JP3204915B2 - 改質アセテート繊維織物の製造方法 - Google Patents

改質アセテート繊維織物の製造方法

Info

Publication number
JP3204915B2
JP3204915B2 JP03498097A JP3498097A JP3204915B2 JP 3204915 B2 JP3204915 B2 JP 3204915B2 JP 03498097 A JP03498097 A JP 03498097A JP 3498097 A JP3498097 A JP 3498097A JP 3204915 B2 JP3204915 B2 JP 3204915B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
treatment
acetate
fiber
acetate fiber
woven fabric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03498097A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10237771A (ja
Inventor
睦生 山崎
尚美 伊藤
博美 保永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP03498097A priority Critical patent/JP3204915B2/ja
Publication of JPH10237771A publication Critical patent/JPH10237771A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3204915B2 publication Critical patent/JP3204915B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、改質アセテート繊
維織物の製造方法に関し、さらに詳しくは、繊維軸方向
に沿った微細な捲縮を有し且つ引っ張り強度が0.5g
/d以上であるアセテート繊維を含む改質アセテート繊
維織物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、衣料用繊維分野においては、消費
者ニーズの多様化、高級化の流れにより各種の天然繊維
・化学繊維で様々な改質、改良が行われている。アセテ
ート繊維についても、繊維断面や表面、糸形態を変化さ
せ光沢感や風合いの改良、高級化がなされている。ま
た、従来よりセルロース系天然繊維においては、セルロ
ース分解酵素により酵素処理を施すことにより減量を行
い表面の滑らかな柔軟な風合いに改質したり、吸湿性を
向上させる方法が、特公昭52―48236号公報で開
示され公知である。
【0003】アセテート繊維においては天然及び再生セ
ルロース繊維と異なり、β―グルコースの水酸基がアセ
チル基に置換されているためセルロース分解酵素(セル
ラーゼ)によって分解減量を行うことは不可能であった
が、本出願人は特開平5―272067号公報でアセテ
ート繊維をアルカリ処理して繊維表層をセルロース化し
た後、セルラーゼで該セルロース層を分解除去し効果的
な減量加工を行う方法を提案している。
【0004】また、アセテート繊維において捲縮を形成
する手法としては高速度の仮撚りスピンドル及びヒータ
ーによって連続的に加撚、熱セット、解撚を行うものが
主流となっている。しかしながら、仮撚りによる手法で
は、繊維強度が限定要因となり、微細な捲縮を形成させ
ることが困難である。仮撚り方法以外で捲縮を発現させ
る方法として、特公昭47―37205号公報にてアセ
テート長繊維糸条を予備延伸後、膨潤水溶液に傾斜角を
もたせて浸漬し、ランダム捲縮を生じさせる方法が開示
されている。しかし、この方法も大きな捲縮を得る方法
としては適しているが、微細な捲縮を形成することがで
きなかった。
