JP2809248B2 - 作業車 - Google Patents

作業車

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JP2809248B2
JP2809248B2 JP4058594A JP5859492A JP2809248B2 JP 2809248 B2 JP2809248 B2 JP 2809248B2 JP 4058594 A JP4058594 A JP 4058594A JP 5859492 A JP5859492 A JP 5859492A JP 2809248 B2 JP2809248 B2 JP 2809248B2
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直樹 大西
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  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • Non-Deflectable Wheels, Steering Of Trailers, Or Other Steering (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農用トラクタや乗用型
田植機等に代表される作業車において、旋回時の構成に
関する。
【0002】
【従来の技術】作業車の一例である農用トラクタにおい
ては、左右の後輪を各々独立に制動可能な左右一対のサ
イドブレーキを備えており、操縦部に備えられた左右一
対のサイドブレーキペダルの一方を踏み操作することに
より、一方のサイドブレーキを制動状態に操作する。こ
のように旋回時に旋回中心側の後輪に制動を掛けること
により、制動状態の後輪を中心とした小回り旋回が行え
る。近年では前輪の操向操作とサイドブレ−キとを連係
させることにより、前輪が操向操作されると、これに連
動して自動的に旋回中心側のサイドブレーキが制動状態
に操作されるように構成して、旋回時の操作性を向上さ
せたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、旋回時
において旋回中心側のサイドブレーキを単純に制動状態
に操作するだけであると、地面の状態や機体の走行速度
状態等により、サイドブレーキの制動力が強すぎて旋回
中心側の後輪が停止し、停止した旋回中心側の後輪を引
きずるようにして、機体が旋回していくような状態にな
る場合がある。このような機体の旋回を行うと、旋回中
心側の後輪によって地面を荒らしてしまうので、改善の
余地がある。本発明は、前輪が操向操作されると自動的
に旋回中心側のサイドブレーキが制動側に操作されるよ
うに構成した作業車において、旋回中心側の後輪によっ
て地面が荒らされるような状態を防止することを目的と
している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は作業車に
おいて、次のように構成することにある。 [1] 左右の後輪を各々独立に制動可能な左右一対のサイドブ
レーキと、サイドブレーキを後輪が略停止する停止状態
まで制動側に操作可能な左右一対のサイドブレーキペダ
ルとを備えると共に、前輪が操向操作されると、旋回中
心側のサイドブレーキを停止状態とはならない弱制動状
態に操作するサイドブレーキ操作手段と、機体の走行速
度状態が高速状態であると、サイドブレーキ操作手段に
よる作動を牽制阻止する牽制手段とを備えてある。
【0005】 [2] 左右の後輪を各々独立に制動可能な左右一対のサイドブ
レーキと、サイドブレーキを後輪が略停止する停止状態
まで制動側に操作可能な左右一対のサイドブレーキペダ
ルとを備えると共に、前輪が操向操作されると、旋回中
心側のサイドブレーキを制動側に操作するサイドブレー
キ操作手段と、サイドブレーキ操作手段により制動側に
操作される際の旋回中心側のサイドブレーキの制動力
を、停止状態とはならない弱制動状態、及び弱制動状態
よりも制動力の強い強制動状態に亘って変更自在な変更
手段と、機体の走行速度状態が高速状態であると、サイ
ドブレーキ操作手段による作動を牽制阻止する牽制手段
とを備えてある。
【0006】 [3] 前項[1]又は[2]の構成において、前輪と後輪とが
略同じ速度で駆動されるように動力を前輪に伝達する標
準状態及び前輪が後輪よりも高速で駆動されるように動
力を前輪に伝達する増速状態に切換操作自在な前輪変速
装置と、前輪が操向操作されると、前輪変速装置を標準
状態から増速状態に切換操作する前輪変速装置操作手段
とを備えてある。
【0007】 [4] 前項[3]の構成において、機体の走行速度状態が高速
状態であると、前輪変速装置操作手段による作動を牽制
阻止するように、牽制手段を構成してある。
【0008】 [5] 前項[1]〜[4]のうちのいずれか一つの構成におい
て、機体の走行速度状態が中速状態であっても、サイド
ブレーキ操作手段による作動を牽制阻止可能に牽制手段
を構成してある。
【0009】 [6] 前項[1]〜[5]のうちのいずれか一つの構成におい
て、サイドブレーキ操作手段による作動、及び前輪変速
装置操作手段による作動を、人為的に牽制阻止可能な人
為牽制手段を備えてある。
【0010】
【作用】
[I] 作業車において、左右の後輪を各々独立に制動可能な左
右一対のサイドブレーキを備えた場合、サイドブレーキ
を人為的に操作可能な左右一対のサイドブレーキペダル
を備えることが一般的であり、サイドブレーキペダルを
