JP2001181981A - 軽量化セルロース再生繊維 - Google Patents

軽量化セルロース再生繊維

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JP2001181981A
JP2001181981A JP36672199A JP36672199A JP2001181981A JP 2001181981 A JP2001181981 A JP 2001181981A JP 36672199 A JP36672199 A JP 36672199A JP 36672199 A JP36672199 A JP 36672199A JP 2001181981 A JP2001181981 A JP 2001181981A
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cellulose
solution
acidic polymer
fiber
weight
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JP36672199A
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English (en)
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Mitsunori Itoyama
糸山  光紀
Masaki Mihashi
正樹 三橋
Hiroaki Yabe
博昭 谷邊
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Fuji Spinning Co Ltd
Original Assignee
Fuji Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強力等の繊維物性やセルロース再生繊維が本
来有する吸湿性等の特性を損なうことなく、軽量化し風
合いを改善したセルロース再生繊維を提供する。 【解決手段】 セルロースビスコース溶液中に酸性高分
子を添加し、均一に溶解して紡糸原液とし、得られた紡
糸原液を凝固再生浴中に押し出して紡糸した後にアルカ
リ処理を行い、続いて架橋処理を行って得られる軽量化
セルロース再生繊維である。酸性高分子の添加量は添加
するセルロースビスコース溶液中のセルロースに対して
3〜25重量%であり、用いる酸性高分子は水酸化ナト
リウム水溶液に溶解し、かつセルロースビスコース溶液
の凝固再生浴中で凝固するものである。また、架橋処理
としては、グリシジルエーテル基またはクロルヒドリン
基を有するエポキシ系架橋剤の1〜10%水溶液で処理
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース再生繊
維の欠点である見掛け比重の重さ及びハリ、コシの無さ
を低減させた風合いに優れたセルロース再生繊維に関す
るものであり、肌着,シャツ等の衣料分野,布団等の中
綿に好適に利用できる軽量化セルロース再生繊維を提供
するものである。
【0002】
【従来の技術】木材パルプや綿リンターから得られるセ
ルロース再生繊維は、同じセルロース繊維である綿や麻
に比べて見掛け比重が重いということがよく知られてい
る。これは、綿などの天然セルロース繊維が中空構造で
あるのに対し、セルロース再生繊維の構造が剛直な棒状
であることに起因している。また、セルロース再生繊維
はコシがなく反発弾性に欠けること、フィブリル化を起
こして白化すること等の欠点があった。これらの欠点を
解消するために、セルロース再生繊維を軽量化する方法
としては、綿と同様な中空構造にする方法が従来から行
われており、例えば、特開平11−172520号公報
には炭酸塩をビスコース溶液に添加して発泡させて中空
レーヨンとする方法が、特公昭39−14007号公報
にはビスコース溶液中に小径の気泡を均一に分散せしめ
て紡糸して中空にする方法が、特開昭52−85511
号公報には特殊形状の紡糸ノズルより紡糸して中空とす
る方法がそれぞれ開示されている。しかしながら、これ
らの方法はいずれも紡糸時に中空化する方法であるた
め、紡調が悪くなりがちで、中空構造の制御は極めて困
難であり、コシの無さやフィブリル化を改善する効果は
ない。
【0003】また、特開平7−292517号公報には
中空微粒子をレーヨンに練り込んで軽量化を図る方法が
開示されているが、用いる中空微粒子が合成高分子であ
るためにレーヨンとのなじみが悪く、練り込んだ中空微
粒子が脱落したり、繊維の強度を低下させるなどの欠点
があり、コシの無さやフィブリル化の改善を目的とした
ものではなく、そのような効果は得られない。これらを
解消する方法として、繊維を架橋処理することが、特開
平10−237765号公報等に開示されているが、繊
維の表面近傍のみを架橋処理しても得られる効果は不十
分である。
