JP2920333B2 - アセテート系繊維の改質方法 - Google Patents

アセテート系繊維の改質方法

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JP2920333B2
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睦生 山崎
孝 野中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟で風合いの良好な
アセテート系繊維の改質方法に関し、更に詳しくは、酵
素処理することによって柔軟な風合を付与するアセテー
ト系繊維の改質方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セルロース系天然繊維においては酵素処
理することにより減量を行い表面の滑らかな柔らかい風
合に改質したり、吸湿性を向上させる方法が特公昭52
−48236号で開示されている。さらに、特公平1−
23591号で、酵素処理効率を向上させるための繊維
膨潤剤による前処理方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらアセテー
ト系繊維においては、セルロース繊維と異なりβ−グル
コースの水酸基がアセチル基に置換されているためセル
ロース分解酵素(セルラーゼ)によって分解減量を行う
ことは不可能である。また、アセテート系繊維をアルカ
リ処理してセルロース化(鹸化)することにより減量を
行うことは可能であるがこの場合、少なくとも繊維表面
がセルロース化されてしまい、表面がアセテートのまま
である繊維を得ることは不可能である。本発明はかかる
従来の問題点を解消し、柔軟な風合を付与できるアセテ
ート系繊維の改質方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、アセテート系
繊維の少なくとも表面を鹸化し、次いで酵素処理を施す
ことによって前記鹸化部を実質的に分解除去することを
特徴とするアセテート系繊維の改質方法を要旨とするも
のである。
【0005】本発明を更に詳細に説明する。本発明でい
うアセテート系繊維とは、酢化度が45〜59.5%の
ジアセテート繊維及び59.5%以上のトリアセテート
繊維のことをいう。また、本発明でいう鹸化とは、アセ
テート系繊維のアセチル基がアルカリ(例えば苛性ソー
ダ)処理することにより水酸基に置換されることをい
う。本発明で用いる酵素はセルロースを加水分解するセ
ルラーゼであり、現在市販されているものでは糸状菌の
トリコデルマ属、アスペルギルス属起源のものがあり、
商品名としては、オノズカR−10(ヤクルト製)、メ
イセラーゼ(明治製薬製)、セルクラスト(ノボ社製)
などが掲げられる。
【0006】本発明において、酵素処理前に、アセテー
ト系繊維の少なくとも表面を鹸化するのは、本発明で用
いるセルラーゼがセルロースを加水分解する酵素である
ので、アセテート系繊維のアセチル基を水酸基に置換
し、セルロース化する必要があるからである。
【0007】次に、本発明の酵素によるアセテート系繊
維の好ましい改質方法について説明する。まずアセテー
ト系繊維を苛性ソーダ、ソーダ灰等のアルカリを用いて
少なくとも繊維表面を鹸化し、次にセルラーゼ製剤の1
〜50g/リットルの水溶液を、酢酸、酢酸塩等を用い
てpHを3.5〜7.0に合わせセルラーゼ処理液とす
る。ここで、少なくとも表面の鹸化されたアセテート系
繊維を、セルラーゼ処理液中で処理する際、浴比は1:
10〜1:100、処理温度は、酵素が機能する温度で
あれば良く通常20℃〜55℃が選ばれ、処理時間は鹸
化の程度、pH、処理温度などにより異なるが通常30分
〜240分程度で十分である。その後、酵素処理された
繊維を80℃以上の熱水中に浸漬し、付着残留した酵素
を失活させる必要がある。
【0008】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 (実施例1〜3)酢化度、56.9%のジアセテート繊
維からなる5枚朱子織物(経糸:ブライト75d/21
f,緯糸:ダル100d/27f,経密度200本/イ
ンチ、緯密度87本/インチ)を6槽連続精練機にて精
練後乾燥し、次いで、布速40m/分、2ディプ2ニッ
プ方式で24°Be’の苛性ソーダ溶液を織物に対して
42重量%付着させ、遠赤外線ヒーター間で予備乾燥
後、100℃×4分のスチーミングを行い、オープンソ
ーパー内で常温の清水によりアルカリ除去後120℃で
シリンダー乾燥し、表面が鹸化され、アルカリによる減
量率が8.3%であるジアセテート繊維織物を得た。次
いで表面の鹸化された当該ジアセテート繊維織物を、セ
ルクラスト(ノボ社製)5g/リットル、バイオアシス
ト(森六社製)MT5g/リットルを含むpH4.8、5
3℃の水溶液中で1:100の浴比で、表1に示すよう
に処理時間を変化させて攪拌し、直ちに水洗、続いて、
80℃の熱水中に15分間浸漬後、乾燥し酵素処理布と
し、重量法で減量率、直接染料による染色性(K/S
値)を測定した。表1の結果に示すように重量減少によ
って、柔軟で風合いの良好な織物が得られた。実施例3
では、さらに、染色の際ミクロ捲縮が著しく発生し、風
合は良好であった。
【0009】ここで、K/S値は、浴比1:30,10
0℃×15分の条件下でダイアルミナスレッド4B(三
菱化成)1g/リットル、無水芒硝5g/リットルで染
色を行い、乾燥後、分光色彩計(JuKI JP7/0
0)により測定しK/S値を求めた。
【0010】(比較例1)実施例3と同じジアセテート
繊維を用い、酵素濃度を0(g/リットル)とする以外
は、実施例3と同様な処理を行い、表1に示す結果を得
た。重量減量率は、0%であり、鹸化部は分解されなか
った。
【0011】
【表1】
【0012】(実施例4)実施例1〜3で用いたものと
同様のジアセテート精練布を浴比1:20,10%ow
fの苛性ソーダ溶液中で、ミニカラー染色機を用いて3
0℃から2℃/分で昇温し、80℃×60分の処理を行
い、表面を鹸化しアルカリによる減量率が10.2%で
ある織物を得た。次いで実施例3の条件で酵素処理を行
った結果、さらに24.6%減量され、K/S値が1.
23となり、また、染色の際ミクロ捲縮が発生し、風合
が良好な織物が得られた。
【0013】(実施例5)酢化度61.5%のトリアセ
テート繊維からなる5枚朱子織物(経糸:ブライト75
d/20f,緯糸:ブライト120d/33f,経密度
220本/インチ、緯密度67本/インチ)を用い実施
例4と同様の手法で表面を鹸化し、アルカリによる減量
率が3.6%である織物を得た。次いで酵素処理を行っ
た結果、さらに6.0%減量され、K/S値が0.06
であるソフトな織物が得られた。
【0014】(比較例2)実施例3と同じジアセテート
繊維精練布を鹸化しないで、実施例3と同様な手法にて
酵素処理を行った結果、減量率が0.0%、K/S値が
0.04であり、風合も変化しなかった。
【0015】
【発明の効果】上述の如く構成された本発明により、ア
セテート繊維の減量加工後も、アセテートの表面を維持
することができ、それにより柔軟で風合いの良好な改質
を行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−151698(JP,A) 特開 昭61−245367(JP,A) 特開 平2−216282(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 16/00 D06M 11/00 - 11/82

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセテート系繊維の少なくとも表面を鹸
    化し、次いで酵素処理を施すことによって前記鹸化部を
    実質的に分解除去することを特徴とするアセテート系繊
    維の改質方法。
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