強く踏み操作すれば、後輪が略停止する停止状態まで制
動側にサイドブレーキを操作することができる。
【0011】請求項1の特徴によれば、旋回を行う為に
前輪を操向操作すると、旋回中心側のサイドブレーキが
自動的に前述の停止状態よりも弱い制動力の弱制動状態
に操作される。このサイドブレーキの弱制動状態では、
旋回中心側(弱制動状態)の後輪が、停止した状態では
なくある程度回転するような状態となる。このように旋
回中心側のサイドブレーキを弱制動状態に操作すること
により、小回り旋回を行いながら、旋回中心側の後輪に
よって地面が荒らされる状態を抑えることができる。
【0012】小回り旋回を行う際において、前述のよう
に旋回中心側のサイドブレーキを弱制動状態に操作して
も、例えば農用トラクタでの代掻き作業等のように、機
体の走行速度状態が高速状態であれば、旋回中心側の後
輪によって地面が荒らされたり、操縦安定性が損なわれ
たりするおそれがある。請求項1の特徴によれば、機体
の走行速度状態が高速状態であると、旋回を行う為に前
輪を操向操作しても、旋回中心側のサイドブレーキが自
動的に弱制動状態に操作されることがない。これによ
り、高速状態での旋回時に旋回中心側のサイドブレーキ
が自動的に弱制動状態に操作されて、旋回中心側の後輪
によって地面が荒らされると言う状態や、操縦安定性が
損なわれると言う状態を抑えることができる。
【0013】 [II] 作業車において、左右の後輪を各々独立に制動可能な左
右一対のサイドブレーキを備えた場合、サイドブレーキ
を人為的に操作可能な左右一対のサイドブレーキペダル
を備えることが一般的であり、サイドブレーキペダルを
強く踏み操作すれば、後輪が略停止する停止状態まで制
動側にサイドブレーキを操作することができる。
【0014】請求項2の特徴によれば、旋回を行う為に
前輪を操向操作すると、旋回中心側のサイドブレーキが
自動的に制動側に操作されるのであり、このときの旋回
中心側のサイドブレーキの制動力を前述の停止状態より
も弱い制動力の弱制動状態、及び強制動状態に亘って変
更することができる。これにより、地面の荒れを抑えな
がら小回り旋回を行いたい場合、前述の弱制動状態側を
選択しておけば、旋回を行う為に前輪を操向操作する
と、旋回中心側のサイドブレーキが自動的に弱制動状態
側に操作される。このサイドブレーキの弱制動状態で
は、旋回中心側(弱制動状態側)の後輪が、停止した状
態ではなくある程度回転するような状態となる。このよ
うに旋回中心側のサイドブレーキを弱制動状態側に操作
することによって、小回り旋回を行いながら、旋回中心
側の後輪によって地面が荒らされる状態を抑えることが
できる。
【0015】逆に地面の荒れに関係なくできるだけ小さ
く小回り旋回を行いたい場合には、前述の強制動状態側
を選択しておけばよい。これにより、旋回を行う為に前
輪を操向操作すると、旋回中心側のサイドブレーキが自
動的に強制動状態側に操作されて、旋回中心側の後輪へ
の強制動作用によって、前述の弱制動状態側よりも小さ
く小回り旋回が行える。
【0016】小回り旋回を行う際において、前述のよう
に旋回中心側のサイドブレーキを弱制動状態側に操作し
ても、例えば農用トラクタでの代掻き作業等のように、
機体の走行速度状態が高速状態であれば、旋回中心側の
後輪によって地面が荒らされたり、操縦安定性が損なわ
れたりするおそれがある。請求項2の特徴によれば、機
体の走行速度状態が高速状態であると、旋回を行う為に
前輪を操向操作しても、旋回中心側のサイドブレーキが
自動的に弱制動状態側(強制動状態側)に操作されるこ
とがない。これにより、高速状態での旋回時に旋回中心
側のサイドブレーキが自動的に弱制動状態側(強制動状
態側)に操作されて、旋回中心側の後輪によって地面が
荒らされると言う状態や、操縦安定性が損なわれると言
う状態を抑えることができる。
【0017】 [III] 請求項3の特徴によると、請求項1又は2の場合と同様
に前項[I]又は[II]に記載の「作用」を備えてお
り、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
請求項3の特徴によると、前輪と後輪とが略同じ速度で
駆動されるように動力を前輪に伝達する標準状態、及び
前輪が後輪よりも高速で駆動されるように動力を前輪に
伝達する増速状態に切換操作自在な前輪変速装置を備え
ている。
【0018】従って請求項3の特徴によれば、旋回を行
う為に前輪を操向操作すると、旋回中心側のサイドブレ
ーキが自動的に弱制動状態(弱制動状態側又は強制動状
態側)に操作されるのに加えて、前輪変速装置が標準状
態から増速状態に自動的に切換操作される。これによ
り、旋回中心側の後輪への弱制動作用(弱制動作用側又
は強制動作用側)に加えて、増速された前輪による旋回
方向への引っ張り作用によって、円滑に小回り旋回が行
える。
【0019】 [IV] 請求項4の特徴によると、請求項3の場合と同様に前項
[III]に記載の「作用」を備えており、これに加え
て以下のような「作用」を備えている。前項[III]
に記載のような前輪変速装置を備えた場合、機体の走行
速度状態が高速状態において、旋回時に前輪変速装置が
標準状態から増速状態に自動的に切換操作されると、増
速された前輪による旋回方向への引っ張り作用により、
機体が高速で小回り旋回する状態となって、操縦安定性
が損なわれたりするおそれがあり、乗り心地の面で好ま
しくない。請求項4の特徴によれば、機体の走行速度状
態が高速状態であると、前輪変速装置の増速状態への自
動的な切換操作が牽制阻止されるので、旋回時に機体が
高速で小回り旋回する状態を未然に避けて、安定走行を
行うことができる。
【0020】 [V] 請求項5の特徴によると、請求項1〜4のうちのいずれ
か一つの場合と同様に前項[I]〜[IV]のうちのい
ずれか一つに記載の「作用」を備えており、これに加え
て以下のような「作用」を備えている。請求項5の特徴
によると、高速状態の場合に加えて、機体の走行速度状
態が高速状態よりも低速の中速状態においても、旋回を
行う為に前輪を操向操作した際に、旋回中心側のサイド
ブレーキが自動的に弱制動状態(弱制動状態側又は強制
動状態側)に操作されることがないようにすることがで
きる。
【0021】これにより、中速状態で小回り旋回しても
荒れるような地面の場合に、前述のように機体の走行速
度状態が中速状態であっても、旋回中心側のサイドブレ
ーキが自動的に弱制動状態(弱制動状態側又は強制動状
態側)に操作されることがないようにすれば、中速状態
での旋回時に旋回中心側のサイドブレーキが自動的に弱
制動状態(弱制動状態側又は強制動状態側)に操作され
て、旋回中心側の後輪によって地面が荒らされると言う
状態を抑えることができる。
【0022】 [VI] 請求項6の特徴によると、請求項1〜5のうちのいずれ
か一つの場合と同様に前項[I]〜[V]のうちのいず
れか一つに記載の「作用」を備えており、これに加えて
以下のような「作用」を備えている。請求項6の特徴に
よると、高速状態よりも低速の中速状態や低速状態等の
ように、機体の走行速度状態に関係なく、旋回を行う為
に前輪が操向操作された際、旋回中心側のサイドブレー
キが自動的に弱制動状態(弱制動状態側又は強制動状態
側)に操作されることがないように、前輪変速装置の増
速状態への自動的な切換操作が行われないように、人為
的に設定することができる。
【0023】これにより、中速状態や低速状態で小回り
旋回しても荒れるような地面の場合や、中速状態や低速
状態において増速された前輪による旋回方向への引っ張
り作用により小回り旋回しても、操縦安定性が損なわれ
て乗り心地が悪くなるような地面の場合、前述のように
旋回中心側のサイドブレーキが自動的に弱制動状態(弱
制動状態側又は強制動状態側)に操作されることがない
ように、前輪変速装置の増速状態への自動的な切換操作
が行われないように人為的に設定すれば、中速状態や低
速状態での旋回時に、旋回中心側のサイドブレーキが自
動的に弱制動状態(弱制動状態側又は強制動状態側)に
操作されて、旋回中心側の後輪によって地面が荒らされ
ると言う状態を抑えたり、中速状態や低速状態での旋回
時に機体が高速で小回り旋回する状態を未然に避けて、
安定走行を行うことができる。
【0024】
【発明の効果】請求項1の特徴によれば旋回を行う為に
前輪を操向操作すると、旋回中心側のサイドブレーキが
弱制動状態に自動的に操作されるように構成することに
より、旋回中心側(弱制動状態)の後輪がある程度回転
するようにして、旋回中心側の後輪によって地面が荒ら
されるような状態を抑えることができるようになって、
作業車の走行性能を向上させることができた。請求項1
の特徴によると、旋回中心側のサイドブレーキを弱制動
状態に操作して小回り旋回を行っても、機体の走行速度
状態が高速状態であれば、旋回中心側の後輪によって地
面が荒らされるおそれがあると言う状態、操縦安定性が
損なわれるおそれがあると言う状態に着目することによ
って、機体の走行速度状態が高速状態である場合には、
旋回中心側のサイドブレーキが制動側(弱制動状態)に
操作されないように構成することにより、旋回中心側の
後輪によって地面が荒らされるような状態、操縦安定性
が損なわれるような状態を抑えることができて、作業車
の走行性能及び走行安定性を向上させることができた。
【0025】請求項2の特徴によれば、旋回を行う為に
前輪を操向操作すると、旋回中心側のサイドブレーキが
弱制動状態側に自動的に操作される状態を選択しておく
ことにより、旋回中心側(弱制動状態側)の後輪がある
程度回転するようにして、旋回中心側の後輪によって地
面が荒らされるような状態を抑えることができるように
なり、作業車の走行性能を向上させることができた。請
求項2の特徴によると、旋回中心側のサイドブレーキを
弱制動状態側に操作して小回り旋回を行っても、機体の
走行速度状態が高速状態であれば、旋回中心側(弱制動
状態側)の後輪によって地面が荒らされるおそれがある
と言う状態、操縦安定性が損なわれるおそれがあると言
う状態に着目することによって、機体の走行速度状態が
高速状態である場合には、旋回中心側のサイドブレーキ
が弱制動状態側(強制動状態側)に操作されないように
構成することにより、旋回中心側の後輪によって地面が
荒らされるような状態、操縦安定性が損なわれるような
状態を抑えることができて、作業車の走行性能及び走行
安定性を向上させることができた。請求項2の特徴によ
ると、地面の荒れに関係なくできるだけ小さく小回り旋
回を行いたい場合には、旋回を行う為に前輪を操向操作
すると、旋回中心側のサイドブレーキが自動的に強制動
状態側に操作される状態も選択できるので、作業車の機
能性を向上させることができた。
【0026】請求項3の特徴によると、請求項1又は2
の場合と同様に前述の請求項1又は2の「発明の効果」
を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のよう
な「発明の効果」を備えている。請求項3の特徴による
と、旋回を行う為に前輪を操向操作すると、旋回中心側
のサイドブレーキが自動的に弱制動状態(弱制動状態側
又は強制動状態側)に操作されるのに加えて、前輪変速
装置が標準状態から増速状態に自動的に切換操作される
ので、旋回中心側の後輪への弱制動作用(弱制動作用側
又は強制動作用側)に加えて、増速された前輪による旋
回方向への引っ張り作用によって、円滑に小回り旋回が
行えるようになって、作業車の走行性能をさらに向上さ
せることができた。
【0027】請求項4の特徴によると、請求項3の場合
と同様に前述の請求項3の「発明の効果」を備えてお
り、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の
効果」を備えている。請求項4の特徴によれば、機体の
走行速度状態が高速状態であると、前輪変速装置の増速
状態への自動的な切換操作が牽制阻止されるので、旋回
時に増速された前輪による旋回方向への引っ張り作用に
より、機体が高速で小回り旋回する状態を未然に避ける
ことができるようになって、作業車の走行安定性及び乗
り心地を向上させることができた。
【0028】請求項5の特徴によると、請求項1〜4の
うちのいずれか一つの場合と同様に前述の請求項1〜4
のうちのいずれか一つの「発明の効果」を備えており、
この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効
果」を備えている。請求項5の特徴によると、各種の状
態等により中速状態で小回り旋回しても荒れるような地
面の場合に、機体の走行速度状態が中速状態であって
も、旋回中心側のサイドブレーキが自動的に弱制動状態
(弱制動状態側又は強制動状態側)に操作されないよう
にすることができるので、作業車の走行性能及び走行安
定性をさらに向上させることができた。
【0029】請求項6の特徴によると、請求項1〜5の
うちのいずれか一つの場合と同様に前述の請求項1〜5
のうちのいずれか一つの「発明の効果」を備えており、
この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効
果」を備えている。請求項6の特徴によると、各種の状
態等により中速状態や低速状態で小回り旋回しても荒れ
るような地面の場合や、乗り心地の悪くなるような地面
の場合に、機体の走行速度状態が中速状態や低速状態で
あっても、旋回中心側のサイドブレーキが自動的に弱制
動状態(弱制動状態側又は強制動状態側)に操作され
ず、前輪変速装置の増速状態への自動的な切換操作が行
われないように、人為的に設定することができるので、
作業車の走行性能、走行安定性及び乗り心地をさらに向
上させることができた。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1及び図11は作業車の一例である農用トラク
タを示しており、左右一対の前輪1及び左右一対の後輪
2で支持された機体の前部にエンジン3、後部にミッシ
ョンケース4を備えて農用トラクタが構成されている。
エンジン3からの動力はミッションケース4の主変速装
置(多段のギヤ変速型式)(図示せず)、及び副変速装
置(高中低3段のギヤ変速型式)(図示せず)を介し
て、後輪デフ機構5から左右の後輪2に伝達される。後
輪デフ機構5の直前から分岐した動力が前輪変速装置
6、前輪出力軸7及び前輪デフ機構8を介して左右の前
輪1に伝達される。
【0031】図1に示す前輪変速装置6は、前輪1が後
輪2と略同じ速度で駆動される状態で伝動する標準状
態、及び前輪1が後輪2よりも高速で駆動される状態で
伝動する増速状態に切換操作可能である。図1に示すよ
うに、標準及び増速状態の切換操作用のシフト部材9
が、バネ10によって標準ギヤ20との咬合側に付勢さ
れており、通常はシフト部材9が標準ギヤ20に咬合し
て標準状態となっている。シフト部材9と標準ギヤ20
との間に形成された油室(図示せず)に作動油を供給す
ると、シフト部材9が紙面左方にスライドし摩擦クラッ
チ21を押圧し入り操作して、増速状態が得られる。
【0032】図2に示すように左右の後輪2に対して、
左右の後輪2を各々独立に制動可能なサイドブレーキ1
1R,11Lが設けられている。図1及び図10に示す
ように、操縦部の床面の右側にサイドブレーキペダル1
2R,12Lが左右一対配置されており、左右のサイド
ブレーキペダル12R,12Lとサイドブレーキ11
R,11Lとが、シリンダ13R,13L及び連係ロッ
ド14を介して連動連結されている。
【0033】以上の構造により、左右のサイドブレーキ
ペダル12R,12Lを踏み操作することにより、左右
のサイドブレーキ11R,11Lを各々独立に制動側に
操作することができる。図10に示すようにシリンダ1
3R,13Lはバネ13aで伸長側に付勢されており、
作動油を供給してシリンダ13R,13Lを収縮操作す
ることにより、左右のサイドブレーキ11R,11Lを
制動側に操作することができる。
【0034】次に、前輪1の操向操作と左右のサイドブ
レーキ11R,11L及び前輪変速装置6との連係につ
いて説明する。図1及び図2に示すように、ポンプ15
からの作動油がブロック状のバルブユニット22の油路
28、及び制御弁16(サイドブレーキ操作手段及び前
輪変速装置操作手段に相当)を介して、左右のサイドブ
レーキ11R,11L及び前輪変速装置6に供給されて
いる。制御弁16は、前輪変速装置6におけるシフト部
材9と標準ギヤ20との間の油室、及び左右のサイドブ
レーキペダル12R,12Lのシリンダ13R,13L
を排油状態とする直進位置16N、ポンプ15からの作
動油を前輪変速装置6の前述の油室及び右側のシリンダ
13Rに供給し、左側のシリンダ13Lを排油状態とす
る右旋回位置16R、並びに、作動油を前輪変速装置6
の前述の油室及び左側のシリンダ13Lに供給し、右側
のシリンダ13Rを排油状態とする左旋回位置16Lの
3位置切換式である。
【0035】図1及び図2に示すように前輪1の操向操
作用のピットマンアーム17に、扇型のカム板18が固
定されており、制御弁16のスプール16aがカム板1
8に接当して、スプール16aを接当側に付勢するバネ
16bが備えられている。図1及び図2に示す状態は前
輪1を直進位置に操作している状態であり、制御弁16
が直進位置16Nに操作されている状態である。この状
態で油路28からの作動油は、ドレン油路33,34及
びドレン部35を介して排出されている。これにより、
左右のサイドブレーキ11R,11Lが非制動状態であ
り、前輪変速装置6のシフト部材9が標準ギヤ20に咬
合して、前輪1が後輪2と略同じ速度で駆動される標準
状態となっている。
【0036】図1及び図2に示す状態から前輪1を右側
に設定角度以上に操向操作すると、カム板18により制
御弁16のスプール16aが紙面右方に押し操作され
て、右旋回位置16R(図1参照)となる。これによ
り、油路28からの作動油が右ブレーキポート36Rか
ら右のシリンダ13Rに供給され、前輪変速ポート37
から前輪変速装置6に供給される。従って、前輪変速装
置6の摩擦クラッチ21が入り操作されて、前輪1が後
輪2よりも高速で駆動される増速状態になり、右のシリ
ンダ13Rが収縮して右のサイドブレーキ11Rが制動
側に操作される。
【0037】逆に、図1及び図2に示す状態から前輪1
を左側に設定角度以上に操向操作すると、制御弁16の
スプール16aが紙面左方に移動し、左旋回位置16L
(図1参照)となる。これにより、油路28からの作動
油が左ブレーキポート36Lから左のシリンダ13Lに
供給され、前輪変速ポート37から前輪変速装置6に供
給される。従って、前輪変速装置6の摩擦クラッチ21
が入り操作されて、前輪1が後輪2よりも高速で駆動さ
れる増速状態になり、左のシリンダ13Lが収縮して左
のサイドブレーキ11Lが制動側に操作される。
【0038】この農用トラクタにおいてはミッションケ
ース4の副変速装置の変速位置に応じて、前述のような
旋回中心側のサイドブレーキ11R,11Lの制動側へ
の操作及び、前輪変速装置6の増速状態への切換操作が
行われる状態と、行われない状態に切換操作されるよう
に構成しており、次にこの構造について説明する。図
1,2,3に示すように、ポンプ15からの作動油がバ
ルブユニット22の油路23、ロータリ式の切換弁24
(変更手段、牽制手段及び人為牽制手段に相当)、油路
25,26,27,28を介して制御弁16に供給され
ている。
【0039】図2及び図3に示すように、油路26に調
圧弁19(変更手段に相当)が接続されている。調圧弁
19は弁体19aと、弁体19aを閉側に付勢するバネ
19b及びバネ19bの後端を支持する支持部材19c
とで構成されている。これにより、油路26の圧力がバ
ネ19bにより設定される圧力を越えると、弁体19a
が紙面右方に開いて、作動油がドレン油路38を介して
排出されるのであり、制御弁16に供給される作動油圧
が調圧弁19のバネ19bの付勢力、つまり、バネ19
bの支持部材19cの位置により決定される。
【0040】切換弁24のスプール29は図2,3,4
に示すように、一対の切欠き部29a,29b及びドレ
ン孔29c備えた第1ランド部29A、並びに、第1円
弧面29dと第2円弧面29eとを備えた第2ランド部
29Bを備えて構成されており、調圧弁19の支持部材
19cの後端が第1円弧面29dに当て付けられて、支
持部材19cの位置が決められている。
【0041】後述する図4,5,6の3位置において、
バルブユニット22のデテントボール43が入り込んで
スプール29の位置を保持する為の3個の凹部29f
が、スプール29の後端に設けられている。図3及び図
4に示すように、バルブユニット22の外側において切
換弁24のスプール29の先端に、操作板30が固定さ
れており、副変速装置の変速レバー31と操作板30と
がワイヤ32により接続されている。スプール29を紙
面反時計方向に付勢するバネ(図示せず)が備えられて
おり、このバネの付勢力は、バネ19bの付勢力及びデ
テントボール43の保持作用よりも強いものに設定され
ている。
【0042】図4及び図2に示す状態は、変速レバー3
1を低速位置Lに操作している状態である。この状態に
おいて、ポンプ15からの作動油は油路23、切換弁2
4のスプール29における第1切欠き部29a、油路2
5,26,27,28を介して制御弁16に供給されて
いる。調圧弁19の支持部材19cがスプール29の第
1円弧面29dにより紙面左方に押された状態となって
おり、調圧弁19のバネ19bが圧縮されて調圧弁19
の作用により、制御弁16に供給される作動油圧が後述
する第2設定圧P2に維持されている。
【0043】図8に示すように、前輪変速装置6は比較
的低い第1設定圧P1で標準状態から増速状態に切換操
作される。第1設定圧P1よりも高い第2設定圧P2に
おいて、サイドブレーキ11R,11Lが弱制動状態に
操作され、前輪変速装置6が標準状態から増速状態に切
換操作される。サイドブレーキ11R,11Lの弱制動
状態とは、弱制動状態の後輪2が機体の進行に伴って引
きずられるような状態となった場合、引きずり作用がサ
イドブレーキ11R,11Lに打ち勝って、弱制動状態
の後輪2が回転させられるような状態である。
【0044】図4及び図2に示すように、変速レバー3
1を低速位置Lに操作している状態において、前述のよ
うに前輪1を右又は左側に設定角度以上に操向操作する
と、カム板18により制御弁16のスプール16aがス
ライド操作されて、油路28からの作動油が、右又は左
のブレーキポート36R,36Lから右又は左のシリン
ダ13R,13Lに供給され、前輪変速ポート37から
前輪変速装置6に供給される。
【0045】この場合、前述のように供給される作動油
圧が調圧弁19の作用により第2設定圧P2に維持され
ている。従って、図9及び図8の実線A2に示すように
前輪変速装置6の摩擦クラッチ21が入り操作されて、
前輪1が後輪2よりも高速で駆動される増速状態とな
り、右又は左のシリンダ13R,13Lが収縮して右又
は左のサイドブレーキ11R,11Lが弱制動状態に操
作される。これにより、増速された前輪1による旋回方
向への引っ張り作用、及び旋回中心側の後輪2に対する
弱制動作用により小さな小回り旋回が行える。この場
合、機体の旋回に伴って弱制動状態の後輪2が引きずら
れるような状態になると、弱制動状態の後輪2が回転さ
せられるので、弱制動状態の後輪2により地面が荒らさ
れることが少ない。
【0046】次に図5に示すように、変速レバー31を
中速位置M(機体の走行速度状態の中速状態に相当)に
操作すると、切換弁24のスプール29が図4に示す状
態から紙面時計方向に所定角度だけ回動操作されて、図
5に示す角度に位置する。この場合、スプール29の第
1円弧面29dにおいて、調圧弁19の支持部材19c
に接触する部分が紙面右方に少し後退する。これに伴い
支持部材19cも紙面右方にスライドしてバネ19bの
付勢力が少し弱められ、制御弁16に供給される作動油
圧が第2設定圧P2によりも低い第1設定圧P1に維持
される。
【0047】従って、この状態において、前輪1を右又
は左側に設定角度以上に操向操作して、油路28からの
作動油が右又は左のシリンダ13R,13L及び前輪変
速装置6に供給された場合、図9及び図8の一点鎖線A
1に示すように、前輪変速装置6の摩擦クラッチ21が
入り操作されて、前輪1が後輪2よりも高速で駆動され
る増速状態となる。これにより、増速された前輪1によ
る旋回方向への引っ張り作用によって、円滑な小回り旋
回が行える。
【0048】次に図6に示すように、変速レバー31を
高速位置H(機体の走行速度状態の高速状態に相当)に
操作すると、切換弁24のスプール29が図5に示す状
態から紙面時計方向にさらに所定角度だけ回動操作され
て、図6に示す角度に位置する。この場合、スプール2
9における第1ランド部29Aのドレン孔29cが、ド
レン油路39(図2のドレン部35に連通)に連通す
る。これにより、ポンプ15からの作動油が油路23、
第1ランド部29Aのドレン孔29c、ドレン油路39
を介して排出される。
【0049】従って、この状態において前輪1を右又は
左側に設定角度以上に操向操作しても、図9及び図8の
二点鎖線A4に示すように、右又は左のシリンダ13
R,13L及び前輪変速装置6には作動油は供給されな
い。これにより、旋回時に前輪変速装置6は標準状態を
維持し、右又は左のサイドブレーキ11R,11Lも制
動側に操作されることはなく、前輪1及び後輪2が略同
じ速度で駆動された状態で旋回が行われる。
【0050】以上の構造では、副変速装置の変速位置に
応じて前輪変速装置6及びサイドブレーキ11R,11
Lの図4,5,6に示す3状態を選択しているが、この
農用トラクタでは前述の3状態を、切換レバー40(人
為牽制手段に相当)によっても選択できるように構成し
ており、次にこの構造について説明する。図4に示すよ
うに、切換レバー40は操縦ハンドル41(図11参
照)の右横に配置されており、第1位置B1、第2位置
B2及び第3位置B3に操作可能で各位置に保持可能で
ある。切換弁24のスプール29に固定されている操作
板30に操作ロッド42が連結されており、操作ロッド
42の上端が切換レバー40の下面に当て付けられてい
る。
【0051】図4に示す状態は切換レバー40を第1位
置B1に操作している状態であり、副変速装置の変速レ
バー31の操作位置に応じて、旋回時に前輪変速装置6
が増速状態に切換操作され、旋回中心側のサイドブレー
キ11R,11Lが弱制動状態に操作される状態(図9
及び図8の実線A2参照)、旋回時に前輪変速装置6が
増速状態に切換操作される状態(図9及び図8の一点鎖
線A1参照)、並びに旋回時に前輪変速装置6が増速状
態に切換操作されず、旋回中心側のサイドブレーキ11
R,11Lも制動側に操作されない状態(図9及び図8
の二点鎖線A4参照)の3状態が選択される。
【0052】次に図4に示す状態において、切換レバー
40を第2位置B2に操作すると、操作板30が紙面時
計方向に所定角度だけ回動操作されて、切換弁24のス
プール29が図5に示す角度に回動操作される。これに
より、変速レバー40を低速位置Lに操作していても中
速位置Mの場合と同様に、旋回時に前輪変速装置6が増
速状態に切換操作される状態となる。この状態で変速レ
バー31を高速位置Hに操作すれば、旋回時に前輪変速
装置6が増速状態に切換操作されず、旋回中心側のサイ
ドブレーキ11R,11Lも制動側に操作されない状態
となる。
【0053】次に切換レバー40を第3位置B3に操作
すると、操作板30が紙面時計方向にさらに回動操作さ
れ、切換弁24のスプール29が図6に示す角度に回動
操作される。これにより、変速レバー40を低速位置L
及び中速位置Mに操作していても高速位置Hの場合と同
様に、旋回時に前輪変速装置6が増速状態に切換操作さ
れず、旋回中心側のサイドブレーキ11R,11Lも制
動側に操作されない状態となる。
【0054】以上の構造では、旋回時(変速レバー31
が低速位置Lで、切換レバー40が第1位置B1)に、
旋回中心側のサイドブレーキ11R,11Lが弱制動状
態に操作されるように構成しているが、この農用トラク
タでは旋回時に旋回中心側のサイドブレーキ11R,1
1Lが、強制動状態に操作される状態に切り換えること
もできるように構成しており、次にこの構造について説
明する。図4に示すように切換弁24のスプール29の
第2ランド部29Bにおいて、第1円弧面29dとは反
対側に第2円弧面29eを設けている。これにより、旋
回時に旋回中心側のサイドブレーキ11R,11Lが強
制動状態に操作されるようにする場合には、スプール2
9をバルブユニット22から引き出し180度反転させ
て再びバルブユニット22に挿入し、図7に示すように
スプール29の第2円弧面29eを調圧弁19の支持部
材19cに当て付ける。
【0055】この場合、図7に示すスプール29の角度
において第2円弧面29eの方が、図4に示す第1円弧
面29dよりも紙面左方に位置しており、調圧弁19の
支持部材19cが図4に示す状態よりもさらに紙面左方
に押された状態となる。これにより、調圧弁19のバネ
19bが図4の状態からさらに圧縮されて、調圧弁19
の作用により制御弁16に供給される作動油圧が、第2
設定圧P2よりも高い第3設定圧P3に維持される。図
7,5,6に示す3位置において、バルブユニット22
のデテントボール43が入り込んでスプール29の位置
を保持する為の3個の別の凹部(図示せず)が、図3に
示す凹部29fとは180度反対側の面に設けられてい
る。
【0056】この図7に示す状態(変速レバー31が低
速位置Lで、切換レバー40が第1位置B1)におい
て、前輪1を右又は左側に設定角度以上に操向操作する
と、図9及び図8の実線A3に示すように、前輪変速装
置6の摩擦クラッチ21が入り操作されて、前輪1が後
輪2よりも高速で駆動される増速状態になり、右又は左
のシリンダ13R,13Lが収縮して右又は左のサイド
ブレーキ11R,11Lが強制動状態に操作される。こ
れにより、増速された前輪1による旋回方向への引っ張
り作用、及び旋回中心側の後輪2に対する強制動作用に
より小さな小回り旋回が行える。
【0057】この場合、旋回中心側のサイドブレーキ1
1R,11Lが強制動状態に操作されているので、機体
の旋回に伴って強制動状態の後輪2が引きずられるよう
な状態になっても、強制動状態の後輪2が回転させられ
ることはなく、図8の実線A2に示す状態での旋回より
もさらに小さく小回り旋回を行うことができる。
【0058】この図7に示す状態においても、変速レバ
ー31を中速位置Mに操作すれば、旋回時に前輪変速装
置6が増速状態に切換操作される状態(図9及び図8の
一点鎖線A1参照)となり、変速レバー31を高速位置
Hに操作すれば、旋回時に前輪変速装置6が増速状態に
切換操作されず、旋回中心側のサイドブレーキ11R,
11Lも制動側に操作されない状態(図9及び図8の二
点鎖線A4参照)となる。
【0059】切換レバー40を第1位置B1に操作保持
すれば前述と同様に、副変速装置の変速レバー31の操
作位置に応じて、旋回時に前輪変速装置6が増速状態に
切換操作され、旋回中心側のサイドブレーキ11R,1
1Lが強制動状態に操作される状態(図9及び図8の実
線A3参照)、旋回時に前輪変速装置6が増速状態に切
換操作される状態(図9及び図8の一点鎖線A1参
照)、並びに、旋回時に前輪変速装置6が増速状態に切
換操作されず、旋回中心側のサイドブレーキ11R,1
1Lも制動側に操作されない状態(図9及び図8の二点
鎖線A4参照)の3状態が選択される。
【0060】次に、図7に示す状態において切換レバー
40を第2位置B2に操作すると、変速レバー40を低
速位置Lに操作していても中速位置Mの場合と同様に、
旋回時に前輪変速装置6が増速状態に切換操作される状
態となる。この状態で、変速レバー31を高速位置Hに
操作すれば、旋回時に前輪変速装置6が増速状態に切換
操作されず、旋回中心側のサイドブレーキ11R,11
Lも制動側に操作されない状態となる。切換レバー40
を第3位置B3に操作すると、変速レバー40を低速位
置L及び中速位置Mに操作していても高速位置Hの場合
と同様に、旋回時に前輪変速装置6が増速状態に切換操
作されず、旋回中心側のサイドブレーキ11R,11L
も制動側に操作されない状態となる。
【0061】〔別実施例〕 前述の実施例では制御弁16、切換弁24及び調圧弁1
9を全て機械的に操作する型式に構成しているが、制御
弁16及び切換弁24を電磁操作式に構成し、調圧弁1
9を電磁比例減圧弁型式に構成してもよい。前述の実施
例では、前輪変速装置6の操作とサイドブレーキ11
R,11Lの操作とが1個の制御弁16により行われて
おり、調圧弁19の圧力調節により前輪変速装置6が増
速状態に切換操作され、旋回中心側のサイドブレーキ1
1R,11Lが強又は弱制動状態に操作される状態、前
輪変速装置6が増速状態に切換操作される状態、並びに
旋回時に前輪変速装置6が増速状態に切換操作されず、
旋回中心側のサイドブレーキ11R,11Lも制動側に
操作されない状態の3状態の選択を行っている。この場
合、前輪変速装置6の制御弁とサイドブレーキ11R,
11Lの制御弁とを別々に設け、走行用の変速装置の変
速状態に応じて、2個の制御弁の動作をストッパー等に
より機械的に牽制するように構成してもよい。さらに、
前述の実施例では高中低の3段に変速可能な走行用の副
変速装置の変速位置に応じて、前述の3状態の選択を行
っているが、副変速装置を6段変速として6速及び5速
を高速状態、4速及び3速を中速状態及び2速及び1速
を低速状態として設定して、これらに基づき前述の3状
態の選択を行うように構成してもよい。
【0062】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】左右のサイドブレーキ、前輪変速装置、制御
弁、切換弁及び調圧弁の連係状態を示す回路図
【図2】制御弁、切換弁及び調圧弁を内装するバルブユ
ニットの縦断側面図
【図3】図2におけるC−C付近の横断面において図2
の紙面下側から上側を見た図
【図4】変速レバーを低速位置に操作している状態での
切換弁及び調圧弁等の状態を示す図
【図5】変速レバーを中速位置に操作している状態での
切換弁及び調圧弁等の状態を示す図
【図6】変速レバーを高速位置に操作している状態での
切換弁及び調圧弁等の状態を示す図
【図7】図4に示す状態において切換弁の角度を180
度反転させた状態での切換弁及び調圧弁等の状態を示す
【図8】前輪変速装置が増速状態に切換操作される第1
設定圧、前輪変速装置が増速状態に切換操作され、旋回
中心側のサイドブレーキが弱制動状態に操作される第2
設定圧、前輪変速装置が増速状態に切換操作され、旋回
中心側のサイドブレーキが強制動状態に操作される第3
設定圧の3組の圧力と、変速レバーの操作位置との関係
を示す図
【図9】前輪変速装置が増速状態に切換操作される状
態、旋回中心側のサイドブレーキが弱及び強制動状態に
操作される各状態と、変速レバーの操作位置との関係を
示す図
【図10】サイドブレーキペダルとサイドブレーキとの
連結状態及び連結用のシリンダの縦断側面図
【図11】農用トラクタの全体側面図
【符号の説明】
1 前輪 2 後輪 6 前輪変速装置 11R,11L サイドブレーキ 12R,12L サイドブレーキペダル 16 サイドブレーキ操作手段、前輪変速装
置操作手段 19 変更手段 24 変更手段、牽制手段、人為牽制手段 40 人為牽制手段 M 中速状態 H 高速状態

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右の後輪(2)を各々独立に制動可能
    な左右一対のサイドブレーキ(11R),(11L)
    と、前記サイドブレーキ(11R),(11L)を後輪
    (2)が略停止する停止状態まで制動側に操作可能な左
    右一対のサイドブレーキペダル(12R),(12L)
    とを備えると共に、 前輪(1)が操向操作されると、前記旋回中心側のサイ
    ドブレーキ(11R),(11L)を、前記停止状態と
    はならない弱制動状態に操作するサイドブレーキ操作手
    段(16)と、 機体の走行速度状態が高速状態(H)であると、前記サ
    イドブレーキ操作手段(16)による作動を牽制阻止す
    る牽制手段(24)とを備えてある 作業車。
  2. 【請求項2】 左右の後輪(2)を各々独立に制動可能
    な左右一対のサイドブレーキ(11R),(11L)
    と、前記サイドブレーキ(11R),(11L)を後輪
    (2)が略停止する停止状態まで制動側に操作可能な左
    右一対のサイドブレーキペダル(12R),(12L)
    とを備えると共に、 前輪(1)が操向操作されると、前記旋回中心側のサイ
    ドブレーキ(11R),(11L)を制動側に操作する
    サイドブレーキ操作手段(16)と、 前記サイドブレーキ操作手段(16)により制動側に操
    作される際の前記旋回中心側のサイドブレーキ(11
    R),(11L)の制動力を、前記停止状態とはならな
    い弱制動状態、及び前記弱制動状態よりも制動力の強い
    強制動状態に亘って変更自在な変更手段(19),(2
    4)と、 機体の走行速度状態が高速状態(H)であると、前記サ
    イドブレーキ操作手段(16)による作動を牽制阻止す
    る牽制手段(24)とを備えてある 作業車。
  3. 【請求項3】 前輪(1)と後輪(2)とが略同じ速度
    で駆動されるように動力を前輪(1)に伝達する標準状
    態、及び前輪(1)が後輪(2)よりも高速で駆動され
    るように動力を前輪(1)に伝達する増速状態に切換操
    作自在な前輪変速装置(6)と、 前輪(1)が操向操作されると、前記前輪変速装置
    (6)を標準状態から増速 状態に切換操作する前輪変速
    装置操作手段(16)とを備えてある請求項1又は2記
    載の 作業車。
  4. 【請求項4】 機体の走行速度状態が高速状態(H)で
    あると、前記前輪変速装置操作手段(16)による作動
    を牽制阻止するように、前記牽制手段(24)を構成し
    てある請求項3記載の作業車。
  5. 【請求項5】 機体の走行速度状態が中速状態(M)で
    あっても、前記サイドブレーキ操作手段(16)による
    作動を牽制阻止可能に、前記牽制手段(24)を構成し
    てある請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の作業
    車。
  6. 【請求項6】 前記サイドブレーキ操作手段(16)に
    よる作動、及び前記前輪変速装置操作手段(16)によ
    る作動を、人為的に牽制阻止可能な人為牽制手段(2
    4),(40)を備えてある請求項1〜5のうちのいず
    れか一つに記載の作業車。
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