【0004】一方、アルギン酸等の酸性高分子物質のセ
ルロース繊維への導入に関しては、例えば、特開平7−
173711号公報、特開平7−197313号公報に
開示されているが、これらはいずれも導入した酸性高分
子を繊維内にとどめることにより効果を発現させるもの
であり、酸性高分子が繊維中に存在しているために軽量
化を達成することは出来ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来の欠点を克服して簡便な方法により、強力等の繊維物
性やセルロース再生繊維が本来有する吸湿性等の特性を
損なうことなく、軽量化し風合いを改善したセルロース
再生繊維を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記欠点を
克服するために鋭意検討を重ねた結果、酸性高分子の中
にセルロースビスコース溶液と同様なアルカリ性水溶液
に溶解し、更に、セルロースビスコース溶液の凝固再生
浴で凝固するものが存在することに着目し、セルロース
ビスコース溶液中にこのような酸性高分子を均一に溶解
させた後に凝固再生浴中に押し出して紡糸し、次いでア
ルカリ処理を行って酸性高分子成分を溶出させ、続いて
架橋処理を行うことで、セルロース再生繊維の大きな欠
点である見掛け比重の重さを低減させ、ハリ,コシの無
さやフィブリル化を改善させ得ることを見出し本発明に
至った。
【0007】すなわち本発明は、セルロースビスコース
溶液中に酸性高分子を添加し、均一に溶解して紡糸原液
とし、得られた紡糸原液を凝固再生浴中に押し出して紡
糸した後にアルカリ処理を行い、続いて架橋処理を行っ
て得られる軽量化セルロース再生繊維である。また、酸
性高分子の添加量が添加するセルロースビスコース溶液
中のセルロースに対して3〜25重量%であり、用いる
酸性高分子が水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、かつセ
ルロースビスコース溶液の凝固再生浴中で凝固するもの
である。また、架橋処理としてグリシジルエーテル基ま
たはクロルヒドリン基を有するエポキシ系架橋剤の1〜
10%水溶液で処理して得られる軽量化セルロース再生
繊維である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いる酸性高分子は、セ
ルロースビスコース溶液と同じpH8〜9程度のアルカ
リ性溶液中に均一に溶解し、更にセルロース再生繊維の
紡糸に用いられる凝固再生浴で凝固するものであれば種
類を選ばないが、このような特性を持つためには酸性高
分子がカルボキシル基を有していることが好ましい。具
体的な例としては、アルギン酸,カルボキシメチルセル
ロース,アクリル酸等が挙げられ、これらの1種又は2
種以上を混合して用いてもよく、またこれらの酸性高分
子が有するカルボキシル基は、フリーの状態であっても
よく、ナトリウム,カリウム等の塩の状態であってもよ
い。
【0009】上述の酸性高分子は、その分子量があまり
高すぎるとセルロースビスコース溶液に添加、溶解した
ときに該溶液の粘度が上昇するため好ましくなく、低す
ぎると紡糸するときの凝固再生浴中で凝固せずに溶出し
てしまうため好ましくない。従って、用いる酸性高分子
の分子量は、20,000〜200,000の範囲であ
ることが好ましい。
【0010】本発明の軽量化セルロース再生繊維を得る
ためには、先ず、予め調製したセルロースビスコース溶
液に上述した酸性高分子を、セルロースビスコース溶液
中のセルロースに対して3〜25重量%となるように添
加し、均一に混合溶解させて紡糸原液を得る。このとき
の酸性高分子の添加量が3重量%に満たないと得られる
セルロース再生繊維の見掛けの比重の低減にほとんど効
果がなく、25重量%を越えると繊維物性が低下するた
め好ましくない。このときの酸性高分子の添加方法は、
セルロースビスコース溶液に直接添加して溶解してもよ
く、また、予めセルロースビスコース溶液の水酸化ナト
リウムと同濃度の水酸化ナトリウム水溶液に溶解させた
後にセルロースビスコース溶液に添加してもよい。
【0011】このようにして得られた紡糸原液中のセル
ロースと酸性高分子の合計の濃度は、特に限定されない
が、紡糸可能な粘度の範囲から考慮すると、通常4〜1
2重量%とすることが好ましい。
【0012】続いて上述の如くして得られた紡糸原液
を、ノズルより酸性の凝固浴中に吐出して、酸性高分子
を含有したセルロース再生繊維を湿式紡糸法により紡糸
するが、このときの凝固浴組成、紡糸速度等の紡糸条件
は特に限定されるものではなく、通常のセルロース再生
繊維の紡糸条件で行えばよい。
【0013】次いで、得られた酸性高分子を含有したセ
ルロース再生繊維を水酸化ナトリウム水溶液等のアルカ
リ水溶液に接触させることにより、繊維中に含有されて
いる酸性高分子を溶出させた後十分に水洗する。このア
ルカリ処理は、セルロース再生繊維中に含まれている酸
