JP2750393B2 - 抗菌作用性物質、それを含有する抗菌性樹脂成形物、抗菌性合成繊維、抗菌性を有する紙および抗菌性塗料 - Google Patents

抗菌作用性物質、それを含有する抗菌性樹脂成形物、抗菌性合成繊維、抗菌性を有する紙および抗菌性塗料

Info

Publication number
JP2750393B2
JP2750393B2 JP63075567A JP7556788A JP2750393B2 JP 2750393 B2 JP2750393 B2 JP 2750393B2 JP 63075567 A JP63075567 A JP 63075567A JP 7556788 A JP7556788 A JP 7556788A JP 2750393 B2 JP2750393 B2 JP 2750393B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibacterial
fine particles
paper
antibacterial substance
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63075567A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01249702A (ja
Inventor
照行 蟹江
賢治 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NITSUKO KK
Original Assignee
NITSUKO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NITSUKO KK filed Critical NITSUKO KK
Priority to JP63075567A priority Critical patent/JP2750393B2/ja
Publication of JPH01249702A publication Critical patent/JPH01249702A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2750393B2 publication Critical patent/JP2750393B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は種々の細菌およびカビ菌に対して抗菌効果を
有する新規な抗菌作用性物質およびそれを含有する抗菌
性樹脂成形物、抗菌性合成繊維、抗菌性を有する紙およ
び抗菌性塗料に関する。
[従来技術] 従来より、銀および銅が殺菌作用を有することは公知
であり、例えば銀は硝酸銀等の水溶液の形態(Ag+)で
消毒剤として広く利用されている。しかし、硝酸銀は、
水溶液の形態に限定され、溶液状のため取り扱いも不便
であり、従って用途の点でも限定されるという欠点があ
った。また、銀やそれの化合物を活性炭、アルミナ、シ
リカゲル、ゼオライト等の吸着物質に吸着させて殺菌目
的に利用することも知られている。上記のようなものと
して、特開昭62−241939号公報、特開昭62−238900号公
報に示されるものがあり、これらは、殺菌作用を有する
金属をイオン状態で保持しているゼオライトを含有する
ポリオレフィン樹脂成形体および紙である。
また、特開昭62−70221号公報に示されるものとし
て、式 M2O・Al2O3・SiO2 (式中Mは銀など)で表わされた抗菌および/または殺
菌作用を有する無定形アルミノ珪酸塩がある。
[先行技術の問題点] 上記のものは、抗菌作用、殺菌作用としては効果を有
するが、使用する抗菌性を有する金属が、光(特に紫外
線)により、酸化し、変色するため、物質全体も変色す
るという問題点を有していた。さらに、使用されている
抗菌性を有する金属が、イオン化しやすく、このため、
液体物などに接触したとき、流出しやすく、安全性に問
題があった。
そこで、本発明の目的は、上記の先行技術の問題点を
解決し、高い抗菌性、殺菌性を有するとともに、光、特
に紫外線に対して安定で、変色がなく、よって、透明性
を有する樹脂、白色の発泡体、塗料などへの混入が可能
であり、かつ安全性の高い抗菌性作用物質、およびそれ
を含有する樹脂成形物、合成繊維、紙、塗料を提供する
ものである。
[問題点を解決するための手段] 上記目的を達成するものは、ステアリン酸と抗菌作用
を有する金属とからなるステアリン酸塩が、微粒子の表
面に付着している抗菌作用性物質である。また、前記微
粒子は、粒径が1mμ〜1mmであることが好ましい。さら
