JPH1181135A - 溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化防止方法 - Google Patents

溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化防止方法

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JPH1181135A
JPH1181135A JP23372697A JP23372697A JPH1181135A JP H1181135 A JPH1181135 A JP H1181135A JP 23372697 A JP23372697 A JP 23372697A JP 23372697 A JP23372697 A JP 23372697A JP H1181135 A JPH1181135 A JP H1181135A
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JP
Japan
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solvent
cellulose fiber
fibrillation
spun cellulose
spun
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JP23372697A
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English (en)
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Hisao Maruyama
尚夫 丸山
Hiroshi Namikawa
博 並川
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤紡糸セルロース繊維を,風合の硬化や強
力の低下なしにフィブリル化を防止する加工方法を提供
する。 【解決手段】 溶剤紡糸セルロース繊維をアルカリ溶液
で処理した後,2以上の官能基と第4級アンモニウム基
を有する化合物を付与して架橋反応させることを特徴と
する溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化防止方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,溶剤紡糸セルロー
ス繊維のフィブリル化防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来,再生セルロース繊維は,ビスコー
ス法や銅アンモニア法により製造されていたが,近年,
製造時の環境問題により溶剤紡糸法が脚光を浴び,リヨ
セルと呼ばれる溶剤紡糸セルロース繊維の各分野への利
用開発が盛んに行われている。ところが,溶剤紡糸セル
ロース繊維は,木質パルプを原料とするところは従来の
再生セルロース繊維と同様であるが,紡糸法が相違する
ため,まったく異なる物性を有している。
【0003】この溶剤紡糸セルロース繊維は,特に湿潤
下においてフィブリル化を起こして風合が硬化し,色相
も大幅に白っぽくなり,また,繊維同士が摩擦すること
によりピリングが発生するという欠点が見られる。そこ
で,このフィブリル化を防止する試みが種々なされてお
り,例えば,グリオキザール系樹脂のような架橋剤でセ
ルロース分子内に架橋結合を生成させる方法や,苛性ソ
ーダのアルカリ水溶液で処理する方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし,上記方法のう
ち,前者のセルロース分子内に架橋結合を生成させる方
法は,繊維の強度を低下させたり,染色性を低下させる
等の物性面での変化が大きく,また,加工方法でも,乾
熱ベーキングが必要で,綿や糸の状態での加工が装置的
にも経済的にも困難である等の問題がある。また,後者
のアルカリ水溶液で処理する方法は,アルカリ濃度との
関係で処理効果が異なり,濃度が低いと効果が十分でな
く,濃度が高いと,フィブリル化防止効果はあっても繊
維が硬化するという問題があった。
【0005】本発明は,上記のごとき実状に鑑み,これ
に対処すべく,従来のフィブリル化防止法に代わり,そ
れらの欠点をすべて解消できる方法であり,溶剤紡糸セ
ルロース繊維固有の光沢,しなやかさ,柔軟性,ドレー
プ性等の風合および糸強力を保持しつつ,溶剤紡糸セル
ロース繊維のフィブリル化を防止することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために次の構成を有するものである。すなわち本発
明は,溶剤紡糸セルロース繊維をアルカリ溶液で処理し
た後,2以上の官能基と第4級アンモニウム基を有する
化合物を付与して架橋反応させることを特徴とする溶剤
紡糸セルロース繊維のフィブリル化防止方法を要旨とす
るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下,本発明について詳細に説明
する。本発明で用いる溶剤紡糸セルロース繊維は,パル
プやリンターのようなセルロースをアミンオキサイド溶
媒に溶解し,乾湿式法で紡糸して形成される繊維であ
り,フィラメント形態やスフ綿の形態で製造される。本
発明を実施する際の溶剤紡糸セルロース繊維の形態は,
スフ綿等のわた状,フィラメント,紡績糸等の糸状,織
物,編物,不織布等の布帛状のいずれの形態でもよく,
それらが他の繊維,すなわち,木綿,麻,レーヨン等の
セルロース繊維,絹,羊毛等の動物性繊維,ポリエステ
ル,ポリアミド,ポリアクリロニトリル,アセテート,
ビニロンといった合成繊維との混用品であっても構わな
い。
【0008】本発明では,まず上述の溶剤紡糸セルロー
ス繊維をアルカリ溶液で処理する。アルカリ溶液に用い
られるアルカリとしては,水酸化ナトリウム,水酸化カ
リウム,水酸化カルシウム,炭酸ナトリウム等の通常の
無機アルカリの水溶液や,液体アンモニアが用いられ
る。
【0009】アルカリの濃度は,用いるアルカリの種類
にもよるが,水酸化ナトリウム,水酸化カリウムでは0.
