されている孔が液密的に封止される材料により栓体3が形成されていることが望ましい。このような材料としては、上述した適宜のゴム弾性を有する材料を挙げることができる。
なお、採取された血液が貯留されている部分の圧力を大気圧に開放する方法としては、導通針13を用いずに、中空針11の外側端を大気圧に開放する方法を採用してもよい。
上記濾過に際しては、血液分離膜全体が血液により湿潤し、その後血漿もしくは血清成分が筒状体5の外側面に移動していく。この場合、血液が採取されている内部空間の減圧度をP1、筒状体5の下流側、すなわち濾過された血漿もしくは血清が通過してくる空間の減圧度をP2とし、湿潤した血液分離膜に空気を通過させるために必要な圧力をP3、湿潤した血液分離膜において液体を通過させるのに必要な圧力をP4としたとき、P3>(P2−P1)>P4となるように、減圧度P2を設定すればよい。
P3は、膜の材質、膜の孔径、膜を湿潤させる液体種に依存する値であるが、例えば、P3が80kPaであれば、減圧度P2の設定を少なくとも80kPa以下にしなければ、分離の途中で液体で湿潤した膜に気泡が入り、分離駆動力が確保出来なくなる場合がある。
もっとも、圧力P4は非常に小さい値となるため、減圧度P2=20〜90kPa(内圧にして81〜11kPa)に設定すれば、分離を速やかに行うことができ、望ましい。
図7(a)及び(b)は、血液分離装置1の変形例に係る血液分離装置を示す各正面断面図である。
第1の実施形態の血液分離装置1では、1本の筒状体5が接合部材6により管状の容器本体2に固定されていたが、図7(a)及び(b)に示す血液分離装置30,31のように、2本または3本の筒状体5が接合部材6により管状の容器本体2内に固定されていてもよい。このように、血液分離膜からなる複数本の筒状体5を並設することにより、濾過面積を効果的に増大することができ、それによって濾過速度をより一層高めることが可能となる。
図8(a)は、本発明の第2の実施形態に係る血液分離装置を示す正面断面図である。第2の実施形態の血液分離装置41は、本実施形態の血液分離装置1における筒状体5に代えて、二重管構造の筒状体45が用いられていること並びに筒状体45では、両端の開口が下端に設けられており、すなわち第1の開口2aとは反対側に設けられていることを除いては、第1の血液分離装置1とほぼ同様に構成されている。従って、同一部分については同一の参照番号を付することによりその説明は省略する。
筒状体45は、U字状の形状を有し、U字状の形状の内の屈曲部分が上方に、すなわち開口2a側に配置されている。そして、U字状の筒状体45の両端が、下方に、すなわち下流側に配置された流路遮断部材7の上方に位置されている。この場合、開口45a,45aは、容器本体2の第1の開口2aに向って開いておらず、下流側に向って開いている。このように、本発明における血液分離装置において容器本体内に配置される筒状体の開口は、開口2a側に向って開いている必要は必ずしもなく、開口2aと反対側に向って開いていてもよい。
また、第1の実施形態の血液分離装置1では、略円筒状の筒状体5が用いられていたが、本実施形態のように、U字状に折り曲げられた筒状体45を用いてもよい。上記筒状体45は、筒状体5と同様に血液分離膜により形成されている。そして、筒状体45は、下端近傍において、接合部材46により、管状の容器本体2に液密的に固定されている。
接合部材46は、U字状の筒状体45の周囲において、血液が接合部材46を超えて、下流側に移動しないように液密的に筒状体45を容器本体2に接合している。このような接合部材46を構成する材料としては、第1の実施形態における接合部材6と同様の材料を用いることができる。
図8(b)〜図10は、第2の実施形態に係る血液分離41を用いた分離操作を説明するための各正面断面図である。
図8(b)に示すように、中空針11を刺通し、血液を管状の容器本体2内に導く。この場合、血液12は、管状の容器本体2内において、筒状体45の周囲の内部空間に採取されることになる。そして、図9(a)に示すように、血液12が筒状体5の濾過開始側の面の全面を覆うように採取された後、中空針13を挿入する。それによって、血液12が採取されている側を大気に開放する(図9(b))。この操作については第1の実施形態の場合と同様に行われる。その結果、濾過が開始され、図9(b)及び図10(a),(b)に示すように濾過が進行し、血漿または血清12aが血液分離膜からなる筒状体45を通過し、下方の第2の栓体側に回収される。
