JPH11295303A - 濾過用血液容器 - Google Patents

濾過用血液容器

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Publication number
JPH11295303A
JPH11295303A JP10099423A JP9942398A JPH11295303A JP H11295303 A JPH11295303 A JP H11295303A JP 10099423 A JP10099423 A JP 10099423A JP 9942398 A JP9942398 A JP 9942398A JP H11295303 A JPH11295303 A JP H11295303A
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JP
Japan
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blood
container
suction nozzle
filtration
diameter
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JP10099423A
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English (en)
Inventor
Masao Kitajima
昌夫 北島
Shigeru Tezuka
滋 手塚
Yasuo Washisawa
保夫 鷲沢
Kenichiro Yazawa
建一郎 矢沢
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】採血時の操作性がよく、検査しようとする血液
を簡単に濾過して必要量の血清を得ることができる濾過
用血液容器を提供する。 【解決手段】採血した血液を入れる容器と、吸引口が閉
止されている血液吸引ノズルよりなる濾過用血液容器に
よって、血液濾過の際に血液を吸引する吸引ノズルの先
端を閉止して血液を入れる容器内に収容しておき、そし
てこの閉止を解くと血球凝集塊の詰まりによるトラブル
を減少できるという知見により解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は全血を濾過して血清
試料を調製する際に使用される血液容器に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】血液中の構成成分例えば代謝産物、蛋白
質、脂質、電解質、酵素、抗原、抗体などの種類や濃度
の測定は通常全血を遠心分離して得られる血漿または血
清を検体として行われている。ところが、遠心分離は手
間と時間がかかる。特に少数の検体を急いで処理したい
ときや、現場検査などには、電気を動力とし、遠心分離
機を必要とする遠心法は不向きである。そこで、濾過に
より全血から血清を分離する方法が検討されてきた。
【0003】この濾過方法には、ガラス繊維濾紙をカラ
ムに充填し、カラムの一方から全血を注入し、加圧や減
圧を行なって他方から血漿や血清を得るいくつかの方法
が公知化されている(特公昭44−14673号公報、
特開平2−208565号公報、特開平4−20885
6号公報、特公平5−52463号公報等)。
【0004】しかし、全血から濾過により自動分析等に
よる測定に必要な量の血清を得る方法に関しては血糖な
ど一部の項目を除いては、いまだ試行の段階にあり、広
く実用化されるに至っていない。
【0005】そこで、本発明者らは先に、微量な血液で
あっても血漿や血清を効率よく分離しうる血液濾過ユニ
ットとして、濾材にガラス繊維濾紙と微多孔性膜を組み
合わせるとともに濾材の血漿出口側にシール部材を設け
て濾過材料の開口面積を狭めた血液濾過ユニットを完成
した(特開平9−196911号公報)。
【0006】また、その吸引側に血漿受槽を設けたもの
も既に開発した(特開平9−276631号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの血液濾過ユニ
ットを使用して血清を得ようとすると、使い勝手に問題
があった。すなわち、血液濾過ユニットのノズル状血液
入り口に血液吸引ノズルを結合して採血済みの採血管の
中に挿入し、圧力差を設けて濾過を行うと、血球凝集塊
