JP2809485B2 - セルロース繊維の風合を改良する方法 - Google Patents

セルロース繊維の風合を改良する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はセルロース繊維の強度低下を最低限度に抑え
て風合を絹様に改良する方法に関する。
〔従来の技術〕
セルロース繊維をセルラーゼ溶液に浸漬してセルロー
ス繊維の諸性能を改良することは公知である。すなわ
ち、特公昭52−48236号公報にはセルロース系繊維をセ
ルラーゼ含有水溶液で短時間処理し、繊維の吸湿性およ
び保水性を改良する方法が開示されている。また、特開
昭58−54082号公報にはセルロース系繊維をセルラーゼ
含有水溶液で処理するに際し、セルロースを溶解する能
力を有する硫酸、リン酸、塩化亜鉛、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、ロダン塩、銅エチレンヂアミンな
どの膨潤剤で該繊維を前処理し、該繊維織物の強度低下
を抑えて風合を改良する方法が開示されている。さら
に、特開昭64−40681号公報にはセルロース繊維を前記
のような膨潤剤で処理し、次いでセルラーゼの活性を阻
害する能力のある樹脂でセルロース繊維を加工した後、
セルラーゼ水溶液で処理する方法が提案されている。ま
た、特開平1−260067号公報には低温ガスプラズマ処理
を施したセルロース繊維をセルラーゼ処理する方法が開
示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
セルラーゼはセルロースをグルコースにまで分解する
作用があり、セルロース繊維に適当な条件下で適用する
と、セルロース繊維は一部分解してその重量を減少す
る。それによって、糸条を構成する単繊維相互の間隙、
または織編物の場合は、さらに織編物を構成する糸条相
互の間隔が大きくなるため、単繊維または糸条が動き易
くなり、絹様の柔らかい風合を呈する。セルラーゼはセ
ルロース繊維の表面から作用し、表面部分より分解する
が、一部が繊維内部まで浸透し局部的に繊維を破壊する
ために、セルロース繊維、とりわけ元来強度の低い再生
セルロース繊維の強度、特に摩耗に対する抵抗力を著し
く低下させていた。
前記の特開昭58−54082号公報に記載されているセル
ロース膨潤剤で前処理する方法はセルロース繊維の強度
低下を抑えて風合を改良する方法であるとされている。
しかしながら、この方法に使用する前記膨潤剤は該公報
に記述されているようにセルロースの溶媒でもあり、か
えって、セルロース繊維を局部的に溶解し、強度低下を
助長する面があり、従って、強度低下を回避する完全な
策とはなり得なかった。
また、特開昭64−40681号公報に記載されている膨潤
剤処理、セルラーゼ活性阻害性樹脂による加工およびセ
ルラーゼ水溶液処理を順次行う方法は、工程がさらに複
雑で、樹脂による繊維の硬化や、セルラーゼの効力低下
のため全くセルロース繊維が加水分解を起こさない場合
があるなどの欠点がある。
さらに、特開平1−260067号公報に記載される低温プ
ラズマ処理とセルラーゼ処理を行う方法は、該公報にも
記載されているようにプラズマ処理そのものが未だ工業
的に実施困難な情況にあり、実用化には時間が必要な状
態である。
本発明の目的は、単純な方法であって、しかも強度低
下を最小限に抑えたセルラーゼによるセルロース繊維の
風合改良法を提供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明のセルロース繊維の風合改良法の特徴は、セル
ロース繊維をセルラーゼ水溶液で処理しセルロース繊維
の表面部分を部分的に加水分解して強度低下が少ない範
囲に抑えて減量した後、炭素数が5以下の有機酸のカル
シウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、ナトリウ
ム塩、カリウム塩および無機酸のカルシウム塩、マグネ
シウム塩、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩
の中から選ばれた塩を20g/以上含有し、かつそのpHが
4〜10である水溶液で処理することにある。
本発明にいうセルロース繊維は木綿、麻類の天然セル
