JP2010121061A - 光学部材に用いる成形体およびレンズ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記式(1)で表される単量体から導かれる構造単位を有する環状オレフィン系樹脂100重量部と、下記式(2)〜(5)で表される硫黄系安定剤なる群から選択される少なくとも1種の硫黄系安定剤0.05〜3重量部とを含有する環状オレフィン系樹脂組成物を用いて形成され、波長395〜420nmの光を使用する光学部材に用いる成形体。
R−S−H・・・(2)R−S−R・・・(3)R−S−S−R・・・(4)−(−R−S−R)・・・(5)
【選択図】なし
Description
する環状オレフィン系樹脂と特定の安定剤とを含有する環状オレフィン系樹脂組成物を用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の[1]〜[3]に関する。
およびR4は、一体化して2価の有機基を形成してもよく、R1〜R4のうち任意の2つは
、互いに結合して単環または多環を形成してもよい。mおよびnは、それぞれ独立に0または正の整数を表す。]
R−S−H・・・(2)
R−S−R・・・(3)
R−S−S−R・・・(4)
[式(2)〜(4)において、Rは硫黄原子以外のヘテロ原子を有してもよい炭素数1〜30の炭化水素基を表し、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
クアップレンズなど)について具体的に説明する。本発明に係る光学部材用成形体は、以下に説明する環状オレフィン系樹脂組成物を用いて形成される。
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂組成物は、以下に説明する環状オレフィン系樹脂と特定量の硫黄系安定剤とを含有する。また、前記樹脂組成物は、任意成分として添加剤を含有していてもよい。
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、下記式(1)で表される単量体(以下、「特定単量体(1)」ともいう)から導かれる構造単位を有する。前記環状オレフィン系樹脂は、例えば、1種または2種以上の特定単量体(1)の単独重合体または共重合体、あるいは1種または2種以上の特定単量体(1)と他の単量体との共重合体である(以下、単独重合体と共重合体とを合わせて単に「(共)重合体」ともいう)。また、前記環状オレフィン系樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
R1およびR3は、それぞれ独立に、好ましくは水素原子または炭素数1〜10の1価の炭化水素基、より好ましくは水素原子または炭素数1〜4の1価の炭化水素基、さらに好ましくは水素原子または炭素数1〜2の1価の炭化水素基であり;R2およびR4は、それぞれ独立に、好ましくは水素原子またはその他の1価の有機基、より好ましくはR2およ
びR4の少なくとも1つが水素原子または1価の極性基である。
式(i)において、Rは、炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜2の1価の炭化水素基を表す。前記炭化水素基は、好ましくはアルキル基である。また、pは、好ましくは0〜5、より好ましくは0である。pの値が小さいほど、高いガラス転移温度を有する環状オレフィン系樹脂が得られる点で好ましく、さらにpが0である特定単量体(1)はその合成が容易である点で好ましい。
特定単量体(1)の具体例としては、以下のような単量体が挙げられるが、本発明において用いられる特定単量体(1)はこれらの具体例に限定されるものではない。また、特定単量体(1)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]−デカン−3,8−ジエン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
スピロ[フルオレン−9,8’−トリシクロ[4.3.0.12,5][3]デセン]、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]
−3−ドデセン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5
.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5
.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン。
(I)特定単量体(1)の開環(共)重合体。
(II)特定単量体(1)と共重合性単量体との開環共重合体。
(III)上記(I)または(II)の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体。
(IV)上記(I)または(II)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化
して得られる(共)重合体の水素添加(共)重合体。
(V)特定単量体(1)と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体。
(VI)特定単量体(1)と、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選択される少なくとも1種の単量体との付加型共重合体、ならびにその水素添加共重合体。
(VII)特定単量体(1)とアクリレートとの交互共重合体。