【0005】本出願人は特開平6―184949号公報
にて、アセテート繊維表面をアルカリ化合物にてセルロ
ース化後、セルラーゼ処理にて該セルロース層を分解除
去し、次いで湿熱処理することで従来にない微細な捲縮
を発現させる手法を提案しているが、更に本出願人は特
開平7―82668号公報において、アセテート繊維表
面をセルロース化する際にアルカリ化合物に第4級アン
モニウム塩を添加することで、後工程の酵素処理時間の
大幅な短縮化を可能とし効率的に微細な捲縮加工を行う
技術を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上述べた手法でも、
アセテート繊維に非常に微細な捲縮を発現さすことは可
能であったが、緯糸のアセテート繊維に脆化を防止し
て、織物の強度を向上させることがさらに望まれてい
た。本発明の目的は、超微細な捲縮を有する改質アセテ
ート繊維であって、そのアセテート繊維の脆化を防止し
て引っ張り強度を向上させ、その超微細な捲縮により、
滑らかな光沢、絹様の手触りを有した風合いに優れ、且
つ、衣料用として十分な強度を有する改質アセテート繊
維織物の製造方法を提供するものである。
【0007】本発明の要旨は、少なくともアセテート繊
維を含む緯糸から構成される織物をアルカリ化合物を含
む水溶液にて拡布状態でアルカリ処理を行い、アセテー
ト繊維の表面をセルロース化した後、セルロース分解酵
素にて酵素処理して該セルロース化部を分解除去し、次
いで96℃以上の湿熱下で加熱することにより、繊維軸
方向に捲縮を発現させることを特徴とする改質アセテー
ト繊維織物の製造方法にある。
【0008】本発明でいうアセテート繊維とは、酢化度
45〜59.5%のジアセテート繊維のことをいう。ま
た、他の繊維としては混用可能且つ酵素処理にて脆化さ
れない繊維が望ましく、ポリエステル繊維、ポリアミド
繊維、アクリル繊維等の合成繊維が好ましく用いられ
る。また、アセテート繊維と他の繊維の比率は糸強度、
布帛強度とアセテート繊維の改質効果を考慮し任意に設
定しうる。
【0009】本発明でいうアセテート繊維織物を構成す
る緯糸は、アセテート繊維単独、アセテート繊維と他の
繊維からなる複合糸、アセテート繊維と他の繊維を任意
の比率で交織したもののいずれであってもよく、また経
糸については酵素処理により脆化されないものであれば
何ら限定するものではない。また、本発明でいうアセテ
ート繊維布帛は、アセテート繊維の改質の効果を十分発
揮させるためにも、アセテート繊維の混率が高い程良
く、好ましくは50%以上である。
【0010】また本発明では、少なくともアセテート繊
維を含む緯糸から構成される織物において、該織物に含
まれるアセテート繊維が繊維軸方向に沿った5000個
/m以上のランダムな捲縮を有し、且つ引っ張り強度が
0.5g/d以上であることが好ましい。
【0011】尚、本発明でいう捲縮とは繊維軸方向に沿
って形成された捲縮の波形の隣り合った山と山の間を1
単位としている。そして、形成された捲縮数は走査型電
子顕微鏡写真より判定することができる。
【0012】本発明でいう布帛を構成するアセテート繊
維の引っ張り強度は、織物を分解し糸条を分離した後、
公知の手法で測定できる。尚、糸条がアセテート繊維と
他の繊維からなる複合糸の場合は、織物から分離した糸
条から更にアセテート繊維のみを分離したのち同様に引
っ張り強度測定を行うことができる。また本発明におい
て、アセテート繊維の引っ張り強度が0.5g/d未満
であると、布帛の力学的特性(強度、耐磨耗性等)を維
持する上において好ましくない。
【0013】更にアルカリ化合物と第4級アンモニウム
塩を含む水溶液を使用することで、次いで行う酵素処理
時間を短縮化し効率的に捲縮を発現させるが可能とな
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明においては、まずアセテー
ト繊維表面をセルロース化する必要がある。その後、酵
素処理にて該セルロース化された部分を分解除去する必
