JP3168168B2 - 印捺柄を有する改質アセテート繊維布帛及びその製造方法 - Google Patents

印捺柄を有する改質アセテート繊維布帛及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印捺柄を有する改
質アセテート繊維布帛及びその製造方法に関し、さらに
詳しくは、印捺柄部分のアセテート繊維が微細な捲縮を
有し印捺柄を除いた部分のアセテート繊維の表面がセル
ロース化されていない印捺柄を有する改質アセテート繊
維布帛及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、衣料用繊維分野においては、消費
者ニーズの多様化、高級化の流れにより各種の天然繊維
・化学繊維で様々な改質、改良が行われている。アセテ
ート繊維についても、繊維断面や表面、糸形態を変化さ
せ光沢感や風合いの改良、高級化がなされている。ま
た、従来よりセルロース系天然繊維においては、セルロ
ース分解酵素により酵素処理を施すことにより減量を行
い表面の滑らかな柔軟な風合いに改質したり、吸湿性を
向上させる方法が、特公昭52―48236号公報で開
示され公知である。
【0003】アセテート繊維においては天然及び再生セ
ルロース繊維と異なり、β―グルコースの水酸基がアセ
チル基に置換されているためセルロース分解酵素(セル
ラーゼ)によって分解減量を行うことは不可能であった
が、本出願人は特開平5―272067号公報でアセテ
ート繊維をアルカリ処理して繊維表層をセルロース化し
た後、セルラーゼで該セルロース層を分解除去し効果的
な減量加工を行う方法を提案している。
【0004】また、アセテート繊維において捲縮を形成
する手法としては高速度の仮撚りスピンドル及びヒータ
ーによって連続的に加撚、熱セット、解撚を行うものが
主流となっている。しかしながら、仮撚りによる手法で
は、繊維強度が限定要因となり、微細な捲縮を形成させ
ることが困難である。仮撚り方法以外で捲縮を発現させ
る方法として、特公昭47―37205号公報にてアセ
テート長繊維糸条を予備延伸後、膨潤水溶液に傾斜角を
もたせて浸漬し、ランダム捲縮を生じさせる方法が開示
されている。しかし、この方法も大きな捲縮を得る方法
としては適しているが、微細な捲縮を形成することがで
きなかった。
【0005】本出願人は特開平6―184949号公報
にて、アセテート繊維表面をアルカリ化合物にてセルロ
ース化後、セルラーゼ処理にて該セルロース層を分解除
去し、次いで湿熱処理することで従来にない微細な捲縮
を発現させる手法を提案しているが、更に本出願人らは
特開平7―82668号公報において、アセテート繊維
表面をセルロース化する際にアルカリ化合物に第4級ア
ンモニウム塩を添加することで、後工程の酵素処理時間
の大幅な短縮化を可能とし、効率的に微細な捲縮加工を
行う技術を開示している。
【0006】また本出願人は特開平7―82677号公
報にて、アセテート繊維を含む布帛をアルカリ水溶液に
て処理して、アセテート繊維表面をセルロース化後抜蝕
剤を含む糊剤を柄状に印捺し熱処理を行うことで該セル
ロース層を分解除去し、次いで湿熱処理することで布帛
の印捺柄部分のアセテート繊維のみに微細な捲縮を発現
させる方法も提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし以上述べたいず
れの手法においても印捺柄状に、その部分のみに微細な
捲縮を有し、且つ他の部分のアセテート繊維表面が全く
セルロース化されていない布帛を得ることは困難であっ
た。すなわち、アセテート繊維をセルロース化させない
ことにより、アセテート繊維の持つ分散染料による染色
性を維持することが望まれていた。本発明の目的は、発
色性が良好で且つ印捺柄部分のみ捲縮を付与した意匠性
の高いアセテート繊維布帛を提供することにある。すな
わち、糸条に捲縮処理を施すことなく、形成された布帛
を用い、後加工により、印捺柄部分のみに捲縮発現させ
且つ該印捺柄を除いた部分のアセテート繊維表面がセル
ロース化されないことにより、生産性良く、発色性に優
れ、非常に意匠性の高い改質アセテート繊維布帛及びそ
の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の要旨は、
印捺柄部分のアセテート繊維が微細な捲縮を有し、印捺
柄を除いた部分のアセテート繊維の表面がセルロース化
