JP2001164418A - 改質セルロース再生繊維の製造法 - Google Patents

改質セルロース再生繊維の製造法

Info

Publication number
JP2001164418A
JP2001164418A JP35266899A JP35266899A JP2001164418A JP 2001164418 A JP2001164418 A JP 2001164418A JP 35266899 A JP35266899 A JP 35266899A JP 35266899 A JP35266899 A JP 35266899A JP 2001164418 A JP2001164418 A JP 2001164418A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crosslinking agent
cellulose
fiber
added
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35266899A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsunori Itoyama
糸山  光紀
Masaki Mihashi
正樹 三橋
Hiroaki Yabe
博昭 谷邊
Kikuo Kakizaki
喜久男 柿崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Spinning Co Ltd
Original Assignee
Fuji Spinning Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Spinning Co Ltd filed Critical Fuji Spinning Co Ltd
Priority to JP35266899A priority Critical patent/JP2001164418A/ja
Priority to US09/730,784 priority patent/US6514610B2/en
Priority to GB0030077A priority patent/GB2358830B/en
Priority to FR0016155A priority patent/FR2802217B1/fr
Priority to CNB001373943A priority patent/CN1133762C/zh
Priority to IT2000RM000660A priority patent/IT1317074B1/it
Priority to DE10062070A priority patent/DE10062070A1/de
Publication of JP2001164418A publication Critical patent/JP2001164418A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)
  • Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルロース再生繊維の欠点である水に対する
膨潤性を軽減し、且つ風合いに優れるとともにフィブリ
ルの発生を抑制した改質セルロース再生繊維の製造法を
提供する。 【解決手段】 分子中に2個以上の反応性官能基を有す
る架橋剤をセルロースビスコース溶液中に添加混合した
後、該ビスコース溶液を凝固再生浴中に押し出して紡糸
し、次いで分子中に2個以上の反応性官能基を有する架
橋剤の水溶液に接触させて再度架橋処理を行う改質セル
ロース再生繊維の製造法であり、用いる架橋剤がエポキ
シ系架橋剤である改質セルロース再生繊維の製造法であ
る。また、セルロースビスコース溶液に添加する架橋剤
の添加量が添加するセルロースビスコース溶液中のセル
ロースに対して1〜15重量%であり、紡糸した後に再
度架橋処理を行うときの架橋剤水溶液の濃度が1〜10
%である改質セルロース再生繊維の製造法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース再生繊
維の欠点である水に対する膨潤性,フィブリル性を改善
した、風合いに優れた改質セルロース再生繊維の製造法
に関するもので、本発明により得られた改質セルロース
再生繊維は、これらの性能を発揮する糸、編織物、不織
布、製紙等として幅広い分野に利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】レーヨン,ポリノジック等のセルロース
再生繊維は綿,麻等の天然繊維と同様にセルロースで構
成される繊維であり、吸湿性や生分解性等が優れてお