に、前記微粒子は、セラミックス微粒子であることが好
ましい。さらに、前記脂肪酸塩は、前記微粒子の全面を
被覆していることが好ましい。さらに、前記金属は、銀
または銅であることが好ましい。さらに、前記セラミッ
クス微粒子は、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、ジルコ
ニア微粒子、ゼオライト微粒子のいずれかであることが
好ましい。
さらに、上記目的を達成する物は、上記の抗菌作用性
物質を含有する抗菌性樹脂成形物である。また、上記の
抗菌作用性物質を含有する抗菌性合成繊維である。さら
に、上記の抗菌作用性物質が紙の表面に付着あるいは紙
の内部に含有されている抗菌性を有する紙である。さら
に、上記抗菌作用性物質を含有する抗菌性塗料である。
そこで、本発明の抗菌作用性物質を第1図に示す実施
例を用いて説明する。
本発明の抗菌作用性物質1は、微粒子2と、微粒子2
の表面に付着した脂肪酸と抗菌作用を有する金属との脂
肪酸塩3とにより形成されている。特に、第1図に示す
ものでは、脂肪酸塩3は、微粒子の全面に薄膜状に被覆
されている。
本発明に使用される微粒子2としては、その表面に後
述する脂肪酸塩が付着しやすいものであることが好まし
い。そして、安全性、分散性、微粒子の形状,粒径の均
一性、超微粒子を得られること、さらに脂肪酸塩の付着
性の点より、微粒子2としては、セラミックス微粒子が
好ましい。セラミックス微粒子としては、シリカ微粒
子、アルミナ微粒子、ジルコニア微粒子、ゼオライト微
粒子などが好適に使用できる。特に、好ましくは、シリ
カ微粒子である。
そして、微粒子の粒径としては、本発明の抗菌作用性
物質を使用する用途により相違するが、例えば、カビ等
の増殖箇所への散布を目的とする場合には、微粒子は多
少大きいものでも使用可能であり、具体的に述べると、
1mm以下程度である。また、本発明の抗菌作用性物質を
樹脂中に混入させる場合にあっては、1mμ〜1μm程
度、混入される樹脂の透明性を疎外しないためには、好
ましくは、5〜50mμ、より好ましくは7〜30mμが好ま
しい。また、本発明の抗菌作用性物質を発泡体中に混入
させる場合にあっても、1mμ〜1μm程度、好ましく
は、5〜50mμ、より好ましくは7〜30mμが好ましい。
また、紙中に分散させる場合にあっても、1mμ〜1μm
程度、好ましくは、5〜50mμ、より好ましくは7〜30m
μが好ましい。さらに、塗料中に分散させる場合にあっ
ても、1mμ〜1μm程度、好ましくは、5〜50mμ、よ
り好ましくは7〜30mμが好ましい。
本発明に使用される脂肪酸塩3の形成に用いられる抗
菌作用を有する金属としては、その抗菌力、安全性の点
より、銀または銅が好適に使用できる。抗菌力の点か
ら、特に好ましくは、銀である。また、脂肪酸塩3を形
成するための用いられる脂肪酸としては、水に対して難
溶であり、常温において油状または固体状であり、さら
に塩を形成する金属の酸化を防止するために、光、特に
紫外線に対する安定性の高いものが好ましい。上記のよ
うなものとしては、高級脂肪酸、例えばデカン酸、ラウ
リル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
オレイン酸などが考えられる。特に、光に対する安定性
の点よりステアリン酸が好ましい。
よって、本発明に使用される脂肪酸塩としては、ステ
アリン酸銀、ステアリン酸銅が好ましく、特にステアリ
ン酸銀が好ましい。
このステアリン酸銀の光に対する安定性の理由は明確
ではないが、ステアリン酸の持つアルキル基が紫外線を
ある程度吸収するものと予想される。そして、上記のよ
うな脂肪酸塩は公知の方法により得ることができる。
そして、微粒子2の表面への上記脂肪酸塩3の付着形
態といては、部分的に点在するように付着していてもよ
いが、好ましくは、第1図に示すように、微粒子2の表
面全体を薄膜状に覆うように付着していることが好まし
い。微粒子の表面全体を被覆する場合、脂肪酸塩の厚さ
としては、単分子以上であればよい。
そして、微粒子2の表面に脂肪酸塩3を付着させる方
法としては、表面に付着させることができればどのよう
な方法を用いてもよい。
上記のように微粒子2の表面全体にかつなるべく均一
に付着させる方法としては、所定量の微粒子と脂肪酸塩
を容器(例えば、乳鉢)に入れ、押圧しながら撹拌(混
練)し、乳鉢内部において粉砕し、微粒子の表面に強制
的に脂肪酸塩を押し付け、この作業を所定時間連続的に
行うことにより、微粒子の表面に脂肪酸塩が薄く、薄膜
状に被覆される。微粒子と脂肪酸塩との混合比は、重量
比で10:1〜1:1程度が好ましい。このように、形成され
