JP3458909B2 - 木綿繊維含有繊維製品及びその製造方法 - Google Patents

木綿繊維含有繊維製品及びその製造方法

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JP3458909B2 JP15601194A JP15601194A JP3458909B2 JP 3458909 B2 JP3458909 B2 JP 3458909B2 JP 15601194 A JP15601194 A JP 15601194A JP 15601194 A JP15601194 A JP 15601194A JP 3458909 B2 JP3458909 B2 JP 3458909B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】シャツ、スラックス、ブラウス等
の衣料用及び帽子、ハンカチ等繊維雑貨品として、好適
なセルロース系繊維含有繊維製品に関するものであり、
さらに詳しくは、製品の強力低下をおさえ、しかも防縮
性、W&W(ウォッシュアンドウェア)性、プリーツ性
及びパッカリング性、保型性を向上させた形態保持性に
優れた木綿繊維含有繊維製品及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】セルロース系繊維のしわになり易い、収
縮し易い等の欠点の改善は、永久的課題であり、縫製品
においては、特に従来よりセルロース系繊維含有繊維製
品のくり返し洗濯による生地と縫い糸又は生地部位間の
伸縮性の差により生ずるパッカリング現象(ひきつれ現
象)や製品形状での保型性の改善が強く望まれている。
この問題点を改善しようとして、製品状態でのホルマリ
ンによる気相反応を利用する試みがあるが、セルロース
繊維が著しい強力低下をきたすという、新たな問題がク
ローズアップされ、解決が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は良好な風合い
を有し、防しわ性に優れ、かつ繰り返し洗濯後のパッカ
リング性、W&W性、防縮性、保型性に優れ、同時に気
相ホルマリン処理やポストキュア法樹脂加工による強力
低下を極力おさえた木綿繊維含有繊維製品及び工業生産
性に優れた製造方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明らは、上記課題の
解決のために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達し
た。即ち、本発明は、セルロースI型の結晶構造が全結
晶中の50重量%未満であり、かつ、単繊維の断面の短
軸/長軸比が0.65以上であり、セルロースに結合し
たホルマリンが0.5重量%以上である木綿繊維を含有
し、JISL−0217 103法による繰返し洗濯5
回後のパッカリング性が4級以上である形態保持性に優
れた木綿繊維含有繊維製品であり、表面平滑性付与剤が
付与されセルロースI型の結晶構造が全結晶中の50重
量%未満で、かつ単繊維の断面の短軸/長軸比が0.6
5以上である木綿繊維含有織編物を用いて縫製し、次い
でセルロースを架橋させることのできる薬剤の蒸気を前
記木綿繊維内部に浸透せしめ、前記薬剤によりセルロー
ス分子を架橋させることを特徴とする形態保持性に優れ
た木綿繊維含有繊維製品の製造方法及び表面平滑性付与
剤、セルロース用架橋剤及び該架橋溶剤の触媒が付与さ
れ、セルロースI型の結晶構造が全結晶中の50重量%
未満で、かつ単繊維の断面の短軸/長軸比が0.65以
上である木綿繊維含有織編物を用いて縫製し、次いで加
熱処理することを特徴とする形態保持性に優れた木綿繊
維含有繊維製品の製造方法である。
【0005】本発明における木綿繊維含有繊維構造物と
は木綿100%はもちろんのこと他の繊維、例えば麻、
亜麻、パルプ、バクテリアセルロース繊維等の天然セル
ロース繊維、ビスコース法レーヨン(ポリノジックを含
む)、銅アンモニア法レーヨン、溶剤紡糸法レーヨン等
の再生セルロース繊維、ポリエステル、ポリアミド、ア
クリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成繊維と
の混繊、混紡、交織、交撚等で混用して得られる紡績
糸、織物、編物、不織布等のことである。他の繊維と混
用する場合、本発明の効果をよく発揮されるために、セ
ルロース系繊維の含有率は20重量%以上が好ましく、
30重量%以上がより好ましく、さらに好ましくは50
重量%以上である。
【0006】また、本発明で言う繊維製品とは、前記の
木綿繊維や混用繊維を用いた織物、編物、不織布等の布
帛及びそれを用いて得られたシャツ、スラックス、ブラ
ウス、帽子、ハンカチ等の縫製品を意味する。
【0007】本発明で言う結晶構造のセルロースI型と
は、X線回析法により求められるものであり、P.H.
