JP2780746B2 - 天然セルロース系繊維含有繊維製品の製造方法 - Google Patents

天然セルロース系繊維含有繊維製品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】シャツ、スラックス、ブラウス等
の衣料用及び衣料として、好適なセルロース系繊維含有
繊維製品に関するものであり、さらに詳しくは、製品の
強力低下をおさえ、しかも防縮性、W/W(ウォッシュ
アンドウェア)性、プリーツ性及びパッカリング性、保
型性を向上させた天然セルロース系繊維含有繊維製品の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セルロース系繊維のしわになり易い、収
縮し易い等の欠点の改善は、永久的課題であり、縫製品
においては、特に従来よりセルロース系繊維含有繊維製
品のくり返し洗濯による生地と縫い糸又は生地部位間の
伸縮性の差により生ずるパッカリング現象(ひきつれ現
象)や製品形状での保型性の改善が強く望まれている。
この問題点を改善しようとして、製品状態でのホルマリ
ンと二酸化硫黄による気相反応を利用する試みがある
が、セルロース繊維が著しい強力低下をきたすというこ
との外に、錆汚染という新たな問題がクローズアップさ
れ、その解決が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は良好な風合い
を有し、防しわ性に優れ、かつ繰り返し洗濯後のパッカ
リング性、W/W性、防縮性、保型性に優れ、同時に気
相ホルマリン処理による強力低下を極力おさえると共
に、錆汚染をも抑えたセルロース系繊維含有繊維製品及
び工業生産性に優れた製造方法を提供しようとするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明らは、上記課題の
解決のために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達し
た。
【0005】水酸化アルカリ及び/又は液体アンモニア
で処理し、その結果、セルロースI型の結晶構造が全結
晶中50重量%未満である天然セルロース系繊維含有繊
維製品に、予め、潜在性酸性触媒を付与させ、次いで
ルムアルデヒドの蒸気を、該セルロース系繊維内部に浸
透せしめてセルロースと架橋反応させることを特徴とす
天然セルロース系繊維含有繊維製品の製造方法であ
る。
【0006】本発明における天然セルロース系繊維と
は、木綿、麻、亜麻、パルプ等の天然セルロース繊維、
及びバクテリアセルロース繊維などの結晶構造がセルロ
ースI型を示すものである。これら天然セルロース系繊
維の中で、木綿、麻、亜麻が好ましい。
【0007】さらに、木綿のうち、膨潤剤で前処理され
て膨潤し、単繊維の断面における短軸/長軸比が0.7
0以上であるものが好ましい。
【0008】天然セルロース系含有繊維とは、前記天然
セルロース系繊維単独またはビスコース法レーヨン(ポ
リノジックを含む)、銅アンモニア法レーヨン、溶剤紡
糸法レーヨン等の再生セルロースを含む他のセルロース
系繊維と混用された100%のセルロース系繊維又は前
記セルロース系繊維とポリエステル、ポリアミド、アク
リル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成繊維との
混紡、混織、交撚等で混用した場合の繊維を意味する。
混用品の場合、本発明の効果をよく発揮させるために、
天然セルロース系繊維の含有率は20重量%以上が好ま
しく、30重量%以上がより好ましい。
【0009】また、本発明で言う繊維製品とは、前記の
セルロース系繊維や混用繊維を用いた織物、編物等の布
帛及びそれを用いて得られたシャツ、スラックス、ブラ
ウス、帽子、ハンカチ等の縫製品を意味する。
【0010】本発明で言う結晶構造のセルロースI型と
は、X線回析法により求められるものであり、P.H.