されていないことを特徴とする印捺柄を有する改質アセ
テート繊維布帛である。
【0009】本発明でいうアセテート繊維布帛とは、ア
セテート繊維単独からなる布帛でも良く、また、アセテ
ート繊維と他の繊維からなる複合糸で構成される布帛で
も良い。更に、アセテート繊維と他の繊維からなる交編
織物でも良い。
【0010】本発明でいうアセテート繊維とは、酢化度
45〜59.5%のジアセテート繊維のことをいう。ま
た、他の繊維としては、混用可能且つ酵素処理にて脆化
されない繊維が望ましく、ポリエステル繊維、ポリアミ
ド繊維、アクリル繊維等の合成繊維が好ましく用いられ
る。また、アセテート繊維と他の繊維の比率は糸強度、
布帛強度とアセテート繊維の改質効果を考慮し任意に設
定しうる。
【0011】また、本発明でいう、微細な捲縮とは、繊
維軸方向に沿って5000個/m以上のランダムな捲縮
をさす。本発明では印捺柄部のみに微細な捲縮を有する
ユニークな布帛であり、捲縮による風合いの改良等を印
捺柄によって付与する事が可能である。
【0012】また、本発明でいうセルロース化とは、ア
ルカリ処理等によりアセテート繊維が鹸化され酢酸基が
水酸基に置換されることである。尚、アセテート繊維は
鹸化により少なくとも繊維表面がセルロース化されると
該部分はアセテート繊維の染色に通常用いられる分散染
料に染まらないため発色性の低下の原因となり好ましく
ない。本発明では印捺柄を除いた部分もセルロース化さ
れていないため、鮮明な色調の布帛を得ることができ
る。
【0013】尚、本発明でいう捲縮とは繊維軸方向に沿
って形成された捲縮の波形の隣り合った山と山の間を1
単位としている。そして、形成された捲縮数は走査型電
子顕微鏡写真より判定することができる。
【0014】本発明の第2の要旨は、アセテート繊維布
帛をアルカリ化合物を含む糊剤を柄状に印捺し、次いで
熱処理を行い該アセテート繊維の表面をセルロース化し
た後、セルロース分解酵素にて酵素処理して該鹸化部を
分解除去し、次いで96℃以上の湿熱下で加熱すること
により、印捺柄部分に捲縮を発現させる印捺柄を有する
改質アセテート繊維の製造方法である。更にアルカリ化
合物と第4級アンモニウム塩を含む糊剤を使用すること
で、次いで行う酵素処理時間を短縮化し効率的に印捺柄
部分に捲縮を発現させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明においては、まずアセテー
ト繊維布帛の印捺柄部分のみの繊維表面をセルロース化
する必要がある。その後、酵素処理にて該セルロース化
された部分を分解除去する必要がある。
【0016】尚、本発明ではアセテート繊維表面のセル
ロース層の大部分を酵素処理にて分解除去した後に、9
6℃以上の湿熱下で加熱処理することによって捲縮を発
現さすことができる。ここで捲縮を発現させるための加
熱方法として、スチーム加熱処理、熱水中への浸漬処理
などの方法を用いることができる。即ち、捲縮を発現さ
せるためには、水分を含む雰囲気下で加熱することが必
須であり、乾熱加熱では、捲縮は発現しない。また、本
発明において加熱温度も重要であり、96℃未満の加熱
では、全く捲縮が発現しない。特に、微細な捲縮を発現
させるためには、100℃以上の熱水中に浸漬する方法
が好ましく、処理時間としては2分以上加熱する事が好
ましい。
【0017】本発明でいうアルカリ化合物として、苛性
カリ、苛性ソーダ等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水
酸化物、炭酸水素ナトリウム、ソーダ灰等の強アルカリ
と弱酸の共役塩等があげられる。
【0018】本発明でいう第4級アンモニウム塩として
は、DYK―1125、DXY−10N(一方社製)、
マーセリンPES、マーセリンPEL、マーセリンPE
F(明成化学社製)、カチオゾールNS―11conc
(高松油脂社製)、ネオレートNCB(日華化学社
製)、シルファインPE(センカ社製)等の商品名で入
手しうるカチオン系の減量促進剤があげられる。
【0019】また、本発明で用いる糊剤としては、特に
アルカリに対して抵抗性のあるものを選定すべきであ
り、CMC系及び可溶性デンプンやブリティシュガム等
のデンプン系が良好である。印捺に用いる糊剤の処方と
しては、布帛を構成するアセテート繊維の混率、改質の
程度、使用するアルカリ化合物、印捺する手法により異
なるが、上記の中から選ばれるアルカリ化合物を0.5