性高分子を溶出できる条件であればよく、含まれる酸性
高分子の酸性基を十分に中性化する濃度の水酸化ナトリ
ウム,水酸化カリウム等のアルカリ水溶液を用いて行う
ことができる。このとき酸性高分子を溶出させる時間を
短縮するために加熱してアルカリ処理を行ってもよい
が、この場合に高濃度のアルカリを用いるとセルロース
再生繊維自体にダメージを与え、得られる繊維の強力を
損なう結果となるため、20%程度以下の濃度でアルカ
リ処理することが好ましい。アルカリ処理の具体的な例
としては、4重量%の水酸化ナトリウム水溶液中で、8
0℃の温度にて10分間処理すればよく、この処理によ
り繊維中の酸性高分子が十分に溶出される。また、この
アルカリ処理による酸性高分子の溶出は、紡糸後の綿状
の段階で行っても良く、紡績糸,編織物,縫製品とした
後のいずれの段階で行ってもよい。
【0014】このようにして得られた、酸性高分子を溶
出させた後のセルロース再生繊維は多孔質状態になって
いるため、水に対する膨潤度が大きく耐水性に欠ける、
フィブリル化を起こしやすい、コシがないといったセル
ロース再生繊維の欠点が増幅されがちで、これを防止す
るためには続いて架橋処理を行うことが必要である。こ
の架橋処理により、多孔質状態となっている繊維の内部
にまで架橋剤が十分浸透し、架橋反応が繊維全体で生じ
る。その結果、フィブリル化を防止する効果が得られる
とともに、通常のセルロース再生繊維を後架橋処理する
だけでは得られなかったハリ,コシといった風合いを改
善する効果も達成できる。架橋処理の方法は繊維の形態
によって適宜選択すればよく、通常、原綿や紡績糸の場
合はバッチ処理で、布帛の場合はパッドーキュア法等で
処理すればよい。
【0015】架橋処理に用いられる架橋剤としては、セ
ルロースの水酸基と反応する官能基を2個以上持つもの
であればよいが、セルロース再生繊維の特質である吸湿
性を損なう恐れの少ないエポキシ系の架橋剤が好まし
い。例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル,ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等の
エチレングリコール系の架橋剤や、プロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル,ポリプロピレングリコールジ
グリシジルエーテル等のプロピレングリコール系の架橋
剤が主に使用されるが、グリセロールグリシジルエーテ
ル等の3個以上の官能基を持つエポキシ系架橋剤でも問
題なく使用することができる。これらの架橋剤のうち1
種類または2種類以上を組み合わせて用いてもよく、用
いる架橋剤の水溶性が低い場合には界面活性剤等の分散
剤で分散させて用いてもよい。また、クロルヒドリンを
使用することもできるが、この場合には等モルの水酸化
ナトリウムを添加して環化させる前処理が必要である。
【0016】架橋処理は1〜10%濃度の水溶液で処理
することが好ましく、1%に満たないと架橋する効果が
得られず、また、10%を越えると繊維表面が固くなり
かえってフィブリル化が起きやすくなり好ましくない。
【0017】上述の如くして得られた本発明の軽量化セ
ルロース再生繊維は、その製造段階において繊維中に含
有させた酸性高分子を後の工程で溶出させるため、多孔
質構造の繊維となり、セルロース再生繊維の大きな欠点
である見掛け比重の重さの低減を達成することが出来
る。さらに、多孔質状態となったセルロース再生繊維を
架橋処理しているため、フィブリルの発生を抑制するこ
とができるとともに、ハリ,コシのある優れた風合いを
得ることができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこの範囲に限定されるものではない。な
お、強度,伸度,軽量化率,フィブリル化度,風合い
(コシ)は以下の方法により測定した。
【0019】〈強度、伸度〉JIS L 1015「化
学繊維のステープル試験法」により破断時の引張り強さ
(cN/dtex)及びそのときの伸度(%)を測定し
た。
【0020】〈軽量化率〉酸性高分子を添加して紡糸し
た後アルカリ処理する前の試料約5gを、105℃にて
1時間乾燥後デシケーター中で室温まで冷却し、重量W
1gを正確に測定した。次にその試料を濃度4重量%の
水酸化ナトリウム水溶液1リットル中で80℃にて10
分間攪拌してアルカリ処理し、次いで濃度5重量%のエ
チレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工
業(株)製、商品名;デナコールEX−810)の水溶
液1リットル中に浸漬し、120℃にて2分間処理した
後水洗し、105℃にて1時間乾燥後デシケーター中で
室温まで冷却して重量W2gを正確に測定した。次式に
より軽量化率を求めた。
【数1】
【0021】〈フィブリル化度〉セルロース再生繊維の