Hermans & A.Weidinger:J.A
ppl.phys.19 491−506(1948)
および林ら、北海道大学研究報告、p.83(197
4)によって求められるものである。
【0011】本発明における天然セルロース系繊維中の
セルロースI型は全結晶中50重量%未満である。好ま
しくは40重量%未満であり、更に好ましくは30重量
%未満である。50重量%以上であると、ホルムアルデ
ヒドによるセルロースの架橋が不均一となり、強度低下
が著しく好ましくない。
【0012】一方、天然セルロース繊維のホルムアルデ
ヒドによる架橋は、通常、ホルムアルデヒド蒸気(ガ
ス)と二酸化硫黄ガスとを使用するいわゆる気相ホルマ
リン加工法により実施されるが、この方法では、繰り返
し洗濯後のパッカリング性、W/W性、防縮性、保型性
に優れるが、縫製工程や気相反応槽から主として発生す
る鉄元素を中心にした重金属付着物が、二酸化硫黄から
生成する強酸により腐蝕・褐変することや、或いは、該
強酸そのものによるセルロースの酸化分解による褐変な
どがあり、著しく外観を悪くする欠点があった。
【0013】そこで、本発明では、予め、潜在性酸性触
媒を天然セルロース系繊維の織・編物に均一に付与した
後、ホルムアルデヒド蒸気を使用する気相ホルマリン加
工法により、繰り返し洗濯後のパッカリング性、W/W
性、防縮性、保型性に優れ、強力低下も極力抑え、かつ
該織物の褐変問題を解消することに成功した。
【0014】本発明の天然セルロース系繊維含有繊維製
品は、織物の場合、JIS L−1059法における乾
防しわ度が270°以上であり、湿防しわ度との合計値
は500°以上が好ましく、550°以上がより好まし
い。特に乾防しわ度と湿防しわ度との合計値が高い程、
W/W性が高くなり、パッカリング性及び保型性にも優
れる。これらの防しわ性を達成できるように改質された
セルロース系繊維が含まれる縫製品は、AATCC12
4−1984法におけるW/W性が3級以上かJISL
−0217の103法の洗濯5回後のAATCC法にお
けるパッカリング性が 4級以上の保型性を示す。
【0015】本発明の製造方法において、前処理剤とし
て用いる薬剤は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムなどの水酸化アルカリや液体アンモニア
である。木綿の場合、水酸化ナトリウム、液体アンモニ
アが好ましく、染色性の向上と洗濯後の風合いの保持性
の点で水酸化ナトリウム/液体アンモニアの併用系がよ
り好ましい。
【0016】しかしながら、水酸化ナトリウムによるア
ルカリ処理は、セルロースの結晶構造をセルロースI型
からセルロースII型へ変態させるが、この結晶変態の効
率は水酸化ナトリウム濃度、アルカリ処理中のセルロー
ス繊維のテンションの受け方及びアルカリ除去温度に大
きく影響される。
【0017】一方、液体アンモニア処理は結晶構造をセ
ルロースI型からセルロース III型へ変態させる。この
際の結晶変態効率は、セルロース中の水分率を少なくす
ることを考慮し、アンモニア除去を乾熱で行う場合はセ
ルロース繊維のテンションの影響は比較的少なく良好で
ある。
【0018】従って、セルロースI型の結晶構造を全結
晶中50重量%未満にするには、水酸化ナトリウム処理
の場合では比較的高濃度で、テンションを低く、水酸化
ナトリウム除去温度を下げる配慮が必要である。水酸化
ナトリウムの濃度は20°Be’〜35°Be’であ
り、より好ましくは23°Be’〜28°Be’であ
る。水酸化ナトリウム除去時の水温は0〜100℃であ
るが、好ましくは80℃以下である。又、織・編物のテ
ンションをゆるやかにするため、予め、液流染色機、ワ
ッシャー、タンブラー、サンフォライズなど物理的・機
械的揉み効果を与えて歪を除いたのちシルケット処理す
ることも結晶変態効率向上に有用である。
【0019】液体アンモニアにより処理する場合、セル
ロース系繊維含有織・編物は液体アンモニアに2〜20
秒間浸漬後、5〜90秒、望ましくは5〜20秒のタイ
ミングを置いて熱又は蒸気によって脱アンモニア処理さ
れる。
【0020】本発明において、ホルムアルデヒドは、加
熱等で容易に蒸気となって、セルロース繊維内部へ浸透
できるものである。ホルムアルデヒド蒸気の場合、潜在
性酸性触媒を予め、セルロース系繊維含有織・編物に均
一に付与させることにより、二酸化硫黄ガスを使用する
ことなくホルムアルデヒドがセルロース中に存在するO
H基と反応し、セルロース分子鎖間の架橋が生成する。
【0021】本発明で使用できる潜在性酸性触媒には、
その代表例を例示すると、NH4 Cl、NH4 Br、
(NH4 2 HPO4 、NH4 2 PO4 (NH4 2
SO4、NH4 NO3 などの無機強酸のアンモニウム塩
類、ギ酸アンモン、酢酸アンモン、シュウ酸アンモンな
どの有機酸のアンモニウム塩類、ZnCl2 、Zn(N
3 2 、Zn(BF4 2 、MgCl2 、MgHPO
4 、AlCl3 、Al(NO3 3 、Al2 (SO4
3 、CaCl2 などの金属の強酸塩類、2−アミノ−2
−メチル・プロパノール塩酸塩などのアルカノールアミ
