JP2857650B2 - 塗布用抗菌剤、抗菌材および抗菌性水槽 - Google Patents

塗布用抗菌剤、抗菌材および抗菌性水槽

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Description

【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は種々の細菌およびカビ菌に対して殺菌および
抗菌作用を有する新規な抗菌剤で、特に種々のものの表
面に塗布できる塗布用抗菌剤、さらに、抗菌性表面を有
する抗菌材および抗菌性内面を有する抗菌性水槽に関す
る。
[従来技術およびその問題点] 従来より、銀および銅が殺菌作用を有することは公知
であり、例えば銀は硝酸銀、乳酸銀等の水溶液の形態
(Ag+)で消毒剤として広く利用されている。
そして、各所に、微生物反応の旺盛な場所があり、例
えば、プール内の側壁、防火用水の内壁、水槽の内面に
は、緑藻が発生し易く、得に水槽では、発生した緑藻に
より、外部からの鑑賞が困難となり、定期的な清掃を行
うことが必要であった。
しかし、上記のような硝酸銀などを、プール内の側
壁、防火用水の内壁、水槽の内面に塗布しても、容易に
液体中に流れてしまい、極めて短期にしか抗菌力を示さ
ない。また、長期的に抗菌姓を維持するためには、液体
中にかなりの高濃度で硝酸銀などを含有させることが必
要となり、大量の硝酸銀が必要となるとともに、流出し
たときの二次公害の恐れもあり、さらに、水槽内に入れ
られる魚介類などにも悪影響を与えるおそれが高い。
そこで、本発明は、種々の場所、種々の材料、容器な
どの表面に容易に塗布でき、塗布後、乾燥により被膜を
形成し容易に剥離することがなく、かつ長期にわたり高
い殺菌性、抗菌性を有する液体状の被膜形成性を持つ塗
布用抗菌剤を提供するものであり、さらに、長期にわた
り抗菌性を維持する抗菌材、さらに、抗菌性内表面を有
し、長期にわたり緑藻の発生を防止できる抗菌性水槽を
提供するものである。
[問題点を解決するための手段] 上記目的を達成するものは、水を分散媒とするコロイ
ドの大きさを持つ酸化アルミニウム水和物を含有するア
ルミナゾルと、抗菌作用を有する金属またはその化合物
とを含有し、粘着性と塗布乾燥後の固化物形成性を有す
る塗布用抗菌剤である。
そして、前記アルミナゾルは、安定剤としての酸を含
有していることが好ましい。また、前記酸化アルミニウ
ム水和物の表面に、前記抗菌作用を有する金属またはそ
の化合物が付着していることが好ましい。さらに、前記
抗菌作用を有する金属またはその化合物は、銀、銅、銀
化合物または銅化合物であることが好ましい。
また、上記の目的を達成するものは、上記のいずれか
の塗布用抗菌剤を塗布し乾燥することにより形成された
抗菌性表面を有する抗菌性表面保有物である。
また、上記の目的を達成するものは、基材の表面に上
記の塗布用抗菌剤を塗布し乾燥することにより形成され
た抗菌性表面を有する抗菌材である。
そして、前記乾燥は、120〜400℃にて行われたもので
あることが好ましい。また、前記基材は、例えば、球状
である。
さらに、上記目的を達成するものは、少なくとも内面
に抗菌作用を有する金属またはその化合物を含有した酸
化アルミニウムの被膜を有する抗菌性水槽である。
そこで、本発明の抗菌剤を第1図に示す実施例を用い
