JP2851942B2 - 環状オレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

環状オレフィン系樹脂組成物

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JP2851942B2
JP2851942B2 JP2501809A JP50180990A JP2851942B2 JP 2851942 B2 JP2851942 B2 JP 2851942B2 JP 2501809 A JP2501809 A JP 2501809A JP 50180990 A JP50180990 A JP 50180990A JP 2851942 B2 JP2851942 B2 JP 2851942B2
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圭司 河本
徹志 笠井
英紀 酒井
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Mitsui Chemicals Inc
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    • GPHYSICS
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Description

【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、誘電特性、
剛性、寸法安定性、耐衝撃性に優れるとともに耐熱老化
性、耐候性に優れたポリオレフィン系樹脂組成物に関す
る。さらに本発明は上記のような特性を有するととも
に、透明性に優れた樹脂成形体、例えば光学用部材を製
造するのに適した環状オレフィン系の樹脂組成物に関す
る。
[背景技術] 汎用樹脂として広く利用されているポリオレフィン系
樹脂は、耐熱性、耐溶剤性および誘電特性に優れてい
る。このような優れた特性を有するポリオレフィン樹脂
に関して、さらに耐熱性、剛性、寸法安定性および耐衝
撃性等の特性を改良した樹脂として本出願人は、新規な
脂環構造を有する樹脂としてエチレンと嵩高な環状オレ
フィンとから形成される環状オレフィンランダム共重合
体について提案している(例えば特開昭60−168708号、
同61−120816号公報参照)。さらに、この環状オレフィ
ンランダム共重合体の耐衝撃性を改良する方法として、
環状オレフィンランダム共重合体に特定の重合体をブレ
ンドする方法について提案している(例えば特開平1−
163236号、同1−163241号公報参照)。
このような樹脂組成物は、通常の使用態様においては
優れた特性を有しているが、組成物の主成分が脂環構造
を有するオレフィン系樹脂であるため、過酷な条件下に
おいては、脂環構造部分、すなわち環状オレフィンから
誘導される繰り返し単位部分が酸化され易い。このた
め、このような樹脂組成物を、例えば高温下に長時間放
置すると、環状オレフィンランダム共重合体のような脂
環構造を有するオレフィン系樹脂が本質的に有している
優れた特性が除々に低下するという問題があった。ま
た、紫外線などの短波長の光で劣化しやすく、長期間屋
外で太陽光に晒されると物性が低下するという問題があ
った。
また、従来から使用されていたガラスに代わり、合成
樹脂を用いて光学レンズ、光ディスク用基板および光フ
ァイバーなどの光学用部材を製造することが多くなって
きている。
このような合成樹脂を用いて製造される光学用部材に
おいては、透明性、剛性および衝撃強度などの特性が高
いレベルにあることが望ましい。
このような特性を有する光学用部材を製造するための
樹脂としては、従来からポリメタクリレート、ポリカー
ボネートおよびポリ−4−メチルペンテン−1などの透
明樹脂が使用されているが、本発明者は、脂環構造を有
するオレフィン樹脂、たとえばエチレンのような鎖状オ
レフィンと環状オレフィンとのランダム共重合体を含む
熱可塑性樹脂が、光学的な用途に使用する合成樹脂とし
て基本的に適していることを見出した。たとえばプラス
チックレンズあるいは光ディスク基板などの光学用部材
は、上記のような鎖状オレフィンと環状オレフィンとの
ランダム共重合体を射出成形法を利用して成形すること
により製造することができ、また、たとえば光ファイバ
ーなどは、上記のランダム共重合体を押出し成形法を利
用して成形することにより製造することができる。この
ようにして製造された光学用部材は、基本的に優れた透
明性を有すると共に、剛性および衝撃強度などの特性も
優れている。
ところで、一般に、上記のような成形法を利用して特
定形状の成形体を製造する場合、成形性を向上させるた
めには樹脂の粘度が低いことが望ましく、通常は樹脂温
度を高くして樹脂の粘度を低下させる方法が採られてい
る。また、射出成形により厚さの薄い成形体を製造する
際には、射出成形機内における樹脂の滞留時間が長くな
るので、樹脂の加熱時間が長くなる。さらに、金型内で
肉厚の薄い部分を樹脂が高速で通過する際には、樹脂に
機械的な剪断応力がかかり、かつ局部的に発熱すること
がある。
他方、押出し成形法を利用してフィラメントを製造す
る場合には、生産性を考慮すると高速で紡糸することが
望ましい。そして高速で紡糸するためには、樹脂温度を
高くして樹脂粘度を低くすることが必要である。さら
に、上記のようにして高速で紡糸する場合には、樹脂に
機械的な剪断力がかかることがある。
上記のような外部からの加熱あるいは機械的な剪断力
などによる内部発熱などにより、樹脂は、成形時に長時
間高温条件下に晒されることになり、このような条件下
における成形の際に樹脂が熱分解あるいは熱劣化をうけ
て、得られる成形体が着色し、透明性が低下する。
一般に、成形時における樹脂の熱分解あるいは熱劣化
を防止する方法としては、樹脂中に耐熱安定剤を配合す
る方法が採られている。この方法は、一般に使用されて
いる樹脂成形体の製造には有効な方法であり、この方法
を採用することにより、成形時における樹脂の熱分解あ
るいは熱劣化を防止することができるので、一般的な樹
脂成形体には差し支えない程度に成形体の着色あるいは
透明性の低下などを防止することができる。
ところが、光学用部材のように非常に高い透明性が要
求される分野においては、成形体の透明性が非常に重要
な要素になるため、従来から利用されている上記のよう
な一般的な樹脂に対する熱分解防止方法あるいは熱劣化
防止方法をそのまま採用したとしても、加熱の際にわず
かに生じた樹脂の焼けこげなどが混入して成形体が着色
し、さらには安定剤自体が酸化着色物となり、成形体が
着色し、光学用部材の透明性が低下する。また、成形時
の樹脂の熱分解あるいは熱劣化によって微細なボイドな
どが発生することがあり、良好な特性を有する光学用部
材を製造することはできない。
殊に、鎖状オレフィンと環状オレフィンとのランダム
共重合体は、分子内に脂環構造部分を有するため、この
部分の熱分解などによって共役二重結合が形成されやす
く、通常のポリオレフィンと比較すると非常に着色しや
すいことが判明した。さらに、このような共役二重結合
が形成されると、短波長の光線の透過率が低下し、その
影響が可視領域にも及んで光学用部材の用途も限定され
るとの問題点がある。
本発明者は、このような光学用部材などのように透明
性を必要とする樹脂成形体における熱分解あるいは熱劣
化を防止するための添加剤について、種々の提案を行な
っている。
たとえば、透明熱可塑性樹脂に、β−(3,5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル基
を有するフェノール系酸化物を2種以上配合した光学用
透明基板(特開昭63−14101号公報参照)、 透明熱可塑性樹脂に、エステル部を構成するアルキル
基の炭素数が10以下であるβ−(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエ
ステルを配合した光学用透明基板(特開昭63−15201号
公報参照)、 透明熱可塑性樹脂に、シクロアルキル基を有するフェ
ノール系酸化防止剤を配合した光学用透明基板(特開昭
63−23101号公報参照)、 熱可塑性樹脂に、フェノール系酸化防止剤および3価
以上の多価アルコールのアルコール性水酸基の一部がエ
ステル化された多価アルコール脂肪酸エステルを配合し
た基板を有する光ディスク(特願昭62−110630号明細書
参照)がある。
このようなフェノール系酸化防止剤は、ポリオレフィ
ンあるいは鎖状オレフィンと環状オレフィンとのランダ
ム重合体などに対して優れた酸化防止効果を有するた
め、このような酸化防止剤を配合した熱可塑性樹脂を用
いて成形された光ディスク基板は、良好な透明性を有す
る。
また、特開昭62−173226号公報には、透明熱可塑性樹
脂に、ビス−(ジアルキルフェノル)ペンタエリスリト
ールジホスファイトエステルを配合して射出成形した透
明基板の射出成形方法が開示されている。
しかしながら、光学レンズおよび光ファイバーなどの
光学用部材は、上記光ディスク基板などよりもさらに高
い透明性を必要とするため、上記の公報あるいは明細書
などに記載されているフェノール系酸化防止剤を用いた
酸化防止技術を利用したとしても、透明性の高い光学レ
ンズおよび光ファイバーなどの光学用部材を得ることが
できないことが判明した。
このような脂環構造を有するオレフィン系重合体、た
とえば鎖状オレフィンと環状オレフィンとのランダム共
重合体に、従来から用いられている安定剤を配合したと
しても、光学レンズおよび光ファイバーのような非常に
高い透明性を必要とする光学用部材を製造することは困
難であった。
また、上記のような脂環構造を有するオレフィン系重
合体、たとえば鎖状オレフィンと環状オレフィンとのラ
ンダム共重合体を製造する際にチーグラー触媒のような
塩素原子を含む触媒を使用すると、得られる共重合体中
に塩素原子を含む触媒が残存することがあり、このよう
な触媒成分が成形時に分解して塩素ガスが発生し、この
塩素ガスによって成形装置内が腐蝕することがある。こ
のようにして発生した成形装置内の腐蝕物、すなわち錆
の混入によっても光学用部材が着色し、透明性が低下す
るとの問題点がある。
本発明は上記従来技術に伴う問題点を解消しようとす
るものであって、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、誘電特
性、剛性、寸法安定性および耐衝撃性等の特性に優れる
と共に、耐熱老化性、耐候性にも優れた樹脂組成物を提
供することを目的としている。
また、本発明は、例えば光学用部材のように透明度が
必要な樹脂成形体を成形する際に着色することがなく、
フィッシュ・アイや小さなかたまり、泡などの発生がな
く、優れた透明性を有する樹脂成形体を製造することが
できる樹脂組成物を提供することを目的としている。
さらに本発明は、チーグラー触媒のような塩素原子を
含む触媒を使用して得られた熱可塑性樹脂を使用した場
合であっても、着色およびフィッシュ・アイや小さなか
たまり、泡などの発生がなく、透明性が低下することが
ない樹脂成形体を製造することができる樹脂組成物を提
供することを目的としている。
また、光学用途以外の工業的用途においても、耐熱老
化性、耐候性に優れた樹脂組成物を提供することを目的
としている。
[発明の開示] 本発明に係る第1の環状オレフィン系樹脂組成物は、 次式[I]、[II]または[II−a]のいずれかの式
で表される化合物から誘導される繰り返し単位を有する
オレフィン系重合体を50重量%以上含む熱可塑性樹脂
と、 該熱可塑性樹脂100重量部に対して、 次式[A]で表わされる化合物:0.01〜5重量部とか
らなることを特徴としている。
ただし、上記式[I]において、nは0もしくは正の