要がある。尚、本発明ではアセテート繊維表面のセルロ
ース層の大部分を酵素処理にて分解除去した後に、96
℃以上の湿熱下で加熱処理することによって捲縮を発現
さすことができる。ここで捲縮を発現させるための加熱
方法として、スチーム加熱処理、熱水中への浸漬処理な
どの方法を用いることができる。即ち、捲縮を発現させ
るためには、水分を含む雰囲気下で加熱することが必須
であり、乾熱加熱では、捲縮は発現しない。また、本発
明において加熱温度も重要であり、96℃未満の加熱で
は、全く捲縮が発現しない。特に、微細な捲縮を発現さ
せるためには、100℃以上の熱水中に浸漬する方法が
好ましく、処理時間としては2分以上加熱する事が好ま
しい。
【0015】本発明でいうアルカリ化合物として、苛性
カリ、苛性ソーダ等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水
酸化物、炭酸水素ナトリウム、ソーダ灰等の強アルカリ
と弱酸の共役塩等があげられる。
【0016】本発明でいう第4級アンモニウム塩として
は、DYK―1125、DXY−10N(一方社製)、
マーセリンPES、マーセリンPEL、マーセリンPE
F(明成化学社製)、カチオゾールNS―11conc
(高松油脂社製)、ネオレートNCB(日華化学社
製)、シルファインPE(センカ社製)等の商品名で入
手しうるカチオン系の減量促進剤があげられる。
【0017】また本発明でいう拡布状態とは、織物の経
糸及び緯糸の双方とも鋭角的に折れ曲がった部分が存在
しないことを指し、例えば該状態でアルカリ処理を行う
ためには、アセテート繊維織物をアルカリ化合物を含む
水溶液に連続的にディップニップ(浸漬、圧搾)した
後、拡布状態で織物を連続的に移動できる連続蒸熱機、
連続高圧スチーマー等、それ以外としてアルカリ化合物
を含む水溶液にてジッガー染色機、ビーム染色機等を利
用して、織物をロール形態で処理することも可能であ
る。しかし、高速循環の液流染色機等を使用する場合、
織物がロープ状態になり、特に緯糸が任意の部分で鋭角
的に折れ曲がる度合いが高くなり好ましくない。
【0018】本発明において拡布状態でアルカリ処理を
行うことは、アセテート繊維の過度の脆化を抑制するた
めであり、つまりアセテート繊維がアルカリ化合物を含
む水溶液中で折れ曲がった状態で処理されると、該水溶
液中で膨潤したアセテート繊維の特に屈曲部は力学的に
ダメージを受けることで、必要以上にアルカリ化合物が
繊維内部まで浸透し過度の脆化を引き起こす原因となる
知見に基づくものである。尚、現在一般的に使用される
染色機はその構造上経糸に比較し緯糸が鋭角的に折れ曲
がることが多く注意を要する。
【0019】本発明のアルカリ処理の好ましい条件は、
アセテート繊維織物の改質の程度により異なるが、浸漬
処理の場合、上記の中から選ばれるアルカリ化合物2〜
40重量%(対アセテート繊維重)を含む水溶液を処理
剤とし、室温〜95℃の加温下で5〜120分の処理を
行いアセテート繊維表面のセルロース化を行う。
【0020】また連続蒸熱機等を用いた連続処理の場
合、ディップニップ工程における液のピックアップ量及
びアセテート繊維の改質の程度を考慮して用いるアルカ
リ化合物の水溶液濃度を設定する。その後の熱処理とし
ては乾熱及びスチーミングのいずれでも良く、室温〜1
80℃の加温下で5〜120分の処理を行い、アセテー
ト繊維の表面をセルロース化する。更に、同様のアルカ
リ化合物の水溶液をディプニップ工程により含浸させた
布帛をロール状に巻き取り、フィルム等で密閉後、室温
〜80℃にて1〜48時間エイジングすることでもアセ
テート繊維の表面をセルロース化することが可能であ
る。
【0021】また本発明において、アルカリ化合物の他
に第4級アンモニウム塩を0.5〜50g/l添加する
ことにより後工程である酵素処理を短縮化でき効率的に
行うことができる。
【0022】以上の方法により、アセテート繊維表面の
セルロース化を行うことができる。次いで、セルロース