て説明する。
本発明の抗菌剤1は、水を分散媒とするコロイドの大
きさを持つ酸化アルミニウム水和物を含有するアルミナ
ゾルと、抗菌作用を有する金属またはその化合物とを含
有し、粘着性と塗布乾燥後の固化物形成性を有する塗布
用抗菌剤である。
本発明の特徴は、アルミナゾル中の酸化アルミニウム
水和物の持つ被膜形成性、粘着性、陽電荷などの性質
と、抗菌性を有する金属またはその化合物な持つ高殺菌
力を利用した塗布用抗菌剤である。アルミナゾルと金属
またはその化合物をメカノケミカル的に反応させ、アル
ミナゾル中の酸化アルミニウムの表面に金属またはその
化合物を付着させることが望ましい。
アルミナゾルは非常に大きな比表面積をもっており、
かつ高い陽電荷のため陰性電荷をもった物質との吸着力
が大きく、さらに、微粒子状であるため高い表面活性と
反応性、被膜形成性、結合性など多くの利点を持ってい
る。そして、抗菌性を有する金属または金属化合物と併
用することにより、優れた塗布型殺菌剤を形成する。
従って、本発明の抗菌剤は、アルミナゾル型殺菌剤で
あり、多種の物質の表面に塗布しても強力に付着し、か
つ、被膜を形成したアルミナ中に金属またはその化合物
が存在するので、長期間にわたり有効に抗菌作用を発揮
し、極少量でも相当の殺菌力が期待できる塗膜を形成す
る。つまり、本発明の塗布用抗菌材を塗布し乾燥するこ
とにより、抗菌性表面を有する抗菌性表面保有物が形成
される。
本発明の抗菌剤に使用される抗菌作用を有する金属ま
たはその化合物としては、銀または銅などの金属および
それらの化合物が好適に使用できる。化合物としては、
酸化銀、酸化銅、炭酸銀、炭酸銅、塩化銀、塩化銅、硝
酸銀、硝酸銅、乳酸銀などが考えられる。抗菌力の強さ
からは、上記のうち、銀または銀化合物が好ましい。さ
らに、安全性の点から、銀、酸化銀、炭酸銀、乳酸銀が
好ましい。
以下、本発明の抗菌剤として銀化合物を用いた場合を
例に取り説明する。
本発明の抗菌剤に使用されるアルミナゾルとは、水を
分散媒とするコロイドの大きさを持つアルミナ(酸化ア
ルミニウム、Al2O3)の水和物(ベーマイト系)(以
下、単に、アルミナもしくは酸化アルミニウムという)
を含有し、重合粒子が水中の陰イオンを安定剤として分
散している乳白色の粘性ある液体である。粒子の形状
は、羽毛状粒子の集合体で、この羽毛状粒子1つは約60
万個のアルミニウムが重合して形成されている。表面状
態は、コロイドに安定性を持たせる陰イオンが粒子の表
面およびその近辺に存在し、アルミナ粒子の安定化の役
割を行っており、また、アルミナ粒子自身は陽性に帯電
している。そして、アルミナ(酸化アルミニウム)は、
それぞれが約10mμの直径を有し、長さが約100mμとい
う略円柱状形状となっている。そして、第1図に示すよ
うに、酸化アルミニウムの表面には銀化合物が付着して
いる。
アルミナゾルとしては、公知のものが使用でき、例え
ば、日産化学(株)製、アルミナゾル−100、200,520な
どが好適に使用でき、特に、安定剤としては、酢酸系の
ものが好適に使用できる。一般的に、アルミナゾル中の
酸化アルミニウムの含量は、5〜30%程度であり、少量
の安定剤としての酸(例えば、酢酸)を含み、液体とし
ては水が用いられている。
本発明の抗菌剤中の酸化アルミニウム含量としては、
0.1〜20重量%、好ましくは、0.1〜5重量%である。0.