整数であって、R1〜R12は、それぞれ独立に水素原子、
ハロゲン原子または炭化水素基を表す。さらに、R9〜R
12は、互いに結合して単環または多環の基を形成してい
てもよく、この環が架橋構造を有していてもよい。さら
にこの単環または多環の基が二重結合を有していてもよ
く、これらの環が組み合わされた基であってもよい。
ただし、上記式[II]において、nは0または1であ
り、mは0または正の整数であり、R1〜R18は、それぞ
れ独立に水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基より
なる群から選ばれる原子もしくは基を表し、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環の基を形
成していてもよく、かつ該単環または多環の基二重結合
を有していてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい。
ただし、上記式[II−a]において、pは、0または
1以上の整数であり、qおよびrは、0、1または2で
あり、R1〜R15は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン
原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびアル
コシキ基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表
し、R5とR9またはR6とR7とは、炭素原子数1〜3のアル
キル基を介して結合していてもよく、また何の基も会さ
ずに直接結合していてもよい。
ただし、上記式[A]において、R1およびR2は、それ
ぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を表わす。
本発明に係る第2の環状オレフィン系樹脂組成物は、 上記式[I]、[II]または[II−a]のいずれかの
式で表される化合物から誘導される繰り返し単位を有す
るオレフィン系樹脂を50重量%以上含む熱可塑性樹脂
と、 該熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部
の、上記式[A]で表される化合物および 該熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜1重量部
の、高級脂肪酸金属塩と からなることを特徴としている。
本発明の環状オレフィン系樹脂組成物は、上記のよう
な安定剤を含むため、成形時に樹脂が焼けこげることが
少なく、さらにオレフィン系重合体の分子中にある脂環
構造部分の酸化により共役二重結合が形成されることが
少ない。また、長期間屋外で太陽光で晒されても物性の
低下が少ない。従って、本発明の樹脂組成物を用いて、
例えば光学用部材のような高い透明性が要求される成形
体を製造すると、得られる成形体の着色が少ないと共
に、脂環構造を有するオレフィン系重合体を含む熱可塑
性樹脂組成物が本質的に有している透明性が成形時に損
なわれることがない。
また、チーグラー触媒のように塩素原子を含む触媒を
用いて調製された樹脂を含む、熱可塑性樹脂を使用する
場合であっても、成形機内に錆が発生することがなく、
したがって、本発明の樹脂組成物を用いることにより、
錆の混入による光学用部材の着色および透明性の低下な
どを防止することができる。
[発明を実施するための最良の形態] 以下本発明に係る環状オレフィン系樹脂組成物につい
て具体的に説明する。
まず、本発明に係る第1の環状オレフィン系樹脂組成
物について説明する。
本発明に係る第1の環状オレフィン系樹脂組成物は、 上記式[I]、[II]または[II−a]のいずれかの
式で表される化合物から誘導される繰り返し単位を有す
るオレフィン系樹脂(脂環構造を有するオレフィン系重
合体)を50重量%以上含む熱可塑性樹脂と、 該熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部
の、上記式[A]で表される化合物と から形成されている。
脂環構造を有するオレフィン系重合体は、たとえば、
触媒の存在下に、液相中でオレフィンと、下記式[I]
で表される環状オレフィンを共重合させることにより得
ることができる。
ただし、上記式[I]において、nは0もしくは正の
整数であり、R1〜R12は、それぞれ独立に水素原子、ハ
ロゲン原子または炭化水素基を表わす。さらに、R9〜R
12は、互いに結合して単環または多環の基を形成してい
てもよく、この環が架橋構造を有していてもよい。さら
にこの単環または多環の基が二重結合を有していてもよ
い。また、これらの環が組み合わされた基であってもよ
い。
すなわち、上記R9〜R12が共同して、例えば以下に記
載するような多環あるいは単環の基を形成していてもよ
い。
なお、上記式において、1および2を付した炭素原子
は、式[I]において、R9〜R12で表される基が結合し
ている脂環構造の炭素原子を表す。さらに、これらの基
はメチル基等の置換基を有していてもよい。
さらに、R9とR11とで、あるいはR10とR12とで、アル
キリデン基を形成していてもよい。さらに、R9〜R12
エステル基などが入ってもかまわない。
このような環状オレフィンの内、好ましい例として
は、たとえば次式[II]で示される環状オレフィンを挙
げることができる。
ただし、上記式[II]において、nは0または1であ
り、mは0または正の整数であり、 R1〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子もしく
は基を表し、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環の基を形
成していてもよく、かつ該単環または多環の基が二重結
合を有していてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい。
また、本発明において、脂環構造を有するオレフィン
系重合体を調製する際の原料として使用される環状オレ
フィンは、次式[II−a]で表される化合物をも包含す
る。
ただし、上記式[II−a]において、pは、0または
1以上の整数であり、qおよびrは、0、1または2で
あり、R1〜R15は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲ
ン原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびア
ルコキシ基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表
し、R5(またはR6)とR9(またはR7)とは、炭素原子数
1〜3のアルキル基を介して結合していてもよく、また
何の基も介さずに直接結合していてもよい。
また、脂環構造を有するオレフィン系重合体は、例え
ば式[I]、あるいは好ましくは式[II]、または式
[II−a]で表される環状オレフィンを単独あるいは共
存下に下記式で示すように開環重合させることにより得
られる開環重合体あるいは開環共重合体であってもよ
い。さらに、本発明においては、上記のような開環重合
体あるいは開環共重合体中に存在する二重結合の少なく
とも一部を水素化することによって得られる水添物をも
使用することができる。
上記式[I]、あるいは式[II]または[II−a]で
表わされる環状オレフィンは、シクロペンタジエン類と
対応するオレフィン類、あるいは環状オレフィン類とを
ディールス・アルダー反応により縮合させることにより
容易に製造することができる。
本発明において使用される上記式[I]、好ましくは
式[II]あるいは[II−a]で表わされる環状オレフィ
ンとしては、具体的には、 ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン誘導体、 テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]−3−ドデセン誘
導体、 ヘキサシクロ[6,6,1,13.6,110.13,02.7,09.14]−4
−ヘプタデンセン誘導体、 オクタシクロ[8,8,0,12.9,14.7,111.18,113.16,
03.8,012.17]−5−ドコセン誘導体、 ペンタシクロ[6,6,1,13.6,02.7,09.14]−4−ヘキ
サデセン誘導体、 ヘプタシクロ−5−イコセン誘導体、 ヘプタシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体、 トリシクロ[4,3,0,12.5]−3−デセン誘導体、 トリシクロ[4,3,0,12.5]−3−ウンデセン誘導体、 ペンタシクロ[6,5,1,13.6,02.7,09.13]−4−ペン
タデセン誘導体、 ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、 ペンタシクロ[4,7,0,12.5,08.13,19.12]−3−ペン
タデセン誘導体、 ペンタシクロ[7,8,0,13.6,02.7,110.17,011.16,1
12.15]−4−エイコセン誘導体、 および ノナシクロ[9,10,1,1,4,7,03.8,02.10,012.21,1
13.20,014.19,115.18]−5−ペンタコセン誘導体等を
挙げることができる。
以下にこのような化合物の具体的な例を示す。
そしてさらには、 を挙げることができる。
本発明において、上記の式[I]、[II]、[II−
a]で表わされる環状オレフィン化合物と共重合して脂
環構造を有する共重合体を構成する単量体は、オレフィ
ン化合物であり、本発明においては、オレフィン化合物
としては、通常はエチレンを用いる。但し、本発明で用
いられる脂環構造を有する共重合体においては、オレフ
ィン化合物としてエチレンの他に、他のオレフィン化合
物を共重合させることもできる。本発明において、エチ
レンおよび上記の式[I]、[II]、[II−a]で表わ
される環状オレフィン化合物と共重合させることができ
る他のオレフィン化合物の例としては、プロピレン、1
−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、
1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラ
デセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン及び1−
エイコセンなどの炭素原子数が3〜20のα−オレフィ
ン; シクロペンテン、シクロヘキセン、3−メチルシクロ
ヘキセン、シクロオクテンおよび3a,5,6,7a−テトラヒ
ドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフ
ィン; 1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエ
ン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエ
ン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノル
ボルネンおよび5−ビニル−2−ノルボルネンなどの非
共役ジエン類; ノルボルネン−2、5−メチルノルボルネン−2、5
−エチルノルボルネン−2、5−イソプロピルノルボル
ネン−2、5−n−ブチルノルボルネン−2、5−i−
ブチルノルボルネン−2、5,6−ジメチルノルボルネン
−2、5−クロロノルボルネン−2、2−フルオロノル
ボルネン−2および5,6−ジクロロノルボルネン−2な
どのノルボルネン類などを挙げることができる。
これらの他のオレフィンは、単独で、あるいは組合わ