り、今や衣料品分野では欠かすことのできない材料とな
っている。しかしながら、セルロース再生繊維特にレー
ヨンは柔らかく、ソフトな風合いでドレープ性に優れる
反面、コシが無く反発弾性にかける欠点がある。また耐
水性が悪く、水中での膨潤度が大きいことや洗濯による
縮みが大きいこと、フィブリル化を起こして白化するこ
と等の欠点があった。ポリノジックはレーヨンのこれら
の性質を大きく改善させるために開発された繊維で、確
かに上記レーヨンの欠点がかなり改善されてはいるが、
綿,麻等の天然セルロース繊維に比べると耐水性、コシ
といった面では必ずしも満足する性能にはなっていな
い。
【0003】これらの欠点を解消するためにセルロース
繊維を架橋剤で処理することは以前から試みられてい
る。例えば、特開昭59−94681号公報にはセルロ
ース系繊維含有織編物をエポキシ架橋剤で架橋処理して
ウオッシュアンドウェアー性,防しわ性を付与する方法
が、また特開平10−237765号公報には人造セル
ロース繊維及び布帛をポリエチレングリコールとエポキ
シ化合物で処理して、風合いを改善する方法がそれぞれ
開示されている。しかし、再生セルロース繊維を架橋す
る場合、セルロースが繊維を形成した後に架橋剤を作用
させても繊維内部へは架橋剤が到達しにくいため、架橋
が形成されるのは繊維の表面近傍のみであり、確かにフ
ィブリル化は押さえることは可能であるが、水に対する
膨潤度を抑制するには不十分であり、物性に関してもコ
シが出にくい欠点がある。
【0004】また、特開平9−170126号公報には
セルロース繊維糸条を、ホルムアルデヒドガスに接触さ
せた後に熱処理する方法が開示されている。この方法に
よれば、ホルムアルデヒドのような低分子の疎水性架橋
剤が繊維の内部にまで到達するため繊維内部での架橋形
成が可能であり、フィブリル化の低減、膨潤度の抑制、
防しわ性の向上は可能であるが、セルロース再生繊維が
本来持つ吸湿性という優れた性能が低下し、強度の低下
を生じる欠点もある。また、膨潤度や物性の改善を計る
ために架橋剤量を多くすると、膨潤度等は改善されるも
のの、繊維が堅くなりやすく繊維強度の低下やフィブリ
ル化を起こしやすくなる欠点がある。
【0005】セルロース再生成形物の成型途中に架橋剤
を反応させ、成型物の内部にまで架橋剤を反応させる方
法としては、例えば、特開平11−187871号公報
にビスコース溶液を凝固浴中に滴下後、完全に凝固再生
が完了しないうちに取り出して架橋剤と反応させる方法
が開示されている。この方法では、内部まで架橋剤を反
応させるために凝固途中で成型物を取り出す必要があ
り、繊維に応用する場合スキンコア構造のレーヨンには
適応できても、ポリノジックへの応用は困難である。さ
らに、凝固過程の制御が難しく、特に繊維のように連続
して生産する工程への応用は実用的ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来の欠点を解消してセルロース再生繊維の欠点である水
に対する膨潤性を軽減し、且つ風合いに優れるとともに
フィブリルの発生を抑制した改質セルロース再生繊維の
製造法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記欠点を
克服するために鋭意検討を重ねた結果、セルロースビス
コース溶液に架橋剤を添加した後に凝固再生浴中に押し
出して紡糸し、更に再度架橋処理することで、強力、吸
湿性の低下や風合いの劣化を伴わずに、セルロース再生
繊維の大きな欠点であるフィブリル化、水に対する膨潤
性、繰り返し洗濯による収縮、コシのなさ等を低減させ
得ることを見出し本発明に至った。
【0008】すなわち本発明は、分子中に2個以上の反
応性官能基を有する架橋剤をセルロースビスコース溶液
中に添加混合した後、該ビスコース溶液を凝固再生浴中
に押し出して紡糸し、次いで分子中に2個以上の反応性
官能基を有する架橋剤の水溶液に接触させて再度架橋処
理を行う改質セルロース再生繊維の製造法であり、用い
る架橋剤がエポキシ系架橋剤である改質セルロース再生
繊維の製造法である。また、セルロースビスコース溶液
に添加する架橋剤の添加量が添加するセルロースビスコ
ース溶液中のセルロースに対して1〜15重量%であ
り、紡糸した後に再度架橋処理を行うときの架橋剤水溶
液の濃度が1〜10%である改質セルロース再生繊維の
製造法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明でセルロースビスコース溶
液に添加する架橋剤は、その分子中に2個以上の反応性
官能基を有するものであり、その反応性官能基は、グリ
シジルエーテル基またはクロルヒドリン基であることが