1%以下では、均一な被膜が形成されないおそれがあ
り、20%以上では、粘度が高くなり、塗布が困難となる
場合があり、また、透明性基材に塗布したとき、透明性
を低下させるおそれがある。そして、抗菌剤中における
抗菌作用を有する金属またはその化合物の含有量は、10
-7〜5重量%であることが好ましく、特に好ましくは、
10-4〜0.1重量%である。さらに、前記抗菌剤中におけ
る酸化アルミニウムと抗菌作用を有する金属またはその
化合物との含有量の比は、106:1〜4:1であることが好ま
しく、より好ましくは、105:1〜100:1である。そして、
本発明の抗菌剤における分散媒としては、アルミナゾル
の分散媒でもある水が好適に使用される。また、水の他
に有機溶媒(例えば、アセトン、ジメチルフォルムアミ
ド、メチルエチルケトン、またメチルアルコール、エチ
ルアルコール、さらにはエチレングリコールなどのアル
コール類)を用いてもよく、さらに、水とそれらの混合
物を用いてもよい。また、分散媒中に少量のPVA,PVPな
どを含有させてもよい。
そして、酸化アルミニウムの表面への銀化合物の付着
形態としては、部分的に点在するように付着していれば
よい。
両者の付着理論としては、例えば、銀化合物として、
炭酸銀を用いた場合、一部はAg2Oとなり、一部はAg(コ
ロイド)の状態となり、また一部はAg2CO3のまま酸化ア
ルミニウムの表面に両者の分子間引力などで付着してい
る。そして、その付着力は、それほど強いものではな
い。そして、付着とは、酸化アルミニウムの表面に、銀
化合物が接触していること、および極めて近い距離にあ
ることを示している。そして、抗菌剤中に含有される銀
化合物のすべてが酸化アルミニウムに付着していること
が好ましいが、その一部が付着していなくてもよい。そ
して、好ましくは、銀化合物が酸化アルミニウムに接触
するとともに、上記のような羽毛状粒子である酸化アル
ミニウムの集合体の酸化アルミニウム間に入り込んでい
ることが好ましい。このような状態となっていると、塗
布され乾燥後に形成される酸化アルミニウム被膜の内部
に銀化合物が取り込まれた状態の抗菌性被膜が形成さ
れ、容易に銀化合物が被膜より離脱することがなく、長
期にわたり抗菌力を発揮する。
そして、本発明の抗菌剤が塗布された表面は、乾燥す
ると、アルミナの強固な塗布固化物となる。そして、形
成された塗布固化物の表面(抗菌性表面保有物を表面で
もある)に露出する銀化合物により、表面は常に高い抗
菌性を維持する。上記の乾燥方法としては、常温放置に
よるものでもよいが、好ましくは110℃以上、より好ま
しくは120〜400℃の高温で行うことである。このような
高温による乾燥は、例えば、乾燥器を用いる方法、また
塗布面に工業用ドライヤーを用いて熱風を吹き付ける方
法などが考えられる。
さらに、本発明の抗菌剤の塗布対象物に対する粘着
性、被膜形成性を向上させるために、上記のアルミナゾ
ル中の酸化アルミニウムの表面に、銀化合物が付着した
抗菌性を有するアルミナゾルの他に、銀化合物を付着さ
せていないアルミナゾルを含有させることが好ましい。
銀化合物を付着したアルミナゾルだけでも十分な粘着
性、被膜形成性を有するが、銀化合物が付着していない
アルミナゾルに比べ、その機能は若干低下している。そ
こで、銀化合物を付着させていないアルミナゾルを含有
させることにより、上記機能を向上させることができ
る。
さらに、本発明の抗菌剤として、酸化アルミニウムの
表面に付着している銀化合物の離脱を強く抑制し、銀化
合物の離脱がほとんど起こらないようにしてもよい。そ
のためには、本発明の抗菌剤を例えば、2液型とするこ
とが考えられる。具体的に述べると、第1液として、ア
ルミナゾル中の酸化アルミニウムの表面に、抗菌作用を
有する金属またはその化合物が付着した抗菌性を有する
アルミナゾルを含有する抗菌性塗布液とし、上記第1液
を塗布し固化した表面に塗布するための第2液として、
アルミナゾルを含有する表面塗布液とすることである。
第2液中の酸化アルミニウムの含有量としては、0.01〜