せて使用することができる。
上記のエチレンなどのオレフィンと式[I]、あるい
は好ましくは式[II]または[II−a]で表わされる環
状オレフィンとの反応は、通常は、炭化水素溶媒中で行
なわれる。
本発明において用いられる炭化水素溶媒としては、た
とえばヘキサン、ヘプタン、オクタンおよび灯油などの
脂肪族炭化水素; シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサンなどの脂
環族炭化水素; ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化
水素などを挙げることができる。さらに脂環構造を有す
るオレフィン系重合体の調製の際に使用した重合性不飽
和単量体のうちで反応温度において液体である化合物を
反応溶媒として用いることもできる。
これらの溶媒は単独で、あるいは組合わせて使用する
ことができる。
上記のオレフィンと式[I]、あるいは好ましくは式
[II]または[II−a]で表わされる環状オレフィンと
の反応の際に用いられる触媒としては、反応溶媒として
用いられる炭化水素溶媒に可溶性のバナジウム化合物お
よび有機アルミニウム化合物からなる触媒が用いられ
る。
本発明において、触媒として用いられるバナジウム化
合物としては、 式 VO(OR)aXb若しくは 式 V(OR))Xdで表わされる化合物を挙げること
ができる。
ただし、上記の式において、Rは炭化水素基であり、
Xはハロゲン原子であり、0≦a≦3、0≦b≦3、2
≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦
4の関係を有する。
さらに本発明において、上記式で表わされるバナジウ
ム化合物は、電子供与体付加物であってもよい。
これらのバナジウム化合物の具体的な例としては、 VOCl3、 VO(OC2H5)Cl2、 VO(OC2H52Cl、 VO(O−iso−C3H7)Cl2、 VO(O−n−C4H9)Cl2、 VO(OC2H5、 VOBr2、 VCl4、 VOCl2、 VO(O−n−C4H93Cl、 VCl3・2O(C8H17)OH などのバナジウム化合物を挙げることができる。これ
らのバナジウム化合物は単独で、あるいは組合わせて使
用することができる。
また、バナジウム化合物と付加物を形成する電子供与
体の例としては、アルコール、フェノール類、ケトン、
アルデヒド、カルボン酸、有機酸または無機酸のエステ
ル、エーテル、酸アミド、酸無水物およびアルコキシシ
ランなどの含酸素電子供与体; アンモニア、アミン、ニトリルおよびイソシアネート
などの含窒素電子供与体を挙げることができる。
このような電子供与体として用いることができる化合
物の具体的な例としては、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノー
ル、ドデカノール、オクタデシルアルコール、オレイル
アルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアル
コール、イソプロピルアルコール、クミルアルコールお
よびイソプロピルベンジルアルコールなどの炭素数1〜
18のアルコール類; フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェ
ノール、プロピルフェノール、ノニルフェノール、クミ
ルフェノールおよびナフトールなどの炭素数6〜20のフ
ェノール類(これらのフェノール類は、低級アルキル基
を有してよい); アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、アセトフェノン、ベンゾフェノンおよびベンゾキ
ノンなどの炭素数3〜15のケトン類; アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチル
アルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒドおよび
ナフトアルデヒドなどの炭素数2〜15のアルデヒド類; ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、
酢酸プロピル、酢酸オクタル、酢酸シクロヘキシル、プ
ロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、クロル
酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、(メタ)アクリル酸
メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカルボン酸
エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プ
ロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸
シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジ
ル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸
アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、マレ
イン酸n−ブチル、メチルマロン酸ジイソブチル、シク
ロヘキセンカルボン酸ジn−ヘキシル、ナジック酸ジエ
チル、テトラヒドロフタル酸ジイソプロピル、フタル酸
ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジn−ブチ
ル、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、γ−ブチロラクト
ン、δ−バレロラクトン、クマリン、フタリド及び炭酸
エチレンなどの炭素数2〜30の有機酸エステル類; アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸
クロリドおよびアニス酸クロリドなどの炭素数2〜15の
酸ハライド類; メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエー
テル、ブチルエーテル、アミルエーテル、テトラヒドロ
フランおよびアニソールおよびジフェニルエーテルなど
の炭素数2〜20のエーテル類; 酢酸アミド、安息香酸アミドおよびトルイル酸アミド
などの酸アミド類; メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリ
ブチルアミン、ピペリジン、トリベンジルアミン、アニ
リン、ピリジン、ピコリンおよびテトラメチレンジアミ
ンなどのアミン類; アセトニトリル、ベンゾニトリルおよびトルニトリル
などのニトリル類; ケイ酸エチルおよびジフェニルジメトキシシランなど
のアルコキシシラン類などを挙げることができる。これ
らの電子供与体は、単独であるいは組合わせて使用する
ことができる。
本発明で使用される有機アルミニウム化合物は、分子
内に少なくとも1個のAl−炭素結合を有する化合物であ
る。
本発明で使用することができる有機アルミニウム化合
物の例としては、 (i)式R1 mAl(OR2nHpXq (ここでR1およびR2は炭素原子数、通常1〜15個、好
ましくは1〜4個を含む炭化水素基で互いに同一でも異
なっていてもよい。Xはハロゲン、mは0≦m≦3、n
は0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数で
あって、しかもm+n+p+q=3である)で表わされ
る有機アルミニウム化合物、 および (ii)式M1AlR1 4 (ここでM1はLi、Na、Kであり、R1は前記と同じ意味
である)で表わされる第1族金属とアルミニウムとの錯
アルキル化物、 などを挙げることができる。
前記の式(i)で表わされる有機アルミニウム化合物
としては、具体的には以下に記載する化合物を挙げるこ
とができる。
式 R1 mAl(OR23-mで表わされる化合物(ここでR1
及びR2は前記と同じ意味であり、mは好ましくは1.5≦
m<3の数である)。
式 R1 mAlX3-mで表わされる化合物(ここでR1は前記
と同じ意味であり、Xはハロゲン、mは好ましくは0<
m<3である)。
式 R1 mAlH3-mで表わされる化合物(ここでR1は前記
と同じ意味であり、mは好ましくは2≦m<3であ
る)。
式 R1 mAl(OR2nXqで表わされる化合物(ここでR1
およびR2は前記と同じ。Xはハロゲン、0<m≦3、0
≦n<3、0≦q<3で、m+n+q=3である)。
上記式(i)で表わされる有機アルミニウム化合物の
具体的な例としては、トリエチルアミニウム、トリブチ
ルアルミニウムおよびトリイソプロピルアルミニウムな
どのトリアルキルアルミニウム類、 ジエチルアルミニウムエトキシドおよびジブチルアル
ミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアル
コキシド類、 エチルアルミニウムセスキエトキシドおよびブチルア
ルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウ
ムセスキアルコキシド類、 式R1 2.5Al(OR20.5などで表わされる平均組成を有
する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム
類、 ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウ
ムクロリドおよびジエチルアルミニウムブロミドなどの
ジアルキルアルミニウムハライド類、エチルアルミニウ
ムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド
およびエチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキ
ルアルミニウムセスキハライド類、 エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウ
ムジクロリドおよびブチルアルミニウムジブロミドなど
のアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロ
ゲン化されたアルキルアルミニウム類、 ジエチルアルミニウムヒドリドおよびジブチルアルミ
ニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド
類、 エチルアルミニウムジヒドリドおよびプロピルアルミ
ニウムジヒドリドなどのようにアルキルアルミニウムジ
ヒドリドなどが部分的に水素化されたアルキルアルミニ
ウム類、 エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミ
ニウムブトキシクロリドおよびエチルアルミニウムエト
キシブロミドなどのように部分的にアルコキシ化および
ハロゲン化されたアルキルアルミニウム類を挙げること
ができる。
また、有機アルミニウム化合物は、たとえば酸素原子
あるいは窒素原子を介して、2以上のアルミニウム原子
が結合した有機アルミニウム化合物のように式(i)で
表わされる化合物に類似する化合物であってもよい。こ
のような化合物の具体的な例としては、 (C2H52AlOAl(C2H5、 (C4H92AlOAl(C4H9、 および などを挙げることができる。
また、前記の式(ii)で表わされる有機アルミニウム
化合物の例としては、 LiAl(C2H5および LiAl(C7H15などを挙げることができる。これらの
中では、特にジアルキルアルミニウムハライド、アルキ
ルアルミニウムジハライドまたはこれらの混合物を用い
るのが好ましい。