開環(共)重合体(I)は、1種または2種以上の特定単量体(1)を開環(共)重合
して合成される。開環共重合体(II)は、1種または2種以上の特定単量体(1)と、以下に記載する共重合性単量体とを開環共重合して合成される。この際、以下に記載する開環重合触媒、重合反応用溶媒および分子量調節剤を用いることが好ましい。
上記共重合性単量体(後述する分子量調節剤を除く)としては、炭素数4〜20、好ましくは炭素数5〜12のシクロオレフィンが挙げられ、具体的には、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテンが挙げられる。これらの共重合性単量体は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記開環重合触媒としては、Olefin Metathesis and Metathesis Polymerization(K. J. IVIN, J. C. MOL, Academic Press 1997年)に記載されている触媒が好ましく用いら
れる。
化合物(b)としては、例えば、n−C4H9Li、(C2H5)3Al、(C2H5)2Al
Cl、(C2H5)1.5AlCl1.5、(C2H5)AlCl2、メチルアルモキサン、LiH
などの特開平1−240517号公報(7頁)に記載の化合物が挙げられる。
tBu)(O tBu)2、Mo(=N−2,6−C6H3 iPr2)(=CH tBu)(O tBu)2、Ru(=CHCH=CPh2)(PPh3)2Cl2、Ru(=CHPh)(PC6H11)2Cl2が挙げられる。
上記重合反応用溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン、ハロゲン化アリールなどの化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類が挙げられる。これらの中では、芳香族炭化水素が好ましい。また、これらの重合反応用溶媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記重合反応用溶媒の使用量は、溶媒:特定単量体(1)(重量比)が、好ましくは1:1〜10:1、より好ましくは1:1〜5:1となる量とされる。
開環(共)重合体(I)および(II)の分子量は、重合温度、開環重合触媒の種類、重
合反応用溶媒の種類を適宜選択することにより調節することができるが、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節することが好ましい。
上記分子量調節剤の使用量は、開環重合反応に供される特定単量体(1)1モルに対して、好ましくは0.005〜0.6モル、より好ましくは0.02〜0.5モルである。
以上のようにして得られる開環(共)重合体(I)または開環共重合体(II)は、その
ままでも用いられるが、これらに水素添加して得られる水素添加(共)重合体(III)は
、耐衝撃性の大きい樹脂であることから有用である。前記水素添加の際には、水素添加触媒を用いることが好ましい。
上記水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられる水素添加触媒を用いることができる。上記水素添加触媒としては、公知の不均一系触媒および均一系触媒を何れも用いることができる。
上記水素添加触媒の使用量は、適宣調整する必要があるが、開環(共)重合体(I)お
よび開環共重合体(II)の合計:水素添加触媒(重量比)が、好ましくは1:1×10-6〜1:2となる量とされる。
水素添加(共)重合体(IV)は、開環(共)重合体(I)または開環共重合体(II)を
フリーデルクラフト反応により環化して得られる(共)重合体を水素添加して得られる。
化する方法は特に限定されないが、特開昭50−154399号公報に記載の酸性化合物を用いた公知の方法が採用できる。また、環化された開環(共)重合体は、水素添加(共)重合体(III)の欄に記載した方法と同様の方法で水素添加できる。
上記酸性化合物としては、例えば、AlCl3、BF3、FeCl3、Al2O3、HCl
、CH2ClCOOH、ゼオライト、活性白土などのルイス酸が挙げられる。
環状オレフィン系樹脂として、特定単量体(1)と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体(V)(ただし、交互共重合体(VII)を除く)も使用できる。飽和共重合体(V
)は、例えば、付加重合触媒の存在下、特定単量体(1)と不飽和二重結合含有化合物とを通常の付加重合法を用いて重合することにより合成することができる。
載した重合反応用溶媒と同じ溶媒を使用することができる。また、飽和共重合体(V)の
分子量の調節は、通常は水素を用いて行われる。
上記不飽和二重結合含有化合物は、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体以外の単量体をいい、好ましくは炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜8のオレフィン系化合物が挙げられ、具体的には、エチレン、プロピレン、ブテンが挙げられる。これらの不飽和二重結合含有化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記付加重合触媒としては、例えば、チタン化合物、ジルコニウム化合物およびバナジウム化合物から選択される少なくとも1種の化合物と、助触媒としての有機アルミニウム化合物とが用いられる。
