JP2802358B2 - アセテート繊維布帛の改質方法 - Google Patents

アセテート繊維布帛の改質方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アセテート繊維布帛の
改質方法に係わり、更に詳しくは、布帛を構成するアセ
テート繊維に微細な捲縮、及び、柔軟な風合いを付与す
るアセテート繊維布帛の改質方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、衣料用繊維分野においては、消費
者ニーズの多様化、高級化の流れにより各種の天然繊維
・化学繊維で様々な改質、改良が行われている。そし
て、アセテート繊維についても、繊維断面や表面、糸形
態を変化させ光沢感や風合いの改良、高級化がなされて
きている。
【0003】従来より、セルロース系天然繊維において
は、酵素処理を施すことにより減量を行い表面の滑らか
な柔軟な風合いに改質したり、吸湿性を向上させる方法
は、特公昭52−48236号公報で開示され公知であ
る。しかしながら、アセテート繊維においては、セルロ
ース系繊維と異なりβ−グルコースの水酸基がアセチル
基に置換されているためセルロース分解酵素(セルラー
ゼ)によって分解減量を行うことは不可能である。ま
た、アセテート系繊維をアルカリ処理してアセチル基を
水酸基に置換させ鹸化することにより減量を行うことも
可能であるが、この場合、繊維表面が鹸化によりセルロ
ース化されてしまい、表面がアセテートのままである繊
維を得ることは不可能である。
【0004】一方、アセテート繊維において捲縮を形成
する手法としては高速度の仮撚りスピンドル及びヒータ
ーによって連続的に加撚、熱セット、解撚を行うものが
主流となっている。しかしながら、仮撚りによる手法で
は、繊維強度等が限定要因となり、微細な捲縮を形成さ
せるのが困難である。仮撚り方法以外で捲縮を発現させ
る方法として、特公昭47−37205号公報にはアセ
テート長繊維糸条を予備延伸後、膨潤水溶液に傾斜角を
持たせて浸漬し、ランダム捲縮を生じさせる方法が開示
されている。しかし、この方法も大きな捲縮を得る方法
としては適しているが、微細な捲縮を形成することがで
きなかった。いずれにせよ、上記2種の手法は、糸条の
段階で捲縮を付与するものであるため、次いで織編物等
の布帛を形成する工程が必要であるので、非効率的であ
るだけでなく、得られる捲縮は、比較的大きなものであ
り、非常に微細な捲縮を有する布帛を得ることはできな
かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来の問題点を解消し、アセテート繊維に、酵素処理
で減量加工を行うことを可能にし、しかも、従来、得ら
れなかった微細な捲縮を付与した意匠性の高いアセテー
ト系繊維布帛を提供することにある。すなわち、糸条に
捲縮処理を施すことなく、形成された布帛を用い、後加
工により、減量加工及び捲縮付与を行うことにより、今
までにない微細な捲縮を持った意匠性の高いアセテート
繊維布帛を、生産性良く得る方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、アセテ
ート繊維を含む布帛をアルカリ化合物と第4級アンモニ
ウム塩を含む処理剤で処理して、少なくともアセテート
繊維表面を鹸化し、次いでセルロース分解酵素にて、酵
素処理して鹸化部の一部または全部を分解除去した後、
96℃以上の湿熱下で加熱処理することにより、アセテ
ート繊維に捲縮を付与することを特徴とするアセテート
繊維布帛の改質方法である。
【0007】本発明でいうアセテート繊維系布帛とは、
アセテート繊維単独からなる布帛でも良く、また、アセ
テート繊維と他の繊維からなる複合糸で構成される布帛
でも良い。さらに、アセテート繊維を縦糸または緯糸に