05〜15%程度,水酸化カルシウム,炭酸ナトリウム
では2.0〜20%程度,また,液体アンモニアの場合は
95%以上であることが好ましい。濃度がこれより低い
と,後の2以上の官能基と第4級アンモニウム基を有す
る化合物で架橋反応をさせた際に十分な効果が出にく
く,また,濃度がこれより高いと,繊維が硬化してしま
う。
【0010】アルカリ処理温度は,アルカリ金属の水溶
液では,その溶液が安定状態にある温度であればいずれ
の温度でもよく,特に5〜100℃が好ましい。アルカ
リ処理時間は,30秒〜2分程度で十分である。また,
アルカリ処理する設備としては,処理する繊維の形態に
応じてカセ染機,オーバーマイヤー,シルケット加工
機,連続アルカリ減量加工機,液流染色機等,通常の染
色加工設備を用いることができる。
【0011】上述のごとくアルカリ溶液で処理した後,
本発明では,溶剤紡糸セルロース繊維に2以上の官能基
と第4級アンモニウム基を有する化合物を付与して架橋
反応せしめる。ここで用いる2以上の官能基と第4級ア
ンモニウム基を有する化合物とは,下記化1または化2
の一般式で表される化合物である。
【0012】
【化1】 (ただし,nは2〜12の整数を表す。)
【0013】
【化2】 (ただし,A及びBはアルキル基,Xは水素又はハロゲ
ンを表す。)
【0014】化1の一般式で表される具体的な化合物と
しては,1,4ビス−(1クロロ・2プロパノール・ジメ
チルアンモニウム)−ブタンジクロライド,1,4ビス−
(3クロロ・2プロパノール・ジメチルアンモニウム)
−ブタンジクロライド等を挙げることができる。
【0015】2以上の官能基と第4級アンモニウム基を
有する化合物を溶剤紡糸セルロース繊維に架橋反応せし
める方法については特に制限はないが,常温にて長時間
(6〜18時間)浸漬処理するコールドバッチ法,50
〜95℃で30分〜2時間浸漬処理する吸尽法,浸漬後
乾燥して120〜210℃の乾熱下で 〜 分間処
理するベーキング法等を用いることができ,処理浴の濃
度としては,2以上の官能基と第4級アンモニウム基を
有する化合物が0.1〜10%の範囲で処理される。この
濃度は,高いほどフィブリル化防止効果は高いが,10
%を超えても効果はあまり変わらなくなり,不経済であ
る。処理浴には触媒としてアルカリを用いるが,水酸化
ナトリウムの場合,0.1〜15%程度が好ましく,炭酸
ナトリウムでは2%以上が好ましい。
【0016】処理した後の繊維は,よく水洗して未反応
の2以上の官能基と第4級アンモニウム基を有する化合
物およびアルカリを除去する。溶剤紡糸セルロース繊維
を染色する場合には,アルカリ処理前,アルカリ処理
後,2以上の官能基と第4級アンモニウム基を有する化
合物の架橋反応後のいずれの工程で染色することもでき
るが,架橋反応後に染色すれば,濃染効果も利用でき
る。
【0017】
【作用】本発明のごとく溶剤紡糸セルロース繊維にアル
カリ処理を施すと,セルロース繊維の分子配向が再配列
されて結晶間距離が縮まり,2以上の官能基と第4級ア
ンモニウム基を有する化合物による溶剤紡糸セルロース
繊維への架橋反応に適した距離となるため,架橋反応が
円滑に無理なく行われ,格段のフィブリル化防止効果が
得られるようになるものと推測される。また,アルカリ
処理により結晶間距離が縮まったことにより,結晶表面
のセルロース分子と第4級アンモニウム基との間にイオ
ン性相互作用が起こり,フィブリル化を防止する効果が
助長されているものとも推測される。
【0018】
【実施例】以下,本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが,実施例における糸条の性能の測定,評価
は,下記の方法で行った。 (1)フィブリル化評価法 試料を筒編みして80%の水分率で湿らせ,学振型摩擦