分解酵素により酵素処理するが、本発明における処理に
用いられるセルロース分解酵素とはセルロースを加水分
解するセルラーゼであり、糸状菌のトリコデルマ属、ア
スペルギルス属等の起源のものがあり、オノズカR−1
0(ヤクルト社製)、メイセラーゼ(明治製菓社製)、
セルソフトL、セルソフトプラスL(ノボ社製)等の商
品名でセルロース分解酵素製剤として容易に入手しう
る。
【0023】セルロース分解酵素による処理は、鹸化
(セルロース化)の程度、求める改質の程度等により異
なるが、アセテート繊維の表面がセルロース化された織
物をpH3.5〜7.0、温度20〜65℃のセルロー
ス分解酵素(セルラーゼ)1〜50g/lの水溶液に浸
漬して、好ましくは攪拌しながら10〜240分間処理
を行う。この酵素処理によりアセテート繊維表面のセル
ロース層が分解除去される。布帛に付着残留した酵素
は、80℃以上の熱水中に浸漬する等加熱することで容
易に失活させることができる。
【0024】かかるアルカリ処理、酵素処理を行った
後、先に述べた96℃以上での湿熱処理、好ましくは1
00℃以上の熱水処理を行うことによりアセテート繊維
に5000個/m以上の微細且つランダムな捲縮を有
し、且つ該アセテート繊維の引っ張り強度が0.5g/
d以上であるアセテート繊維織物を得ることができる。
この様な織物は滑らかな光沢、絹様の光沢を有する。
【0025】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (実施例1)酢化度56.9%のジアセテート繊維から
なる5枚朱子織物(経糸;ブライト75d/21f、緯
糸;100d/27f、経密度;200本/インチ、緯
密度;87本/インチ)を6層連続精練機にて精練後乾
燥した。次いで同精練布を拡布状態で布速40m/分、
2ディップ2ニップ方式で100g/lの苛性ソーダ溶
液を織物に対して74重量%付着させ、遠赤外線ヒータ
ー間で予備乾燥後、連続蒸熱機を使用し100℃で4分
間のスチーミング処理を行い、オープンソーパー内で常
温の清水で洗浄後乾燥し、繊維表面がセルロース化され
減量率が7.9%である織物を得た。次いでこの処理布
をセルソフトL(ノボ社製セルロース分解酵素製剤)5
g/l、バイオアシストMT(森六社製ノニオン系界面
活性剤)5g/lを含む浴比1:50、53℃、pH
4.8の水溶液中で240分酵素処理し、直ちに水洗し
た後、80℃の熱水中で15分間処理し酵素の失活を行
った。乾燥後、100℃の熱水中に10分間フリー状態
で浸漬しその後乾燥した。本処理により8200個/m
に相当する微細な捲縮を有するアセテート繊維からなる
織物が得られた。次いで、微細な捲縮を有する該アセテ
ート繊維の経糸及び緯糸を分離し、引っ張り強度の測定
を行った結果、経糸、緯糸で各々0.71g/d、0.
69g/dであった。
【0026】(実施例2)実施例1と同様な精練布を拡
布状態で布速40m/分、2ディップ2ニップ方式で1
00g/lの苛性ソーダ溶液及び第4級アンモニウム塩
系のアルカリ減量促進剤であるマーセリンPEF(明成
化学社製)を20g/lを含む水溶液を織物に対して7
8重量%付着させ、ロール状に巻き取りポリエチレンシ
ートで密閉状態にて30℃で24時間エイジング後、オ
ープンソーパー内で常温の清水で洗浄後乾燥し、繊維表
面がセルロース化され減量率が8.2%である織物を得
た。次いでこの処理布をセルソフトL(ノボ社製セルロ
ース分解酵素製剤)5g/l、バイオアシストMT(森
六社製ノニオン系界面活性剤)5g/lを含む浴比1:
50、53℃、pH4.8の水溶液中で45分酵素処理
し、直ちに水洗した後、80℃の熱水中で15分間処理
し酵素の失活を行った。乾燥後、100℃の熱水中に1
0分間フリー状態で浸漬しその後乾燥した。本処理によ
り8400個/mに相当する微細な捲縮を有するアセテ
ート繊維からなる織物が得られた。次いで、微細な捲縮
を有する該アセテート繊維の経糸及び緯糸を分離し、引
っ張り強度の測定を行った結果、経糸、緯糸で各々0.