Hermans & A.Weidinger:J.A
ppl.phys.,19 ,491−506(194
8)および林ら、北海道大学研究報告、p.83(19
74)に記載された方法によって求められるものであ
る。
【0008】本発明における木綿繊維中のセルロースI
型は全結晶中50重量%未満である。好ましくは40重
量%未満であり、更に好ましくは30重量%未満であ
る。50重量%以上であると、ホルムアルデヒド及び/
またはセルロース用架橋剤の樹脂加工剤とセルロースと
の架橋が不均一となり、強度低下が著しく好ましくな
い。
【0009】本発明は後記の方法によって測定した単繊
維断面の短軸/長軸比が0.65以上であり、好ましく
は0.70以上である木綿繊維を含む繊維製品である。
【0010】木綿繊維のホルムアルデヒドによる架橋
は、通常、ホルムアルデヒド蒸気(ガス)と二酸化硫黄
ガスとを使用するいわゆる気相ホルマリン加工法により
実施される。木綿繊維は、セルロースI型の結晶構造が
全結晶中50重量%未満であり、かつ単繊維断面の短軸
/長軸比が0.65以上の場合、ホルムアルデヒド蒸気
が均一に木綿繊維内部に浸透し、均一な架橋を実現でき
る。
【0011】セルロース繊維用架橋剤である樹脂加工剤
を用いる場合は、通常セルロース用架橋剤およびそれら
とセルロースと架橋反応を促進する触媒を付与し、乾燥
した後繊維製品に縫製し、次いで架橋のための熱処理を
施す。
【0012】本発明で使用される樹脂加工剤としては、
ジメチロール尿素、トリメチロールメラミン及びその部
分メチル化物、ジメチロールエチレン尿素、ヘキサメチ
ロールメラミン及びその部分メチル化物、ジメチロール
アルキルトリアゾン、メチル化ジメチロールウロン、ジ
メチロールジヒドロキシエチレン尿素、ジメチロールプ
ロピレン尿素、1,3−ジメチル−4,5−ジヒドロキ
シエチレン尿素、テトラメチロールアセチレン尿素、ジ
メチロールブチレン尿素、ジメチロールペンチレン尿
素、アルキルカーバメイト、1,3−ジメチロール−
4,6−ジヒドロキシペンチレン尿素、ジメチロールア
クリルアミドやホルマリン、テトラオキサンなどのホル
マリン化合物、クエン酸、プロパントリカルボン酸、シ
クロペンタンテトラカルボン酸、シクロヘキサンヘキサ
カルボン酸、ブタンテトラカルボン酸などのポリカルボ
ン酸化合物などが挙げられる。好ましくはジメチロール
ジヒドロキシエチレン尿素、1,3−ジメチル−4,5
−ジヒドロキシエチレン尿素である。これら樹脂加工剤
の使用量は木綿及び木綿含有繊維構造物に対して1〜2
0重量%である。
【0013】本発明で使用できる反応触媒としては潜在
性酸性触媒が挙げられ、AlCl3、Al2 (SO4
3 、MgCl2 、Mg(H2 PO4 2 、Zn(B
4 2、Mg(BF4 2 、Mg(ClO4 2 、A
2 (OH)4 Cl2 などの各種金属塩(結晶水含有も
含む)類、各種アルカノールアミンの酸性塩、次亜燐
酸、亜燐酸、ポリ燐酸、二水素燐酸アルカリ金属などの
燐含有触媒、メタほう酸、オルトほう酸、ポリほう酸お
よびその誘導体などがある。これら反応触媒の使用量は
樹脂加工剤に対して1〜20重量%である。
【0014】本発明においては気相ホルマリン加工及び
/またはポストキュア樹脂加工法でセルロースと架橋剤
が架橋反応している程度を示す、結合ホルマリン量が
0.6重量%以上であり、好ましくは0.8重量%以上
である。結合ホルマリン量が0.6重量%未満の場合、
十分な改質効果が得られない。即ちパッカリング性、W
&W性、保型性、プリーツ性が不充分である。
【0015】上記気相ホルマリン加工及び/またはポス
トキュア樹脂加工法により、防しわ性に優れ、かつ繰り
返し洗濯後のパッカリング性、W&W性、防縮性、保型
性に優れ、同時に加工よる強力低下を極力抑えた木綿繊
維含有繊維製品が製造可能となる。
【0016】本発明の木綿繊維含有繊維製品は、織物の
場合、JIS L−1059B法(モンサント法)にお
ける乾防しわ度が270度以上であり、湿防しわ度との
合計値は550度以上が好ましく、570度以上がより
好ましい。特に乾防しわ度と湿防しわ度との合計値が高
い程、W&W性が高くなり、パッカリング性及び保型性
