JP2814441B2 - 酸開始フォトレジスト組成物 - Google Patents

酸開始フォトレジスト組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸生成光開始剤、レジ
スト組成物のパターン化を可能にする酸感受性基を有す
る重合体バインダー、および像露光下にレジスト組成物
のフォトスピードを促進するヒドロキシ芳香族化合物と
からなる酸増感レジスト組成物を提供する。これらの組
成物は、深UV、X線またはE−ビームで露光した場
合、増加したフォトスピードを示す点で有用である。
【0002】
【従来の技術】本出願において、用語「レジスト」及び
「フォトレジスト」は当業者に理解されているように製
造工程中でポジ調又はネガ調で画像転写に有用な組成物
を表すために互換性をもって使用され、前記工程は組成
物膜を基体に適用し、組成物膜に像形成放射線でパター
ン露光し、パターン形成のため像形成された組成物膜を
現像し、形成されたパターンを化学的又は物理的方法に
よるその後の基体処理を助けるために使用することから
なる。レジストの使用と処理は半導体製品の製造に極め
て重要な態様である。
【0003】酸感受性レジスト組成物の使用は当該技術
分野で公知である。そのような組成物はレジスト組成物
に化学反応を起こす酸生成光開始剤の作用による。酸が
誘導する変化は分解又は凝集反応の形態をとることがで
きる。酸開始光化学反応はポジ調又はネガ調のいずれで
もあることができ、それらは架橋反応又は分解もしくは
分断反応を含むことがある。この反応は更に化学的に増
幅されうるか、又は増幅されないことがありうる。化学
的に増幅される場合、それは反応の量子収率が1より大
きく好ましくは10〜100であり、一方増幅されない
系は1を超えない通常は1より著しく小さい量子収率を
持つことを意味する。従って、化学的に増幅される系に
おいては生成する各々のプロトンは数回の酸誘導反応を
もたらすが、増幅されない系においてはプロトン当たり
1回以上の酸誘導反応は起こらない。
【0004】酸開始工程により働くネガ作業系(negati
ve working system)の例は2つ又は3つの成分系を含
み、それには架橋性重合体バインダー又は重合性モノマ
ー、架橋性バインダーに対する又は別化合物としての架
橋剤、及び化学線露光により酸を生成する化合物が含ま
れる。
【0005】米国特許第4,108,747号にはUV照射によ
り重合する幾つかの硬化性組成物が開示されている。重
合性物質にはオキシラン含有有機樹脂例えばエポキシノ
ボラック、エポキシシロキサン樹脂、エポキシポリウレ
タン及びエポキシポリエステル、並びに熱可塑性重合体
と相溶性のビニル有機モノマー例えばスチレン、ビニル
アセタミド、α−メチルスチレン、イソブチルビニルエ
ーテル、n−オクチルビニルエーテル、アクロレイン、
1,1−ジフェニルエチレン、β−ピネン、ビニルアレ
ン例えば4−ビニルビフェニル、1−ビニルピレン、2
−ビニルフルオレン、アセナフタレン、1−及び2−ビ
ニルナフタレン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニル
ピロリドン、3−メチル−1−ブテン、ビニル環状脂肪
族化合物例えばビニルシクロヘキサン、ビニルシクロプ
ロパン、1−フェニルビニルシクロプロパン、イソブチ
レン、及びジエン例えばイソプレン、ブタジエン、1,
4−ペンタジエンなどが含まれる。重合性組成物を作る
ために使用することができる他の有機物質は環状エーテ
ル、例えば3,3−ビスクロロメチルオキセタン、アル
コキシオキセタンのようなオキセタン、テトラヒドロフ
ランのようなオキソラン、オキセパン、酸素含有スピロ
化合物、トリオキサン、ジオキソランなどである。β−
ラクトン例えばプロピオラクトン、環状アミン例えば
1,3,3−トリメチルアゼチジン、及び有機シリコン環
状化合物例えばヘキサメチルトリシロキサン、オクタメ
チルテトラシロキサンのような環状エーテルも同様に使
