JP2774769B2 - アドレノメデュリン - Google Patents

アドレノメデュリン

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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血圧降下作用を有する
新規ペプチドであるアドレノメデュリン(Adrenomedulli
n)、および該アドレノメデュリンのプロタンパク質の
一部であり、カテコルアミン分泌抑制作用を有するプロ
アドレノメデュリンN末端20ペプチド(Proadrenomedu
llin N-terminal 20 peptide、proAM-N20)ならびにNa
チャンネル抑制作用を有するプロアドレノメデュリンN
末端10-20ペプチド(proAM-N(10-20))に関する。さら
に詳細には、本発明は、ヒト褐色細胞腫から精製され得
るアドレノメデュリン;アドレノメデュリン、proAM-N2
0およびproAM-N(10-20)の構造遺伝子;該遺伝子により
コードされるアドレノメデュリンおよびその前駆体タン
パク質;該遺伝子を含む発現ベクター;該発現ベクター
を有する形質転換体;該形質転換体を用いたアドレノメ
デュリン、proAM-N20およびproAM-N(10-20)の製造方
法;アドレノメデュリンおよびproAM-N20に対する抗
体;該抗体を用いた試料中のアドレノメデュリンおよび
proAM-N20を定量するためのアッセイ;および該抗体の
調製および該アッセイに有用なペプチドに関する。
【0002】
【従来の技術】哺乳類の循環系は、数種の神経およびホ
ルモン因子を含む適切なメカニズムにより調節されてい
る。脳ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、心房性ナトリ
ウム利尿ペプチド(ANP)およびエンドセリンなどのよ
うな脈管作用性ペプチドは、心臓脈管系における重要な
調節因子として知られている。このうちBNPおよびANP
は、血圧、水電解質代謝調節に関与する可能性が示唆さ
れている。
【0003】複雑な循環系の機構を解明するために、い
まだに同定されていない脈管作用性ペプチドを発見する
ことは重要である。特に、このような脈管作用性ペプチ
ドのうち、例えば、高血圧性心肥大あるいは心不全の患
者の診断や治療に有効な、血圧降下作用を有するペプチ
ドを見いだすことが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題を解決するものであり、その目的は、血圧降下作用
を有する新規なペプチドであるアドレノメデュリン、お
よび該アドレノメデュリンのプロタンパク質の一部であ
り、カテコルアミン分泌抑制作用を有する新規なペプチ
ドであるプロアドレノメデュリンN末端20ペプチド、
ならびにNaチャンネル抑制作用を有する新規なペプチ
ドであるプロアドレノメデュリンN末端10-20ペプチド
を提供することにある。
【0005】本発明の他の目的は、該アドレノメデュリ
ン、該proAM-N20および該proAM-N(10-20)をコードする
DNA配列、該DNA配列を有する発現ベクター、該発
現ベクターを有する形質転換体、および該形質転換体を
用いたアドレノメデュリン、proAM-N20およびproAM-N(1
0-20)の製造方法を提供することにある。
【0006】本発明のさらに別の目的は、該アドレノメ
デュリンおよび該proAM-N20に対する抗体、該抗体を用
いた試料中のアドレノメデュリンおよびproAM-N20を定
量するためのアッセイ方法、および該抗体の調製および
該アッセイに有用なペプチドを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは、血圧降下作
用を有するペプチドを得ようと種々の検討を行った。そ
の結果、ヒト褐色細胞腫から血圧降下作用を有する新規
なペプチドを単離し、該ペプチドの一次構造、および免
疫学的性質を解明して、本発明を完成するに至った。
【0008】本発明のペプチドは、配列表の配列番号1
の13位のSerから52位のTyrまでのアミノ酸配列を含
み、血圧降下作用を有する。
【0009】好ましい実施態様では、上記ペプチドは、
配列表の配列番号1の1位のTyrから52位のTyrまでの
アミノ酸配列を含む。
【0010】好ましい実施態様では、上記ペプチドは、
配列表の配列番号1の−73位のAlaから52位のTyrま
でのアミノ酸配列を含む。
【0011】好ましい実施態様では、上記ペプチドは、
配列表の配列番号1の13位のSerから52位のTyrまで
のアミノ酸配列からなる。
【0012】好ましい実施態様では、上記ペプチドは、
配列表の配列番号1の1位のTyrから52位のTyrまでの
アミノ酸配列からなる。
【0013】好ましい実施態様では、上記ペプチドは、
配列表の配列番号1の−73位のAlaから52位のTyrま
でのアミノ酸配列からなる。
【0014】好ましい実施態様では、上記ペプチドは、
C末端がアミド化されている。
【0015】好ましい実施態様では、上記ペプチドは、
C末端にGlyが付加している。
【0016】好ましい実施態様では、配列表の配列番号
1の−94位のMetから91位のLeuまでのアミノ酸配列
を含む。このうち、−94位のMetから−74位のThrま
では、シグナルペプチドであると思われる。
【0017】好ましい実施態様では、上記ペプチドは、
配列表の配列番号1の16位と21位のCysがジスルフ
ィド結合している。
【0018】好ましい実施態様では、上記ペプチドは、
配列表の配列番号1の16位と21位のCysによるジス
ルフィド結合-S-S-が-CH2-CH2-結合に置換されている。
【0019】本発明はまた、配列表の配列番号1の3位
のGlnから12位のArgまでのアミノ酸配列を含み、配列
表の配列番号1の1位のTyrから52位のTyrまでのアミ
ノ酸配列を認識する抗体を産生させるペプチドに関す
る。例えば、配列表の配列番号1の3位のGlnから12
位のArgまで、あるいは配列表の配列番号1の1位のTyr
から12位のArgまでのアミノ酸配列からなるペプチド
であり、これらのペプチドは成熟アドレノメデュリンの
N末端付近の配列に対応する。これらは抗体の調製およ
び該抗体を用いたアッセイに有用である。
【0020】本発明はまた、配列表の配列番号1の47
位のIleから52位のTyrまでのアミノ酸配列を含み、配
列表の配列番号1の13位のSerから52位のTyrまでの
アミノ酸配列を認識する抗体を産生させるペプチドに関
する。例えば、配列表の配列番号1の47位のIleから
52位のTyrまで、配列表の配列番号1の45位のSerか
ら52位のTyrまで、あるいは配列表の配列番号1の4
0位のAsnから52位のTyrまでのアミノ酸配列からなる
ペプチドであり、これらのペプチドは成熟アドレノメデ
ュリンのC末端付近の配列に対応する。これらは抗体の
調製および該抗体を用いたアッセイに有用である。
【0021】好ましい実施態様では、上記成熟アドレノ
メデュリンのC末端付近の配列に対応するペプチドは、
C末端がアミド化されている。
【0022】本発明のさらに他のペプチドは、配列表の
配列番号1の−64位のArgから−54位のArgまでのア
ミノ酸配列を含み、このペプチドは、Naチャンネル抑
制作用を有する。例えば、配列表の配列番号1の−73
位のAlaから−54位のArgまでのアミノ酸配列を含み、
このペプチドは、カテコルアミン分泌抑制作用も有す
る。これらのペプチドは、プロアドレノメデュリンのN
末端付近の配列に対応する。
【0023】好ましい実施態様では、上記プロアドレノ
メデュリンのN末端ペプチドは、C末端がアミド化され
ている。
【0024】好ましい実施態様では、上記プロアドレノ
メデュリンのN末端ペプチドは、C末端にGlyが付加し
ている。
【0025】本発明はまた、配列表の配列番号1の−6
1位のTrpから−54位のArgまでのアミノ酸配列を含
み、配列表の配列番号1の−73位のAlaから−54位
のArgまでのアミノ酸配列を認識する抗体を産生させる
ペプチドに関する。例えば、配列表の配列番号1の−6
1位のTrpから−54位のArgまで、あるいは配列表の配
列番号1の−65位のPheから−54位のArgまでのアミ
ノ酸配列からなるペプチドであり、これらのペプチドは
proAM-N20のC末端側の配列に対応する。これらは抗体
の調製および該抗体を用いたアッセイに有用である。
【0026】好ましい実施態様では、上記proAM-N20の
C末端側の配列に対応するペプチドは、C末端がアミド
化されている。
【0027】上記ペプチドはまた、該ペプチドを構成す
るアミノ酸配列の少なくとも1個が標識化されていても
よい。
【0028】上記ペプチドはまた、放射性同位元素で標
識されているTyrが付加されていてもよい。
【0029】本発明のDNA配列は、上記のいずれかに
記載のペプチドをコードする。
【0030】好ましい実施態様では、上記DNA配列
は、配列表の配列番号1の483位のAから602位の
Cまでの塩基配列を含む。
【0031】好ましい実施態様では、上記DNA配列
は、配列表の配列番号1の483位のAから605位の
Cまでの塩基配列を含む。
【0032】好ましい実施態様では、上記DNA配列
は、配列表の配列番号1の447位のTから602位の
Cまでの塩基配列を含む。
【0033】好ましい実施態様では、上記DNA配列
は、配列表の配列番号1の447位のTから605位の
Cまでの塩基配列を含む。
【0034】好ましい実施態様では、上記DNA配列
は、配列表の配列番号1の228位のGから602位の
Cまでの塩基配列を含む。
【0035】好ましい実施態様では、上記DNA配列
は、配列表の配列番号1の228位のGから605位の
Cまでの塩基配列を含む。
【0036】好ましい実施態様では、上記DNA配列
は、配列表の配列番号1の165位のAから719位の
Tまでの塩基配列を含む。
【0037】好ましい実施態様では、上記DNA配列