用い、他の繊維を緯糸または縦糸に用いるアセテート繊
維と他の繊維からなる交織物でも良く、アセテート繊維
と他の繊維からなる交編物でも良い。
【0008】本発明でいうアセテート繊維とは、酸化度
45〜59.5%のジアセテート繊維のことをいう。特
に、アセテート繊維は、合成繊維に比べて、強度、伸度
が低いため、布帛を構成する時は、アセテート繊維単独
でなく、他の繊維を併用することが望ましい。また、他
の繊維として、ポリエステル系、アクリル系などの合成
繊維が好ましい。
【0009】また、本発明でいう、微細な捲縮とは、繊
維軸方向に沿って5000個/m以上のランダムな捲縮
をさす。このような、微細な捲縮によって、今までにな
い、意匠性を高めた布帛とすることができる。
【0010】なお、捲縮数は、繊維軸方向に沿って形成
された捲縮の波形の隣り合った山と山の間を1単位とし
て、走査型電子顕微鏡写真より判定することができる。
【0011】本発明においては、まず、かかるアセテー
ト繊維布帛の少なくとも表面を鹸化する必要があり、鹸
化するための処理剤として、アルカリ化合物と第4級ア
ンモニウム塩を含む処理剤を用いる。このアセテート繊
維布帛の鹸化は、本発明で用いる酵素がセルロースを分
解する酵素であることより、一旦アセテート繊維布帛の
アセチル基を水酸基に置換しセルロース化するためのも
のである。本発明において、鹸化自体は主としてアルカ
リ化合物の作用によるものであるが、アルカリ化合物に
第4級アンモニウム塩を併用して鹸化処理すると、後の
処理である酵素処理において減量速度を向上させ著しい
好結果を与えるという知見に基づくものである。
【0012】鹸化処理時に第4級アンモニウム塩を併用
しないでも、後の酵素処理を行うことは可能であるが、
その場合、酵素処理の処理時間は、通常2時間を越える
ような長時間の処理を行う必要があった。本発明では、
好ましくは2時間以内、さらに好ましくは30分以内に
酵素処理時間を短縮することができる。
【0013】尚、本発明では、アセテート繊維表面のセ
ルロース層の大部分を酵素で分解除去した後に、96℃
以上の湿熱下で加熱することによって捲縮を発現さすこ
とができる。ここで、捲縮を発現させるための加熱方法
として、スチーム加熱処理、熱水中への浸漬処理などの
方法を用いることができる。すなわち、捲縮を発現させ
るためには、水分を含む雰囲気下で加熱することが必須
であり、乾熱加熱では、捲縮が発現しない。また、本発
明において加熱温度も重要であり、96℃未満の加熱で
は、捲縮が全く発現しない。
【0014】特に、微細な捲縮を発現させるには、10
0℃以上の熱水中に浸漬する方法が好ましく、処理時間
としては2分以上加熱することが好ましい。
【0015】本発明における鹸化処理に用いられるアル
カリ化合物としては、苛性カリ、苛性ソーダ等のアルカ
リ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸水素ナトリウ
ム、ソーダ灰等の強アルカリと弱酸の共役塩等が挙げら
れる。また、併用される第4級アンモニウム塩として
は、DYK−1125、DXY−10N(一方社製)、
マーセリンPES、マーセリンPEL、マーセリンPE
F(明成化学社製)、カチオゾールNS−11conc
(高松油脂社製)、ネオレートNCB(日華化学社
製)、シルファインPE(センカ社製)等の商品名で入
手しうるカチオン活性剤が挙げられる。
【0016】鹸化処理は、繊維の種類、改質の程度即ち
求める風合いの程度により異なるが、アルカリ化合物を
2〜40重量%(対ジアセテート繊維)、第4級アンモ
ニウム塩を0.5〜12g/l含む水溶液を処理剤とし
室温〜130℃の加温下で5〜120分アセテート繊維
布帛を処理し、繊維の少なくとも表面を鹸化する。
【0017】本発明における酵素処理に用いられるセル