用することができる。開示されている光開始剤は (1) 〔(R)a(R1)b(R2)cS〕+〔XSO3- 及び (2) 〔(R3)d(R4)eI〕+〔XSO3- (式中、Rは一価有機芳香族基であり、R1はアルキ
ル、シクロアルキル及び置換されたアルキルより選ばれ
る一価有機脂肪族基であり、R2は脂肪族基及び芳香族
基から選ばれる複素環又は縮合環構造を形成する多価有
機性基であり、R3は基から選ばれ、及びR4は二価芳香
族基から選ばれ、aは0〜3の整数、bは0〜2の整
数、cは0〜1の整数であってa+b+cの合計は3に
等しく、dは1又は2の整数、eは0又は1であってd
+eは2に等しく、及びXはC(6-13)芳香族炭化水素
基、C(1-3)アルキル基、そのハロゲン化誘導体、及び
フッ素から選ばれる一員である)から選ばれる光感受性
トリフルオロメタンオニウム塩であり、UV照射とひき
続く300°Fより著しく低い温度での温度処理により
種種なカチオン重合性モノマーのカチオン重合を実行す
るために使用することができる。
【0006】Xに含まれる基は、より詳しくは、フェニ
ル、トリル、キシリルなどのアリール基、クロロフェニ
ル、フルオロトリルなどのハロアリール基、メチル、エ
チル、プロピルなどのアルキル基、トリフルオロメチ
ル、C−、C−などのハロアルキル基であ
る。
【0007】Schlesinger, Sci. End. 18,pp. 38
7(1974)はエポキシドの光重合又は架橋の開始剤
として種々なアリールジアゾニウムの使用を開示してい
る。アリール基は広範囲に置換されることができる。ア
ニオンはヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロ
アルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、テトラ
フルオロスタンネート、テトラフルオロブロメート、ヘ
キサクロロスタンネート、テトラクロロフェレート(II
I)、ペンタクロロビスムテート(III)を含むが、これ
に限定されない。
【0008】米国特許第4,371,605号は、カチオン重合
性有機組成物とN−ヒドロキシアミド又はN−ヒドロキ
シイミド、スルホネートである光開始剤とからなる光重
合性組成物を開示している。カチオン重合した有機物質
は米国特許第4,108,747号に示されているような及び上
に関連する公知物質のいずれかであることができる。
【0009】米国特許第4,245,029号は米国特許第4,10
8,747号に示されているのと同様な光重合性組成物を開
示しているが、この場合酸生成化合物はトリアリールス
ルホニウム塩であり、アニオンは金属又はメタロイドハ
ロ錯体である。金属はアンチモン、鉄、スズ、ビスマ
ス、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタン、ジ
ルコニウム、スカンジウム、バナジウム、クロム、マン
ガン、セシウム、及び希土類元素例えばランタニドとア
クチニドからなる群より選ばれ、メタロイドはホウ素、
リン、砒素などであることができる。
【0010】ポジ型レジスト系は典型的には重合体バイ
ンダー、不溶化剤及び酸生成剤を含むレジストである。
そのような系は一般に酸生成光開始剤の作用により露光
部分がより可溶性に作られる。
【0011】米国特許第4,734,481号は乾燥現像性フォ
トレジスト組成物に有用な有機金属ポリフタルアルデヒ
ド組成物に関する。
【0012】米国特許第4,689,288号はブレンステッド
酸に変換することができる光感受性フィルムに関する。
組成物はオルガノンステーブル(organon-stable)側鎖
を持つ重合体を含む。有機金属側鎖は光開始剤の作用に
より芳香族環から除かれる。典型的な有機金属物質はア
ルキル又はアリール置換基を持つシリコーン、スズ又は
ゲルマニウム側鎖を含む。
【0013】米国特許第4,491,628号は現像剤の選択に
よりポジ作業性又はネガ作業性である組成物に関し、前
記組成物は有効な酸分解を受けて極性(溶解性)の変化
と酸生成光開始剤の生成をもたらす反復する懸垂基を持