73g/d、0.68g/dであった。
【0027】(実施例3)実施例1と同様の精練布を、
ジッガー染色機を用い拡布状態で、8重量%(対織物重
量)の苛性ソーダを含む水溶液を処理剤として、30℃
から2℃/分の速度で昇温し80℃で60分間アルカリ
処理を行い、その後同染色機内で清水にて洗浄後乾燥し
た。本処理により繊維表面がセルロース化され、減量率
が8.3%である織物を得た。次いでこの処理布をセル
ソフトL(ノボ社製セルロース分解酵素製剤)5g/
l、バイオアシストMT(森六社製ノニオン系界面活性
剤)5g/lを含む浴比1:50、53℃、pH4.8
の水溶液中で攪拌しながら240分酵素処理し、直ちに
水洗した後、80℃の熱水中で15分間処理し酵素の失
活を行った。乾燥後、100℃の熱水中に10分間フリ
ー状態で浸漬しその後乾燥した。本処理により8800
個/mに相当する微細な捲縮を有するアセテート繊維か
らなる織物が得られた。次いで、微細な捲縮を有する該
アセテート繊維の経糸及び緯糸を分離し、引っ張り強度
の測定を行った結果、経糸、緯糸で各々0.72g/
d、0.67g/dであった。
【0028】(実施例4)実施例1と同様の精練布を、
ジッガー染色機を用い拡布状態で、8重量%(対織物重
量)の苛性ソーダ及び第4級アンモニウム塩のアルカリ
減量促進剤であるマーセリンPEF(明成化学社製)を
2g/l含む水溶液を処理剤として、30℃から2℃/
分の速度で昇温し55℃で30分間アルカリ処理を行
い、その後同染色機内で清水にて洗浄後乾燥した。本処
理により繊維表面がセルロース化され、減量率が8.5
%である織物を得た。次いでこの処理布をセルソフトL
(ノボ社製セルロース分解酵素製剤)5g/l、バイオ
アシストMT(森六社製ノニオン系界面活性剤)5g/
lを含む浴比1:50、53℃、pH4.8の水溶液中
で攪拌しながら30分酵素処理し、直ちに水洗した後、
80℃の熱水中で15分間処理し酵素の失活を行った。
乾燥後、100℃の熱水中に10分間フリー状態で浸漬
しその後乾燥した。本処理により9100個/mに相当
する微細な捲縮を有するアセテート繊維からなる織物が
得られた。次いで、微細な捲縮を有する該アセテート繊
維の経糸及び緯糸を分離し、引っ張り強度の測定を行っ
た結果、経糸、緯糸で各々0.74g/d、0.71g
/dであった。
【0029】(実施例5)酢化度56.9%のジアセテ
ート繊維(ブライト45d/34f)とポリエステル長
繊維延伸糸(セミダル30d/12f)との200t/
mの合撚糸を経糸に、そして緯糸として酢化度56.9
%のジアセテート繊維(ブライト100d/27f)と
ポリエステル長繊維延伸糸(セミダル100d/72
f)が一本交互で構成された5枚朱子織物(経密度20
0本/インチ、緯密度87本/インチ)を精練後乾燥し
た。該精練布を、ジッガー染色機を用い拡布状態で、
4.4重量%(対織物重量)の苛性ソーダ及び第4級ア
ンモニウム塩のアルカリ減量促進剤であるマーセリンP
EF(明成化学社製)を2g/l含む水溶液を処理剤と
して、30℃から2℃/分の速度で昇温し55℃で30
分間アルカリ処理を行い、その後同染色機内で清水にて
洗浄後乾燥した。本処理により繊維表面がセルロース化
され、減量率が4.6%である織物を得た。次いでこの
処理布をセルソフトL(ノボ社製セルロース分解酵素製
剤)5g/l、バイオアシストMT(森六社製ノニオン
系界面活性剤)5g/lを含む浴比1:50、53℃、
pH4.8の水溶液中で攪拌しながら30分酵素処理
し、直ちに水洗した後、80℃の熱水中で15分間処理
し酵素の失活を行った。乾燥後、100℃の熱水中に1
0分間フリー状態で浸漬しその後乾燥した。本処理によ
り8600個/mに相当する微細な捲縮を有するアセテ
ート繊維を含む織物が得られた。次いで、該織物から微
細な捲縮を有する該アセテート繊維の経糸及び緯糸を分
離し、引っ張り強度の測定を行った結果、経糸、緯糸で
各々0.75g/d、0.72g/dであった。
【0030】(比較例1)実施例1と同様の精練布を、
液流染色機を用い8重量%(対織物重量)の苛性ソーダ
を含む水溶液を処理剤として、30℃から2℃/分の速
度で昇温し80℃で60分間アルカリ処理を行い、その
後同染色機内で清水にて洗浄後乾燥した。本処理により
繊維表面がセルロース化され、減量率が8.3%である
織物を得た。尚、該アルカリ処理工程においては、織物
の緯糸が複数箇所で鋭角的に屈曲したロープ状態且つ屈
曲位置も移動しながら染色機中で350m/分の速度で
循環していた。次いでこの処理布をセルソフトL(ノボ