〜50部添加する。また、アルカリ化合物の他に第4級
アンモニウム塩を0.1〜5部添加することにより後工
程である酵素処理を効率的に行うことができる。布帛に
印捺する方法としては、捺染法、スプレー法等が用いら
れ、捺染法としては、型枠捺染法やフラットスクリーン
法、ロータリースクリーン法、ローラー法等が利用出来
る。糊剤印捺後の熱処理として、乾熱処理、スチーミン
グ処理等が利用でき、室温〜180℃で1〜60分行
う。
【0020】以上の方法により、印捺柄部分のアセテー
ト繊維表面のセルロース化を行うことができる。次い
で、セルロース分解酵素により酵素処理するが、本発明
における処理に用いられるセルロース分解酵素とはセル
ロースを加水分解するセルラーゼであり、糸状菌のトリ
コデルマ属、アスペルギルス属等の起源のものがあり、
オノズカR−10(ヤクルト社製)、メイセラーゼ(明
治製菓社製)、セルソフトL、セルソフトプラスL(ノ
ボ社製)等の商品名でセルロース分解酵素製剤として容
易に入手しうる。
【0021】セルロース分解酵素による処理は、鹸化
(セルロース化)の程度、求める改質の程度等により異
なるが、印捺柄部分のアセテート繊維の表面がセルロー
ス化された布帛をpH3.5〜7.0、温度20〜65
℃のセルロース分解酵素(セルラーゼ)1〜50g/l
の水溶液に浸漬して、好ましくは攪拌しながら10〜2
40分間処理を行う。この酵素処理によりアセテート繊
維表面のセルロース層が分解除去される。布帛に付着残
留した酵素は、80℃以上の熱水中に浸漬する等加熱す
ることで容易に失活させることができる。
【0022】かかるアルカリ処理、酵素処理を行った
後、先に述べた96℃以上での湿熱処理、好ましくは1
00℃以上の熱水処理を行うことで布帛の印捺柄部分の
アセテート繊維に微細な捲縮を有する意匠性の非常に高
いユニークな布帛を得ることができる。更に、該布帛の
印捺柄を除いた部分のアセテート繊維は表面がセルロー
ス化されていないため、分散染料による発色性にも優れ
る。
【0023】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。尚、
実施例中の測色については、分光色彩計(JUKI J
P7100)を用い測定した。 (実施例1)酢化度56.9%のジアセテート繊維から
なる5枚朱子織物(経糸;ブライト75d/21f、緯
糸;100d/27f、経密度;200本/インチ、緯
密度;87本/インチ)を6層連続精練機にて精練後乾
燥した。次いで、本精練布に、糊液{水酸化ナトリウム
10部、ファインガムG−17(第一工業製薬製)(元
糊濃度10%)60部、水30部}をフラットスクリー
ンを用いて印捺し、次いで100℃で3分間スチーム処
理を行い、印捺柄部分のアセテート繊維表面がセルロー
ス化された布帛を得た。次いでこの処理布をセルソフト
L(ノボ社製セルロース分解酵素製剤)5g/l、バイ
オアシストMT(森六社製ノニオン系界面活性剤)5g
/lを含む浴比1:50、53℃、pH4.8の水溶液
中で攪拌しながら240分酵素処理し、直ちに水洗した
後、80℃の熱水中で15分間処理し酵素の失活を行っ
た。乾燥後、液流染色機を使用し、Miketon F
ast Blue Z(三井東圧染料社製)2%ow
f、Disper TL(明成化学社製)0.5g/
l、Ultra MT―N2(御幣島化学社製)0.5
g/lを含む染液中で30℃から2℃/minで昇温し
100℃で30分間染色した後乾燥した。本処理により
印捺部に8100個/mに相当する微細な捲縮を有し、
且つ印捺柄を除いた部分を測色した結果、K/S値(見
掛けの染色濃度)が13.8であり良好な発色性を示す
意匠性及び風合いに優れた布帛が得られた。尚、同染色
布帛の印捺柄を除いた部分をアセトンに溶解した際、溶
解残査は認められず繊維表面は全くセルロース化されて
いなかった。
【0024】(実施例2)実施例1と同様の精練布に、
糊液{水酸化ナトリウム10部、マーセリンPEF(明
成化学社製)5部、ファインガムG−17(第一工業製
薬製)(元糊濃度10%)60部、水25部}をフラッ
トスクリーンを用いて印捺し、次いで100℃で3分間
スチーム処理を行い、印捺柄部分のアセテート繊維表面
がセルロース化された布帛を得た。次いでこの処理布を
セルソフトL(ノボ社製セルロース分解酵素製剤)5g
/l、バイオアシストMT(森六社製ノニオン系界面活
性剤)5g/lを含む浴比1:50、53℃、pH4.
