JP4320761B2 - セルロース系繊維含有繊維製品及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
シャツ、スラックス、ブラウス等の衣料用及び帽子、ハンカチ等繊維雑貨品として、好適なセルロース系繊維含有繊維製品に関するものであり、さらに詳しくは、製品の強力低下をおさえ、しかも防縮性、Ｗ＆Ｗ（ウォッシュアンドウェア）性、プリーツ性及びパッカリング性、保型性を向上させたセルロース系繊維含有繊維製品及びその製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
セルロース系繊維のしわになり易い、収縮し易い等の欠点の改善は、永久的課題であり、縫製品においては、特に従来よりセルロース系繊維含有繊維製品の繰り返し洗濯による生地と縫い糸又は生地部位間の伸縮性の差により生ずるパッカリング現象（ひきつれ現象）や製品形状での保型性の改善が強く望まれている。
この問題点を改善しようとして、製品状態でのホルマリンによる気相反応を利用する試みがあるが、セルロース繊維が著しい強度低下をきたす問題がクローズアップされ、解決が望まれている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は良好な風合いを有し、防しわ性に優れ、かつ繰り返し洗濯後のパッカリング性、Ｗ＆Ｗ性、防縮性、保型性に優れ、同時に強力低下、特に摩耗強力低下を極力おさえたセルロース系繊維含有繊維製品及び工業生産性に優れた製造方法を提供しようとするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題の解決のために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。即ち、一般式（１）または（２）で示されるメチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物、及びポリエチレングリコールまたはそのジメチルエーテルから選択されるポリオール類が付与され、セルロース系繊維中の結合ホルマリン量が０．６重量％以上であるセルロース系繊維を含有し、ＪＩＳ Ｌ−０２１７ １０３法による繰り返し洗濯５回後のパッカリング性が４級以上であるセルロース系繊維含有繊維製品である。
さらに、前記メチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物、及びポリエチレングリコールまたはそのジメチルエーテルから選択されるポリオール類を付与し、セルロース系繊維中の結合ホルマリン量が０．６重量％以上であるセルロース系繊維含有織編物を用いて縫製し、次いでセルロースを架橋させることのできる薬剤を前記セルロース系繊維内部に浸透せしめ、前記薬剤によりセルロースを架橋させることを特徴とするセルロース系繊維含有繊維製品の製造方法である。
【化３】
【化４】
【０００５】
【発明の実施の形態】
本発明における木綿繊維含有繊維構造物とは木綿１００％はもちろんのこと他の繊維、例えば麻、亜麻、パルプ、バクテリアセルロース繊維等の天然セルロース繊維、ビスコース法レーヨン（ポリノジックを含む）、銅アンモニア法レーヨン、溶剤紡糸法レーヨン等の再生セルロース繊維、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成繊維との混繊、混紡、交織、交撚等で混用して得られる紡績糸、織物、編物、不織布等のことである。他の繊維と混用する場合、本発明の効果をよく発揮されるために、セルロース系繊維の含有率は２０重量％以上が好ましく、３０重量％以上がより好ましく、さらに好ましくは５０重量％以上である。
【０００６】
また、本発明でいう繊維製品とは、前記の木綿繊維や混用繊維を用いた織物、編物、不織布等の布帛及びそれを用いて得られたシャツ、スラックス、ブラウス、帽子、ハンカチ等の縫製品を意味する。
【０００７】
本発明で使用される一般式（１）または（２）で表されるメチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物（以下、単にメチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物と表記することがある）としては、（イ）セルロース系繊維へ均一な浸入を妨害しないこと。（ロ）メチロール化反応が容易であること。（ハ）他の薬剤（帯電防止剤、蛍光増白剤、青味付剤、潜在性酸性触媒、ホルマリンキャッチャー、柔軟剤等）との相溶性もよく浴安定性に優れること等が必要である。
【０００８】
メチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物とは、織編物等の布帛の架橋に起因する歪を低減させるためのものであり、ポリオール共存下で著しい。この効果は該化合物がメチロール化された後セルロースと架橋させる、いわゆる架橋長制御により、発揮されるものである。このことにより、製品の洗濯後のパッカリング、保型性が向上すると同時に引裂強力、抗張力に加え、特に摩耗強力が著しく改善される。又その他、貯蔵安定性や耐塩素性に優れるなど多くの利点がある。