好ましい。具体的には、例えば、エチレングリコールジ
グリシジルエーテル,ポリエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル等のエチレングリコール系のものや、プロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル,ポリプロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル等のプロピレングリ
コール系の分子中に2個の官能基を有する物が挙げられ
るが、グリセロールグリシジルエーテル等の3個以上官
能基を持つエポキシ架橋剤でも問題なく使用することが
可能である。また、エポキシに環化させる前のクロルヒ
ドリンは、セルロースビスコース溶液に添加すると、セ
ルロースビスコースに高濃度で含有されている水酸化ナ
トリウムの作用により、直ちにエポキシに環化されるた
め、本発明の架橋剤として問題なく使用することが可能
である。そして、用いる架橋剤は、上述の中から1種を
選択してもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
【0010】本発明の改質セルロース再生繊維の製造法
では、先ず、予め調製したセルロースビスコース溶液に
上述した架橋剤を、セルロースビスコース溶液中のセル
ロースに対して1〜15重量%となるように添加し、均
一に混合して紡糸原液を得る。このときの架橋剤の添加
量が1重量%に満たないと得られるセルロース再生繊維
の水に対する膨潤度の抑制等にほとんど効果がなく、1
5%を越えると強度等の繊維物性が低下するため好まし
くない。
【0011】架橋剤の添加方法は、架橋剤が水溶性であ
る場合は単にビスコース溶液に添加すればよく、架橋剤
の添加時期は紡糸直前であっても、添加後、所定時間攪
拌した後に行ってもよいが、水溶性が高いエチレングリ
コール系の架橋剤の場合は、凝固再生浴中に架橋剤が漏
出してしまう恐れがあるため注意する必要がある。この
場合、例えば架橋剤をビスコース溶液に添加した後ある
程度の時間攪拌することにより凝固再生浴中への架橋剤
の漏出を防ぐことができる。水溶性があまり高くないプ
ロピレングリコール系の架橋剤では紡糸直前に添加して
も凝固再生浴中への漏出は起こらず、好適に使用でき
る。また、架橋剤の水溶性が低くほとんど水に不溶の場
合は、そのまま添加し、混合しても良いが、予め界面活
性剤などの分散剤で分散させた後に、この分散液をビス
コース溶液に添加することが架橋剤の反応性の面で好ま
しい。また、疎水性架橋剤の場合は、添加するタイミン
グとしては予めビスコース溶液に混ぜておいても、紡糸
直前に添加して用いても支障はない。
【0012】また、本発明においては上述した架橋剤を
添加する以外に、抗菌性,消臭性,染色性改善等の他の
機能を発現させるため、例えば微小粒状再生キトサン、
中空微粒子、アニオン化剤等の微粒状の練り込み剤を併
用することももちろん可能である。
【0013】上述の如くして得た紡糸原液を紡糸してセ
ルロース再生繊維を製造するが、このときの紡糸条件
は、通常のセルロース再生繊維を得るための条件であれ
ばよく、特に制限されるものではない。
【0014】続いてさらに架橋処理を行うが、このとき
用いる架橋剤は前述したビスコース溶液に添加した架橋
剤と同様のエポキシ系の架橋剤であればよく、先に添加
したものと同一のものであってもよく、異なるものであ
ってもよい。架橋剤の水溶性が低い場合には界面活性剤
等の分散剤で分散させてもよい。また、クロルヒドリン
を用いる場合には等モルの水酸化ナトリウムを添加して
環化させる前処理が必要である。このときの架橋剤の処
理濃度は、1〜10%の水溶液で処理することが好まし
い。架橋剤濃度が1%に満たない場合には、架橋の効果
がなく、フィブリル化を抑えることができないため好ま
しくない。また10%を越える場合には、架橋が強すぎ
るため繊維表面が堅くなり、かえってフィブリル化を起
こしやすくなるため好ましくない。
【0015】架橋処理を行った後、水洗して乾燥するこ
とにより改質セルロース再生繊維を得ることができる
が、架橋処理を完全に進行させるためには、130℃で
15分間程度の加熱処理を行うことが望ましい。
【0016】上述の如き本発明の改質セルロース再生繊
維の製造法は、繊維中に含有させた架橋剤を繊維内部で
反応させて一様に架橋結合を形成させた後に、さらに繊
維の表面で架橋反応をさせるため、セルロース再生繊維
の持つ本来の優れた性質を損うことなく、セルロース再
生繊維の欠点であるフィブリル化、水膨潤性,コシの弱
さ等の物性を改善することが出来る。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこの範囲に限定されるものではない。な