た本発明の抗菌作用性物質1は、中心に微粒子2がある
ので、脂肪酸塩のみに比べ、分散性が高く、散布、樹脂
への混入などが容易である。さらに、微粒子の内部を含
む全体ではなく表面のみに抗菌性を有する脂肪酸塩が付
着しているので、抗菌性を有する部分が外表面に露出し
ているため、抗菌力、抗菌効率が高く、さらに、脂肪酸
塩という安定した状態のものを用いたため、脂肪酸塩を
形成している金属が光、とくに紫外線により酸化される
ことが少なく、この抗菌作用性物質を、樹脂、発泡体、
紙などの中に混入させても、変色することがない。さら
に、脂肪酸塩という安定した状態となっているので、塩
を形成する金属のみが流出しにくく、安全であり、食品
用など広範囲の包装材料中に混入させることができる。
次に、本発明の抗菌作用性物質を含有する樹脂成形物
について説明する。
抗菌性樹脂成形物としては、種々のものが考えられ、
例えば、文房具、玩具、プラスチック製食器、包装容
器、包装材料(例えば、フィルム)、テープ、シート、
ネット、パイプ、ホース、トレー、容器などがある。
また、使用される樹脂としては、いかなる樹脂も使用
可能であり、例えば、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、エチレン
−プロピレンコポリマー)、塩化ビニル樹脂、スチレン
系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド、
ポリビニリデン(例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリフ
ッ化ビニリデン)、ポリエステル、さらには、ポリウレ
タン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、
エポキシ樹脂などの発泡体などが使用される。
そこで、抗菌性樹脂成形物の一実施例として、包装用
フィルムに応用したものを例に取り説明する。
第2図は、本発明の抗菌作用性物質1を含有する樹脂
製フィルム5の断面図を示す。また、第3図は、別の形
態の樹脂製フィルム5の断面図を示す。
第2図に示す樹脂製フィルム5では、フィルム5を形
成する樹脂の全体の中に抗菌作用性物質1が含有されて
いる。そして、抗菌作用性物質1は、上記のように、微
粒子と、微粒子の表面に付着した脂肪酸と抗菌作用を有
する金属との脂肪酸塩とにより形成されており、好まし
くは、脂肪酸塩が、微粒子の全面に薄膜状に被覆されて
いるものであり、微粒子としては、シリカ微粒子が、脂
肪酸塩としてはステアリン酸銀が好適である。そして、
脂肪酸の有するアルキル基により含有される抗菌作用性
物質は、樹脂となじみやすいため、無機物をいれた場合
に比べ、樹脂材料の物性の低下が少ないという利点も有
している。そして、含有された抗菌作用性物質は、光に
対して安定であるため、使用時あるいは保存時に樹脂の
表面が、含有された抗菌作用性物質の原因による変色を
起こすことがない。樹脂製のフィルム5に用いられる樹
脂4としては、フィルム形成が可能なものであればどの
ようなものでもよく、例えば、ポリオレフィン樹脂(例
えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、
エチレン−プロピレンコポリマー)、塩化ビニル樹脂、
ポリアミド、ポリビニリデン(例えば、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリフッ化ビニリデン)が使用される。
そして、この抗菌性樹脂フィルム5は、その表面に露
出する抗菌作用性物質1により、表面が抗菌性を有する
ものとなっている。そして、樹脂中の抗菌作用物質1の
含有量としては、樹脂重量に対して、0.05%以上であれ
ば、十分な抗菌作用を有するものと考える。
また、第3図に示す樹脂性フィルム5は、3層構造を
有するラミネートフィルムであり、その表面層のみに抗
菌作用性物質1が含有されている。このような構造とす
ることにより、少量の抗菌作用性物質により十分な作用
を有するものとすることができる。この場合、抗菌作用
性物質を含有する表面層の樹脂中の抗菌作用物質1の含
有量としては、表面層の樹脂重量に対して0.005%以上
であれば、十分な抗菌作用を有するものと考える。
これら、樹脂製フィルム5は、食品などの種々の包装
材料に使用でき、含有されている抗菌作用性物質によ
り、長期間菌の付着、繁殖を防止でき、さらに光に対し
て安定なため、樹脂性フィルムが透明性を有する場合、
フィルム内部の収納物を容易に確認できる。
本発明の抗菌性樹脂成形物としては、上記のように種