ロース繊維および再生セルロース繊維のいずれであって
もよい。処理するに際してのセルロース繊維の形態は糸
条、織物、編物、不織布などのいずれでもよい。なお上
記セルロース繊維と他繊維との混紡、交撚、交編、交織
物などの混用物も勿論含まれる。
セルロース繊維はセルラーゼ水溶液による部分的加水
分解を行う。セルラーゼによるセルロース繊維の加水分
解率は強度保持の関係から必要最小限に抑える必要があ
る。通常、元の繊維重量の90%以上の重量が保持される
ようにセルラーゼによる繊維の減量率をコントロールす
ることが好ましく、このようにコントロールすれば強度
低下は通常の用途に関しては許容範囲内に収まる。ここ
でいう減量率とは、処理前後の繊維重量をそれぞれW0
および、Wとするとき式〔(W0−W)/W0〕×100(%)
で表される値を言う。
セルラーゼ水溶液で処理する方法としては、セルロー
ス繊維よりなる糸条、織物、編物を、濃度0.01〜5重量
%のセルラーゼ水溶液に30〜60℃にて0.5〜24時間浸漬
するか、もしくは、セルロース繊維よりなる糸条、織
物、編物に該セルラーゼ水溶液を繊維重量に対して0.5
〜3倍量を付与して、0.5〜24時間、保温、保湿する方
法が採られる。
このようにして、セルラーゼにより減量率を10%以下
に減量した繊維はやや柔軟化しているがその柔軟性はや
や低く絹様の風合には至らないので、次いで塩類の水溶
液で処理して絹様の風合に近づける。
塩としては、シュウ酸、酢酸、コハク酸、酒石酸など
炭素数が5以下の有機酸のカルシウム塩、マグネシウム
塩、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、およ
び塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸のカルシウム塩、マグ
ネシウム塩、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム
塩が用いられる。塩の種類および繊維の種類にもよる
が、塩水溶液の濃度は20g/以上が適当である。20g/
未満の濃度では処理の効果は少ない。好適な濃度範囲は
20〜500g/、より好ましくは50〜300g/である。
従来、中性の無機塩類をセルロース繊維に適用する例
として、反応性染料を染色する際に反応触媒であるリン
酸三ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム
のような弱アルカリ、および反応性染料と共に硫酸ナト
リウム、塩化ナトリウムを20〜200g/染浴に添加し、p
Hを10.5以上に調整して、30〜100℃に加熱する方法が知
られている。
しかしながら、この場合はアルカリの作用のために繊
維が粗硬になり本発明のような風合の柔軟化は起こらな
い。したがって、本発明においては塩類水溶液のpHの調
整は重要である。本発明に使用する有機酸、無機酸の塩
類のうち、強酸と強塩基との塩類および弱酸と弱塩基の
塩類は水溶液中でほぼ中性であるから特にpHの調整は不
必要である。しかし、強酸と弱塩基との塩類、弱酸と強
塩基との塩類を使用する場合はpHの調整が必要である場
合がある。使用するpH調整剤としては、溶液がアルカリ
性の際は酢酸、また溶液が酸性の際はアンモニア水また
は酢酸ナトリウムが好適である。
塩含有水溶液で処理する際の温度は特に限定されない
が、処理温度の低いほど風合の柔軟化は遅くなる。した
がって、短時間に処理を完了するには20〜100℃で処理
される。しかしながら、室温以下でも処理可能である。
〔実施例〕
次に、実施例について、本発明を詳細に説明する。
実施例1 キュプラ100%の平織物(経糸50d/緯糸75d、織物重量
65g/m2)を、セルラーゼ10g/の水溶液に、浴比1:30、
40℃にて2時間、浸漬し、次いで水洗し、硫酸ナトリウ
ムの100g/の水溶液で60℃にて30分間処理し、水洗
し、乾燥した。
比較例として、上記と同じ平織物をセルラーゼ10g/
の水溶液に、浴比1:30、40℃にて2時間、浸漬し、次い
で水洗し、乾燥した。
未処理織物および処理した織物のそれぞれの減量率お
よび織物物性(いずれも織物のタテ方向)を第1表に示
す。
なお、各項目の測定法を以下に記す。