お、部はすべて重量部を示し、膨潤度,洗濯収縮率,強
度,伸度,フィブリル化,風合いは、以下の方法により
測定した。
【0018】〈膨潤度〉JIS L 1015「化学繊
維ステープル試験方法」7.25(水膨潤度)に従い、
水膨潤度を測定した。 〈洗濯収縮率試験〉JIS L 1042「織物の収縮
率試験方法」に従い、40回洗濯による収縮率を測定し
た。 〈強度,伸度〉JIS L 1015「化学繊維ステー
プル試験方法」に従い、破断時の引張り強さ(cN/d
tex)及びそのときの伸度(%)を測定した。 〈フィブリル化度〉試料を40回洗濯後に走査電子顕微
鏡観察を行い、下記の基準で判定した。 ○;フィブリルの発生が見られない △;フィブリルの発生が少ない ×;フィブリルの発生が多い 〈風合い(柔軟性、コシ)〉被験者10人により、本発
明の改質セルロース再生繊維を用いて作製した編地の風
合いを触感判定し、風合いが良いものを1点、悪いもの
を0点とし、各人に評価してもらいその総点から下記の
基準に従い風合いを判定した。 8〜10点 ; ○(良好) 4〜 7点 ; △(やや良い) 0〜 3点 ; ×(悪い)
【0019】〔実施例1〕通常の方法によりポリノジッ
クビスコース溶液(セルロース5.0%、全アルカリ
3.5%、全硫黄3.0%)を調製し、該ビスコース溶
液にポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル
(ナガセ化成工業(株)製、商品名;デナコールEX−
931)を該ビスコース溶液のセルロースに対して0.
5、1、3、5、10、15、20重量%となるように
それぞれ添加し均一に混合して紡糸原液7種を調製し
た。得られた各紡糸原液を0.07mm×500Hのノ
ズルを使用し、紡糸速度30m/分で、硫酸22g/
L、硫酸ナトリウム65g/L、硫酸亜鉛0.5g/L
の温度35℃の紡糸浴中に紡糸した。次いで、硫酸2g
/L、硫酸亜鉛0.05g/Lの温度25℃の浴中で2
倍に延伸し、繊維長38mmとなるように切断し、炭酸
ナトリウム1g/L、硫酸ナトリウム2g/Lの温度6
0℃の浴中で処理を行った後、再度硫酸5g/Lの温度
65℃の浴中で処理した。さらに、通常の精練漂白、水
洗を行った。
【0020】次いで、得られた各繊維をエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、
商品名デナコールEX−810)の5重量%の水溶液で
処理した。130℃で15分間熱風乾燥後水洗し、乾燥
しておよそ1.39デシテックスのポリノジックの改質
セルロース再生繊維7種をそれぞれ5kgずつ糸切れす
ることなく製造し、試料No.1〜No.7とした。ま
た、架橋剤を添加せずに上述と同様に紡糸し、紡糸後の
架橋は上述と同様にして得たポリノジックのセルロース
再生繊維を比較試料1とした。また、架橋剤を用いるこ
となく上述と同様にして得た通常のポリノジックのセル
ロース再生繊維を比較試料2とした。
【0021】試料No.1〜No.7の各試料を用いて
綿糸番手40番手の紡績糸を製造し、これを用いて平編
み地を作製し、試料No.8〜No.14とした。ま
た、比較試料1および比較試料2を用いて作製した平編
み地をそれぞれ比較試料3および比較試料4とした。試
料No.1〜No.7の各試料と比較試料1および比較
試料2の強度、伸度、膨潤度を測定して、結果を表1に
示した。試料No.8〜No.14の各試料と比較試料
3および比較試料4の洗濯収縮率、風合い、フィブリル
化度を測定して、結果を表2に示した。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】表1及び表2から明らかなように、セルロ
ースビスコース溶液に添加する架橋剤の添加量が低い試
料No.1では膨潤度が比較試料2の通常のポリノジッ
クと変わらず、これを用いて平編の編地とした試料N
o.8ではコシのある風合いが得られず、フィブリル化
もあまり抑制されていない。逆に架橋剤を20%添加し
て紡糸した試料No.7では強度低下が著しく、また紡
糸時の紡調も悪く実用的では無かった。また、紡糸段階
では架橋剤を添加せず、紡糸後のみに架橋した比較試料
1は、膨潤度の抑制にはほとんど効果が得られず、これ
を用いて平編の編地とした比較試料3では、フィブリル
化は抑制されているものの、柔軟性を損う結果となり、
コシのある風合いも得られていない。
【0025】これに対して、ビスコース溶液に添加する
架橋剤の添加量が1〜15%の試料No.2〜No.6
でほぼ添加した架橋剤の量に比例して膨潤度が抑制され
ており、強度の低下も事実上問題になるものではなく、
これらを用いて平編の編地とした試料No.9〜No.