上記のバナジウム化合物および有機アルミニウム化合
物の反応系における使用量のうちで、バナジウム化合物
の使用量は、反応系におけるバナジウム化合物濃度が、
バナジウム原子として、通常は、0.01〜5グラム原子/
、好ましくは、0.05〜3グラム原子/の範囲内にな
るように設定される。また、有機アルミニウム化合物の
使用量は、重合反応系内のバナジウム原子に対するアル
ミニウム原子の比(Al/V)が、2以上、好ましくは2〜
50、特に好ましくは3〜20の範囲内になるように設定さ
れる。
上記のような触媒を用いて得られる脂環構造を有する
オレフィン系重合体は、通常、エチレンから誘導される
繰返し単位を、99〜1モル%、好ましくは98〜2モル%
の範囲内で含み、環状オレフィンから誘導される繰返し
単位を1〜99%、好ましくは2〜98モル%の範囲内で含
んでいる。また、エチレンなどのオレフィンから誘導さ
れる繰返し単位と環状オレフィンから誘導される繰返し
単位とは、実質的に線状に配列している。
すなわち、上記のようにして得られた脂環構造を有す
るオレフィン系重合体は、脂環構造を構成する繰返し単
位が次式[III]あるいは次式[IV]で表わされる構造
を有している。
たたし、上記式[III]において、R1〜R12は、式
[I]におけるR1〜R12と同じ意味である。
ただし、上記式[IV]において、R1〜R18は、式
[I]におけるR1〜R18と同じ意味である。
こうして得られた脂環構造を有するオレフィン系重合
体は、通常、135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]が、0.005〜20dl/gの範囲内にあり、また、サー
マル・メカニカル・アナライザーで測定した軟化温度
(TMA)が、通常、20〜220℃の範囲内にあり、さらに、
ガラス転移温度(Tg)は、通常10〜210℃の範囲内にあ
り、X線回析法によって測定した結晶化度は、通常5%
以下である。
特に本発明においては、上記極限粘度[η]が0.3〜2
0dl/g範囲内にあり、軟化温度(TMA)が、30〜210℃の
範囲内にあり、さらにガラス転移温度(Tg)が、20〜20
0℃の範囲内にあり、結晶化度がほとんど0%である脂
環構造を有するオレフィン系重合体を用いることによ
り、特に透明性の優れた成形体、例えば光学用部材を製
造することができる。
上記のような極限粘度、軟化温度(TMA)、ガラス転
移温度(Tg)および結晶化度は、たとえば重合条件を変
えることにより容易に制御することができる。
本発明において、上記のような脂環構造を有するオレ
フィン系重合体は、本発明の樹脂組成物を形成する熱可
塑性樹脂中に50重量%以上、好ましくは60重量%以上、
特に好ましくは70重量%以上含まれている。
本発明の樹脂組成物において、熱可塑性樹脂を構成す
る樹脂としては、特に高いレベルの透明性を必要とする
場合には、上記のような脂環構造を有するオレフィン系
重合体を単独で使用することが好ましい。また、強度を
賦与するためには、上記の環状オレフィン系重合体に軟
質重合体を配合することができる。
本発明において使用される軟質重合体としては、 (i)環状オレフィンから誘導された繰り返し単位を有
する軟質重合体、 (ii)α−オレフィン系共重合体、 (iii)α−オレフィン・ジエン系共重合体、 (iv)芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン系軟質共重
合体、 および (v)イソブチレンまたはイソブチレン・共役ジエンか
らなる軟質重合体または共重合体を挙げることができ
る。
以下これらの軟質重合体について説明する。
環状オレフィンから誘導された繰返し単位を有する軟質
重合体(i) 環状オレフィンから誘導された繰り返し単位を有する
軟質重合体は、エチレンと、前記環状オレフィンと、α
−オレフィンとから形成される共重合体である。ここで
α−オレフィンとしては、たとえば、プロピレン、1−
ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1
−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデ
セン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンおよび1−
エイコセンなどの炭素数3〜20のα−オレフィンを挙げ
ることができる。これらの中では、炭素原子数3〜20の
α−オレフィンが好ましい。また、ノルボルネン、エチ
リデンノルボルネンおよびジシクロペンタジエン等の環
状オレフィン、環状ジエンも併せて使用することができ
る。
環状オレフィンから誘導される繰り返し単位を有する
軟質重合体(i)中において、エチレンから誘導される
繰り返し単位は、通常は40〜99モル%、好ましくは50〜
90モル%、特に好ましくは75〜90モル%の範囲内の量で
含有されている。α−オレフィンから誘導される繰り返
し単位は、通常は1〜45、好ましくは1〜35モル%の範
囲内の量で含有されている。また、環状オレフィンから
誘導される繰り返し単位は、通常は1〜40、好ましくは
1〜20モル%、好ましくは2〜15モル%の範囲内の量で
含有されている。
この軟質重合体(i)において、エチレンから誘導さ
れる繰り返し単位、エチレン以外のα−オレフィンから
誘導される繰り返し単位、および環状オレフィンから誘
導される繰り返し単位は、ランダムに配列されており、
かつこれらは実質的に線状に配列されている。この軟質
重合体が、実質上線状構造を有しており、架橋構造を有
していないことは、この共重合体が130℃のデカリンに
完全に溶解することによって確認することができる。
この環状オレフィンから誘導された繰り返し単位を有
する軟質重合体(i)は、前記の環状オレフィン系重合
体とは異なり、ガラス転移温度(Tg)が通常は0℃以
下、好ましくは−10℃以下であり、135℃のデカリン中
で測定した極限粘度[η]は、通常は0.01〜10dl/g、好
ましくは0.08〜7dl/gである。この軟質重合体(i)は
X線回折法により測定した結晶化度が、通常は0〜10
%、好ましくは0〜7%、特に好ましくは0〜5%の範
囲内である。
この軟質重合体(i)は、特開昭60−168708号、同61
−120816号、同61−115912号、同61−115916号、同61−
271308号、同61−272216号、および同62−252406号等の
各公報に、本出願人が提案した方法に従い適宜に条件を
選択して製造することができる。
α−オレフィン系共重合体(ii) 本発明において軟質重合体として使用されるα−オレ
フィン系共重合体(ii)は、少なくとも2種のα−オレ
フィンからなり、非晶性ないし低結晶性の共重合体であ
る。具体的な例としては、エチレン・α−オレフィン共
重合体およびプロピレン・α−オレフィン共重合体を挙
げることができる。
エチレン・α−オレフィン共重合体を構成するα−オ
レフィンとしては、通常は炭素数3〜20のものが用いら
れ、具体的な例としては、プロピレン、1−ブテン、4
−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−デセンおよびこれらの混合物を挙げることがで
きる。この内、特に炭素数3〜10のα−オレフィンが好
ましく、さらにプロピレンまたは1−ブテンが特に好ま
しい。
エチレン・α−オレフィン共重合体中におけるエチレ
ンから誘導される繰り返し単位と、α−オレフィンから
誘導される繰り返し単位のモル比(エチレン/α−オレ
フィン)は、α−オレフィンの種類によっても異なる
が、通常は40/60〜95/5である。また、上記モル比はα
−オレフィンとしてプロピレンを使用した場合には、通
常は30/70、好ましくは40/60〜95/5、特に好ましくは50
/50〜90/10であり、α−オレフィンとしては炭素数4以
上のα−オレフィンを使用する場合には、通常は50/50
〜95/5、好ましくは80/20〜95/5である。
プロピレン・α−オレフィン共重合体を構成するα−
オレフィンは、通常は、炭素数4〜20のα−オレフィン
であり、具体的な例としては、1−ブテン、4−メチル
−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デ
センおよびこれらの混合物を挙げることができる。この
内、特に炭素数4〜10のα−オレフィンが好ましい。
上記のようなプロピレン・α−オレフィン共重合体に
おいては、プロピレンから誘導される繰り返し単位とα
−オレフィンから誘導される繰り返し単位とのモル比
(プロピレン/α−オレフィン)は、α−オレフィンの
種類によっても異なるが、通常は50/50〜95/5である。
上記モル比は、α−オレフィンが炭素数5以上のα−オ
レフィンである場合には、80/20〜95/5であることが好
ましい。
また、このα−オレフィン系軟質重合体の130℃デカ
リン中で測定した極限粘度[η]は、通常は0.2〜10dl/
g、好ましくは1〜5dl/gの範囲内にある。さらにその密
度は、通常は0.82〜0.96g/cm3、好ましくは0.84〜0.92g
/cm3の範囲内にある。
このα−オレフィン系軟質重合体は、不飽和カルボン
酸またはその誘導体でグラフト変性されていてもよい。
この場合のグラフト変性率は、通常は0.01〜5重量%、
好ましくは0.1〜4重量%である。ここで使用される不
飽和カルボン酸またはその誘導体の例としては、アクリ
ル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル
酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロ
トン酸およびナジック酸(エンドシス−ビシクロ[2,
2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)のような
不飽和カルボン酸またはこれらの不飽和カルボン酸のハ
ライド、アミド、イミド、無水物およびエステル等の誘
導体を挙げることができる。上記のような不飽和カルボ
ン酸誘導体の具体的な例としては、塩化マレイル、マレ
イミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン
酸モノメチルエステル、マレイン酸ジメチルエステルお
よびグリシジルマレエートを挙げることができる。
これらの中でも特にマレイン酸および無水マレイン酸
ならびにナジック酸および無水ナジック酸が好まし
い。
上記のようなグラフトモノマーを用いてα−オレフィ
ン系軟質重合体を変性する方法としては、従来公知の種
々の方法を採用することができる。例えば、α−オレフ
ィン系軟質重合体を溶融させ、グラフトモノマーをこの
溶融物に添加してグラフト重合させる方法、α−オレフ
ィン系軟質重合体を溶媒に溶解させ、この溶液にグラフ
トモノマーを添加してグラフト重合させる方法などの方
法を採用することができる。上記のようなグラフト方法
を採用するに際しては、ラジカル開始剤を使用すること
が好ましい。ラジカル開始剤の使用によって、グラフト
反応を効率よく行うことができる。
上記のようなグラフト反応は、通常は60から350℃の
範囲内の温度で行われる。またラジカル開始剤は、α−
オレフィン系軟質重合体100重量部に対して、通常は、
0.001〜1重量部の範囲内の量で使用される。
なお、ここで使用されるラジカル開始剤としては、特
に制限はなく、グラフト重合反応の際に通常使用されて
いる化合物を使用することができる。
すなわち、ここで使用することができるラジカル開始
剤の例としては、有機ペルオキシドあるいは有機ペルエ
ステル[例、ベンゾイルオキシペルオキシド、ジクロル
ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−
tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビ
ス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、
ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテー
ト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−グチルペルオキ
シ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブ
チルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルベンゾエ
ート、tert−ブチルペル−sec−オクトエート、tert−
ブチルペルピバレート、クミルペルピバレートおよびte
rt−ブチルペルジエチルアセテート等]; アゾ化合物[例、アゾビスイソブチロニトリルおよび
ジメチルアソイソブチレートなど]を挙げることができ
る。これらのうち、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−
ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−
ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサンおよび1,4−
ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン
などのジアルキルペルオキシドが好ましく使用される。
上記のようなα−オレフィン系軟質重合体のなかで
も、エチレンから誘導される繰り返し単位の含有率が35
〜50モル%、結晶化度が5%以下であるエチレン・プロ
ピレンランダム共重合体、またはエチレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘
導体から選ばれるグラフトモノマーでをグラフト変性さ
れた共重合体を配合することにより特に成形体の衝撃強
度を著しく向上することができる。
α−オレフィン・ジエン系共重合体(iii) 本発明において使用される軟質重合体のうち、α−オ
レフィン・ジエン系共重合体(iii)の例としては、エ
チレン・α−オレフィン・ジエン共重合体ゴム、プロピ
レン・α−オレフィン・ジエン共重合体ゴムを挙げるこ
とができる。
これ等の共重合体ゴムを調製するに際しては、通常は
炭素数3〜20のα−オレフィンが使用される。このα−
オレフィンの例としては、プロピレン、1−ブテン、1
−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、1−デセンおよびこれ等の混合物な
どが挙げられる。これらの中では、炭素原子数3〜10の
α−オレフィンが好ましい。但しプロピレン・α−オレ
フィン・ジエン共重合体の場合にはα−オレフィンとし
ては、炭素数4〜20が使用される。
また、これら等の共重合体ゴムを構成するジエン成分
の例としては、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエ
ン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5
−ヘプタジエンおよび7−メチル−1,6−オクタジエン
のような鎖状非共役ジエン、シクロヘキサジエン、ジシ
クロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−
ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピ
リデン−2−ノルボルネンおよび6−クロロメチル−5
−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共
役ジエン、ならびに2,3−イソプロピリデン−5−ノル
ボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5
−ノルボルネンおよび2−プロペニル−2,2−ノルボル
ナジエン等が挙げられる。
上記エチレン・α−オレフィン・ジエン共重合体ゴム
中におけるエチレンから誘導される繰り返し単位とα−
オレフィンから誘導される繰り返し単位とのモル比(エ
チレン/α−オレフィン)は、α−オレフィンの種類に
よっても相違するが、通常は50/50〜95/5、好ましくは5
0/50〜90/10である。
また、これ等共重合体ゴムにおけるジエン成分から誘
導される繰り返し単位の含有量は、通常は0.5〜10モル
%、好ましくは0.5〜5モル%である。
上記のようなプロピレン・α−オレフィン・ジエン共
重合体ゴムにおいて、プロピレンから誘導される繰り返
し単位とα−オレフィンから誘導される繰り返し単位と
のモル比(プロピレン/α−オレフィン)は、α−オレ
フィンの種類によっても異なるが、一般には50/50〜95/
5の範囲内に設定される。上記モル比は、α−オレフィ
ンとして1−ブテンを使用する場合には、このプロピレ
ンから誘導される繰り返し単位と1−ブテンから誘導さ
れる繰り返し単位とのモル比は、50/50〜90/10の範囲内
にあることが好ましく、また、α−オレフィンとして炭
素数5以上のα−オレフィンを使用する場合には、プロ
ピレンから誘導される繰り返し単位とα−オレフィンか
ら誘導される繰り返し単位とのモル比は、通常は80/20
〜95/5の範囲内に設定される。
このようなα−オレフィン・ジエン系軟質重合体は、
X線回折法により測定した結晶化度が、通常は0〜10
%、好ましくは0〜5%の範囲内にある。
またα−オレフィン・ジエン系軟質重合体の135℃の
デカリン中で測定した極限粘度[η]は、通常は0.1〜1
0dl/g、好ましくは1〜5dl/gの範囲内にある。さらにそ
のヨウ素値は、通常は、1〜30、好ましくは5〜25の範
囲内にある。またさらに、その密度は、通常は、0.82〜
1.00g/cm3、好ましくは0.85〜0.90g/cm3の範囲内にあ
る。
芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン系軟質共重合体
(iv) 本発明において、軟質重合体として使用される芳香族
ビニル系炭化水素・共役ジエン系軟質共重合体は、芳香
族ビニル系炭化水素と共役ジエン系化合物とのランダム
共重合体、ブロック共重合体またはこれらの水素化物で
ある。具体的な例としては、スチレン・ブタジエンブロ
ック共重合体ゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブ
ロック共重合体ゴム、スチレン・イソプレンブロック共
重合体ゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロック
共重合体ゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・スチレ
ンブロック共重合体、水素添加スチレン・イソプレン・
スチレンブロック共重合体ゴムおよびスチレン・ブタジ
エンランダム共重合体ゴム等を挙げることができる。
スチレン・ブタジエン共重合体ゴムにおいては、スチ
レンから誘導される繰り返し単位と、ブタジエンから誘
導される繰り返し単位とのモル比は、0/100〜60/40の範
囲内にあることが好ましい。
スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体ゴ
ムにおいては、スチレンから誘導される繰り返し単位と
ブタジエンから誘導される繰り返し単位とのモル比は、
通常は0/100〜60/40の範囲内にある。そして各成分の重
合度は、スチレンが0〜5000程度であり、ブタジエンが
10〜20000程度であることが好ましい。
スチレン・イソプレンブロック共重合体ゴムにおいて
は、スチレンから誘導される繰り返し単位と、イソプレ
ンから誘導される繰り返し単位とのモル比は、通常は0/
100〜60/40である。
スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体ゴ
ムにおいては、スチレンから誘導される繰り返し単位
と、イソプレンから誘導される繰り返し単位とのモル比
は、通常は0/100、好ましくは60/40の範囲内にある。そ
して、各成分の重合度は、スチレンが0〜5000程度であ
り、イソプレンが、10〜20000程度であることが好まし
い。
水添スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合
体としては、上記のスチレン・ブタジエン・スチレンブ
ロック共重合体ゴム中に残存する二重結合を部分的に水
素化した共重合体ゴムであり、共重合体中におけるスチ
レン部分とゴム部との重量比(スチレン/ゴム部)は、
通常は0/100〜50/50の範囲内にある。
水添スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体ゴムは、上記のようなスチレン・イソプレン・スチレ
ンブロック共重合体中に残存する二重結合を部分的に水
素化した共重合体ゴムである。この共重合体ゴムにおけ
るスチレン部分と、ゴム部との重量比(スチレン/ゴム
部)は、通常は0/100〜50/50の範囲内にある。
このような芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン系軟
質共重合体のGPC(ゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィー、溶媒;オルトジクロロベンゼン、温度;140
℃)により測定した重量平均分子量は、通常は、500〜
2,000,000、好ましくは10,000〜1,000,000の範囲内にあ
る。さらにその密度は、通常は、0.80〜1.10g/cm3、好
ましくは0.88〜0.96/cm3の範囲内にある。
イソブチレンまたはイソブチレン・共役ジエンからなる
軟質重合体または共重合体(v) 軟質重合体として使用されるイソブチレン系軟質重合
体または共重合体(v)としては、具体的には、ポリイ
ソブチレンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエン
ゴムあるいはイソブチレン・イソプレン共重合体ゴム等
が用いられる。
なお、軟質重合体である(ii)〜(v)の共重合体の
特性は、環状オレフィン系軟質重合体(i)の特性と同
様であり、これら軟質重合体の135℃のデカリン中で測
定した極限粘度[η]は、通常は0.01〜10dl/g、好まし
くは0.08〜7dl/gの範囲内にあり、ガラス転移温度(T
g)は、通常は0℃以下、好ましくは−10℃以下、特
に、好ましくは−20℃以下である。また、X線回折法に
より測定した結晶化度は0〜10%、好ましくは0〜7
%、特に好ましくは0〜5%の範囲内にある。
上記のような(i)〜(v)で例示した軟質重合体
は、単独で、あるいは組み合わせて使用することがでい
る。
一般に、このような軟質重合体は、本発明で熱可塑性
樹脂として使用される脂環構造を有するオレフィン系重
合体(好ましくは環状オレフィン系樹脂)に配合するこ
とにより、この軟質重合体が脂環構造を有するオレフィ
ン系重合体中に微細な粒子を形成して分散される。所謂
「ポリマーアロイ」である。このようなポリマーアロイ
においては、脂環構造を有するオレフィン系重合体が、
所謂「海部」を形成し、軟質重合体が所謂「島部」を形
成することが多い。このように軟質重合体を用いて、ポ
リマーアロイを形成されることにより、樹脂の透明性は
幾分低下する傾向があるが、機械的強度などの特性は飛
躍的に向上する。機械的強度が要求される用途などに