試料を用いて紡績糸を調製し、さらに平編の編地とした
試料を40回洗濯後に走査型電子顕微鏡にて観察を行
い、下記の基準で判定した。 ○:フィブリルが見られない △:フィブリルが少ない ×:フィブリルが多い
【0022】〈風合い(コシ)〉被験者10人により、
本発明の軽量化セルロース再生繊維を用いて作成した編
地の風合いを触感判定し、風合いが良いものを1点、悪
いものを0点とし、各人に評価してもらい、その総点か
ら下記の基準に従い風合いを判定した。 8〜10点:○(良好) 4〜 7点:△(やや良い) 0〜 3点:×(悪い)
【0023】〔実施例1〕通常の方法でポリノジックビ
スコース溶液(セルロース5.0%、全アルカリ3.5
%、全硫黄3.0%)を調製した。分子量約60,00
0のアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)を
先に調製したビスコース溶液中のセルロースに対して、
1,3,5,10,15,25,30重量%となるよう
に先のビスコース溶液にそれぞれ添加し、均一に混合溶
解して直ちに、0.07mm×500Hのノズルを使用
し、紡糸速度30m/分で、硫酸22g/L、硫酸ナト
リウム65g/L、硫酸亜鉛0.5g/Lの温度35℃
の紡糸浴中に紡糸した。次いで、硫酸2g/L、硫酸亜
鉛0.05g/Lの温度25℃の浴中で2倍に延伸し、
繊維長38mmとなるように切断し、炭酸ナトリウム1
g/L、硫酸ナトリウム2g/Lの温度60℃の浴中で
処理を行った後、再度硫酸5g/Lの温度65℃の浴中
で処理した。さらに、通常の精練乾燥処理を行って、お
よそ1.39デシテックスのアルギン酸を含有したポリ
ノジックのセルロース再生繊維それぞれ約5kgを糸切
れすることなく製造した。ここで、それぞれ約100g
の試料を採取し、残りの繊維を濃度4重量%の水酸化ナ
トリウム水溶液に80℃にて10分間浸漬し、充分水洗
して繊維中のアルギン酸を溶出させた。
【0024】次いで得られた各試料を5重量%のエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業
(株)製、商品名;デナコールEX−810)の水溶液
に浸漬し、120℃にて2分間処理した後、水洗し乾燥
してポリノジックの軽量化セルロース再生繊維を得、そ
れぞれを試料No.1〜No.7とした。
【0025】また、アルギン酸ナトリウムを添加しない
以外は同様に処理して架橋したポリノジックの再生繊維
を製造し、比較例1とした。試料No.1〜No.7及
び比較例1の強度、伸度、フィブリル化度、風合い(コ
シ)を測定し、またアルカリ処理をする前に採取してお
いた各試料を用いて軽量化率を測定し、それぞれの結果
を表1にまとめて示した。
【0026】
【表1】
【0027】表1から明らかなように、試料No.1は
アルギン酸ナトリウムの添加量が低いため軽量化率が低
く、ほとんど軽量化されておらず、試料No.7はアル
ギン酸ナトリウムを30%添加したため強度低下が著し
く、また紡糸時の紡調も悪く実用的では無かった。
【0028】一方、アルギン酸ナトリウムの添加量が3
〜25%である本発明の試料No.2〜No.6では、
添加したアルギン酸ナトリウムの量にほぼ相当するだけ
軽量化が可能であり、また比較例1に比べて強度低下も
実用上問題とならない程度であった。そして、アルカリ
処理の後に架橋処理をしているため、40回洗濯した後
でもフィブリルは見られず、コシのある風合いが得られ
ている。
【0029】〔実施例2〕実施例1と同様にしてポリノ
ジックビスコース溶液を調製し、分子量約60,000
のアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)、分
子量約70,000のカルボキシメチルセルロース(和
光純薬工業(株)製)、分子量約60,000のアクリ
ル酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)を、該ポリノ
ジックビスコースのセルロースに対して10重量%とな
るようにそれぞれ添加し、均一に溶解した。実施例1と
同様の条件で紡糸し、アルギン酸,カルボキシメチルセ
ルロース、アクリル酸をそれぞれ含有したおよそ1.3
9デシテックスのポリノジックのセルロース再生繊維そ
れぞれ約5kgを糸切れすることなく製造した。ここ
で、それぞれ約100gの試料を採取し、残りの各繊維
を濃度4重量%の水酸化ナトリウム水溶液中に80℃に
て10分間浸漬し、充分水洗して繊維中の酸性高分子を
溶出させた。
【0030】次いで得られた各試料を5重量%のエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業
(株)製、商品名;デナコールEX−810)の水溶液
に浸漬し、120℃にて2分間処理した後、水洗し乾燥
してポリノジックの軽量化セルロース再生繊維を得、そ
れぞれを試料No.8〜No.10とした。試料No.