が血液吸引ノズルの入り口を塞いで吸引ができなくなる
ことがあった。これを防ぐためには真空採血管内に血球
凝集塊の移動を抑制する抑制体を設けることが有効だ
が、この場合にはこれらの移動抑制体を避けて血液吸引
ノズルを挿入しなければならず、操作が複雑となる。一
方、血液濾過ユニットに血液吸引ノズルを結合した状態
で、上記移動抑制体が設けられた真空採血管に当初から
設置しておくと、採血時の操作性が悪化する。
【0008】本発明の目的は、採血時の操作性がよく、
検査しようとする血液を簡単に濾過して必要量の血清を
得ることができる濾過用血液容器を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するべく鋭意検討を行い、血液濾過の際に血液を
吸引する吸引ノズルの先端を閉止して血液を入れる容器
内に収容しておき、血液濾過の際にこの閉止を解くこと
が血球凝集塊の詰まりによるトラブルを減少させ、血液
濾過をよりトラブルを少なく行わせることができること
を見出した。
【0010】すなわち、本発明は、採血した血液を入れ
る容器と、吸引口が閉止されている血液吸引ノズルより
なる濾過用血液容器に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】採血した血液を入れる容器の形状
等は問わないが、特別の目的がなければ市販の真空採血
管等の容器を改造しあるいは加工して用いることができ
る。
【0012】血液を吸引するノズルは血液濾過材料を収
容するホルダーの血液入口に接続されるものである。接
続手段は嵌着が適当である。
【0013】血液を吸引するノズル吸引口(先端開口)の
閉止は容器に血液を入れた後に解かれるものである。例
えばノズルの吸引口にキャップや栓を装着して閉止した
場合には、これらのキャップや栓に糸等を取り付けてお
いて吸引口が血液内に進入後この糸を引張ることによっ
てキャップや栓を外せるようにするとか、キャップや栓
を血液を入れる容器に固着しておいて容器あるいはノズ
ルをキャップや栓の脱着方向に動かすことによって外せ
るようにするとか、開口にフィルムやシートを貼着する
とともに血液を入れる容器の底にこれを破る突起を設け
ておいて、突起で突きやぶらせる等の方法がある。キャ
ップ、栓、シート、フィルム等の閉止材料は、キャップ
では、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、高密度ポ
リエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン及
び熱可塑性フィルムとアルミ箔を積層した複合フィルム
等、栓では各種ゴム等、シートではポリ塩化ビニリデ
ン、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン等で特にアル
ミニウム等の金属の箔や蒸着膜を積層したものが好まし
い。シートやフィルムの場合、厚みが0.01〜0.2m
m程度、好ましくは0.07〜0.15mm程度のもの
が適当である。そのほか、キャップや栓を磁性材料、特
に強磁性材料で形成して磁石で外せるようにするとか、
熱軟化性材料、例えばロウで形成しておいて加熱によっ
て外せるようにすることもできる。
【0014】血球凝集塊移動抑制体は基本的には突起に
係止させ、あるいは通過する方向を案内し、または通過
する抵抗を増すことによって血球凝集塊の移動を抑制す
るものである。突出方向は凝集塊を血液濾過ユニットの
吸引ノズルの開口へ向かわないようにする方向であり、
従って、突出角度は広い範囲が可能である。一般的には
容器の深さ方向から上方に60〜150°程度、好まし
くは80〜120°程度である。突起の形状は凝集塊の
移動を抑制できる形状であればよく、丸棒状、角棒状、
紐状、繊維状、板状、螺旋状、円錐状、角錐状、折れ線
状等多くの形状が可能である。各突起は放射状に突出し
てブラシ状になっているとか、縦横に突出して格子等の
網状(交差部は分離していても結合していてもよい。)
になっているとか、ランダムに突出しているとか、全体
として目皿状、すなわち板に複数の穴が明いている状態
のものであってもよい。突起間の距離あるいは穴の直径
は0.2〜2mm程度、好ましくは0.4〜1mm程度
が適当である。突起の太さは広範囲に可能であり0.1
〜5mm程度、好ましくは0.1〜3mm程度の範囲か