VO(OR)aXbまたはV(OR)cXd
上記式において、Rは炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表し、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦(a+b)≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦(c+d)≦4である。
環状オレフィン系樹脂として、特定単量体(1)と、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選択される少なくとも1種の単量体との付加型共重合体、ならびにその水素添加共重合体(VI)も使用できる。
また、上記付加型共重合体の水素添加共重合体は、水素添加(共)重合体(III)と同様
の水素添加法で得ることができる。
上記ビニル系環状炭化水素系単量体としては、例えば、4−ビニルシクロペンテン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロペンテンなどのビニルシクロペンテン系単量体;4−ビニルシクロペンタン、4−イソプロペニルシクロペンタンなどのビニルシクロペンタン系単量体;
4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニルシクロヘキセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなどのビニルシクロヘキセン系単量体;4−ビニルシクロヘキサン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキサンなどのビニルシクロヘキサン系単量体;
4−ビニルシクロヘプテン、4−イソプロペニルシクロヘプテンなどのビニルシクロヘプテン系単量体;4−ビニルシクロヘプタン、4−イソプロペニルシクロヘプタンなどのビニルシクロヘプタン系単量体;
スチレン、α―メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−フェニルスチレン、p−メトキシスチレンなどのスチレン系単量体;d−テルペン、l−テルペン、ジテルペン、d−リモネン、l−リモネン、ジペンテンなどのテルペン系単量体が挙げられる。
これらの中では、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。また、これらのビニル系環状炭化水素系単量体は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記シクロペンタジエン系単量体としては、例えば、シクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メチルシクロペンタジエン、2−エチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジエン、5,5−ジメチルシクロペンタジエンが挙げられる。これらの中では、シクロペンタジエンが好ましい。また、これらのシクロペンタジエン系単量体は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
環状オレフィン系樹脂として、特定単量体(1)とアクリレートとの交互共重合体(VII)も使用できる。交互共重合体(VII)は、例えば、ルイス酸の存在下、特定単量体(1)とアクリレートとを後述する量で用いて重合することにより合成することができる。
および(II)の欄に記載した重合反応用溶媒と同じ溶媒を使用することができる。重合反応温度は、通常は−20〜80℃、好ましくは5〜60℃である。
上記アクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどの炭素数1〜20の直鎖状、分岐状または環状アルキルアクリレート;グリシジルアクリレート、2−テトラヒドロフルフリルアクリレートなどの炭素数2〜20の複素環基含有アクリレート;ベンジルアクリレートなどの炭素数6〜20の芳香族環含有アクリレート;イソボロニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレートなどの炭素数7〜30の多環構造を有するアクリレートが挙げられる。
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、固有粘度(ηinh)が好ましくは0.2
〜5.0dL/g、より好ましくは0.3〜3.0dL/g、さらに好ましくは0.3〜1.0dL/gであり、
該樹脂をテトラヒドロフランに溶解させてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が好ましくは8000〜100000、より好ましくは10000〜80000、さらに好ましくは12000〜50000であり、重量平均分子量(Mw)が好ましくは20000〜300000、より好ましくは30000〜250000、さらに好ましくは30000〜200000であり、分子量分布(Mw/Mn)が好ましくは2.0〜4.0、より好ましくは2.5〜3.7、さらに好ましくは2.8〜3.5である。
記範囲にあると、該樹脂の耐熱性、耐水性、耐薬品性および機械的特性が良好となり、また、後述する光学部材用成形体の成形加工性も良好となる。
本発明で用いられる硫黄系安定剤は、下記式(2)〜(4)で表される硫黄系安定剤および(5)下記式(ii)で表される基を少なくとも2つ有する硫黄系安定剤からなる群から選択される少なくとも1種の硫黄系安定剤である(以下、これらの硫黄系安定剤をそれぞれ硫黄系安定剤(2)〜(5)ともいう)。