にも優れる。これらの防しわ性を達成できるように改質
された木綿繊維が含まれる縫製品は、AATCC124
−1984法におけるW&W性が3級以上かJIS L
−0217の103法による洗濯 5回後のAATCC法
におけるパッカリング性が 4級以上の保型性を示す。
【0017】本発明における木綿の結晶構造を変化させ
ることができる薬剤には、水酸化リチウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、エチルアミン、液体アンモニ
ア、ヒドラジン等のアルカリ、硫酸、リン酸、硝酸等の
酸、塩化亜鉛、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、各種
ロダン塩、ヨウ化カリウム等の塩類、及びこれらの組み
合わせが挙げられる。木綿の場合、水酸化ナトリウム、
液体アンモニアが好ましく、染色性の向上と洗濯後の風
合いの保持性の点で水酸化ナトリウム/液体アンモニア
の併用系がより好ましい。
【0018】しかしながら、水酸化ナトリウムによるア
ルカリ処理は、セルロースの結晶構造をセルロースI型
からセルロースII型へ変態させるが、この結晶変態の効
率は水酸化ナトリウム濃度、アルカリ処理中の木綿繊維
のテンションの受け方及びアルカリ除去温度に大きく影
響される。
【0019】一方、液体アンモニア処理は結晶構造をセ
ルロースI型からセルロース III型へ変態させる。この
際の結晶変態効率は、木綿中の水分率を少なくすること
を考慮し、アンモニア除去を乾熱で行う場合は木綿繊維
のテンションの影響は比較的少なく良好である。
【0020】従って、セルロースI型の結晶構造を全結
晶中の50重量%未満にするには、水酸化ナトリウム処
理では比較的高濃度で、テンションを低く、アルカリ除
去温度を下げる配慮が必要である。水酸化ナトリウムの
濃度は20゜Be’〜40°Be’であり、より好まし
くは23°Be’〜35°Be’である。アルカリ除去
時の温度は0〜100℃であるが、80℃以下が好まし
い。又、テンションをゆるやかにするため、予め、液流
染色機、ワッシャー、タンブラー、サンフォライズなど
液体や機械的揉み効果を与えて歪を除いたのちシルケッ
ト処理することも結晶変態効率向上に有用である。
【0021】一方、テンションがやむを得ず掛かる場合
は、液体アンモニア処理を併用することで達成できる。
液体アンモニアにより処理する場合、木綿繊維含有織
物は液体アンモニアに2〜20秒間浸漬後、5〜90
秒、望ましくは5〜20秒のタイミングを置いて熱又は
蒸気によって脱アンモニア処理される。
【0022】本発明において水酸化ナトリウムによるア
ルカリ処理および/または液体アンモニア処理は木綿の
原綿、スライバー、紡績糸、布帛のいずれの形態で施し
てもかまわない。
【0023】本発明におけるセルロースを架橋させるこ
とができる薬剤とは、気体、液体、固体、水溶液のいず
れでもよいが、加熱等で容易に蒸気となって、セルロー
ス繊維内部へ浸透できるものであり、ホルムアルデヒド
が好ましい。
【0024】ホルムアルデヒド蒸気の場合、通常の樹脂
加工剤(例えばDMDHEUなど)で使用できるMgC
2 ・ 6H2 O、NH4 Cl、脂肪族アミンの塩酸塩な
ど潜在性酸性触媒を予め、前処理するか、二酸化硫黄ガ
ス等の触媒を共存せしめることなどにより、ホルムアル
デヒドがセルロース中に存在するOH基と反応し、セル
ロース分子鎖間の架橋が生成するが、高度のW&W性を
得るには二酸化硫黄が好ましい。ホルムアルデヒド蒸気
の処理条件は、触媒の共存下、通常、80〜160℃で
1〜60分間である。
【0025】本発明において、木綿繊維は、ホルムアル
デヒド等の蒸気に接触させる前に、セルロースの結晶構
造を変化させる薬剤やセルロースの膨潤剤、さらには表
面平滑性付与剤等が少なくとも1度、木綿繊維内部に、
しかもできるだけ均一に浸透させられると、ホルムアル
デヒド等の蒸気は容易にセルロース繊維内部にまで、し
かも均一に浸透させることができる。したがって、木綿
繊維中に、局部的な架橋を形成せしめたり、歪をもたら
すような架橋を避けることができ、木綿繊維の強力低下
を防止することができる。
【0026】本発明で使用される表面平滑性付与剤とし