つ重合体を含む。好ましい懸垂基はカルボン酸のter
t−ブチルエステル及びフェノールの第三ブチルカーボ
ネートである。酸生成化合物は金属及びメタロイドオニ
ウム塩である。
【0014】米国特許第4,603,101号はポジ調又はネガ
調に現像することができる更に別のフォトレジスト組成
物に関する。これらの組成物はt−ブチルポリアリール
エーテルと芳香族オニウム塩からなり、物質のトーンを
作り出す溶媒の選択に依存する。生成する反応生成物に
関しては、これらのフォトレジスト組成物は化学的に増
幅されず、すなわち個別の保護基の除去により追加の酸
を生成しないと考えられている。
【0015】米国特許第4,737,426号は酸生成光開始剤
からの酸と反応して分解するβ−ケトエステル又はアミ
ドの環状アセタール又はケタールを含むフォトレジスト
組成物を開示している。これらの化合物は重合体の溶解
性を変える重合体主鎖切断に依存する。
【0016】ポジ調又はネガ調の像を形成する最初の化
学的に増幅されるレジストは、化学結合を破壊し更に酸
副生物を生成してこの物が次に別の化学結合を破壊する
スーパー酸を生成するオニウム塩の照射に基礎をおくも
のである。この結合破壊は脱保護反応、主鎖結合破壊又
は開環反応例えばオキシランのそれを含み、この場合別
のプロトンが生成して化学反応の進行の継続をひき起こ
しうる。オニウム塩組成物は、例えばアリールジアゾニ
ウム塩、ジアリールヨードニウム塩又はトリアリールス
ルホニウム塩であることができる。これらのオニウム塩
は好ましくはイオンとして、テトラフルオロボレート、
ヘキサフルオロボレート、ヘキサフルオロアンチモネー
ト又はヘキサフルオロホスフェートのような錯体メタロ
イド又は金属ハライドを有しうる。これまでにハロ金属
及びハロメタロイドを含まない他の酸生成光開始剤を開
発する工業における趨勢があった。これらの物質はアン
チモン又は砒素含有化合物の使用を避けるために開発さ
れた。オニウムトリフレートはオキシムスルホネート、
ジカルボキシイミドスルホネート、ハロトリアジン、及
び2,6−ジニトロベンジルスルホネートを含み、他の
非オニウム、非金属酸生成剤として有用であることが発
見された。
【0017】そのような酸生成剤はハロ金属及びハロメ
タロイドオニウム塩(例えばHSbF6又はHAsF6
により生成するそれほど強くない強酸を生成することに
注意すべきである。ここに示すスーパー酸と強酸の差異
は、スーパー酸は一般に約−12より少ないpKaを持
つが、一方強酸は−12〜1のpKaを持つことであ
る。従って、ハロ金属又はメタロイドオニウム塩酸生成
剤を含む同様のレジスト組成物に期待されるのと同等な
感受性とレジスト性能を達成するためには非金属及び非
メタロイド酸生成剤をより高度に添加する必要があっ
た。
【0018】オニウム塩を光感受性にするために芳香族
化合物を使用することについては文献に多くの記述があ
る。最近ジカルボキシイミドスルホネートとN−アシル
フタルイミドは300〜450nmの光で増感された。増
感剤は通常大部分の吸収がUV領域の中央及び近傍にあ
る多芳香族化合物例えば置換されたアントラセン又はピ
レン誘導体である。しかしながら、これらの増感剤はレ
ジスト膜への過剰な高い吸収につながる248nmにおけ
る大きな吸光係数のため深UV領域ではよく機能しな
い。
【0019】酸不安定基と放射線感受性スルホン酸前駆
物質により保護されている溶解性決定官能価を持つ重合
体又は分子組成物を含む化学的に増幅されたフォトレジ
スト組成物は1989年3月14日に出願し、本発明の
譲受け人に譲渡された米国特許願第322,848号(IBN Doc
ket No. F19-88-046)に開示されている。好ましいスル
ホン酸前駆物質は構造式
【化3】 (式中、Rは−CF3、−CF2CF3、−CF2CF
2H、−(CF2)−Zn(式中、n=1〜4であり、Z
はH、アルキル又はアリール、
【化4】 (mは1〜5である)である)であり、及びXとYは
(1)1つ又はそれ以上のヘテロ原子を含む環状又は多