R−S−H・・・(2)
式(2)において、Rは硫黄原子以外のヘテロ原子(例えば、窒素原子、酸素原子など)を有してもよい炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜15の炭化水素基を表し、該炭化水素基は直鎖状、分岐状または環状であってもよい。
R−S−R・・・(3)
式(3)において、Rは硫黄原子以外のヘテロ原子(例えば、酸素原子など)を有してもよい炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜25、より好ましくは炭素数1〜20の炭化水素基を表し、該炭化水素基は直鎖状、分岐状または環状であってもよい。複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
R−S−S−R・・・(4)
式(4)において、Rは硫黄原子以外のヘテロ原子(例えば、ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子など)を有してもよい炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜15の炭化水素基であり、該炭化水素基は直鎖状、分岐状または環状であってもよい。複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
ビス(2−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2−ニトロフェニル)ジスルフィド、2,2'−ジチオジ安息香酸エチル、ビス(4−アセチルフェニル)ジスルフィド、ビス(4−カルバモイルフェニル)ジスルフィド、1,1'−ジナフチルジスルフィド、2,2'−ジナフチルジスルフィド、1,2'−ジナフチルジスルフィド、2,2'−ビス(1−クロロジナフチル)ジスルフィド、1,1'−ビス(2−クロロナフチル)ジスルフィド、2,2'−ビス(1−シアノナフチル)ジスルフィド、2,2'−ビス(1−アセチルナフチル)ジスルフィドが挙げられる。
下記式(ii)で表される基を少なくとも2つ有する硫黄系安定剤(5)
は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を表す。また、R2は炭素数1〜30、好ましくは1
〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは1〜6の2価の炭化水素基を表す。
しくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、さらに好ましくは炭素数1〜10の2価の炭化水素基を表す。また、炭素原子に結合している4個の硫黄含有基は、同一でも異なっていてもよい。
プロピオネート、ジテトラデシルチオジプロピオネート、ジオクタデシルチオジプロピオネート、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、2,4−ビス[(ドデシルチオ)メチル]−o−クレゾール、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)がより好ましく、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)がさらに好ましい。
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、硫黄系安定剤(2)〜(5)以外の、公知の酸化防止剤や紫外線吸収剤などの安定剤(以下、「その他の安定剤」ともいう)を配合してもよい。
オキサニリドなどのオキサニリド系化合物が挙げられる。なお、その他の安定剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂組成物は、上述の各成分を配合することにより製造される。配合方法としては特に限定されず、例えば、環状オレフィン系樹脂をロール、ニーダー、押出混練機、バンバリーミキサー、フィーダールーダーなどの混練機で練りながら、硫黄系安定剤や添加剤を配合する方法;環状オレフィン系樹脂の溶液と硫黄系安定剤や添加剤を溶解または分散させた液とを混合し、次いで得られた混合液から溶媒を除去する方法が挙げられる。また、混練時の温度は、好ましくは200〜400℃、さらに好ましくは240〜350℃である。
本発明に係る成形体は、上述の環状オレフィン系樹脂組成物を用いて形成され、光学部材として用いられる。前記成形体はそのまま光学部材として用いてもよいし、従来公知の方法に従って、適宜加工などを施してもよい。
れる。
溶液キャスト法とは、樹脂組成物を溶媒に溶解して該樹脂組成物の溶液を調製し、次いで、該溶液を支持体に塗工した後、該溶媒を乾燥させることによって、フィルム状またはシート状の成形体を得る方法である。また、溶融押出成形法とは、樹脂組成物を溶融状態で細い孔またはスリットから押し出して連続的にフィルム状またはシート状の成形体を得る方法である。
レンズなどの光学部材は、例えば、上述の環状オレフィン系樹脂組成物を射出成形して製造することができる。具体的には、上述の環状オレフィン系樹脂組成物からなるペレットを射出成形して得られる。
射出成形に使用される射出成形機としては、例えば、シリンダー方式としてはインライン方式、プリプラ方式;駆動方式としては油圧式、電動式、ハイブリッド式;型締め方式としては直圧式、トグル式;射出方向としては横型、縦型が挙げられる。