は、配列表の配列番号1の255位のCから287位の
Tまでの塩基配列を含む。
【0038】好ましい実施態様では、上記DNA配列
は、配列表の配列番号1の255位のCから290位の
Gまでの塩基配列を含む。
【0039】好ましい実施態様では、上記DNA配列
は、配列表の配列番号1の228位のGから287位の
Tまでの塩基配列を含む。
【0040】好ましい実施態様では、上記DNA配列
は、配列表の配列番号1の228位のGから290位の
Gまでの塩基配列を含む。
【0041】好ましい実施態様では、上記DNA配列
は、配列表の配列番号1の264位のTから287位の
Tまでの塩基配列を含む。
【0042】好ましい実施態様では、上記DNA配列
は、配列表の配列番号1の252位のTから287位の
Tまでの塩基配列を含む。
【0043】本発明の発現ベクターは、上記のいずれか
に記載のDNA配列を有する。
【0044】本発明の形質転換体は、上記発現ベクター
を宿主に導入して得られる。
【0045】本発明のペプチドを製造する方法は、上記
形質転換体を培養する工程、および生産されたペプチド
を培養培地から回収する工程を包含する。
【0046】好ましい実施態様では、上記ペプチドを製
造する方法は、さらに、ペプチドのC末端をアミド化す
る工程を包含する。
【0047】本発明の抗体は、上記いずれかに記載のペ
プチドを認識する。
【0048】好ましい実施態様では、上記抗体は、配列
表の配列番号1の1位のTyrから12位のArgまでのアミ
ノ酸配列または該アミノ酸配列に含まれる部分を、認識
する。
【0049】好ましい実施態様では、上記抗体は、配列
表の配列番号1の3位のGlnから12位のArgまでのアミ
ノ酸配列または該アミノ酸配列に含まれる部分を、認識
する。
【0050】好ましい実施態様では、上記抗体は、配列
表の配列番号1の47位のIleから52位のTyrまでのア
ミノ酸配列または該アミノ酸配列に含まれる部分を認識
する。
【0051】好ましい実施態様では、上記抗体は、配列
表の配列番号1の45位のSerから52位のTyrまでのア
ミノ酸配列または該アミノ酸配列に含まれる部分を認識
する。
【0052】好ましい実施態様では、上記抗体は、配列
表の配列番号1の40位のAsnから52位のTyrまでのア
ミノ酸配列または該アミノ酸配列に含まれる部分を認識
する。
【0053】好ましい実施態様では、上記抗体は、配列
表の配列番号1の−61位のTrpから−54位のArgまで
のアミノ酸配列または該アミノ酸配列に含まれる部分を
認識する。
【0054】好ましい実施態様では、上記抗体は、配列
表の配列番号1の−65位のPheから−54位のArgまで
のアミノ酸配列または該アミノ酸配列に含まれる部分を
認識する。
【0055】好ましい実施態様では、上記抗体は、C末
端のカルボキシル基がアミド化されているアミノ酸配列
または該アミノ酸配列に含まれる部分を認識する。
【0056】好ましい実施態様では、上記抗体は、ポリ
クローナル抗体またはモノクローナル抗体である。
【0057】本発明の免疫学的測定法は、上記のいずれ
かに記載のペプチドを含有する試料を、上記のいずれか
に記載の抗体とともに、抗原抗体複合体を形成させる条
件下でインキュベーションする工程;および該抗原抗体
複合体の量を測定する工程を包含する。
【0058】本発明の血圧降下剤、血管拡張剤、または
心不全治療薬は、上記のいずれかに記載のペプチドを有
効成分とする。
【0059】本発明のキットは、上記のいずれかに記載
のペプチドを免疫学的に測定するために、上記のいずれ
かに記載の抗体を含む。
【0060】好ましい実施態様では、上記キットは、さ
らに上記のいずれかに記載のペプチドを含む。
【0061】I.定義 以下に、本発明を説明するうえで用いられる用語を説明
する。
【0062】「アドレノメデュリン」とは、新規な、血
圧降下作用を有するペプチドのことである。特に本発明
で得られるヒト由来のアドレノメデュリンは、配列表の
配列番号1の1位のTyrから52位のTyrまでのアミノ酸
配列を含む。ブタ由来のアドレノメデュリンの場合、配
列表の配列番号2の1位のTyrから52位のTyrまでのア
ミノ酸配列を含む。しかし、この配列に必ずしも限定さ
れることはなく、当業者に公知の、アミノ酸の保存的な
改変、あるいは欠損などのうち活性に影響を及ぼさない
程度の改変を含むアミノ酸配列は、この語に含まれるも
のとする。このペプチドのC末端は、アミド化されてい
てもされていなくてもよい。
【0063】配列表の配列番号1の−94位のMetから
91位のLeuまでのアミノ酸配列からなるペプチドはプ
レプロアドレノメデュリンと考えられ、シグナルペプチ
ドがプロセシングされた配列表の配列番号1の−73位
のAlaから91位のLeuまでのアミノ酸配列からなるペプ
チドはプロアドレノメデュリンと考えられる。
【0064】「プロアドレノメデュリンN末端20ペプ
チド(proAM-N20)」とは、新規な、カテコルアミン分
泌抑制作用を有するペプチドのことである。特に本発明
で得られるヒト由来のプロアドレノメデュリンN末端2
0ペプチドは、配列表の配列番号1の−73位のAlaか
ら−54位のArgまでのアミノ酸配列からなる。「プロ
アドレノメデュリンN末端10-20ペプチド(proAM-N(10-
20))」とは、新規な、Naチャンネル抑制作用を有す
るペプチドのことである。特に、本発明で得られるヒト
由来のプロアドレノメデュリンN末端10-20ペプチド
は、配列表の配列番号1の−64位のArgから−54位
のArgまでのアミノ酸配列からなる。proAM-N20およびpr
oAM-N(10-20)の場合も、これらの配列に必ずしも限定さ
れることはなく、当業者に公知の、アミノ酸の保存的な
改変、あるいは欠損などのうち活性に影響を及ぼさない
程度の改変を含むアミノ酸配列は、これらの語に含まれ
るものとする。これらのペプチドのC末端は、アミド化
されていてもされていなくてもよい。
【0065】「C末端のアミド化」とは、ペプチドの修
飾反応の1つをいい、ペプチドのC末端アミノ酸のCO
OH基が、CONH2の形態になることをいう。生体内
で作動する多くの生理活性ペプチドは、はじめ分子量の
より大きな前駆体タンパク質として生合成され、これが
細胞内移行の過程で、C末端アミド化のような修飾反応
を受けて成熟する。アミド化は、C末端アミド化酵素
が、前駆体タンパク質に作用することによって、行われ
る。前駆体タンパク質においては、アミド化される残基
のC末端側には常にGly残基が存在し、さらにC末端側
に、例えばLys-ArgあるいはArg-Argなどの塩基性アミノ
酸配列対が続いていることが多い(水野、生化学第61
巻、第12号、1435〜1461頁(1989))。
【0066】本明細書では、C末端がCOOHの通常のペプ
チドを、ペプチド[X-Y]と表し、C末端アミド化ペプチ
ドを、ペプチド[X-Y]NH2と表す。ここでXとYは、ペプ
チドの始まりと終わりのアミノ酸の位置を表す。
【0067】あるペプチドが、抗体と「免疫学的に反応
性がある」とは、ペプチドに含まれている特異的なエピ
トープを抗体が認識することによって、抗体と結合する
ことをいう。ペプチドが抗体と免疫学的に反応性である
か否かを決定する方法は、当該技術分野で公知である。
特にELISAあるいはRIAのような方法が好適に用いられ得
る。
【0068】II.本発明に用い得る方法 本発明の実施においては、特に指示されない限り、当該
分野で既知であるタンパク質の分離および分析法、組み
換えDNA手法、および免疫学の手法が採用される。
【0069】以下に本発明に用い得る一般的方法を述べ
る。
【0070】(1)アドレノメデュリンの精製および構
造分析 本発明のアドレノメデュリンの由来は限定されないが、
例えばヒト褐色細胞腫あるいはブタ副腎髄質から得るこ
とができる。
【0071】アドレノメデュリンの精製は、例えばま
ず、ヒト褐色細胞腫を破壊して得られる粗抽出物を、各
種クロマトグラフィーにかけることによって行われ得
る。その際、血小板cAMPの活性の上昇をモニターす
ることによって、目的のアドレノメデュリンを含むフラ
クションを得ることができる。
【0072】血小板cAMPの活性の上昇のモニターに
よるアッセイは、すでに、ヒト褐色細胞腫組織から、バ
ソアクティブ・インテスティナル・ポリペプチド(VI
P)およびカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)(K
itamuraら、Biochem. Biophys. Res. Commun., 185, 13
4-141 (1992))などの生物学的に活性なペプチドを単離
する際に用いられている。これらのペプチドは、強力な
脈管弛緩因子として知られ、血小板膜上の特異的レセプ
ターに結合して、細胞内cAMPを増加させると考えられて
いる。このアッセイは、生物学的に活性なペプチドを研
究するために良い手段であると考えられ、ヒト活性細胞
腫組織抽出物中の脈管作用性ペプチドを検出し得ると発
明者らが予測して採用したものである。
【0073】このようにして得られる精製アドレノメデ
ュリンの構造解析は、例えば気相アミノ酸配列分析等を
用いて行う。
【0074】(2)アドレノメデュリンの血圧降下作用
の確認 上記(1)のようにして得られたアドレノメデュリンの
血圧降下作用は、例えばラット脳ナトリウム利尿ペプチ
ド(BNP)について報告されているのと同様の方法(Kit
aら、Eur. J. Pharmacol., 202, 73-79 (1991))により
確認することができる。すなわち、ラットなどのような
実験用動物に、麻酔をかけ、適当な方法でアドレノメデ
ュリンを投与し、血圧変換機に接続された右頸動脈カテ
ーテルから継続的に血圧をモニターして、投与前の血圧
と比較することによって、確認できる。
【0075】(3)アドレノメデュリンのcDNAのク
ローニングおよび配列決定 本発明のアドレノメデュリンをコードするDNAを含む
cDNA断片のクローニングおよび配列決定方法を以下