ら選択される。突起の本数も広範囲において可能であ
り、血液濾過ユニットを収容できる範囲で多いほうが好
ましい。目皿や交差部が結合されあるいは一体になった
網の場合は1〜10段程度、好ましくは3〜7段程度が
適当である。突起の容器深さ方向の配置では予定採血量
の上端近くまであるのが適当である。
【0015】突起に角部を設けるとか、血液凝固剤を容
器内に設ける等して凝集塊の形成あるいは生長を促進す
ることも好ましい。血液凝固剤としてはトロンビン、シ
リカ粉末、ガラス粉末、ポリビニルアルコール等があ
る。血液凝固剤は単に容器内に入れておくだけでもよい
が容器の内壁面や突起表面に塗布しておくことが好まし
い。塗布量としては1容器あたりトロンビンでは100
0〜4000KIU程度、シリカ粉末では0.01〜2
wt/%程度が好ましい。この容器はキャップや栓を装
着するとかシートやフィルムを貼着して外界から遮断し
ておく。キャップ、栓、シート、フィルム等で容器を密
閉構造にして内部を減圧にしておくことができる。
【0016】前述の如く、血液吸引ノズルは、血液濾過
材料が収容されたホルダーの血液入口に接続されるもの
である。
【0017】この血液濾過材料の種類は問わないが、本
発明の濾過材料では、その表面のみで血球をトラップす
るいわゆる表面濾過材料ではなく、ガラス繊維濾紙等の
厚さ方向に浸透するに従って、初めは大きな血球成分、
後には小さな血球成分と徐々に空隙構造にからめ、厚さ
方向に全長にわたって血球を留め除去していく、いわゆ
る体積濾過材料によるものが使用される。好ましいもの
はガラス繊維濾過、微多孔性膜等であり、ガラス繊維濾
紙と微多孔性膜を組み合わせたものが特に好ましい。
【0018】ガラス繊維濾紙は密度が0.05〜0.5
程度、好ましくは0.07〜0.35程度、特に好ましく
は0.09〜0.2程度で、保留粒子径が0.8〜9μ
m程度、特に1〜5μm程度のものが好ましい。ガラス
繊維の表面を、特開平2−208565号公報、同4−
208856号公報に記載された様な方法で、親水性高
分子で処理することによって濾過をより速やかに円滑に
行なうことができる。また、ガラス繊維の表面をレクチ
ンで処理することもできる。ガラス繊維濾紙は複数枚を
積層して用いることができる。
【0019】表面を親水化されており血球分離能を有す
る微多孔性膜は、実質的に分析値に影響を与える程には
溶血することなく、全血から血球と血清を特異的に分離
するものである。この微多孔性膜は孔径がガラス繊維濾
紙の保留粒子径より小さくかつ0.2μm以上、好まし
くは0.3〜5μm程度、より好ましくは0.5〜3μ
m程度のものが適当である。また、空隙率は高いものが
好ましく、具体的には、空隙率が約40%から約95
%、好ましくは約50%から約95%、さらに好ましく
は約70%から約95%の範囲のものが適当である。微
多孔性膜の例としてはポリスルホン膜、弗素含有ポリマ
ー膜等がある。
【0020】好ましい微多孔性膜はポリスルホン膜、酢
酸セルローズ膜等であり、特に好ましいのはポリスルホ
ン膜である。本発明の血液濾過材料においてはガラス繊
維濾紙が血液供給側に配置され、微多孔性膜が吸引側に
配置される。最も好ましい材料は血液供給側からガラス
繊維濾紙、ポリスルホン膜をこの順に積層した積層体で
ある。
【0021】本発明で用いられる濾過材料は特開昭62
−138756〜8号公報、特開平2−105043号
公報、特開平3−16651号公報等に開示された方法
に従って各層を部分的に配置された接着剤で接着して一
体化することができる。
【0022】本方式により濾過し得る全血の量は、ガラ
ス繊維濾紙中に存在する空間体積と全血中の血球の体積
に大きく影響される。ガラス繊維濾紙の密度が高い(粒
子保持孔径が小さい)と赤血球がガラス繊維濾紙の表面
近傍にトラップされるので、表面からごく浅い領域でガ
ラス繊維濾紙中の空間が閉塞状態になってしまうことが
多い。従って、それ以上の濾過が進まず、結果として濾
過、回収し得る血清量も少なくなる。この際、回収血清
量を増やそうとして更に強い条件で加圧すると、血球の
破壊、すなわち溶血が起きてしまう。つまり表面濾過に
近いプロセスとなり、濾紙の空間体積利用効率は低い。
【0023】これに対し、ガラス繊維濾紙の密度を低く
すると、血球は濾紙の深部(出口に近い領域)まで浸透
していき血清が通過できる空間が増すので、濾紙全体の