10%、好ましくは0.01〜1%である。このようにするこ
とにより、第2液である表面塗布液の乾燥により、抗菌
性表面中の銀化合物の流出が抑制され、かつ抗菌性被膜
の表面より部分的に露出する銀化合物により長期にわた
り抗菌性を維持できるとともに、形成される抗菌性塗布
面の被膜がより強固となる。
さらに、第2液として、アルミナゾルに代えて、シリ
カゾルを用いたものとしてもよい。シリカゲルを第2液
として用いた場合、塗布固化物の表面に、ケイ酸アルミ
ニウムの強固な被膜が形成される。シリカゾルとして
は、例えば、コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、
商品名、スノーテックス)の低濃度液などが好適に使用
できる。
そして、アルミナゾル中の酸化アルミニウムの表面に
銀化合物を付着させる方法としては、所定量のアルミナ
ゾルと銀化合物を容器(例えば、乳鉢)に入れ、押圧し
ながら撹拌(混練)し、酸化アルミニウムの表面に強制
的に銀化合物を押し付けることにより行うことができ
る。さらに、酸化アルミニウムの表面に強制的に銀化合
物をより強く押し付けることにより、羽毛状粒子である
酸化アルミニウムの集合体の酸化アルミニウム間に銀化
合物を入り込ませることができる。
このように、形成された本発明の抗菌剤では、酸化ア
ルミニウムの表面に抗菌性を有する銀化合物が付着して
いるので、抗菌性を有する部分が外表面に露出している
ため、抗菌力、抗菌効率が高い。
次に、本発明の抗菌剤を塗布した抗菌材について説明
する。
本発明の抗菌材(抗菌性表面保有物)5は、第2図に
示すように、基材7の表面に抗菌作用を有する金属また
はその化合物3を含有した酸化アルミニウムの被膜6を
有するものである。
使用される基材材料としては、いかなる樹脂も使用可
能であり、例えば、アクリル系樹脂(例えば、AS、AB
S)、ポリカーボネート、ポリオレフィン樹脂(例え
ば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、エ
チレン−プロピレンコポリマー)、塩化ビニル樹脂、ス
チレン系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン樹脂、ポリア
ミド、ポリビニリデン(例えば、ポリ塩化ビニリデン、
ポリフッ化ビニリデン)、ポリエステル、ガラスなどが
使用でき、本発明の抗菌性を有する被膜は、無色透明で
あるので、透明性を有する基材材料を用いることが可能
である。また、基材の形状としては、板状、球状など種
々の形状が考えられる。
そして、本発明の抗菌材(抗菌性表面保有物)におけ
る抗菌作用を有する金属またはその化合物3を含有した
酸化アルミニウムの被膜6は、上記のような材料の表面
に、上述の抗菌材を塗布し、乾燥させることにより、作
成することができる。被膜6の厚さとしては、1〜100
μm程度が好適である。特に、ガラス表面への塗布は良
好に行える。また、基材が、合成樹脂であって、塗布面
が均一にならないようなものの場合は、基材の良溶媒と
貧溶媒との混合物(例えば、アセトン−アルコール、メ
チルエチルケトン−アルコール、THF−アルコール)な
どで塗布表面をふいた後、行うことにより、より均質な
塗布を行うことができる。また、合成樹脂表面に本発明
の上記の抗菌剤を塗布する場合には、抗菌剤の分散媒
(例えば、水)中に、塗布される合成樹脂の良溶媒と貧
溶媒との混合物(例えば、アセトン−アルコール、メチ
ルエチルケトン−アルコール、THF−アルコール)を含
有させたものを用いてもよい。
そして、この抗菌性基材は、種々の成形物、学校、工
場、家庭などにおける水を使用する箇所に用いられる種
々の容器、トレー、水槽などに使用される。
次に、本発明の抗菌剤を塗布した抗菌性内表面を有す
る抗菌性水槽について説明する。
本発明の抗菌性水槽は、少なくとも内面に抗菌作用を
有する金属またはその化合物を含有した酸化アルミニウ
ムの被膜を有するものである。抗菌性水槽に使用される
材料としては、アクリル系樹脂(例えば、AS、ABS)、