ンの塩酸塩類、及びこれらの混合触媒系などが挙げられ
る。
【0022】これら触媒系にH2 SO4 、HNO3 、H
Cl、ギ酸、シュウ酸などの強酸を使用してもさしつか
えない。好ましくは、無機強酸のアンモニウム塩類、金
属の強酸塩類、アルカノールアミン塩類が挙げられる。
【0023】本発明において、天然セルロース系繊維
は、ホルムアルデヒドの蒸気に接触させる前に、水酸化
アルカリや液体アンモニアなどのセルロースの膨潤剤が
少なくとも1度、セルロース繊維内部に、しかもできる
だけ均一に浸透させられると、ホルムアルデヒドの蒸気
は容易にセルロース繊維内部にまで、しかも均一に浸透
させることができる。したがって、天然セルロース繊維
中に、局部的な架橋を形成せしめたり、歪をもたらすよ
うな架橋を避けることができ、セルロース繊維の強力低
下を防止することができる。
【0024】気相ホルムアルデヒド処理は、布帛の状態
及び縫製品の状態のいずれでも処理できるが、縫製品に
した後に処理する方が、縫製上の問題発生がなく、縫製
品の形状をも効果的に固定するので、パッカリング法、
保型性が著しく高くなり、好ましい実施態様である。
【0025】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではな
い。実施例で用いた評価法を以下に示す。 防しわ法;JIS L−1059 B法(モンサント
法)に於ける乾燥時及び湿潤時のしわ回復角度(各々D
CR、WCDで示す)で評価した。 抗張力;JIS L−1096 グラブ法(ヨコ方向) 抗張力保持率;加工前の強力に対する加工後の比を百分
率で示した。 W/W性;AATCC 124−1984 5段階レプ
リカ法にもとづいて判定を行った。5級(良好)〜 1級
(不良)
【0026】パッカリング性;JIS L−0217
103法による洗濯を5回くり返した後、AATCC
88−B−1984法の縫い目5段階レプリカにより評
価した。5級(良好)〜1級(不良)
【0027】保型性;JIS L−1042 FII法に
よる洗濯、タンブル乾燥(I−2条件)を5回くり返し
た後、視覚で5段階に判定した。 5(級):非常に良好 4 〃 :良好 3 〃 :普通 2 〃 :やや不良 1 〃 :非常に不良
【0028】褐変度;視覚で5段階に判定した。 5(級):非常に良好 4 〃 :良好 3 〃 :普通 2 〃 :やや不良 1 〃 :非常に不良
【0029】セルロースI型結晶の含有率(%):セル
ロース単繊維を織編物から取り出し、X線回析法により
測定した。セルロースI、セルロースII、セルロースII
I の含有量は、P.H.Hermans & A.We
idinger:J.Appl.phys.19 49
1 -506 (1948 )および林ら、北海道大学研究報
告、p.83 (1974 )の方法によった。
【0030】実施例1 木綿(スライバー状)を25°Be’水酸化ナトリウム
に室温で20分間浸漬し、次いで、20℃の水で充分洗
浄した後、1重量%酢酸水溶液で中和、次いで水洗し乾
燥した。こうして得たマーセル化木綿を常法により紡績
し次いで織物(50×50/145×75、112g/
2 )を作成し、通常の糊抜・精練・漂白した。次い
で、0.2重量%の塩化アンモン水溶液に浸漬、絞り率
75%になるように絞り、120℃×3分間乾燥し布帛
(A)を得た。この布帛(A)を使ってシャツを縫製し
た。このシャツの10Kgを気相反応処理槽にセット
し、37%ホルマリン水溶液5リットルを蒸気と共に霧
状に均一に注入した。その後、気相反応槽の温度を15
0℃まで昇温し、この温度で2分間保った。しかるの
ち、水蒸気により、脱ホルマリン処理を施した。得られ
たシャツの評価結果を表1に示した。
【0031】実施例2 木綿織物(90/2×90/2/142×76、111
g/m2 )の精練・漂白布を25°Be’水酸化ナトリ
ウムにて常法によるシルケット処理を2回繰り返し、次
いで液体アンモニアに2秒浸漬後、70%の絞り率で搾
液し、10秒のタイミングをおいた後、90℃で1分間
乾燥した。次いで、0.25重量%の塩化アンモン水溶
液に浸漬、絞り率75%になるように絞り、120℃×
3分間乾燥し布帛(B)を得た。この布帛(B)を使っ
て、シャツを縫製し、実施例1と同様にホルマリンによ
る気相処理を実施した。得られたシャツの評価結果を表
1に示した。
【0032】実施例3 木綿織物(90/2×90/2/142×76、111
g/m2 )の精練・漂白上がりを32°Be’水酸化ナ
トリウムを使いシルケット加工した後、次いで実施例2
と同様に液体アンモニア処理を行った。更に0.2重量
%の塩化アンモン水溶液に浸漬し絞り率75%になるよ
うに絞り、次いで120℃×3分間乾燥し布帛(C)を
得た。この布帛(C)を使って、シャツを縫製し、実施
例1と同様にホルマリンによる気相処理を実施した。得
られたシャツの評価結果を表 1に示した。
【0033】実施例4 木綿織物(90/2×90/2/142×76、111
g/m2 )の精練・漂白上がりを実施例2と同様の液体
アンモニア処理を行ない、次いで1重量%のMgCl2
・6H2 Oと0.5重量%のNH4 2 PO4 水溶液に