に例示する。本発明のアドレノメデュリンをコードする
cDNAは、例えば、ヒト褐色細胞腫の全RNAからc
DNAライブラリー(後述)を作成し、該ライブラリー
をプローブを用いてスクリーニングし、得られた陽性ク
ローンを、DNAシークエンス法により分析することに
より、配列決定され得る。
【0076】(A)DNAプローブの作成 アドレノメデュリンをコードするcDNAは、例えばヒ
ト褐色細胞腫から得ることができる。そのためには、ヒ
ト褐色細胞腫由来のcDNAライブラリーから、アドレ
ノメデュリンのcDNAのクローニングを行うためのプ
ローブが、例えば、次のようにして作成される。
【0077】まず、上記(1)項で得られたアドレノメ
デュリンのアミノ末端のペプチド配列をもとに、直接的
にあるいは間接的に、プローブを作成することができ
る。
【0078】間接的にプローブを作成する場合、例え
ば、上記アミノ末端のアミノ酸配列を基に、ポリメラー
ゼチェーンリアクション(PCR)用のDNAプライマ
ーを合成し、このプライマーを用いて、以下のようにし
て調製したPCR用の鋳型を増幅させて、スクリーニン
グ用のプローブとし得る。このPCR用の鋳型として
は、例えばアドレノメデュリンが多く存在していること
が考えられるヒト褐色細胞腫から得られるcDNAを用
いることができる。このようなDNAは、例えば、ヒト
褐色細胞腫から、グアニジウムチオシアネート法(Chom
czynski, P.ら、Anal. Biochem., 162, 156-159 (198
7))によってRNAを抽出し、このRNAからcDNA
を調製する方法により、得られる。RNAからのcDN
Aの調製は、まず、プライマーをRNAにアニーリング
させ、逆転写酵素により該プライマーからDNAを合成
していくことにより、行われ得る。
【0079】あるいは、このプローブは、ヒト以外の動
物由来のアドレノメデュリンをコードするDNAから得
ることもできる。発明者らが見いだしたブタ由来のアド
レノメデュリンをコードするDNAを、ヒト由来のアド
レノメデュリンをコードするDNAをスクリーニングす
るためのプローブとする方法は、以下の実施例に詳述す
る。
【0080】このようにして得られたプローブを標識し
て、以下のスクリーニングに用いることができる。
【0081】(B)ライブラリーのスクリーニング ヒト褐色細胞腫組織から、cDNAライブラリーを、当
該技術分野で公知の方法によって、作成できる。cDN
Aライブラリーの調製方法は、例えば、Hyunh,V.T.ら、
DNA Cloning Techniques - A Practical Approach (IRL
Press, Oxford, 1984)、ならびにOkayamaおよびBerg,
Mol. Cell Biol. (1983) 3:280-289に開示されている。
【0082】調製したcDNAライブラリーを適当な条
件下で、上記(A)のようにして得られたプローブを用
いてスクリーニングし、目的のアドレノメデュリンをコ
ードするcDNAを含む、陽性クローンを得る。
【0083】(C)cDNAの塩基配列の決定 上記(B)項で得られた目的の組換えプラスミドの挿入
断片の塩基配列の決定は、例えば以下のように行われ
る。まず、挿入断片を該断片の内部に存在する制限酵素
部位を用いて切断し、それぞれのcDNA断片を各々適
当なシークエンスベクター、例えば、BlueScript中にサ
ブクローニングする。次にクローニングした断片の塩基
配列を、例えば自動DNAシーケンサーを用いて、ダイ
プライマーサイクルシーケンシング法あるいはダイデオ
キシサイクルシーケンシング法によって、決定する。こ
れにより、断片全体の塩基配列が決定される。
【0084】(4)アドレノメデュリン、その前駆体タ
ンパク質、プロアドレノメデュリンN末端20ペプチド
(proAM-N20)、抗体作成用のそれらの断片、およびプ
ロアドレノメデュリンN末端10-20ペプチド(proAM-N(1
0-20))の作製 本発明のアドレノメデュリン、その前駆体タンパク質、
proAM-N20、抗体作成用のそれらの断片、およびproAM-N
(10-20)は、種々の方法で作成され得る。それらの方法
には、組み換え法および化学合成法の使用が包含され
る。この組み換え法を使用する場合、アドレノメデュリ
ン、その前駆体タンパク質、proAM-N20、それらの断
片、およびproAM-N(10-20)をコードするDNA配列は、
種々の組み換え系を用いて発現される。発現ベクターの
構築および適切なDNA配列を有する形質転換体の作成
は、当該技術分野で公知の方法によって実施される。発
現は、原核生物系または真核生物系で実施され得る。
【0085】原核生物宿主としては、E.coli、バチルス
属菌、およびその他のバクテリアが用いられる。そのよ
うな原核生物には、複製部位と宿主に適合する制御配列
とを含むプラスミドベクターが用いられる。例えば、E.
coliは、典型的には、E.coli由来のプラスミドである、
pBR322の誘導体を用いて形質転換される。ここでの制御
配列とは、転写開始のためのプロモーター、必要に応じ
てオペレーター、およびリボソーム結合部位配列を含む
と定義される。この制御配列には、β−ラクタマーゼお
よびラクトースプロモーター系(Changら、Nature (197
7) 198, 1056)、トリプトファンプロモーター系(Goed
delら、Nucleic Acids Res. (1980) 8:4057)、および
λ由来のPLプロモーターおよびN遺伝子リボソーム結
合部位(Shimatake, Nature (1981) 292:128)のような
一般的に用いられているプロモーターが包含される。
【0086】真核生物宿主としては、例えば酵母が用い
られる。このような真核生物には、複製部位と宿主に適
合する制御配列とを含むプラスミドベクターが用いられ
る。例えば、酵母は、pYEUra3(Clontech)を用いて形
質転換される。その他に、酵母宿主で有用なプロモータ
ーのクラスには、例えば糖分解酵素を合成するためのプ
ロモーターが包含される。それには、3−ホスホグリセ
レートキナーゼのためのプロモーター(Hitzemanら、J.
Biol. Chem. (1980) 255:2073)が含まれる。他のプロ
モーターには、エノラーゼ遺伝子由来のもの、またはYE
p13から得られたLeu2遺伝子由来のものが包含される。
【0087】適切な哺乳類プロモーターには、メタロチ
オネイン、SV40由来の初期または後期プロモータ
ー、またはポリオーマウイルス、アデノウイルスII、
ウシ乳頭腫ウイルスまたはトリ肉腫ウイルス由来のプロ
モーターのような他のウイルスプロモーターが包含され
る。
【0088】発現ベクターを適当な宿主細胞に導入する
ことによって形質転換体が得られる。この形質転換体を
適当な条件で培養することにより、所望のアドレノメデ
ュリン、その前駆体、proAM-N20、それらの断片、また
はproAM-N(10-20)などのペプチドが得られる。
【0089】C末端がアミド化されているペプチドを得
るためには、宿主内で発現させて得られたペプチドのC
末端のカルボキシル基を、化学的にアミド化するか、ま
たは目的のペプチドのC末端にGlyが付加したペプチド
を調製し、これに前述のC末端アミド化酵素を作用させ
てアミド化すればよい。
【0090】上記アドレノメデュリンなどのペプチドの
化学合成法は、当該技術分野で公知の方法で行われ得
る。例えば、ペプチド合成機による固相法で合成され得
る。C末端がアミド化されているペプチドは、ベンズヒ
ドリルアミンレジンを用いて、ペプチド合成機にてC末
端アミノ酸から順次N末端アミノ酸まで標準的なDCC/HO
Btで縮合させ、得られたペプチドレジンから標準的なク
リベージ法(トリフルオロメタンスルホン酸法)で、目
的とするペプチドを切り出して、作成し得る。
【0091】ジスルフィド結合は、例えば、空気酸化ま
たは適当な酸化剤でペプチドを酸化することにより形成
させ得る。ジスルフィド結合の-CH2-CH2-結合への置換
は、周知の方法(O. Kellerら、Helv. Chim. Acta (197
4) 57:1253)により行い得る。一般に、ジスルフィド結
合を-CH2-CH2-結合に置換することにより、ジスルフィ
ド結合の開裂がなくなり、タンパク質が安定化する。
【0092】(5)アドレノメデュリン、その前駆体タ
ンパク質、プロアドレノメデュリンN末端20ペプチド
(proAM-N20)、抗体作成用のそれらの断片、およびプ
ロアドレノメデュリンN末端10-20ペプチド(proAM-N(1
0-20))の標識化 本発明のアドレノメデュリン、その前駆体タンパク質、
proAM-N20、抗体作成用のそれらの断片、およびproAM-N
(10-20)は、放射性同位元素、酵素、蛍光物質などで標
識化され得る。これらの標識化は、いずれも当該技術分
野で公知の方法で実施され得る。
【0093】標識に用いられる放射性同位体は、14C、
3H、32P、125I、131Iなどであり、特に125Iが好適
に用いられ得る。これらは、クロラミンT法、ペルオキ
シダーゼ法、Iodogen法、ボルトンハンター法などによ
り、ペプチドに標識され得る。 標識に用いられる酵素
としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ウシ粘膜アル
カリホスファターゼ、大腸菌β-ガラクトシダーゼなど
がある。
【0094】標識に用いられる蛍光物質としては、フル
オレサミン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオ
シアネート、テトラメチルローダミンイソチオシアネー
トなどがある。
【0095】標識されたペプチドは、トレーサーとし
て、あるいは以下に述べる免疫学的測定法に有用であ
る。
【0096】(6)アドレノメデュリン、その断片、お
よびproAM-N20の免疫学的測定法 本発明の免疫学的測定法は、試料中の抗原の量を測定す
るのに利用され得る。免疫学的測定法には、例えば、放