射出成形に使用される金型としては、公知の材質や構造を有し、目的とする成形体の形状に対応するキャビティーを有する金型が用いられる。金型の好ましい材質としては、通常の炭素鋼、ステンレス鋼、これらをベースにした公知の合金類が挙げられる。また、金型の表面に、焼き入れ処理、クロム、チタン、ダイヤモンドなどによる公知のコーティング処理;パターン加工のために、ニッケル系金属、銅合金などによる金属メッキを施してもよい。
射出成形の際、成形体のソリの低減や安定した連続成形を目的として、(1)金型内空隙を減圧する方法、または(2)射出圧縮成形方法が好適に用いられる。
内空隙で形成される成形体面を圧縮すればよい。
移温度)。また、射出速度は、目的とする成形体の大きさや射出成形機のシリンダー径により異なるが、例えば、シリンダー径が28mmの場合、通常は80mm/sec以上、好ましくは90〜250mm/secである。保圧および保圧時間は、成形体の形状が保持できる程度の最小圧および時間に適宜調整することが好ましい。
環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、DSC6200(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、昇温速度=毎分20℃・窒素気流下で測定し、微分示差走査熱量の最大ピーク温度(A点)および最大ピーク温度より−20℃の温度(B点)を示差走査熱量曲線上にプロットし、B点を起点とするベースライン上の接線とA点を起点とする接線との交点として求めた値である。
環状オレフィン系樹脂の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、東ソー(株)製、商品名:HLC−8020)を用いて、テトラヒドロフラン(THF)溶媒の条件下、ポリスチレン換算で測定した値である。
測定方法:ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法
標準物質:ポリスチレン換算
装置:東ソー(株)製、商品名:HLC−8020
カラム:東ソー(株)製ガードカラムHXL−H、TSK gel G7000HXL、TSK gel GMHXL 2本、TSK gel G2000HXLを順次連結したもの
溶媒:THF
サンプル濃度:0.7wt%
注入量;70μL
流速:1mL/min
出力23mWのレーザー(ネオアーク社製)を用い、波長405nmの青色光を光源から75mm離れた試験フィルムに照射した。この時の照射光の直径は、試験フィルムの照射面において100μmであった。試験フィルムを透過した青色光の強度をパワーメーター(ネオアーク社製)を用いて測定し、初期の強度から10%低下するまでの時間を測定した。
特定単量体(1)として8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン89重量部、ビシクロ[2.2.1]へプトー2−エン11重量部、分子量調節剤として1−ヘキセン35重量部、および溶媒としてトルエン200重量部を窒素置換した反応容器に加え、80℃に加熱した。
重量部を加え、80℃で1時間反応させることにより開環共重合体のトルエン溶液を得た。前記トルエン溶液に、さらにトルエン100重量部を加えて希釈を行った。
H5)3]3を0.04重量部加え、水素ガス圧を9〜10MPaとし、160〜165℃
の温度で3時間反応させた。
環状オレフィン系樹脂(A)13g、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)92mgを塩化メチレンに溶解し、減圧濾過(濾剤:ADVANTEC製GA200)した溶液を平滑な硝子製浴槽(内寸:幅260mm×奥行380mm×深さ5mm)にキャストした。得られたフィルムを前記浴槽から剥離後、100℃の真空乾燥機で乾燥して厚さ96μmの試験フィルムを得た。
実施例1において、環状オレフィン系樹脂(A)13gのみを塩化メチレンに溶解したこと以外は実施例1と同様にして、厚さ93μmの試験フィルムを得た。
Claims (3)
- 下記式(1)で表される単量体から導かれる構造単位を有する環状オレフィン系樹脂100重量部と、下記式(2)〜(4)で表される硫黄系安定剤および(5)下記式(ii)で表される基を少なくとも2つ有する硫黄系安定剤からなる群から選択される少なくとも1種の硫黄系安定剤0.05〜3重量部とを含有する環状オレフィン系樹脂組成物を用いて形成され、波長395〜420nmの光を使用する光学部材に用いる成形体。
およびR4は、一体化して2価の有機基を形成してもよく、R1〜R4のうち任意の2つは
、互いに結合して単環または多環を形成してもよい。mおよびnは、それぞれ独立に0または正の整数を表す。]
R−S−H・・・(2)
R−S−R・・・(3)
R−S−S−R・・・(4)
[式(2)〜(4)において、Rは硫黄原子以外のヘテロ原子を有してもよい炭素数1〜30の炭化水素基を表し、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
- 請求項1に記載の成形体からなるレンズ。
- 請求項1に記載の成形体からなるピックアップレンズ。
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2008
- 2008-11-20 JP JP2008296775A patent/JP2010121061A/ja active Pending
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