本実施形態においても、流路遮断部材7が膨潤し、流路が閉塞されるので、濾過が終了した後、逆転することにより図11に示すように、血漿または血清12aの開口2b側から容易に採取することが可能となる。
図12は、第2の実施形態の血液分離装置41の変形例を示す正面断面図である。この変形例の血液分離装置51では、U字状の筒状体45が2本並設されている。その他の構造、血液分離装置41と同様であるため、同一の参照番号を付することにより、同一部分については第2の実施形態における説明を援用することとする。血液分離装置51に示されているように、第2の実施形態の血液分離装置41においても、使用される筒状体45は複数本並設されていてもよい。それによって、濾過面積の拡大を図ることがで、濾過時間の短縮を図ることができる。
図13は、本発明の第3の実施形態に係る血液分離装置の正面断面図であり、図14(a)及び(b)は、本実施形態の血液分離装置の使用方法を説明するための各正面断面図である。
第3の実施形態の血液分離装置61では、管状の容器本体2内に、図7(a)に示した変形例の血液分離装置30の場合と同様に、2本の筒状体5,5が配置されている。血液分離装置30に対して血液分離装置61が異なるところは、筒状体5,5の他端が丸められた底部とされていること、並びに筒状体5内に、血液分離フィルタ材料62,62が充填されていることにある。その他の構造は、血液分離装置61は、血液分離装置30と同様であるため、同一部分については同一の参照番号を付することによりその説明は省略する。
本実施形態では、血液分離フィルタ材料62,62が筒状体5,5内に充填されている。この血液分離フィルタ材料62は、血液が供給された場合に、血球に比べて血漿もしくは血清などの液状成分が速やかに移動するフィルタ材料により構成されている。このようなフィルタ材料としては、血球成分よりも血漿または血清を速く移動させる性質のフィルタであればよく、その材質は特に限定されない。このような材質としては、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリアミド等の合成高分子からなる繊維が用いられる。また、ガラス繊維や多孔性高分子などを用いてもよい。
血液分離フィルタ材料が繊維からなる場合には、血球成分よりも血漿または血清を速く移動させるために、平均繊維径は、0.2〜5.0μmであることが好ましい。平均繊維径が0.2μmより小さい場合には、血液を分離する際に溶血を起こしやすくなり、平均繊維径が5.0μmより大きい場合には、血球成分と血漿または血清とを分離するために高密度に形成される必要があり、また使用する繊維の量も多くなるためコストが高くなる。血液の分離効果を高めるために、平均繊維径は、0.5〜3.0μmであることがより好ましい。
本実施形態の血液分離装置61では、筒状体5,5に上記血液分離フィルタ材料62,62が充填されているので、図14(a)に示すように、血液を筒状体5の上方に中空針11を用いて採取した後、中空針11の外側端を大気に連通した場合、血液が筒状体5内の血液分離フィルタ材料62,62に含浸される。そして、血液分離フィルタ材料62,62内では、血漿または血清が血液よりも速やかに移動するため、筒状体5を構成している血液分離膜においては、血球濃度がより低い状態で血漿もしくは血清の濾過が進む。従って、血漿もしくは血清の濾過時間を効果的に短縮することができる。
また、本実施形態においても、血液は第1の開口2a側から下方に向って、すなわち容器本体2の長さ方向に流れるように供給されるが、分離方向は、筒状体5の側壁において、上下方向と直交する方向である。すなわち、血液の流れ方向と、分離方向とが垂直の関係にある。そのため、血球による筒状体5の側面における目詰まりをより効果的に防止することができる。すなわち、上記のように、筒状体5の側面において分離が開始される場合、血球濃度が予め血液分離フィルタ材料62が充填されているので、低くされており、かつ分離方向と血液の流れ方向とが垂直にあるため、血球による筒状体5の目詰まりをより確実に防止することができる。
本実施形態の血液分離装置61においても、図14(a)に示すように、濾過が進行すると、血漿もしくは血清が、第2の栓体4の上方に貯留されることになる。従って、本実施形態の血液分離装置61も同様に、流路遮断部材7により流路が遮断された後、上下が逆転し、第2の栓体4を取り外すことにより、採取された検体としての血漿もしくは血清を容易に取り出すことができる。
