JP2844292B2 - 新規なアセテート繊維含有織編物の製造方法 - Google Patents

新規なアセテート繊維含有織編物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟で風合い良好な新
規なアセテート繊維含有織編物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、衣料用繊維分野においては、消費
者ニーズの多様化、高級化の流れにより、各種の天然、
化学繊維で様々な改質や改良が行われている。そしてア
セテート繊維についても、繊維断面、表面、糸形態等を
変化させ、光沢感や風合いの改良がなされてきている。
【0003】また、アセテート繊維を、セルロース繊維
におけるアルカリ処理や特公昭52−48236号公報
で提案の酵素処理と同様に、アルカリ処理や酵素処理す
る試みもあるが、アセテート繊維においては、アルカリ
処理により鹸化することにより減量すること可能である
が、繊維表面がセルロース化されアセテートでなくな
り、またセルロース繊維と異なりβ−グルコースの水酸
基がアセチル基に置換されているためセルロースの酵素
では分解減量は不可能である。さらに、アセテート繊維
を、抜蝕剤を含む糊液を印捺、熱処理して、抜蝕するこ
とも知られているが、これはアセテート繊維そのものを
分解除去してしまい改質には不適当である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アセテ
ート繊維を他の繊維と複合化し特定の処理と組み合わせ
るならば、アセテート繊維自体の改質を容易にするのみ
ならず、複合化による効果と相まって新規な効果を発現
しうる。本発明は、アセテート繊維の特性を保持しなが
ら、柔軟で滑らかな光沢と良好な風合いを有する新規な
アセテート繊維含有織編物を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、アセテート繊
維と他の繊維とからなる織編物をアルカリ化合物にて処
理して含有するアセテート繊維の表面を鹸化し、次いで
セルロースの分解酵素若しくは抜蝕剤にて処理して該鹸
化部の一部または全部を分解除去することを特徴とする
新規なアセテート繊維含有織編物の製造方法にある。
【0006】本発明における織編物とは、酢化度が45
〜59.5%のジアセテート繊維および酢化度が59.
5%を超えるトリアセテート繊維から選ばれるアセテー
ト繊維と他の繊維とからなる任意の複合化手段による織
編物をいい、他の繊維としては、ポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維、アクリル繊維等の合成繊維が好ましく用
いられる。特に、本発明においては、経糸または緯糸の
一方をアセテート繊維で構成し、他方を他の繊維で構成
した織物を用いることが好ましい。また、織編物でのア
セテート繊維の比率は、糸強度とアセテート繊維の改質
効果を考慮し任意に設定しうる。
【0007】本発明においては、かかるアセテート繊維
を含有する織編物をアルカリ化合物にて処理する必要が
ある。アルカリ処理に用いられるアルカリ化合物として
は、苛性ソーダ等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カル
シウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ソーダ等の
アルカリ金属塩が挙げられる。
【0008】アルカリ処理は、繊維の種類、改質の程度
即ち求める風合いの程度等により異なるが、織編物を含
有アセテート繊維に対しアルカリ化合物1〜40wt%
の水溶液に浸漬し、室温〜130℃の加温下で5〜12
0分処理し、織編物に含まれる少なくともアセテート繊
維の繊維表面を鹸化する。また、このアルカリ処理の
際、カチオン活性剤等の減量促進剤を併用することも可
能である。
【0009】次いで、本発明においては、アルカリ処理
された織編物を、セルロース分解酵素処理若しくはセル
ロース抜蝕剤処理することにより、織編物中のアセテー
ト繊維表面の鹸化により生成するセルロースを分解除去
する。
【0010】酵素処理に用いられるセルロース分解酵素
としては、セルロースを加水分解するセルラーゼであ
り、糸状菌のトリコデルマ属、アスペルギルス属等の起
源のものがあり、オノズカR−10(ヤクルト社製)、
メイセラーゼ(明治製菓社製)、セルクラスト1.5L
(ノボ社製)等の商品名で容易に入手しうる。
【0011】酵素処理は、アルカリ処理でのアセテート
繊維の鹸化の程度、求める風合いの程度等により異なる
が、アルカリ処理された織編物を酢酸等により調整した
pH3.5〜7.0のセルロース分解酵素1〜50g/
lの水溶液に浸漬し、20〜65℃で2〜240分処理
する。この酵素処理の程度により織編物中のアセテート
繊維の鹸化部の一部または全部が分解除去され減量化が
行われる。織編物に付着残留した酵素は、80℃以上の
熱水中に浸漬する等加熱することにより容易に失活させ
ることができる。
【0012】また、セルロース抜蝕剤処理する場合は、
用いられる抜蝕剤としては、セルロースを炭化、加水分
解する酸類が好ましく、硫酸、塩酸等の無機酸、硫酸水
素ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸第二鉄、硫酸ア
ンモニウム、硫酸亜鉛、硫酸第一錫等の硫酸塩、塩化第