空間体積が有効に利用され、回収される血清の量も多く
なる。
【0024】空間体積あるいは血清濾過量に対応する指
標として、透水速度が有効である。透水速度は、入口と
出口をチューブに接続できるように絞った濾過ユニット
中に一定面積のガラス繊維濾紙を密閉保持し、一定量の
水を加えて一定圧力で加圧または減圧したときの、単位
面積あたりの濾過量を速度で表したものであり、ml/
sec等の単位を持つ。
【0025】具体例としては、濾過ユニット中に直径2
0mmのガラス繊維濾紙をセットし、その上に100m
lの注射筒をたてて60mlの水を入れて自然流下さ
せ、開始後10秒と40秒の間の30秒間にガラス濾紙
中を通り抜けた水の量をもって透水量とし、これから単
位面積あたりの透水速度を算出する。
【0026】血清の濾過に特に適しているのは透水速度
が1.0〜1.3ml/sec程度のもので、例えば、
ワットマン社GF/D、東洋濾紙GA−100、同GA
−200等がある。さらに、市販のガラス繊維濾紙を熱
水中で再分散してナイロンネット上で再抄紙して低密度
濾紙(密度約0.03)を作製することもでき、これは
良好な血清濾過特性を示す。
【0027】ガラス繊維濾紙の厚さは、回収すべき血清
量とガラス繊維濾紙の密度(空隙率)及び面積から定め
られる。分析を乾式分析素子を用いて複数項目行なう場
合の血漿の必要量は100〜500μlであり、ガラス
繊維濾紙の密度が0.07〜0.2程度、面積が1〜5
cm2程度が実用的である。この場合ガラス繊維濾紙の
厚さは1〜10mm程度、好ましくは2〜8mm程度で
ある。このガラス繊維濾紙は複数枚、例えば2〜10枚
程度、好ましくは2〜6枚程度を積層して上記厚さとす
ることができる。
【0028】微多孔性膜の厚さは0.05〜0.5mm
程度、特に0.1〜0.3mm程度でよく、通常は1枚
の微多孔性膜を用いればよい。しかしながら、必要によ
り複数枚を用いることもできる。
【0029】血液濾過材料を入れるホルダーには血液入
口と濾過液出口が設けられ、一般に血液濾過材料を収容
する本体と、蓋体に分けた態様で作製される。通常は、
いずれにも少なくとも1個の開口が設けられていて、一
方は血液入口として、他方は濾過液出口として、場合に
より更に吸引口として使用される。吸引口を別に設ける
こともできる。ホルダーが四角形で蓋体を側面に設けた
場合には血液入口と濾過液出口の両方を本体に設けるこ
とができる。
【0030】血液濾過材料収容部の容積は、収容すべき
濾過材料の乾燥状態および検体(全血)を吸収し膨潤し
た時の総体積より大きい必要がある。濾過材料の総体積
に対して収納部の容積が小さいと、濾過が効率良く進行
しなかったり、溶血を起こしたりする。収納部の容積の
濾過材料の乾燥時の総体積に対する比率は濾過材料の膨
潤の程度にもよるが、通常101%〜400%、好まし
くは110%〜150%、更に好ましくは120%〜1
40%である。具体的には血清の必要量との関係で定ま
るが0.5〜1.5ml程度、通常0.6〜0.9ml
程度である。
【0031】また、濾過材料と収容部の壁面との間は、
全血を吸引した時に濾過材料を経由しない流路が出来な
いように構成されている必要があることは勿論である。
但し、微多孔性膜で止めうる程度の血球が漏れてきても
支障はない。
【0032】濾過ユニットは、上記本体に蓋体が取付け
られると、これらの血液入口と吸引口としても使用され
る濾過液出口を除いて全体が密閉構造になる。
【0033】ホルダーの材料はプラスチックが好まし
い。例えば、ポリメタアクリル酸エステル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリカ
ーボネート等の透明あるいは不透明の樹脂が用いられ
る。
【0034】上記本体と蓋体の取付方法は、接着剤を用
いた接合、融着等如何なる手段によってもよい。この
際、上記本体と蓋体のいずれの周縁が内側に位置しても
よく、あるいは突き合わせ状態であってもよい。また、
上記本体と蓋体をネジ等の手段で組立分解ができる構造
とすることもできる。
【0035】血液濾過材料の形状に特に制限はないが、
製造が容易なように、円形とすることが望ましい。この
際、円の直径をホルダー本体の内径よりやや大きめと
し、濾過材料の側面から血球が漏れることを防ぐことが
できる。一方、四角形にすれば作製した血液濾過材料の
切断ロスがなくなるので好ましい。また、ガラス繊維濾