射性同位元素、酵素、または蛍光物質で標識した抗原と
標識していない抗原とを抗体に対して競合的に反応させ
る方法;抗原を固相(例えば、マイクロプレートまたは
プラスチック製カップ)に固定し、抗血清の希釈物また
は精製抗体と共にインキュベートし、さらに放射性同位
元素、酵素、または蛍光物質で標識した抗免疫グロブリ
ンとともにインキュベートして、標識した結合物を得る
二抗体法;および抗体を固相に固定し、抗原と共にイン
キュベートし、さらに放射性同位元素、酵素、または蛍
光物質で標識した抗体と共にインキュベートして、標識
した結合物を得るサンドイッチ法が含まれる。標識に用
いられ得る放射性同位元素としては、32P、3H、
14C、125I、131Iなどが挙げられ、特に125Iが好適
に用いられ得る。標識に用いられ得る酵素は、西洋ワサ
ビペルオキシダーゼ、ウシ粘膜アルカリホスファター
ゼ、大腸菌β-ガラクトシダーゼなどがあり、好適には
西洋ワサビペルオキシダーゼが用いられ得る。標識に用
いられる蛍光物質としては、フルオレセインイソチオシ
アネート、テトラメチルローダミンイソチオシアネート
などがある。しかし、これらに限定されるものではな
い。
【0097】具体的にはまず、アドレノメデュリン、pr
oAM-N20、あるいはそれらの断片のペプチド、例えば、
配列表の配列番号1の3位のGlnから12位のArgまで、
配列表の配列番号1の1位のTyrから12位のArgまで、
配列表の配列番号1の47位のIleから52位のTyrま
で、配列表の配列番号1の45位のSerから52位のTyr
まで、あるいは配列表の配列番号1の40位のAsnから
52位のTyrまでのアミノ酸配列のアミノ酸配列を含む
ペプチド、またはこれらのアミノ酸配列を含みかつアド
レノメデュリンを認識する抗体を産生させ得るペプチ
ド、配列表の配列番号1の−61位のTrpから−54位
のArgまで、配列表の配列番号1の−65位のPheから−
54位のArgまでのアミノ酸配列を含むペプチド、また
はこれらのアミノ酸配列を含みかつproAM-N20を認識す
る抗体を産生させるペプチド、あるいはこれらをウシ甲
状腺グロブリンなどと結合させたものを免疫原とし、マ
ウス、ラット、ウサギ、ニワトリ、あるいはヤギのよう
な動物を免疫して、その血清由来の抗体を作成する。あ
るいはその動物の脾臓から細胞を取り出し、ミエローマ
細胞などのような細胞と融合させてハイブリドーマを作
成した後、該ハイブリドーマからモノクローナル抗体を
産生させる。
【0098】次に、免疫に用いた免疫原と同一の抗原を
有する標識した一定量のペプチドに、濃度既知の非標識
抗原、および血清由来のポリクローナル抗体あるいはモ
ノクローナル抗体を加えて、抗原抗体競合反応を行わせ
る。非標識抗原の濃度を適当に変化させた後、抗体に結
合した標識抗原と抗体に結合していない標識抗原とを適
当な方法で分離して、抗体と結合した標識抗原の放射能
量、酵素活性、または蛍光強度を測定する。非標識抗原
の量が増すにつれ、抗体と結合する標識抗原の量は減少
する。この関係をグラフにして標準曲線を得る。
【0099】次に、上記の反応系に濃度既知の非標識抗
原の代わりに未知量の抗原を含む試料を加え、これを反
応させた後に得られる放射能量、酵素活性、または蛍光
強度を、標準曲線にあてはめれば、試料中の抗原の量を
知ることができる。
【0100】サンドイッチ法の場合、例えばまず、アド
レノメデュリンの異なるエピトープに対する2種類の抗
体を調製する。一方の抗体を放射性同位元素、酵素、ま
たは蛍光物質で標識する。他方の抗体は、固相に結合さ
せて固相化抗体とするか、または固相と特異的に結合し
得るようにする。これらの抗体と種々の濃度の抗原を反
応させて、抗原抗体複合体を形成させる。この抗原抗体
複合体は固相に結合するので、この固相を分離し、固相
中の放射能量、酵素活性、または蛍光強度を測定して、
標準曲線を得る。
【0101】上記反応系に、未知量の抗原を含む試料を
加え、これを反応させた後に得られる放射能量、酵素活
性、または蛍光強度を標準曲線にあてはめれば、試料中
の抗原量を測定できる。
【0102】本発明の測定法に用いる抗体は、通常の免
疫測定法に用いられる抗体断片、例えばFabおよびF
ab'でもよい。
【0103】(7)proAM-N20のカテコルアミン分泌に
対する作用の確認 本発明のproAM-N20のカテコルアミン分泌に対する作用
は、例えば、以下のようにして確認できる。すなわち、
培養ウシ副腎髄質細胞にproAM-N20を添加してインキュ
ベートし、HPLCでカテコルアミンを測定して、無添加の
対照と比較することにより確認できる。
【0104】(8)proAM-N(10-20)のNaチャンネルに
対する作用の確認 本発明のproAM-N(10-20)のNaチャンネルに対する作用
は、例えば、以下のようにして確認できる。すなわち、
培養ウシ副腎髄質細胞をproAM-N(10-20)で処理した後、
カルバコール刺激による細胞内への22Na流入を液体シ
ンチレーションカウンターで測定して、未処理の対照と
比較することにより確認できる。
【0105】(9)アドレノメデュリン、その前駆体タ
ンパク質、proAM-N20およびproAM-N(10-20)の用途と投
与 本発明のアドレノメデュリンおよびその前駆体タンパク
質は、血圧降下作用ならびに血管拡張作用を有するた
め、高血圧や心不全のような疾患の治療に有用である。
【0106】本発明のproAM-N20は、カテコルアミン分
泌抑制作用を有するため、高血圧の治療などのカテコル
アミン抑制剤として有用である。
【0107】本発明のproAM-N(10-20)は、Naチャンネ
ル抑制作用を有するため、高血圧の治療などのNaチャ
ンネル抑制剤として有用である。
【0108】本発明のアドレノメデュリン、その前駆体
タンパク質、proAM-N20およびproAM-N(10-20)は、Remin
gton's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing
社、Eston、Paに記載されているような従来のペプチド
の処方物の形で投与され得る。好ましくは、これらのペ
プチドは、注射によって、より好ましくは、静脈注射に
よって、投与され得る。投与量のレベルは、被検体の体
重1kg当り、アドレノメデュリンでは約0.1nmol〜3.0
nmolである。
【0109】本発明のアドレノメデュリン、その前駆体
タンパク質、proAM-N20およびproAM-N(10-20)は、特に
心筋梗塞などの急性期に心不全の改善のため、心臓の負
荷をとるために静注もしくは点滴用の薬剤として用いら
れ得る。
【0110】本発明のアドレノメデュリン、その前駆体
タンパク質、proAM-N20およびproAM-N(10-20)のC末端
にGlyが付加したペプチドは、前述の通り、生体内のC
末端アミド化酵素がGlyに作用して、生体内でC末端の
カルボキシル基がアミド化された形のペプチドになるの
で、そのまま投与してもよい。
【0111】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに説明す
る。
【0112】〔実施例1〕 (アドレノメデュリンのヒト褐色細胞腫からの精製)ア
ドレノメデュリンの精製は、ノルエピネフリン優性褐色
細胞腫患者から手術により切除した褐色細胞腫を用い
て、Kitamuraら、Biochem. Biophys. Res. Commun., 18
5, 134-141 (1992)に記載のようにして行った。
【0113】具体的には、まず、取り出した褐色細胞腫
を細かく刻み、4倍量の1M酢酸中で10分間煮沸して、
内在性のプロテアーゼを不活性化させた。この混合物を
冷却した後、4℃にてポリトロンミキサー中でホモジナ
イズした。ホモジナイズした後の懸濁液を、20,000×g
で30分間遠心分離して得られた上清を、66%でアセトン
沈澱させた。沈澱物を取り除いた後、上清をロータリー
エバポレーターで濃縮した。濃縮液を水で2倍にし、C
−18シリカゲルカラム(270ml、Chemco LS-SORB ODS)
にかけた。カラムに吸着した物質を、0.1%トリフルオ
ロ酢酸(TFA)を含む、60%CH3CNで溶出した。溶出
液をエバポレートし、1M酢酸で平衡化させたSP-セフ
ァデックスC-25カラム(H+型、2×15cm、ファルマシ
ア)にかけた。1M酢酸、2Mピリジン、および2Mピ
リジン−酢酸(pH 5.0)による連続的な溶出によって、
それぞれSP-I、SP-II、およびSP-IIIと呼ばれる3つの
画分が得られた。
【0114】90%以上の血小板cAMP上昇活性を含む
SP-III画分をセファデックスG-50ゲル濾過によって分離
した。この時の活性測定法については、Kitamuraら、前
述、に記載の通りである。すなわち、135mM NaCl、2mM
EDTA、5mM グルコース、10mMテオフィリン、15mM ヘペ
ス(pH 7.5)を含む懸濁培地に溶解した試料の25μl
を、37℃で10分間予めインキュベートした。25μlの洗
浄ラット血小板(4.0×105)を加えて反応を開始し、30
分間インキュベートした。150mM HClを加えて3分間加
熱して反応を停止した。試料を減圧濃縮機(speedvac c
oncentrator)で濃縮し、100μlの50mM酢酸ナトリウム
緩衝液(pH 6.2)に溶解した。溶液中のサイクリックAM
Pをスクシニル化し、cAMP RIAにより分析した。
【0115】上記の活性を示す画分(分子量4,000〜6,0
00)を、TSK CM-2SWカラム(8.0×300 mm, Tosoh)での
CMイオン交換HPLCにより、さらに分離した。アドレノ
メデュリンは、フェニールカラム(4.6×250mm、Vyda
c)およびμBondasphere C-18カラム(4.6×150mm、300
A、Waters)を使用した逆相HPLCにより、最終的に精製
した。
【0116】(アドレノメデュリンの構造分析)200 pm
olの精製アドレノメデュリンを、Kangawaら、Biochem.