8〜No.10の強度、伸度、フィブリル化度、風合い
(コシ)を測定し、また紡糸後アルカリ処理する前に採
取しておいた各試料を用いて軽量化率を測定し、結果を
表2にまとめて示した。
【0031】
【表2】
【0032】表2から明らかなように、用いる酸性高分
子を変えた場合でも十分な効果を発現している。すなわ
ち、添加した酸性高分子の量にほぼ相当するだけ軽量化
することが可能であり、また実施例1の比較例に比べて
強度低下も実用上問題にならない程度である。
【0033】〔実施例3〕実施例1と同様にしてポリノ
ジックビスコース溶液を調製し、分子量約10,00
0、20,000、60,000、100,000、2
00,000のアルギン酸ナトリウム(いずれも和光純
薬工業(株)製)を、該ポリノジックビスコースのセル
ロースに対して10重量%となるようにそれぞれ添加
し、均一に溶解した。実施例1と同様の条件で紡糸し、
およそ1.39デシテックスの分子量の異なるアルギン
酸を含有したポリノジックのセルロース再生繊維それぞ
れ約5kgを糸切れすることなく製造した。
【0034】このとき分子量約300,000のアルギ
ン酸ナトリウムを用いて同様に紡糸を試みたが、ビスコ
ース溶液に添加したときに粘度が高くなりすぎて紡調が
悪く繊維を得ることができなかった。ここで、それぞれ
約100gの試料を採取し、残りの各繊維を濃度4重量
%の水酸化ナトリウム水溶液中に80℃にて10分間浸
漬し、次いで充分水洗して繊維中の酸性高分子を溶出さ
せた。
【0035】次いで得られた各試料を5重量%のエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業
(株)製、商品名;デナコールEX−810)の水溶液
に浸漬し、120℃にて2分間処理した後、水洗し乾燥
してポリノジックの軽量化セルロース再生繊維を得、そ
れぞれを試料No.11〜No.15とした。試料N
o.11〜No.15の強度、伸度、フィブリル化度、
風合い(コシ)を測定し、また紡糸後アルカリ処理する
前に採取しておいた各試料を用いて軽量化率を測定し、
結果を表3にまとめて示した。
【0036】
【表3】
【0037】表3から明らかなように、酸性高分子の分
子量が低い試料No.11では、紡糸時に凝固浴中にア
ルギン酸が溶出してしまい、アルギン酸を含有させた状
態のセルロース再生繊維を得ることができないため軽量
化率が低く、また強度低下も著しかった。アルギン酸ナ
トリウムの分子量が20,000〜200,000であ
る本発明の試料No.12〜No.15では、添加した
アルギン酸の量にほぼ相当するだけセルロース再生繊維
の軽量化が可能であり、得られる繊維の強度低下も実用
上問題とならない程度であった。また、架橋処理を行っ
ているため、40回洗濯した後でもフィブリルは見られ
ず、コシのある風合いが得られている。
【0038】〔実施例4〕実施例1と同様にしてポリノ
ジックビスコース溶液を調製し、分子量約60,000
のアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)を該
ポリノジックビスコースのセルロースに対して10重量
%となるように添加して均一に溶解後、実施例1と同様
の条件で紡糸し、およそ1.39デシテックスのアルギ
ン酸を含有したポリノジックのセルロース再生繊維約1
0kgを糸切れすることなく製造した。ここで約1kg
の試料を採取し、残りの繊維を濃度4重量%の水酸化ナ
トリウム水溶液中に80℃にて10分間浸漬し、充分水
洗して繊維中のアルギン酸を溶出させた。
【0039】次いで得られた試料の1kgずつを0、
0.5、1、3、5、10、15重量%のエチレングリ
コールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)
製、商品名;デナコールEX−810)の水溶液に浸漬
し、120℃にて2分間処理した後、水洗し乾燥してポ
リノジックの軽量化セルロース再生繊維7種を得、それ
ぞれを試料No.16〜No.22とした。試料No.