ロース分解酵素としては、セルロースを加水分解するセ
ルラーゼであり、糸状菌のトリコデルマ属、アスペルギ
ルス属等の起源のもがあり、オノズカR−10(ヤクル
ト社製)、メイセラーゼ(明治製菓社製)、セルクラス
ト1.5L(ノボ社製)等の商品名で容易に入手しう
る。
【0018】酵素処理は、鹸化の程度、求める風合いの
程度等により異なるが、鹸化されたアセテート繊維布帛
をpH3.5〜7.0のセルラーゼ1〜50g/lの水
溶液で20〜65℃で2〜180分処理する。この処理
時間は、鹸化処理での第4級アンモニウム塩の併用によ
り短縮されたものであり、30分以下でも実用上充分満
足しうる効果を得ることができる。この酵素処理の程度
によりアセテート繊維布帛の鹸化部の一部または全部が
分解除去され減量化が行われる。繊維に付着残留した酵
素は、80℃以上の熱水中に浸漬する等加熱することに
より容易に失活させることができる。
【0019】本発明においては、アルカリ化合物と第4
級アンモニウム塩を含む処理剤での鹸化によって、酵素
処理時の減量速度が大きく向上する。この理由は明確で
はないが、アルカリ化合物と第4級アンモニウム塩の処
理によって鹸化されて形成されたセルロースが、アルカ
リ化合物のみによって形成されたセルロースよりも、酵
素処理液の浸透し易い構造となっているか、重合度の低
いものとなっているためと考えられる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中でいうアルカリ処理減量率は、アル
カリ処理時のみの減量率であり、また、酵素処理減量率
は、酵素処理時のみ減量率である。
【0021】(実施例1〜5)酢化度56.9%のジア
セテート繊維からなる5枚朱子織物(経糸:ブライト7
5d/21f、緯糸:ダル100d/27f、経密度:
200本/インチ、緯密度:87本/インチ)を6槽連
続精練機にて精練後乾燥した。この精練布を浴比1:2
0、10重量%(対ジアセテート繊維)の苛性ソーダ及
び第4級アンモニウム塩のアルカリ減量促進剤であるマ
ーセリンPEF(明成化学社製)を2g/l含む溶液中
に投入し、30℃から2℃/分の速度で昇温し80℃で
60分鹸化処理して繊維表面が完全にセルロース化され
た処理布をそれぞれ得た。この時のアルカリ処理減量率
は10.5%であった。次いで、これらの処理布を酵素
のセルクラスト1.5L(ノボ社製)5g/l、バイオ
アシストMT(森六社製ノニオン系浸透剤)5g/lを
含む浴比1:50、53℃、pH4.8の水溶液中で攪
拌しながら、10分、30分、60分、120分、及び
240分それぞれ酵素処理し、直ちに水洗した後、10
0℃の熱水中に10分間、フリー状態で浸漬し、その後
乾燥処理した。重量法にてこれらの処理布の酵素処理減
量率と電子顕微鏡による捲縮数をを測定し、表1に示す
ような結果を得た。
【0022】(比較例1〜5)実施例1〜5で用いたと
同じ精練布を浴比1:20、10重量%(対ジアセテー
ト繊維)の苛性ソーダ溶液中に投入し、30℃から2℃
/分の速度で昇温し80℃で60分鹸化処理した。得ら
れた布のアルカリ処理減量率は10.2%であった。次
いで、この処理布を実施例1〜5と同じ条件にて酵素処
理した。重量法にて得られた処理布の酵素処理減量率と
電子顕微鏡による捲縮数を測定し、表1に示すような結
果を得た。
【0023】
【表1】 捲縮発現性:○=良好,△=普通,×=不良 注1):捲縮を発現している部分と発現していない部分
が混在している。
【0024】(実施例6〜8) 実施例1〜5で用いたと同じ精練布を70g/lの苛性
ソーダを含む溶液、及び第4級アンモニウム塩のアルカ
リ減量促進剤であるマーセリンPEF(明成化学社製)
を2g/l含む溶液に、1ディップ/1ニップ処理を行
った後、100℃、2分間のスチーミングを行い、次い