Biophys. Res.Commun. 118, 131-139 (1984)に記載され
ている方法に従って、還元およびS-カルボキシメチル化
(RCM)した。得られたRCM-アドレノメデュリンを、逆
相HPLCで精製した。精製RCM-アドレノメデュリンの半分
(100 pmol)を気相配列分析機(Model, 470A/120A, Ap
plied Biosystems)にかけた。アドレノメデュリンの残
りの半分を、0.01%トリトン-X 100を含む50 mM Tris-HC
l(pH 8.0)の50μl中、37℃で3時間、400 ngのアルギ
ニルエンドペプチダーゼ(Takara Shuzo, Kyoto,Japa
n)により消化して、ペプチドフラグメントRE1〜6を
作成した。これらのペプチドフラグメントを、Chemcoso
rb 3 ODS H(2.1×75 mm, Chemco, Osaka, Japan)のセ
ミミクロカラムでの逆相HPLCにより分離し、各フラグメ
ントを気相アミノ酸配列分析機(Model 470A/120A, App
lied Biosystems)で配列分析し、最終的にアドレノメ
デュリンの全アミノ酸配列(図1)を決定した。52アミ
ノ酸からなるアドレノメデュリンは、1個の分子内ジス
ルフィド結合を有する。カルボキシ末端のTyrは、アミ
ド化されていた。これは、天然アドレノメデュリンの[4
5-52](RE6)部分が、逆相HPLCで、合成アドレノメデュリ
ンの[45-52]NH2部分と同じ位置に溶出されることから判
った。このようにしてアドレノメデュリンの構造は、天
然アドレノメデュリンおよび決定された配列に対応して
調製した合成ペプチドとクロマトグラムを比較して実証
した。コンピューターサーチ(PRF-SEQDB,Protein Rese
arch Foundation, Osaka, Japan)では、同じペプチド
配列は報告されていないことが示された。従って、アド
レノメデュリンは、生理活性を有する新規ペプチドであ
ることが確認された。図2に示すように、アドレノメデ
ュリン(AM)と、ヒトCGRP(Morrisら、Nature, 308, 7
46-748 (1984))、CGRP II(Steenberghら、FEBS Let
t., 183, 403-407 (1985))およびアミリン(amy)(Co
operら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 84, 8628-86
32 (1987))との配列相同性に関していえば、分子内ジ
スルフィド結合による6残基環状構造ならびにC末端ア
ミド構造は共通しているが、約20%と低い。アドレノメ
デュリン中の14残基アミノ末端伸長は、CGRPおよびアミ
リンにおいては認められない。
【0117】〔実施例2〕 (アドレノメデュリンの血圧降下作用)アドレノメデュ
リンの血圧降下作用は、ラット脳性ナトリウム利尿ポリ
ペプチド(BNP)について報告されているのと同様の方
法(Kitaら、Eur. J. Pharmacol., 202, 73-79 (199
1))により試験した。2週齢の雄Wistarラット(300g)
に、腹腔内にペントバルビタールナトリウム(50 mg/k
g)を注射して麻酔をかけた。Statham 血圧変換機(pre
ssure transducer)(P231 D型、Gould)に接続された
右頸動脈カテーテル(PE-50)から継続的に血圧をモニ
ターした。PE-10カテーテルを、保持溶液とペプチドの
両方を投与するために、右頸静脈に挿入した。少なくと
も60分間平衡化した後、CGRPあるいはアドレノメデュリ
ンのいずれかを静脈内注射した。CGRPあるいはアドレノ
メデュリンを投与したときの麻酔ラットの血圧の変動
を、図3に示す。図3の1、2、および3は、アドレノ
メデュリンを、それぞれ0.3nmol/kg、1.0nmol/kg、およ
び3.0nmol/kg投与した時の血圧の変動を示し、4は、CG
RPを3.0nmol/kg投与した時の血圧の変動を示す。この時
投与したアドレノメデュリンは、配列表の配列番号1の
1位から52位までのペプチドであって、C末端がアミ
ド化されている。
【0118】アドレノメデュリンの静脈内単回注射で、
投与量依存的に、迅速で強力な、かつ長時間持続性の血
圧降下作用が生じた。アドレノメデュリン3.0 nmol/kg
を静脈内に注射したときには、平均血圧の最大減少は、
53±5.0 mmHg(平均値±S.E.M.、n=4)であった。この
有意な血圧降下作用は30〜60分間持続した。図3の3お
よび4から明らかなように、アドレノメデュリンの血圧
降下活性は、強力な脈管弛緩因子の1つであることが報
告されているCGRPと同等である。従って、アドレノメデ
ュリンは、有効な長時間持続性の血圧降下作用を有する
といえる。
【0119】配列表の配列番号1の13位から52位ま
でのアミノ酸配列であって、C末端がアミド化されてい
るアドレノメデュリンを投与して、同様に血圧の変動を
調べることにした。
【0120】まず、ペプチド[13-52]NH2を、ベンズヒド
リルアミンレジンを用いて、ペプチド合成機(Applied
Biosystems, 430A)にて、C末端アミノ酸(52番目の
Tyr)から、順次13位のN末端アミノ酸まで、標準的
なDCC/HOBtで縮合させて、目的とするペプチドを合成し
た。得られたペプチドレジンから、標準的なクリベージ
法(トリフルオロメタンスルホン酸法)で、目的とする
ペプチドを切り出し、必要に応じて、空気酸化または適
当な酸化剤(フェリシアン化カリ、ヨードなど)で酸化
してジスルフィド結合を形成させ、逆相HPLCで精製し
た。
【0121】このペプチドを上記の1位から52位のア
ドレノメデュリンと同様に投与したところ、同等の血圧
降下作用があった。
【0122】(アドレノメデュリン投与時の心拍数の確
認)体重330〜390gの雄のWistarラットを、Charles Riv
er Inc.から購入した。ラットを、腹腔内注射により、
ペントバルビタールナトリウム(50mg/kg)で麻酔し
た。呼吸を補助するために、気管にポリエチレンカテー
テル(PE-250)を挿入した。平均血圧(MBP)および心
拍数(HR)を、Statham圧力トランスデューサー(モデ
ルP231D、Gould社製)およびポリグラフ(モデル141-
6、San-Ei社製)に接続した右大腿部動脈カテーテル(P
E-50)でモニターした。PE10のカテーテルを右頸静脈か
ら右心房へPE-10カテーテルを挿入した。右頸動脈を通
して上行大動脈へサーモセンサーをおいた。心アウトプ
ットを、サーモダイリューション法(モデル600、Cardi
otherm社製)によって測定した。動脈の温度を36℃〜37
℃に保つために、ラットをヒートテーブル上に置いた。
【0123】ラットを手術後45分間安定させ、次に、生
理食塩水に溶かしたヒトアドレノメデュリン(1.0nmol/
kg)(n=8)あるいは同じ量の等張生理食塩水(n=8)
を、頸静脈的に注射した。予備試験では、この量のアド
レノメデュリンの血管抑制反応は、最大効力の約半分で
あった。心アウトプットは投与の15分前、投与時、なら
びに投与後2、5、10、および30分後に測定した。
【0124】心インデックス(CI)、拍出量(SV
I)、および総末梢抵抗インデックス(TPRI)は、
以下の式から計算した。CI(100g体重当りml/分)=
心アウトプット/100g体重、SVI(100g体重当りμl
/ビート)=CI/HR、TPRI(u・100g体重)=
MBP/CI。
【0125】ヒトアドレノメデュリンあるいはペプチド
は、固相法によって合成し、その均一性を逆相HPLC
で確かめた。すべての結果を平均値±S.E.M.で表した。
【0126】図4に、ラットに生理食塩水に溶かしたヒ
トアドレノメデュリン(黒丸)あるいは生理食塩水(白
丸)を投与したときのMBP、HR、CI、SVIおよびTPRIの経
時変化を示す。
【0127】MBPは、ヒトアドレノメデュリン投与の
2、5、および10分後に有意に減少し、30分後にもとの
レベルにもどった。TPRIは、MBPの減少に伴う形で、
2、5、および10分後に有意に減少した。これとは逆
に、CIおよびSVIは、増加した。投与後2分でHRの減少
傾向が少しみられたが、有意な差は認められなかった。
一方、生理食塩水を投与したラットでのこれらのCI、SV
I、TPRI、MBP、およびHRは、変化しなかった。
【0128】〔実施例3〕 (アドレノメデュリンおよびその断片を用いたRIA法) (A)アドレノメデュリンのN末端側のアミノ酸配列で
なるペプチド断片に対する抗体を用いたRIA 配列表の配列番号1の1位から12位までに対応するペ
プチド[1-12]および配列表の配列番号1の3位から12
位までに対応するペプチド[3-12]を、ペプチド合成機
(Applied Biosystems, 430A)による固相法によって合
成し、逆相HPLCで精製した。
【0129】ペプチド[1-12]10 mgおよびウシ甲状腺グ
ロブリン20 mgを、2 mlの0.1 Mリン酸ナトリウム緩衝液
(pH 7.4)中でグルタールアルデヒドを作用させて結合
した(Miyataら、Biochem. Biophys. Res. Commun., 12
0, 1030-1036 (1984))。反応混合物を50 mMリン酸ナト
リウム緩衝液(pH 7.4)/0.08 M NaClに対して透析
し、文献の記載(Miyataら、前記)に従って免疫用に使
用した。免疫は、ニュージーランドシロウサギを使って
行った。免疫された動物から得られた抗血清を、以下の
RIA法に使用した。
【0130】ペプチド[1-12]およびペプチド[3-12]に対
するRIAを、β-ネオ-エンドルフィンについて報告され
ているKitamuraら、Biochem. Biophys. Res. Commun.,
109,966-974 (1982)と同様の方法により行った。
【0131】すなわち、既知の濃度のペプチド[1-12]あ
るいは[3-12]100μl、1:6,000希釈の上記のようにして
得られた抗血清50μl、および、ラクトペルオキシダー
ゼ法(Kitamuraら、Biochem. Biophys. Res. Commun.,
161, 348-352 (1989))により調製した125I標識リガン
ド(18,000 cpm)50μlからなるRIAの反応混合物を、24
時間インキュベーションした後、抗血清に結合されてい
ない標識リガンドと、抗血清に結合された標識リガンド
とを、ポリエチレングリコール法により分離した。ペレ
ットの放射活性をγカウンター(ARC-600, Aloka)によ