16〜No.22の強度、伸度、フィブリル化度、風合
い(コシ)を測定し、結果を表4に示した。また、軽量
化率の測定は、アルカリ処理する前に採取しておいた試
料を用いて前記した方法に準じて行ったが、このときの
架橋剤の濃度は試料No.16〜No.22を得た条件
と同じになるようにして測定し、結果を表4にあわせて
示した。
【0040】
【表4】
【0041】表4から明らかなように、架橋剤を用いて
いない試料No.16は、フィブリルが多く見られ、試
料No.17でも架橋剤濃度が低いためフィブリルが認
められ、コシのある風合いについても十分ではなく好ま
しくない。また、架橋剤の濃度が高い試料No.22で
は、繊維のコシは得られるが、繊維が堅くなるためにか
えってフィブリルが多く見られる結果となった。
【0042】これに対して、架橋剤濃度が1〜10%で
ある本発明の試料No.18〜No.21は、いずれも
添加したアルギン酸の量にほぼ相当するだけ軽量化され
ており、強度低下も実用上問題とならない程度であっ
た。そして、40回洗濯した後でもフィブリルが見られ
ず、コシのある風合いにも優れた性能を有している。
【0043】〔実施例5〕実施例1と同様にしてポリノ
ジックビスコース溶液を調製し、分子量約60,000
のアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)を該
ポリノジックビスコースのセルロースに対して10重量
%となるようにそれぞれ添加して均一に溶解後、実施例
1と同様の条件で紡糸し、およそ1.39デシテックス
のアルギン酸を含有したポリノジックのセルロース再生
繊維約10kgを糸切れすることなく製造した。ここで
約1kgの試料を採取し、残りの繊維を濃度4重量%の
水酸化ナトリウム水溶液中に80℃にて10分間浸漬
し、充分水洗して繊維中のアルギン酸を溶出させた。
【0044】次いで得られた試料の1kgずつを、エチ
レングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業
(株)製、商品名;デナコールEX−810)、プロピ
レングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業
(株)製、商品名;デナコールEX−911)、ポリプ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成
工業(株)製、商品名;デナコールEX−931)、グ
リセロールポリグリシジルエーテル(ナガセ化成工業
(株)製、商品名;デナコールEX−314)、ヘキサ
メチレンビス−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル
ジメチルアンモニウムクロライド)(一方社油脂工業
(株)製、商品名;カチオノン−UK)のそれぞれ5重
量%の水溶液に浸漬し、120℃にて2分間処理した
後、水洗し乾燥してポリノジックの軽量化セルロース再
生繊維5種を得、それぞれを試料No.23〜No.2
7とした。試料No.23〜No.27の強度、伸度、
フィブリル化度、風合い(コシ)を測定し、結果を表5
に示した。また、軽量化率の測定は、アルカリ処理する
前に採取しておいた試料を用いて前記した方法に準じて
行ったが、このときの架橋剤の種類は試料No.23〜
No.27を得た条件と同じようにして測定し、結果を
表5にあわせて示した。
【0045】
【表5】
【0046】表5から明らかなように、いずれの架橋剤
を用いた試料でも、添加したアルギン酸の量にほぼ相当
するだけ軽量化されており、強度の低下も実用上問題と
ならない程度であった。そしていずれの架橋剤を用いて
も、40回洗濯した後でもフィブリルは見られず、コシ
のある、風合いにも優れた性能を有している。
【0047】〔実施例6〕通常の方法でレーヨンビスコ
ース溶液(セルロース9.0%、全アルカリ6.0%、
全硫黄2.5%)を調製した。分子量約60,000の
アルギン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)、分子
量約70,000のカルボキシメチルセルロース(和光
純薬工業(株)製)、分子量約60,000のアクリル
酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)のそれぞれを、
先に調製したレーヨンビスコースのセルロースに対して
10重量%となるように添加し、均一に溶解後、直ちに
0.09mm×100Hのノズルを使用し、紡糸速度5
5m/分で、硫酸110g/L、硫酸ナトリウム30g
/L、硫酸亜鉛15g/L、温度50℃の紡糸浴中に紡
糸した。通常の二浴緊張紡糸法により延伸し、通常の精
練乾燥処理を行って、およそ3.33デシテックスのア
ルギン酸、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸を
