JP3186310B2 - アセテート繊維布帛の捲縮付与方法 - Google Patents

アセテート繊維布帛の捲縮付与方法

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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維軸方向に沿った超
微細な捲縮を付与するアセテート繊維布帛の捲縮付与方
法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、衣料用繊維分野においては、消費者
ニーズの多様化、高級化の流れにより、各種の天然・化
学繊維で様々な改質、改良が行われている。そして、ア
セテート繊維についても、繊維断面や表面、糸形態を変
化させ光沢感や風合の改良、高級化等がなされてきてい
る。特に、アセテート繊維においては、捲縮を形成する
手法しては、高速度の仮撚りスピンドル及びヒーターに
よって連続的に加熱、熱セット、解撚を行うものが主流
となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、仮撚に
よる手法では、繊維強度等が限定要因となり、超微細な
捲縮を形成させるのが困難である。仮撚方法以外で捲縮
を発現させる方法として、特公昭47−37205号公
報には、予備延伸後、膨潤水溶液に傾斜角を持たせて浸
漬し、ランダム捲縮を生じさせる方法が開示されてい
る。しかし、この方法は、大きな捲縮を得る方法として
は、適しているが、非常にミクロな捲縮を付与すること
ができなかった。すなわち、非常にミクロな捲縮を有し
た布帛を製造することができなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる従来の
問題点を解消し、繊維軸方向に沿った超微細な捲縮を有
するアセテート繊維布帛、特に、その超微細な捲縮によ
り、滑らかな光沢、絹様の手触りを有した風合の優れた
アセテート繊維布帛の捲縮付与方法を提案するものであ
る。
【0005】すなわち、本発明の要旨は、アセテート繊
維布帛をアルカリ水溶液に浸漬させて、繊維表面を鹸化
(セルロース化)し、次に、抜蝕剤の水溶液に浸漬させ
て、繊維表面のセルロース層を分解除去した後、96℃
以上の湿熱下で、加熱することにより、繊維軸方向に捲
縮を発現させるアセテート繊維布帛の捲縮付与方法であ
る。
【0006】本発明で用いるアルカリ水溶液として、苛
性ソーダなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウ
ムなどのアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ソーダなどの
アルカリ金属塩等の水溶液を用いることができる。ま
た、減量促進剤を併用することによって、分解しやすい
セルロースを生成することもできる。
【0007】また、本発明で用いる抜蝕剤とは、セルロ
ースを炭化、加水分解する酸類が好ましく、硫酸、塩酸
などの無機酸、硫酸水素ナトリウム、硫酸アルミニウ
ム、硫酸第二鉄、硫酸アンモニウム、硫酸亜鉛、硫酸第
一錫などの硫酸塩、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化アル
ミニウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化コバル
ト、塩化第一銅、塩化第二銅、塩化ニッケル、塩化第一
錫、塩化第二錫などの塩化物、塩素酸ナトリウム、塩素
酸アルミニウム、塩素酸カリウム、亜塩素酸ナトリウム
などの塩素酸塩類、硝酸クロム、硝酸銅、硝酸亜鉛など
の硝酸塩、修酸第一鉄、修酸第二鉄、修酸第一錫などの
修酸塩、酢酸亜鉛などの酢酸塩、燐酸亜鉛などの燐酸
塩、アルキルナフタレンスルホン酸などの有機酸などが
掲げられる。
【0008】一般に酸類はアセテート繊維も抜食する
が、セルロース繊維が本質的に酸の作用に極めて敏感な
ために、濃度及び温度条件のコントロールにより、セル
ロース繊維のみを分解、除去できる。
【0009】本発明では、繊維表面のセルロース層を抜
蝕剤で分解・除去した後、96℃以上の湿熱下で、加熱
することによって、捲縮を発現させることができる。こ
のような加熱方式としては、スチーム加熱処理、熱水中
への浸漬処理などの方法を用いることができる。すなわ
ち、捲縮を発現させるには、水分を含む雰囲気下で加熱
することが必須であり、乾熱加熱では捲縮が発現しな
い。また、本発明において、加熱温度も重要であり、9
6℃未満の加熱では、捲縮が全く発現しない。
【0010】特に、超微細な捲縮を発現させるには、9
9℃以上の熱水中に浸漬する方法が好ましく、処理時間
としては、2分以上加熱することが好ましい。この方法
によって、非常にミクロな捲縮が発現し、繊維軸方向に
沿って5000個/m以上のランダムな捲縮を有する布
帛を得ることができる。このような超微細な捲縮を持っ
た布帛は、滑らかな光沢、絹様の手触りを有し、今まで
にない風合を持ったアセテート繊維布帛となる。
【0011】本発明でいうアセテート系繊維とは、酢化
度が45〜59.5%のジアセテート繊維及び59.5