【０００９】
本発明で使用するメチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物は一般式（１）または（２）で表される。
【００１０】
【化５】
【００１１】
【化６】
【００１２】
メチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物の繊維製品に対する付与量は、好ましくは０．１〜１０重量％であり、より好ましくは０．５〜５重量％である。多量の付与は風合いを粗硬にするだけではなく形態保持性をも低下させる。
【００１３】
本発明におけるセルロースを架橋させることのできる薬剤とは、セルロースの水酸基と反応することができる活性水素反応性化合物であり、アルデヒド系化合物であるが、好ましくは加熱時によりホルムアルデヒド等のセルロースと反応する蒸気を発生することができる薬剤であり、パラホルムアルデヒド、ホルマリン水溶液、ジヒドロキシメチレンと蟻酸とのエステル化合物等を挙げることができる。
【００１４】
本発明で使用できる酸性ガス（塩化水素ガス、Ｓ０2 ガスなど）を触媒とするホルマリン加工の場合は予めメチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物とポリオール類を付与した後、縫製し次いで常法のホルマリン／酸性ガスのガス系でセルロース系繊維を架橋させる方法が採用できる。
【００１５】
一方、本発明で使用できる潜在性酸性触媒による気相ホルマリン加工の場合は予めメチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物及び潜在性酸性触媒を付与した後、縫製し次いで反応槽中でホルマリンを注入した後、キュアーし、セルロース系繊維を架橋させる方法を採用することができる。
【００１６】
本発明で使用できる潜在性酸性触媒としてはＡｌＣｌ3 、Ａｌ2 （ＳＯ4 ）3 、ＭｇＣｌ2 、Ｍｇ（Ｈ2 ＰＯ4 ）2 、Ｚｎ（ＢＦ4 ）2 、Ｚｎ（ＮＯ3 ）2 、ＺｎＣｌ2 、Ｍｇ（ＢＦ4 ）2 、Ｍｇ（ＣｌＯ4 ）2 、Ａｌ2 （ＯＨ）4 Ｃｌ2 などの各種金属塩（結晶水含有も含む）類、２−アミノ−２−メチル−１−プロパノールの塩酸塩など各種アルカノールアミンの酸性塩、硝酸、塩酸、硫酸、りん酸などの強酸のアンモニウム塩、グリコール酸、マレイン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸および蓚酸などの有機酸類及びこれらの混合物などが含まれる。これら潜在性酸性触媒の使用量は０．１〜５重量％である。ホルムアルデヒド蒸気の処理後のキュア条件は、触媒の共存下、通常、２０〜１６０℃で１〜６０分間である。
【００１７】
本発明において架橋反応の程度は、ホルムアルデヒド系化合物の場合は結合ホルマリン量で示すことができる。本発明の目的を達成するための木綿中の結合ホルマリン量は０．６重量％以上必要である。好ましくは０．８重量％以上である。結合ホルマリン量が０．６重量％未満の場合、十分な改質効果が得られない。即ちパッカリング性、Ｗ＆Ｗ性、保型性、プリーツ性が不十分である。
【００１８】
上記ホルマリン加工により、防しわ性に優れ、かつ繰り返し洗濯後のパッカリング性、Ｗ＆Ｗ性、防縮性、保型性に優れ、同時に加工による抗張力、引裂強力に加え、摩耗強力低下を極力抑えたセルロース系繊維含有繊維製品が製造可能となる。
【００１９】
本発明において、各種強力を更に向上させる目的で通常使用される表面平滑剤（柔軟剤、フィルム形成能を有するポリマーエマルジョン）を併用してもかまわない。
【００２０】
本発明のセルロース系繊維含有繊維製品は、織物の場合、ＪＩＳ Ｌ−１０５９Ｂ法（モンサント法）における乾防しわ度が２７０度以上であり、湿防しわ度との合計値は５５０度以上が好ましく、５７０度以上がより好ましい。特に乾防しわ度と湿防しわ度との合計値が高い程、Ｗ＆Ｗ性が高くなり、パッカリング性及び保型性にも優れる。
これらの防しわ性を達成できるように改質されたセルロース繊維が含まれる縫製品は、ＡＡＴＣＣ１２４−１９８４法におけるＷ＆Ｗ性が３級以上かＪＩＳ Ｌ−０２１７の１０３法による洗濯５回後のＡＡＴＣＣ法におけるパッカリング性が４級以上の保型性を示す。また、本発明の繊維構造物は、架橋剤成分を少なくすることも可能であり、吸水性に優れることも特徴であり、このことは湿潤快適性によい効果をもたらす。
【００２１】
本発明のセルロース系繊維含有繊維構造物は水酸化ナトリウムによる通常のシルケットや液体アンモニア（以後、液安）処理、更にはシルケット後、液安処理したものも使用できる。ポリエステルで代表される合成繊維との混用では必要があれば予めヒートセットしてもかまわない。