々のものに応用できるとともに、抗菌性の付与は、抗菌
作用性物質を樹脂全体に混入させる方法、抗菌作用性物
質を含有した樹脂を樹脂成形物の表面に被覆する方法が
考えられる。
次に、本発明の抗菌作用性物質を含有する抗菌性繊維
について説明する。
この抗菌性繊維は、繊維を形成する材料中に、抗菌作
用性物質が含有されている。そして、抗菌作用性物質
は、上記のように、微粒子と、微粒子と表面に付着した
脂肪酸と抗菌作用を有する金属との脂肪酸塩とにより形
成されており、好ましくは、脂肪酸塩が、微粒子の全面
に薄膜状に被覆されているものであり、微粒子として
は、シリカ微粒子が、脂肪酸塩としてはステアリン酸銀
が好適である。そして、含有された抗菌作用性物質は、
光に対して安定であるため、使用時あるいは保存時に繊
維の表面が、含有された抗菌作用性物質の原因による変
色を起こすことがない。そして、脂肪酸の有するアルキ
ル基により含有される抗菌作用性物質は、繊維の材料が
有機物であれば、その材料となじみやすいため、無機物
を入れた場合に比べ、繊維材料の物性の低下が少ないと
いう利点も有している。抗菌性繊維は、種々のものに利
用でき、例えば、織布として、衣料品(例えば、靴
下)、シーツ、フィルター材料、不織布として、フィル
ター材料、包装材料などが考えられる。
また、繊維を形成するための材料としては、繊維を形
成できる材料であればいかなるものでも使用可能であ
り、例えば、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリプロピ
レン、ポリエチレン)、ポリアミド、ポリエステル、ア
クリロニトリル、再生セルロース(例えば、酢酸セルロ
ース、銅アンモニアセルロース)などの合成繊維、さら
には毛、麻、絹、木綿などの天然繊維などが使用され
る。
そして、抗菌性繊維は、例えば、繊維が熱可塑性樹脂
(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)を用いるも
のであれば、あらかじめ樹脂の中に抗菌作用性物質を含
有したペレットを作成し、その抗菌作用性物質を含有し
た樹脂を必要な形状をした口金装置より押し出すことに
より作成される。また、繊維が、セルロースのような再
生繊維の場合においては、紡糸原液中に抗菌作用性物質
を分散させたものを、必要な形状をした口金装置より押
し出し、凝固、再生させることにより作成できる。
また、作成された抗菌性合成繊維を用いてフィルタ
ー、通気性包装材料を形成する場合には、上記のような
抗菌作用物質を含有した熱可塑性合成繊維(例えば、ポ
リエチレン)を用いて不織布を作成することにより、通
気性、抗菌性かつ撥水性を有し、光りに対して安定なフ
ィルター材料、包装材料を形成することができる。
次に、本発明の抗菌作用性物質を表面に付着あるいは
内部に含有した抗菌性を有する紙について説明する。
使用される紙素材としては、洋紙、和紙のいずれでも
よく、抗菌性紙としては、例えば、雑種紙、薄葉紙(例
えば、ティシュペーパー、チリ紙、トイレットペーパ
ー、ナプキンまたはタオル紙、生理用紙)、包装用紙、
塗工紙(例えば、アート紙、コート紙)、非塗工紙、印
刷用紙、図面用紙などであり、板紙としては、段ボール
紙、白板紙、黄板紙、色板紙、チップボール、コルゲー
ト紙、紙幣原紙、台紙などがある。
そして、抗菌性紙は、例えば、紙の表面に付着あるい
は内部に抗菌作用性物質が含有されており、抗菌作用性
物質は、上記のように、微粒子と、微粒子の表面に付着
した脂肪酸と抗菌作用を有する金属との脂肪酸塩とによ
り形成されており、好ましくは、脂肪酸塩が、微粒子の
全面に薄膜状に被覆されているものであり、微粒子とし
ては、シリカ微粒子が、脂肪酸塩としてはステアリン酸
銀が好適である。そして、付着あるいは含有された抗菌
作用物質は、光に対して安定であるため、使用時あるい
は保存時に紙の表面が、含有された抗菌作用性物質の原
因による変色を起こすことがない。
紙の表面に抗菌作用性物質を付着させる方法として
は、紙の表面に対して付着性を有する物質中に抗菌作用
性物質を含有させ、この物質(液状)を紙の表面に塗布
することにより行うことができる。そのような方法とし
ては、例えば、水性系の場合として、粘着性を有するセ
ルロース系物質、例えば、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、オキシプロピルセルロース、オ
キシエチルセルロース、また、PVA(ポリビニルアルコ
ール)、PVP(ポリビニルピロリドン)、ビニルピロリ
ドン−酢酸ビニル共重合体などの水溶液中に抗菌作用性
物質を含有させたものを紙の表面に塗布し乾燥させるこ