りカウントし、測定は4℃で2回行った。このようにし
て得られた値から標準曲線を求めたところ、ペプチド[1
-12]を用いた場合もペプチド[3-12]を用いた場合も同じ
曲線が得られることがわかった。アドレノメデュリン[1
-12]および[3-12] による放射ヨード化リガンド結合の
最大阻害の1/2値は、10 fmol/tubeに認められた。
【0132】次に、アドレノメデュリンを未知量含む試
料溶液をウシ血清アルブミン(BSA)20μgを含む100 μ
lの0.1M NH4HCO3中で、1μgのトリプシン(Worthingto
n)でトリプリシン処理に供した。この試料溶液100μ
l、1:6,000希釈の抗血清50μl、および、ラクトペルオ
キシダーゼ法(Kitamuraら、Biochem. Biophys. Res. C
ommun., 161, 348-352 (1989)により調製した125I標識
リガンド(18,000 cpm)50μlからなる反応混合物を、2
4時間インキュベーションした後、抗血清に結合されて
いない標識リガンドと、結合された標識リガンドとを、
ポリエチレングリコール法により分離した。ペレットの
放射活性をγカウンター(ARC-600, Aloka)によりカウ
ントし、測定は4℃で2回行った。
【0133】RIA法によって、上記抗血清が、トリプシ
ン消化後のアドレノメデュリンの断片のペプチドを認識
することがわかった。従って、ペプチド[1-12]およびペ
プチド[3-12]は、アドレノメデュリンに対する抗体の産
生に有用であることがわかった。
【0134】(B)アドレノメデュリンのC末端側のア
ミノ酸配列でなるペプチド断片に対する抗体を用いたRI
A法 配列表の配列番号1の1位から52位までに対応するペ
プチド[1-52]NH2、13位から52位までに対応する[13
-52]NH2、40位から52位までに対応するペプチド[40
-52]NH2、45位から52位までに対応するペプチド[45
-52]NH2、ペプチド[45-52]、47位から52位までに対
応するペプチド[47-52]NH2およびペプチド[47-52]、お
よび1位から12位までに対応するペプチド[1-12]を、
ペプチド合成機(Applied Biosystems, 430A)による固
相法によって合成し、逆相HPLCで精製した。このうち、
特にC末端がアミド化しているペプチドの合成は、ベン
ズヒドリルアミンレジンを用いて、ペプチド合成機にて
C末端アミノ酸(52番目のTyr)から順次40位、4
5位、47位または1位のN末端アミノ酸まで、標準的
なDCC/HOBtで縮合させて行った。得られたペプチドレジ
ンから、標準的なクリベージ法(トリフルオロメタンス
ルホン酸法)により、目的とするペプチドを切り出し
た。
【0135】ジスルフィド結合の形成は、前記と同様に
して行った。
【0136】ペプチド[40-52]NH2 9.3 mgおよびウシ甲
状腺グロブリン10.3 mgを、0.5mlの生理食塩水中に溶解
させた。この溶液に水溶性カルボジイミドを、2時間お
きに、室温で攪拌しながら50mgずつ5回加えた。この結
果得られた混合物を、続いて4℃にて一晩攪拌した。こ
の反応混合物を、500mlの生理食塩水に対して5回、500
mlのリン酸ナトリウム緩衝液に対して2回透析した。こ
のようにして得られた透析物を、上記緩衝液を加えて、
最終体積11mlとなるように調整した。
【0137】この抗原結合溶液(1.5〜3ml)を、等量の
フロイントの完全アジュバントで乳化させた。これを用
いて、ニュージーランドシロウサギを免疫し、免疫され
た動物から得られた抗血清を、以下のRIA法に使用し
た。
【0138】ペプチド[1-52]NH2、ペプチド[40-52]N
H2、ペプチド[45-52]NH2、ペプチド[45-52]、ペプチド
[47-52]NH2、ペプチド[47-52]、ペプチド[1-12]、CGR
P、CGRP-II、およびアミリンに対するRIAを、β-ネオ-
エンドルフィンについて報告されているKitamuraら、Bi
ochem. Biophys. Res. Commun., 109, 966-974 (1982)
と同様の方法により行った。
【0139】すなわち、既知の濃度のペプチド100μl、
1:180,000希釈の上記のようにして得られた抗血清50μ
l、および、ボルトンハンター法(A. E. Boltonおよび
W. M.Hunter、Biochemical J. (1973) 133, 529-539)
により調製した125I標識リガンド(18,000 cpm)50μl
からなるRIAの反応混合物を、24時間インキュベーショ
ンした後、抗血清に結合されていない標識リガンドと、
結合された標識リガンドとを、ポリエチレングリコール
法により分離した。ペレットの放射活性をγカウンター
(ARC-600, Aloka)によりカウントし、測定は4℃で2
回行った。このようにして得られた値から標準曲線を求
めた。ペプチド[1-52]NH2の、ペプチド[13-52]NH2、ペ
プチド[40-52]NH2、ペプチド[45-52]NH2、およびペプチ
ド[47-52]NH2に対する放射ヨード化リガンド結合の最大
阻害の1/2値は、11fmol/tubeに認められた。
【0140】RIA法によって、上記抗血清は、抗原であ
るペプチド[40-52]NH2と反応性があり、さらに、ペプチ
ド[1-52]NH2、ペプチド[45-52]NH2、ペプチド[47-52]NH
2に対して交叉反応性を有すること、ならびにペプチド
[45-52]、ペプチド[47-52]、ペプチド[1-12]、CGRP、CG
RP-II、およびアミリンに対しては交叉反応性を有しな
いことがわかった。
【0141】(アドレノメデュリンの各組織での分布)
ヒトの褐色細胞腫、副腎髄質、肺、腎臓、脳皮質、腸、
および心室を、1.0gずつとり、それぞれ5倍容量のH2O
中で10分間煮沸して、内在性のプロテアーゼを不活性化
した。冷却後、氷酢酸を1Mになるように加え、混合物
をポリトロンミキサーを用いて4℃でホモジナイズし
た。24,000×gで30分間遠心分離して得た抽出物の上清
を、予め1M酢酸で平衡化しておいたSep-Pak C-18カー
トリッジ(Waters)にかけ、吸着された物質を、0.1%
トリフルオロ酢酸中60%アセトニトリル3mlで溶出し
た。溶液中のアドレノメデュリンを、Ichikiら、Bioche
m. Biophys. Res. Commun. 187, 1587-1593 (1992)に記
載の条件下で、TSK ODS 120A(4.6×150 mm, Tosoh)カ
ラムを使用した逆相HPLCにより分析した。
【0142】逆相HPLCによるペプチドの同定を組み合わ
せたRIAを使用して、アドレノメデュリンの存在を、上
記ヒト組織において調べた。その結果を表1に示す。
【0143】
【表1】
【0144】ヒト褐色腫組織は、アドレノメデュリンを
多量に非常に富み、1,900±450 fmol/mg湿重量含んでい
た。アドレノメデュリンはまた、正常副腎髄質中にも多
量に存在し、150±24 fmol/mgであった。アドレノメデ
ュリンの、肺および腎臓中の濃度は、正常副腎髄質中の
濃度の1%以下であった。しかし、アドレノメデュリンの
肺および腎臓中の総量は、副腎髄質中の総量よりも多
い。CGRPは、神経ペプチドとして機能し、脳中および末
梢神経に存在するが、アドレノメデュリンは脳中に検出
されなかった。さらに、予備実験で、アドレノメデュリ
ンは健常なヒト血漿中に相当な濃度(19±5.4 fmol/ml,
n=4)で存在することが示された。従って、末梢組
織、副腎髄質、肺および腎臓で産生されたアドレノメデ
ュリンは、血圧制御に関与する循環ホルモンとして機能
する。ヒト褐色細胞腫中で促進されたアドレノメデュリ
ンの産生は、起立性血圧降下症などの、褐色細胞腫患者
の種々の症候に関連するようである。
【0145】〔実施例4〕 (ブタ副腎髄質からのアドレノメデュリンの精製および
構造解析) (A)ブタ副腎髄質からのアドレノメデュリンの精製 ブタ副腎髄質から、上記実施例1のヒトアドレノメデュ
リンの精製法と同様の方法によって、ブタアドレノメデ
ュリンを精製した。
【0146】具体的には、まず、取り出したブタ副腎髄
質を細かく刻み、10倍量の1M酢酸中で10分間煮沸し
て、内在性のプロテアーゼを不活性化させた。この混合
物を冷却した後、4℃にてポリトロンミキサー中でホモ
ジナイズした。ホモジナイズした後の懸濁液を、22,000
×gで30分間遠心分離して得られた上清を、Sep-Pak C-
18カートリッジカラム(20ml、Waters)にかけた。カラ
ムに吸着した物質を、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を
含む、60%CH3CNで溶出した。溶出液をエバポレー
トし、この液を粗ペプチド抽出物として、さらに以下に
示すように、実施例3に記載のRIA法を用いて精製を進
めていった。このRIA法は、すでに実施例3で述べたよ
うに、ヒトアドレノメデュリン由来のペプチド[1-12]を
用いたRIAシステムとして確立されている。
【0147】まず、粗ペプチド抽出物を、ゲル濾過クロ
マトグラフ法(セファデックス G-50、Fine, 3×150 c
m)により分離した。1つの主要な免疫反応性(ir)-ア
ドレノメデュリンが、分子量5,000〜6,000に観察され
た。この分画のペプチドは、さらにTSK CM-2SW(8.0×3
00mm、Tosoh)カラムを用いたCMイオン交換HPLCにより
分離した。1つの主要なir-アドレノメデュリンが、ヒ
トアドレノメデュリンと同じ位置に観察された。これ
を、さらにphenyl(4.6×250mm、Vydac)カラムを用い
た逆相HPLCにより最終的に精製した。210nmの吸収およ
びir-アドレノメデュリンの溶出プロフィールは、ヒト
アドレノメデュリンと正確に一致していた。
【0148】(B)ブタアドレノメデュリンの構造分析 上記A項で得られたブタアドレノメデュリン100 pmol
を、Kangawaら、Biochem. Biophys. Res. Commun., 11
8, 131-139 (1984)に記載されている方法に従って、還
元およびS-カルボキシメチル化(RCM)した。得られたR
CM-アドレノメデュリンを、逆相HPLCで精製した。精製R
CM-アドレノメデュリンを気相配列分析機(Model, 470A
/120A, Applied Biosystems)にかけ、アミノ酸配列を
37番目の残基まで決定した。これとは別に、ブタアド
レノメデュリン各100 pmolを、0.01%トリトンを含む0.