8の水溶液中で攪拌しながら60分酵素処理し、直ちに
水洗した後、80℃の熱水中で15分間処理し酵素の失
活を行った。乾燥後、液流染色機を使用し、Miket
on Fast Blue Z(三井東圧染料社製)2
%owf、Disper TL(明成化学社製)0.5
g/l、Ultra MT―N2(御幣島化学社製)
0.5g/lを含む染液中で30℃から2℃/minで
昇温し100℃で30分間染色した後乾燥した。本処理
により印捺部に9200個/mに相当する微細な捲縮を
有し、且つ印捺柄を除いた部分を測色した結果、K/S
値が13.9であり良好な発色性を示す意匠性及び風合
いの優れた布帛が得られた。尚、同染色布帛の印捺柄を
除いた部分をアセトンに溶解した際、溶解残査は認めら
れず繊維表面は全くセルロース化されていなかった。
【0025】(実施例3)酢化度56.9%のジアセテ
ート繊維(ブライト45d/34f)とポリエステル長
繊維延伸糸(セミダル30d/12f)との200t/
mの合撚糸で経糸と緯糸が構成された平織物(経密度1
00本/インチ、緯密度75本/インチ)を精練後乾燥
した。この精練布に、糊液{水酸化ナトリウム8部、マ
ーセリンPEF(明成化学社製)5部、ファインガムG
−17(第一工業製薬製)(元糊濃度10%)60部、
水27部}をフラットスクリーンを用いて印捺し、次い
で100℃で3分間スチーム処理を行い、印捺柄部分の
アセテート繊維表面がセルロース化された布帛を得た。
次いでこの処理布をセルソフトL(ノボ社製セルロース
分解酵素製剤)5g/l、バイオアシストMT(森六社
製ノニオン系界面活性剤)5g/lを含む浴比1:5
0、53℃、pH4.8の水溶液中で攪拌しながら60
分酵素処理し、直ちに水洗した後、80℃の熱水中で1
5分間処理し酵素の失活を行った。乾燥後、液流染色機
を使用し、Miketon Fast Blue Z
(三井東圧染料社製)2%owf、Disper TL
(明成化学社製)0.5g/l、Ultra MT―N
2(御幣島化学社製)0.5g/lを含む染液中で30
℃から2℃/minで昇温し120℃で30分間染色し
た後乾燥した。本処理により印捺部のジアセテート繊維
に7800個/mに相当する微細な捲縮を有し、且つ印
捺柄を除いた部分を測色した結果、K/S値が13.2
であり、良好な発色性を示す意匠性及び風合いに優れた
布帛が得られた。尚、同染色布帛の印捺柄を除いた部分
のジアセテート繊維をアセトンに溶解した際、溶解残査
は認められず繊維表面は全くセルロース化されていなか
った。
【0026】(実施例4)酢化度56.9%のジアセテ
ート繊維(ブライト75d/21f)を経糸に、ポリエ
ステル長繊維の仮撚加工糸(セミダル75d/36f)
を緯糸に用い、5枚朱子織物(経密度200本/イン
チ、緯密度83本/インチ)を製織し、精練後乾燥し
た。この精練布に、糊液{水酸化ナトリウム8部、マー
セリンPEF(明成化学社製)5部、ファインガムG−
17(第一工業製薬製)(元糊濃度10%)60部、水
27部}をフラットスクリーンを用いて印捺し、次いで
100℃で3分間スチーム処理を行い、印捺柄部分のア
セテート繊維表面がセルロース化された布帛を得た。次
いでこの処理布を実施例3と同様な酵素処理及び染色を
行い乾燥した。本処理により印捺部のジアセテート繊維
に8800個/mに相当する微細な捲縮を有し、且つ印
捺柄を除いた部分を測色した結果、K/S値が13.5
であり良好な発色性を示し、意匠的及び風合いに優れた
布帛が得られた。尚、同染色布帛の印捺柄を除いた部分
のジアセテート繊維をアセトンに溶解した際、溶解残査
は認められず繊維表面は全くセルロース化されていなか
った。
【0027】(比較例1)実施例1で用いたと同じ精練
布を、実施例1と同じ条件でアルカリ化合物を含む糊剤
を印捺、熱処理及び酵素処理を行った。得られた処理布
を乾熱下120℃で30分間加熱したが、この布帛には
捲縮が生じていなかった。
【0028】(比較例2)実施例1で用いたと同じ精練
布を、実施例1と同じ条件でアルカリ化合物を含む糊剤
を印捺、熱処理及び酵素処理を行った。得られた処理布
を熱水中95℃で30分間加熱したが、この布帛には捲
縮が殆ど生じていなかった。
【0029】
【発明の効果】本発明の印捺柄を有する改質アセテート
繊維布帛は、印捺柄部分のみに微細な捲縮を有するユニ
ークな布帛であり、捲縮による意匠面及び風合い面の効
果的な改質が可能であり、更に印捺柄を除いた部分のア
セテート繊維表面がセルロース化されていないため、通
常アセテート繊維の染色に用いる分散染料による発色性
も良好である。しかも、本発明の改質アセテート繊維の
捲縮は、繊維軸方向に沿って5000個/m以上のラン
ダムで非常に微細なものである。また、本発明の印捺柄
を有する改質アセテート繊維布帛の製造方法は、捲縮を
発現させるための特別な装置を必要とせず、印捺柄状に
捲縮を有する改質アセテート繊維布帛を製造することが
できる。更に、糊剤中に第4級アンモニウム塩を添加す
ることにより、酵素処理時間を大幅に短縮化することが
できるため、生産性良く該布帛を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D06Q 1/02 D06M 11/14 (56)参考文献 特開 平7−82668(JP,A) 特開 平6−184949(JP,A) 特開 平8−3820(JP,A) 特開 平3−40880(JP,A) 特開 平6−306764(JP,A) 特開 平9−3779(JP,A) 特開 平5−272067(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 16/00 D06M 11/38 D06Q 1/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印捺柄部分のアセテート繊維が微細な捲
    縮を有し、印捺柄を除いた部分のアセテート繊維の表面
    がセルロース化されていないことを特徴とする印捺柄を
    有する改質アセテート繊維布帛。
  2. 【請求項2】 微細な捲縮が繊維軸方向に沿った500
    0個/m以上のランダムな捲縮である請求項1記載の印
    捺柄を有する改質アセテート繊維布帛。
  3. 【請求項3】 布帛がアセテート繊維と他の繊維からな
    る複合糸で構成される請求項1、又は2記載の印捺柄を
    有する改質アセテート繊維布帛。
  4. 【請求項4】 布帛がアセテート繊維と他の繊維からな
    る交編織物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    印捺柄を有する改質アセテート繊維布帛。
  5. 【請求項5】 アセテート繊維布帛にアルカリ化合物を
    含む糊剤を柄状に印捺し、次いで熱処理を行い該アセテ
    ート繊維の表面をセルロース化した後、セルロース分解
    酵素にて酵素処理して該セルロース化部を分解除去し、
    次いで96℃以上の湿熱下で加熱することにより、印捺
    柄部分のアセテート繊維に微細な捲縮を発現させること
    を特徴とする印捺柄を有する改質アセテート繊維布帛の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 糊剤に第4級アンモニウム塩を含む請求
    項5記載の印捺柄を有する改質アセテート繊維布帛の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 捲縮発現を100℃以上の熱水中で行う
    請求項5又は6記載の印捺柄を有する改質アセテート繊
    維布帛の製造方法。
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JP2008308771A (ja) * 2007-06-12 2008-12-25 Nicca Chemical Co Ltd アセテート系繊維材料用のケン化剤、アセテート系繊維材料のケン化加工方法およびケン化加工されたアセテート系繊維材料

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JPH10237770A (ja) 1998-09-08

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