図15(a)及び(b)は、本発明の第4の実施形態に係る血液分離装置を示す正面断面図及び斜視図である。
第4の実施形態の血液分離装置71では、管状の容器本体72内に、血液分離膜からなるらせん状の筒状体73が配置されている。らせん状の筒状体73は、上端73aが開口しており、下端73bも開口している。すなわち、筒状体73は、閉じられた底部を有しない。
他方、血液分離膜からなる筒状体73の上端73a近傍において、接合部材74を用いて、筒状体73が管状の容器本体72に固定されている。ここでは、接合部材74は、管状の容器本体72の内周面との間に、略円錐形状の血液ガイド75が配置されている。血液ガイド75は、逆円錐形状を有し、すなわちじょうご状の形状を有し、その上端が大きな径を有し、上端において管状の容器本体72の内周面に気密的に固定されている。他方、下端側は径が小さくなっており、下端側に設けられた径の小さな筒状部75aを有する。この筒状部材75aの内周面に接合部材74により、気密的に筒状体73が固定されている。筒状体73の上端73aは、接合部材74よりも上流側に位置されている。
血液ガイド75は、合成樹脂、ガラス、金属などの適宜の材料により構成される。本実施形態では、筒状体73の下端73bよりも上方において、検体回収部76が設けられている。検体回収部76は、管状の容器本体72の途中を切断し、すなわち、直方体状の部材を挿入することにより構成されている。この直方体状の検体採回収部76の側面には、貫通孔76aが設けられており、貫通孔76aに、取り外し可能に、検体77が気密的に取り付けられている。また、検体回収部76の下方に、封止部材78が設けられている。封止部材78を貫通するように、筒状体73が下方に延ばされている。封止部材78は、管状の容器本体72の内周面に液密的にかつ筒状体73の外周面に液密的に固定されている。
上記検体回収部76は、管状の容器本体72と同じ材料で構成されてもよく、他の材料で構成されてもよい。
また、封止部材78については、合成樹脂などの適宜の材料で構成され得る。
第4の実施形態の血液分離装置71を使用するに際しては、第1の実施形態の血液分離装置1と同様に、栓体3に採血針を刺通して、血液を採取する。しかる後、血液採取部である内部空間を大気に連通させることにより、濾過が開始される。この場合、血液は、筒状体73の上端73aの入口としての開口から筒状体73内を進行する。筒状体73がらせん状の形状を有するため、大きな濾過面積で、濾過が進行することになる。
本実施形態においても、血液分離方向は、血液の流れ方向と直交しているため、血球による血液分離膜の目詰まりが効果的に抑制される。また、この筒状体を流れる血液の速度は、血液速度調整空間79の減圧度を調整することにより、適宜調節可能である。
この場合、血液採取部、すなわち上記血液ガイド75の上方の内部空間の圧力P5が大気に開放されると、圧力差により濾過が進行するが、濾過により筒状体73の外表面に染み出てきた血漿もしくは血清は、上記検体回収部76に貯留されることになる。他方、濾過が終了した血液は、筒状体73の下端73bの出口側の開口から下方に滴下することになる。
そして、濾過が終了した段階では、栓体77を取り外し、検体回収部76内の血漿もしくは血清を採取すればよい。
この検体の採取に際して、採取作業を容易とするには、図15(a)及び(b)に示す状態から90度傾け、管状の容器本体72の長さ方向が水平となるように回転させ、栓体77を取り外せばよい。
このように、本発明に係る血液分離装置では、血液分離膜からなる筒状体の形状は適宜変形され得る。そして、上記らせん状のように、筒状体が配置される部分の長さ方向寸法に比べて筒状体の全長を長くし得る形状により、濾過面積のより一層の拡大を図り、濾過時間の短縮を図ることができる。従って、濾過時間の短縮により、溶血のおそれをより一層低減することができる。