社製セルロース分解酵素製剤)5g/l、バイオアシス
トMT(森六社製ノニオン系界面活性剤)5g/lを含
む浴比1:50、53℃、pH4.8の水溶液中で攪拌
しながら240分酵素処理し、直ちに水洗した後、80
℃の熱水中で15分間処理し酵素の失活を行った。乾燥
後、100℃の熱水中に10分間フリー状態で浸漬しそ
の後乾燥した。本処理により8100個/mに相当する
微細な捲縮を有するアセテート繊維からなる織物が得ら
れた。次いで、微細な捲縮を有する該アセテート繊維の
経糸及び緯糸を分離し、引っ張り強度の測定を行った結
果、経糸、緯糸で各々0.55g/d、0.16g/d
であった。
【0031】(比較例2)実施例1と同様の精練布を、
液流染色機を用い8重量%(対織物重量)の苛性ソーダ
及び第4級アンモニウム塩であるアルカリ減量促進剤の
マーセリンPEF(明成化学社製)を2g/lを含む水
溶液を処理剤として、30℃から2℃/分の速度で昇温
し55℃で30分間アルカリ処理を行い、その後同染色
機内で清水にて洗浄後乾燥した。本処理により繊維表面
がセルロース化され、減量率が8.4%である織物を得
た。尚、該アルカリ処理工程においては、織物の緯糸が
複数箇所で鋭角的に屈曲したロープ状態且つ屈曲位置も
移動しながら染色機中で350m/分の速度で循環して
いた。次いでこの処理布をセルソフトL(ノボ社製セル
ロース分解酵素製剤)5g/l、バイオアシストMT
(森六社製ノニオン系界面活性剤)5g/lを含む浴比
1:50、53℃、pH4.8の水溶液中で攪拌しなが
ら30分酵素処理し、直ちに水洗した後、80℃の熱水
中で15分間処理し酵素の失活を行った。乾燥後、10
0℃の熱水中に10分間フリー状態で浸漬しその後乾燥
した。本処理により8400個/mに相当する微細な捲
縮を有するアセテート繊維からなる織物が得られた。次
いで、微細な捲縮を有する該アセテート繊維の経糸及び
緯糸を分離し、引っ張り強度の測定を行った結果、経
糸、緯糸で各々0.55g/d、0.19g/dであっ
た。
【0032】(比較例3)実施例1で用いたと同じ精練
布を、実施例1と同じ条件でアルカリ処理及び酵素処理
を行った。得られた処理布を乾熱下120℃で30分間
加熱したが、この布帛には捲縮が生じていなかった。
【0033】(比較例4)実施例1で用いたと同じ精練
布を、実施例1と同じ条件でアルカリ処理及び酵素処理
を行った。得られた処理布を熱水中95℃で30分間加
熱したが、この布帛には捲縮が殆ど生じていなかった。
【0034】
【発明の効果】本発明の改質アセテート繊維織物の製造
方法は、捲縮を発現させるための特別な装置を必要とせ
ずに、アセテート繊維の脆化を防止して引っ張り強度を
向上させることができる。さらに、アルカリ処理時に第
4級アンモニウム塩を添加することにより、酵素処理時
間を大幅に短縮化することができるため、生産性良く該
織物を得ることができる。また、本発明の製造方法で得
られる改質アセテート繊維織物は、微細な捲縮を有する
ユニークな布帛であり、捲縮による意匠面及び風合い面
の効果的な改質が可能であり、且つ該微細な捲縮を有す
るアセテート繊維は引っ張り強度が0.5g/d以上で
あり力学的特性も良好である。しかも、本発明のアセテ
ート繊維の捲縮は、繊維軸方向に沿って5000個/m
以上のランダムで非常に微細なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−82668(JP,A) 特開 平6−184949(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 16/00 D06M 11/00 - 11/84

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともアセテート繊維を含む緯糸か
    ら構成される織物をアルカリ化合物を含む水溶液にて拡
    布状態でアルカリ処理を行い、アセテート繊維の表面を
    セルロース化した後、セルロース分解酵素にて酵素処理
    して該セルロース化部を分解除去し、次いで96℃以上
    の湿熱下で加熱することにより、繊維軸方向に捲縮を発
    現させることを特徴とする改質アセテート繊維織物の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ処理の水溶液が第4級アンモニ
    ウム塩を含む水溶液である請求項1記載の改質アセテー
    ト繊維織物の製造方法。
  3. 【請求項3】 捲縮発現を100℃以上の熱水中で行う