ホルムアルデヒド処理は、布帛の状態及び縫製品の状態のいずれでも処理できるが、縫製品にした後に処理する方が、縫製上の問題発生がなく、縫製品の形状をも効果的に固定するので、パッカリング性、保型性が著しく高くなり、好ましい実施態様である。
【００２２】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例で用いた評価法を以下に示す。
引裂強力；ＪＩＳ Ｌ−１０９６ ペンジュラム法（ヨコ方向）
屈曲摩耗；ＪＩＳ １０９６．６．１７．Ａ−２ 屈曲法（ヨコ方向）
Ｗ＆Ｗ性；ＡＡＴＣＣ １２４−１９８４ ５段階レプリカ法にもとずいて判定を行った。５級（良好）〜１級（不良）
【００２３】
パッカリング性；ＪＩＳ Ｌ−０２１７ １０３法による洗濯を５回繰り返した後、ＡＡＴＣＣ ８８−Ｂ−１９８４法の縫い目５段階レプリカにより評価した。
５級（良好）〜１級（不良）
【００２４】
保型性；ＪＩＳ Ｌ−１０４２ ＦＩＩ法による洗濯、タンブル乾燥（Ｉー２条件）を５回繰り返した後、視覚で５段階に判定した。
５（級）：非常に良好
４ 〃 ：良好
３ 〃 ：普通
２ 〃 ：やや不良
１ 〃 ：非常に不良
【００２５】
結合ホルマリン量：加工布約２ｇを沸水中で１５分間処理し、水洗、絶乾精秤後、水蒸気蒸留法により２０％硫酸中で分解し、亜硫酸水素ナトリウム水溶液中に生成ホルマリンを回収し、よう素滴定法で過剰亜硫酸水素ナトリウムを酸化した後、アルカリで付加物を分解し、ホルマリンと付加した亜硫酸水素ナトリウムの量を求め、加工布重量当りのホルマリンを重量％で示した。
【００２６】
窒素（Ｎ）含量：試料を蒸留水中で１５分間煮沸し、遊離および未固着物質を除去した。この試料を絶乾秤量後、住友化学工業社製窒素分析装置スミグラフＮＣ８００を使用して窒素含量を測定した。
【００２７】
実施例１
精練漂白後、さらに液安処理した木綿織物（８０／２×８０／２／１３３×７４）を下記組成の加工液に浸漬し、絞り率７０％になるように絞り、１１０℃で３分間乾燥し、次いでサンフォライズ加工した後、常法によりシャツを縫製した。
このシャツに通常の気相ホルマリン加工を施し、本発明のシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表１に示した。
加工液組成：
１，１′−（１，２−エタンジイル）ビス（４，５−ジヒドロキシ−２−イミダゾリジノン）の６０重量％水溶液 ６重量部
ポリエチレングリコール＃２００
（ナカライテスク社製ポリエチレングリコール平均分子量２００）６重量部
ＰＥＮ（大日本インキ化学工業社製、ポリエチレン系ソフナー） ３重量部
水 ８５重量部
【００２８】
実施例２
実施例１で使用したシルケット加工後更に液安処理した綿織物を下記組成の加工液に浸漬し、絞り率７２％になるように絞り、１１０℃で３分間乾燥し、次いでサンフォライズ加工した後、常法によりシャツを縫製した。
シャツをＳＯ2 ガスを使用しないほかは実施例１同様にして気相ホルマリン加工し、本発明のシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表１に示した。
加工液組成：
１，１′−（１，２−プロパンジイル）ビス（４，５−ジヒドロキシ−２−イミダゾリジノン）の５５重量％水溶液 ６重量部
キャタリストＧ（大日本化学工業社製、架橋触媒） ５重量部
ポリエチレングリコール＃２００
（ナカライテスク社製ポリエチレングリコール平均分子量２００）６重量部
ＰＥＮ（大日本インキ化学工業社製ポリエチレン系ソフナー） ３重量部
水 ８０重量部
【００２９】
実施例３
加工剤を下記組成の加工液に変更する以外は実施例２同様にし気相ホルマリン加工のシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表１に示した。
加工液組成：
１，１′−（１，２−ブタンジイル）ビス（４，５−ジヒドロキシ−２−イミダゾリジノン）とホルムアルデヒドの反応生成物の２０重量％水溶液
１５重量部
キャタリストＧ（大日本化学工業社製、架橋触媒） ５重量部
ＤＭ２００（三洋化成社製、ポリエチレングリコール
：平均分子量２００のジメチルエーテル） ３重量部
ＰＥＮ（大日本インキ化学工業社製ポリエチレン系ソフナー） ３重量部
水 ７４重量部
【００３０】
実施例４
加工剤を下記組成の加工液に変更する以外は実施例２同様にして本発明のシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表１に示した。
加工液組成：
テトラヒドロ−１−メチル−イミダゾ（４，５−d)イミダゾ−ル−２，５（１H,3H)-ジオン ３重量部
ＤＭ２００（三洋化成社製、ポリエチレングリコール
：平均分子量２００のジメチルエーテル） ３重量部
キャタリストＳＷＸ（大日本化学工業社製、架橋触媒） ６重量部
ＰＥＮ（大日本インキ化学工業社製ポリエチレン系ソフナー） ３重量部
水 ８５重量部
【００３１】
実施例５
加工剤を下記組成の加工液に変更する以外は実施例２同様にして本発明のシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表１に示した。
加工液組成：
テトラヒドロイミダゾ（４，５−d)イミダゾ−ル−２，５（1H,3H)−ジオンの部分ホルムアルデヒド反応生成物の４０重量％水溶液
８重量部
キャタリストＧ（大日本インキ化学工業社製、架橋触媒） ４重量部
ポリエチレングリコール＃４００
（ナカライテスク社製ポリエチレングリコール平均分子量４００）６重量部
ＰＥＮ（大日本インキ化学工業社製ポリエチレン系ソフナー） ３重量部
水 ７９重量部
【００３２】
比較例１
ホルマリン加工の際、３７％ホルマリン水溶液のリアクターへの供給量を1/３にする以外は実施例５と同様にしてシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表１に示す。
【００３３】
比較例２
加工剤を下記組成の加工液に変更する以外は実施例１と同様にしてシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表１に示した。
加工液組成：
キャタリストＭ（大日本インキ化学工業社製、架橋触媒） ４重量部
ポリエチレングリコール＃２００
（ナカライテスク社製ポリエチレングリコール平均分子量２００）６重量部
ＰＥＮ（大日本インキ化学工業社製ポリエチレン系ソフナー） ３重量部
水 ８７重量部
【００３４】
比較例３
加工剤を下記組成の加工液に変更する以外は実施例１と同様にしてシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表１に示した。
加工液組成：
ベッカミンＮ−１１９（大日本インキ化学工業社製、ジメチロ−ルプロピレン尿素系樹脂加工剤） ８重量部
キャタリストＧ（大日本インキ化学工業社製、架橋触媒） ４重量部
ポリエチレングリコール＃２００
（ナカライテスク社製ポリエチレングリコール平均分子量２００）６重量部
ＰＥＮ（大日本インキ化学工業社製ポリエチレン系ソフナー） ３重量部
水 ７９重量部
【００３５】
比較例４
加工剤を下記組成の加工液に変更する以外は実施例２と同様にしてシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表１に示した。
加工液組成：
ベッカミン４２５（大日本インキ化学工業社製、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素系樹脂加工剤） １０重量部
ポリエチレングリコール＃２００
（ナカライテスク社製ポリエチレングリコール平均分子量２００）６重量部
キャタリストＧ（大日本化学工業社製、架橋触媒） ４重量部
ＰＥＮ（大日本インキ化学工業社製ポリエチレン系ソフナー） ３重量部
水 ７７重量
【００３６】
比較例５
加工剤を下記組成の加工液に変更する以外は実施例１と同様にしてシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表１に示した。
加工液組成：
スミテックスレジンNF500K（住友化学工業社製、ノンホルマリン系樹脂加工剤）１０重量部
ＰＥＮ（大日本インキ化学工業社製ポリエチレン系ソフナー） ３重量部
水 ８７重量部
【００３７】
【表１】
【００３８】
本発明のシャツは、風合いが粗硬化せず防しわ性が高く、引裂強力及び屈曲摩耗の低下が小さく、Ｗ＆Ｗ性に優れ、著しくパッカリング性、保型性に優れる。比較例に示した従来法によるシャツでは、本発明のように、上記の全ての特性を満足させることは困難である。
【００３９】
【発明の効果】
メチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物類と必要に応じて潜在性酸性触媒を予めセルロース系繊維含有構造物に付与したのち縫製した縫製品をホルマリン加工してセルロース系繊維中の架橋長を調整することで得られる繊維製品は、風合いが良好で、セルロース系繊維の吸水性低下や引張強力、屈曲摩耗強力の低下が少なく、防しわ性が高く、繰り返し洗濯後も優れたＷ＆Ｗ性、パッカリング性、防縮性、保型性を示し、形態保持性に優れる。
【発明の属する技術分野】
シャツ、スラックス、ブラウス等の衣料用及び帽子、ハンカチ等繊維雑貨品として、好適なセルロース系繊維含有繊維製品に関するものであり、さらに詳しくは、製品の強力低下をおさえ、しかも防縮性、Ｗ＆Ｗ（ウォッシュアンドウェア）性、プリーツ性及びパッカリング性、保型性を向上させたセルロース系繊維含有繊維製品及びその製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
セルロース系繊維のしわになり易い、収縮し易い等の欠点の改善は、永久的課題であり、縫製品においては、特に従来よりセルロース系繊維含有繊維製品の繰り返し洗濯による生地と縫い糸又は生地部位間の伸縮性の差により生ずるパッカリング現象（ひきつれ現象）や製品形状での保型性の改善が強く望まれている。
この問題点を改善しようとして、製品状態でのホルマリンによる気相反応を利用する試みがあるが、セルロース繊維が著しい強度低下をきたす問題がクローズアップされ、解決が望まれている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は良好な風合いを有し、防しわ性に優れ、かつ繰り返し洗濯後のパッカリング性、Ｗ＆Ｗ性、防縮性、保型性に優れ、同時に強力低下、特に摩耗強力低下を極力おさえたセルロース系繊維含有繊維製品及び工業生産性に優れた製造方法を提供しようとするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題の解決のために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。即ち、一般式（１）または（２）で示されるメチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物、及びポリエチレングリコールまたはそのジメチルエーテルから選択されるポリオール類が付与され、セルロース系繊維中の結合ホルマリン量が０．６重量％以上であるセルロース系繊維を含有し、ＪＩＳ Ｌ−０２１７ １０３法による繰り返し洗濯５回後のパッカリング性が４級以上であるセルロース系繊維含有繊維製品である。
さらに、前記メチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物、及びポリエチレングリコールまたはそのジメチルエーテルから選択されるポリオール類を付与し、セルロース系繊維中の結合ホルマリン量が０．６重量％以上であるセルロース系繊維含有織編物を用いて縫製し、次いでセルロースを架橋させることのできる薬剤を前記セルロース系繊維内部に浸透せしめ、前記薬剤によりセルロースを架橋させることを特徴とするセルロース系繊維含有繊維製品の製造方法である。
【化３】
【発明の実施の形態】
本発明における木綿繊維含有繊維構造物とは木綿１００％はもちろんのこと他の繊維、例えば麻、亜麻、パルプ、バクテリアセルロース繊維等の天然セルロース繊維、ビスコース法レーヨン（ポリノジックを含む）、銅アンモニア法レーヨン、溶剤紡糸法レーヨン等の再生セルロース繊維、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成繊維との混繊、混紡、交織、交撚等で混用して得られる紡績糸、織物、編物、不織布等のことである。他の繊維と混用する場合、本発明の効果をよく発揮されるために、セルロース系繊維の含有率は２０重量％以上が好ましく、３０重量％以上がより好ましく、さらに好ましくは５０重量％以上である。
【０００６】
また、本発明でいう繊維製品とは、前記の木綿繊維や混用繊維を用いた織物、編物、不織布等の布帛及びそれを用いて得られたシャツ、スラックス、ブラウス、帽子、ハンカチ等の縫製品を意味する。
【０００７】
本発明で使用される一般式（１）または（２）で表されるメチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物（以下、単にメチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物と表記することがある）としては、（イ）セルロース系繊維へ均一な浸入を妨害しないこと。（ロ）メチロール化反応が容易であること。（ハ）他の薬剤（帯電防止剤、蛍光増白剤、青味付剤、潜在性酸性触媒、ホルマリンキャッチャー、柔軟剤等）との相溶性もよく浴安定性に優れること等が必要である。
【０００８】
メチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物とは、織編物等の布帛の架橋に起因する歪を低減させるためのものであり、ポリオール共存下で著しい。この効果は該化合物がメチロール化された後セルロースと架橋させる、いわゆる架橋長制御により、発揮されるものである。このことにより、製品の洗濯後のパッカリング、保型性が向上すると同時に引裂強力、抗張力に加え、特に摩耗強力が著しく改善される。又その他、貯蔵安定性や耐塩素性に優れるなど多くの利点がある。
【０００９】
本発明で使用するメチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物は一般式（１）または（２）で表される。
【００１０】
【化５】
【化６】
メチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物の繊維製品に対する付与量は、好ましくは０．１〜１０重量％であり、より好ましくは０．５〜５重量％である。多量の付与は風合いを粗硬にするだけではなく形態保持性をも低下させる。
【００１３】
本発明におけるセルロースを架橋させることのできる薬剤とは、セルロースの水酸基と反応することができる活性水素反応性化合物であり、アルデヒド系化合物であるが、好ましくは加熱時によりホルムアルデヒド等のセルロースと反応する蒸気を発生することができる薬剤であり、パラホルムアルデヒド、ホルマリン水溶液、ジヒドロキシメチレンと蟻酸とのエステル化合物等を挙げることができる。
【００１４】
本発明で使用できる酸性ガス（塩化水素ガス、Ｓ０2 ガスなど）を触媒とするホルマリン加工の場合は予めメチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物とポリオール類を付与した後、縫製し次いで常法のホルマリン／酸性ガスのガス系でセルロース系繊維を架橋させる方法が採用できる。
【００１５】
一方、本発明で使用できる潜在性酸性触媒による気相ホルマリン加工の場合は予めメチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物及び潜在性酸性触媒を付与した後、縫製し次いで反応槽中でホルマリンを注入した後、キュアーし、セルロース系繊維を架橋させる方法を採用することができる。
【００１６】
本発明で使用できる潜在性酸性触媒としてはＡｌＣｌ3 、Ａｌ2 （ＳＯ4 ）3 、ＭｇＣｌ2 、Ｍｇ（Ｈ2 ＰＯ4 ）2 、Ｚｎ（ＢＦ4 ）2 、Ｚｎ（ＮＯ3 ）2 、ＺｎＣｌ2 、Ｍｇ（ＢＦ4 ）2 、Ｍｇ（ＣｌＯ4 ）2 、Ａｌ2 （ＯＨ）4 Ｃｌ2 などの各種金属塩（結晶水含有も含む）類、２−アミノ−２−メチル−１−プロパノールの塩酸塩など各種アルカノールアミンの酸性塩、硝酸、塩酸、硫酸、りん酸などの強酸のアンモニウム塩、グリコール酸、マレイン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸および蓚酸などの有機酸類及びこれらの混合物などが含まれる。これら潜在性酸性触媒の使用量は０．１〜５重量％である。ホルムアルデヒド蒸気の処理後のキュア条件は、触媒の共存下、通常、２０〜１６０℃で１〜６０分間である。
【００１７】
本発明において架橋反応の程度は、ホルムアルデヒド系化合物の場合は結合ホルマリン量で示すことができる。本発明の目的を達成するための木綿中の結合ホルマリン量は０．６重量％以上必要である。好ましくは０．８重量％以上である。結合ホルマリン量が０．６重量％未満の場合、十分な改質効果が得られない。即ちパッカリング性、Ｗ＆Ｗ性、保型性、プリーツ性が不十分である。
【００１８】
上記ホルマリン加工により、防しわ性に優れ、かつ繰り返し洗濯後のパッカリング性、Ｗ＆Ｗ性、防縮性、保型性に優れ、同時に加工による抗張力、引裂強力に加え、摩耗強力低下を極力抑えたセルロース系繊維含有繊維製品が製造可能となる。
【００１９】
本発明において、各種強力を更に向上させる目的で通常使用される表面平滑剤（柔軟剤、フィルム形成能を有するポリマーエマルジョン）を併用してもかまわない。
【００２０】
本発明のセルロース系繊維含有繊維製品は、織物の場合、ＪＩＳ Ｌ−１０５９Ｂ法（モンサント法）における乾防しわ度が２７０度以上であり、湿防しわ度との合計値は５５０度以上が好ましく、５７０度以上がより好ましい。特に乾防しわ度と湿防しわ度との合計値が高い程、Ｗ＆Ｗ性が高くなり、パッカリング性及び保型性にも優れる。
これらの防しわ性を達成できるように改質されたセルロース繊維が含まれる縫製品は、ＡＡＴＣＣ１２４−１９８４法におけるＷ＆Ｗ性が３級以上かＪＩＳ Ｌ−０２１７の１０３法による洗濯５回後のＡＡＴＣＣ法におけるパッカリング性が４級以上の保型性を示す。また、本発明の繊維構造物は、架橋剤成分を少なくすることも可能であり、吸水性に優れることも特徴であり、このことは湿潤快適性によい効果をもたらす。
【００２１】
本発明のセルロース系繊維含有繊維構造物は水酸化ナトリウムによる通常のシルケットや液体アンモニア（以後、液安）処理、更にはシルケット後、液安処理したものも使用できる。ポリエステルで代表される合成繊維との混用では必要があれば予めヒートセットしてもかまわない。
ホルムアルデヒド処理は、布帛の状態及び縫製品の状態のいずれでも処理できるが、縫製品にした後に処理する方が、縫製上の問題発生がなく、縫製品の形状をも効果的に固定するので、パッカリング性、保型性が著しく高くなり、好ましい実施態様である。
【００２２】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例で用いた評価法を以下に示す。
引裂強力；ＪＩＳ Ｌ−１０９６ ペンジュラム法（ヨコ方向）
屈曲摩耗；ＪＩＳ １０９６．６．１７．Ａ−２ 屈曲法（ヨコ方向）
Ｗ＆Ｗ性；ＡＡＴＣＣ １２４−１９８４ ５段階レプリカ法にもとずいて判定を行った。５級（良好）〜１級（不良）
【００２３】
パッカリング性；ＪＩＳ Ｌ−０２１７ １０３法による洗濯を５回繰り返した後、ＡＡＴＣＣ ８８−Ｂ−１９８４法の縫い目５段階レプリカにより評価した。
５級（良好）〜１級（不良）
【００２４】
保型性；ＪＩＳ Ｌ−１０４２ ＦＩＩ法による洗濯、タンブル乾燥（Ｉー２条件）を５回繰り返した後、視覚で５段階に判定した。
５（級）：非常に良好
４ 〃 ：良好
３ 〃 ：普通
２ 〃 ：やや不良
１ 〃 ：非常に不良
【００２５】
結合ホルマリン量：加工布約２ｇを沸水中で１５分間処理し、水洗、絶乾精秤後、水蒸気蒸留法により２０％硫酸中で分解し、亜硫酸水素ナトリウム水溶液中に生成ホルマリンを回収し、よう素滴定法で過剰亜硫酸水素ナトリウムを酸化した後、アルカリで付加物を分解し、ホルマリンと付加した亜硫酸水素ナトリウムの量を求め、加工布重量当りのホルマリンを重量％で示した。
【００２６】
窒素（Ｎ）含量：試料を蒸留水中で１５分間煮沸し、遊離および未固着物質を除去した。この試料を絶乾秤量後、住友化学工業社製窒素分析装置スミグラフＮＣ８００を使用して窒素含量を測定した。
【００２７】
実施例１
精練漂白後、さらに液安処理した木綿織物（８０／２×８０／２／１３３×７４）を下記組成の加工液に浸漬し、絞り率７０％になるように絞り、１１０℃で３分間乾燥し、次いでサンフォライズ加工した後、常法によりシャツを縫製した。
このシャツに通常の気相ホルマリン加工を施し、本発明のシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表１に示した。
加工液組成：
１，１′−（１，２−エタンジイル）ビス（４，５−ジヒドロキシ−２−イミダゾリジノン）の６０重量％水溶液 ６重量部
ポリエチレングリコール＃２００
（ナカライテスク社製ポリエチレングリコール平均分子量２００）６重量部
ＰＥＮ（大日本インキ化学工業社製、ポリエチレン系ソフナー） ３重量部
水 ８５重量部
【００２８】
実施例２
実施例１で使用したシルケット加工後更に液安処理した綿織物を下記組成の加工液に浸漬し、絞り率７２％になるように絞り、１１０℃で３分間乾燥し、次いでサンフォライズ加工した後、常法によりシャツを縫製した。
シャツをＳＯ2 ガスを使用しないほかは実施例１同様にして気相ホルマリン加工し、本発明のシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表１に示した。
加工液組成：
１，１′−（１，２−プロパンジイル）ビス（４，５−ジヒドロキシ−２−イミダゾリジノン）の５５重量％水溶液 ６重量部
キャタリストＧ（大日本化学工業社製、架橋触媒） ５重量部
ポリエチレングリコール＃２００
（ナカライテスク社製ポリエチレングリコール平均分子量２００）６重量部
ＰＥＮ（大日本インキ化学工業社製ポリエチレン系ソフナー） ３重量部
水 ８０重量部
【００２９】
実施例３
加工剤を下記組成の加工液に変更する以外は実施例２同様にし気相ホルマリン加工のシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表１に示した。
加工液組成：
１，１′−（１，２−ブタンジイル）ビス（４，５−ジヒドロキシ−２−イミダゾリジノン）とホルムアルデヒドの反応生成物の２０重量％水溶液
１５重量部
キャタリストＧ（大日本化学工業社製、架橋触媒） ５重量部
ＤＭ２００（三洋化成社製、ポリエチレングリコール
：平均分子量２００のジメチルエーテル） ３重量部
ＰＥＮ（大日本インキ化学工業社製ポリエチレン系ソフナー） ３重量部
水 ７４重量部
【００３０】
実施例４
加工剤を下記組成の加工液に変更する以外は実施例２同様にして本発明のシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表１に示した。
加工液組成：
テトラヒドロ−１−メチル−イミダゾ（４，５−d)イミダゾ−ル−２，５（１H,3H)-ジオン ３重量部
ＤＭ２００（三洋化成社製、ポリエチレングリコール
：平均分子量２００のジメチルエーテル） ３重量部
キャタリストＳＷＸ（大日本化学工業社製、架橋触媒） ６重量部
ＰＥＮ（大日本インキ化学工業社製ポリエチレン系ソフナー） ３重量部
水 ８５重量部
【００３１】
実施例５
加工剤を下記組成の加工液に変更する以外は実施例２同様にして本発明のシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表１に示した。
加工液組成：
テトラヒドロイミダゾ（４，５−d)イミダゾ−ル−２，５（1H,3H)−ジオンの部分ホルムアルデヒド反応生成物の４０重量％水溶液
８重量部
キャタリストＧ（大日本インキ化学工業社製、架橋触媒） ４重量部
ポリエチレングリコール＃４００
（ナカライテスク社製ポリエチレングリコール平均分子量４００）６重量部
ＰＥＮ（大日本インキ化学工業社製ポリエチレン系ソフナー） ３重量部
水 ７９重量部
【００３２】
比較例１
ホルマリン加工の際、３７％ホルマリン水溶液のリアクターへの供給量を1/３にする以外は実施例５と同様にしてシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表１に示す。
【００３３】
比較例２