(a)及び(b)は、第1の実施形態の血液分離装置の正面断面図及び用いられる血液分離膜からなる筒状体を示す斜視図。 第1の実施形態の血液分離装置の外観を示す斜視図。 (a)及び(b)は、第1の実施形態の血液分離装置において、血液を採取する工程及び濾過開始前の状態を示す正面断面図。 (a)及び(b)は、第1の実施形態の血液分離装置を用いて血液分離を行う工程を説明するための各正面断面図。 第1の実施形態の血液分離装置を用いて血液の分離が終了した状態を示す正面断面図。 第1の実施形態の血液分離を用いて採取された血漿もしくは血清を取り出す工程を説明するための正面断面図。 (a)及び(b)は、第1の実施形態の血液分離装置の変形例を説明するための各正面断面図。 (a)及び(b)は、第2の実施形態の血液分離装置の正面断面図及び血液を採取する工程を示す正面断面図。 (a)及び(b)は、第2の実施形態の血液分離装置を用いて血液を採取し、濾過を開始する前の状態、濾過を開始する前の状態及び濾過を開始した状態を示す正面断面図。 (a)及び(b)は、第2の実施形態の血液分離装置を用いて濾過を行う工程を示す正面断面図及び濾過終了後の正面断面図。 第2の実施形態の血液分離装置において、濾過終了後に検体としての血漿もしくは血清を取り出す工程を示す正面断面図。 第2の実施形態の血液分離装置の変形例を説明するための正面断面図。 本発明の第3の血液分離装置の正面断面図。 (a)及び(b)は、第3の実施形態の血液分離装置を用いて濾過を開始する工程及び濾過を終了した状態を示す各正面断面図。 (a)及び(b)は、本発明の第4の実施形態に係る血液分離装置の正面断面図及び外観を示す斜視図。
符号の説明
1…血液分離装置
2…管状の容器本体
2a…第1の開口
2b…第2の開口
3…第1の栓体
4…第2の栓体
5…筒状体
5a…入口側開口
5b…底部
6…接合部材
7…流路遮断部材
12…血液
12a…血漿もしくは血清
30,31,41…血液分離装置
45…筒状体
45a…開口
47…接合部材
51…血液分離装置
61…血液分離装置
62…血液分離フィルタ材料
71…血液分離装置
72…管状の容器本体
73…筒状体
73a…上端
73b…下端
74…接合部材
75…血液ガイド
76…検体回収部
76a…貫通孔
77…栓体
78…封止部材
79…血液速度調整空間

Claims (7)

  1. 血液中の血漿または血清成分を血球成分と分離し、採取するための血液分離装置であって、
    第1の端部に第1の開口を有し、第1の端部と反対側の第2の端部に第2の開口を有する管状の容器本体と、
    前記容器本体の内部に配置されており、一部に開口を有し、血球は通過させないが、血漿または血清成分を通過させる血液分離膜からなる筒状体と、
    前記筒状体の外周側面を前記容器本体の内周面に液密的に固定し、かつ前記筒状体の外側において前記第1の開口側から第2の開口側への血液の移動を規制するための接合部材と、
    前記第1の開口に気密的に取り付けられており、かつ中空針により刺通可能な材料からなる第1の栓体と、
    前記第2の開口を気密的に封止しており、かつ取り外し可能な第2の栓体とを備え、
    内部が減圧されており、前記第1の栓体が中空針により刺通され、血液が前記第1の開口側から前記筒状体内に導かれ、筒状体よりも上流の内部空間を大気に連通させることにより、圧力差により血漿または血清成分が筒状体外に濾過され、下流側の内部空間に導かれるように構成されている、血液分離装置。
  2. 前記筒状体が、前記開口とは反対側に設けられている底部を有する、請求項1に記載の血液分離装置。
  3. 前記筒状体よりも第2の開口側に配置されており、第2の開口側への液体成分の通過を防止するために、液体成分と接触した際に膨潤して流路を遮断する流路遮断部材をさらに備える、請求項2に記載の血液分離装置。
  4. 前記筒状体が、複数並設されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の血液分離装置。
  5. 前記筒状体の入口側の開口と反対側の端部が、出口として開口されており、該出口側の開口よりも上流側であって、入口側の開口よりも下流側において、前記筒状体の外周面を前記容器本体の内周面に気密的に接合している封止部材をさらに備え、封止部材の上流側において、筒状体から濾過された血漿または血清成分が回収され、前記封止部材よりも下流側においては、分離後の血液が回収されるように構成されている、請求項1に記載の血液分離装置。
  6. 前記筒状体が、らせん状の形状を有する、請求項5に記載の血液分離装置。
  7. 前記封止部材よりも上流側において、濾過された血漿または血清成分が回収される部分において、管状の容器本体の側面に、貫通孔が形成されており、該貫通孔に、取り外し可能な栓体が気密的に取り付けられている、請求項5または6に記載の血液分離装置。
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