で、水洗し、繊維表面がセルロース化されたアルカリ処
理減量率が7.1%の処理布を得た。次に、これらの処
理布を酵素のセルクラスト1.5L(ノボ社製)5g/
l、バイオアシストMT(森六社製ノニオン系浸透剤)
5g/lを含む浴比1:50、53℃、pH4.8の水
溶液中で攪拌しながら、30分、60分、及び240
それぞれ酵素処理し、直ちに水洗した後、100℃の熱
水中に10分間、フリー状態で浸漬し、その後乾燥処理
した。重量法にてこれらの処理布の酵素処理減量率と電
子顕微鏡による捲縮数を測定し、表2に示すような結果
を得た。
【0025】(比較例6〜8) 実施例1〜5で用いたと同じ精練布を70g/lの苛性
ソーダを含む溶液に、1ディップ/1ニップ処理を行っ
た後、100℃、2分間のスチーミングを行い、次い
で、水洗し、繊維表面がセルロース化されたアルカリに
よる減量率が7.0%の処理布を得た。次に、これらの
処理布を酵素のセルクラスト1.5L(ノボ社製)5g
/l、バイオアシストMT(森六社製ノニオン系浸透
剤)5g/lを含む浴比1:50、53℃、pH4.8
の水溶液中で攪拌しながら、30分、60分、及び24
分それぞれ酵素処理し、直ちに水洗した後、100℃
の熱水中に10分間、フリー状態で浸漬し、その後乾燥
処理した。重量法にてこれらの処理布の減量率と電子顕
微鏡による捲縮数を測定し、表2に示すような結果を得
た。
【0026】
【表2】 捲縮発現性:○=良好,△=普通,×=不良 注1):捲縮を発現している部分と発現していない部分
が混在している。
【0027】(比較例9)実施例3と同様な精練布を用
いて、実施例3と同様に、アルカリ処理及び酵素処理を
行った。得られた酵素処理布を乾熱下110℃で30分
加熱したが、この布には、捲縮がほとんど生じなかっ
た。
【0028】(比較例10)実施例3と同様な精練布を
用いて、実施例3と同様に、アルカリ処理及び酵素処理
を行った。得られた酵素処理布を湿熱下94℃で30分
加熱したが、この布には、捲縮がほとんど生じなかっ
た。
【0029】(実施例9) 酢化度56.9%のジアセテート繊維(ブライト45d
/34f)とポリエステル繊維の延伸糸(セミダル30
d/12f)との200t/mの合撚糸で経糸と緯糸が
構成された、平織物(経密度:100本/インチ、緯密
度:75本/インチ)を6槽連続精練機にて精練後乾燥
した。この精練布を浴比1:20、12重量%(対ジア
セテート繊維)の苛性ソーダ及び第4級アンモニウム塩
のアルカリ減量促進剤であるマーセリンPEF(明成化
学社製)を2g/l含む溶液中に投入し、30℃から2
℃/分の速度で昇温し80℃で60分鹸化処理して繊維
表面が完全にセルロース化された処理布をそれぞれ得
た。この時のアルカリ処理減量率は13.0%(ジアセ
テート繊維)であった。次いで、これらの処理布を酵素
のセルクラスト1.5L(ノボ社製)5g/l、バイオ
アシストMT(森六社製ノニオン系浸透剤)5g/lを
含む浴比1:50、53℃、pH4.8の水溶液中で攪
拌しながら、30分酵素処理し、直ちに水洗した後、1
00℃の熱水中に10分間、フリー状態で浸漬し、その
後乾燥処理した。重量法にてこれらの処理布の減量率と
電子顕微鏡による捲縮数を測定した結果、酵素処理減量
率は20.9%(ジアセテート繊維)、捲縮数は810
0個/mであった。
【0030】(比較例11) 実施例9で用いたと同じ精練布を浴比1:20、12重
量%(対ジアセテート繊維)の苛性ソーダ溶液中に投入
し、30℃から2℃/分の速度で昇温し80℃で60分
鹸化処理した。この時のアルカリ処理減量率は12.7
(ジアセテート繊維)であった。次いで、この処理布
を実施例9と同じ条件にて酵素処理した。重量法にて得
られた処理布の減量率と電子顕微鏡による捲縮数を測定
したが、酵素処理減量率は2.7%(ジアセテート繊