は、上記のようなポリマーアロイを使用すると有利であ
る。
なお、本発明において使用されるポリマーアロイの溶
融流れ指数(MFR;ASTM D1238条件)は、0.1〜100の範囲
内にあることが好ましい。
さらに、本発明においては、上記のようなポリマーア
ロイに分子間架橋を形成させることにより、耐衝撃度、
剛性、熱変形温度および硬度などの特性のバランスが改
善される。
この分子間架橋は、脂環構造を有するオレフィン重合
体に軟質重合体が微分散している熱可塑性樹脂に有機過
酸化物を作用させることにより形成することができる。
ここで使用される有機過酸化物としては、例えば メチルエチルケトンパーオキシドおよびシクロヘキサ
ノンパーオキシド等のケトンパーオキシド類、 1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン
−2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン等のパ
ーオキシケタール類、 t−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオ
キシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパ
ーオキシドおよび1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロ
パーオキシド等のヒドロパーオキシド類、 ジ−t−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3
等のジアルキルパーオキシド類、 ラウロイルパーオキシドおよびベンゾイルパーオキシ
ド等のジアシルパーオキシド類、 並びに t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオ
キシベンゼエートおよび2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベン
ゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル類
等を挙げることができる。
上記有機過酸化物は、脂環構造を有するオレフィン系
重合体と軟質重合体成分との合計量100重量部に対し
て、通常は0.01〜1重量部、好ましくは0.05〜0.5重量
部の範囲内の量で使用される。
また、有機過酸化物で処理する際に、ラジカル重合性
の官能基を分子内に2個以上有する化合物を配合して架
橋反応を行うこともできる。このような化合物を使用す
ることにより、架橋効率をさらに向上させることもでき
る。ラジカル重合性の官能基を分子内に2個以上有する
化合物の例としては、ジビニルベンゼン、アクリル酸ビ
ニルおよびメタアクリル酸ビニル等を挙げることができ
る。これらの化合物は脂環構造を有するオレフィン系重
合体と軟質重合体との合計量100重量部に対して、通常
は1重量部以下、好ましくは0.1〜0.5重量部の量で使用
される。
本発明の樹脂組成物において、脂環構造を有するオレ
フィン系重合体(好ましくは環状オレフィン系樹脂)と
上記のような軟質重合体とを使用する場合、用いる樹脂
の種類によっても異なるが、熱可塑性樹脂中における脂
環構造を有するオレフィン系重合体と上記の軟質重合体
との重量比を100:5〜100:100の範囲内に設定することが
好ましく、さらに100:7〜100:80の範囲内に設定するこ
とが特に好ましく、そして、100:10〜100:70の範囲内に
設定することが特に好ましい。すなわち、上記範囲内で
脂環構造を有するオレフィン系重合体を軟質重合体より
も多く使用することにより、脂環構造を有するオレフィ
ン系重合体の特性を損なうことなく、環状オレフィン系
樹脂に軟質重合体が実質的に有している優れた機械的強
度等の特性を賦与することができる。
本発明の樹脂組成物においては、さらに、脂環構造を
有するオレフィン系重合体、あるいはポリマーアロイの
特性を損なわない範囲内で他の樹脂を配合することがで
きる。
本発明において、上記のような脂環構造を有するオレ
フィン系重合体とともに熱可塑性樹脂を形成し得る樹脂
としては、 ハロゲン含有ビニル重合体、 不飽和酸とその誘導体とから誘導される重合体、 不飽和アルコールおよびアミンまたはそのアシル誘導
体から形成される重合体、 エポキシドから誘導される重合体、 ポリアセタール、 ポリスルフォン、 尿素樹脂、 ポリアミド系樹脂、 ポリエステル系樹脂、 ポリアミド系樹脂、ならびに 天然樹脂を挙げることができる。
このような他の樹脂を使用する場合、使用する樹脂の
種類によっても異なるが、熱可塑性樹脂中における上記
の樹脂は、通常は50重量%以下、好ましくは40重量%以
下の量で配合される。
本発明に係る第1の環状オレフィン系樹脂組成物は、
上記のような脂環構造を有するオレフィン系重合体を含
む熱可塑性樹脂と、特定構造のフェノール系化合物とを
含んでいる。
本発明に係る第1の環状オレフィン系樹脂組成物にお
いては、特定構造のフェノール系化合物の添加によっ
て、樹脂組成物の耐熱性が向上し、成形時における樹脂
の熱分解あるいは熱劣化が防止される。従って光学部材
用途においては、着色が有効に防止されると共に、ボイ
ド、シルバーストリークおよびフラッシュの発生が有効
に防止され、特に、フィッシュ・アイや小さなかたま
り、泡の発生を防止できる。
本発明の第1の環状オレフィン系樹脂組成物に配合さ
れるフェノール系化合物は、次式[A]で表わされる化
合物である。
ただし、上記式[A]において、R1及びR2は、それぞ
れ独立に炭素数1〜6のアルキル基を表わす。特に本発
明においては、R1およびR2の少なくとも一方がtert−ブ
チル基のような分岐を有するアルキル基であることが好
ましい。
このような特定構造のフェノール系安定剤を用いるこ
とにより、特に成形の際の加熱によって重合体に架橋構
造が形成され難くなる。したがって、上記のようなフェ
ノール系安定剤を含む樹脂組成物を用いることにより、
フィッシュアイなどが極めて少ない光学用部材を得るこ
とができ、このような光学用部材は特に高い透明性を有
している。このような傾向は、たとえば上記式[A]で
表わされる化合物と類似する構造を有するテトラキス
[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]メタン等を単独で使
用しても顕著には表われない。
本発明において、上記式[A]で表わされる化合物の
例としては、 3,9−ビス[2−{3−(3′−tert−ブチル−4−
ハイドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキ
サスピロ[5・5]ウンデカン、 3,9−ビス[2−{3−(3′,5′−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−
1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ[5・5]ウンデカン、 および 3,9−ビス[2−{3−(3′,5′−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジ
メチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・
5]ウンデカンなどを挙げることができる。
式[A]で表わされる化合物は、単独で、あるいは組
合わせて使用することができる。
本発明の第1の樹脂組成物においては、上記の式
[A]で表わされる化合物は、脂環構造を有するオレフ
ィン系重合体を含む熱可塑性樹脂100重量部に対して、
0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜4重量部、さらに好
ましくは0.1〜3重量部、特に好ましくは0.1〜1重量部
配合されている。この式[A]で表わされる化合物の量
が脂環構造を有するオレフィン系重合体を含む熱可塑性
樹脂100重量部に対して0.01重量部未満であると、成形
時の加熱によって形成される架橋構造のためにフィッシ
ュアイなどが発生して光の透過性が低下するので、成形
体を光カードやフレキシブル光ディスク用基板などの光
学用シートあるいは光ファイバーなどの光学的用途に使
用することができない。さらに、光学的用途以外の用途
においても、耐熱劣化性が充分に改善されない。他方、
5重量部を超えると、上記熱可塑性樹脂の優れた特性が
低下すると共に、光学的用途においては添加された式
[A]で表わされる化合物によって光の透過性が低下す
る。
なお、本発明においては上記式[A]で表わされる化
合物の外に、通常使用されている他のフェノール系の酸
化防止剤を配合して両者を併用することもできる。
本発明において、上記の化合物と併用することができ
るフェノール系の酸化防止剤の例としては、具体例に
は、 2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、 2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、 2,6−ジシクロヘキシル−4−メチルフェノール、 2,6−ジイソプロピル−4−エチルフェノール、 2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェノール、 2,6−ジ−t−オクチル−4−n−プロピルフェノー
ル、 2,6−ジシクロヘキシル−4−n−オクチルフェノー
ル、 2−イソプロピル−4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール、 2−t−ブチル−2−エチル−6−t−オクチルフェ
ノール、 2−イソブチル−4−エチル−6−t−ヘキシルフェ
ノール、 2−シクロヘキシル−4−n−ブチル−6−イソプロ
ピルフェノール、 2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル−p−クレゾー
ル、 スチレン化混合クレゾール、 dl−α−トコフェロール、 t−ブチルヒドロキノン、 2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、 4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、 4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、 4,4′−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルンフ
ェノール)、 4,4′−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル)、 2,2′−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキ
シル)−p−クレゾール]、 2,2−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル)、 2,2−ブチリデンビス(2−t−ブチル−4−メチル
フェノール)、 1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−
t−ブチルフェニル)ブタン、 トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチ
ル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]、 1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、 2,2−チオジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、 N,N′−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホス
ホネート、ジエチルエステル、 1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4
−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート、 1,3,5−トリス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピニルオキシエチル]イソシアヌレ
ート、 トリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒド
ロキシベンジル)イソシアヌレート、 2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリア
ジン、 テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、 ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ルホスホン酸エチル)カルシウム、 ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ルホスホン酸エチル)ニッケル、 ビス[3,3−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)ブチリックアシド]グリコールエステル、 N,N′−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニル)]ヒドラジン、 2,2′−オキサミドビス[エチル−3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、 ビス[2−t−ブチル−4−メチル−6−(3−t−
ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニ
ル]テレフタレート、 1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、 β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオン酸アルキルエステルなどを挙げることが
できる。
なお、本発明において、上記のフェノール系の酸化防
止剤を併用する場合に、式[A]で表わされる化合物と
上記例示したフェノール系の酸化防止剤との合計の配合
量が上記範囲内になるようにすることが好ましい。
本発明の第1の樹脂組成物は、前述のように脂環構造
を有するオレフィン系重合体を含む熱可塑性樹脂と特定
構造を有するフェノール系安定剤とを含有しているた
め、成形時の熱安定性に優れている。
なお、第1の樹脂組成物には、さらに他の安定剤が配
合されていてもよい。
本発明に係る上記第1の環状オレフィン系樹脂組成物
は、前述のように脂環構造を使用するオレフィン系重合
体を含む熱可塑性樹脂と特定量の安定剤を含むため、成
形時の熱安定性に優れているが、上記の安定剤の他に、
さらに高級脂肪酸金属塩を加えることによって調製され
た組成物(すなわち、脂肪酸塩含有樹脂組成物)を用い
ることにより、射出成形時の熱安定性が向上すると共
に、さらに着色の少ない成形体、例えば光学用部材を得
ることができる。
すなわち、本発明に係る第2の樹脂組成物である脂肪
酸塩含有樹脂組成物は、上述した本発明の第1の環状オ
レフィン系樹脂組成物に、さらに高級脂肪酸金属塩を配
合してなる組成物である。
このような高級脂肪酸金属塩を配合することにより、
成形時の樹脂の熱安定性が向上すると共に、脂環構造を
有するオレフィン系重合体を製造する際に触媒としてチ
ーグラー触媒のような塩素原子を含む触媒を用いた場合
に、重合体中に残存する触媒から発生する塩素ガスによ
って成形機が腐蝕されるのを防止することができる。
したがって、高級脂肪酸金属塩を配合することによ
り、錆などが成形体中に混入されることによる着色を防
止することができる。
本発明において使用することができる高級脂肪酸金属
塩の例としては、炭素数12〜40の飽和若しくは不飽和カ
ルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、その
他の金属塩を挙げることができる。また、上記炭素数12
〜40の飽和若しくは不飽和カルボン酸は、水酸基などの
置換基を有していてもよい。具体的には、炭素数12〜40
の飽和若しくは不飽和カルボン酸の例としては、ステア
リン酸、オレイン酸、ラウリン酸、カプリン酸、アラキ
ドン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシス
テアリン酸およびモンタン酸などの高級脂肪酸を挙げる
ことができ、また、これらの高級脂肪酸と反応して塩を
形成する金属としては、マグネシウム、カルシウムおよ
びバリウムなどのアルカリ土類金属塩、ナトリウム、カ
リウムおよびリチウムなどのアルカリ金属、並びにカド
ミウム、亜鉛および鉛などを挙げることができる。
本発明で用いることができる高級脂肪酸塩の具体的な
例としては、ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸マ
グネシウム、パルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸
カルシウム、オレイン酸カルシウム、ラウリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸バリウム、オレイン酸バリウム、ラ
ウリン酸バリウム、アラキドン酸バリウム、ベヘニン酸
バリウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、ラウリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリ
ウム、パルミチン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウ
ム、ステアリン酸カリウム、ラウリン酸カリウム、12−
ヒドロキシステアリン酸カルシウム、モンタン酸ナトリ
ウム、モンタン酸カルシウムおよびモンタン酸亜鉛を挙
げることができる。
これらの高級脂肪酸金属塩の中でも、特に炭素数12〜
35の飽和脂肪酸の亜鉛塩が特に好ましい。
このような高級脂肪酸金属塩は、単独であるいは組合
せて用いることができる。
本発明に係る脂肪酸塩含有樹脂組成物においては、上
記のような高級脂肪酸金属塩は、脂環構造を有するオレ
フィン系重合体を含む熱可塑性樹脂100重量部に対して
0.01〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部、さらに
好ましくは0.01〜0.1重量部配合されている。この高級
脂肪酸金属塩の量が脂環構造を有するオレフィン系重合
体を含む熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01重量部未
満であると、塩素原子を含む触媒を用いて重合させた脂
環構造を有するオレフィン系重合体を有する場合に、本
発明の樹脂組成物を用いて得られた光学レンズあるいは
光ファイバーなどの光学用部材に錆による着色がみられ
ることがある。他方、1重量部を超えると、上記熱可塑
性樹脂の優れた特性が低下すると共に、光学的用途にお
いては高級脂肪酸の金属塩により光の透過性が低下す
る。
本発明の脂肪酸塩含有樹脂組成物において、上記の安
定剤の合計の含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し
て通常は10重量部以下であり、好ましくは0.1〜5重量
部である。
なお、本発明の樹脂組成物においては、上記の安定剤
の他に、たとえば、多価アルコールの脂肪酸エステル、
耐熱安定剤、染料、滑剤、中性子遮蔽剤など、通常、ポ
リオレフィンに添加混合される配合剤を本発明の目的を
損わない範囲で添加することができる。
本発明において使用される多価アルコールの脂肪酸エ
ステルとしては、アルコール性水酸基の一部がエステル
化された化合物である。このような多価アルコールの脂
肪酸エステルを配合することにより、例えば光学用部材
の経時的な透明性の低下を有効に防止することができ
る。
このような多価アルコールの脂肪酸エステルの具体的
な例としては、 グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレ
ート、グリセリンモノミリステート、グリセリンモノパ
ルミテート、グリセリンジステアレートおよびグリセリ
ンジラウレートのようなグリセリ脂肪酸エステル; ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリ
スリトールモノラウレート、ペンタイリスリトールジス
テアレート、ペンタエリスリトールジラウレートおよび
ペンタエリスリトールトリステアレートのようなペンタ
エリスリトールの脂肪酸エステルを挙げることができ
る。
本発明の樹脂組成物は、樹脂に添加剤を配合する通常
の方法に従って、上述の脂環構造を有するオレフィン系
重合体を含む熱可塑性樹脂に、安定剤を添加することに
より製造することができる。すなわち、たとえば、上記
の熱可塑性樹脂と安定剤とを混合し、次いで、混練装置
で混練することにより製造することができる。この場
合、混合には、たとえばリボンブレンダー、タンブラー
ブレンダーおよびヘンシェルミキサーなどを使用するこ
とができ、また混練には、たとえば押出機、バンバリー
ミキサーおよび二本ロールなどを使用することができ
る。
また、上記安定剤を炭化水素系溶媒あるいは芳香族溶
媒などの溶媒に溶解若しくは分散し、別に用意した熱可
塑性樹脂の有機溶媒溶液あるいは分散液に上記の安定剤
溶液あるいは分散液を添加して混合することにより本発
明の樹脂組成物を製造することができる このようにして得られた本発明の樹脂組成物を、たと
えば、ベルト式押出機、二本スクリュー押出機、三本ス
クリュー押出機、円錐型二本スクリュー押出機、コニー
ダープラテイフイケーター、ミクストルーダー、二軸コ
ニカルスクリュー押出機、遊星ねじ押出機、歯車型押出
機およびスクリューレス押出機などを用いて射出成形す
ることにより光学レンズあるいは光ファイバーなどの光
学用部材、並びに機械部品、電子部品および自動車部品
などの樹脂成形体を製造することができる。
またインフレーション成形機、Tダイ成形機およびプ
レス成形機などを用いて、たとえばシート状の光学用部
材など所望の形状の樹脂成形体を製造することができ
る。
本発明に係る樹脂組成物には、上記のように、特定の
熱可塑性樹脂に、特定の安定剤が特定量配合されている
ので、成形時における熱安定性が非常に優れている。ま
た、耐候安定性が優れている。さらに、長期間の使用に
よっても気体樹脂の特性が実質的に変化しない。従っ
て、本発明の樹脂組成物を用いることにより、着色がな
く非常に透明性の優れた光学用部材を得ることができ
る。
さらに上記樹脂組成物に特定量の高級脂肪酸金属塩を
配合した本発明の脂肪酸塩含有樹脂組成物は、組成物を
構成する熱可塑性樹脂として、チーグラー触媒のような
塩素原子を含む触媒を用いて調製された熱可塑性樹脂を
使用した場合であっても、樹脂中に残存する触媒から発
生する塩素ガスによる成形機の発錆をも有効に防止する
ことができるので、このような発錆に伴う成形体の着色
を防止することができる。
従って、本発明の樹脂組成物は、光学レンズおよび光
ファイバー用フィラメントなどの非常に高い透明性が要
求される光学用部材の製造に適している。さらに、上記