一鉄、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、塩化マグネシウ
ム、塩化亜鉛、塩化コバルト、塩化第一銅、塩化第二
銅、塩化ニッケル、塩化第一錫、塩化第二錫等の塩化
物、塩素酸ナトリウム、塩素酸アルミニウム、塩素酸カ
リウム、亜塩素酸ナトリウム等の塩素酸塩類、硝酸クロ
ム、硝酸銅、硝酸亜鉛等の硝酸塩、蓚酸第一鉄、蓚酸第
二鉄、蓚酸第一錫等の蓚酸塩、酢酸亜鉛等の酢酸塩、燐
酸亜鉛等の燐酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸等の
有機酸が挙げられる。
【0013】抜蝕剤処理は、繊維の種類、抜蝕剤の種
類、改質の程度即ち求める風合いの程度により異なる
が、アルカリ処理された織編物を抜蝕剤0.5〜20w
t%の水溶液に浸漬し、或いはさらに加温する。この抜
蝕剤処理により織編物中のアセテート繊維の鹸化部の一
部または全部が分解除去され減量化が行われる。
【0014】一般に抜蝕剤の酸類は、アセテート繊維も
侵蝕するが、セルロースが酸類の作用に極めて鋭敏なた
めに、抜蝕剤水溶液の濃度、温度のコントロールにより
容易に鹸化部のセルロースのみを分解除去しうる。
【0015】本発明においては、かかるアルカリ処理と
酵素処理若しくは抜蝕剤処理によって織編物に含まれる
アセテート繊維の表層部を改質することにより、新規な
織編物となしうる。特に、本発明において、経糸または
緯糸の一方をアセテート繊維で構成し、他方を他の繊維
で構成した織物を用いることにより、意匠性に富み、し
かも新規な風合いを有する織物を得ることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 (実施例1) 酢化度56.9%のジアセテート長繊維(ブライト75
d/21f)を経糸に、ポリエステル長繊維の仮撚加工
糸(セミダル75d/36f)を緯糸に用い、経密度2
00本/インチ、緯密度83本/インチの5枚朱子織物
に製織し、精練、乾燥した。この織物を液流染色機を用
いて、ジアセテート長繊維に対し9wt%の苛性ソーダ
水溶液に浸漬し80℃で60分処理した後、常温で清水
で洗浄しアルカリを除去し、風乾した。このアルカリ処
理によりジアセテート長繊維の減量率が9.5wt%で
ある織物を得た。
【0017】次いで、このアルカリ処理織物を、セルク
ラスト1.5L(ノボ社製)5g/l、バイオアシスト
MT(森六社製ノニオン系浸透剤)5g/lを含むpH
4.8、53℃、浴比1:100の水溶液に120分浸
漬、撹拌した後、水洗し、80℃の熱水中に15分浸漬
し、のち乾燥した。得られた織物は、ジアセテート長繊
維が10.8wt%減量され、柔軟で滑らかな光沢を有
し、絹様の手触りを有するものであった。
【0018】(実施例2) 実施例1で得られたアルカリ処理織物を、硫酸水素ナト
リウム・1水和物(硫酸として34〜37%)を抜蝕剤
として用い、その5wt%水溶液に浸漬し、ニップして
液量で90wt%含浸させた後、130℃で10分間ス
チーミングして鹸化部のセルロースを分解し、水中で攪
拌し分解物を脱落除去して水洗後、乾燥した。得られた
織物は、ジアセテート長繊維が13.3wt%減量さ
れ、柔軟で滑らかな光沢を有し、絹様の手触りを有する
ものであった。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、アセテート繊維と他の
繊維を複合化することによる機能性や風合いの改良と共
に、織編物に含まれるアセテート繊維の酵素処理若しく
は抜蝕剤処理による新規な風合いの付与が可能で、柔軟
で滑らかな光沢を有し、絹様の手触りを有する織編物が
得られ、しかも、アセテート繊維の優れた発色性も併せ
有する織編物が得られる。またアセテート繊維と複合化
される他の繊維の前記処理による影響と組み合わされ、
従来にない全く新規な風合いの織編物を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜島 香 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60 号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究 所内 (56)参考文献 特開 平2−216282(JP,A) 特開 昭61−245367(JP,A) 特公 昭52−48236(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 16/00 D06M 11/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセテート繊維と他の繊維とからなる織
    編物をアルカリ化合物にて処理して含有するアセテート
    繊維の表面を鹸化し、次いでセルロースの分解酵素若し
    くは抜蝕剤にて処理して該鹸化部の一部または全部を分
    解除去することを特徴とする新規なアセテート繊維含有
    織編物の製造方法。
  2. 【請求項2】 織編物として経糸または緯糸の一方をア
    セテート繊維で構成し、他方を他の繊維で構成した織物
    を用いる請求項1記載の新規なアセテート繊維含有織編
    物の製造方法。
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