13では、洗濯収縮率が大幅に改善されており、またコ
シのある風合いを発現するとともに、フィブリルの発生
が十分に抑制されている。
【0026】〔実施例2〕通常の方法により調製したレ
ーヨンビスコース溶液(セルロース9.0%、全アルカ
リ6.0%、全硫黄2.5%)のセルロースに対して、
ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(ナガ
セ化成工業(株)製、商品名;デナコールEX−93
1)が0.5、1、3、5、10、15、20重量%と
なるように添加して均一に混合して紡糸原液7種を調製
した。得られた各紡糸原液を0.09mm×100Hの
ノズルを使用し、紡糸速度55m/分で、硫酸110g
/L、硫酸ナトリウム30g/L、硫酸亜鉛15g/
L、温度50℃の紡糸浴中に紡糸した。通常の二浴緊張
紡糸法により延伸し、38mmに切断した後、通常の精
練,漂白処理を行い水洗を行った後にエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商
品名;デナコールEX−810)の5重量%の水溶液で
処理した。次いで、130℃にて15分間熱風乾燥後水
洗し、乾燥して、およそ3.33デシテックスのレーヨ
ンの改質セルロース再生繊維7種を糸切れすることなく
製造し、各水準ともおよそ5kgの試料を得、それぞれ
を試料No.15〜No.21とした。また、架橋剤を
添加せずに上述と同様に紡糸し、紡糸後の架橋は上述と
同様にして得たレーヨンのセルロース再生繊維を比較試
料5とした。また、架橋剤を用いることなく上述と同様
にして得た通常のレーヨンのセルロース再生繊維を比較
試料6とした。
【0027】試料No.15〜No.21の各試料を用
いて綿糸番手40番手の紡績糸を製造し、これを用いて
平編の編地を作製し、試料No.22〜No.28とし
た。また、比較試料5および比較試料6を用いて作製し
た平編の編地をそれぞれ比較試料7および比較試料8と
した。試料No.15〜No.21の各試料と比較試料
5および比較試料6の強度、伸度、膨潤度を測定して、
結果を表3に示した。また、試料No.22〜No.2
8の各試料と比較試料7および比較試料8の洗濯収縮
率、風合い、フィブリル化度を測定して、結果を表4に
示した。
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】表3および表4から明らかなように、実施
例1のポリノジックのセルロース再生繊維とは異なるレ
ーヨンのセルロース再生繊維であっても、同様の優れた
効果が得られている。すなわち、ビスコース溶液に添加
する架橋剤の添加量が低い試料No.15では膨潤度が
比較試料6の通常のレーヨンと変わらず、これを用いて
平編の編地とした試料No.22ではコシのある風合い
が得られていない。逆に架橋剤を20%添加して紡糸し
た試料No.21では強度低下が著しく、また紡糸時の
紡調も悪く実用的では無かった。また、紡糸段階では架
橋剤を添加せず、紡糸後のみに架橋した比較試料5は、
膨潤度の抑制にはほとんど効果が得られず、これを用い
て平編の編地とした比較試料7では、フィブリル化は抑
制されているものの、柔軟性を損う結果となり、コシの
ある風合いも得られていない。
【0031】これに対して、ビスコース溶液に添加する
架橋剤の添加量が1〜15%の試料No.16〜No.