とにより作成される。また、疎水性樹脂系の場合として
は、シリコーン樹脂系コーティング剤(例えば、ジメチ
ルシロキサン系コーティング剤、メチルハイドロジエン
ポリシロキサン系コーティング剤、メチルトリクロロシ
ロキサン系コーティング剤、シランカップリング剤)、
またフッ素樹脂系コーティング剤中に抗菌作用性物質を
含有させたものを紙の表面に塗布し乾燥させることによ
り作成される。
また、紙の内部に抗菌作用性物質を含有した抗菌性紙
の作成方法としては、製造用原液中に抗菌作用性物質を
含有させたものを用いて、紙を作成することにより行う
ことができる。
次に、本発明の抗菌作用性物質を含有した抗菌性塗料
について説明する。
使用される塗料としては、脂肪酸系塗料、エポキシ樹
脂系塗料、無溶剤エポキシ樹脂系塗料、ビニールエステ
ル系塗料、ポリウレタン樹脂系塗料、無溶剤ポリウレタ
ン樹脂系塗料、さらに、シリコーン樹脂系塗料、フッ素
樹脂系塗料などがある。
そして、抗菌性塗料は、塗料中に抗菌作用性物質が含
有されており、抗菌作用性物質は、上記のように、微粒
子と、微粒子の表面に付着した脂肪酸と抗菌作用を有す
る金属との脂肪酸塩とにより形成されており、好ましく
は、脂肪酸塩が、微粒子の全面に薄膜状に被覆されてい
るものであり、微粒子としては、シリカ微粒子が、脂肪
酸塩としてはステアリン酸銀が好適である。そして、付
着あるいは含有された抗菌作用性物質は、光に対して安
定であるため、塗料を必要箇所に塗布した後、塗布面
が、含有された抗菌作用性物質の原因による変色を起こ
すことがない。本発明の抗菌性塗料は、塗料材料中に抗
菌性作用物質を分散させることにより作成される。そし
て、抗菌性塗料は、学校、病院、事務所、食品工場、一
般住宅(例えば、台所、浴室)などの内外壁面、床など
広範囲に使用できる。
[実施例] 次に、本発明の抗菌作用性物質を以下の方法により作
成した。
脂肪酸として、ステアリン酸(日本油脂株式会社製)
を用いた。金属として、硝酸銀(和光純薬株式会社製)
を用いた。
そして、ビーカーに500ccの水に硝酸銀10gを溶解し
た、硝酸銀水溶液を作成した。別のビーカーに水を入
れ、沸騰状態に加熱し、そのビーカーの中に、上記の硝
酸銀水溶液を収納したビーカーを入れ、その硝酸銀水溶
液のビーカー内部を撹拌しながら、溶融黄体としたステ
アリン酸約21gを徐々に滴下し、ステアリン酸と銀とを
反応させ、約20gのステアリン酸銀を得た。
そして、微粒子として、シリカ微粒子(日本アエロジ
ル(社)製、商品名アエロジル200、平均粒径約12nm,見
掛比重50g/)を用いた。そして、ステアリン酸銀2.5g
とシリカ微粒子10gを、自動乳鉢を用いて、押圧しなが
ら撹拌(乳鉢内にて粉砕)し、シリカ微粒子の表面にス
テアリン酸銀が被覆された本発明の抗菌作用性物質約12
gを得た。
[実験] 上記実施例の抗菌作用性物質を用いて以下の実験を行
った。
(実験1)抗菌作用性試験 蒸留水100ccに、寒天培地(日水製薬(社)製、普通
寒天培地)3.5gを入れ、培地を作成した。そして、上記
培地25gに上記実施例により作成した抗菌作用性物質0.0
1gを混入させた抗菌性培地を作成した。
そして、2つのシャーレに、抗菌作用性物質を混入し
ていない培地を入れたものを作成し、その1つのシャー
レの培地の上に上記の抗菌作用性物質約0.01gを散布し
た。さらに、別のシャーレに上記の抗菌作用性物質を混
入した培地を入れたものを作成した。
そして、上記の3つのシャーレを開放状態にて約24時
間屋外に放置した。
上記3つのシャーレを加温庫にいれ、約40℃にて24時
間加温した。そして、各シャーレを顕微鏡を用いて1000
0倍の倍率で確認したところ、抗菌作用性物質を散布あ
るいは混入させた培地を収納したシャーレでは、菌の成
育は確認できなかった。また、抗菌作用性物質を混入お
よび散布しなかった培地を収納したシャーレでは顕著な
菌の成育が見られた。
(実験2)光学的安定性試験 シャーレに上記の抗菌作用性物質を入れ、風の影響を
与えないようにし、快晴の日に約10時間屋外に放置し
た。放置後においても、抗菌作用性物質の変色は見られ
なかった。
[発明の効果] 本発明の抗菌作用性物質は、ステアリン酸と抗菌作用
を有する金属とからなるステアリン酸塩が、微粒子の表
面に付着している抗菌作用性物質であるので、高い抗菌
性、殺菌性を有するとともに、光、特に紫外線に対して
安定で、変色がなく、よって、透明性を有する樹脂、発
泡体、塗料などの混入が可能である。
そして、本発明の抗菌性樹脂成形物、抗菌繊維合成繊
維、抗菌性を有する紙および抗菌性塗料は、上記の抗菌
作用性物質を含有するものであるので、含有された抗菌