(1)減量率:処理前後の織物の絶乾重量を測定し、そ
れぞれW0,Wとする。〔(W0−W)/W0〕×100を減量率
(%)とする。
(2)引張強度:JIS L 1003−1961「レーヨン織物試験
方法」の5.12引張強度および伸μ″率に準拠する。
(3)引裂強度:JIS L 1003−1961「レーヨン織物試験
方法」の5.14引裂強度C方法(ペンジュラム法)に準拠
する。
(4)屈曲摩耗強度:JIS L 1003−1961「レーヨン織物
試験方法」の5.17摩耗強度A方法(ユニバーサル形法)
(b)屈曲摩耗に準拠する。
(5)剛軟度:JIS L 1003−1961「レーヨン織物試験方
法」の5.18剛軟度A方法(45゜カンチレバ法)に準拠す
る。
第1表にみられるように、本発明の方法によれば剛軟
度は未処理織物に比べて大きく低下し、柔軟になり、絹
に近づく。一方、強度の低下は許容範囲内にある。ま
た、比較例1では剛軟度は低下するものの本発明の方法
にくらべるとまだ硬く、絹織物の風合にはあまり近づい
ていなかった。
実施例2 ビスコース法レーヨン100%の平織物(経糸75d/緯糸1
20d)をセルラーゼ7g/の水溶液に、浴比1:30、37℃に
2時間浸漬し、次いで水洗し、乾燥した。この織物の減
量率は6.1%であった。次に、酢酸カリウム、塩化アン
モニウム、硫酸アンモニウム、塩化カルシウムのそれぞ
れ50g/の水溶液を調製した。これらの塩水溶液は酢酸
カリウム溶液を除きpHは4〜10の範囲内にあった。酢酸
カリウム水溶液には酢酸を添加してそのpHを7.0に調整
した。これらの水溶液中にセルラーゼ水溶液にて処理し
た前記レーヨン織物を20℃にて1時間浸漬し、水洗、乾
燥した。
各々の塩類で処理された織物と、比較例として前記セ
ルラーゼ水溶液でのみ処理され塩類水溶液で処理しない
織物の諸性能(いずれも織物のタテ方向)を第2表に示
す。
第2表にみられるように、本発明の方法によれば剛軟
度は未処理織物に比べて大きく低下し、柔軟になり、絹
に近づき、強度の低下は許容範囲内にある。一方、比較
例2では剛軟度は低下するものの本発明の方法にくらべ
るとまだ硬く、絹織物の風合にはあまり近づいていなか
った。
〔作用および発明の効果〕
本発明の方法によれば、セルラーゼ水溶液を用いてセ
ルロース繊維を先ず加水分解し、該繊維を減量して細く
するため繊維は柔軟になり、更に上記のpHの範囲で塩類
の水溶液で処理すると繊維の結晶化度が低下してヤング
率が下がり、繊維はいっそう柔軟になる。
塩類の水溶液で処理することによりセルロース繊維が
柔軟になるという理由は現在のところ完全に解明できた
とは言えないが、塩類水溶液で処理したセルロース繊維
は処理前のそれよりX線回折により求めた結晶化度が低
下し、動的粘弾性の測定より求めた力学的損失正接tan
δの極大値が大きくなり、tanδの極大を示す温度もや
や低下するので、おそらく塩類がセルロース繊維の内部
に浸透してその結晶領域を減少させると共に無定形領域
の構造を弛緩するものであろう。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06M 11/18 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 16/00 D06M 11/00 - 11/82 D06M 13/184 - 13/203

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロース繊維をセルラーゼ水溶液で部分
    的に加水分解した後、炭素数が5以下の有機酸のカルシ
    ウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、ナトリウム
    塩、カリウム塩および無機酸のカルシウム塩、マグネシ
    ウム塩、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩の
    中から選ばれた塩を20g/以上含有し、かつそのpHが4
    〜10である水溶液で処理することを特徴とするセルロー
    ス繊維の風合を改良する方法。
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