ポリカーボネート、ガラスなどの無色透明のものが好適
に使用される。そして、本発明の抗菌性水槽の内表面に
設けられている抗菌性被膜は、水槽の材料の透明性を殆
ど阻害することはない。本発明の抗菌性水槽は、上記の
ような水槽材料の表面に上述の抗菌剤を塗布することに
より容易に作成することができる。抗菌剤の塗布は、水
槽を構成する部材の表面(内表面となる部分)に上記の
抗菌剤を塗布した後、組み立てたものでもよく、また水
槽を作成した後、その内表面に塗布して作成してもよ
い。そして、この抗菌性水槽は、水族館、学校、料理
店、家庭用など種々の水槽に利用できる。
[実施例] 次に、本発明の抗菌剤を以下の方法により作成した。
アルミナゾルとして、日産化学株式会社製(アルミナ
ゾル−200、酸化アルミニウム含量約10%、安定剤とし
て微量の酢酸を含有,比重1.09〜1.14、pH4.0〜6.0)を
用いた。金属として、炭酸銀(和光純薬株式会社製)を
用いた。
そして、アルミナゾル100cc(約110g)と炭酸銀1g
を、自動乳鉢内に入れ、押圧しながら撹拌(乳鉢内にて
粉砕)し、酸化アルミニウムの表面に炭酸銀を強制的に
押し付け、本発明の抗菌剤約110g(実施例1)を得た。
そして、上記の実施例1の抗菌剤約10gを、アルミナ
ゾル−200で約10倍(実施例2)、約100倍(実施例3)
に希釈したもの、また、上記の実施例1の抗菌剤約10g
を、水を用いて約10倍(実施例4)、約100倍(実施例
5)、約1000倍(実施例6)に希釈した本発明の抗菌剤
を作成した。さらに、上記実施例2の抗菌剤をさらに水
で100倍(実施例7)に希釈した本発明の抗菌剤を作成
した。
実施例1の抗菌剤中における酸化アルミニウムの含有
量は、約10%であり、銀化合物の含有量は約1%であっ
た。実施例2の抗菌剤中における酸化アルミニウムの含
有量は、約10%であり、銀化合物の含有量は約0.1%で
あった。実施例3の抗菌剤中における酸化アルミニウム
の含有量は、約10%であり、銀化合物の含有量は約0.01
%であった。実施例4の抗菌剤中における酸化アルミニ
ウムの含有量は、約1%であり、銀化合物の含有量は約
0.1%であった。実施例5の抗菌剤中における酸化アル
ミニウムの含有量は、約0.1%であり、銀化合物の含有
量は約0.01%であった。実施例6の抗菌剤中における酸
化アルミニウムの含有量は、約0.01%であり、銀化合物
の含有量は約0.001%であった。実施例7の抗菌剤中に
おける酸化アルミニウムの含有量は、約0.1%であり、
銀化合物の含有量は約0.001%であった。
[実験] 上記実施例5の抗菌作用物質を用いて以下の実験を行
った。
(実験1) 抗菌作用性試験 蒸留水100ccに、寒天培地(日水製薬(株)製、普通
寒天培地)3.5gを入れ、培地を作成した。そして、上記
培地25gに上記実施例3の抗菌剤1gを混入させた抗菌性
培地を作成した。そして、1つのシャーレに、抗菌剤を
混入していない培地を入れたものを作成した。さらに、
別のシャーレに上記の抗菌作用性物質を混入した培地を
入れたものを作成した。
そして、上記の2つのシャーレを開放状態にて約24時
間屋外に放置した。上記2つのシャーレを加温庫に入
れ、約40℃にて24時間加温した。そして、各シャーレを
顕微鏡を用いて10000倍の倍率で確認したところ、抗菌
剤を混入させた培地を収納したシャーレでは、菌の成育
は確認できなかった。また、抗菌剤を混入しなかった培
地を収納したシャーレでは顕著な菌の成育が見られた。
(実験2) 緑藻発生実験 透明性基材として、ガラス板を用い、上記の実施例1
ないし実施例7の抗菌剤をその表面(両面)に塗布し、
乾燥器内(120℃、60分)に入れ、乾燥させたものを作
成した。それらガラス板の透明性は殆ど低下せず、また
形成された抗菌性被膜は、固く容易に剥離しなかった。
そして、比較例として、本発明の抗菌剤を塗布しないガ
ラス板を用意した。
そして、上記の8枚のガラス板を水槽の中に入れ、約
6ケ月放置したところ、比較例のガラス板の表面には緑