20ではほぼ添加した架橋剤の量に比例して膨潤度が抑
制されており、強度の低下も事実上問題になるものでは
なく、これらを用いて平編の編地とした試料No.23
〜No.27では、洗濯収縮率が大幅に改善されてお
り、またコシのある風合いを発現するとともに、フィブ
リルの発生が十分に抑制されている。
【0032】〔実施例3〕通常の方法により調製したポ
リノジックビスコース溶液(セルロース5.0%、全ア
ルカリ3.5%、全硫黄3.0%)にポリプロピレング
リコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)
製、商品名;デナコールEX−931)を該ビスコース
溶液のセルロースに対して5重量%となるように添加し
て、均一に混合した後、実施例1と同様の紡糸条件によ
り紡糸し、水洗を行った後に0.5、1、3、5、1
0、15重量%のエチレングリコールジグリシジルエー
テル(ナガセ化成工業(株)製、デナコールEX−81
0)の各水溶液で処理した。次いで、130℃にて15
分間熱風乾燥後水洗し、再度乾燥して、およそ1.39
デシテックスのポリノジックの改質セルロース再生繊維
6種をそれぞれ5kgずつ製造し、試料No.29〜N
o.34とした。また、紡糸後の架橋処理を行わずに上
述と同様にしてセルロース再生繊維を得、比較試料9と
した。
【0033】試料No.29〜No.34の各試料を用
いて綿糸番手40番手の紡績糸を製造し、これを用いて
平編の編地を作製し、試料No.35〜No.40とし
た。また、比較試料9を用いて作製した平編の編地を比
較試料10とした。試料No.29〜No.34の各試
料と比較試料9の強度,伸度,膨潤度を測定して、結果
を表5に示した。また、試料No.35〜No.40の
各試料と比較試料10の洗濯収縮率,風合い,フィブリ
ル化度を測定して、結果を表6に示した。
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】表5および表6から明らかなように、いず
れの試料もビスコース溶液に架橋剤を添加して紡糸して
いるため膨潤度、強度ともに優れているが、紡糸後の架
橋処理を行っていない比較試料9およびそのときの架橋
剤濃度が低い試料No.29を用いて平編の編地とした
比較試料10および試料No.35はフィブリル化が著
しい。また、紡糸後の架橋処理における架橋剤濃度が高
い試料No.34を用いた平編の編地の試料No.40
は、繊維表面の架橋結合が多すぎるため繊維自体が堅く
なり、かえってフィブリル化を起こす結果となってい
る。これに対して本発明の試料であるNo.30〜N
o.33を用いて製造した平編の編地の試料No.36
〜39はフィブリル化も抑制しており、コシのある風合
いが得られている。
【0037】〔実施例4〕通常の方法により調製したポ
リノジックビスコース溶液(セルロース5.0%、全ア
ルカリ3.5%、全硫黄3.0%)にエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商
品名;デナコールEX−810)、プロピレングリコー
ルグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品
名;デナコールEX−911)、ポリプロピレングリコ
ールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、
商品名;デナコールEX−931)、グリセロールポリ
グリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品
名;デナコールEX−314)、ヘキサメチレンビス−
(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルジメチルアンモ
ニウムクロライド)(一方社油脂工業(株)製、商品
名;カチオノン−UK)をビスコース溶液のセルロース
に対して5重量%となるようにそれぞれ添加して1時間
攪拌後、実施例1と同様の紡糸条件により紡糸し、5種
類のセルロース再生繊維を製造した。通常の漂白、水洗
処理を行った後、各繊維を5重量%のエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商
品名;デナコールEX−810)の水溶液で処理した。
次いで、130℃で15分間熱風乾燥後水洗し、再度乾
燥してポリノジックの改質セルロース再生繊維5種類を
得、試料No.41〜No.45とした。得られた各試
料を用いて40番手の紡績糸を調製し、これを用いて平
編の編地を作製し、試料No.46〜No.50とし
た。 試料No.41〜No.45の各試料の強度,伸
度,膨潤度を測定し、その結果を表7に示した。また、
試料No.46〜No.50の各試料の洗濯収縮率、風
合い、フィブリル化度を測定し、結果を表8に示した。
【0038】
【表7】
【0039】
【表8】
【0040】表7および表8から明らかなように、セル
ロースビスコース溶液に添加する架橋剤の種類を変えて
用いてもエポキシ系の架橋剤であれば、強度等の繊維物
性を損なうことなく膨潤度に優れており、編地としても
洗濯収縮率が大幅に向上し、フィブリル化が抑制されて
いる。更にはコシのある風合いが得られている。また、
架橋剤としてクロルヒドリンを用いた試料No.45、
試料No.50は、クロルヒドリンがビスコース溶液中
のアルカリにより環化してエポキシとして作用するため
全く同様の効果が得られている。
【0041】〔実施例5〕脱アセチル化度82%、平均
分子量42,000のキトサンを酢酸水溶液に溶解させ
た後、アルカリ性溶液中で粒状に凝固再生させ、充分水
洗した後に粉砕して180℃の高温雰囲気中に噴霧乾燥
して、粒子径が10μm以下の微小粒状再生キトサンを
調製した。実施例1と同様に調製したポリノジックビス
コース溶液に先に調製した微小粒状再生キトサンをビス
コース溶液のセルロースに対して1重量%となるように