浸漬し、70%の絞り率になるように絞り、120℃×
3分間乾燥し布帛(D)を得た。この布帛(D)を使っ
て、シャツを縫製し、実施例1と同様のホルマリンによ
る気相処理をおこなった。得られた結果を表 1に示し
た。
【0034】比較例1 木綿織物(90/2×90/2/142×76、111
g/m2 )の精練・漂白上がりを25゜Be’水酸化ナ
トリウムで通常シルケット加工をし、布帛(E)を得
た。この布帛(E)を使って、シャツを縫製した。この
シャツ10Kgを気相反応処理槽にセットし、37%ホ
ルマリン水溶液5リットルを蒸気と共に霧状に均一に注
入し、次いで二酸化硫黄ガス200gを注入した。その
後、気相反応槽の温度を128℃まで昇温し、この温度
で2分間保った。しかるのち、アンモニア水と水蒸気に
より、脱ホルマリン処理を施した。得られた結果を表 1
に示した。
【0035】
【比較例2】木綿織物(90/2×90/2/142×
76、111g/m2 )の精練・漂白上がりを32゜B
e’水酸化ナトリウムでシルケット加工をし、次いで
0.2重量%の塩化アンモン水溶液に浸漬し絞り率 7 5
%になるように絞り、120℃×3分間乾燥し布帛
(F)を得た。この布帛(F)を使って、シャツを縫製
し、実施例1と同様にホルマリンによる気相処理を実施
した。得られた結果を表 1に示した。
【0036】比較例3 比較例1で使った布帛(E)を加工剤組成(I)液に浸
漬し、絞り率72%になるように絞り、120℃で2.
5分間、中間乾燥したのち、150℃で3分間キュアー
した。この加工布を用いて、常法によりシャツを縫製し
た。得られたシャツの評価結果を表 1に示した。 (I)浴組成: ベッカミンB425(大日本インキ化学工業社製、 グリオキザール樹脂) 5部 キャタリストG(大日本インキ化学工業社製、架橋触媒) 0.6部 ファインテックスPEN(大日本インキ化学工業社製、 ポリエチレン・エマルジョン) 2部 シリコーンソフナーEP1010(日華化学工業社製、 シリコーンソフナー) 2部 水 90.4部
【0037】比較例4 木綿織物(90/2×90/2/142×76、111
g/m2 )の精練・漂白上がりを実施例2同様に25゜
Be’水酸化ナトリウムでシルケット加工を2回繰り返
し、次いで液体アンモニア処理を実施し布帛(B’)を
得た。この布帛(B’)を使って、シャツを縫製し、次
いで比較例1と同様にホルマリンによる気相処理を実施
した。得られた結果を表 1に示した。
【0038】
【表1】 本発明のシャツは、風合いが粗硬化せず防しわ性が高
く、抗張力の低下が小さく、W/W性に優れ、著しくパ
ッカリング性、保型性に優れ、しかも鉄さびなどの重金
属酸化物の付与やセルロースの酸化分解による褐変がな
い。
【0039】
【発明の効果】水酸化ナトリウム、液体アンモニア等の
セルロース系繊維の結晶構造を変化させる薬剤によっ
て、本来のセルロースI型の結晶構造を他の結晶構造へ
大幅に結晶変態せしめることにより、繊維全体を均一に
膨潤せしめ、次いで予め潜在性酸性触媒を均一に付与し
たのち、ホルムアルデヒド蒸気で均一に架橋せしめて固
定し、架橋による歪の発生を極力抑えたセルロース系繊
維を含有する繊維製品は、風合いが良好で、強力低下が
少なく、防しわ性高く、繰り返し洗濯後も優れたW/W
性、防縮性、保型性を示し、且つ、鉄さびなどの重金属
酸化物の付与やセルロースの酸化分解による褐変がな
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永良 哲庸 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋 紡績株式会社 総合研究所内 (72)発明者 岩田 功 大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋 紡績株式会社 本社内 審査官 松縄 正登 (56)参考文献 特開 昭58−8184(JP,A) 特開 昭49−55803(JP,A) 特開 平7−11575(JP,A) 特開 昭58−60065(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 13/00 - 13/535

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化アルカリ及び/又は液体アンモニ
    で前処理されて、セルロースI型の結晶構造が全結晶
    中50重量%未満である天然セルロース系繊維を含有す
    る繊維製品に、予め潜在性酸性触媒を付与し、次いでホ
    ルムアルデヒドの蒸気を、前記セルロース系繊維内部に
    浸透せしめてセルロースと架橋反応させることを特徴と
    する天然セルロース系繊維含有繊維製品の製造方法。
JP6073157A 1994-04-12 1994-04-12 天然セルロース系繊維含有繊維製品の製造方法 Expired - Lifetime JP2780746B2 (ja)

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