維)であり、捲縮は、ほとんど生じていなかった。
【0031】(実施例10) 酢化度56.9%のジアセテート繊維を経糸に、ポリエ
ステル繊維の仮撚加工糸(セミダル75d/36f)を
緯糸に用いた5枚朱子織物(経密度:200本/イン
チ、緯密度:83本/インチ)を6槽連続精練機にて精
練後乾燥した。この精練布を浴比1:20、10重量%
(対ジアセテート繊維)の苛性ソーダ及び第4級アンモ
ニウム塩のアルカリ減量促進剤であるマーセリンPEF
(明成化学社製)を2g/l含む溶液中に投入し、30
℃から2℃/分の速度で昇温し80℃で60分鹸化処理
して繊維表面が完全にセルロース化された処理布をそれ
ぞれ得た。この時のアルカリ処理減量率は10.5%
(ジアセテート繊維)であった。次いで、これらの処理
布を酵素のセルクラスト1.5L(ノボ社製)5g/
l、バイオアシストMT(森六社製ノニオン系浸透剤)
5g/lを含む浴比1:50、53℃、pH4.8の水
溶液中で攪拌しながら、30分酵素処理し、直ちに水洗
した後、100℃の熱水中に10分間、フリー状態で浸
漬し、その後乾燥処理した。重量法にてこれらの処理布
の減量率と電子顕微鏡による捲縮数をを測定した結果、
酵素処理減量率は17.1%(ジアセテート繊維)、捲
縮数は8600個/mであった。
【0032】(比較例12) 実施例10で用いたと同じ精練布を浴比1:20、10
重量%(対ジアセテート繊維)の苛性ソーダ溶液中に投
入し、30℃から2℃/分の速度で昇温し80℃で60
分鹸化処理した。この時のアルカリ処理減量率は10.
6%(ジアセテート繊維)であった。次いで、この処理
布を実施例10と同じ条件にて酵素処理した。重量法に
て得られた処理布の減量率と電子顕微鏡による捲縮数を
測定したが、酵素処理減量率は2.3%(ジアセテート
繊維)であり、捲縮は、ほとんど生じていなかった。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、アルカリ化合物による
鹸化の際に第4級アンモニウム塩を併用することによ
り、酵素処理による減量速度を大いに向上させ、アセテ
ート繊維布帛を効率的に減量処理すると共に、その後の
湿熱処理で、微細な捲縮を付与することができる。この
捲縮は、従来にない微細な捲縮であり、滑らかな光沢、
絹様の手触りを有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−216282(JP,A) 特開 平3−19962(JP,A) 特開 昭59−94674(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 16/00 D06M 11/00 - 11/84 D06C 7/00 - 7/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセテート繊維を含む布帛をアルカリ化
    合物と第4級アンモニウム塩を含む処理剤で処理して、
    少なくともアセテート繊維表面を鹸化し、次いでセルロ
    ース分解酵素にて、酵素処理して鹸化部の一部または全
    部を分解除去した後、96℃以上の湿熱下で加熱処理す
    ることにより、アセテート繊維に捲縮を付与することを
    特徴とするアセテート繊維布帛の改質方法。
  2. 【請求項2】 アセテート繊維を含む布帛がアセテート
    繊維と他の繊維との複合糸で構成される布帛である請求
    項1記載のアセテート繊維布帛の改質方法。
  3. 【請求項3】 アセテート繊維を含む布帛がアセテート
    繊維と他の繊維から構成される交編織物である請求項1
    記載のアセテート繊維布帛の改質方法。
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