添加し、さらに、ポリプロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品名;デナコ
ールEX−931)をビスコース溶液中のセルロースに
対して5重量%となるように添加し、1時間攪拌して紡
糸原液を調製した。実施例1と同様の条件にて紡糸し、
通常の精練漂白、水洗を行った後、さらに繊維をエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業
(株)製、商品名;デナコールEX−810)の5重量
%の水溶液で処理した。続いて130℃で15分間熱処
理し、再度水洗,乾燥して、およそ1.39デシテック
スのポリノジックの改質セルロース再生繊維5kgを糸
切れすることなく製造し、試料No.51とした。この
繊維を用いて実施例1と同様にして平編の編地を製造
し、試料No.52とした。試料No.51を用いて、
強度,伸度,膨潤度を測定し、結果を表9に示した。ま
た、試料No.52を用いて、洗濯収縮度,風合い,フ
ィブリル化度を測定し、結果を表10に示した。
【0042】
【表9】
【0043】
【表10】
【0044】表9及び表10から明らかなように、本発
明の製造法により改質セルロース再生繊維を製造すると
きにセルロースビスコース溶液中に他の添加剤である微
小粒状再生キトサンを添加しても強度,伸度を損なうこ
となく膨潤度が改善されている。また、この繊維を用い
て編地とした試料No.52は洗濯収縮率が大幅に改善
され、柔軟性を損うことなく、コシのある風合いが得ら
れている。さらに、試料No.52の編地を用いて、J
IS L 1902(1998)により抗菌性を評価し
た結果、十分な抗菌性が認められた。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明の製造法は、
分子中に2個以上の反応性官能基を有する架橋剤を紡糸
原液中に添加して紡糸し、紡糸工程の進行とともに繊維
の内部から表面まで一様に架橋反応を進行させ、次い
で、分子中に2個以上の反応性官能基を有する架橋剤の
水溶液に接触させて再度架橋処理を行うものである。こ
の方法により得られる改質セルロース再生繊維は、セル
ロース再生繊維が本来有している高い吸湿性や柔軟性を
損うことなく、セルロース再生繊維の欠点である水に対
する膨潤姓、洗濯収縮性、コシのなさを改善するととも
に、フィブリルの発生のしやすさといった欠点を解消さ
せたものであり、今までセルロース再生繊維には不向き
であった種々の分野への展開が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L033 AA02 AB01 AC15 CA49 CA70 4L035 BB03 CC20 EE05 JJ14 4L038 AA04 BA14 BB09 BB10 DA20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に2個以上の反応性官能基を有す
    る架橋剤をセルロースビスコース溶液に添加混合した
    後、該ビスコース溶液を凝固再生浴中に押し出して紡糸
    し、次いで分子中に2個以上の反応性官能基を有する架
    橋剤の水溶液に接触させて再度架橋処理を行うことを特
    徴とする改質セルロース再生繊維の製造法。
  2. 【請求項2】 前記架橋剤がグリシジルエーテル基また
    はクロルヒドリン基を有するエポキシ系架橋剤であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の改質セルロース再生繊
    維の製造法。
  3. 【請求項3】 前記架橋剤のセルロースビスコース溶液
    への添加量が添加するセルロースビスコース溶液中のセ
    ルロースに対して1〜15重量%であることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の改質セルロース再生繊維の
    製造法。
  4. 【請求項4】 紡糸後に再度架橋処理を行うときの架橋
    剤水溶液の濃度が、1〜10%であることを特徴とする
    請求項1に記載の改質セルロース再生繊維の製造法。
JP35266899A 1999-12-13 1999-12-13 改質セルロース再生繊維の製造法 Pending JP2001164418A (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35266899A JP2001164418A (ja) 1999-12-13 1999-12-13 改質セルロース再生繊維の製造法
US09/730,784 US6514610B2 (en) 1999-12-13 2000-12-07 Method for manufacturing improved regenerated cellulose fiber
GB0030077A GB2358830B (en) 1999-12-13 2000-12-08 A method for manufacturing improved regenerated cellulose fiber
FR0016155A FR2802217B1 (fr) 1999-12-13 2000-12-12 Procede de fabrication de fibre de cellulose regeneree amelioree et fibre de cellulose ainsi obtenue
CNB001373943A CN1133762C (zh) 1999-12-13 2000-12-12 改良再生纤维素纤维及其制法
IT2000RM000660A IT1317074B1 (it) 1999-12-13 2000-12-12 Metodo per la fabbricazione di fibra di cellulosa rigeneratamigliorata.