1MNH4HCO3中、37℃で500ngのトリプシンおよびキモト
リプシンそれぞれにより限定分解して、ペプチドフラグ
メントを作成した。このペプチドフラグメントを、Chem
cosorb 3 ODS H(2.1×75 mm, Chemco, Osaka, Japan)
のセミミクロカラムでの逆相HPLCにより分離し、各フラ
グメントを気相配列分析機(Model 470A/120A, Applied
Biosystems)で配列分析し、最終的にブタアドレノメ
デュリンの全アミノ酸配列を決定した。52アミノ酸から
なるアドレノメデュリンは、1個の分子内ジスルフィド
結合を有する。カルボキシ末端のTyrは、アミド化され
ていた。
【0149】ヒトアドレノメデュリンの40位のアスパ
ラギンが、グリシンに代わっていたこと以外は、ブタア
ドレノメデュリンのアミノ酸配列は、ヒトアドレノメデ
ュリンのアミノ酸配列と同一であった。
【0150】(ブタ由来のアドレノメデュリンcDNA
のクローニング) (A)プライマーの合成 上記のようにして得られたブタ由来のアドレノメデュリ
ンのアミノ酸配列を基にして、DNAオリゴマーを合成
し、これをプライマーとしてポリメラーゼチェーンリア
クション法(PCR, Saiki, R.K.ら、Science, 239, 487-
494 (1988))によって、以下に示すcDNAライブラリ
ーのスクリーニングに使用するためのプローブを作成し
た。
【0151】このPCRに用いるDNAオリゴマーの設計、お
よびその作成は、以下の通りである。各アミノ酸残基に
対応するコドンを考慮して、決定したアミノ酸配列の、
ある領域をコードしうるDNA配列のすべてを網羅する混
合DNAオリゴマーを設計することができる。実際には、
哺乳動物で優先的に使用されるコドンを主に用い、決定
されたアミノ酸の3位から8位および35位から41位
の配列を基に、それぞれオリゴマー(I)(配列表の配
列番号3)およびオリゴマー(II)(配列表の配列番号
4)、ならびにオリゴマー(III)(配列表の配列番号
5)のDNAオリゴマーを合成した。これらのうちオリゴ
マー(III)は、アドレノメデュリンをコードしている
遺伝子の相補鎖の塩基配列に基づくものである。これら
のDNAオリゴマーは、短鎖であるため核酸合成機(Pharm
acia LKB Gene Assembler Plus, DNASynthesizer)を用
いて化学合成した。
【0152】(B)PCRに用いる鋳型試料の調製 ヒトアドレノメデュリンの各組織を調べた結果から、副
腎髄質に高濃度のアドレノメデュリンが存在しているこ
とがわかったので、遺伝子クローニングの材料として副
腎髄質が適したものであると考えられる。
【0153】ブタ副腎髄質より、グアニジウムチオシア
ネートを用いた方法(Chomczynski,P.ら、Anal. Bioche
m., 162, 156-159 (1987))によってRNAを抽出した。オ
リゴ(dT)セルロースカラム(ファルマシア)を用い
てポリ(A)+RNAを単離した。5μgのブタ副腎髄質
ポリ(A)+RNAから、GublerおよびHoffmanの方法に
よって、二本鎖cDNAを作成した。この二本鎖cDN
AにEcoRIアダプターを連結し、次にSephacryl S-300
(ファルマシア)でサイズ分画して、目的のアドレノメ
デュリンが含まれていると予想される画分を得た。得ら
れた画分をλgt10アーム(Bethesda Research Laborato
ry)にいれ、インビトロでパッケージングして、cDN
Aライブラリーを作成した。
【0154】(C)PCRによるブタアドレノメデュリン
cDNAの増幅と単離 上記A項で得られたDNAオリゴマー(I)と(III)、あ
るいは(II)と(III)を用いて、上記B項で得られた
cDNAライブラリーから、アドレノメデュリンcDN
A断片の増幅を行った。PCRには、酵素として、米国Per
kin Elmer Cetus社のAmpliTaq DNA ポリメラーゼを用
い、反応液の組成は、当酵素の使用説明書きに従った。
増幅装置は、Perkin Elmer Cetus社のThermalサイクラ
ーを使用し、94℃1分、37℃1分を15サイクル、引き続
いて94℃50秒、48℃50秒、72℃1分を15サイクルで増幅
を行った。
【0155】増幅したcDNAフラグメントを、ランダ
ムプライム法で標識し、ブタ副腎髄質cDNAライブラ
リーをインサイチュプラークハイブリダイゼーション法
でプロービングするのに用いた。
【0156】(D)ブタアドレノメデュリンのcDNA
の配列決定 プラークハイブリダイゼーション法で得られた陽性のク
ローンをプラーク精製し、cDNAを取り出して、組み
換えBlueScriptプラスミドを得た。最長のcDNA挿入
断片を含むクローンを配列決定に用いた。このクローン
を適当な制限酵素(SmaI、NaeI、およびRsaI)で切断し
たcDNAインサートを再度BlueScript中にサブクロー
ニングし、そして、自動DNAシーケンサー(373A、Ap
plied Biosystems)を用いて、ダイプライマーサイクル
シーケンシング法によって、配列決定を行った。
【0157】こうして得られたアドレノメデュリンcD
NAの全長の配列を配列表の配列番号2に、そのアミノ
酸配列と共に示す。
【0158】〔実施例5〕 (ヒトアドレノメデュリンcDNAのクローニング)上
記実施例4のC項で得られたブタアドレノメデュリンc
DNAフラグメントを用いて、実施例4と同様の方法に
よって、ヒトアドレノメデュリンcDNAのクローニン
グを行った。
【0159】(A)cDNAライブラリーの調製 まず、ヒト褐色細胞腫より、グアニジウムチオシアネー
ト法(Chomczynski, P.ら、Anal. Biochem., 162, 156-
159 (1987))によってRNAを抽出した。オリゴ(dT)
セルロースカラム(ファルマシア)を用いてポリ(A)
+RNAを単離した。このポリ(A)+RNAから、Gubl
erおよびHoffmanの方法によって、二本鎖cDNAを作
成した。この二本鎖cDNAにEcoRIアダプターを連結
し、次にSephacryl S-300(ファルマシア)でサイズ分
画して、目的のアドレノメデュリンが含まれていると予
想される画分を得た。得られた画分をλgt10アーム(Be
thesda Research Laboratory)にいれ、インビトロでパ
ッケージングして、cDNAライブラリーを作成した。
【0160】(B)ヒトアドレノメデュリンのcDNA
配列の決定 次に、ヒトアドレノメデュリンのcDNAの配列決定を
以下のようにして行った。
【0161】実施例4のC項で得られたブタアドレノメ
デュリンcDNAフラグメントをプローブとして、プラ
ークハイブリダイゼーション法によって、上記A項で得
られたcDNAライブラリーをスクリーニングした。
【0162】プラークハイブリダイゼーション法で得ら
れた陽性のクローンをプラーク精製し、cDNAを取り
出して、組み換えBlueScriptプラスミドを得た。最長の
cDNA挿入断片を含むクローンを配列決定に用いた。
このクローンを適当な制限酵素(SmaI、NaeI、RsaI、お
よびSacI)で切断したcDNAインサートを再度BlueS
cript中にサブクローニングし、そして、自動DNAシ
ーケンサー(373A、Applied Biosystems)を用いて、ダ
イプライマーサイクルシーケンシング法あるいはダイデ
オキシサイクルシーケンス法によって、配列決定を行っ
た。
【0163】配列表の配列番号1に、このようにして得
られたcDNA配列とそれに対応するアミノ酸を示す。
【0164】〔実施例6〕 (proAM-N20の構造分析)proAM-N20は、上記実施例5に
より明らかになった配列表の配列番号1におけるプロア
ドレノメデュリンのアミノ酸配列のN末端部分に対応す
る部分であり、より詳細には配列表の配列番号1の−7
3位から−54位までに対応するペプチド[(-73)-(-5
4)]である。コンピューターサーチ(PRF-SEQDB, Protei
n ResearchFoundation, Osaka, Japan)では、同じペプ
チド配列の報告はなく、proAM-N20は生理活性を有する
新規ペプチドであることが確認された。
【0165】(proAM-N20のカテコルアミン分泌に対す
る影響)proAM-N20を、ペプチド合成機(Applied Biosy
stems, 431A)による固相法によって合成し、逆相HPLC
で精製した。
【0166】(A)培養ウシ副腎髄質細胞(4日齢、4
×106細胞/ディッシュ)をKrebs Ringer phosphate (K
RP)緩衝液にて洗浄した後、KRP緩衝液のみ、あるいはpr
oAM-N20(10-6M)を添加したKRP緩衝液1ml中で、37℃で1
0分間インキュベートし、上清中のカテコルアミンの分
泌量をHPLCにて測定した。
【0167】カテコルアミン分泌量は、proAM-N20では
1.64μg/4×106細胞(n=2)、対照では2.56μg/4×106
細胞であった。このように、カテコルアミンの分泌量は
proAM-N20の添加により抑制された。
【0168】(B)次に、上記(A)と同様に、proAM-
N20(10-6M)を添加したKRP緩衝液1ml中で、37℃で5〜1
0分間の前処置を行った後、カルバコール(10-4M)を添加
して刺激を加え、10分後のカテコルアミン分泌量を測定
した。また、対照は、前処置を行わず、カルバコールの
刺激のみによる10分後のカテコルアミン分泌量をHPLCに
て測定した。
【0169】カテコルアミン分泌量は、対照では14.36
μg/4×106細胞(n=2)であったが、proAM-N20前処置5
分間では11.31μg/4×106細胞、10分間では9.19μg/4
×106細胞であった。このように、proAM-N20で前処置す
ることにより、カルバコール刺激によるカテコルアミン
分泌は抑制された。
【0170】〔実施例7〕 (proAM-N20およびその断片を用いたRIA法)配列表の配
列番号1の−73位から−54位までに対応するペプチ
ド[(-73)-(-54)]NH2、そのN末端にTyrを付加したペプ
チドN-Tyr-[(-73)-(-54)]NH2、配列表の配列番号1の−
65位から−54位までに対応するペプチド[(-65)-(-5
4)]NH2、配列表の配列番号1の−61位から−54位ま
でに対応するペプチド[(-61)-(-54)]NH2、および配列表
の配列番号1の−58位から−54位までに対応するペ
プチド[(-58)-(-54)]NH2を、フェノキシレジンを用い
て、ペプチド合成機(Applied Biosystems,431A)によ
る固相法によって合成し、逆相HPLCで精製した。
【0171】ペプチド[(-73)-(-54)]NH2 10 mgおよびウ
シ甲状腺グロブリン20 mgを、カルボジイミド法(Goodf
riendら、Science, 144, 1344-1346 (1964))により、
結合した。この反応混合物を、1Lの生理食塩水に対し
て4回、50 mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.4)/0.0
8 M NaClに対して2回透析した。この透析溶液を、等量
のフロイントの完全アジュバントで乳化させ、これを用
いて、雄のニュージーランドシロウサギを免疫した。免
疫された動物から得られた抗血清を、以下のRIA法に使
用した。ペプチドN-Tyr-[(-73)-(-54)]NH2は、ラクトペ
ルオキシダーゼ法(Kitamuraら、Biochem. Biophys. Re
s. Commun., 161, 348-352 (1989))により標識した。
125I標識したペプチドは、TSK ODS 120Aカラム(Toso
h)を用いた逆相HPLCで精製し、トレーサーとして用い
た。
【0172】既知の濃度のペプチド[(-73)-(-54)]NH2
るいは未知試料100μl、および1:66,500希釈の上記のよ
うにして得られた抗血清200μlからなるRIAの反応混合
物を、12時間インキュベーションした後、125I標識リガ
ンド(18,000 cpm)100μlを加えた。このRIAの反応混
合物を、24時間インキュベーションした後、抗ウサギIg
Gヤギ血清100μlを加えた。さらに24時間インキュベー
ションした後、2,000×gで30分間遠心分離し、ペレット