の光学レンズおよび光ファイバー用フィラメントまでの
透明性は必要ではないが、透明性が高いことが望ましい
光ディスク基板用の樹脂組成物としても好ましく使用さ
れる。
さらに、本発明の樹脂組成物は、上記のような光学的
な用途に留まらず、種々の成形体の製造原料として使用
することができる。殊に前述の軟質重合体を配合した樹
脂組成物は、この軟質重合体と、脂環構造を有するオレ
フィン系重合体との組合せによって、非常に優れた耐衝
撃性を有するようになる。そして、このような樹脂組成
物が特定の安定剤を含んでいるので、耐熱老化性、耐候
性が著しく向上する。従って、本発明の樹脂組成物は、
光学的用途だけでなく、通常の透明性が要求される用
途、さらに特に透明性は必要としないが、耐衝撃性等の
機械的特性が必要とされる用途など、広範な用途に使用
することができる。
[発明の効果] 本発明の樹脂組成物は、上記のような特定の安定剤を
特定量含むため、成形時に樹脂が焼けこげることが少な
く、さらにオレフィン系重合体の分子中にある脂環構造
部分の酸化により共役二重結合が形成されることが少な
い。また、長期間屋外で太陽光に晒されても物性の低下
が少ない。従って、本発明の樹脂組成物を用いて製造さ
れた光学用部材は、着色が少なく、脂環構造を有するオ
レフィン系重合体を含む熱可塑性樹脂組成物が本質的に
有している透明性が成形時に損なわれることがない。ま
た、ボイドあるいはフラッシュの発生も少ない。
そして、高級脂肪酸塩を配合することにより本発明の
脂肪酸塩含有樹脂組成物は、上記のような優れた特性を
有する光学用部材を製造することができると共に、樹脂
を製造するためにチーグラー触媒を用いた場合のよう
に、樹脂中に塩素成分が残留している場合であっても、
この塩素成分による成形装置などの発錆を有効に防止す
ることができる。従って、この樹脂組成物を使用するこ
とにより、塩素成分を含む樹脂を用いた場合であって
も、光学用部材が装置の錆によって着色することがな
い。
さらに、軟質重合体を含有する本発明の環状オレフィ
ン系樹脂組成物は、耐衝撃性などの機械的特性に優れる
と共に、耐熱老化性に優れている。また、耐候安定性に
も優れている。
[実施例] 次に本発明の実施例および比較例を示して本発明を説
明するが、本発明はこれらによって限定されるものでは
ない。
また、以下に記載する実施例および比較例において、
「部」との表現は特に限定しないかぎり、「重量部」の
意味である。
なお、本発明において、樹脂組成物についての耐熱老
化性および耐候性は、以下に示す実施例等により調製し
た樹脂組成物を用いて試験片を製造し、この試験片を所
定の環境に放置した後、この試験片のアイゾッド衝撃強
度および曲げ強度を測定することにより評価した。
試験方法は次の通りである。
試験方法 耐熱老化性:125℃の空気雰囲気のギアオーブンに試験片
を所定時間放置した後、試験片(ノッチ付き)のアイゾ
ッド衝撃強度強度および曲げ強度を測定することにより
耐熱老化性について評価した。
耐候性:キセノンウエザーメーター[紫外線(波長300
〜400nm)照度強度;6.6mW/cm2,雨あり、ブラックパネル
温度;83℃]で所定時間光を照射した試験片について、
アイゾッド衝撃強度強度および表面光沢(グロス)を測
定することにより耐候性について評価した。
物性試験 アイゾッド衝撃強度:JIS−K7100,ノッチ付き 曲げ強度:JIS−K7203 グロス:JIS−K7105 実施例1〜5および比較例1〜3 エチレン・テトラシクロドデセン共重合体(エチレン
含量:60モル%、メルトフローインデックス:35g/10分
(ASTM D1238))に、表1に示す安定剤を表2に示す量
で添加し、ヘンシェルミキサーで混合した後、スクリュ
ー径200mmの二軸押出機を使用して230℃の温度でペレッ
ト化した。
このペレットを用いて、スクリュー径20mmのインフレ
ーションフィルム成形機を使用して厚さ30μmのフィル
ムを作成した。
このフィルム1mm2中に存在する直径10μm以上のフィ
ッシュアイの個数をを画像処理により測定した。
結果を表1に示す。
上記詳述したように、本発明によれば、特定のフェノ
ール系安定剤を配合することにより、特に成形加工の際
の加熱による劣化が防止される。このため、外観の優れ
た透明フィルムを製造することが可能になる。
また、フェノール系安定剤とホスファイト系安定剤と
を組合わせた複合安定剤、あるいはフェノール系安定剤
とチオエーテル系安定剤とを組合せた複合安定剤を配合
することにより、これらを単独で使用した場合と比較し
て、成形加工時の劣化が少なくなり、さらに耐熱劣化性
が向上する。また、このような複合安定剤を含む樹脂組
成物は、初期着色を有効に防止することができると共
に、優れた経時着色防止効果をも有している。
さらに、フェノール系安定剤、チオエーテル系安定剤
およびホスファイト系安定剤とを組み合わせた複合安定
剤を使用することにより、本発明の樹脂組成物がさらに
優れた初期着色防止性を有するようになると共に、経時
着色防止効果も向上する。そして、このような複合安定
剤を有する樹脂組成物においては、成形加工時の劣化が
ほとんど見られず、また耐熱劣化性能に関しても非常に
良好になる。
さらに、紫外線吸収剤および/またはヒンダードアミ
ン系安定剤を配合することにより、耐候性が向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平1−5459 (32)優先日 平1(1989)1月12日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平1−5460 (32)優先日 平1(1989)1月12日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平1−5461 (32)優先日 平1(1989)1月12日 (33)優先権主張国 日本(JP) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08L 45/00 CAS ONLINE

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式[I]、[II]または[II−a]のい
    ずれかの式で表される化合物から誘導される繰り返し単
    位を有するオレフィン系樹脂を50重量%以上含む熱可塑
    性樹脂と、 該熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部の、
    次式[A]で表される化合物と からなることを特徴とする環状オレフィン系樹脂組成
    物; (ただし、上記式[I]において、nは0もしくは正の
    整数であって、R1〜R12は、それぞれ独立に水素原子、
    ハロゲン原子または炭化水素基を表す。さらに、R9〜R
    12は、互いに結合して単環または多環の基を形成してい
    てもよく、この環が架橋構造を有していてもよい。さら
    にこの単環または多環の基が二重結合を有していてもよ
    く、これらの環が組み合わされた基であってもよ
    い。)、 (ただし、上記式[II]において、nは0または1であ
    り、mは0または正の整数であり、R1〜R18は、それぞ
    れ独立に水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基より
    なる群から選ばれる原子もしくは基を表し、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環の基を形成
    していてもよく、かつ該単環または多環の基が二重結合
    を有していてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン
    基を形成していてもよい。)、 (ただし、上記式[II−a]において、pは、0または
    1以上の整数であり、qおよびrは、0、1または2で
    あり、R1〜R15は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン
    原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびアル
    コシキ基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表
    し、R5とR9またはR6とR7とは、炭素原子数1〜3のアル
    キル基を介して結合していてもよく、また何の基も会さ
    ずに直接結合していてもよい。)、 (ただし、上記式[A]において、R1およびR2は、それ
    ぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を表す)。
  2. 【請求項2】次式[I]、[II]または[II−a]のい
    ずれかの式で表される化合物から誘導される繰り返し単
    位を有するオレフィン系樹脂を50重量%以上含む熱可塑
    性樹脂と、 該熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部の、
    次式[A]で表される化合物および 該熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜1重量部の、
    高級脂肪酸金属塩と からなることを特徴とする環状オレフィン系樹脂組成
    物; (ただし、上記式[I]において、nは0もしくは正の
    整数であって、R1〜R12は、それぞれ独立に水素原子、
    ハロゲン原子または炭化水素基を表す。さらに、R9〜R
    12は、互いに結合して単環または多環の基を形成してい
    てもよく、この環が架橋構造を有していてもよい。さら
    にこの単環または多環の基が二重結合を有していてもよ
    く、これらの環が組み合わされた基であってもよ
    い。)、 (ただし、上記式[II]において、nは0または1であ
    り、mは0または正の整数であり、R1〜R18は、それぞ
    れ独立に水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基より
    なる群から選ばれる原子もしくは基を表し、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環の基を形成
    していてもよく、かつ該単環または多環の基が二重結合
    を有していてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン
    基を形成していてもよい。)、 (ただし、上記式[II−a]において、pは、0または
    1以上の整数であり、qおよびrは、0、1または2で
    あり、R1〜R15は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン
    原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびアル
    コシキ基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表
    し、R5とR9またはR6とR7とは、炭素原子数1〜3のアル
    キル基を介して結合していてもよく、また何の基も会さ
    ずに直接結合していてもよい。)、 (ただし、上記式[A]において、R1およびR2は、それ
    ぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を表す)。
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