堅牢度試験器を用いて荷重200gで木綿の標準添付布
帛により200回摩擦後,その外観を級判定した。判定
は,1級(最悪)〜5級(最良)とした。 (2)糸強力 JISL−1095により測定した。 (3)風 合 ハンドリングにより,相対的に次の3段階評価を行っ
た。 ○ 柔 軟 △ やや硬い × 硬 い
【0019】実施例1 溶剤紡糸セルロース繊維からなる綿番手30番の紡績糸
を用意し,チーズ染色機を用いて濃度2%の水酸化ナト
リウム水溶液で10分間処理し,水洗,中和した。続い
て,濃度2%の1,4ビス−(1クロロ・2プロパノール
・ジメチルアンモニウム)−ブタンジクロライドと濃度
1%の水酸化ナトリウムを含む処理液を用いて80℃で
30分間処理し,架橋反応させた。反応終了後,よく水
洗して中和後乾燥し,本発明方法による加工糸条を得
た。
【0020】本発明との比較のため,本実施例において
架橋剤の処理工程を省く他は,本実施例とまったく同一
の方法により比較用の加工糸条(比較例1)を得た。ま
た,本発明との比較のため,本実施例においてアルカリ
処理工程を省くほかは,本実施例と全く同一の方法によ
り比較用の加工糸条(比較例2)を得た。さらに,本発
明との比較のため,カセシルケット加工機を用いて濃度
20%の水酸化ナトリウム水溶液で1分間処理し,水
洗,中和することにより比較用の加工糸条(比較例3)
を得た。
【0021】また,本発明との比較のため,濃度8%の
スミテックスレジンNS−19(住友化学株式会社製,
グリオキザール系樹脂)と濃度2.4%のスミテックスア
クセラレーターX−80(同社製,同樹脂用触媒)を含
む水溶液をピックアップ80%にて付与後,乾燥し,1
60℃で2分間の乾熱処理を行うことにより比較用の加
工糸条(比較例4)を得た。参考までに,未加工の糸条
(比較例5)を採取し,本発明との比較に供した。
【0022】本発明および比較用の加工糸条の性能を測
定,評価し,その結果を併せて表1に示した。
【0023】
【表1】
【0024】表1より明らかなように,本発明方法によ
れば,風合の硬化や強力の低下を伴うことなく,溶剤紡
糸セルロース繊維のフィブリル化を防止することができ
る。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば,溶剤紡糸セルロース繊
維について,その風合の硬化や強力の低下を伴うことな
く,繊維のフィブリル化を防止することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶剤紡糸セルロース繊維をアルカリ溶液
    で処理した後,2以上の官能基と第4級アンモニウム基
    を有する化合物を付与して架橋反応させることを特徴と
    する溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化防止方法。
JP23372697A 1997-08-29 1997-08-29 溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化防止方法 Pending JPH1181135A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20150225266A1 (en) * 2014-02-10 2015-08-13 Samsung Electronics Co., Ltd. Composition for electrode of capacitive deionization apparatus, and electrode including same

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