環状環を形成するか、(2)縮合芳香族環を形成する
か、(3)独立にH、アルキル又はアリールであるか、
(4)他のスルホニルオキシイミド含有基に結合してい
るか、又は(5)重合体鎖又は主鎖に結合している)の
スルホニルオキシイミドである。
【0020】IBM Technical Disclosure Bulletin、1
8巻(6号)、1775ページ(1975年11月)は
AZ 1350Jレジストにヒドロキノンの使用を開示
しており、前記レジストは本質的に溶解阻害剤として機
能する光感受性o−ジアゾナフトキノンを持つノボラッ
ク樹脂であると信じられている。ヒドロキノン添加物は
単に溶解促進剤である。
【0021】米国特許第4,202,742号はエチレン性不飽
和モノマーの重合を開始するため通常は重合阻害剤であ
るパラベンゾキノンとヒドロキノンの使用を開示してい
る。この組成物は紫外線以外により活性化される。
【0022】米国特許第4,800,152号はネガ型レジスト
組成物(2又は3成分系)を開示しており、前記レジス
ト組成物においてオニウム塩はポリ(ビニルベンジルア
セテート)とトリスアセトキシメシチレンからなる活性
化された芳香族化合物からカルボニウムイオンを誘導す
る。
【0023】
【本発明の概要】化学的に開始するフォトレジスト組成
物、すなわち化学放射線への露光により強酸またはスー
パー酸を生成する化合物を有し、酸開始機構に依存する
レジストの感度が、レジスト組成物へのある種のヒドロ
キシ芳香族化合物の添加により著しく促進されることを
意外にも見出した。これらのヒドロキシ芳香族化合物
は、ヒドロキノン、ピロガロール、4−ヒドロキシアセ
トフェノン、ビスフェノールA、3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−クレゾールおよびヒドロキシ置換ナフタレンを
包含する。これらのヒドロキシ芳香族化合物は、化合物
中に酸生成光開始剤を許容する作用が発現し、生成する
酸の産出量を大きく増大させる。換言すれば、これはフ
ォトスピードおよびツールの処理量を増大させる結果と
なる。
【0024】
【発明の詳述】本発明において、酸生成光開始剤、酸開
始化学反応により組成物のパターン化を可能にする酸感
受性基を有する重合性化合物を含有する重合性バインダ
ーまたはマトリックス、および像様露光下にレジスト組
成物のフォトスピードを促進するヒドロキシ芳香族化合
物またはヒドロキシ芳香族重合体の十分な量からなる、
フォトスピードの促進された酸開始フォトレジスト組成
物が提供される。
【0025】酸開始フォトレジスト組成物に1〜5重量
%のヒドロキシ芳香族化合物の添加はフォトスピードの
著しい改良をもたらすことが発見された。これらの化合
物は式
【化5】 (式中、Xは1つ又はそれ以上のOH基であり、Yは1
つ又はそれ以上のアルキル基、アリール基、エーテル、
ハロ又はアセチル基であり、及びZは−O−、−S−、
−Cn2n−又は−Cn2n−(nは1〜12の整数であ
る)である)で示される。フォトレジスト組成物中で使
用することができ、及び重合体バインダーとは異なるべ
き重合体物質は式
【化6】 (式中、XとYは上で定義した通りである)のノボラッ
クとポリヒドロキシスチレンを含む。促進剤は像形成化
学線を吸収しないように低い吸光係数を持つものを選ば
なければならない。
【0026】最も好ましい速度促進化合物はヒドロキノ
ン、ピロガロール、4−ヒドロキシアセトフェノン、ビ
スフェノールA、3,5−ジ−t−ブチル−4−クレゾ
ール及びジヒドロキシ置換ナフタレンを含む。
【0027】速度促進の機作は決定されていないが、ヒ
ドロキシ芳香族化合物は光開始剤に対する化学線の作用
により生成するルイス酸の影響下で解離してプロトンを
生成すると信じられている。
【0028】典型的なフォトレジスト組成物は約25%
までの固形物を持ち、主として約20%の重合体バイン
ダーと前記量の約5〜10%すなわち1〜3%の酸生成
光開始剤を持つ。本発明者は5〜15%のヒドロキシ芳
香族化合物(全組成物の1〜3%)は促進された光速度
と感受性をもたらし、これは金属及びメタロイドオニウ
ム塩を高い処理量で使用することを許容し、又非金属及
び非メタロイドオニウム塩及び非オニウム塩酸生成剤を
妥当なフォトスピードで光開始剤として使用することを
許容することを発見した。
【0029】実施例1 4重量%のN−ヒドロキシフタルイミドトシレートと2
0重量%のポリ−t−ブチルオキシカルボニルオキシス
チレンと100重量%にするプロピレングリコールメチ
ルエーテルアセテートを含むフォトレジスト組成物を調
製した。比較用組成は添加物を除き、2重量%の(A)
ヒドロキノン、(B)4−ヒドロキシアセトフェノン、
(C)ビスフェノールA、(D)3,5−ジ−t−ブチ
ルクレゾール、(E)1,4−ジヒドロキシナフタレ
ン、(F)1,4−ジメトキシベンゼン、(G)1,2,
4−トリヒドロキシベンゾフェノンを使用して調製し
た。ウェハーは対照組成及び添加物(A)〜(G)を含
む組成をコートしてシリコーンウェハー上に厚さ0.9
5〜1.0μmの膜を形成させた。ウェハーを90℃で
1分間プレベークし、次いでPerkin Elmer 500(U
V−2モードで)で240〜280nmで露光した。露光
したウェハーを90℃で90秒間ベークし、イソプロパ
ノール/アニソール混合物中で現像して表1に示すクリ
ア線量(dose-to-clear)を求めた。NANOSPECで測定し
た未露光膜シニング(unexposed film thinning)値も
示す。
【0030】
【表1】 添加物DとFではアニソール/イソプロパノール現像剤
中で過剰のシニングを経験したので、未露光シニングを
防止するため現像剤を純粋なイソプロパノールに変更し
た。好ましい添加物はヒドロキノン、1,4−ジヒドロ
キシナフタレン(ヒドロキノンのナフタレンアナログ)
及び4−ヒドロキノンアセトフェノンである。これらの
添加物はレジストの不当な未露光シニングを引き起こす
ことなく対照に比べて著しい光速度の増加をもたらす。
1,4−ジメトキシベンゼンにおけるヒドロキシル基及
び1,2,4−トリヒドロキシベンゾフェノンにおける吸
収するカルボニル基の欠如はそれらの劣る性能に対応す
るものと思われる。
【0031】実施例2 化学的に増幅されるフォトレジスト組成物における感受
性促進剤としてのヒドロキノン使用の効果を証明するた
め追加のフォトレジスト組成を調製した。そのような組
成は機能的改善を示すためヒドロキノン添加と無添加の
両方を調製した。組成は20重量%のポリ−t−ブチル
オキシカルボニルオキシスチレン、1〜3重量%の増感
剤、及び組成物を100%にする十分量のプロピレング
リコールメチルエーテルアセテート溶媒からなる。増感
剤は(H)トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロア
ンチモネート、(I)N−トリフルオロメチルスルホニ
ルオキシフタルイミド、(J)4−メチル−フェニルス
ルホニルオキシビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン
−2,3−ジカルボキシイミド、及び(K)4−クロロ
フェニルスルホニルオキシビシクロ〔2.2.1〕ヘプト
−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドであった。表
2は各組成につき添加物なしと添加物2%のクリア線量
を示す。
【0032】
【表2】 2%ヒドロキノンが速度促進添加物として含まれる場合
各組成物の光速度に著しい増加が認められた。
【0033】参考例1 比較試験のため他の群のレジスト組成を次のように調製
した。(L)20重量%のポリ(4−t−ブチルオキシ
カルボニルオキシスチレン−コ−4−ヒドロキシスチレ
ン)、2重量%のN−トリフルオロメチルスルホニルオ
キシビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3
−ジカルボキシイミド、及びプロピレングリコールメチ
ルエーテルアセテート注型用溶媒からなる組成物。この
L組成の組成物の一部に2重量%のヒドロキノンを添加
し、種々な露光メジウムを使用して利益の比較を求め
た。その結果を表3に示す。
【0034】
【表3】 これらの実験は改良された「フォトスピード」が深U
V、Eビーム及びX線露光により達成されたことを示し
ている。
【0035】参考例2 潜在的な添加物を比較試験するため、他のレジスト組成
を次のように調製した。(M)20重量%のポリ−4−
t−ブチルオキシカルボニルオキシスチレン、2重量%
のN−トリフルオロメチルスルホニルオキシビシクロー
〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキ
シイミド、及びプロピレングリコールメチルエーテルア
セテート注型用溶媒からなる組成物。このレジスト組成
物の一部に添加物として(N)ヒドロキノン、(O)ピ
ロガロール、(P)ベンゾフェノン、及び(Q)ノボラ
ック樹脂を添加した。表4はUV(254nm)に露光
した場合の無添加対照に対する感受性の変化を示す。
【0036】
【表4】 これらの実験は添加物にヒドロキシル基の存在がフォト
スピードを促進することを示している。
【0037】実施例3 1重量%のトリフェニルスルホニウムトリフレートと2
0重量%のポリ−t−ブチルオキシカルボニルオキシス
チレン重合体と100%にする十分量のプロピレングリ
コールメチルエーテルアセテートを含むフォトレジスト
組成物を調製した。比較組成としていずれの添加物も除
き、(A)ヒドロキノン、(C)ビスフェノールA、
(D)3,5−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、
(E)ジヒドロキシナフタレン;(F)1,4−ジメト
キシベンゼンを使用して調製した。ウェハーを対照組成
と(A)及び(C)〜(F)の添加物を含む組成でコー
トし、シリコンウェハー上に厚さ0.95〜1.0μm
の膜を形成させた。ウェハーは90℃で1分間プレベー
クし、ついでPerkin Elmer 500(UV
−2モードで)を用いて240〜280nmで露光し
た。露光ウェハーを90℃で90秒間ベークし、次いで
イソプロパノール/アニソール混合物中で現像して表5
に示すクリア線量を求めた。NANOSPECで測定し
た膜シニング値も示す。
【0038】
【表5】
【0039】実施例4 X線ツールでの露光に適応したレジスト組成を次のよう
に調製した。(R)20重量%のポリ(4−t−ブチル
オキシカルボニルオキシスチレン−コ−4−ヒドロキシ
スチレン)、1重量%のトリフェニルスルホニウムヘキ
サフルオロアンチモネート増感剤、及びプロピレングリ
コールメチルエーテルアセテート注型用溶媒。この組成
の一部に2重量%のヒドロキノンを添加した。レジスト
組成はシリコーンウェハー上にスピンコーティングして
厚さ0.95〜1.0μmの膜を形成させた。ウェハー
を90℃で1分間プレベークし、ついでX線源に露光し
た。露光したウェハーを90℃で90秒間ベークし、テ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド中で現像して表6
に示すようにクリア線量を求めた。
【0040】
【表6】 レジスト組成物 添加物添加量 露光線量 R なし 45mj/cm R 2% 10mj/cm 実施例5 ネガ作業性深UVレジスト組成をエポキシノボラック樹
脂から調製し、オニウム塩で増感し、ヒドロキノン添加
物使用と不使用とで試料を作った。組成は表7の通りで
ある。
【0041】
【表7】 組成をシリコーンウェハー上に厚さ約0.9μmの膜に
注型した。コートしたウェハーを90℃で2分間プレベ
ークし、ウェハーを254nmで深UV線に露光した。次
いで露光したウェハーを95℃で2分間ベークし、n−
ブチルアセテートで現像した。そのような処理の結果を
表8に示す。
【0042】
【表8】 このネガ型レジストの有効なフォトスピードはヒドロキ
ノン添加物を使用すると2倍以上に増加することが認め
られる。
【0043】本発明は幾つかの好ましい具体例により説
明し、例証したが、当業者はその思想から逸脱すること
なく種々な修正、変更、除去及び置換をなし得ることは
容易に認識するであろう。従って、本発明は添付の特許
請求の範囲でのみ限定されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クリストフアー・ジヨン・ノーズ アメリカ合衆国ニユーヨーク州(12590) ウオツピンガーズフオールズ.イースト アルパインドライブ17 (72)発明者 メルビン・ウオレン・モンゴメリー アメリカ合衆国ニユーヨーク州(12550) ニユーウインザー.マニユーシエドライ ブ23 (72)発明者 ウエイン・マーテイン・モロー アメリカ合衆国ニユーヨーク州(12590) ウオツピンガーズフオールズ.リデイア ドライブ10 (72)発明者 ケビン・マイクル・ウエルシユ アメリカ合衆国ニユーヨーク州(12590) ウオツピンガーズフオールズ.カーナビ ストリート23 (56)参考文献 特開 昭63−236028(JP,A) 特開 平3−206458(JP,A) 特開 平3−152543(JP,A) 特開 平2−245756(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/00 - 7/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸生成光開始剤1〜5重量%:ただし下
    記構造式(I) 【化1】 〔式中、Rは、−CF、−CFCF、−CF
    H、−(CF−Z(式中、n=1〜4であ
    り、ZはH、アルキルまたはアリール、 【化2】 である)、そしてXおよびYは(1)1以上のヘテロ原
    子を含む単環または多環を形成してもよく、(2)縮合
    芳香環を形成してもよく、(3)独立してH、アルキル
    またはアリールであってもよく、(4)他のスルホニル
    オキシイミド含有基に結合していてもよく、または
    (5)重合体鎖または主鎖に結合していてもよい〕を有
    するスルホニルオキシイミドを除く、 酸開始化学反応により組成物のパターン化を可能にす
    る、t−ブチルオキシまたはt−ブチルオキシカルボニ
    ルオキシ基を有する重合体、もしくはエポキシノボラッ
    ク樹脂を含有する重合体バインダーまたはマトリックス
    15〜25重量%、およびヒドロキシ芳香族化合物1〜
    5重量%、または3重量%までのヒドロキシ芳香族重合
    体、ここで、ヒドロキシ芳香族化合物またはヒドロキシ
    芳香族重合体は、ヒドロキノン、ピロガロール、4−ヒ
    ドロキシアセトフェノン、3,5−ジ−t−ブチル−4
    −クレゾール、ビスフェノールA、1,4−ジヒドロキ
    シナフタレン、フェノール性ヒドロキシ基を有するノボ
    ラックおよびポリヒドロキシスチレンよりなる群から選
    択され、かつ像露光下にフォトレジスト組成物のフォト
    スピードを十分に促進する、ならびにフォトレジスト固
    体用の有機溶剤からなることを特徴とする酸開始フォト
    レジスト組成物。
  2. 【請求項2】 重合体バインダーまたはマトリックスが
    ポリ−t−ブチルオキシカルボニルオキシスチレンまた
    はポリ(4−t−ブチルオキシカルボニルオキシスチレ
    ン−コ−4−ヒドロキシスチレン)であり、ポジ作業性
    である請求項1記載の酸開始フォトレジスト組成物。
  3. 【請求項3】 重合体バインダーまたはマトリックスが
    エポキシノボラック樹脂であり、ネガ作業性である請求
    項1記載の酸開始フォトレジスト組成物。
  4. 【請求項4】 酸生成光開始剤が、金属オニウム塩、メ
    タロイドオニウム塩、非金属/非メタロイドオニウム塩
    および非オニウム塩よりなる群から選択される請求項
    1、2または3のいずれかに記載の酸開始フォトレジス
    ト組成物。
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