ては、(イ)気相ホルマリン加工時の薬剤(ホルマリ
ン、SO2 ガス、アンモニアなど)の木綿繊維へ均一な
浸入を妨害しないこと。(ロ)洗濯耐久性があること。
(ハ)他の薬剤(帯電防止剤、蛍光増白剤、青味付剤、
潜在性酸性触媒、ホルマリンキャッチャー等)との相溶
性もよく浴安定性にすぐれること等が必要である。
【0027】表面平滑性付与剤は、織編物等の布帛に平
滑性、潤滑性を付与し、布帛の摩擦抵抗性を低下させ
て、縫製時の可縫性を向上させることができ、縫製によ
る製品中の潜在性歪が少なくなり、洗濯後のパッカリン
グ性、保型性を向上させることができるが、前記のよう
に、木綿繊維中の局部的架橋や歪をもたらす架橋を防止
できるため木綿繊維の強力低下を抑制することができ
る。
【0028】これらの要求条件を満足する表面平滑性付
与剤とは、ポリエチレン・エマルジョンで代表されるポ
リエチレン系柔軟剤、エポキシ変性シリコーン、ポリエ
ーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンなどのホ
ルマリン叉はセルロースのOH基と反応可能な官能基を
有するシリコーン系柔軟剤、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールや
これらの共重合体などと芳香族ジカルボン酸(テレフタ
ル酸、イソフタル酸、スルホン化イソフタル酸など)や
脂肪族ジカルボン酸(C1 〜C4 のアルキレン基よりな
るジカルボン酸)との共重合ポリエステルの乳化物など
のポリエステル系柔軟剤などが挙げられる。
【0029】本発明における表面平滑性付与剤は浴安定
性の点で非イオン系またはアニオン系が好ましく、とく
に好ましいのは非イオン系である。該表面平滑付与剤は
ポリエチレン系、シリコーン系、ポリエステル系夫々単
独でも有効であるが、特にポリエステル/木綿混品では
これら三者併用が好ましく、特にポリエチレン系とポリ
エステル系の併用は必須である。
【0030】これら表面平滑性付与剤の繊維製品に対す
る付与量は、0.01〜5重量%でり、好ましくは0.
1〜3重量%である。
【0031】本発明におけるセルロースを架橋させるこ
とのできる薬剤とは、加熱等によりホルムアルデヒド等
のセルロースと反応する蒸気を発生することができる薬
剤であり、パラホルムアルデヒド、ホルマリン水溶液、
HCOOCH2 OH等を挙げることができる。本発明で
使用できるSO2 ガスを触媒とする気相ホルマリン加工
の場合は予め、表面平滑性付与剤を付与した後、縫製し
次いで常法によるホルマリン/SO2ガス系で木綿繊維
を架橋させる方法が採用できる。
【0032】一方、本発明で使用できる潜在性酸性触媒
による気相ホルマリン加工の場合は、予め、表面平滑性
付与剤と潜在性酸性触媒を付与した後、縫製し次いで反
応槽中でホルマリンを注入した後、キュアーし、木綿繊
維を架橋させる方法を採用することができる。
【0033】
【実施例 】以下に本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものでは
ない。実施例で用いた評価法を以下に示す。 抗張力;JIS L−1096 ストリップ法(ヨコ方
向、2.5cm幅) 抗張力保持率;加工前の強力に対する加工後の比を百分
率で示した。 W&W性;AATCC 124−1984 5段階レプ
リカ法にもとづいて判定を行った。5級(良好)〜1級
(不良)
【0034】パッカリング性;JIS L−0217
103法による洗濯を5回くり返した後、AATCC
88−B−1984法の縫い目5段階レプリカにより評
価した。 5級(良好)〜1級(不良)
【0035】保型性;JIS L−1042 FII法に
よる洗濯、タンブル乾燥(I−2条件)を5回くり返し
た後、視覚で5段階に判定した。 5(級):非常に良好 4 〃 :良好 3 〃 :普通 2 〃 :やや不良 1 〃 :非常に不良
【0036】セルロースI型結晶の含有率(%):木綿
単繊維を織編物から取り出し、X線回析法により測定し
た。セルロースI、セルロースII及びセルロースIII の
含有量の測定は、P.H.Hermans & A.W
eidinger:J.Appl.phys.,19,
491−506(1948)および林ら、北海道大学研
究報告、p.83(1984)の方法によった。
【0037】単繊維断面の短軸/長軸比;繊維断面をS
EMで写真撮影(500倍)をし、繊維断面の輪郭を透
明フィルムにトレースした図形を、画像処理システム
(パーソナル画像解析システム LA−500(株)ピ
アス製)を用いて各単繊維の短軸/長軸比の平均を求め
た。織物の場合経糸を抜き取って評価した。各試料につ
いて測定n数は80以上とした。
【0038】結合ホルマリン量:加工布約2gを沸水中
で15分間処理し、水洗、絶乾精秤後、水蒸気蒸留法に
より20%硫酸中で分解し、亜硫酸水素ナトリウム水溶
液中に生成ホルマリンを回収し、よう素滴定法で過剰亜
硫酸水素ナトリウムを酸化した後、アルカリで付加物を
分解し、ホルマリンと付加した亜硫酸水素ナトリウムの
量を求め、加工布重量あたりのホルマリンを重量%で示
した。
【0039】実施例1 木綿(スライバー状)を25°Be’水酸化ナトリウム
に室温で20分間浸漬し、次いで、20℃の水で充分洗
浄した後、0.1重量%酢酸水溶液で中和、次いで水洗
し乾燥した。こうして得たマーセル化木綿を常法により
紡績し次いで織物(50×50/145×75,112
g/m2 )を作成し、通常の糊抜・精練・漂白した。こ
の加工布(A)を使ってシャツを縫製した。このシャツ
の10Kgを14立方メートルの容積を有する気相反応
処理槽にセットし、37%ホルマリン水溶液7.5リッ
トルを水蒸気と共に霧状に均一に注入し、次いで二酸化
硫黄ガス250gを圧入した。その後、気相反応槽の温
度を128℃まで昇温し、この温度で5分間保った。し
かるのち、少量のアンモニア水と水蒸気により、脱ホル
マリン処理を施した。得られたシャツの評価結果を表1
に示した。
【0040】実施例2 木綿織物(90/2×90/2/142×76,111
g/m2 )の精練・漂白布を25°Be’水酸化ナトリ
ウムにて常法によるシルケット処理施し、次いで液体ア
ンモニアに2秒浸漬後、70%の絞り率で搾液し、10
秒のタイミングをおいた後、90℃で1分間乾燥した。
この加工布(B)を使って、シャツを縫製し、実施例1
と同様にホルマリンによる気相処理を実施した。得られ
たシャツの評価結果を表1に示した。
【0041】実施例3 木綿織物(90/2×90/2/142×76,111
g/m2 )の精練・漂白布を25°Be’水酸化ナトリ
ウムにて常法によるシルケット処理を2回繰り返し、次
いで実施例2と同様に液体アンモニア処理を行い加工布
(C)を得た。この加工布(C)を使って、シャツを縫
製し、実施例1と同様にホルマリンによる気相処理を実
施した。得られたシャツの評価結果を表1に示した。
【0042】実施例4 32°Be’水酸化ナトリウムを使いシルケット処理を
行い、次いで実施例2と同様に液体アンモニア処理を行
い加工布(D)を得た。 この加工布(D)を使い、常
法によりシャツを縫製し、実施例1と同様のホルマリン
による気相処理を行った。得られたシャツの評価結果を
表1に示した。
【0043】実施例5および6 実施例3および実施例4で用いた加工布(C)および
(D)を加工剤組成(イ)液に浸漬し、絞り率 7 2%に
なるように絞り、110℃で3分間、乾燥したのち、常
法によりシャツを縫製した。このシャツの10Kgを実
施例1で使用した気相反応処理槽にセットし、反応槽の
温度を155℃まで昇温し、この温度で10分間保っ
た。しかるのち、水蒸気により、クリーニング処理を施
した。 (イ)浴組成: ベッカミンLK−S(大日本インキ化学工業社製、 グリオキザール樹脂) 15.0部 キャタリストG(大日本インキ化学工業社製、架橋触媒) 5.0部 ファインテックスPEN(大日本インキ化学工業社製、 ポリエチレン・エマルジョン) 2.0部 ニッカシリコーンEP1010(日華化学工業社製、 シリコーンソフナー) 2.0部 水 86.0部
【0044】比較例1 木綿織物(90/2×90/2/142×76,111
g/m2 )の精練・漂白布(E)を使って、シャツを縫
製し、実施例1同様にホルマリンによる気相処理を実施
した。得られた結果を表1に示した。
【0045】比較例2 木綿織物(90/2×90/2/142×76,111
g/m2 )の精練・漂白布を25°Be’水酸化ナトリ
ウムにて常法によるシルケット処理施した。この加工布
(F)を使って、シャツを縫製し、実施例1と同様にホ
ルマリンによる気相処理を実施した。得られたシャツの
評価結果を表1に示した。
【0046】比較例3 木綿織物(90/2×90/2/142×76,111
g/m2 )の精練・漂白布を32°Be’水酸化ナトリ
ウムにて常法によるシルケット処理施した。この加工布
(F)を使って、シャツを縫製し、実施例1と同様にホ
ルマリンによる気相処理を実施した。得られたシャツの
評価結果を表1に示した。
【0047】比較例4 実施例2で用いた加工布(B)を用いてシャツを縫製し
た。このシャツの10Kgを14立方メートルの容積を
有する気相反応処理槽にセットし、37%ホルマリン水
溶液3.7リットルを水蒸気と共に霧状に均一に注入
し、次いで二酸化硫黄ガス250gを圧入した。その
後、気相反応槽の温度を128℃まで昇温し、この温度
で5分間保った。しかるのち、少量のアンモニア水と水
蒸気により、脱ホルマリン処理を施した。得られたシャ
ツの評価結果を表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】本発明のシャツは、風合いが粗硬化せず、
防しわ性が高く、抗張力の低下が小さく、W/W性に優
れ、著しくパッカリング性、保型性に優れる。比較例に
示した従来法によるシャツでは、本発明のシャツのよう
に、上記の全ての特性を満足させることは困難である。
【0050】
【発明の効果】水酸化ナトリウム、液体アンモニア等の
セルロース系繊維の結晶構造を変化させる薬剤によっ
て、本来のセルロースI型の結晶構造を他の結晶構造へ
大幅に結晶変態せしめ、その膨潤をホルムアルデヒド蒸
気あるいは樹脂加工剤で均一に架橋せしめて固定し、架
橋による歪の発生を極力抑えたセルロース系繊維を含有
する繊維製品は、風合いが良好で、強力低下が少なく、
防しわ性が高く、繰り返し洗濯後も優れたW/W性、防
縮性、保型性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−279043(JP,A) 特開 昭51−49998(JP,A) 特開 昭51−72698(JP,A) 特開 昭46−16316(JP,A) 特開 平7−324281(JP,A) 特開 平5−59664(JP,A) 特開 平6−346366(JP,A) 特許2780745(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 13/00 - 15/72 Fターム(4L033)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースI型の結晶構造が全結晶中の
    50重量%未満であり、かつ、単繊維の断面の短軸/長
    軸比が0.65以上であり、セルロースに結合したホル
    マリンが0.5重量%以上である木綿繊維を含有し、J
    ISL−0217 103法による繰返し洗濯5回後の
    パッカリング性が4級以上である形態保持性に優れた木
    綿繊維含有繊維製品。
  2. 【請求項2】 表面平滑性付与剤が付与され、セルロー
    スI型の結晶構造が全結晶中の50重量%未満で、かつ
    単繊維の断面の短軸/長軸比の平均が0.65以上であ
    る木綿繊維含有織編物を用いて縫製し、次いでセルロー
    スを架橋させることのできる薬剤の蒸気を前記木綿繊維
    内部に浸透せしめ、前記薬剤によりセルロース分子を架
    橋させることを特徴とする形態保持性に優れた木綿繊維
    含有繊維製品の製造方法。
  3. 【請求項3】 表面平滑性付与剤、セルロース用架橋剤
    及び該架橋剤の触媒が付与され、セルロースI型の結晶
    構造が全結晶中の50重量%未満で、かつかつ単繊維の
    断面の短軸/長軸比が0.65以上である木綿繊維含有
    織編物を用いて縫製し、次いで加熱処理することを特徴
    とする形態保持性に優れた木綿繊維含有繊維製品の製造
    方法。
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