%以上のトリアセテート繊維のことをいう。また、本発
明でいうアセテート繊維布帛とは、織物、編物、不織布
のいずれであってもよい。さらに、本発明でいう捲縮と
は、繊維軸方向に沿って形成された捲縮の波形の隣あっ
た山と山の間を1単位としている。尚、形成された捲縮
数は、走査型電子顕微鏡写真より判定することができ
る。
【0012】本発明は、アセテート繊維布帛を用いて、
捲縮付与を行うものであるが、アセテート繊維を用い
て、本発明と同様な方法で、捲縮付与を行い、その後、
布帛を形成させることによっても、本発明の目的とする
非常にミクロな捲縮を付与したアセテート繊維布帛を得
ることができる。しかし、アセテート繊維で、本発明と
同様な鹸化処理、抜蝕処理、湿熱化の加熱処理を行って
捲縮を付与することは、非常に効率が悪く、また、非常
にミクロな捲縮を付与したアセテート繊維を布帛に形成
させることは、布帛形成の段階での工程通過性が悪くな
り、好ましくない。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0014】(実施例1)酢化度56.9のジアセテー
ト繊維からなる5枚朱子織物(経糸:ブライト75d/
21f、緯糸:ダル100d/27f、経密度200本
/インチ、緯密度87本/インチ)を6槽連続精練機に
て精練後乾燥し、次いで、布速40m/分、24°B
e’の苛性ソーダ水溶液に2デップ/2ニップし、遠赤
外線ヒーター間で予備乾燥後、100℃×4分のスチー
ミングを行い、オープンソーパー内で常温清水によりア
ルカリ除去後、120℃でシリンダー乾燥し、繊維表面
がセルロース化され、アルカリによる減量率が8.3重
量%である織物を得た。ついで、抜蝕剤として、市販の
硫酸水素ナトリウム・1水和物(H2SO4として34〜
37%)を用い、表面がセルロース化されたジアセテー
ト繊維織物を、該抜蝕剤のの10重量%水溶液に浸漬、
ニップし、60重量%含浸させた後、130℃で10分
間スチーミングし、表面のセルロース層を分解し、水中
で撹拌、溶脱させ、水洗後、100℃の熱水中にフリー
状態で10分間浸漬後乾燥した。得られた布帛は、繊維
軸方向に沿って、11,000個/mの超微細な捲縮を
有し、部分的には40,000個/mに相当する実撚り
部分も見られた。
【0015】(実施例2)実施例1における抜蝕剤の水
溶液を、市販の硫酸アルミニウム・14〜18水和物
[Al2(SO43の無水物として51〜57.5%]
の12重量%水溶液に変更して、実施例1と同様の処理
を行い、表面のセルロース層を分解・溶脱後、100℃
の熱水フリー処理を行なった。その結果8,000個/
mの超微細捲縮を持った布帛が得られた。
【0016】(実施例3)実施例1における抜蝕剤の水
溶液を、市販の硫酸第二鉄・水和物[Fe2(SO43
の無水物として60%]の4重量%水溶液に変更して、
実施例1と同様の処理を行い、表面のセルロース層を分
解・溶脱後、100℃の熱水フリー処理を行なった。そ
の結果9,500個/mの超微細捲縮を持った布帛が得
られた。
【0017】(比較例1)実施例1と同様な布帛を用い
て、実施例1と同様にアルカリ処理及び抜食処理を行っ
た。得られた布帛を乾熱下120℃で30分加熱した
が、この布帛には捲縮がほとんど生じていなかった。
【0018】(比較例2)実施例1と同様な布帛を用い
て、実施例1と同様にアルカリ処理及び抜食処理を行っ
た。得られた布帛を熱水中95℃で30分加熱したが、
この布帛には捲縮がほとんど生じていなかった。
【0019】
【発明の効果】本発明によって、従来の手法では形成す
ることが不可能なレベルの超微細な捲縮を有する改質ア
セテート繊維布帛を提供することが可能となり、その布
帛は超微細な捲縮により、滑らかな光沢、絹様の手触り
を有している、しかも、アセテート繊維自身の特徴であ
る優れた発色性も合わせ持っている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−151373(JP,A) 特開 昭57−56581(JP,A) 特開 昭57−21569(JP,A) 特開 昭61−34275(JP,A) 特開 昭49−134960(JP,A) 特公 昭47−37205(JP,B1) 特公 昭48−30997(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 11/00 - 11/84

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセテート繊維布帛をアルカリ水溶液に
    浸漬させて、繊維表面を鹸化(セルロース化)し、次
    に、抜蝕剤の水溶液に浸漬させて、繊維表面のセルロー
    ス層を分解除去した後、96℃以上の湿熱下で、加熱す
    ることにより、繊維軸方向に捲縮を発現させるアセテー
    ト繊維布帛の捲縮付与方法。
  2. 【請求項2】 捲縮発現を99℃以上の熱水中で行う請
    求項1記載のアセテート繊維布帛の捲縮付与方法。
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