藻が全面に繁殖していた。しかし、実施例1ないし7の
抗菌剤を塗布したガラス板の表面には緑藻の発生は見ら
れなかった。
[発明の効果] 本発明の塗布用抗菌剤は、水を分散媒するコロイドの
大きさを持つ酸化アルミニウム水和物を含有するアルミ
ナゾルと、抗菌作用を有する金属またはその化合物とを
含有し、粘着性と塗布乾燥後の固化物形成性を有するも
のであるので、酸化アルミニウム水和物の有する被膜形
成性、粘着性により、多種の物質の表面に塗布しても強
力に付着、強固な抗菌性表面を形成し、さらに金属また
はその化合物が容易に流出しないので長時間にわたり、
高い抗菌性表面を形成することができる。
さらに、本発明の抗菌材および抗菌性表面保有物は、
上記の塗布用抗菌剤を塗布し乾燥することにより形成さ
れた抗菌性表面を有するので、長期にわたり高い抗菌性
を有する表面となっており、種々の用途に使用できる。
さらに、本発明の抗菌性水槽は、少なくとも内面に抗
菌作用を有する金属またはその化合物を含有した酸化ア
ルミニウムの被膜を有するものであるので、長期にわた
り、内表面に緑藻の付着を防止することができ、水槽の
清掃を容易とし、水槽の管理が極めて容易なものとな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の抗菌剤の一実施例を示す拡大図、第
2図は、本発明の抗菌性基材の拡大断面図である。 1……抗菌剤、2……酸化アルミニウム 3……金属またはその化合物 5……抗菌材 6……酸化アルミニウム被膜 7……基材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 1/50 531 C02F 1/50 531E 531F 531T 531U 532 532L 540 540F 550 550A (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01N 59/16 A01N 25/08 C02F 1/50

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水を分散媒とするコロイドの大きさを持つ
    酸化アルミニウム水和物を含有するアルミナゾルと、抗
    菌作用を有する金属またはその化合物とを含有し、粘着
    性と塗布乾燥後の固化物形成性を有することを特徴とす
    る塗布用抗菌剤。
  2. 【請求項2】前記アルミナゾルは、安定剤としての酸を
    含有している請求項1に記載の塗布用抗菌剤。
  3. 【請求項3】前記酸化アルミニウム水和物の表面に、前
    記抗菌作用を有する金属またはその化合物が付着してい
    る請求項1または2に記載の塗布用抗菌剤。
  4. 【請求項4】前記抗菌作用を有する金属またはその化合
    物は、銀、銅、銀化合物または銅化合物である請求項1
    ないし3のいずれかに記載の塗布用抗菌剤。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれかの塗布用抗菌
    剤を塗布し乾燥することにより形成された抗菌性表面を
    有することを特徴とする抗菌性表面保有物。
  6. 【請求項6】前記乾燥は、120〜140℃にて行われたもの
    である請求項5に記載の抗菌性表面保有物。
  7. 【請求項7】基材の表面に請求項1ないし4のいずれか
    の塗布用抗菌剤を塗布し乾燥することにより形成された
    抗菌性表面を有することを特徴とする抗菌材。
  8. 【請求項8】前記乾燥は、120〜400℃にて行われたもの
    である請求項7に記載の抗菌材。
  9. 【請求項9】前記基材は、球状である請求項7または8
    に記載の抗菌材。
  10. 【請求項10】少なくとも内面に抗菌作用を有する金属
    またはその化合物を含有した酸化アルミニウムの被膜を
    有することを特徴とする抗菌性水槽。
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