加工剤を下記組成の加工液に変更する以外は実施例１と同様にしてシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表１に示した。
加工液組成：
キャタリストＭ（大日本インキ化学工業社製、架橋触媒） ４重量部
ポリエチレングリコール＃２００
（ナカライテスク社製ポリエチレングリコール平均分子量２００）６重量部
ＰＥＮ（大日本インキ化学工業社製ポリエチレン系ソフナー） ３重量部
水 ８７重量部
【００３４】
比較例３
加工剤を下記組成の加工液に変更する以外は実施例１と同様にしてシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表１に示した。
加工液組成：
ベッカミンＮ−１１９（大日本インキ化学工業社製、ジメチロ−ルプロピレン尿素系樹脂加工剤） ８重量部
キャタリストＧ（大日本インキ化学工業社製、架橋触媒） ４重量部
ポリエチレングリコール＃２００
（ナカライテスク社製ポリエチレングリコール平均分子量２００）６重量部
ＰＥＮ（大日本インキ化学工業社製ポリエチレン系ソフナー） ３重量部
水 ７９重量部
【００３５】
比較例４
加工剤を下記組成の加工液に変更する以外は実施例２と同様にしてシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表１に示した。
加工液組成：
ベッカミン４２５（大日本インキ化学工業社製、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素系樹脂加工剤） １０重量部
ポリエチレングリコール＃２００
（ナカライテスク社製ポリエチレングリコール平均分子量２００）６重量部
キャタリストＧ（大日本化学工業社製、架橋触媒） ４重量部
ＰＥＮ（大日本インキ化学工業社製ポリエチレン系ソフナー） ３重量部
水 ７７重量
【００３６】
比較例５
加工剤を下記組成の加工液に変更する以外は実施例１と同様にしてシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表１に示した。
加工液組成：
スミテックスレジンNF500K（住友化学工業社製、ノンホルマリン系樹脂加工剤）１０重量部
ＰＥＮ（大日本インキ化学工業社製ポリエチレン系ソフナー） ３重量部
水 ８７重量部
【００３７】
【表１】
本発明のシャツは、風合いが粗硬化せず防しわ性が高く、引裂強力及び屈曲摩耗の低下が小さく、Ｗ＆Ｗ性に優れ、著しくパッカリング性、保型性に優れる。比較例に示した従来法によるシャツでは、本発明のように、上記の全ての特性を満足させることは困難である。
【００３９】
【発明の効果】
メチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物類と必要に応じて潜在性酸性触媒を予めセルロース系繊維含有構造物に付与したのち縫製した縫製品をホルマリン加工してセルロース系繊維中の架橋長を調整することで得られる繊維製品は、風合いが良好で、セルロース系繊維の吸水性低下や引張強力、屈曲摩耗強力の低下が少なく、防しわ性が高く、繰り返し洗濯後も優れたＷ＆Ｗ性、パッカリング性、防縮性、保型性を示し、形態保持性に優れる。
Claims (3)
- 一般式（１）または（２）で示されるメチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物、及びポリエチレングリコールまたはそのジメチルエーテルから選択されるポリオール類が付与され、セルロース系繊維中の結合ホルマリン量が０．６重量％以上であるセルロース系繊維を含有し、ＪＩＳ Ｌ−０２１７ １０３法による繰り返し洗濯５回後のパッカリング性が４級以上であるセルロース系繊維含有繊維製品。
- 前記メチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物、及びポリエチレングリコールまたはそのジメチルエーテルから選択されるポリオール類を付与し、セルロース系繊維中の結合ホルマリン量が０．６重量％以上であるセルロース系繊維含有織編物を用いて縫製し、次いでセルロースを架橋させることのできる薬剤を前記セルロース系繊維内部に浸透せしめ、前記薬剤によりセルロースを架橋させることを特徴とする請求項１に記載のセルロース系繊維含有繊維製品の製造方法。
- 前記メチロール化可能な活性水素を少なくとも２ケ有する環状尿素化合物、ポリエチレングリコールまたはそのジメチルエーテルから選択されるポリオール類及び潜在性酸性触媒を付与し、セルロース系繊維中の結合ホルマリン量が０．６重量％以上であるセルロース系繊維含有織編物を用いて縫製し、次いでセルロースを架橋させることのできる薬剤を前記セルロース系繊維内部に浸透せしめ、前記薬剤によりセルロースを架橋させることを特徴とする請求項１に記載のセルロース系繊維含有繊維製品の製造方法。
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