作用性物質は、光に対して安定であるため、使用時ある
いは保存時に樹脂成形物、合成繊維および紙の表面、さ
らに塗料の塗布面が、含有された抗菌作用性物質の原因
による変色を起こすことがなく、かつ長期に渡り高い抗
菌機能を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の抗菌作用性物質の一実施例を示す拡
大断面図、第2図および第3図は、本発明の抗菌作用性
物質を含有した抗菌性樹脂成形物の一実施例を示す断面
図である。 1……抗菌作用性物質 2……微粒子、3……脂肪酸塩 4……合成樹脂、5……樹脂製フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // A61K 31/28 ADZ A61K 31/30 31/30 D21H 5/22 D

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステアリン酸と抗菌作用を有する金属とか
    らなるステアリン酸塩が、微粒子の表面に付着している
    ことを特徴とする抗菌作用性物質。
  2. 【請求項2】前記微粒子は、セラミックス微粒子である
    請求項1に記載の抗菌作用性物質。
  3. 【請求項3】前記脂肪酸塩は、前記微粒子の全面を被覆
    している請求項1または2に記載の抗菌作用性物質。
  4. 【請求項4】前記金属は、銀または銅である請求項1な
    いし3のいずれかに記載の抗菌作用性物質。
  5. 【請求項5】前記金属は、銀である請求項1ないし3の
    いずれかに記載の抗菌作用性物質。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載の抗菌
    作用性物質を含有する抗菌性樹脂成形物。
  7. 【請求項7】請求項1ないし5のいずれかに記載の抗菌
    作用性物質を含有する抗菌性繊維。
  8. 【請求項8】請求項1ないし5のいずれかに記載の抗菌
    作用性物質が紙の表面に付着あるいは紙の内部に含有さ
    れている抗菌性を有する紙。
  9. 【請求項9】請求項1ないし5のいずれかに記載の抗菌
    作用性物質を含有する抗菌性塗料。
JP63075567A 1988-03-29 1988-03-29 抗菌作用性物質、それを含有する抗菌性樹脂成形物、抗菌性合成繊維、抗菌性を有する紙および抗菌性塗料 Expired - Fee Related JP2750393B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63075567A JP2750393B2 (ja) 1988-03-29 1988-03-29 抗菌作用性物質、それを含有する抗菌性樹脂成形物、抗菌性合成繊維、抗菌性を有する紙および抗菌性塗料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63075567A JP2750393B2 (ja) 1988-03-29 1988-03-29 抗菌作用性物質、それを含有する抗菌性樹脂成形物、抗菌性合成繊維、抗菌性を有する紙および抗菌性塗料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01249702A JPH01249702A (ja) 1989-10-05
JP2750393B2 true JP2750393B2 (ja) 1998-05-13

Family

ID=13579885

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63075567A Expired - Fee Related JP2750393B2 (ja) 1988-03-29 1988-03-29 抗菌作用性物質、それを含有する抗菌性樹脂成形物、抗菌性合成繊維、抗菌性を有する紙および抗菌性塗料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2750393B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2838331B2 (ja) * 1991-05-13 1998-12-16 グンゼ 株式会社 抗菌性を有する靴下用原糸
JPH0816284B2 (ja) * 1991-07-23 1996-02-21 富士紡績株式会社 改質ポリウレタン弾性繊維
JPH08113898A (ja) * 1994-10-11 1996-05-07 Dainippon Printing Co Ltd 抗菌性壁装材