    請求項1または請求項2記載の改質アセテート繊維織物
    の製造方法。
JP03498097A 1997-02-19 1997-02-19 改質アセテート繊維織物の製造方法 Expired - Fee Related JP3204915B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03498097A JP3204915B2 (ja) 1997-02-19 1997-02-19 改質アセテート繊維織物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03498097A JP3204915B2 (ja) 1997-02-19 1997-02-19 改質アセテート繊維織物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10237771A JPH10237771A (ja) 1998-09-08
JP3204915B2 true JP3204915B2 (ja) 2001-09-04

Family

ID=12429304

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03498097A Expired - Fee Related JP3204915B2 (ja) 1997-02-19 1997-02-19 改質アセテート繊維織物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3204915B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100471004B1 (ko) * 2000-03-27 2005-03-07 에스케이케미칼주식회사 레이온 섬유, 섬유제품, 필름 및 이들의 제조방법
KR100472387B1 (ko) * 2002-07-11 2005-03-08 에스케이케미칼주식회사 권축성 셀룰로오스 섬유의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10237771A (ja) 1998-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3065850B2 (ja) 複合糸の改質方法
JP3204915B2 (ja) 改質アセテート繊維織物の製造方法
JP3081782B2 (ja) 改質セルロースアセテート繊維の製造方法
JP2909690B2 (ja) 改質アセテート繊維布帛の製造方法
JP2844293B2 (ja) アセテート繊維含有織編物の加工方法
JP2802358B2 (ja) アセテート繊維布帛の改質方法
JP3168168B2 (ja) 印捺柄を有する改質アセテート繊維布帛及びその製造方法
JP3312965B2 (ja) アセテート系繊維布帛及びその製造方法
JP3163288B2 (ja) 改質アセテート繊維布帛
JP2844307B2 (ja) 改質アセテート繊維布帛の製造方法
JPH02216282A (ja) セルロース系繊維構造物の減量加工方法
JP2739163B2 (ja) 改質アセテート繊維布帛の製造方法
JP3874518B2 (ja) シボ織物およびその製造方法
JPH02175975A (ja) パイナップル繊維含有繊維構造物の防縮毛羽防止加工方法
JP3186310B2 (ja) アセテート繊維布帛の捲縮付与方法
JPH01104872A (ja) 防縮性絹織物の製造法
JP3179241B2 (ja) 糸条の捲縮付与方法
JP2001234464A (ja) セルロース系繊維の改質方法
JPH10259568A (ja) 改質アセテート繊維織編物及びその製造方法
CN117188150A (zh) 一种可机洗真丝或含丝织物及其防灰伤整理工艺
JPH06212558A (ja) セルロース系繊維撚糸織物の加工方法
JPH09137387A (ja) 抗ピリング性及びピーチスキン加工性に優れた溶剤紡糸セルロース系繊維、その繊維構造物及びその製造方法
JP2003253542A (ja) 交織物およびその製造方法
JPH09137384A (ja) 抗ピリング性及びピーチスキン加工性に優れた溶剤紡糸セルロース系繊維、その繊維構造物及びその製法
JPH08284072A (ja) 繊維構造物の薄起毛調仕上加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees