JP2794028B2 - チモーゲン的またはフィブリン特異的特性を有する組織プラスミノーゲン活性化因子 - Google Patents

チモーゲン的またはフィブリン特異的特性を有する組織プラスミノーゲン活性化因子

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、組織プラスミノーゲン活性化因子(t−P
A)チモーゲン、該チモーゲンの製造方法、および医学
的適用において該チモーゲンを利用する方法および組成
物に関するものである。また、本発明は、t−PAのプロ
テアーゼドメイン内に置換アミノ酸を有する修飾構造を
有する変異体に関するものである。修飾によって、変異
体はチモーゲン的、即ち、その1本鎖形では比較的不活
性であるが、フィブリンの存在下でその2本鎖形に変換
されると活性であり、そして/または野生型(wt)t−
PAより、より一層フィブリン(または凝固血漿)特異的
となる。
プラスミノーゲン活性化因子は、チモーゲンであるプ
ラスミノーゲンを活性化し、フィブリンを包含する種々
のタンパクを分解するセリンプロテイナーゼ、プラスミ
ンを製造する(Arg561−Val562で切断することによっ
て)酵素である。研究されたプラスミノーゲン活性化因
子には、細菌性タンパクであるストレプトキナーゼ、腎
臓およびその他で合成される、最初、尿から抽出された
酵素であるウロキナーゼ、および血管壁の内面を覆って
いる細胞によって産生される酵素であるヒト組織プラス
ミノーゲン活性化因子(t−PA)がある。
これらのプラスミノーゲン活性化因子の各々の作用の
メカニズムは、異なっている:ストレプトキナーゼはプ
ラスミノーゲンまたはプラスミンと複合体を形成して、
プラスミノーゲン活性化活性を生じ、ウロキナーゼはプ
ラスミノーゲンを直接切断し、t−PA、フィブリン、お
よびプラスミノーゲンは全て相互作用し、最大活性を生
じる。
t−PAは、一部分、その高いフィブリン特異性および
イン・ビボにおける血餅溶解能によって、心筋梗塞のよ
うな血管性疾患の治療で優れた結果を示す、とりわけ重
要な、有効な新規生物学的医薬として確認され、記載さ
れた。
t−PAの存在は、幾つかの科学グループによる多数の
研究を刺激したが、これは最初、天然の供給源から実質
上純粋な単離物として確認され、Collen等,米国特許第
4,752,603号,1998年6月21日登録によって、イン・ビボ
で必要なプラスミノーゲン活性化因子活性について試験
された。Rijken等,J.Biol.Chem.,256:7035(1981)も参
照されたい。
次いで、t−PAは、別の環境で大量のt−PAを生じる
組換DNA法を使用する首尾よい研究に基づき、基本的なD
NA配列および予想アミノ酸配列によって完全に確認さ
れ、特性化された。この研究は、Pennica等,Nature,30
1:214(1983)および米国特許第4,766,075号,1988年8
月23日登録によって報告された。
これらの開示に基づくと、現在では、t−PA分子が、
トリプシン、キモトリプシン、プラスミノーゲン、プロ
トロンビン、フィブロネクチン、および表皮成長因子
(EGF)の様な種々のその他のタンパクにおいて確認さ
れた、t−PAにホモローガスな、またはホモローガスと
は言えないまでもt−PAに類似した構造を参照して定義
された5個のドメインを有していることは明らかである
と思われる。これらのドメインは、t−PAのアミノ酸配
列のN−末端から出発し、1)アミノ酸1から約44を含
んでいると種々定義されたフィンガー領域(F)、2)
約アミノ酸45から91に及ぶと種々定義された成長因子領
域(G)(EGFとのそのホモロジーに基づき)、3)約
アミノ酸92から約アミノ酸173に及ぶと定義されたクリ
ングル1(K1)、4)約アミノ酸180から約アミノ酸261
におよぶと定義されたクリングル2(K2)、および5)
通常、約アミノ酸264から分子のC末端に及ぶと定義さ
れたいわゆるセリンプロテアーゼドメイン(P)と呼称
された。通常、互いに隣設して位置しているか、または
短い“リンカー”領域によって分離されているこれらの
ドメインは、t−PAの推定成熟形の1〜527アミノ酸の
全アミノ酸配列を説明する。
各ドメインは、ある種の特異的な、生物学的に重要な
特性を提供すると種々、記載された。フィンガードメイ
ンは、フィブリンに対する高い結合親和性のために少な
くとも非常に重要な配列を含有していると特性化され
た。(この活性は、t−PAが、フィブリンに富んだ血栓
の位置での血餅溶解について示す高い特異性のために重
要であると考えられる。)成長因子様領域も、細胞表面
結合活性に関連付けられた。クリングル2領域も、フィ
ブリン結合およびt−PAの活性を刺激するフィブリンの
活性に強く関連付けられた。セリンプロテアーゼドメイ
ンは、プラスミンを製造する、プラスミノーゲンの酵素
的切断の原因である。
大きな利点は、血餅溶解剤としての天然のt−PAと関
連しているが、この天然のタンパクは必ずしも、全ての
状況下で最適のt−PA剤であるわけではないと考えられ
る。従って、幾つかの変異体は、t−PAの特異的特性を
高めると思われた。これらの変異体のあるものは、より
長い半減期またはより遅い消失速度を有する薬物が好ま
しい状況(例えば、梗塞症患者の深静脈血栓、および再
かん流後の治療)または1本鎖薬物が好ましい状況に於
いて、天然のt−PAを使用することによる不都合に対す
るものである。
例えば、フィンガードメインの実質的部分または全て
を除去すると、生成した物質の全体的な消失速度が低下
するが、分子のフィブリン結合特性が実質上低下する。
1989年1月12日公開のWO89/00197参照。
275、276、および277位のタンパク分解的切断部位に
アミノ酸置換を有する変異体は、EPO特許公開第199574
号に記載されている。275位にアルギニン以外のアミノ
酸を有するt−PA変異体として優先的に特徴づけられて
いるこれらの変異体は、1本鎖または2本鎖のいずれか
の形で存在し得る天然のt−PAと異なり、プロテアーゼ
耐性1本鎖t−PAと呼ばれ、これらは275位でのプロテ
アーゼ切断に耐性であり、従ってイン・ビボで代謝的に
2本鎖形に変換されない。この形態は、生物学的および
商業的にある種の利点を有すると思われる。即ち、これ
は、2本鎖t−PAに比較してフィブリン結合およびフィ
ブリン刺激が増大される一方、より安定である。更に、
プラスミノーゲン活性化因子は、フィブリンと相互作用
し得る1個のドメインおよびウロキナーゼのプロテアー
ゼドメインを有すると記載され、2本鎖ウロキナーゼが
形成されにくいように変更されたウロキナーゼも1態様
を構成する。1988年7月14日公開のWO88/05081号参照。
t−PAのプロテアーゼ切断部位の修飾に関する他の特
許文献については、EPO特許第241,209号,1986年11月12
日公開のEP201,153号;1987年8月19日公開のEP233,013
号;1988年11月23日公開のEP292,009号;1988年12月7日
公開のEP293,936号;および1988年12月7日公開のEP29
3,934号;およびWO88/10119号を参照されたい。
炭水化物のモル百分率が低下した時、117−119、184
−186および448−450位におけるグリコシル化変異体
は、より高い特異的活性を示した。1987年7月1日公開
のEPO公開第227,462号参照。この特許出願は更に、272
−280位でt−PA分子を修飾し得るか、またはC−末端
から25アミノ酸まで欠失させ得ることをフィブリン/フ
ィブリン分解産物の検定を使用して開示し、教示してい
る。更に、DNA修飾によってN−グリコシル化部位が選
択的に除去されているが、残りのO−結合した炭水化物
を有する、Asn119、Ala186およびAsn450を有しているt
−PA変異体は、イン・ビトロ細胞溶解検定においてメラ
ノーマt−PAより約2倍活性であることがわかった。19
87年6月10日公開のEPO公開第225,286号参照。
グリコシル部位を修飾するためのアルギニン以外のア
ミノ酸によるt−PAの449位のアミノ酸の置換、およびA
rg275の修飾または−3から91領域の欠失も教示されて
いる。1987年8月13日公開のWO87/04722号参照。t−PA
の448位のアミノ酸置換は、グリコシル化を排除するた
めに望ましいと記載されている。1988年12月28日公開の
EPO公開第297,066号参照。448−450位の修飾とN末端1
−82アミノ酸の欠失の組み合わせは、1989年1月12日公
開のWO89/00191号によって記載されている。また、ウロ
キナーゼは、グリコシル化を予防するために、Asp302−
Ser303−Thr304の領域で修飾された。1989年1月18日公
開のEPO公開第299,706号参照。しかしながら、グリコシ
ル化部位が変更、とりわけアミノ酸117が変更されると
常に、溶解特性が変化した分子を生じるらしく、この結
果更に、循環半減期パターンおよび/またはフィブリン
結合特性が変化し得る。1987年9月23日公開のEPO特許
公開第238,304号参照。
A.J.van Zonneveld等,Thrombos.Haemostas.,54(1)
4(1985)によって報告された様に、t−PAの成長因子
ドメインが欠失された場合、得られた変異体は依然活性
であり、フィブリンに結合する。成長因子ドメインにお
ける種々の欠失も、特許文献に報告された。EPO公開第2
41,209号(デス−51−87)、EPO公開第241,208号(デス
−51−87およびデス−51−173)、PCT87/04722号(N末
端1−91の全てまたは一部分の欠失)、EPO公開第231,6
24号(成長因子ドメインの全てが欠失された)、および
EPO公開第242,836号および日本特許出願公開第62−2696
88号(成長因子ドメインの幾つかまたは全てが欠失され
た)参照。
t−PAを、第1クリングルドメインの領域および成長
因子ドメインの両者で修飾することができ、その結果循
環半減期が延長することも示された。1987年10月14日公
開のEPO特許公開第241,208号参照。アミノ酸51と87を含
む間の領域をt−PAから欠失させ、血漿からより遅く消
失する変異体を成長させることができる。Browne等,J.B
iol.Chem.,263:1599−1602(1988)。また、幾つかのア
ミノ酸残基を欠失させるか、または1またはそれ以上の
アミノ酸を別のアミノ酸で置換することによって、生物
学的に悪影響を与えることなく、成熟、天然t−PAのア
ミノ酸67から69の領域でt−PAを修飾することができ
る。1987年10月7日公開のEPO特許公開第240,334号参
照。
アミノ酸273−527を含有しているt−PAの領域を使用
するt−PA/ウロキナーゼのハイブリッドも、開示され
ている。1988年11月9日公開のEPO290,118号参照。
d296−302t−PA、R304St−PA、およびR304Et−PAを包
含する、プロテアーゼドメインに変更を有するヒトt−
PAのセルピン(Serpin)耐性変異体は、Madison等,Natu
re,339:721−724(1989)に開示されている;同書のDag
mar Ringeによる同時掲載の論文も参照されたい。
プラスミノーゲン活性化因子およびその第2世代誘導
体の全般的な検討は、Harris,Protein Engineering,:
449−458(1987)に見いだすことができる。t−PA変異
体のその他の考察には、Pannekoek等,Fibrinolysis,:
123−132(1988)およびRoss等,Annual Reports in Med
icinal Chemistry,Vol.23,Chapter12(1988)がある。
前記の開示は、より新しく、種々の点で、より優れた
t−PA薬物が手中にあるという証拠を提供したが、溶解
しようとする血餅の部位に到達した時のみ活性化される
と記載されたt−PA分子は現在全くない。一般に、t−
PA分子は、これらが1本鎖または2本鎖形のいずれであ
っても、フィブリンおよず/または血漿性タンパクまた
は全血の存在下で活性である。フィブリンの存在下、そ
の1本鎖形がその2本鎖形へクリッピングして完全に活
性になるのに必要なチモーゲンt−PAを有することが望
ましいであろう。この様な変異体分子は、より少ない出
血の様なより少ない副作用を示したり、フィブリノーゲ
ン節約特性を有するらしく、それによって、心血管疾患
および血管の血栓塞栓症的閉塞に起因する多数のその他
の医学的症状の治療、および付着の形成の予防に、医科
学的に重要な新規な変法を提供する。
血漿の部位でのみ作用し、全身的に作用しないよう
に、野生型t−PAに比較して、フィブリノーゲン刺激性
(または血漿刺激性)活性より高いフィブリン刺激性
(または凝固血漿刺激性)活性を有する、即ちフィブリ
ン(または凝固血漿)特異性であるt−PA分子を与える
ことも望ましい。
従って、本発明は、改良された治療および医薬特性を
示すチモーゲン的および/またはフィブリン特異的t−
PA分子を提供することを目的とする。
血餅の部位でのみ活性であり、他のこま様な薬物より
高いレベルで有用な血餅溶解剤の使用が有効と認められ
る症状の治療のために提供することは、他の目的であ
る。
これらおよび他の目的は、当業者には明らかとなろ
う。
これらの目的は、プラスミンによって切断して酵素的
に活性な形のt−PAに変換し得る組織プラスミノーゲン
活性化因子(t−PA)チモーゲンの提供によって達成さ
れる。別の態様では、本発明は、対応する野生型t−PA
に比較して、t−PAのプロテアーゼドメイン内の部位の
アミノ酸が変更されたt−PA変異体を提供する。この変
更によって、変異体は、対応する野生型t−PAに比較し
てチモーゲン的となる。
とりわけ好ましい1態様では、t−PAはヒトt−PAで
あり、変更は、対応する野生型t−PAの305位のフェニ
ルアラニンをヒスチジンで置換するような、305を含む
領域においてである。
その他の態様では、本発明は、上記のチモーゲンおよ
び変異体をコードしているDNA配列、形質転換宿主細胞
中でDNA配列を発現し得る複製可能な発現ベクター、お
よび該ベクターで形質転換された微生物および細胞培養
に関するものである。
更にその他の態様では、本発明は、 a)t−PAのプロテアーゼドメインにアミノ酸変更を導
入し; そして b)得られたt−PA変異体をチモーゲン特性についてス
クリーニングする ことからなる方法を提供するものである。
その他の態様では、本発明は、1またはそれ以上の、
以下の生物学的活性を示し得るヒト組織プラスミノーゲ
ン活性化因子(t−PA)変異体を提供する:対応する野
生型t−PAに比較してそのプロテアーゼドメインにアミ
ノ酸変更を有し、その変更が該生物学的活性の原因であ
ることを特徴とする、チモーゲン活性、フィブリン特異
性または凝固血漿特異性。ただし、この様な変更は、27
0−280、448−450、および502−527の領域でのみ変更を
除外する。変異体は、変更が置換である変異体であるの
が好ましい。
その他の態様では、本発明は、 (a)組織プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)のプ
ロテアーゼドメインにアミノ酸変更を導入し;そして (b)得られたt−PA変異体を、1またはそれ以上の以
下の生物学的活性:チモーゲン活性、フィブリン特異
性、または凝固血漿特異性を示すその能力についてスク
リーニングする ことからなる方法を提供する。
別の態様では、本発明は、上記変異体をコードしてい
るDNA配列および複製可能なベクター、およびそれで形
質転換された宿主細胞を提供する。
更に別の態様では、本発明は、本発明のチモーゲンま
たは変異体の治療的有効量をを薬学的に許容し得る担体
と混合して含有する、血管の症状または疾患を治療する
ための組成物を目的とするものである。本発明は更に、
本発明のチモーゲンまたは変異体の治療的有効量を薬学
的に許容し得る担体と混合して含有する、フィブリンの
沈着または付着の形成または再形成を予防するための組
成物を包含するものである。
更にその他の態様では、本発明は、上記の適当な組成
物の有効量を哺乳動物に投与することからなる、哺乳動
物における血管の症状または疾患の治療方法を提供す
る。
本発明はまたは、フィブリンまたは付着の形成の可能
性のある哺乳動物の部位に上記の適当な組成物の有効量
を投与することからなる、フィブリンの沈着または付着
の形成または再形成を予防するための哺乳動物の処置法
を提供する。
本発明の第1の態様はとりわけ、ある種のt−PA分子
が、プラスミン分解性フィブリノーゲンフラグメントの
様なt−PA活性の刺激物質の存在下でチモーゲンであ
り、従って、血漿中では一般にそのフィブリン溶解活性
は消失し、血餅の部位のプラスミンに最も近い時に活性
化されるということを照明する個々の成功した研究に基
づく。即ち、チモーゲンは、個々の局在した血餅の治療
のための必要に応じて活性化される。本発明のチモーゲ
ンは、フィブリノーゲン節約であると予想され、通常、
その非チモーゲン対応物より高い投与量で使用し得、そ
の結果、より速く血餅を溶解し、より多くの血餅を溶解
する。
本発明の第2の態様は、非修飾t−PAより血餅の部位
でより選択的に作用するであろう、よりフィブリン(ま
たは凝固血漿)特異的なt−PA分子を得ることである。
第1図は、5個のドメイン、ジスルフィド架橋、およ
び分子が2本鎖分子にクリップされている活性化部位の
位置を示しているt−PAの一次構造を示す。
第2図および第3図は、pCISt−PAの製造に好適な方
法の図式表示ならびにその顕著な制限部位のいくつかの
記載である。
第4図は、p7−1Hの製造に好適な方法の図式表示なら
びにその顕著な制限部位の幾つかの記載である。
第5図は、主として1本鎖F305H(黒三角)、2本鎖F
305H(2重線と黒丸)、1本鎖野生型t−PA(黒四
角)、2本鎖野生型t−PA(黒菱形)、および1本鎖お
よび2本鎖野生型t−PAの混合物(白三角)の10ng/ml
のt−PA濃度でのフィブリン結合を示す。
第6−9図は、主として1本鎖野生型t−PA(第6
図)、2本鎖野生型t−PA(第7図)、主として1本鎖
F305H t−PA(第8図)、および2本鎖F305H t−PA(第
9図)による、プラスミン分解性フィブリノーゲンの存
在下での、プラスミンへのプラスミノーゲンの変換の速
度論のグラフを示す。四角、線および丸は、実施例1の
最後で具体的に述べた検定緩衝液中でのプラスミノーゲ
ンおよびt−PAの種々の濃度を表わす。これらの図に於
いて、縦軸は405nmに於ける吸光度、横軸は吸光度を測
定した時間(分)の2乗を表わす。
本明細書で使用する時、“ヒト組織プラスミノーゲン
活性化因子”、“ヒトt−PA"、および“t−PA"なる語
句は、プラスミノーゲンをプラスミンへ変換し得るプロ
テアーゼドメインおよびフィブリン結合の原因であると
思われるN末端領域からなる2個の機能的領域を有する
ヒトの外因性(組織型)プラスミノーゲン活性化因子を
意味する。従って、これらの3つの語句は、全配列の一
部分としてこれらの機能的ドメインを含有しているポリ
ペプチドを含有する。t−PAは、プロテアーゼ部分及び
その他はt−PAの供給源に本来備わっているt−PA部分
からなる生物活性形で、例えば組換細胞培養系によって
生産される。全配列におけるアミノ酸の相違によって示
される天然のアレル変異体がそれぞれに存在し、生じる
ことは理解されるであろう。
本明細書で使用する時、“野生型t−PA"なる語句
は、米国特許第4,766,075号によって報告されたcDNAに
よってコードされたt−PAを意味する。コードされたt
−PAは、好ましくは、293または294細胞、チャイニーズ
ハムスター卵巣細胞等を包含する天然の供給源、または
いずれかの組換発現系由来のt−PA分子である。
本明細書で使用する時、“プロテアーゼドメイン”な
る語句は、成熟形の野生型t−PAのアミノ酸264からア
ミノ酸527を含む領域を意味する。
本明細書で使用する時、本明細書でt−PAを説明する
ために使用される“チモーゲン”、“チモーゲン的”、
および“チモーゲン活性”なる語句は、以下に与えられ
る定義の一方または両者に適合しなければならない。第
1の定義では、これらの語句は、プラスミン分解性フィ
ブリノーゲンの存在下でt−PAが、下記の検定条件下、
以下に定義されるような、その酵素活性を増大させるた
めに、プラスミンの存在下で起こるのと同様に、その1
本鎖形をその2本鎖(“酵素的に活性な”)形にクリッ
ピングすることを必要とすることを意味する。
フィブリノーゲンフラグメントの存在下では、本明細
書で定義された1本鎖形のt−PA(チモーゲン)は、下
記の検定によって測定した時、野生型2本鎖t−PAより
活性が低く、1本鎖形を2本鎖形へ完全に変換させるプ
ラスミン濃度に接触させることによって活性化された
時、その酵素的により活性な形態に変換される。通常、
1本鎖形の活性は、対応する2本鎖形の活性の50%また
はそれ以下に、好ましくは20%またはそれ以下に、より
好ましくは10%以下の活性に低下され;2本鎖形にクリッ
ピングされると、その活性は野生型2本鎖形の活性の約
20%から100%以上、好ましくは少なくとも50%以下に
増大される。
以下の実施例Iに記載の検定にて、フィブリノーゲン
フラグメントの存在下、色素形成性プラスミン基質S−
2251を使用し、プラスミノーゲンをプラスミンに変換す
る速度論を調べることによって、その酵素活性について
変異体を検定する。
本明細書ではチモーゲンの第1の定義に関する目的
で、チモーゲンは、上の条件下、プラスミン生産におい
て明確な遅延を示し、従って、A405の上昇においては、
時間の2乗に対してプロットした時、時間の経過に従っ
てなお直線状速度論を示すものである。時間の2乗の速
度論の記載は、Nieuwenhuizen,W.,Voskuilen,M.,Traas,
D.,Hoegee−de Nobel,B.,Verheijen,J.H.,In Fibrinoge
n−−Structural Variants and Interactions,eds.A.He
nschen,B.Hessel.J.McDonagh,T.Saldeen(1985),p.331
−342に見い出すことができる。1つの理論に限定され
ないなら、この効果は多分、プラスミン−触媒された1
本鎖から2本鎖形への変換に起因し、それによって、t
−PAチモーゲンが活性化される。これは、野生型1本鎖
t−PA、野生型2本鎖t−PA、および2本鎖形のチモー
ゲンt−PAの場合、検定の始めから直線状速度であると
いう観察と対照をなしている。
第2の別の定義では、“チモーゲン”は、チモーゲン
活性の検定において、野生型組換t−PA(rt−PA)よ
り、1本鎖形と2本鎖形間でより大きい差異のある活性
を示すt−PA分子を特に意味する。チモーゲンの差異の
ある活性は、好ましくは野生型rt−PAのそれの少なくと
も約1.5倍である。この活性は、野生型rt−PAに比較し
て、2本鎖形のそれより大きい程度まで1本鎖形の活性
を低下させるか;野生型rt−PAに比較して1本鎖形のそ
れより大きい程度まで2本鎖形の活性を上昇させるか;
または記載された効果を生じる上記の事象を組み合わせ
ることによって得ることができる。野生型t−PAのチモ
ーゲン特性は、Loscalzo,J.Clin.Invest.,82:1391−139
7(1988)およびRanby等,Thrombosis Research,27:175
−183(1982)に記載されている。
“フィブリン特異性”なる表現は、S−2251検定にお
いて(1本鎖または2本鎖形のいずれかで)、フィブリ
ノーゲン依存性特異的活性に対するフィブリン依存性特
異的活性が野生型rt−PAより高い割合、好ましくは少な
くとも1.5の割合を示す変異体の活性を意味する。
“凝固血漿特異性”なる表現は、S−2251検定におい
て(1本鎖または2本鎖形のいずれかで)、血漿依存性
特異的活性に対する凝固血漿依存性特異的活性が野生型
rt−PAより高い割合、好ましくは少なくとも1.5の割合
を示す変異体の活性を意味する。
本明細書で使用する時、“一時的発現系”は、一時的
に、即ち安定ではないかもしれない方法で変異体をコー
ドしているDNA配列を発現する、t−PA変異体をコード
しているベクターで形質転換された細胞を含有している
細胞培養を意味する。この様な細胞は“一時的発現可
能”と考えられる。
本明細書において変異体を議論するために、t−PAの
一次構造を示す第1図について参照事項をつける。第1
図では、円の中の文字は1文字アミノ酸コードであり、
鎖間を連結している線は、ジスルフィド架橋を示し、白
丸はグリコシル化部位を示し、F、GF、K1、K2およびSP
なる表示はそれぞれ、フィンガー、成長因子、クリング
ル1、クリングル2、およびセリンプロテアーゼドメイ
ンを示す。
本明細書記載のt−PA変異体の短縮表示を目的とし
て、数字は推定成熟t−PAのアミノ酸配列(EPO公開第9
3,619号)に従ったアミノ酸残基/位置を意味すること
を記載しておく。アミノ酸の表示は、アミノ酸の1文字
アルファベット、即ち を使用する。
本明細書では置換変異体についての表示は、文字、次
いで数字、次いで文字で構成される。最初の(左端の)
文字は、野生型成熟t−PAにおけるアミノ酸を表わす。
数字は、アミノ酸置換がなされたアミノ酸の位置を意味
し、第2の(右端の)文字は、野生型のアミノ酸を置換
するために使用されるアミノ酸を表わす。挿入変異体の
ための表示は、文字、次に、その前で挿入が始まる野生
型成熟t−PAにおける残基の位置を表わす文字、次に、
行われた挿入全てを示している1またはそれ以上の大文
字で構成される。欠失変異体についての表示は、文字、
次いで、欠失の開始位置の数字から欠失の終止位置の数
字で構成され、この位置は野生型成熟t−PAに基づく。
複数の変異は、それらを読み取り易くするため、表示中
のコマンによって分離される。
命名法の例は、次のとおりである:野生型t−PAの30
5位のフェニルアラニンがヒスチジン残基で置換されて
いる置換変異体はF305Hと呼ばれる。連続した296−299
位のKHRRがAAAAで複数個置換されている置換変異体は、
K296A、H297A、R298A、R299Aと呼ばれる。野生型t−PA
の305位の後にシステインおよびバリンが挿入されてい
る挿入変異体はi305CVと呼ばれる。野生型成熟t−PAか
ら、300〜305位のアミノ酸が欠失されている欠失変異体
は、d300−305と呼ばれる。それぞれの変異体の後に
‘t−PA'の表示が続く。
本発明で好ましい種類のチモーゲンの1つは、野生型
t−PAの305位またはその周縁に置換、欠失または挿入
を有するチモーゲンである。これらの変異体には、対応
する野生型t−PAの305位にフェニルアラニン以外のア
ミノ酸を有する変異体がある。より好ましくは、この様
な変異体は、ヒドロキシル基または窒素原子を含有して
いる側鎖のような、水素結合ドナーとして作用し得るか
または作用する側鎖を有するアミノ酸を305位に有する
変異体である。更に好ましくは、この様なアミノ酸は、
アルギニン、リシン、チロシン、アスパラギン、グルタ
ミンおよびヒスチジンであり、最も好ましくはヒスチジ
ンである。このタイプの好ましい挿入チモーゲン変異体
は、304または305位のアミノ酸の後に、1またはそれ以
上、好ましくは1個のアミノ酸が挿入されている変異体
を包含し、その様なアミノ酸は、上記の様な、即ち水素
結合ドナーとして作用し得るかまたは作用する側鎖を有
する、例えばヒドロキシル基または窒素原子を含有して
いるアミノ酸、例えばアルギニン、リシン、チロシン、
アスパラギン、グルタミンおよびヒスチジン、最も好ま
しくはヒスチジンである。好ましい欠失チモーゲン変異
体には、野生型t−PAの297〜305位の両端を含む領域に
欠失を有する変異体があり、d297t−PA、d298t−PA等、
およびその組み合わせ、例えばd297−299t−PA、または
d297,d305t−PAを包含する。
上記チモーゲン変異体の具体的な態様は、F305Ht−P
A;F305Tt−PA;F305Nt−PA;F305Kt−PA;F305Rt−PA;F305
Qt−pa;i304Ht−PA;i304Tt−PA;i304Nt−PA;i304Kt−P
A;i304Rt−PA;i304Qt−PA;i304HHt−PA;i305Ht−PA;i30
5Tt−PA;i305Nt−PA;i305Kt−PA;i305Rt−PA;i305Qt−P
A;i304H,i305Ht−PA;i305HHt−PA;d297t−PA;d298t−P
A;d299t−PA;d300t−PA;d301t−PA;d302t−PA;d303t−P
A;d304t−PA;d305t−PA;d297−298t−PA;d297−299t−P
A;d297−300t−PA;d297−301t−PA;d297−302t−PA;d29
7−303t−PA;d297−304t−PA;d297−305t−PA;d300−30
1t−PA;d300−302t−PA;d300−303t−PA;d300−304t−P
A;d300−305t−PA;d304−305t−PA;d297,d300t−PA;d29
7,d305t−PA;d1−44,N184D,F305Ht−PA;d1−44,F305Ht
−PA;d1−44,I210R,G211A,K212R,V213R,F305Ht−PA;d1
−44,I210R,G211A,K212R,V213K,F305Ht−PA;d1−44,V21
3K,F305Ht−PA;d1−44,T252R,F305Ht−PA;d1−44,V213
K,T252R,F305Ht−PA;d1−44,I210K,E305Ht−PA;d1−44,
I210R,G211H,K212Q,V213K,F305Ht−PA;I210R,G211H,K21
2Q,V213K,F305Ht−PA;I210R,G211A,K212R,V213R,F305Ht
−PA;d1−44,N184D,I210R,G211A,K212R,V213R,T252R,F3
05Ht−PA;N184D,I210R,G211A,K212R,V213R,T252R,F305H
t−PA;d92−179,F305Ht−PA;d92−179,I210R,G211A,K21
2R,V213R,F305Ht−PA;d92−179,N184D,I210R,G211A,K21
2R,V213R,T252R,F305Ht−PA;d92−179,I210R,G211A,K21
2R,V213R,T252R,F305Ht−PA;Y67N,F305Ht−PA;d1−44,Y
67N,F305Ht−PA;およびそのT252RまたはN184S類似体、
またはその組み合わせ。(プロテアーゼドメインにおけ
る変更以外の変更を更に以下に記載する。) これらの内、好ましいチモーゲン変異体は、F305Ht−
PA;F205Tt−PA;F305Nt−PA;F305Kt−PA;F305Rt−PA;F30
5Qt−PA;i304Ht−PA;d1−44,F305Ht−PA;d92−179,F305
Ht−PA;d1−44,N184D,F305Ht−PA;d1−44,I210R,G211A,
K212R,V213R,F305Ht−PA;d1−44,I210R,G211A,K212R,V2
13K,F305Ht−PA;I210R,G211A,K212R,V213R,F305Ht−PA;
d92−179,I210R,G211A,K212R,V213R,F305Ht−PA;d92−1
79,N184D,I210R,G211A,K212R,V213R,F305Ht−PA;d92−1
79,N184D,I210R,G211A,K212R,V213R,T252R,F305Ht−PA;
d1−44,N184D,I210R,G211A,K212R,V213R,T252R,F305Ht
−PA;およびN184D,I210R,G211A,K212R,V213R,T252R,F30
5Ht−PAである。
チモーゲンの第1の種類のより好ましい変異体は、F3
05Ht−PA:F305Tt−PA;F305Nt−PA;F305Qt−PA;i304Ht−
PA;d1−44,F305Ht−PA;d92−179,F305Ht−PAであり、最
も好ましくはF305Ht−PAである。
本発明における別の好ましい種類のチモーゲンは、よ
りフィブリン(または凝固血漿)特異的であり得る種類
の変異体と同様、荷電されたアミノ酸側鎖を有している
ことで確認されるプロテアーゼドメインの小さな領域に
1またはそれ以上の変更を有する変異体であり、その領
域および/またはそれに隣接する領域はその種々の活性
に影響し得るその他の物質とt−PAの相互作用に関与し
ているものである。
この方法による活性について試験するために確認され
た領域は,対応する野生型t−PAの267,283−287,296−
299,303−304,322,326−327,331−332,339−342,347−3
51,353−356,360−362,364−366,369−371,378−383,38
7−392,400−405,408,410,416−418,426−430,432−43
4,440,445−449,449−453,460−462,471−472,477,487
−489,505−506,513,519−523,および523−526の残基番
号である。所望の生物学的特性が得られるか否かを調べ
るために,これらの領域の1またはそれ以上,またはそ
のサブユニットを変更させる。荷電された残基(Arg,As
p,His,Lys,およびGlu)を,Cunningham and Wells,Scien
ce,244:1081−1085(1989)に開示されたアラニン−ス
キャンニング突然変異誘発法として知られている方法を
使用して適切に確認し、細胞内外の周囲の水性環境とア
ミノ酸の相互作用に影響するように中性または負に荷電
されたアミノ酸で置換する。
この第2の好ましい種類のチモーゲンおよびフィブリ
ン特異的分子にあると判明した変異体は、置換されたア
ミノ酸が対応する野生型t−PAの267,283+287,296−29
9,303−304,331−332,339+342,347−349+351,364−36
6,408,410,416−418,426−427+429−430,432−434,44
0,445+449,449+453,460+462,および/または477位に
ある変異体である。“+”は表示された位置でのみの置
換を示し,“−”は表示された全ての位置での置換を示
す。
アラニンスキャンニング突然変異誘発のためには、分
子に反対の電荷を与えるより、野生型t−PAの対応する
アミノ酸の電荷を中和するようにアミノ酸が置換される
のが好ましい。好ましくは、アラニン、グリシン、セリ
ン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、バリン、
ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはチロ
シンを包含する、疎水性の、実質上荷電されていない
か、反対に荷電されているアミノ酸を使用することがで
きる。これらの内、バリン、ロイシンおよびイソロイシ
ンの様なより大きいアミノ酸より、アラニン、セリンお
よびトレオニンの様な小さいアミノ酸が好ましい。アス
パラギン酸またはグルタミン酸の様な荷電されたアミノ
酸は、あまり好ましくない。
より好ましくは、置換のために使用されるアミノ酸
は、アラニン、セリン、トレオニン、アスパラギン、グ
ルタミン、フェニルアラニン、またはチロシンであり、
更に好ましくはアラニン、セリンまたはトレオニンであ
る。ベーター炭素上の側鎖を排除し、野生型t−PA分子
の主鎖立体配置をあまり変更しないので、アラニンは、
この目的のために最も好ましいアミノ酸である。更に、
アラニンは、埋没しているかまたは露出している両位置
でしばしば見いだされる(Creighton,T.E.,in The Prot
eins(eds.W.H.Freeman & Co.,N.Y.);Chothia,C.(19
76)J.Mol.Biol.,150:1)。
この後者の種類のチモーゲンまたはフィブリン(また
は凝固血漿)特異的変異体の好ましい変異体は、変異体
D365At−PA,R462Lt−PA,A473St−PA,d296−304t−PA,d2
96−302t−PA,R298Et−PA,R299Et−PA,R304Et−PA,R304
St−PA,d296−299t−PA,およびK296E,R298E,R299Et−PA
以外の、t−PAのプロテアーゼドメイン内に変更を含む
変異体である。
より詳細には、これらは、対応する野生型t−PAの26
7,283,287,296,297,298,299,303,304,331,332,339,342,
347,348,349,351,364,365,366,408,410,416,417,418,42
6,427,429,430,432,434,440,445,449,453,460,462,また
は477,またはその組み合わせの位置に1またはそれ以上
の置換を有する変異体である。
より好ましくは,このプロテアーゼドメイン変異体
は、対応する野生型t−PAの267,283+287,296−299,30
3−304,331−332,339+342,347−349+351,364−366,40
8,410,416−418,426−427+429−430,432−434,440,445
+449,449+453,460+462,および477位に置換する。
“+”は、その間ではなく示された位置でのみの置換を
示し,“−”は,その間の位置を含む示された全ての位
置での変更を示す。
更に好ましくは、この後者の種類のチモーゲンまたは
フィブリン(または凝固血漿)特異的変異体のプロテア
ーゼドメイン変異体は、R267At−PA,D283A,H287At−PA,
K296A,H297A,R298A,R299At−PA,E303A,R304At−PA,H331
A,H332At−PA,R339A,R342At−PA,E347A,E348A,E349A,K3
51At−PA,D364A,D365A,D366At−PA,E408At−PA,E410At
−PA,K416A,H417A,E418At−PA,E426A,R427A,K429A,E430
At−PA,H432A,R434At−PA,R440At−PA,H445A,R449At−P
A,R449A,D453At−PA,D460A,R462At−PA,およびD447At−
PAである。
これらの内、最も好ましい置換は、野生型t−PAの29
6−299位に存在する残基のそれぞれに代わるアラニン残
基であり、即ち、K296A,H297A,R298A,R299At−PAであ
る。
チモーゲンまたはフィブリン特異的活性を示し得る好
ましい挿入変異体は、296、297、298、および/または2
99位のアミノ酸の後に1またはそれ以上のアミノ酸が挿
入されている変異体である。更にこの目的に好ましいの
は、チロシン、アスパラギン、リシン、アルギニン、ま
たはグルタミンのいずれかを構成成分とする挿入を有す
るこれらのプロテアーゼドメイン変異体である。
野生型t−PAに比較した時、チモーゲン的特性を示す
天然のt−PA分子のプロテアーゼドメイン(アミノ酸26
4−527)内に1またはそれ以上のアミノ酸変更(欠失、
置換、または挿入であるが、好ましくは置換)を有する
その他の変異体は、以下に挙げたスクリーニング試験の
1またはそれ以上を使用し、確認することができる。
本発明のt−PA変異体は、チモーゲン的および/また
はフィブリン(または凝固血漿)特異的特性を示すよう
に1またはそれ以上のプロテアーゼドメイン部位で天然
の配列から変更されていることに加え、更に、分子のあ
る種の特性を改善するために天然の配列のその他の領域
において残基の置換、欠失、または挿入を含むこともあ
る。ただし、t−PAの1本鎖形がその2本鎖形に切断さ
れることを防ぐか、または本発明のプロテアーゼドメイ
ンにおける変更によって分子に与えられた望ましい生物
学的特性を変化させる変更が行われないことを条件とす
る。これらのその他のドメインにおける好ましい変更
は、上の、第1のタイプの最も好ましいチモーゲン変異
体のリストに提供されている。
例えば、本発明の変異体は、好ましくはフィンガード
メイン、成長因子ドメイン、および/またはクリングル
1ドメインの少なくとも一部分を欠いているか、および
/またはアミノ酸184の周縁のグリコシル化部位にグリ
コシル化能を欠いており、好ましくはクリングル1また
は2の推定リジン結合部位にアミノ酸変更を有してい
る。
また、t−PAのフィブリン結合は、t−PAのクリング
ル2ドメインの推定リガンド結合ポケットの反対端にお
いて正または負に荷電されたアミノ酸残基で適当に置換
することによって、調整され、最も好ましくは回復され
るかまたは増大されることができる。本発明の変異体は
通常、特定部位突然変異誘発または更に本明細書、以下
に記載する切り出し/連結法によって製造される。
この様な変異体の具体例は、アミノ酸1〜44を欠失し
ている分子(d1−44で示される)および184位にアスパ
ラギン酸を有している分子(N184Dで示される)を包含
する。アミノ酸1〜44を欠失している変異体は、WO89/0
0197、前掲に、より完全に記載されている。
上の変異体は全て、修飾がチモーゲン的および/また
はフィブリン(または凝固血漿)特異的特性のために本
明細書に示された基準に合うなら、分子の種々のその他
の領域で修飾されてもよい。この様な修飾には、例え
ば: 1.例えば約92〜179の欠失であるクリングル1の修飾、
および/または 2.例えば約174−261の欠失またはアミノ酸約205−215、
特に210−213の領域における修飾であるクリングル2の
修飾、および/または 3.アミノ酸約244−255、特に252またはその部位、およ
び/または 4.アミノ酸約233−242、特に236−238、および/または 5.アミノ酸184の様な既知のグリコシル化部位、および
/または 6.成長因子ドメイン内のグリコシル化 がある。要約すると、その成長因子ドメイン内、好まし
くは67−69位でN−またはO−連結グリコシル化する。
67位のチロシンがアスパラギン残基で置換されている場
合は、t−PA分子の半減期が変わる。
これらの修飾の多くによって、消失速度およびフィブ
リン結合を、天然のt−PAに比較して有意に変更するこ
とができる。当業者なら、各変異体のどの最適特性が個
々の場合に望ましいかを適当な検定によって調べること
ができるであろう。
上の配列の変更を行なうために天然の分子に適当なア
ミノ酸を変更または挿入する修飾は、例えば特定部位突
然変異誘発、または下記の様に問題のタンパクをコード
しているDNAに適当な配列を連結すること等の、当業者
に既知の方法によって行われる。
本発明によるt−PA変異体の製造は、タンパクの初期
製造変異体または非変異体をコードしているDNAを特定
部位突然変異誘発することによって、好適に行われる。
所望の突然変異のDNA配列をコードしている特異的オリ
ゴヌクレオチド配列の使用、および交差結合の両側にお
いて安定な二重鎖の形成に十分なサイズおよび配列複雑
さのプライマー配列を提供するために十分な隣の隣接ヌ
クレオチドの使用により、特定部位突然変異誘発によっ
て、t−PA変異体を製造することができる。通常、約20
〜25ヌクレオチド長さの、配列の結合の両側で約5〜10
残基が変更されているプライマーが好ましい。通常、特
定部位突然変異誘発の方法は、Adelman等,DNA,2:183(1
983)の様な出版物によって例示されるように、当業者
に既知である。
特定部位突然変異誘発法は通常、1本鎖および2本鎖
両形態で存在するファージベクターを使用することは、
理解されるであろう。特定部位突然変異誘発に有用な代
表的ベクターには、例えばMessing等,Third Cleveland
Symposium on Macromolecules and Recombinant DNA,A.
Walton編,Elsevier,Amsterdam(1981)によって記載さ
れた如き、M13ファージの様なベクターがある。これら
のファージは、市販品として容易に入手し得、その使用
は通常、当業者に既知である。また、1本鎖DNAを得る
ために、1本鎖ファージの複製起点を含有しているプラ
スミドベクター(Veira等,Meth.Enzymol.,153:3(198
7))を使用することができる。
通常、本発明による特定部位突然変異誘発は、先ず、
その配列内に、問題のt−PAをコードしているDNA配列
を含有している1本鎖ベクターを得ることによって行わ
れる。所望の突然変異配列を担持しているオリゴヌクレ
オチドプライマーは通常、例えばCrea等,Proc.Natl.Aca
d.Sci.(USA),75:5765(1978)の方法によって、合成
的に製造される。次に、このプライマーを1本鎖t−PA
配列含有ベクターとアニーリングし、E.coliポリメラー
ゼIクレノウフラグメントの様なDNA−ポリメラーゼ酵
素に付して、突然変異を有する鎖の合成を完成する。こ
の様にして、一方の鎖が元の非突然変異配列をコード
し、他方の鎖が所望の突然変異を有しているヘテロ二重
鎖が形成される。次に、このヘテロ二重鎖ベクターを使
用してJM101細胞の様な適当な細胞を形質転換し、32Pで
ラベルされた突然変異誘発プライマーを構成成分とする
放射活性なプローブにハイブリダイズさせることによっ
て、突然変異配列を担持している組換ベクターを含むク
ローンを選択する。
この様なクローンを選択した後、突然変異t−PA領域
を取り、t−PAの製造に適当なベクター、通常、典型的
には適当な真核細胞の形質転換に使用されるタイプの発
現ベクターに入れる。本発明の場合、チャイニーズハム
スター卵巣(CHO)細胞または293(Graham等,J.Gen.Vir
ol.,36:59(1977)によって記載されたヒト腎細胞)
が、長期間安定なt−PA生産体の製造に好適である。し
かしながら、とりわけ、試験目的のために、酵素の一時
的製造のみを所望する場合、多数のその他の細胞タイプ
が好適に使用されることが知られているように、本発明
は、CHO生産に限定されない。例えば、下記は、293細胞
を使用する一時的な系であり、これは分析目的のための
t−PA変異体の製造に好都合な系を提供する。
t−PAをコードしているDNA配列中に突然変異を設け
るためのその他の方法は、制限酵素で消化することによ
って、t−PAをコードしているDNAを適当な位置で切断
し、適切に切断されたDNAを回収し、所望のアミノ酸お
よび平滑末端を有するポリリンカーの様なフランキング
領域をコードしているオリゴヌクレオチドを合成し(ま
たは、ポリリンカーの使用の代わりに、t−PAをコード
しているDNAを切断するためにも使用される制限酵素で
合成オリゴヌクレオチドを消化し、それによって粘着末
端を作成し)、この合成DNAを、t−PAをコードしてい
る構造遺伝子の残部にライゲートすることを包含する。
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)発現は最終的に
t−PAの製造に好ましいが、本明細書に記載のベクター
および方法は、広範な真核生物に及ぶ宿主細胞での使用
に好適である。
もちろん、通常、原核細胞は、DNA配列の初期クロー
ニングおよび本発明で有用なベクターの構築に好まし
い。例えば、E.coli K12株294(ATCC No.31,446)およ
びE.coli株W3110(ATCC No.27,325)は、とりわけ有用
である。他の好適な微生物株には、E.coli BおよびE.co
li X1776(ATCC No.31,537)の様なE.coli株がある。こ
れらの例はもちろん、制限を目的とするものではなく、
例示を目的とするものである。
原核細胞はまた、発現に有用である。前記の株、およ
びBacillussubtilisの様なbacilli、および例えばSalmo
nella typhimuriumまたはSerratia marcesans、および
種々のPseudomonas種の様な他のenterobacteriaceae
は、発現に有用な宿主の例である。
通常、宿主細胞と両立可能な種由来のレプリコンおよ
びコントロール配列を含有しているプラスミドベクター
を、これらの宿主について使用する。ベクターは通常、
複製部位、および形質転換細胞において表現型の選択を
提供し得るマーキング配列を有する。例えば、E.coliは
通常、pBR322、即ちE.coli種由来のプラスミド(例え
ば、Bolivar等,Gene,2:95(1977)参照)を使用して形
質転換される。pBR322は、アンピシリンおよびテトラサ
イクリン耐性のための遺伝子を含有し、それによって、
形質転換細胞を確認するための容易な方法を提供する。
pBR322プラスミド、またはその他の微生物性プラスミド
またはファージは更に、それ自体のタンパクの発現のた
めに微生物によって使用され得るプロモーターを含有す
るか、含有するように修飾されなければならない。
組換DNAの構築で最も一般に使用されるこれらのプロ
モーターは、β−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)およ
びラクトースプロモーター系(Chang等,Nature,375:615
(1978):Itakura等,Science,198:1056 1977):Goeddel
等、Nature,281:544(1979))およびトリプトファン
(trp)プロモーター系(Goeddel等,Nucl.Acids Res.,
8:4057(1980):EPO出願公開第36,776号)およびアルカ
リ性ホスファターゼ系を包含する。これらは最も一般に
使用されるが、その他の微生物性プロモーターが発見さ
れて使用されており、そのヌクレオチド配列に関する詳
細は公開されているので、それによって、当業者はそれ
らをプラスミドベクターと機能的にライゲートさせるこ
とができる(例えばSiebenlist等,Cell,20:269(1980)
参照)。
原核生物以外に、酵母の様な真核微生物も、本発明で
好適に使用される。真核微生物の内、Saccharomyces ce
revisiaeまたは通常の製パン用酵母が最も一般に使用さ
れるが、多数のその他の株が通常利用可能である。例え
ば、Saccharomycesにおける発現のためには、プラスミ
ドYRp7(Stinchcomb等,Nature,282:39(1979);Kingsma
n等,Gene,7:141(1979);Tschemper等,Gene,10:157(19
80))が通常、使用される。このプラスミドは既に、ト
リプトファンにおいて成長能のない酵母の突然変異株、
例えばATCC No.44,076またはPEP4−1のための選択マー
カーを提供するtrp1遺伝子を含有している(Jones,Gen
etics,85:12(1977))。酵母宿主細胞ゲノムの特性と
してtrp1変異が存在することは、更に、トリプトファ
ンの非存在下での成長によって形質転換を検出するため
の効果的な環境を提供する。
酵母ベクターにおける好適なプロモーティング配列
は、3−ホスホグリセレートキナーゼ(Hitzeman等,J.B
iol.Chem.,255:2073(1980))またはその他の解糖酵素
(Hess等,J.Adv.Enzyme Reg.,7:149(1968);Holland
等,Biochemistry,17:4900(1978))、例えばエノラー
ゼ、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲ
ナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルベートデカルボキシラー
ゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−ホスフ
ェートイソメラーゼ、3−ホスホグリセレートムター
ゼ、ピルベートキナーゼ、トリオセホスフェートイソメ
ラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼおよびグルコキ
ナーゼを包含する。好適な発現プラスミドの構築では、
これらの遺伝子に関連する終止配列を更に、発現ベクタ
ーの発現させようとする配列の3′にライゲートし、mR
NAのポリアデニル化および終止を得る。成長条件によっ
てコントロールされる転写の利点を更に有するその他の
プロモーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソ
チトクロームC、酸ホスフェターゼ、窒素代謝に関連す
る分解酵素、および前記グリセルアルデヒド−3−ホス
フェートデヒドロゲナーゼ、およびマルトースおよびガ
ラクトースの利用に関与する酵素のためのプロモーター
領域である。酵母と両立し得るプロモーター、複製起点
および終止配列を含有しているプラスミドベクターが好
適である。
微生物以外に、多細胞生物由来の細胞培養も、宿主と
して使用し得る。原則としては、脊椎動物培養由来であ
っても無脊椎動物培養由来であっても、この様な細胞培
養を利用することができる。しかしながら、関心は脊椎
動物細胞において最も大きく、近年では、培養(組織培
養)中、脊椎動物細胞の増殖が常法となった[Tissue C
ulture,Academic Press,Kruse and Patterson,編(197
3)]。この様な有用なセルラインの例は、VEROおよびH
eLa細胞、CHOセルライン、およびW138、BHK、COS−7、
293、およびMDCKセルラインである。この様な細胞のた
めの発現ベクターは通常(必要に応じて)、複製の起
点、発現させようとする遺伝子の前に位置するプロモー
ター、並びに必要なリボソーム結合部位、RNAスプライ
ス部位、ポリアデニル化部位、および転写終止配列を含
有する。
哺乳動物細胞で使用するためには、発現ベクター上の
制御機能はしばしば、ウイルス性物質によって提供され
る。例えば、通常使用されるプロモーターは、ポリオー
マ、アデノウイルス2、および最も頻繁にはSimianウイ
ルス40(SV40)に由来する。SV40ウイルスの初期および
後期両プロモーターはSV40ウイルスの複製起点をも含有
するフラグメントとしてウイルスから容易に得られるの
で、これらはとりわけ有用である(Fiers等,Nature,27
3:113(1978))。ウイルスの複製起点に位置しているH
indIII部位からBglIに及ぶ約250bp配列が含有されてい
る限り、より小さいかまたはより大きいSV40フラグメン
トも好適に使用される。更に、この様な制御配列が宿主
細胞系と両立し得る限り、所望の遺伝子配列に通常関連
しているプロモーターまたは制御配列を使用することも
可能であり、しばしば望ましい。
複製起点は通常、SV40またはその他のウイルス性(例
えば、ポリオーマ、アデノ、VSV、BPV)供給源に由来し
得るような、外来の起点を含有するベクターの構築、ま
たは宿主細胞染色体複製メカニズムによって提供され
る。ベクターが宿主細胞染色体に組み込まれる場合、後
者はしばしば十分である。
細胞培養によって十分量のヒトt−PAが産生される
が、第2のコード配列を使用する改良が、更に産生レベ
ルを高めるのに役立つ。第2のコード配列は、外部的に
制御されるパラメーター、例えばメトトレキセート(MT
X)によって影響されるジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHF
R)を含有し、それにより、MTX濃度の制御によって発現
を制御することができる。
変異体t−PAおよびDHFRタンパクの両者をコードして
いるDNA配列を含有している本発明のベクターによって
形質転換するのに好ましい宿主細胞の選択においては、
使用するDHFRタンパクのタイプを考慮するのが適切であ
る。野生型DHFRタンパクを使用する場合、DHFRを欠いて
いる宿主細胞を選択するのが好ましく、これによって、
ヒポキサンチン、グリシンおよびチミジンを含んでいな
い選択培地における適切なトランスフェクトのためのマ
ーカーとして、DHFRをコードしている配列を使用するこ
とができる。この場合の適切な宿主細胞は、Urlaubおよ
びChasin,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)77:4216(1980)
によって記載された様にして製造および増殖された、DH
FR活性を欠いているCHOセルラインである。
一方、MTXに対して低い結合親和性を有するDHFRタン
パクを制御配列として使用する場合、DHFR欠乏性細胞を
使用する必要はない。突然変異体DHFRはMTXに耐性なの
で、宿主細胞がそれ自体MTX感受性であることを条件と
して、選択手段としてMTX含有培地を使用することがで
きる。MTXを吸収し得る大部分の真核細胞は、MTXに感受
性であるらしい。その様な有用なセルラインの1つは、
CHOラインである、CHO−K1(ATCC No.Col61)である。
哺乳動物細胞を宿主細胞として使用する場合、トラン
スフェクションは通常、GrahamおよびVan der Eb,Virol
ogy,52:546(1978)による記載に従い、リン酸カルシウ
ム沈殿法によって行われる。しかしながら、核注入、電
気穿孔、またはプロトプラスト融合の様な、細胞にDNA
を導入するためのその他の方法も好適に使用される。
酵母を宿主として使用する場合、トランスフェクショ
ンは通常、Hinnen,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,75:1929
−1933(1978)による教示に従い、ポリエチレングリコ
ールを使用して行われる。
原核細胞または実質上細胞壁構築物を含有している細
胞を使用する場合、好ましいトランスフェクション法
は、Cohen等,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)69:2110(197
2)による記載に従いカルシウムを使用するカルシウム
処理、またはより最近は電気穿孔法である。
所望のコード配列および制御配列を含有している好適
なベクターの構築は、通常のライゲーション法を使用す
る。分離したプラスミドまたはDNAフラグメントを切断
し、組み立て、必要なプラスミドの製造に望ましい形態
に再ライゲートする。
適当な緩衝液中、制限酵素(または酵素)で処理する
ことによって、切断を行なう。通常、約20μlの緩衝液
中、約1単位の酵素について、約1μgのプラスミドま
たはDNAが使用される。(個々の制限酵素のための適当
な緩衝液および基質の量は、製造業者によって指定され
る。)37℃で約1時間のインキュベート時間が使用され
る。インキュベート後、フェノールおよびクロロホルム
で抽出してタンパクを除去し、エタノール沈澱によっ
て、水性画分から核酸を回収する。
平滑末端が必要な場合、DNAポリメラーゼI(クレノ
ウ)のクレノウフラグメント10単位と一緒に15℃で15分
間、標本を処理し、フェノールクロロホルム抽出し、エ
タノール沈澱させることができる。
切断フラグメントのサイズ分離は、Goeddel等,Nuclei
c Acids Res.,8:4057(1980)によって記載された6パ
ーセントポリアクリルアミドゲルを使用して行われる。
ライゲートのためには、正しく適合するように好適に
組み立てられた、ほぼ等モル量の所望の成分を、0.5μg
DNA当たり約10単位のT4DNAリガーゼで処理する。(切断
されたベクターを成分として使用する場合、細菌性アル
カリ性ホスファターゼで予め処理することによって、切
断されたベクターの再ライゲーションを防ぐことが有用
かもしれない。) 上で議論したように、t−PA変異体は、特異的突然変
異法によって好適に製造される。本発明の方法で有用な
変異体は、所望の突然変異のDNA配列をコードしている
特異的オリゴヌクレオチド配列、並びに交差している突
然変異の両側で安定な二重鎖の形成に十分なサイズおよ
び配列複雑さの配列を提供するのに十分な数の隣接ヌク
レオチドを使用することによって、最も容易に製造され
る。
構築されたプラスミド中の正確な配列を確認する分析
のためには、通常、ライゲーション混合物を使用してE.
coli K12株294(ATCC31,446)またはその他の適当なE.c
oli株を形質転換し、良好な形質転換体を適宜アンピシ
リンまたはテトラサイクリン耐性によって選択する。形
質転換体からプラスミドを調製し、制限地図、および/
またはMessing等,Nucleic Acids Res.,9:309(1981)の
方法またはMaxam等,Methods of Enzymology,65:499(19
80)の方法によるDNA配列決定によって分析する。
哺乳動物細胞宿主にDNAを導入し、安定な形質転換体
について培地中で選択した後、約20,000−500,000pM濃
度のMTX、DHFR活性の競合阻害剤の存在下で宿主細胞培
養を増殖させることによって、DHFR−タンパクをコード
している配列を増幅させる。有効な濃度範囲はもちろ
ん、DHFR遺伝子およびタンパクの性質および宿主の特性
に大いに依存する。明らかに、一般的に定義された上限
および下限を確認し得ない。DHFRを阻害するその他の葉
酸類似体またはその他の化合物の好適な濃度も使用する
ことができる。しかしながら、MTXそれ自体は、好適で
あり、容易に入手し得、有効である。
実施例を簡潔にするために、幾つかのしばしば出てく
る方法を、短縮した句によって表わす。
“プラスミド”は、小文字のp、次いで英数字表示に
よって表わされる。本発明の出発プラスミドは市販品と
して入手し得、制限なく誰でも入手し得るか、または公
開された方法に従ってその様な入手し得るプラスミドか
ら構築することができる。また、他の等価のプラスミド
は当該技術分野で知られており、当業者には明らかとな
ろう。
DNAの“消化”とは、DNAの特定の位置でのみ作用する
酵素によるDNAの触媒的切断を意味する。この様な酵素
は、制限酵素と呼ばれ、それぞれが特異的である部位は
制限部位と呼ばれる。本発明で使用した種々の制限酵素
は市販品として入手し得、その反応条件、コファクタ
ー、および酵素供給者によって確立されたその他の必要
要件を使用した。制限酵素は通常、大文字、次に各制限
酵素が起原として得られた微生物を表わすその他の文
字、次に個々の酵素を示す数字で構成された略語によっ
て表わされる。通常、約1μgのプラスミドまたはDNA
フラグメントを、約20μlの緩衝液に入れた約2単位の
酵素と一緒に使用する。各々の制限酵素のために適当な
緩衝液および基質の量は、製造業者によって具体的に示
されている。通常、37℃で約1時間のインキュベート時
間が使用されるが、供給者の指示に従って種々であって
よい。インキュベート後、フェノールおよびクロロホル
ムで抽出することによってタンパクを除去し、エタノー
ルで沈澱させることによって水性画分から消化された核
酸を回収する。制限酵素による消化の後に、まれに末端
5′リン酸の細菌性アルカリ性ホスファターゼ加水分解
を行い、DNAフラグメントの制限切断された2つの末端
が、制限部位における他のDNAフラグメントの挿入を妨
げるように“環形成”することまたは閉じたループを形
成することを防ぐ。特に断らない限り、プラスミドの消
化の次に5′末端脱リン酸化は行なわない。脱リン酸化
のための方法および試薬は、通常のものである(T.mani
atis等,1982,Molecular Cloning pp.133−134)。
制限消化から得られたDNAフラグメントの“回収”ま
たは“単離”とは、電気泳動法によって、ポリアクリル
アミドまたはアガロースゲルで消化物を分離し、その移
動度を既知の分子量のマーカーDNAフラグメントのそれ
と比較することによって、問題のフラグメントを同定
し、所望のフラグメントを含有しているゲル部分を採取
し、DNAからゲルを分離することを意味する。この方法
は、広範に知られている。例えば、R.Lawn等,1981,Nucl
eic Acids Res.9:6103−6114およびD.Goeddel等,1980,N
ucleic Acids Res.8:4057を参照されたい。
“サザン分析”は、消化物またはDNA含有成分中のDNA
配列の存在を、既知のラベルされたオリゴヌクレオチド
またはDNAフラグメントにハイブリダイズさせることに
よって確認する方法である。本明細書の目的のために、
特に断らない限り、サザン分析とは、E.Southern,1975,
J.Mol.Biol.98:503−517の方法およびT.Maniatis等,197
8,Cell 15:687−701によって記載されたハイブリダイゼ
ーション法による、1パーセントアガロースでの消化物
の分離、変性、およびニトロセルロースへの移動を意味
する。
“形質転換”とは、染色体外エレメントまたは染色体
組み込み体として、DNAが複製可能な生物に、DNAを導入
することを意味する。特に断らない限り、E.coliの形質
転換のために本発明で使用する方法は、Mandel等,1970,
J.Mol.Biol.53:154のCaCl2法である。“ライゲーショ
ン”は、2つの2本鎖核酸フラグメント間にホスホジエ
ステル結合を形成させる方法を意味する(T.Maniatis
等,前記p.146)。特に断らない限り、ライゲーション
は、既知の緩衝液および条件を使用し、ライゲートしよ
うとするほぼ等モル量のDNAフラグメント0.5μg当たり
10単位のT4DNAリガーゼ(“ligase")を用いて行うこと
ができる。
形質転換体からのDNAの“調製”とは、微生物培養か
らプラスミドNDAを単離することを意味する。特に断ら
ない限り、Maniatis等,前記p.90のアルカリ性/SDS法を
使用することができる。
“オリゴヌクレオチド”とは、既知の方法によって化
学合成され、次いでポリアクリルアミドゲルで精製され
る短い1本または2本鎖のポリデオキシヌクレオチドで
ある。
C.医薬組成物 本発明の化合物は、本発明のt−PA産物を、薬学的に
許容し得る担体ビヒクルと混合することによる、薬学的
に有用な組成物を製造するための既知の方法によって製
剤化することができる。好適な担体ビヒクル、および他
のヒトタンパク、例えばヒト血清アルブミンを包含する
その製剤は、例えばRemington's Pharmaceutical Scien
ces,16版,1980,Mack Publishing Co.,Oslo等編に記載さ
れている。この様な組成物は通常、有効量の本発明変異
体例えば約0.5〜約5mg/mlと一緒に、宿主への効果的な
投与に好適な薬学的に許容し得る組成物を製造するため
に適当な量の担体ビヒクルを含有する。本発明のt−PA
変異体は、心血管の疾患または症状に罹患している患者
に非経口的に、または有効な形態での血流へのその輸送
を保証するその他の方法によって投与することができ
る。
本発明の方法で使用される変異体t−PA産物の臨床的
投与にとりわけよく適合している組成物は、例えば、滅
菌水溶液、または凍結乾燥したタンパクの様な滅菌水化
性粉末を包含する。通常、製剤中に更に適当量の薬学的
に許容し得る塩を、通常、製剤を等張性に維持するのに
十分な量で含んでいるのが望ましい。通常、アルギニン
塩基、およびリン酸の様なpH調節剤も、通常5.5〜7.5で
ある適切なpHを維持するのに十分な量で含有させる。更
に、水性製剤の貯蔵寿命または安定性を改善するため
に、更にグリセロールの様な薬物を含有させるのが望ま
しいことがある。この様にして、変異体t−PA製剤を、
非経口投与、とりわけ静脈内投与に好適にする。
本発明の医薬組成物の投与量および望ましい薬物濃度
は、計画される個々の用途によって、異なり得る。例え
ば、深血管血栓または抹消血管疾患の治療では、通常、
約0.05〜約0.2mg/kgのオーダーの“ボーラス”投与量が
好ましく、次いで、ほぼ一定の血中濃度、好ましくは約
3μg/mlのオーダーに維持するために、約0.1〜約0.2mg
/kgのオーダーの投与が行われる。
しかしながら、通常、注入(インフュージョン)設備
のない緊急医療期間で使用するために、および問題とし
ている疾患が通常危険なものである(例えば、塞栓症、
梗塞)のために、通常、約0.3mg/kgのオーダーの静脈内
1回投与の様な、幾分大きい初期投与量を与えるのが望
ましいであろう。
例えば、本発明のt−PA変異体は、心臓血管の疾患ま
たは症状に罹患している患者に非経口投与されるのが好
ましい。投薬量および投与速度は、例えば、心筋梗塞、
肺塞栓症、等に罹患しているヒトの患者における1.5〜1
2時間での静脈内または動脈内投与量として約1−2mg/k
g体重の様な、他の心臓血管性血栓溶解剤の臨床研究で
現在使用されているのと同等またはそれより高くするこ
とができる。しかしながら、本発明の変異体は、野生型
t−PAより低い副作用を有し、より速く完全な血餅溶解
を導くので、より高い投与量を許容することができる。
好適な投与剤型の1例としては、50mgt−PA、アルギ
ニン、リン酸、およびポリソルベート80を含有している
バイヤルを、注射用滅菌水50mlで再構成し、適当容量の
0.9パーセント塩化ナトリウム注射剤と混合する。
本発明のt−PA変異体は、フィブリンの沈着または付
着の形成または再形成を予防するためにも有用である。
この用途の1態様は、1989年1月12公開のPCT WO89/000
49に記載されている。通常、この様な治療は、フィブリ
ンまたは付着形成する可能性のある部位への組成物の局
所投与を含む。組成物は、治療的有効量のt−PA変異体
を、約3日〜2週間、その部位で連続的に放出される難
溶性形態で含有する。通常、手術、感染、外傷、または
炎症後のフィブリンの沈着または付着の形成を予防する
のに十分な投与量で、t−PA変異体を投与する。通常、
この量は、0.02mg/gゲル〜25mg/gゲル、好ましい量は0.
20mg/gゲル/約2.5mg/gゲル、最も好ましくは0.25mg/g
〜約1.0mg/gゲルである。
付着の形成を予防するためにt−PAが通常製剤化され
るビヒクルは、付着形成の可能性のある部位に酵素を位
置させるための、半固形、粘性の薬学的に不活性な担体
である。この様な担体は、長鎖炭水化物または植物油、
および飽和および不飽和脂肪酸グリセリドの混合物また
は修飾された飽和および不飽和脂肪酸グリセリドの混合
物からなるワックスを包含する。例には、半固形ビヒク
ル、例えば石油ゼリーまたは半合成グリセリド、ポリヒ
ドロキシ溶媒、例えばグリセロール、長鎖炭水化物、生
体浸食性ポリマー、またはリポソームがある。
以下の実施例は、単に、本発明を行うために現在知ら
れている最も好適な方法の例示を意図するものであり、
本発明がこれらに限定されると理解されるべきではな
い。
実施例1 A.本発明のt−PA変異体の組換生産のための発現ベクタ
ーの製造および使用 1.プラスミドp7−1Hの構築 a)プラスミドpCISt−PA 以下の様にして、プラスミドpCISt−PAを製造した。
要約すると、サイトメガロウイルスのエンハンサーおよ
びプロモーター、サイトメガロウイルスのスプライス供
与部位およびイントロン、Ig可変領域スプライス受容部
位、t−PAをコードしているcDNA(Pennica等,Nature,3
01:214(1983))および肝炎表面抗原ポリアデニル化お
よび転写終止部位を含有しているベクターpCIHt−PAを
最初に構築した。
サイトメガロウイルスのエンハンサー(Boshart等,Ce
ll,41:520(1985))およびプロモーター(Thomsen等,P
roc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.)81:659(1984))、サイ
トメガロウイルスのスプライス供与部位およびイントロ
ンの一部分(Sternberg等,J.of Virol,49:190(198
4))、Ig可変領域イントロンおよびスプライス受容部
位、第VIII因子をコードしているcDNA、およびSV40ポリ
アデニル化部位を含有しているベクターpF8CISを構築し
た。構築の3部分を以下に説明する。
1.アンピシリン耐性マーカーおよび最終ベクターの複製
起点は、出発プラスミドpUC13pML、プラスミドpML(Lus
ky等,Nature,293:79(1981))の変異体に由来した。pU
C13pMLは、pUC13(Veira等,Gene,19:259(1982))のポ
リリンカーをpMLのEcoRIおよびHind III部位に移すこと
によって構築された。第2の出発プラスミドpUC8CMV
は、CMVエンハンサー、プロモーターおよびスプライス
供与配列の供給源であった。pUC8CMVは、CMVエンハンサ
ー、プロモーターおよびスプライス供与配列のためのヌ
クレオチド1〜732をpUC8の平滑化されたPstIおよびSph
I部位に挿入することによって構築された−Viera等、前
掲。合成BamHI−Hind IIIリンカー(New England Biola
bsから市販品として入手可能)を、粘着BamHI未満にラ
イゲートし、HindIII部位を作成した。このライゲーシ
ョンの後、Hind III−Hinc II消化を行った。この消化
によって、CMVエンハンサー、プロモーターおよびスプ
ライス供与部位を含有する約800bpのフラグメントを得
た。ゲル分離後、この800bpフラグメントをpUC13pMLの2
900bp断片にライゲートした。pF8CISの構築のために必
要なフラグメントは、上の中間体プラスミドをSalIおよ
びHind IIIで消化することによって得た。この3123bp断
片は、アンピシリンのための耐性マーカー、pUC13pML由
来の複製起点、およびエンハンサー、プロモーターおよ
びスプライス供与部位を包含するCMVのための制御配列
を含有した。
2.合成オリゴマーを使用し、Ig可変領域イントロンおよ
びスプライス受容配列を構築した。IgGイントロンおよ
びスプライス受容部位のための以下の配列: を有する99−マーおよび30−マーを、化学的に合成した
(Bothwell等,Cell,24:625(1981))。
DNAポリメラーゼI(クレノウフラグメント)によっ
て、合成断片を充填し、二重鎖フラグメントを製造した
(Wartell等,Gene,9:307(1980)。この後、PstIおよび
Hind IIIで二重に消化した。この合成リンカーをpUC13
(Veira等,前掲)のPstIおよびHind III部位にクロー
ンした。合成オリゴヌクレオチド、ラベルされたpUCIg.
10を含有しているクローンをPstIで消化した。PstI−Cl
aIリンカーの使用によって、このフラグメントにClaI部
位を付加した。Hind IIIで消化した後、Ig可変領域スプ
ライス受容体およびIgイントロンの一部分を含有してい
る118dp断片をゲル分離した。
3.構築反応式の第3部分は、肝炎表面抗原3′末端を、
SV40の初期領域のポリアデニル化部位および転写終止部
位で置換した。ベクター、SV40の配列を含有しているpU
C.SV40を、Veira等,前掲に記載されたpUC8のBamHI部位
に挿入した。次いで、pUC.SV40をEcoRIおよびHpaIで消
化した。SV40のポリアデニル化部位のみを含有している
143bpフラグメントを、この消化物からゲル分離した。p
SVE.8clD(EPO公開第160,457)の消化後、更に2種のフ
ラグメントをゲル分離した。EcoRIおよびClaI消化によ
って作成された4.8kbフラグメントは、SV40−DHFR転写
ユニット、pMLの複製起点、およびアンピシリン耐性マ
ーカーを含有する。ClaIおよびHpaIで消化することによ
って製造された7.5kbフラグメントは、第VIII因子のた
めのcDNAを含有している。3部分ライゲーションによっ
て、pSVE.8c24Dを製造した。この中間体プラスミドをCl
aIおよびSalIで消化し、第VIII因子のためのcDNAと共に
SV40ポリアデニル化および転写終止部位次いでSV40DHFR
転写ユニットを含有している9611bpフラグメントを得
た。
pF8CISを製造するための最後の3部位ライゲーション
は:a)複製起点、アンピシリン耐性マーカーおよびCMV
エンハンサー、プロモーターおよびスプライス供与体を
含有している3123bp SalI−Hind IIIフラグメント;b)I
gイントロンおよびスプライス供与体を含有している118
bp Hind III−ClaIフラグメント;およびc)第VIII因
子のためのcDNA、SV40ポリアデニル化部位、およびSV40
DHFR転写ユニットを含有している9611bp ClaI−SalIフ
ラグメントを使用した。
次に、中間体プラスミドpClat−PAおよびプラスミドp
F8CIS(上記)からプラスミドpCIHt−PAの構築を完成さ
せた: 先ず、t−PAcDNAをpMLにクローンし、遺伝子の5′
未満にClaI部位を与えた。これを行うために、pSVpa−D
HFR(またはpETPFRと呼ぶ、前掲)由来の3238bp Hind I
IIフラグメントをpML(Lusky等,前掲)のHind III部位
に挿入した。cDNAの5′末端がClaI部位に並置されたク
ローンについて、コロニーをスクリーニングした。中間
体プラスミドは、ラベルされたpCLAt−PAであった。次
に3′ポリアデニル化領域が続くt−PAcDNAを、2870bp
のClaI−KpnIフラグメントとして単離した。このフラグ
メントをpF8CISの5146bpフラグメントにライゲートし
た。CISベクターのこのClaI−KpnIフラグメントは5′
制御領域、SV40−DHFR転写ユニット、アンピシリン耐性
遺伝子、およびpML由来のオリジン領域を提供した。第
2図参照。
通常、自体既知であるか、または前記の方法に従い、
CHOまたは293細胞をpCIHt−PAでトランスフェクトする
ことによって、t−PAの発現レベルを得た。トランスフ
ェクトされた293細胞からの培地を例えば分析し、pCIHt
−PAがt−PA 420ng/mlを産生したことを証明した。
最後に、サイトメガロウイルスのエンハンサーおよび
プロモーター、サイトメガロウイルスのスプライス供与
部位およびイントロン、Ig可変領域スプライス受容部
位、t−PAをコードしているcDNA、およびpSV40のポリ
アデニル化配列を含有しているベクターpCISt−PAを、
以下の様にして構築した: この構築のための出発ベクターは、pCIHt−PAおよびp
F8CIS(前掲)であった。後者のベクターはpCIHt−PAと
同じ5′コントロールを有するが、第VIII因子のための
cDNAおよびSV40のポリアデニル化部位を含有している。
Sac IIを使用し、t−PAcDNAの3′を切断した。得られ
た3′突出端をT4ポリメラーゼによって平滑化した。次
に、pCIHt−PAをClaIで切断した。この部位はCMVイント
ロン配列およびIg可変領域イントロン間を分断している
キメライントロンを分離する。2870bpフラグメントをCl
aI処理物からゲル分離した。SV40のポリアデニル化部
位、DHFR、転写コントロール、細菌性複製起点、および
ampr遺伝子、およびCMVエンハンサーおよびプロモータ
ーおよびスプライス供与体を、pF8CISから分離した。こ
れらのエレメントを2525bp SalI−BamHIフラグメントお
よびHpaI−Salおよび3113bpフラグメントとして、フラ
グメントに分離した。KpnI(平滑)−ClaIフラグメント
とHpaI−SalフラグメントおよびSalからBamHIのフラグ
メントの3部ライゲーションによってpCISt−PAを製造
し、プラスミドpCIHt−PAのために上で説明したのと同
様にしてCHOおよび293の両細胞で発現させ、それぞれ55
および3000ng/mlのt−PAを得た。第3図を参照され
た。
b)p7−1Hの最終構築 プラスミドpCISt−PAをSpeIで消化し、次いで、E.col
iDNAポリメラーゼIの大きいフラグメント(クレノウ)
およびデオキシリボヌクレオシド3リン酸で処理し、平
滑末端を作成した。得られた直線乗フラグメントを、Zi
nder等,Microbiol.Rev.,49:101(1985)の記載に従い、
T4DNAリガーゼを使用してライゲートし、1本鎖DNAファ
ージ、f1起点の+鎖起点を含有している0.45kb RsaI/Ah
a IIIフラグメントとした。ライゲーション産物は、pCI
St−PAフラグメントのSpeI部位に両方の可能な方向性で
挿入されたf1の起点と共に分離された。t−PA遺伝子の
アンチセンス鎖がヘルパーファージの存在下でビリオン
に充填された様な方向性でこの起点を含有しているプラ
スミドを選択し、p7−1Hと命名した。第4図を参照され
たい。
2.発現プラスミドの突然変異誘発 a)鋳型の製造 CaCl2を介する形質転換によって、プラスミドp7−1H
をE.coli株JM101(ATCC No.33,876)に導入した。次
に、Veira等,Meth.Enzymol.,153:3(1987)の記載と同
様にして、これらの細胞をヘルパーウイルスM13K07で感
染させ、1本鎖p7−1H DNAを調製した。要約すると、2Y
Tブロスに形質転換細胞を入れた飽和培養0.3mlに、M13K
07 109−1010pfuを加え、この混合物を15分間、37℃で
インキュベートした。50μg/mlのカルベニシリンを含有
している別の2YTブロス1.5mlを加え、この培養物を37℃
で16時間、穏やかに振とうした。細胞をペレット化した
後、ファージおよび充填されたプラスミドDNAを集め、A
nderson,Nucl.Acids.Res.,9:3015(1981)の記載と同様
にして1本鎖DNAを製造した。
b)特定部位イン・ビトロ突然変異誘発 突然変異phe305→his305を有する突然変異体を、プラ
ークハイブリダイゼーションではなくコロニーハイブリ
ダイゼーションによって確認する以外、実質上、Zoller
等,Meth.Enzymol.,100:468(1983)の記載に従い、オリ
ゴデオキシリボヌクレオチド、5′−CGGAGAGCGGCACCTG
TGCGGGG−3′を使用し、p7−1Hに突然変異を誘発し
た。ジデオキシヌクレオチド鎖終止法(Sanger等,Proc.
Natl.Acad.Sci.(U.S.A.)74:5463(1977))を使用
し、1本鎖プラスミドDNAにて直接、DNA配列決定するこ
とによって、突然変異を確認した。
3.発現および精製 a)プラスミドの製造 形質転換した細胞を、50μg/mlのカルベニシリンを含
有している500ml LBブロス中で飽和まで増殖させた。遠
心によって細胞をペレット化し、50mMグルコース、10mM
EDTA、25mMトリス−HCl(pH8.0)40mlに再懸濁した。
この懸濁液に、1%ドデシル硫酸ナトリウム、0.07M Na
OH 60mlを加え、この混合物を25℃で2分間、次いで0
℃で10分間インキュベートした。これに、4M酢酸、3M酢
酸ナトリウム52mlを加え、混合物を30分間、0℃でイン
キュベートした。次に、これを11,500rpmで20分間遠心
し、上清を2倍容の100%冷エタノールと混合し、生成
した沈澱を遠心によって集めた。プラスミドDNAおよびR
NAを含有しているペレットを乾燥させ、100mMトリス(p
H8.0)、10mM EDTA、1μg/mlのRNaseAに再溶解させ
た。得られた溶液を遠心によって澄明にした後、これを
臭化エチジウム中、0.5mg/mlに調節し、等重量のCsClを
加えた。次いで、DNAを、Beckman VTI65ローターにて、
55,000rpm、18℃で16時間遠心した。DNAバンドをサイド
パンクチュアーによって集め、n−ブタノールで抽出し
て臭化エチジウムを除去し、H2Oで希釈し、エタノール
によって沈澱させた。DNAを、10mMトリス(pH8.0)、1m
M EDTAに再溶解し、1mg/mlの終濃度にした。
b)トランスフェクションおよび発現 293細胞を全面成長まで増殖させた。t−PAプラスミ
ドDNA変異体10μgを、VA RNA遺伝子(Thimmappaya等,C
ell.31:543(1982))をコードしているDNA1μgと混合
し、1mMトリス−HCl、0.1mM EDTA、0.227M CaCl2(500
μl)に溶解した。これに、50mM HEPES(pH7.35)、28
0mM NaCl、1.5mM NaPO4(500μl)を加え(攪拌下に滴
下する)、25℃で10分間、沈澱を生成させた。次に、懸
濁した沈澱を細胞(100mMプレート)に加え、キンキュ
ベーターにて4時間、静置した。次いで、培地を吸引し
て除去し、リン酸緩衝化食塩水(PBS)中20%グリセロ
ール2mlを30秒間で加えた。血清不含の培地5mlで細胞を
2回洗浄し、次に新たな培地を加え、細胞を5日間イン
キュベートした。
t−PA変異体を発現している安定なCHOセルラインを
作成するために、t−PAをコードしている配列の大部分
を含有している1.4kb Bgl II/ApaIフラグメント(Bal I
I部位は完全長t−PAをコードしているDNAのコドン−1
〜1にあり、ApaI部位は完全長のt−PAをコードしてい
るDNAのコドン465〜466にある)を、ベクター、pPADHFR
−6(EPO特許公開第93,619に記載)由来の6.0kb Bgl I
I/ApaIフラグメントにライゲートすることができる。次
いで、得られたプラスミドをCHO細胞に導入し、メトト
レキセート含有培地中で選択してコード配列を増幅する
ことによって、t−PA変異体を過発現させた。
c)精製 抗−t−PAヤギポリクローナルA6抗体(自体既知の常
法によって調製)を結合させた、コントロールされたガ
ラスビーズのカラム(1mlベッドボリューム)に調整培
地を通すとによって、t−PA産物の精製を行った。培地
を負荷する前に、カラムをPBSで平衡化し、負荷後、カ
ラムを0.1Mトリス−HCl(pH7.5)、1M NaClで平衡化し
た。0.1M酢酸、0.15M NaCl、0.02Mアルギニン、0.01%
ツイーン80(pH2.0)でt−PAを溶離し、直ちに、画分
をトリス−塩基で中和した。プールする前に、画分を0.
01%ツイーン80に調節した。t−PAは、還元SDSゲルで
主として(80%)1本鎖であることがわかった。
B.生物学的検定 1.t−PAの定量 天然の配列のt−PAに対して標準化されたELISA(EPO
特許公開第93,619、前掲)によって、タンパク濃度を型
通り測定した。Laemmli,Nature,227:680(1970)の緩衝
液系を用い、ドデシル硫酸ナトリウムの存在下でポリア
クリルアミドゲル電気泳動(PAGE−SDS)することによ
って、タンパクの純度および均一性を分析した。通常、
7〜17%グラジエントのゲルを使用し、Morrissey,Ana
l.Biochem.,117:307(1981)の銀染色法でタンパクを可
視化した。この方法によって、上記のようにして製造し
たt−PA変異体は純粋であり、均一であることがわかっ
た。
2.S−2251検定 血餅溶解およびS−2251検定の結果は、幾つかの独立
し観察(血餅溶解、2試験;S−2251、3試験)の平均値
を示す。
t−PAとプラスミノーゲンをプレインキュベートし、
次いで、プラスミン特異的基質であるH−D−バリル−
H−ロイシル−H−リシン−パラニトロアニリド(S−
2251)を加えることによって、t−PAのプラスミノーゲ
ン活性化能をイン・ビトロ検定で測定することができ
る。この反応の最大速度を、反応の刺激剤として作用す
るフィブリン(フィブリノーゲン)またはフィブリン
(フィブリノーゲン)のフラグメントの存在下で観察す
る。
試料のプラスミノーゲン活性化能を測定するために、
2段階検定において、プラスミン特異的基質であるS−
2251を使用した。総容量0.12mlの0.05Mトリス−HCl、0.
12M NaCl、0.01%ツイーン80、pH7.4中、20mg/mlのフィ
ブリノーゲン溶液0.02mlと一緒に試料をインキュベート
することによって、フィブリノーゲンを刺激剤として使
用することができた。
次いで、0.05Mトリス、0.12M NaCl緩衝液、pH8中、2.
0mg/mlの溶液であるGlu−プラスミノーゲン溶液(市販
品として入手可能)を0.03ml加えた。37℃で10分後、0.
037Mトリス、0.086NaCl、0.007%ツイーン80、pH7.4中
0.86mM S−2251を0.35ml加えた。この混合物を5分間イ
ンキュベートし、次いで、50%氷酢酸0.1mlを加えるこ
とによって反応を停止させた。405nmにおける吸収を測
定した。活性を、基質の存在下、1分当たり1ナノグラ
ム当たりの吸収の変化として表わした。
結果は、フィブリノーゲンを加えたF305H変異体は、
野生型特異的活性の78%を有するというものであり、こ
れは、A405が増大する前のずれによるかもしれない。
3.血餅の溶解 Carlsen等,Anal.Biochem.,168:428−435(1988)の方
法によって、野生型およびF305Ht−PAを、飽和濃度のプ
ラスミノーゲンの存在下でフィブリンを溶解するその活
性について検定した。イン・ビトロの血餅溶解検定は、
微量遠心分析機を使用し、比濁法によってt−PAの活性
を測定する。トロンビンとt−PA試験試料の混合物を遠
心して、フィブリノーゲンとプラスミノーゲンの混合物
とし、血餅の形成、次いで血餅の溶解を起こす。得られ
た、吸収対時間のプロファイルを分析し、検定の終点を
決定する。t−PA変異体の活性を、rt−PA(EPO公開第9
3,619、前掲)の標準曲線に比較した。検定において使
用した緩衝液は、0.01%(v/v)ツイーン80および0.01
%(w/v)アジ化ナトリウムを含有している、0.06Mリン
酸ナトリウム、pH7.4であった。ヒトトロンビンは33単
位/mlの濃度であった。フィブリノーゲン(2.0mg/mlの
凝固性タンパクで)を湿った氷で冷却してフィブロネク
チンを沈澱させ、次いで重力濾過した。Glu−プラスミ
ノーゲンは1mg/mlの濃度であった。分析機室の温度を37
℃に設定する。装填機(ローダー)を、標準曲線のため
の試料としてrt−PAを20μl(約62.5ng/ml〜1.0μg/m
l)、または標準曲線の範囲内で溶解を起こす濃度の変
異体rt−PAを20μl分配するように設定する。トロンビ
ン20μlを第2の試薬として、50:1(v/v)フィブリノ
ーゲン:プラスミノーゲン混合物200μlを主要な試薬
として使用した。吸収/時間プログラムを、5分間のイ
ンキュベーション時間、340nmフィルターおよび90間隔
の記録値で使用した。
結果は、この検定を使用した時、F305H変異体は性状
な野生型t−PAの約46%の血餅溶解活性を有することを
示す。
4.フィブリン結合 フィブリン結合のための方法は、Rijken等,J.Biol.Ch
em.,257:2920(1982)によって記載された方法の改良法
である。試験しようとするt−PA試料を、0.05Mトリス
(pH7.4)、0.12M NaCl、0.01%ツイーン80、1mg/mlの
ヒト血清アルブミン、および種々の濃度のプラスミノー
ゲン不含のフィブリン(0、0.05、0.1、0.25、および
0.05mg/ml)を含有している溶液に加える。反応混合物
の終容量は1mlであり、t−PA濃度は各試料につき10ng/
mlであった。試料を37℃で5分間インキュベートし、次
いで、1単位のトロンビンを加えた。次に、試料を37℃
で1時間インキュベートした。遠心して血餅を除去し、
上清中に、結合しないで残存しているt−PAの量を、EL
ISAによって測定した。
結果(第5図)は、主として1本鎖F305Ht−PA(黒三
角)が、使用した検定条件下、1本鎖野生型t−PA(黒
四角)および1本鎖および2本鎖野生型t−PAの混合物
(白三角)とほぼ同様に、フィブリンに結合することを
示している。また、2本鎖F305Ht−PA(黒丸)は、少な
くとも2本鎖野生型t−PA(黒菱形)と同様にフィブリ
ンに結合する。
5.S−2251によるチモーゲン的動力学 a)フィブリノーゲンの調製 ヒトフィブリノーゲン(カルビオケム)をリシン−セ
ファロースカラムに負荷し、流出物を集めることによっ
て、これをプラスミノーゲン不含にした。得られたフィ
ブリノーゲンのプールを、プラスミン−セファロースで
室温にて一夜処理することによって変性させた。得られ
た凝固度は7%であった。次いで、濃度を1.51mg/mlに
調節した。
b)方法 野生型t−PAおよびF305Ht−PAによる、プラスミノー
ゲンのプラスミンへの変換速度を、フィブリノーゲンの
存在下、色素形成性のプラスミン基質S−2251を使用し
て調べた。野生型およびF305Ht−PA分子を、主として1
本鎖の形(前記のようにして精製することによって得
た)および2本鎖の、クリップした形(主として1本鎖
の形をプラスミン−セファロースと一緒に37℃で1時間
インキュベートすることによって得た)の両者で使用し
た。
上記の様にして製造した1.2μMのプラスミンで変性
させたフィブリノーゲンフラグメントの存在下、0.12M
NaCl、0.05Mトリス、0.01%ツイーン80、pH7.4中、0.08
〜0.89μMのプラスミノーゲン濃度および2.3〜9.0nMの
t−PA濃度で反応を行った。プラスミノーゲン、フィブ
リノーゲンおよび緩衝液を、室温で3時間プレインキュ
ベートした。S−2251を0.9mMの終濃度になるように加
え、試料を37℃で約5分間暖めた。0時間で、t−PA試
料を加え、各試料の吸収を37℃にて30秒間隔で10分間記
録した。
結果を、第6図および第7図(それぞれ、野生型、1
本鎖および2本鎖t−PAについて)、および第8図およ
び第9図(それぞれ、F305H、1本鎖および2本鎖t−P
Aについて)に示す。図において、縦座標は405nmにおけ
る吸収であり、横座標は吸収を調べた時間(分)の数の
2乗である。黒丸は0.09μMのプラスミノーゲン(およ
び15.7nM野生型2本鎖t−PA、10.8nM F305H2本鎖t−P
A、16.1nM野生型1本鎖t−PA、および17.2nM F305H1本
鎖t−PA)を表わし、黒三角は0.11μMのプラスミノー
ゲン(および11.8nM野生型2本鎖t−PA、8.1nM F305H2
本鎖t−PA、12.1nM野生型1本鎖t−PA、12.9nM F305H
1本鎖t−PA)を表わし、黒四角は0.16μMのプラスミ
ノーゲン(および9.8nM野生型2本鎖t−PA、6.7nM F30
5H2本鎖t−PA、10.1nM野生型1本鎖t−PA、10.8nM F3
05H1本鎖t−PA)を表わし、白丸は0.22μMのプラスミ
ノーゲン(および7.9nM野生型2本鎖t−PA、5.4nM F30
5H2本鎖t−PA、8.1nM野生型1本鎖t−PA、8.6nM F305
H1本鎖t−PA)を表わし、白三角は0.44μMのプラスミ
ノーゲン(および3.9nM野生型2本鎖t−PA、2.7nM F30
5H2本鎖t−PA、4.0nM野生型1本鎖t−PA、4.3nM F305
H1本鎖t−PA)を表わし、白四角は0.9μMのプラスミ
ノーゲン(および3.9nM野生型2本鎖t−PA、2.7nM F30
5H2本鎖t−PA、4.0nM野生型1本鎖t−PA、4.3nM F305
H1本鎖t−PA)を表わす。
グラフは、主として1本鎖F305H変異体である場合の
み、吸収が反応の初期において著しくずれ、その後、活
性が上昇することを示すことを表わしている。2本鎖F3
05H変異体はこのずれを示さず、むしろ、1または2本
鎖の野生型t−PAと同様の動力学的特性を有するらし
い。この挙動は、野生型t−PAでは観察されない、F305
H変異体のチモーゲン的特性を証明するものである。
実施例II この実験で評価したt−PA変異体の製造のために、Cu
nninghamおよびWells、前掲に記載された、アラニン−
スキャニング突然変異誘発法(ALA−scan)として知ら
れている方法を使用した。この方法は、荷電したアミノ
酸側鎖を含有しているt−PAプロテアーゼドメインの小
さい表面領域を確認することを包含した。1つの理論に
限定されることなく、電荷の群を含有しているこれらの
領域、または近隣の領域のいずれか、またはその両者
が、t−PA分子とその基質、およびその活性を調節し得
るその他の種々の化合物との相互作用に関与していると
思われる。t−PA分子の全活性に対する特定の領域の重
要性を評価するために、各領域の荷電したアミノ酸(即
ち、Arg、Asp、His、LysおよびGlu)をアラニンで置換
した(変異体1分子当たり1領域)。結果を以下に示
す。
1.pRK7−t−PAの構築 t−PA変異体の製造のために、プラスミドpRK7をベク
ターとして使用した。pRK7は、ClaIとHind IIIの間のポ
リリンカー領域でエンドヌクレアーゼ制限部位の順序が
逆である以外、pRK5(1989年3月15日公開のEP公開No.3
07,247)と同一である。ベクターへ挿入するために、制
限エンドヌクレアーゼHind III(ATG開始コドンの5′
を49塩基対切断する)および制限エンドヌクレアーゼBa
lI(TGA終止コドンの下流で276塩基対を切断する)で切
断することによって、t−PAcDNA(Pennica等,Nature,3
01:214(1983))を製造した。このcDNAを、通常のライ
ゲーション法(Maniatis等,Molecular Cloning:A Labor
atory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New Yor
k,1982)を使用して、Hind IIIおよびSmaIで予め切断し
ておいたpRK7にライゲートした。この構築物をpRK7−t
−PAと命名した。
2.pRK7−t−PAの特定部位突然変異誘発 Amersham Corporationから購入したキット(カタログ
番号RPN1253)を使用し、Taylor等,Nucl.Acids.Res.,1
3:8765(1985)の方法によって、t−PAcDNAの特定部位
突然変異誘発を行った。所望の突然変異体を製造するた
めに、所望のアミノ酸置換をコードしている配列のオリ
ゴヌクレオチドを合成し、プライマーとして使用した。
これらのオリゴヌクレオチドを、常法(Viera等,Meth.E
nz.,143:3(1987))によって製造された1本鎖pRK7−
t−PAにアニーリングした。
3種類のデオキシリボヌクレオチド・トリホスフェー
ト、即ちデオキシリボアデノシン・トリホスフェート
(dATP)、オデキシリボグアノシン・トリホスフェート
(dGTP)、およびデオキシリボチミジン・トリホスフェ
ート(dTTP)の混合物を、キットの製造業者によってキ
ットで提供された、dCTP(αS)と呼ばれる修飾された
チオ−デオキシリボシトシンと合し、1本鎖pRK7−t−
PAに加え、オリゴヌルレオチドにアニーリングさせた。
この混合物にDNAポリメラーゼを加えたら、変異した
塩基以外、pRK7−t−PAと同一であるDNAの鎖が得られ
た。また、DNAのこの新しい鎖は、dCTPの代わりにdCTP
(αS)を含有しており、これをある種の制限エンドヌ
クレアーゼ消化から保護するのに役立つ。2本鎖ヘテロ
二重鎖の鋳型鎖に適当な制限酵素で切れ目を入れた後、
突然変異誘発オリゴマーを含有している領域を越えて、
Exo IIIヌクレアーゼで鋳型鎖を消化した。次いで、反
応を停止させて、一部分のみ1本鎖である分子とした。
次ぎに、4種類のデオキシリボヌクレオチド3リン酸全
て、ATP、およびDNAリガーゼの存在下、DNAポリメラー
ゼによって、完全な2本鎖DNAホモ二重鎖分子を製造し
た。
上記のALA−scan法を使用してpRK7−t−PA分子を製
造するために、以下のオリゴヌクレオチドを製造し、プ
ライマーとして使用した: 3.細菌の形質転換およびDNAの調製 上のプロトコールによって作成した変異体t−PA構築
物を、コンピテントな細胞の製造および形質転換のため
の通常のCaCl2法(Maniatis等、前掲)を使用し、E.col
i宿主株MM294tonAにトランスフォームした。MM294tonA
(T1ファージに耐性)は、tonA遺伝子へのTn10トランス
ポゾンの挿入、不正確な切り出しによって製造した。次
いで、トランスポゾン挿入突然変異誘発法(Kleckner
等,J.Mol.Biol.,116:125−159(1977))を使用して、
この遺伝子をE.coli宿主MM294(ATCC 31,446)に挿入し
た。
Maniatis等、前掲の通常の少量調製法を使用し、細菌
形質転換体の各コロニーからDNAを抽出した。セファロ
ースCL6Bスピンカラムを通すことによってプラスミドを
更に精製し、次に、配列決定法および制限エンドヌクレ
アーゼ消化およびアガロースゲル電気泳動によって分析
した。
K296A,H297A,R298A,R299A変異体をコードしているプ
ラスミドを含有しており、pTPA33−2と命名されたこれ
らの形質転換体の1つは、1989年7月18日、アメリカン
・タイプ・カルチャー・コレクションにATCC No.68,059
で受託された。
4.ヒト胎児腎293細胞のトランスフェクション(少規
模) 293細胞を6ウェルプレートにて70%全面成長まで増
殖させた。t−PAプラスミドDNA変異体2.5μgを、1mM
トリス−HCl、0.1mM EDTA、0.227M CaCl2(150μl)に
溶解した。これに、50mM HEPES緩衝液(pH7.35)、280m
M NaCl、1.5mM NaPO4(150μl)を加え(攪拌下、滴下
する)、25℃で10分間、沈澱を形成させた。次いで、懸
濁した沈澱を6−ウェルプレートの各ウェル中の細胞に
加え、インキュベーターに4時間、静置した。次に、培
地を吸引し、PBS中20%グリセロール1mlを30秒間で加え
た。細胞を、最初は血清不含の培地3mlで、次に、同培
地1mlで、2回洗浄した。次に、新たな培地3mlを加え、
細胞を5日間インキュベートした。次いで、培地を集
め、分析した。
1本鎖t−PAが必要な場合、細胞の増殖期にプラスミ
ノーゲン不含の血清を使用した以外、上記と同様であっ
た。
5.ヒト胎児腎293細胞のトランスフェクション(大規
模) 有意な量での製造に使用し得るK296A,H297A,R298A,R2
99A変異体の大量精製のために、使用したトランスフェ
クション法は、Current Protocols in Molecular Biolo
gy,Ausubel等,編(Wiley Interscience,1988)から得
られ、以下の様に少し変更された:ヒト胎児腎293細胞
の懸濁液を細胞培養培地で増殖させ、ペレット化するこ
とによって濃縮した。ペレットを1ミリリットル当たり
約108個細胞の濃度に再懸濁し、必要に応じて血清不含
の培地で細胞を洗浄した。DNA−デキストラン溶液を細
胞500ml当たりDNA約250μgの濃度で加え、この混合物
を穏やかに攪拌しながら37℃で90分までインキュベート
した。DMSOを10パーセントの終濃度まで加え、約2分
後、新たな培地を加えて1ミリリットル当たり約106
まで細胞を希釈した。次いで、細胞を7日間までインキ
ュベートし、その後、上清を集めた。
抗t−PAヤギポリクローナルA6抗体に結合させたガラ
スビーズのカラムに上清を通すことによって、この変異
体を精製した。カラムをPBSで予め調整しておいた。上
清を負荷した後、カラムをトリス−食塩緩衝液[0.1Mト
リスHCl(pH7.5)および1M NaCl]で平衡化した。次い
で、0.1M酢酸、0.15M NaCl、0.02Mアルギニン、および
0.01%ツイーン80でt−PA変異体を溶離した。画分を直
ちにトリス塩基で中和し、0.01%ツイーン80に調節し
た。
6.生物学的検定 A.t−PAの定量 細胞培養上清中に存在するt−PAの量を、野生型t−
PAに対して調製されたポリクローナル抗体を使用し、EL
ISA法によって測定した。
B.S−2288検定 1および2本鎖両形態の変異体のタンパク分解活性を
測定するために、S−2288検定を使用した。この検定
は、t−PAタンパク分解活性についての直接検定であ
り、t−PAは小さいペプチドとパラニトロアニリド発色
団の間の結合を切断する。
細胞培養培地で野生型rt−PAを希釈することによっ
て、標準曲線用試料を調製した。標準曲線用試料および
rt−PA変異体試料をマイクロタイタープレートのウェル
に加えた。2本鎖rt−PAの活性を測定するためにこの検
定を使用する場合、この方法にヒトプラスミンとのイン
キュベーションステップを含ませた。ヒトプラスミン
(KabiVitrum)を0.13CU(カゼイン単位)/mlの終濃度
まで加えた。試料を室温で90分間インキュベートした。
1本鎖形の試料を検定するためには、プラスミン溶液を
PBSによって置き換え、90分間のインキュベーションを
削除した。
プラスミン活性を阻害するために72μg/mlの終濃度ま
でアプロチニン[シグマ、約14TIU(トリプシンインヒ
ビター単位)/mg]を加え、試料を室温で15分間インキ
ュベートした。S−2288の2.16mM溶液を、0.1Mトリス、
0.106mM NaCl、0.02%アジ化ナトリウム、pH8.4で1.45m
Mに希釈し、この溶液100μlをマイクロタイタープレー
トの各ウエルに加えた(各ウエルにおける終容量は200
μlであった)。発色を405nmでモニターした。対照お
よび試料各々について、時間に対する吸収の傾きを求め
た。rt−PA対照について、吸収対時間の曲線の傾きをrt
−PA濃度の関数としてグラフ化することによって、標準
曲線を作成した。次に、標準曲線から、突然変異体の相
対活性濃度を決定した。各突然変異体の活性濃度を、rt
−PA ELISAで得た突然変異体についての濃度で除し、得
られた比活性を、1.0の値とした野生型t−PAに比較し
て表わした。
データは2回の分析値の平均値であり、第I表におい
て野生型rt−PAに比較した活性として表わされる。結果
は、示された突然変異体全てについて、野生型rt−PAに
比較して、2本鎖形は1本鎖より活性である(少なくと
も1.5倍からほぼ60倍まで)ことを示し、これらの突然
変異体はそれぞれ、この検定でチモーゲン的であると考
え得ることを表わしている。
C.S−2251検定 この検定は、t−PA活性のための間接決定である。こ
の検定では、t−PAの作用によってプラスミノーゲンが
プラスミンに変換され、プラスミンがS−2251基質を切
断してパラニトロアニリド発色団を放出する。次いで、
この発色団の生成を時間に従って測定する。
1.フィブリンによっ刺激されるS−2251の検定 S−2288検定のための記載と同様にして、標準曲線用
試料を調製した。2本鎖形で検定される試料をプラスミ
ン−セファロースと一緒にインキュベートした。プラス
ミン−セファロースは、約20.8CUのヒトプラスミン(Ka
biVitrum)を、臭化シアン活性化セファロース(Pharma
cia)1mlに結合させることによって調製した。プラスミ
ン−セファロース(5%スラリー50μl)を振盪しなが
ら、試料150μlと一緒に90分間、室温でインキュベー
トした。インキュベーション後、遠心によって樹脂を除
去し、試料10μlをマイクロタイタープレートのウェル
に加えた。
1本鎖形で検定された試料の場合、樹脂の代わりに細
胞培養培地50μlを加え、インキュベーションステップ
を除外した。各ウェルとヒトトロンビン(42単位/mlの
溶液10μl)を加えた。ヒトGlu−プラスミノーゲン
(5.3μM)28μl;プラスミノーゲン不含のヒトフィブ
リノーゲン(10μM)10μl;3mM S−2251(KabiVitru
m)30μl;PBS62μlからなるカクテル(130μl)を加
えることによって、各ウェルで反応を開始させた。発色
を405nmでモニターし、各時点で492nmの参考波長の吸収
を読み取った。対照および変異体試料それぞれについ
て、吸収対時間の2乗の曲線の傾きを求めた。rt−PA対
照について、吸収対時間の2乗の曲線の傾きをrt−PA濃
度の関数としてグラフ化することによって、標準曲線を
作成した。変異体についての相対比活性の決定は、S−
2288検定のための記載と同様であった。
2.フィブリノーゲンによって刺激されるS−2251の検定
トロンビンをPBSと置き換える以外、フィブリン−刺激
性S−2251検定のための記載と同様にして、この検定を
行なった。
3.凝固血漿S−2251検定 標準曲線用試料の調製およびプラスミン−セファロー
スによる、1本鎖rt−PAの2本鎖rt−PAへの変換は、フ
ィブリンによって刺激されるS−2251検定のための記載
と同様であった。ヒトトロンビン(31μl/mlの溶液10μ
l)をマイクロタイタープレートの各ウェルに加えた。
対照および変異体試料(40μl)をプレートに加え、酸
シトレートデキストロースヒト血漿90μlと9.1mM S−2
251(KabiVitrum)10μlの混合物100μlを加えること
によって、反応を開始させた。405nmで発色をモニター
し、492nmの参考波長での吸収を各時点で読んだ。デー
タの分析は、フィブリン刺激されたS−2251検定のため
の記載と同様であった。
4.血漿S−2251検定 トロンビンをPBSと置き換える以外、凝固血漿S−225
1検定のための記載と同様にして、この検定を行なっ
た。
フィブリン依存性および凝固血漿依存性の検定を使用
し、チモーゲンの質について変異体を検定し、野生型に
比較した結果をそれぞれ第IIおよび第III表に示す。1
本鎖形の変異体についての値は2測定値の平均値であ
る。2本鎖形の変異体についての値は4測定値の平均値
である。
どの検定について各変異体がチモーゲン性を示すかを
表わしている第I−III表におけるデータの要約を以下
の第IV表に示す。
第IV表に挙げたチモーゲン性t−PA変異体を、S−22
51フィブリン特異性検定および/またはS−2251凝固血
漿特異性検定で、1本鎖および2本鎖の両形態で検定し
た。1本鎖および2本鎖t−PA変異体についての結果
を、それぞれ第VおよびVI表に示す。
第VおよびVI表におけるデータの要約を、以下の表VI
Iに示す。第IV表から、チモーゲン性rt−PA変異体のそ
れぞれは、野生型t−PAに比較してフィブリン−および
/または凝固血漿−特異的でもあることがわかる。X
は、S−2251検定で測定され、第Vおよび第VI表で報告
された様に、>1.5の、フィブリノーゲンに対するフィ
ブリンの比、または血漿に対する凝固血漿の比、を示
す。
フィブリンおよび/または凝固血漿特異性を示すrt−
PAの変異体と、上で特定されたチモーゲン性の基準に合
致する変異体の間には、著しい相関性がある。更に、rt
−PAの2種類の変異体は、フィブリン特異性を示すこと
がわかったが、野生型rt−PAに比較してチモーゲン的で
はなかった。第VIII表は、フィブリン−特異的および凝
固血漿特異的な変異体についてのS−2251検定のデータ
を示す。
物質の寄託 以下の培養物は、アメリカ合衆国、メリーランド、ロ
ックビル、パークローン・ドライブ12301番、アメリカ
ン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託
された。菌株 ATCC受託番号 受託日 pTPA33-2、E.coli MM294tonA中 68,059 1989年7月18
日 この寄託は特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関
するブダペスト条約(Budapest Treaty)の規定および
それに基づく規則の下に行われた。これは、受託日から
30年間の存在培養の維持を保証する。微生物はブダペス
ト条約の条件においてATCCによって利用可能とされ、Ge
nentech,inc.とATCCの合意を条件とする。これは35USC
§122およびそれに基づくコミッショナー規則(886OG63
8に特定基準を有する37CFR§1.14を包含する)に従い、
米国特許商標局によって資格を有すると決定された者
に、米国特許の登録または米国またはその他の国の特許
出願の最初に行われた公開の後、培養物の永久かつ制限
のない入手を保証し、後代の入手を保証する。
本出願の譲受人は、寄託されている培養物が好適な条
件下で培養された時に死ぬかまたは損失されるかまたは
破壊された場合、通知を受けたらこれを直ちに同一培養
物の生存標本で置き換えることに同意する。寄託された
菌株の入手可能性は、その特許法に従い政府の権限の下
で許可された権利に反して本発明を実施するライセンス
とみなされるべきではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 9/64 C12P 21/02 J C12Q 1/37 C12N 5/00 B // C12P 21/02 A61K 37/547 ACB (72)発明者 ボトステイン,デイビッド アメリカ合衆国カリフォルニア94002、 ベルモント、サマーセット・ドライブ 2535番 (72)発明者 ヒギンズ,デボラ・エル アメリカ合衆国カリフォルニア94403、 サン・マテオ、パサデナ・ドライブ3984 番 (72)発明者 パオニ,ニコラス・エフ アメリカ合衆国カリフォルニア94556、 モラガ、シュウエイ・ドライブ51番 (72)発明者 ゾラー,マーク アメリカ合衆国カリフォルニア94115、 サン・フランシスコ、パシフィック・ア ベニュー 2410番、アパートメント9 (56)参考文献 特開 昭62−253380(JP,A) 特開 昭63−119675(JP,A) 特開 昭59−110625(JP,A) 特表 昭63−501841(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/58 C12N 9/64 C12N 9/68 A61K 38/49 WPI(DIALOG) BIOSYS(DIALOG)

Claims (63)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】図1に記載のアミノ酸部位の番号付けに従
    うとき、野生型ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子
    (以下、t−PAと略す)の (a)305位のアミノ酸がフェニルアラニン以外のアミ
    ノ酸で置換されているか、 (b)304位および305位のアミノ酸の一方または両方の
    後にアミノ酸が挿入されているか、または (c)297位−305位(両端を含む)のアミノ酸の1また
    はそれ以上が欠失している、 ことにより、野生型組換えt−PAの場合よりも、1本鎖
    型と2本鎖型の酵素活性の差異が大きいt−PA変異体。
  2. 【請求項2】置換または挿入されたアミノ酸が水素結合
    のドナーとして作用し得るかまたは作用する側鎖を有す
    るものである請求項1に記載の変異体。
  3. 【請求項3】アミノ酸がヒスチジン、チロシン、アスパ
    ラギン、リシン、アルギニン、またはグルタミンである
    請求項2に記載の変異体。
  4. 【請求項4】アミノ酸がヒスチジンである請求項3に記
    載の変異体。
  5. 【請求項5】欠失が297、300、304、または305位で起こ
    っている請求項1に記載の変異体。
  6. 【請求項6】F305H t−PA;F305T t−PA;F305N t−PA;F3
    05K t−PA;F305R t−PA;F305Q t−PA;i304H t−PA;i304
    T t−PA;i304N t−PA;i304K t−PA;i304R t−PA;i304Q
    t−PA;i304HH t−PA;i305H t−PA;i305T t−PA;I305N t
    −PA;i305K t−PA;i305R t−PA;i305Q t−PA;i304H,i30
    5H t−PA;i305HH t−PA;d297 t−PA;d298 t−PA;d299 t
    −PA;d300 t−PA;d301 t−PA;d302 t−PA;d303 t−PA;d
    304 t−PA;d305 t−PA;d297−298 t−PA;d297−299 t−
    PA;d297−300 t−PA;d297−301 t−PA;d297−302 t−P
    A;d297−303 t−PA;d297−304 t−PA;d297−305 t−PA;
    d300−301 t−PA;d300−302 t−PA;d300−303 t−PA;d3
    00−304 t−PA;d300−305 t−PA;d304−305 t−PA;d29
    7,d300 t−PA;d297,d305 t−PA;d1−44,N184D,F305H t
    −PA;d1−44,F305H t−PA;d1−44,I210R,G211A,K212R,V
    213R,F305H t−PA;d1−44,I210R,G211A,K212R,V213K,F3
    05H t−PA;d1−44,V213K,F305H t−PA;d1−44,T252R,F3
    05H t−PA;d1−44,V213K,T252R,F305H t−PA;d1−44,I2
    10K,F305H t−PA;d1−44,I210R,G211H,K212Q,V213K,F30
    5H t−PA;I210R,G211H,K212Q,V213K,F305H t−PA;I210
    R,G211A,K212R,V213R,F305H t−PA;d1−44,N184D,I210
    R,G211A,K212R,V213R,T252R,F305H t−PA;N184D,I210R,
    G211A,K212R,V213R,T252R,F305H t−PA;d92−179,F305H
    t−PA;d92−179,I210R,G211A,K212R,V213R,F305H t−P
    A;d92−179,N184D,I210R,G211A,K212R,V213R,T252R,F30
    5H t−PA;d92−179,I210R,G211A,K212R,V213R,T252R,F3
    05H t−PA;Y67N,F305H t−PA;およびd1−44,Y67N,F305H
    t−PA; からなる群から選択される請求項1に記載の変異体。
  7. 【請求項7】F305H t−PA;F305T t−PA;F305N t−PA;F3
    05K t−PA;F305R t−PA;F305Q t−PA;i304H t−PA;d1−
    44,F305H t−PA;d92−179,F305H t−PA;d1−44,N184D,F
    305H t−PA;d1−44,I210R,G211A,K212R,V213R,F305H t
    −PA;d1−44,I210R,G211A,K212R,V213K,F305H t−PA;I2
    10R,G211A,K212R,V213R,F305H t−PA;d92−179,I210R,G
    211A,K212R,V213R,F305H t−PA;d92−179,N184D,I210R,
    G211A,K212R,V213R,F305H t−PA;d92−179,N184D,I210
    R,G211A,K212R,V213R,T252R,F305H t−PA;d1−44,N184
    D,I210R,G211A,K212R,V213R,T252R,F305H t−PA;および
    N184D,I210R,G211A,K212R,V213R,T252R,F305H t−PA; からなる群から選択される請求項1に記載の変異体。
  8. 【請求項8】野生型組換えt−PAに比べて1本鎖型と2
    本鎖型の活性の差異がより大きい:S−2251アッセイに於
    いて、野生型組換えt−PAに比べてフィブリノーゲン依
    存性の比活性に対するフィブリン依存性の比活性が高
    い:またはS−2251アッセイに於いて、野生型組換えt
    −PAに比べて血漿依存性の比活性に対する血漿血餅依存
    性の比活性が高い:という生物学的活性の1つまたはそ
    れ以上を示し得るヒトt−PA変異体であって、相当する
    野生型t−PAと比較した時、そのプロテアーゼ領域(ア
    ミノ酸264からアミノ酸527に至る)に少なくとも1つの
    アミノ酸置換を有しており、その置換が該生物学的活性
    の原因となっていることを特徴とする変異体(ただし、
    変異体d296−302 t−PA,R304E t−PA,R304S t−PAおよ
    びA473S t−PAは除かれ、該置換は270−280位、448−45
    0位、および502−527位での単一の置換、および411−41
    6位、416−423位、または423−430位での置換ではな
    い。尚、アミノ酸の番号付けは図1に示した番号付けに
    従う。)。
  9. 【請求項9】置換が、中性のまたは負に荷電されたアミ
    ノ酸によるArg、Asp、His、GluまたはLysの置換である
    請求項8に記載の変異体。
  10. 【請求項10】置換のために使用されるアミノ酸がアラ
    ニン、グリシン、セリン、トレオニン、アスパラギン、
    グルタミン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニ
    ルアラニン、またはチロシンである請求項9に記載の変
    異体。
  11. 【請求項11】置換のために使用されるアミノ酸がアラ
    ニン、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミ
    ン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニ
    ン、またはチロシンである請求項9に記載の変異体。
  12. 【請求項12】置換のために使用されるアミノ酸がアラ
    ニン、セリン、またはトレオニンである請求項9に記載
    の変異体。
  13. 【請求項13】置換が、相当する野生型t−PAの267、2
    83、287、296、297、298、299、303、304、331、332、3
    39、342、347、348、349、351、364、365、366、408、4
    10、432、434、440、445、449、453、460、462、または
    477位またはこれらの組み合わせに於いて起こっている
    請求項12に記載の変異体。
  14. 【請求項14】相当する野生型t−PAの267、283+28
    7、296−299、303−304、331−332、339+342、347−34
    9+351、364−366、408、410、432+434、440、445+44
    9、449+453、460+462、または477位が置換されている
    請求項13に記載の変異体(ここで、+は示された位置で
    のみの変更を示し、−は示された全ての位置での変更を
    示す)。
  15. 【請求項15】R267A t−PA,D283A,H287A t−PA,K296A,
    H297A,R298A,R299A t−PA,E303A,R304A t−PA,H331A,H3
    32A t−PA,R339A,R342A t−PA,E347A,E348A,E349A,K351
    A t−PA,D364A,D365A,D366A t−PA,E408A t−PA,E410A
    t−PA,H432A,R434A t−PA,R440A t−PA,H445A,R449A t
    −PA,R449A,D453A t−PA,D460A,R462A t−PA,またはD47
    7A t−PAである請求項14に記載の変異体。
  16. 【請求項16】296−299位(両端を含む)のいずれかの
    アミノ酸が置換している請求項14に記載の変異体。
  17. 【請求項17】296−299位(両端を含む)のいずれかの
    アミノ酸がアラニンで置換されている請求項16に記載の
    変異体。
  18. 【請求項18】296−299位(両端を含む)の各アミノ酸
    がアラニンで置換されている請求項16に記載の変異体。
  19. 【請求項19】相当する野生型t−PAの416−418位また
    は426−427+429−430位が置換されている請求項12に記
    載の変異体(ここで、+は示された位置でのみの変更を
    示し、−は示された全ての位置での変更を示す)。
  20. 【請求項20】K416A,H417A,E418A t−PAまたはE426A,R
    427A,K429A,E430A t−PAである請求項19に記載の変異
    体。
  21. 【請求項21】相当する野生型t−PAのフィンガー領域
    の少なくとも1部が欠失している請求項8〜20のいずれ
    か1項に記載の変異体。
  22. 【請求項22】相当する野生型のヒトt−PAの117−11
    9、184−186または448−450位に於いてアミノ酸の置
    換、挿入、または欠失がある、請求項8〜21のいずれか
    1項に記載の変異体。
  23. 【請求項23】184位のアミノ酸に機能的炭水化物構造
    を欠いている請求項22に記載の変異体。
  24. 【請求項24】相当する野生型t−PAの成長因子領域内
    がグリコシル化されている請求項8〜23のいずれか1項
    に記載の変異体。
  25. 【請求項25】相当する野生型t−PAの67位にアスパラ
    ギンを含んでいる請求項24に記載の変異体。
  26. 【請求項26】相当する野生型t−PAの92−179位のア
    ミノ酸(両端を含む)を欠失している請求項8〜25のい
    ずれか1項に記載の変異体。
  27. 【請求項27】296−299位のそれぞれがアラニンで置換
    されている請求項8に記載のt−PA変異体。
  28. 【請求項28】図1に記載のアミノ酸部位の番号付けに
    従うとき、野生型t−PAの(a)305位のアミノ酸をフ
    ェニルアラニン以外のアミノ酸で置換するか、 (b)304位および305位のアミノ酸の一方または両方の
    後にアミノ酸を挿入するか、または、 (c)297位−305位(両端を含む)のアミノ酸の1また
    はそれ以上を欠失させる、 ことからなる、野生型組換えt−PAの場合よりも、1本
    鎖型と2本鎖型の活性の差異が大きいt−PA変異体を同
    定する方法。
  29. 【請求項29】置換された、あるいは挿入されたアミノ
    酸が、水素結合のドナーとして作用し得るかまたは作用
    する側鎖を有するものである請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】アミノ酸がヒスチジンである請求項28に
    記載の方法。
  31. 【請求項31】(a)t−PAの264−527位のプロテアー
    ゼ領域に少なくとも1個のアミノ酸置換を施し(ただし
    該置換は相当する野生型t−PAの270−280位、448−450
    位、および502−527位での単一の置換ではない)、 (b)得られたt−PA変異体が(i)野生型組換えt−
    PAに比べて1本鎖型と2本鎖型の活性の差異がより大き
    い:(ii)S−2251アッセイに於いて、野生型組換えt
    −PAに比べてフィブリノーゲン依存性の比活性に対する
    フィブリン依存性の比活性が高い:または(iii)S−2
    251アッセイに於いて、野生型組換えt−PAに比べて血
    漿依存性の比活性に対する血漿血餅依存性の比活性が高
    い:という生物学的活性の1つまたはそれ以上を示し得
    るか否かをスクリーニングすることからなる、特定の生
    物学的活性を持ったt−PA変異体を同定する方法(ただ
    し、置換が411−416位、416−423位、または423−430位
    にあるときは(i)の活性についてのスクリーニングは
    除外する。尚、アミノ酸の番号付けは図1に示した番号
    付けに従う。)。
  32. 【請求項32】スクリーニングされるt−PA変異体が一
    時的発現系で製造される請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】置換が、野生型t−PAのArg、Asp、Hi
    s、GluまたはLysを、中性または負に荷電しているアミ
    ノ酸で置換するものである請求項31に記載の方法。
  34. 【請求項34】置換が、対応する野生型t−PAの267、2
    83+287、296−299、303−304、322、331−332、339+3
    42、347−349+351、353+355−356、360−362、364−3
    66、408、410、416−418、426−427+429−430、432−4
    34、440、445+449、449+453、460+462、471−472、
    または477位、またはその組み合わせであって、“+”
    は、示された位置でのみの置換を示し、“−”は、示さ
    れた全ての位置での置換を示す請求項33に記載の方法。
  35. 【請求項35】置換のために使用されるアミノ酸がアラ
    ニン、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミ
    ン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニ
    ン、またはチロシンである請求項34に記載の方法。
  36. 【請求項36】置換のために使用されるアミノ酸がアラ
    ニンである請求項35に記載の方法。
  37. 【請求項37】置換が、対応する野生型t−PAの267、2
    83+287、296−299、303−304、331−332、339+342、3
    47−349+351、364−366、408、410、416−418、426−4
    27+429−430、432+434、440、445+449、449+453、4
    60+462、または477位であって、“+”は、示された位
    置でのみの置換を示し、“−”は、示された全ての位置
    での置換を示す請求項36に記載の方法。
  38. 【請求項38】請求項1に記載の変異体をコードしてい
    るDNA分子。
  39. 【請求項39】請求項8に記載の変異体をコードしてい
    るDNA分子。
  40. 【請求項40】変異体が、296−299位のそれぞれがアラ
    ニンで置換されているものである請求項39に記載のDNA
    分子。
  41. 【請求項41】R267A t−PA,D283A,H287A t−PA,K296A,
    H297A,R298A,R299A t−PA,E303A,R304A t−PA,H331A,H3
    32A t−PA,R339A,342A t−PA,E347A,E348A,E349A,K351A
    t−PA,D364A,D365A,D366A t−PA,E408A t−PA,E410A t
    −PA,K416A,H417A,E418A t−PA,E426A,R427A,K429A,E43
    0A t−PA,H432A,R434A t−PA,R440A t−PA,H445A,R449A
    t−PA,R449A,D453A t−PA,D460A,R462A t−PA,またはD
    447A t−PAをコードしている請求項39に記載のDNA分
    子。
  42. 【請求項42】形質転換宿主細胞において、請求項38に
    記載のDNA配列を発現し得る複製可能な発現ベクター。
  43. 【請求項43】形質転換宿主細胞が真核細胞である請求
    項42に記載の複製可能な発現ベクター。
  44. 【請求項44】形質転換宿主細胞において、請求項39に
    記載のDNA配列を発現し得る複製可能な発現ベクター。
  45. 【請求項45】形質転換宿主細胞が原核生物細胞である
    請求項44に記載の複製可能な発現ベクター。
  46. 【請求項46】変異体が、296−299位のそれぞれがアラ
    ニンで置換されているものである、請求項44に記載の複
    製可能な発現ベクター。
  47. 【請求項47】ATCC寄託番号68,059で入手可能なpTPA33
    −2である請求項46に記載のベクター。
  48. 【請求項48】請求項42に記載のベクターで形質転換さ
    れた宿主細胞。
  49. 【請求項49】請求項43に記載のベクターで形質転換さ
    れた真核性宿主細胞。
  50. 【請求項50】酵母細胞である請求項49に記載の細胞。
  51. 【請求項51】哺乳動物細胞である請求項49に記載の細
    胞。
  52. 【請求項52】請求項44に記載のベクターで形質転換さ
    れた宿主細胞。
  53. 【請求項53】真核細胞である請求項52に記載の宿主細
    胞。
  54. 【請求項54】変異体をコードしているDNA配列を一時
    的に発現し得る請求項53に記載の宿主細胞。
  55. 【請求項55】請求項45に記載のベクターで形質転換さ
    れた原核性宿主細胞。
  56. 【請求項56】変異体が、296−299位のそれぞれがアラ
    ニンで置換されているものである、請求項52に記載の宿
    主細胞。
  57. 【請求項57】請求項47に記載のベクターで形質転換さ
    れた大腸菌宿主細胞。
  58. 【請求項58】請求項1に記載の変異体の治療有効量を
    薬学的に許容し得る担体と共に含んでいる、血管の症状
    または疾患の治療用医薬組成物。
  59. 【請求項59】請求項8に記載の変異体の治療有効量を
    薬学的に許容し得る担体と共に含んでいる、血管の症状
    または疾患の治療用医薬組成物。
  60. 【請求項60】変異体が、296−299位のそれぞれがアラ
    ニンで置換されているものである、請求項59に記載の医
    薬組成物。
  61. 【請求項61】請求項1に記載の変異体の治療有効量を
    薬学的に許容し得る担体と共に含んでいる、フィブリン
    の沈着または付着の形成または再形成予防用組成物。
  62. 【請求項62】請求項8に記載の変異体の治療有効量を
    薬学的に許容し得る担体と共に含んでいる、フィブリン
    の沈着または付着の形成または再形成予防用組成物。
  63. 【請求項63】変異体が、296−299位のそれぞれがアラ
    ニンで置換されているものである、請求項62に記載の組
    成物。
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