それぞれ含有したレーヨンのセルロース再生繊維それぞ
れ約5kgを糸切れすることなく製造した。ここで、そ
れぞれ約100gの試料を採取し、残りの各繊維を濃度
4重量%の水酸化ナトリウム水溶液中に80℃にて10
分間浸漬し、次いで充分水洗して繊維中の酸性高分子を
溶出させた。
【0048】次いで得られた各試料を5重量%のエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業
(株)製、商品名;デナコールEX−810)の水溶液
に浸漬し、120℃にて2分間処理した後、水洗し乾燥
してレーヨンの軽量化セルロース再生繊維を得、それぞ
れをを試料No.28〜No.30とした。また、アル
ギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、アク
リル酸ナトリウムの酸性高分子を添加しない以外は同様
の条件で処理して架橋したレーヨンの再生繊維を得、比
較例2とした。試料No.28〜No.30及び比較例
2の強度、伸度、フィブリル化度、風合い(コシ)を測
定し、また紡糸後アルカリ処理する前に採取しておいた
各試料を用いて軽量化率を測定し、それぞれの結果を表
6にまとめて示した。
【0049】
【表6】
【0050】表6から明らかなように、レーヨンのセル
ロース再生繊維であっても軽量化することができ、用い
る酸性高分子を変えた場合でも、添加した酸性高分子の
量にほぼ相当するだけ軽量化することが可能である。ま
た、強度、伸度ともに大きく損なうことなく、実用上優
れた物性を保持していることが明らかである。そして、
40回洗濯した後でもフィブリルは見られず、コシのあ
る、風合いにも優れた性能を有している。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明の改質セルロ
ース再生繊維は、酸性高分子を液状で紡糸原液に添加し
て紡糸し、後の工程で添加した酸性高分子を溶出させて
得るため、酸性高分子の添加率を高めても紡調を悪化さ
せにくく、また、強度、伸度等の物性に優れた、見かけ
密度の小さな改質セルロース再生繊維である。また、架
橋処理を行なっているため、フィブリルの発生が抑制さ
れるとともにハリ,コシのある風合いが得られる。さら
に、紡糸段階で添加する酸性高分子の量を制御すること
により、軽量化率の異なる改質セルロース再生繊維を得
ることが容易であり、種々の分野への展開が可能であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L031 AA02 AB01 BA11 CA01 CA15 DA00 4L033 AA02 AB01 AC15 BA08 CA49 DA07 4L035 BB03 CC20 DD20 JJ15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースビスコース溶液中に酸性高分
    子を添加し、均一に溶解して紡糸原液とし、該紡糸原液
    を凝固再生浴中に押し出して紡糸した後にアルカリ処理
    を行い、続いて架橋処理を行って得られる軽量化セルロ
    ース再生繊維。
  2. 【請求項2】 酸性高分子の添加量がセルロースビスコ
    ース溶液中のセルロースに対して3〜25重量%である
    ことを特徴とする請求項1に記載の軽量化セルロース再
    生繊維。
  3. 【請求項3】 酸性高分子が水酸化ナトリウム水溶液に
    溶解し、かつセルロースビスコース溶液の凝固再生浴中
    で凝固することを特徴とする請求項1又は請求項2に記
    載の軽量化セルロース再生繊維。
  4. 【請求項4】 前記架橋処理に用いる架橋剤の水溶液濃
    度が1〜10%であることを特徴とする請求項1に記載
    の軽量化セルロース再生繊維。
  5. 【請求項5】 前記架橋剤がグリシジルエーテル基また
    はクロルヒドリン基を有するエポキシ系架橋剤であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の軽量化セルロース再生
    繊維。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112575402A (zh) * 2020-12-03 2021-03-30 赛得利(福建)纤维有限公司 一种低气味粘胶纤维的制备方法

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CN112575402A (zh) * 2020-12-03 2021-03-30 赛得利(福建)纤维有限公司 一种低气味粘胶纤维的制备方法

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