紙の細片を用いることもできる。
【0036】
【実施例】本発明の実施例である濾過用血液容器の例を
図1に示す。
【0037】図1の容器1は市販の真空採血管であり、
そのなかに血液濾過ユニットの血液入口に装着される血
液吸引ノズル2が入れられている。
【0038】真空採血管1は直径30mmのポリエステ
ル製である。
【0039】この吸引ノズル2はポリエチレン製で細長
な截頭円錐筒状をしており途中で段部を設けて径を細く
している。基端側の大径部外周面には幅方向に6本のリ
ブが形成されている。吸引ノズル2の先端の開口が吸引
口71になっている。
【0040】容器1の底部には中央に突起を有するポリ
カーボネート製の栓体3aが貼着けられている。吸引ノ
ズル2の吸引口7はこの栓体3aの突起に嵌入されて閉
止されている。
【0041】この吸引ノズル2の先端には図4に示す凝
集塊阻止部材4aが装着されている。この凝集塊阻止部
材4aは直径10mmの円板に直径1mmの穴8が9個
開けられており、一方の側に吸引ノズルの先端に嵌め込
み可能な巾1.5cm、長さ1mmの脚9が2枚立って
いる構造のものである。
【0042】本発明の容器の別の実施例を図5に示す。
図5(イ)のものは栓体5として中央に凹所を有し、血液
吸引ノズル2の先端の吸引口7を周囲から包むようにし
て閉止したこと、及び凝集塊阻止部材4bを2枚として
いずれも容器1の内壁に固着されたほかは図1のものと
同様である。
【0043】図5(ロ)のものは、血液吸引ノズル2の吸
引口7をシール用シート5で閉止し、一方、容器2の底
部には突起6を設けてシール用シート5をこの突起7で
突き破るようにした例である。
【0044】本発明の容器に使用される血液濾過ユニッ
トの例を図6〜8に示す。
【0045】図6は血液濾過ユニットを組み立てた状態
の縦断面図、図7は血液濾過ユニットを構成する蓋体の
平面図、図8は血液濾過ユニットを構成する蓋体の底面
図である。
【0046】この血液濾過ユニットは、図6に示すよう
に、ホルダー本体10と、その上部に密着固定された蓋
体20とからなっている。
【0047】このホルダー本体10はハイインパクトポ
リスチレン樹脂で形成されたもので、血液濾過材料を構
成するガラス繊維濾紙30を収容するガラス繊維濾紙収
容室11が形成されるとともに、このガラス繊維濾紙収
容室11の上部において、血液濾過材料を構成する微多
孔性膜としてのポリスルホン多孔性膜40を収容する微
多孔性膜収容室12が形成されている。この微多孔性膜
収容室12は、下端においてガラス繊維濾紙収容室11
より大きい径の段部19が形成されており、この段部1
9にポリスルホン多孔性膜40が載置された状態で収容
される。また、この段部19の外周縁から、上方に斜め
に立ち上がった傾斜部13が形成されており、傾斜部1
3の上縁から外方にフランジ14が形成されている。
【0048】一方、ホルダー本体10の底部には、周縁
よりやや内側にガラス繊維濾紙載置部15を設けてそこ
から浅いロート状円板部16が連接され、このロート状
円板部16の中心から下方にノズル状血液入口17が延
設されている。このノズル状血液入口17には、血液濾
過の際、吸引ノズル(図示せず)が装着される。上記ガ
ラス繊維濾紙載置部15は、ガラス繊維濾紙30の下面
をホルダー本体10のロート状円板部16から隔離させ
て空間18を形成するスぺーサとしても機能している。
【0049】前記蓋体20は、外側から、同心円の円筒
状をした外壁21、内壁22及び濾過した血清を貯溜す
るためのカップ23が形成されている。前記外壁21
は、上方へ行くに従って外側へ広がるテーパー状に形成
されており、この外壁21の傾斜角は前記傾斜部13の
傾斜角と同一であり、また、外径が傾斜部13の内径と
同一となっている。すなわち、外壁21が傾斜部13に
密着状態で嵌合するようになっている。また、外壁21
の周縁部には外方に突出するフランジ24が形成され、
このフランジ24がホルダー本体10のフランジ14と
超音波で接着されている。このフランジ24の底面(フ
ランジ14と接着する面)には、図7に示すように、接
着以前の段階において、接着の際超音波エネルギーをそ
こに集めて液密性を充分に確保した状態で接着できるよ
うに、リブ25が形成されている(なお、接着後は溶融
消滅している)。
【0050】また、蓋体20の底面には、図8に示すよ
うに、12個の突起26が略均等な間隔で形成されてお