JP3016155U (ja) * 1995-03-23 1995-09-26 株式会社ヤマトプロセシング 喫煙用具
TW327645B (en) * 1995-06-23 1998-03-01 Inemura Insatsu Kk Method for antimicrobially treating printed matter
JP4787406B2 (ja) * 1999-12-28 2011-10-05 株式会社エルブ 機能性成形物および機能性複合成形物
US20150030862A1 (en) * 2013-07-26 2015-01-29 United State Gypsum Company Mold-resistant paper and gypsum panel, antimicrobial paper coating and related methods

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54131016A (en) * 1978-03-31 1979-10-11 Nippon Ion Kk Impregnated cloth or paper
JPH0688884B2 (ja) * 1986-07-14 1994-11-09 日本ペイント株式会社 金属化合物担持防汚塗料用粒子の製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01249702A (ja) 1989-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CZ290746B6 (cs) Ploąně tvarovaný absorpční prostředek pro vodu a vodné kapaliny, způsob jeho výroby a jeho pouľití
JP4658813B2 (ja) 抗菌性繊維、織布または編布、不織布、壁紙、および、断熱材
US20050154361A1 (en) Antimicrobial solid surface materials containing chitosan-metal complexes
US20050129766A1 (en) Antimicrobial composition
JP2750393B2 (ja) 抗菌作用性物質、それを含有する抗菌性樹脂成形物、抗菌性合成繊維、抗菌性を有する紙および抗菌性塗料
JP2005533903A (ja) 架橋可能なバインダー組成物で固定された粒子を含む流体貯留材料
WO2018021106A1 (ja) 無機/有機ハイブリッド化合物からなる抗微生物、抗ウイルス、および/または防藻材料およびその製造方法
KR20180029581A (ko) 산화아연을 주성분으로 하는 항균 조성물 및 이를 적용한 기능성 필름
KR20040069181A (ko) 키토산-금속 착물을 함유하는 항균성 고체 표면재
WO2018016646A1 (ja) 不織布シート
JPH0692350B2 (ja) 抗菌作用性物質、それを含有する抗菌性樹脂成形物、抗菌性合成繊維、抗菌性を有する紙、抗菌性塗料および合成樹脂製抗菌性水槽
WO2018025676A1 (ja) 不織布シート
JP2002179515A (ja) 抗菌剤、その製造方法、樹脂組成物、及び成形品並びに塗料
JPH01258792A (ja) 塗布用抗菌剤、抗菌材および抗菌性水槽
JP2003160693A (ja) 有機無機複合組成物、樹脂組成物、および成形物
JP3138088B2 (ja) 抗菌性フロック加工品
JP4538943B2 (ja) 組成物、および樹脂組成物
WO1995017819A1 (fr) Preparation d'isothiocyanate d'allyle a liberation controlee, son procede de fabrication et son utilisation
JPS63156540A (ja) 抗菌性を有する吸水シ−ト
WO2000051477A1 (en) Placemat having antimicrobial agent
JPH0284957A (ja) 吸水性材料
JP3476896B2 (ja) 抗菌性樹脂成形品およびその製造法
JPH0647716Y2 (ja) 抗菌性吸水シート
CN219059602U (zh) 一种长效抗菌抗病毒包装纸
KR102231127B1 (ko) 항균 및 항바이러스 마스크팩

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees