JP2007308695A - 樹脂組成物及びその硬化物を用いた光学部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐光性に十分優れ、特に近紫外域の光を照射しても着色が十分に防止される光学部材を形成可能な樹脂組成物を提供する。
【解決手段】重合性化合物を含有する樹脂組成物であって、分子内に炭素−硫黄結合又は酸素−硫黄結合を有する有機化合物を含有する樹脂組成物であり、この有機化合物は、スルホン骨格、スルファイト骨格、スルフェート骨格、スルホキシド骨格、スルホン酸エステル骨格、スルホン酸アミド骨格、スルホン酸ハロゲン化物骨格、スルトン骨格及びスルタム骨格からなる群より選ばれる1種以上の骨格を分子内に有する化合物である。
【選択図】なし
【解決手段】重合性化合物を含有する樹脂組成物であって、分子内に炭素−硫黄結合又は酸素−硫黄結合を有する有機化合物を含有する樹脂組成物であり、この有機化合物は、スルホン骨格、スルファイト骨格、スルフェート骨格、スルホキシド骨格、スルホン酸エステル骨格、スルホン酸アミド骨格、スルホン酸ハロゲン化物骨格、スルトン骨格及びスルタム骨格からなる群より選ばれる1種以上の骨格を分子内に有する化合物である。
【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂組成物及びその硬化物を用いた光学部材に関するものである。
光学部材は、透明基板、レンズ又は光導波路として用いられる部材や、発光ダイオード(LED)素子、フォトトランジスタ素子、フォトダイオード素子、固体撮像素子等の光半導体素子における透明部材として用いられる。
光・電子機器に組み込まれる光学部材用の樹脂としては、電子基板等への実装プロセスや高温動作下での耐熱性及び機械的特性が求められる。特に近年では、光・電子機器分野における用途でも、光学部材に高強度のレーザ光、青色光及び/又は近紫外光が照射されるため、その材料として、従来以上に耐光性、透明性及び耐熱性等に優れた樹脂が求められている。
従来、主に透明封止剤等の光学部材用樹脂としてエポキシ樹脂が多く用いられている。一般にエポキシ樹脂の硬化物は可視域での透明性は高いが、近紫外域に吸収があるため、青から近紫外域の光を照射すると黄色に着色しやすいという問題点がある(非特許文献1参照)。そこで、近紫外域の光を照射しても着色を防止できる樹脂を得る目的で、核水添を行なったビスフェノールAグリシジルエーテルを用いる手段が提案されている(例えば特許文献1参照。)。しかしながら、この手段によって得られる樹脂であっても、まだ着色の抑制は不十分であり、更なる耐光性の向上が求められている。
一方、汎用のカメラレンズ等には、従来、PMMAに代表されるアクリル樹脂が採用されている。PMMAは透明性及び耐光性に優れる一方、ガラス転移温度が低い、吸水率が高い、収縮率が大きい等の特性を有している。そのため、PMMAは、光半導体装置に組み込まれる光学部材の材料として用いられる場合、実装信頼性の点で問題を有している。
これに対して、特に脂環式アクリレートを含むアクリル樹脂や脂環式ポリオレフィン樹脂は、高い透明性、高いガラス転移温度及び低吸湿性等を有することが見出されている(非特許文献2参照)。その他、透明なポリイミド樹脂(非特許文献3参照。)やポリエステル樹脂(非特許文献4参照。)等も光学部材用の材料として開発されている。
特開2003−73452号公報
「白色LEDの高効率発光技術・寿命測定と照明機器の開発・展望」、技術情報協会セミナーテキスト、2003年3月24日発行
井出文雄、「ここまできた透明樹脂」、株式会社工業調査会、2001年3月1日発行、p60−66)
井上浩、「ポリイミドの現状と将来展望」、高分子、高分子学会、1997年、第46巻、8月号、p568
藤通昭、櫻井和郎、藤田昭英、「透明ポリマーの屈折率制御」、学会出版センター、1998年11月10日発行、p122
しかしながら、非特許文献2に記載された樹脂は、光化学的に不安定な3級炭素を有する脂環式構造を持つため、耐光性が十分ではないと推察される。また、非特許文献3、4に開示された樹脂は芳香環を含むため、やはり耐光性が十分ではないと推察される。したがって、上記非特許文献2〜4に記載されたものに代わって、確実に耐光性が高く、かつ耐熱性、透明性及び機械特性に優れ、しかも硬化収縮の小さい樹脂組成物の開発が求められている。
そこで、本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、耐光性に十分優れ、特に近紫外域の光を照射しても着色が十分に防止される光学部材を形成可能な樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、耐光性に十分優れ、特に近紫外域の光を照射しても着色が十分に抑制された光学部材を提供することを目的とする。
本発明は、重合性化合物を含有する樹脂組成物であって、分子内に炭素−硫黄結合又は酸素−硫黄結合を有する有機化合物を含有する樹脂組成物を提供する。本発明の樹脂組成物は、近紫外域の光を照射しても着色し難く耐光性に十分優れた硬化物を形成する。したがって、この樹脂組成物の硬化物は、優れた透光性が求められる光学部材の材料として用いられると、特に有用である。
また、本発明に係る樹脂組成物の硬化物は、光学的な透明性が高く、耐熱性及び機械的特性にも優れたものとなる。さらには、本発明の樹脂組成物は硬化する際の収縮率が低いため、硬化物が光・電子機器に組み込まれた場合に、寸法精度が高く、硬化収縮に起因する各種特性低下や破損も生じ難い。
上記有機化合物が上述の重合性化合物以外の化合物であると、本発明による効果を特に有効かつ確実に奏することができるので好ましい。この樹脂組成物において、上述の重合性化合物を重合して得られる樹脂が、所定の耐光性試験により着色するものであると好適である。このような重合性化合物を、上記有機化合物と共に樹脂組成物に含有すると、その有機化合物を含有しない場合に対する着色抑制効果が一層顕著なものとなる。
ここで、「所定の耐光性試験により着色する」樹脂とは下記のとおりに耐光性試験を行い、下記の基準を満足する樹脂をいう。
まず、重合性化合物を重合、硬化させて1mm厚の樹脂膜を得る。次いで、その樹脂膜に近紫外光(波長:365nm、照度:5000mW/cm2)を50時間照射する。この近紫外光の照射前の透過率(初期透過率)に対して、照射後の透過率が80%以下になった場合、その樹脂は「所定の耐光性試験により着色する」樹脂に該当する。
また、上記有機化合物は、上述の重合性化合物であってもよい。
本発明の樹脂組成物において、上述の有機化合物は、その分子内に酸素−硫黄結合を有する有機化合物であると好適である。これにより、樹脂組成物の硬化物に近紫外域の光を照射したり、あるいは加熱したりした場合に、その硬化物は着色が顕著に抑制され、耐光性及び耐熱性に特に優れたものとなる。
同様の観点から、上述の有機化合物は、スルホン骨格、スルファイト骨格、スルフェート骨格、スルホキシド骨格、スルホン酸エステル骨格、スルホン酸アミド骨格、スルホン酸ハロゲン化物骨格、スルトン骨格及びスルタム骨格からなる群より選ばれる1種以上の骨格を分子内に有する化合物であると更に好ましい。
本発明は、上述の樹脂組成物を硬化した硬化物を含む光学部材を提供する。この光学部材は、本発明の樹脂組成物を硬化した硬化物を含むため、近紫外域の光を照射しても、その着色は十分に抑制され、優れた耐光性を備えたものとなる。
本発明によれば、耐光性に十分優れ、特に近紫外域の光を照射しても着色が十分に防止される光学部材を形成可能な樹脂組成物を提供することができる。また、本発明は、耐光性に十分優れ、特に近紫外域の光を照射しても着色が十分に抑制された光学部材を提供することができる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。また、本明細書における「(メタ)アクリル」とは「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。
本発明の樹脂組成物は、重合性化合物を含有する樹脂組成物であって、分子内に炭素−硫黄結合又は酸素−硫黄結合を有する有機化合物(以下、これらをまとめて「硫黄含有化合物」という。)を含有するものである。
重合性化合物は、その化合物の光重合又は熱重合により得られる硬化物が、光学部材、特に透光性が求められる光学部材の材料として用いられる樹脂となるものであれば特に限定されない。そのような樹脂の中では、上述の所定の耐光性試験により着色する樹脂が好ましい。かかる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂及びトリアセチルセルロース樹脂であって、上述の所定の耐光性試験により着色する樹脂が挙げられる。すなわち、重合性化合物はこれらの樹脂を形成可能なものであることが好ましく、それらの樹脂を形成可能な重合性化合物として公知の化合物が具体例として挙げられる。
上記樹脂の中では、特に光学的な透明性(透光性)に優れており、しかも色相が光学部材に適している点から、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂及びポリウレタン樹脂が更に好ましい。
アクリル樹脂を形成する重合性化合物としては、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリレートが挙げられる。単官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート及びトリシクロデカン(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、多官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート及びエトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、これらの重合性化合物から得られるアクリルアクリレートオリゴマーを用いてもよい。上述の(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリレートは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
エポキシ樹脂は、水添ビスフェノールAグリシジルエーテル及び3,4−エポキシ−1−シクロヘキサン−1−イルメチル等の重合性化合物と、酸無水物等の硬化剤とを常法により反応させることによって得られる。酸無水物としては、例えば、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸及びドデセニル無水コハク酸等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ポリウレタン樹脂は、例えばイソシアネートとポリオールとを常法により反応させることによって得られる。イソシアネートとしては、例えば、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアナート変性イソシアヌレート骨格含有トリイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及び4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等が挙げられる。ポリオールとしては、例えば、ポリカプロラクトンジオール、ポリカプロラクトントリオール、ポリカプロラクトンテトラオール、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、1,4−ジメタノールシクロヘキサン、ポリカーボネートジオール、水酸基含有アクリル樹脂及びイソシアヌレート骨格含有ポリオール等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ポリイミド樹脂は、例えば酸無水物とジアミンとを常法により反応させることによって得られる。酸無水物としては、例えば、以下に示すテトラカルボン酸の二無水物が挙げられる。かかるテトラカルボン酸としては、例えば、ビス(エキソ−ビシクロ(2,2,1)ヘプタン−2,3−ジカルボン酸、3,3’,4,4’−ジシクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2,4,5−ノルボルネンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−テトラカルボキシビフェニル、2,2’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−テトラカルボキシビフェニル、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−テトラカルボキシジフェニルエ−テル、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−テトラカルボキシベンゾフェノン、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ベンゼン、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(ジカルボキシフェノキシ)(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(ジカルボキシフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン、2,2−ビス−{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス−{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビフェニル、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ジフェニルエーテル、ビス{(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、ビス{(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジメチルシラン、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸、メタ−ターフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、3,3’,4,4’−1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1−(2,3−ジカルボキシフェニル)−3−(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、(トリフルオロメチル)ピロメリット酸、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸、ジ(ペンタフルオロプロピル)ピロメリット酸、ペンタフルオロエチルピロメリット酸、ビス{3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェノキシ}ピロメリット酸及びジフルオロピロメリット酸等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ジアミンとしては、例えば、1,2−エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、cis−1,4−ジアミノシクロヘキサン、trans−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物、cis−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、trans−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン異性体混合物、1,3−ビス(アミノエチル)シクロヘキサン、オルトフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、2,4−トルエンジアミン、4,6−ジメチルメタフェニレンジアミン、2,4−ジアミノメシチレン、4−クロロメタフェニレンジアミン、5−ニトロメタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニル、3,3’−ジアミノジフェニル、3,4’−ジアミノジフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニル−6,6’−スルフォン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、2,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−(4,4’−アミノフェニル)プロパン、2,2−(3,4’−アミノフェニル)プロパン、2,2−(3,3’−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジフェニルスルフォン、3,3’−ジフェニルスルフォン、3,4’−ジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミド、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルフォン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルフォン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、4,10−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,5’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−5,5’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−(3,4’−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−(3,3’−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ジアミノ−2,4,5,6−テトラフルオロベンゼン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1−フェニル−1−トリフルオロメチル−1,1−ビス(4−アミノフェニル)メタン、1−フェニル−1−トリフルオロメチル−1,1−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)メタン及び4,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ポリエステル樹脂は、例えばジカルボン酸とジオールとを常法により重縮合することによって得られる。ジカルボン酸としては、例えば、m―フタル酸、p−フタル酸、1,6−ヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。また、ジオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、4−ヒドロキシフェノール及びビスフェノールフルオレンのエチレングリコール付加物などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ポリスチレン樹脂を形成する重合性化合物としては、例えば、スチレン、4−メチルスチレン及びα−メチルスチレン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ポリオレフィン樹脂を形成する重合性化合物としては、例えば、ノルボルネン、メチルノルボルネン及びカルボキシメチルノルボルネン等のノルボルネン化合物などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
シリコーン樹脂としては、例えば、ヒドロシリル基を有するシリコーン樹脂やビニル基を有するシリコーン樹脂などが挙げられる。ヒドロシリル基を有するシリコーン樹脂として、例えば、−(SiH(CH3)−O)−を繰り返し単位として有するヒドロメチルシリコーン、−(SiH2−O)−を繰り返し単位として有するジヒドロシリコーン、−(SiH(C6H5)−O)−を繰り返し単位として有するヒドロフェニルシリコーン等が挙げられる。また、ビニル基を有するシリコーン樹脂としては、例えば、メチルビニルシリコーン、フェニルビニルシリコーン、ジメチルシリコーンジフェニルエーテル、ジフェニルシリコーンジビニルエーテル及びフェニルメチルシリコーンジビニルエーテル等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
硫黄含有化合物としては、分子内に、(1)チオール骨格、(2)スルフィド骨格、(3)ジスルフィド骨格、(4)チオエステル骨格、(5)ジチオエステル骨格、(6)チオアミド骨格、(7)スルホン骨格、(8)スルファイト骨格、(9)スルフェート骨格、(10)スルホキシド骨格、(11)スルホン酸エステル骨格、(12)スルホン酸アミド骨格、(13)スルホン酸ハロゲン化物骨格、(14)スルトン骨格、又は(15)スルタム骨格を有する化合物が挙げられる。これらの骨格は1分子内に1つ又は2つ以上含まれる。なお、上記(1)〜(13)の各骨格の構造は、それぞれ下記式(1)〜(13)で表される。また、スルトン骨格はスルホン酸エステル骨格を有する環状の骨格であり、スルタム骨格はスルホン酸アミド骨格を有する環状の骨格である。
なお、本明細書において、「スルホン酸エステル骨格」はスルトン骨格を排除し、かつスルフェート骨格内に存在するものを除くものとする。「スルホン酸アミド骨格」はスルタム骨格を排除する。また、「スルホン骨格」は、スルフェート骨格、スルホン酸エステル骨格、スルホン酸アミド骨格、スルホン酸ハロゲン化物骨格、スルトン骨格及びスルタム骨格内に存在するものを除くものとする。さらには、「スルホキシド骨格」はスルファイト骨格内に存在するものを除く。また、「スルフィド骨格」はチオール骨格、チオエステル骨格、ジチオエステル骨格及びジスルフィド骨格内に存在するものを除く。
硫黄含有化合物は、樹脂組成物の硬化物が光を照射された際及び加熱された際の着色を一層抑制する観点から、分子内に酸素−硫黄結合を有する有機化合物であると好ましい。さらには、同様の観点から、硫黄含有化合物は、スルホン骨格、スルファイト骨格、スルフェート骨格、スルホキシド骨格、スルホン酸エステル骨格、スルホン酸アミド骨格、スルホン酸ハロゲン化物骨格、スルトン骨格及びスルタム骨格からなる群より選ばれる1種以上の骨格を分子内に有する化合物であると特に好ましい。
分子内にチオール骨格を有する化合物としては、例えば、ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、ノナンチオール及びデカンチオール等が挙げられる。また、分子内にスルフィド骨格を有する化合物としては、例えば、ジエチルスルフィド、ヘキシルメチルスルフィド等が挙げられる。さらに、分子内にジスルフィド骨格を有する化合物としては、例えば、ジメチルジスルフィド、ジエチルジスルフィド等が挙げられる。
また、分子内にチオエステル骨格を有する化合物としては、例えば、S−エチルペンタチオネート、O−エチルペンタチオネート等が挙げられる。また、分子内にジチオエステル骨格を有する化合物としては、例えば、エチル1−ピペリジンカルボジチオエート等が挙げられる。さらに、分子内にチオアミド骨格を有する化合物としては、例えば、2−チアゾールカルボチオアミド等が挙げられる。
分子内にスルホン骨格を有する化合物としては、例えば、メチルスルホン、ブチルスルホン等が挙げられる。また、分子内にスルファイト骨格を有する化合物としては、例えば、ジメチルスルファイト等が挙げられる。さらに、分子内にスルフェート骨格を有する化合物としては、例えば、例えばジメチルスルフェート等が挙げられる。
分子内にスルホキシド骨格を有する化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジn−ブチルスルホキシド等が挙げられる。また、分子内にスルホン酸エステル骨格を有する化合物としては、例えば、エチルメタンスルホネート等が挙げられる。さらに、分子内にスルホン酸アミド骨格を有する化合物としては、例えば、N,N−ジメチルメタンスルフォンアミド等が挙げられる。
分子内にスルタム骨格を有する化合物としては、例えば、1,4−ブタンスルタム等が挙げられる。
上記硫黄含有化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上述の硫黄含有化合物は、樹脂組成物中に、光学部材に必要とされる透光性等の各種特性に影響を及ぼさない範囲で任意の量を配合することができる。硫黄含有化合物の好適な配合量は、重合性化合物100質量部に対して0.01〜10質量部である。この配合量が0.01質量部より少なくなると、0.01〜10質量部にある場合と比較して、樹脂組成物の耐光性を向上する効果が小さくなる傾向にある。一方、この配合量が10質量部を超えると、0.01〜10質量部にある場合と比較して、樹脂組成物から当該化合物がブリードアウトしやすくなる傾向にある。
また、硫黄含有化合物は、重合性化合物であってもよい。この場合、樹脂組成物は、重合性化合物以外の上述の硫黄含有化合物を更に含んでもよく、含まなくてもよい。また、分子内に炭素−硫黄結合及び酸素−硫黄結合を有しない重合性化合物を更に含んでもよく、含まなくてもよい。分子内に炭素−硫黄結合又は酸素−硫黄結合を有する重合性化合物としては、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明の樹脂組成物は、上述の重合性化合物及び硫黄含有化合物の他に、必要に応じて他の成分を含有していてもよい。例えば、重合開始剤、溶媒、ヒンダードアミン系の光安定剤、フェノール系又はリン系の酸化防止剤、紫外線吸収剤、無機充填剤、有機充填剤、カップリング剤、及び重合禁止剤を樹脂組成物に添加することができる。また、成形性の観点からは、フィルム形成材、離型剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤等を樹脂組成物に添加してもよい。
以上説明した本実施形態の樹脂組成物は、その硬化物の耐光性が十分に高く、黄変などの着色が生じ難い。また、この樹脂組成物は硬化物が本来有する透光性も高く、耐熱性及び機械的特性にも優れた傾向にある。また、樹脂組成物を硬化する際の収縮率が小さい。
次に本発明の好適な実施形態に係る光学部材について説明する。図1は、光半導体装置であるチップ型の発光ダイオードの模式端面図である。発光ダイオード100は、発光素子としての発光ダイオード素子105と、発光ダイオード素子105を封止するように設けられた光学的に透明な封止材110とを備えている。発光ダイオード素子105は、ケース部材107により形成されたキャビティ部102の底部に配置されている。発光ダイオード素子105は、導電ペーストなどからなる接続層120を介してリードフレーム101aに電気的に接続されており、ワイヤー108を介してリードフレーム101bと電気的に接続されている。
この発光ダイオード100における光学部材である封止材110は、発光ダイオード素子105を外気から保護すると共に、蛍光体を含有(担持)する役割を主に担っている。封止材110は、本発明の樹脂組成物の硬化物を含んでいる。この封止材110を得るには、まずキャビティ部102内に溶液状の樹脂組成物を流し込んで充填する。次いで、必要に応じて蛍光体等の各種添加物を樹脂組成物に加えた後、樹脂組成物に露光及び/又は加熱処理を施す等、エネルギーを付与することにより重合性化合物を重合させる。こうして、樹脂組成物の硬化物である封止材110が得られ、発光ダイオード100が完成する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
例えば、本発明の光学部材は発光ダイオードにおける封止材に限定されない。例えば、本発明の光学部材は、フォトトランジスタ、フォトダイオード、固体撮像装置など、発光ダイオード以外の光半導体装置における封止材、あるいは、透明基板、各種レンズ、接着剤及び光導波路が挙げられる。
また、樹脂組成物は固体状の樹脂である重合性化合物と硫黄含有化合物の混練物であってもよい。この場合、樹脂組成物を加熱溶融して液状にしてから各種光学部材の形状に成形してもよい。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、各実施例の樹脂組成物は以下の原料を用いて調製された。
[重合性化合物]
TCDDA:トリシクロデカンジアクリレート(日立化成工業社製)
1,9−NDA:1,9−ノナンジオールジアクリレート(共栄社化学社製)
A−DCP:ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(商品名、新中村化学社製)
P−2M:ビス[2−(アクリルロイルオキシ)エチル]ホスフェート(商品名、共栄社化学社製)
FA−125M:ネオペンチルグリコールジメタクリレート(商品名、日立化成工業社製)
AA:下記合成方法によって得られたアクリルアクリレートオリゴマー
H−BADGE:水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製)
CEL2021:3,4‐エポキシ‐1‐シクロヘキサンカルボン酸3,4‐エポキシシクロヘキサン‐1‐イルメチル(商品名、ダイセル化学工業社製)
HN−5500F:メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(商品名、日立化学工業社製)
プラクセル303:ポリカプロラクトントリオール(商品名、ダイセル化学工業社製、重量平均分子量=300)
プラクセルPCL:ポリカプロラクトンジオール(商品名、ダイセル化学工業社製、重量平均分子量=1000)
タケネート600:1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(商品名、三井武田ケミカル社製)
GA−80:3,9−Bis[2−{3−(3−tert−butyl−4−hydroxy−5−methylphenyl)propionyl}−1,1−dimethylethyl]−2,4,8,10−tetraoxaspiro[5,5]undecane(商品名、三井化学社製)
TP−D:Pentaerythrityl tetrakis(3−laurylthiopropionate)(商品名、三井化学社製)
TCDDA:トリシクロデカンジアクリレート(日立化成工業社製)
1,9−NDA:1,9−ノナンジオールジアクリレート(共栄社化学社製)
A−DCP:ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(商品名、新中村化学社製)
P−2M:ビス[2−(アクリルロイルオキシ)エチル]ホスフェート(商品名、共栄社化学社製)
FA−125M:ネオペンチルグリコールジメタクリレート(商品名、日立化成工業社製)
AA:下記合成方法によって得られたアクリルアクリレートオリゴマー
H−BADGE:水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製)
CEL2021:3,4‐エポキシ‐1‐シクロヘキサンカルボン酸3,4‐エポキシシクロヘキサン‐1‐イルメチル(商品名、ダイセル化学工業社製)
HN−5500F:メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(商品名、日立化学工業社製)
プラクセル303:ポリカプロラクトントリオール(商品名、ダイセル化学工業社製、重量平均分子量=300)
プラクセルPCL:ポリカプロラクトンジオール(商品名、ダイセル化学工業社製、重量平均分子量=1000)
タケネート600:1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(商品名、三井武田ケミカル社製)
GA−80:3,9−Bis[2−{3−(3−tert−butyl−4−hydroxy−5−methylphenyl)propionyl}−1,1−dimethylethyl]−2,4,8,10−tetraoxaspiro[5,5]undecane(商品名、三井化学社製)
TP−D:Pentaerythrityl tetrakis(3−laurylthiopropionate)(商品名、三井化学社製)
[重合開始剤]
AIBN:アゾイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)
PBI:t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(商品名「パーブチルI」、日本油脂社製)
PX−4ET:テトラブチルフォスフォニウムジエチルフォスフォジチオネート(商品名、アルドリッチ社製)
AIBN:アゾイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)
PBI:t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(商品名「パーブチルI」、日本油脂社製)
PX−4ET:テトラブチルフォスフォニウムジエチルフォスフォジチオネート(商品名、アルドリッチ社製)
[硫黄含有化合物]
DMSO:ジメチルスルホキシド(和光純薬工業社製)
DMS:ジメチルサルファイト(リサーチケミカル社製)
MS:メチルスルホン(アルドリッチ社製)
BS:ブチルスルホン(アルドリッチ社製)
DBSO:ジ−n−ブチルスルホキシド(アルドリッチ社製)
DMSO:ジメチルスルホキシド(和光純薬工業社製)
DMS:ジメチルサルファイト(リサーチケミカル社製)
MS:メチルスルホン(アルドリッチ社製)
BS:ブチルスルホン(アルドリッチ社製)
DBSO:ジ−n−ブチルスルホキシド(アルドリッチ社製)
<アクリルアクリレートオリゴマーの合成>
反応容器中にトルエン1000質量部を入れ、窒素ガス雰囲気下、0.15MPa(1.5kgf/cm2)の加圧条件にて撹拌しながら140℃まで加熱した。140℃でメチルメタクリレート(和光純薬社製)58.7質量部、グリシジルメタクリレート(共栄社化学社製)41.3質量部、及びラウロリルパーオキシド(日本油脂社製)11.0質量部からなる成分111質量部を2時間で反応容器中に均一に滴下した。滴下終了後、更に4時間加熱して重合反応を進行させて、共重合体を合成した。得られた共重合体の重量平均分子量は4000であった。
反応容器中にトルエン1000質量部を入れ、窒素ガス雰囲気下、0.15MPa(1.5kgf/cm2)の加圧条件にて撹拌しながら140℃まで加熱した。140℃でメチルメタクリレート(和光純薬社製)58.7質量部、グリシジルメタクリレート(共栄社化学社製)41.3質量部、及びラウロリルパーオキシド(日本油脂社製)11.0質量部からなる成分111質量部を2時間で反応容器中に均一に滴下した。滴下終了後、更に4時間加熱して重合反応を進行させて、共重合体を合成した。得られた共重合体の重量平均分子量は4000であった。
得られた共重合体(メタクリル酸グリシジルエステル)におけるエポキシ基とアクリル酸におけるカルボン酸基との当量比が1:0.95となるように、共重合体1000質量部を収容した反応容器中にアクリル酸89質量部を添加した。さらに、トリフェニルフォスフィン5質量部及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.5質量部を反応容器中に添加した。次いで、大気圧下で、反応容器に空気を吹き込むと共に100℃で加熱しながら10時間攪拌して、アクリル基が導入された共重合体(酸価:1.5)の溶液(固形分50質量%)を得た。
次に、この共重合体を、その10倍量の貧溶媒(メタノール:水=50:50(質量比))に攪拌しながら滴下して、数時間静置させた。その後、上澄液を除去して得た沈殿物をTHFで溶解し、溶液を硫酸マグネシウムにより脱水してからろ過した。その溶液をエバポレータによりトルエン含有量が1質量%以下になるまで脱溶剤して、精製したアクリルアクリレートオリゴマーを得た。
(実施例1〜14、比較例1〜4)
上述の各成分を表1〜3に示す組成(質量部)で常温にて混合して、液状の樹脂組成物を得た。次いで、得られた樹脂組成物を窒素でバブリングした。続いて、樹脂組成物を1mm又は3mm厚のシリコーン製のスペーサーをガラス板で挟んだ型の中に流し入れ、60℃で5時間、85℃で1時間、125℃で2時間の順で加熱する条件にてオーブン中で加熱した。こうして、1mm厚又は3mm厚の板状の硬化物を得た。
上述の各成分を表1〜3に示す組成(質量部)で常温にて混合して、液状の樹脂組成物を得た。次いで、得られた樹脂組成物を窒素でバブリングした。続いて、樹脂組成物を1mm又は3mm厚のシリコーン製のスペーサーをガラス板で挟んだ型の中に流し入れ、60℃で5時間、85℃で1時間、125℃で2時間の順で加熱する条件にてオーブン中で加熱した。こうして、1mm厚又は3mm厚の板状の硬化物を得た。
(実施例15、16、比較例5)
上述の各成分を表2、3に示す組成(質量部)で常温にて混合して、液状の樹脂組成物を得た。続いて、樹脂組成物を1mm又は3mm厚のシリコーン製のスペーサーをガラス板で挟んだ型の中に流し入れ、100℃で1時間、125℃で1時間、150℃で1時間の順で加熱する条件にてオーブン中で加熱した。こうして、1mm厚又は3mm厚の板状の硬化物を得た。
上述の各成分を表2、3に示す組成(質量部)で常温にて混合して、液状の樹脂組成物を得た。続いて、樹脂組成物を1mm又は3mm厚のシリコーン製のスペーサーをガラス板で挟んだ型の中に流し入れ、100℃で1時間、125℃で1時間、150℃で1時間の順で加熱する条件にてオーブン中で加熱した。こうして、1mm厚又は3mm厚の板状の硬化物を得た。
(実施例17、比較例6)
上述の各成分を表2、3に示す組成(質量部)で混合して、その後5時間かけて室温で撹拌して液状の樹脂組成物を得た。次いで、得られた樹脂組成物を減圧脱気して、組成物中に残存していた気泡を取り除いた。続いて、樹脂組成物を1mm又は3mm厚のシリコーン製のスペーサーをガラス板で挟んだ型の中に流し入れ、60℃で5時間、85℃で1時間、125℃で2時間の順で加熱する条件にてオーブン中で加熱した。こうして、1mm厚又は3mm厚の板状の硬化物を得た。
上述の各成分を表2、3に示す組成(質量部)で混合して、その後5時間かけて室温で撹拌して液状の樹脂組成物を得た。次いで、得られた樹脂組成物を減圧脱気して、組成物中に残存していた気泡を取り除いた。続いて、樹脂組成物を1mm又は3mm厚のシリコーン製のスペーサーをガラス板で挟んだ型の中に流し入れ、60℃で5時間、85℃で1時間、125℃で2時間の順で加熱する条件にてオーブン中で加熱した。こうして、1mm厚又は3mm厚の板状の硬化物を得た。
[硬化物の特性評価]
〔耐光性評価〕
まず比較例1〜6に係る1mm厚の板状の硬化物に対して、スポットUV照射装置(商品名「SP−7」、ウシオ電機社製)を用いて、近紫外光(照射波長:365nm、照度:5000mW/cm2)を照射した。そして、目視にて黄変が認められた時点で近紫外光の照射を終了し、照射開始から照射終了までの時間を着色時間とした。また、照射前及び照射終了後の硬化物の透過率を、瞬間マルチ測光計(瞬間マルチ測定システム、大塚電子社製)を用いて測定した。着色時間及び透過率の結果を表6に示す。
〔耐光性評価〕
まず比較例1〜6に係る1mm厚の板状の硬化物に対して、スポットUV照射装置(商品名「SP−7」、ウシオ電機社製)を用いて、近紫外光(照射波長:365nm、照度:5000mW/cm2)を照射した。そして、目視にて黄変が認められた時点で近紫外光の照射を終了し、照射開始から照射終了までの時間を着色時間とした。また、照射前及び照射終了後の硬化物の透過率を、瞬間マルチ測光計(瞬間マルチ測定システム、大塚電子社製)を用いて測定した。着色時間及び透過率の結果を表6に示す。
次いで、実施例1〜17に係る1mm厚の硬化物に対して、比較例と同様にして近紫外光を照射した。この際、近紫外光の照射時間は、実施例1、2は比較例1、実施例3〜7は比較例2、実施例8〜12は比較例3、実施例13、14は比較例4、実施例15、16は比較例5、実施例17は比較例6の着色時間と同じ時間とした。照射終了後の硬化物を目視にて観察したところ、いずれの実施例の硬化物も着色は認められなかった。また、照射前及び照射終了後の硬化物について、比較例と同様にして透過率を測定した。結果を表4、5に示す。
〔ガラス転移温度の測定〕
まず、3mm厚の板状の硬化物から、3mm×3mm×20mmの寸法を有する直方体の試験片を切り出した。次いで、この試験片の5℃/分の昇温速度での熱膨張曲線を、熱機械分析装置を用いて測定し、熱膨張曲線の屈曲点からガラス転移温度を導出した。結果を表4〜6に示す。
まず、3mm厚の板状の硬化物から、3mm×3mm×20mmの寸法を有する直方体の試験片を切り出した。次いで、この試験片の5℃/分の昇温速度での熱膨張曲線を、熱機械分析装置を用いて測定し、熱膨張曲線の屈曲点からガラス転移温度を導出した。結果を表4〜6に示す。
〔曲げ強度の測定〕
まず、3mm厚の板状の硬化物から3mm×20mm×50mmの寸法を有する直方体の試験片を切り出した。次に、その試験片について、三点曲げ試験装置を用いてJIS−K−6911に準拠した3点支持による曲げ試験を行い、下記式(A)から曲げ強度を算出した。支点間距離は24mm、クロスヘッド移動速度は0.5mm/分、測定温度は室温で行った。結果を表4〜6に示す。
まず、3mm厚の板状の硬化物から3mm×20mm×50mmの寸法を有する直方体の試験片を切り出した。次に、その試験片について、三点曲げ試験装置を用いてJIS−K−6911に準拠した3点支持による曲げ試験を行い、下記式(A)から曲げ強度を算出した。支点間距離は24mm、クロスヘッド移動速度は0.5mm/分、測定温度は室温で行った。結果を表4〜6に示す。
100…発光ダイオード、101a、b…リードフレーム、102…キャビティ部、105…発光ダイオード素子、107…ケース部材、108…ワイヤー、110…封止材、120…接続層。
Claims (8)
- 重合性化合物を含有する樹脂組成物であって、分子内に炭素−硫黄結合又は酸素−硫黄結合を有する有機化合物を含有する樹脂組成物。
- 前記有機化合物は前記重合性化合物である、請求項1記載の樹脂組成物。
- 前記有機化合物は前記重合性化合物以外の化合物である、請求項1記載の樹脂組成物。
- 前記重合性化合物を重合して得られる樹脂が、所定の耐光性試験により着色するものである、請求項3記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物の硬化物は光学部材の材料として用いられるものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記有機化合物は、分子内に酸素−硫黄結合を有する有機化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記有機化合物は、スルホン骨格、スルファイト骨格、スルフェート骨格、スルホキシド骨格、スルホン酸エステル骨格、スルホン酸アミド骨格、スルホン酸ハロゲン化物骨格、スルトン骨格及びスルタム骨格からなる群より選ばれる1種以上の骨格を分子内に有する化合物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物を硬化した硬化物を含む光学部材。
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JP2007110747A JP2007308695A (ja) | 2006-04-19 | 2007-04-19 | 樹脂組成物及びその硬化物を用いた光学部材 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010121061A (ja) * | 2008-11-20 | 2010-06-03 | Jsr Corp | 光学部材に用いる成形体およびレンズ |
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-
2007
- 2007-04-19 JP JP2007110747A patent/JP2007308695A/ja active Pending
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