り、この突起26により、ポリスルホン多孔性膜40が
密着するのを防止している。
【0051】蓋体20の内壁22とカップ23との間に
は、煙突状の血清通路27が蓋体20を貫通して上方に
突設されており、この血清通路27の上方には、血清の
噴出を阻止する庇28が水平方向に形成されている。こ
の庇28は、図7に示されるように、大小2つの半円を
組み合わせた形状をしており、内側の半円は血清通路2
7の外壁と一致している。また、血清通路27の上端内
側部分は、カップ23方向へ斜めになった流入部29が
形成され、濾過されて来た血清27がカップ23内に容
易に流れ込むようにようになっている。
【0052】なお、以上のような血液濾過ユニットにお
いて、ガラス繊維濾紙収容室11の直径は20.1m
m、同深さ5.9mm、微多孔性膜収容室12の下端に
おける直径23.0mm、同上端における直径22.5
mm、同深さ2.10mm、外壁21の外周面下端の直
径20.98mm、同下面からフランジ24までの高さ
2mm、内壁22の内径15.0mm、カップ23の内
径7.5mm、ガラス繊維濾紙30の直径20.0m
m、同厚さ0.91mmのものを6枚、ポリスルホン多
孔性膜40の直径20.9mm、同厚さ150μmであ
る。
【0053】
【発明の効果】本発明により、検査しようとする血液を
簡単に濾過して必要量の血清を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である濾過用血液容器に採
血針を挿入した側面図である。
【図2】 吸引ノズルの側面図である。
【図3】 吸引ノズルの平面図である。
【図4】 吸引ノズル先端に血球凝集塊移動抑制体を装
着した状態を示す斜視図である。
【図5】 本発明の容器の別の実施例の側面図である。
【図6】 本発明で使用される血液濾過ユニットの一例
の縦断面図である。
【図7】 上記血液濾過ユニットの蓋体の平面図であ
る。
【図8】 上記血液濾過ユニットの蓋体の底面図であ
る。
【符号の説明】
1…容器 2…血液吸引ノズル 3a,3b…栓体 4a,4b…凝集塊阻止部材 5…シール用シート 6…突起 7…吸引口 8…穴 9…脚 10…ホルダー本体 11…ガラス繊維濾紙収容室 12…微多孔性膜収容室 13…傾斜部 14…フランジ 15…ガラス繊維濾紙載置部 16…ロート状円板部 17…ノズル状血液入口 19…段部 20…蓋体 21…外壁 22…内壁 23…カップ 24…フランジ 25…リブ 26…突起 27…血漿通路 28…庇 29…流入部 30…ガラス繊維濾紙 40…ポリスルホン多孔性膜(微多孔性膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢沢 建一郎 埼玉県朝霞市泉水三丁目11番46号 富士写 真フイルム株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 採血した血液を入れる容器と、吸引口が
    閉止されている血液吸引ノズルよりなる濾過用血液容器
  2. 【請求項2】 容器内部または血液吸引ノズル外面に血
    球凝集塊移動抑制体が設けられている請求項1記載の濾
    過用容器
  3. 【請求項3】 血球凝集塊の移動抑制体が複数の突起で
    ある請求項2記載の濾過用血液容器
  4. 【請求項4】 血球凝集塊移動抑制体が網または目皿で
    ある請求項2記載の濾過用血液容器
JP10099423A 1998-04-10 1998-04-10 濾過用血液容器 Pending JPH11295303A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009544968A (ja) * 2006-07-21 2009-12-17 ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー サンプル採集用の膜による二重層の管
JP2010002209A (ja) * 2008-06-18 2010-01-07 Horiba Ltd 体液試料分析装置
JPWO2016147748A1 (ja) * 2015-03-17 2017-04-27 株式会社エム・ビー・エス 試料採取分離器具

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