DE10062070A DE10062070A1 (de) 1999-12-13 2000-12-13 Verfahren zur Herstellung verbesserter regenerierter Zellulosefasern

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35266899A JP2001164418A (ja) 1999-12-13 1999-12-13 改質セルロース再生繊維の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001164418A true JP2001164418A (ja) 2001-06-19

Family

ID=18425630

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35266899A Pending JP2001164418A (ja) 1999-12-13 1999-12-13 改質セルロース再生繊維の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001164418A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011514187A (ja) * 2008-02-15 2011-05-06 プレイテックス プロダクツ エルエルシー 架橋結合されたセルロース繊維を備えたタンポンおよびその製造のための改良された合成方法
JP2016075001A (ja) * 2014-10-07 2016-05-12 東レ株式会社 中空セルロース繊維糸条およびその製造方法
WO2020175193A1 (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 旭化成株式会社 民族衣装サリー用再生セルロース緯糸強撚織物

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011514187A (ja) * 2008-02-15 2011-05-06 プレイテックス プロダクツ エルエルシー 架橋結合されたセルロース繊維を備えたタンポンおよびその製造のための改良された合成方法
JP2016075001A (ja) * 2014-10-07 2016-05-12 東レ株式会社 中空セルロース繊維糸条およびその製造方法
WO2020175193A1 (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 旭化成株式会社 民族衣装サリー用再生セルロース緯糸強撚織物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU667068B2 (en) Cellulosic fibres
US5622666A (en) Modified viscose fibres and method for their manufacture
US6514610B2 (en) Method for manufacturing improved regenerated cellulose fiber
CN110172754A (zh) 一种抗原纤化纤维素类纤维的制备方法
KR100808724B1 (ko) 섬유 및 그 제조방법
GB2284421A (en) Treatment of cellulose
JP2020504791A (ja) リヨセル繊維、これを含む不織繊維集合体およびこれを含むマスクパックシート
CN114395916B (zh) 一种抗原纤化纤维素纤维及其制备方法
JP2001164418A (ja) 改質セルロース再生繊維の製造法
JP2001164419A (ja) 改質セルロース再生繊維の製造方法
WO1991009163A1 (en) Modified viscose fibres and method for their manufacture
KR20180117367A (ko) 중공면사를 포함하는 흡한속건 타월
JP2013204205A (ja) 消臭性再生セルロース繊維、その製造方法及び繊維構造物
JP4015289B2 (ja) 溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化防止加工方法
JP2021526598A (ja) 不織繊維集合体およびこれを用いたマスクパックシート
CN114232120B (zh) 一种抗原纤化纤维素纤维及其制备方法
JP2001181981A (ja) 軽量化セルロース再生繊維
JPH11140772A (ja) 溶剤紡糸セルロース系繊維及び繊維構造物並びにその 製造方法
JPH06330461A (ja) 吸水・速乾性に優れた繊維構造物
JP2003342875A (ja) セルロース繊維の加工方法
JPH09158050A (ja) 抗ピリング性溶剤紡糸セルロース系繊維、その繊維構造物及びその製造法
JPH1181135A (ja) 溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化防止方法
JPH10507497A (ja) セルロースファイバ
CN116590923A (zh) 一种抗原纤化纤维素纤维的制备方法
CN114214784A (zh) 一种竹纤维玉米纤维双组分无纺布的制备方法