の放射活性をγカウンター(ARC-600, Aloka)により測
定した。測定は4℃で2回行った。このようにして得ら
れた値から標準曲線を求めた。ペプチド[(-73)-(-54)]N
H2による放射ヨード化リガンド結合の最大阻害の1/2値
は、10 fmol/tubeに認められた。
【0173】RIA法によって、上記抗血清は、抗原であ
るペプチド[(-73)-(-54)]NH2と反応性があり、さらに、
ペプチド[(-65)-(-54)]NH2、およびペプチド[(-61)-(-5
4)]NH2に対して交叉反応性を有すること、ならびにペプ
チド[(-58)-(-54)]NH2に対しては交叉反応性を有さない
ことがわかった。従って、ペプチド[(-73)-(-54)]NH2
ペプチド[(-65)-(-54)]NH2、およびペプチド[(-61)-(-5
4)]NH2は、proAM-N20に対する抗体の産生に有用である
ことがわかった。
【0174】(proAM-N20の各組織での分布)ヒトの副
腎髄質、褐色細胞腫、心臓(右心房、左心房、右心室、
左心室)、肺、腎臓、膵臓、小腸、肝臓、脾臓、および
脳皮質を、1.0gずつとり、それぞれ5倍容量のH2O中で
10分間煮沸して、内在性のプロテアーゼを不活性化し
た。冷却後、氷酢酸を1Mになるように加え、混合物を
ポリトロンミキサーを用いて4℃でホモジナイズした。2
4,000×gで30分間遠心分離して得た抽出物の上清を、予
め1M酢酸で平衡化しておいたSep-Pak C-18カートリッ
ジ(Waters)にかけ、吸着された物質を、0.1%トリフ
ルオロ酢酸中50%アセトニトリル4mlで溶出した。溶液
中の免疫反応性proAM-N20を、セファデックス G-50カラ
ム(ファルマシア)を用いたゲル濾過、TSK ODS 120A
(4.6×150 mm, Tosoh)カラムを使用した逆相HPLC、お
よびTSK CM-2SWカラムを用いたイオン交換HPLCにより分
析した。
【0175】逆相HPLCによるペプチドの同定を組み合わ
せたRIAを使用して、proAM-N20の存在を、上記ヒト組織
において調べた。その結果を表2に示す。
【0176】
【表2】
【0177】proAM-N20は、ヒト副腎髄質中に最も多量
に存在し、13.8±7.93 fmol/mg湿重量含んでいた。proA
M-N20はまた、心房にも多く存在していた。少量のproAM
-N20は、心室、肺、腎臓、膵臓、小腸、肝臓、脾臓、お
よび脳皮質で広く検出された。また、1mg湿重量当りのp
roAM-N20の量は、右心房は左心房の約5倍であった。し
かし、心室には心房と比較して少量しか含まれていなか
った。proAM-N20の分布は、アドレノメデュリンの分布
と非常に似ていた。proAM-N20は、アドレノメデュリン
前駆体中にアドレノメデュリンとともに含まれており、
アドレノメデュリン、CGRP、BNP、心房に局在しているA
NPなどのように、循環系の調節に関連している可能性が
ある。
【0178】また、ヒト褐色腫組織のproAM-N20の濃度
は、12.3±9.82 fmol/mg湿重量であった。しかし、各試
料における値の変動が大きく、これは、proAM-N20を産
生する腫瘍細胞の分化の程度によるものと考えられる。
【0179】〔実施例8〕 (proAM-N(10-20)のNaチャンネルに対する影響)proA
M-N(10-20)は、上記実施例5により明らかになった配列
表の配列番号1におけるプロアドレノメデュリンのアミ
ノ酸配列のN末端付近に対応する部分であり、より詳細
には配列表の配列番号1の−64位から−54位までに
対応するペプチド[(-64)-(-54)]である。proAM-N(10-2
0)を、ペプチド合成機(Applied Biosystems, 431A)に
よる固相法によって合成し、逆相HPLCで精製した。
【0180】培養ウシ副腎髄質細胞(4日齢、4×106
胞/ディッシュ)をKRP緩衝液にて洗浄した後、proAM-N
(10-20)またはproAM-N20(各10-6M)を添加したKRP緩衝液
1ml中で、37℃で5〜10分間の前処理を行った後、カル
バコール(300μM)を添加して刺激を加え、2分後の細胞
内への22Na流入量を液体シンチレーションカウンター
にて測定した。また、対照は、前処理を行わず、カルバ
コールの刺激のみによる2分後の細胞内への22Na流入
量を測定した。
【0181】22Na流入量は、対照では99.8nmole/デ
ィッシュ(n=2)であったが、proAM-N(10-20)では29.1nmo
le/ディッシュ(n=2)、proAM-N20では70.5nmole/ディ
ッシュ(n=2)であった。このように、22Na流入量はpro
AM-N(10-20)の添加により約70%、proAM-N20の添加によ
り約30%の抑制作用が認められた。
【0182】
【発明の効果】本発明によれば、このように、第一に、
血圧降下作用を有する新規なペプチドである、アドレノ
メデュリンおよび該アドレノメデュリンを含む血圧降下
剤および血管拡張剤が提供され、さらに、カテコルアミ
ン分泌抑制作用を有する新規ペプチドであるproAM-N20
および該proAM-N20を含むカテコルアミン抑制剤が提供
される。さらに、Naチャンネル抑制作用を有するproA
M-N(10-20)および該proAM-N(10-20)を含むNaチャンネ
ル抑制剤が提供される。これらの血圧降下剤、カテコル
アミン抑制剤およびNaチャンネル抑制剤は、心不全、
心筋梗塞、高血圧などのような循環器疾患の治療に有用
である。
【0183】本発明によれば、第二に、該アドレノメデ
ュリンおよびその前駆体をコードするDNA配列、該D
NA配列を有する発現ベクター、該発現ベクターを有す
る形質転換体、および該形質転換体を用いたアドレノメ
デュリンの製造方法が提供される。従って、血圧降下作
用を有するアドレノメデュリンを、必要に応じて大量に
安価に生産することが可能となる。
【0184】さらに、第三の効果として、該アドレノメ
デュリンおよび該proAM-N20に対する抗体、該抗体を用
いた試料中のアドレノメデュリンおよびproAM-N20を定
量するための方法、および該抗体の調製および該アッセ
イに有用なペプチドが提供される。これによって、試料
がアドレノメデュリンおよびproAM-N20をどの程度含ん
でいるかを判断し、高血圧症をはじめとする循環器疾患
の診断、予防、および治療に用いることができる。さら
に、アドレノメデュリンおよびproAM-N20は、腫瘍マー
カーとして用いられ得る。
【0185】
【配列表】
【0186】
【配列番号:1】 配列の長さ:1457 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 生物名:ヒト 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:165..719 特徴を決定した方法:S 配列 GGCACGAGCT GGATAGAACA GCTCAAGCCT TGCCACTTCG GGCTTCTCAC TGCAGCTGGG 60 CTTGGACTTC GGAGTTTTGC CATTGCCAGT GGGACGTCTG AGACTTTCTC CTTCAAGTAC 120 TTGGCAGATC ACTCTCTTAG CAGGGTCTGC GCTTCGCAGC CGGG ATG AAG CTG GTT 176 Met Lys Leu Val TCC GTC GCC CTG ATG TAC CTG GGT TCG CTC GCC TTC CTA GGC GCT GAC 224 Ser Val Ala Leu Met Tyr Leu Gly Ser Leu Ala Phe Leu Gly Ala Asp -90 -85 -80 -75 ACC GCT CGG TTG GAT GTC GCG TCG GAG TTT CGA AAG AAG TGG AAT AAG 272 Thr Ala Arg Leu Asp Val Ala Ser Glu Phe Arg Lys Lys Trp Asn Lys -70 -65 -60 TGG GCT CTG AGT CGT GGG AAG AGG GAA CTG CGG ATG TCC AGC AGC TAC 320 Trp Ala Leu Ser Arg Gly Lys Arg Glu Leu Arg Met Ser Ser Ser Tyr -55 -50 -45 CCC ACC GGG CTC GCT GAC GTG AAG GCC GGG CCT GCC CAG ACC CTT ATT 368 Pro Thr Gly Leu Ala Asp Val Lys Ala Gly Pro Ala Gln Thr Leu Ile -40 -35 -30 CGG CCC CAG GAC ATG AAG GGT GCC TCT CGA AGC CCC GAA GAC AGC AGT 416 Arg Pro Gln Asp Met Lys Gly Ala Ser Arg Ser Pro Glu Asp Ser Ser -25 -20 -15 CCG GAT GCC GCC CGC ATC CGA GTC AAG CGC TAC CGC CAG AGC ATG AAC 464 Pro Asp Ala Ala Arg Ile Arg Val Lys Arg Tyr Arg Gln Ser Met Asn -10 -5 1 5 AAC TTC CAG GGC CTC CGG AGC TTT GGC TGC CGC TTC GGG ACG TGC ACG 512 Asn Phe Gln Gly Leu Arg Ser Phe Gly Cys Arg Phe Gly Thr Cys Thr 10 15 20 GTG CAG AAG CTG GCA CAC CAG ATC TAC CAG TTC ACA GAT AAG GAC AAG 560 Val Gln Lys Leu Ala His Gln Ile Tyr Gln Phe Thr Asp Lys Asp Lys 25 30 35 GAC AAC GTC GCC CCC AGG AGC AAG ATC AGC CCC CAG GGC TAC GGC CGC 608 Asp Asn Val Ala Pro Arg Ser Lys Ile Ser Pro Gln Gly Tyr Gly Arg 40 45 50 CGG CGC CGG CGC TCC CTG CCC GAG GCC GGC CCG GGT CGG ACT CTG GTG 656 Arg Arg Arg Arg Ser Leu Pro Glu Ala Gly Pro Gly Arg Thr Leu Val 55 60 65 70 TCT TCT AAG CCA CAA GCA CAC GGG GCT CCA GCC CCC CCG AGT GGA AGT 704 Ser Ser Lys Pro Gln Ala His Gly Ala Pro Ala Pro Pro Ser Gly Ser 75 80 85 GCT CCC CAC TTT CTT TAGGATTTAG GCGCCCATGG TACAAGGAAT AGTCGCGCAA 759 Ala Pro His Phe Leu 90 GCATCCCGCT GGTGCCTCCC GGGACGAAGG ACTTCCCGAG CGGTGTGGGG ACCGGGCTCT 819 GACAGCCCTG CGGAGACCCT GAGTCCGGGA GGCACCGTCC GGCGGCGAGC TCTGGCTTTG 879 CAAGGGCCCC TCCTTCTGGG GGCTTCGCTT CCTTAGCCTT GCTCAGGTGC AAGTGCCCCA 939 GGGGGCGGGG TGCAGAAGAA TCCGAGTGTT TGCCAGGCTT AAGGAGAGGA GAAACTGAGA 999 AATGAATGCT GAGACCCCCG GAGCAGGGGT CTGAGCCACA GCCGTGCTCG CCCACAAACT 1059 GATTTCTCAC GGCGTGTCAC CCCACCAGGG CGCAAGCCTC ACTATTACTT GAACTTTCCA 1119 AAACCTAAAG AGGAAAAGTG CAATGCGTGT TGTACATACA GAGGTAACTA TCAATATTTA 1179 AGTTTGTTGC TGTCAAGATT TTTTTTGTAA CTTCAAATAT AGAGATATTT TTGTACGTTA 1239 TATATTGTAT TAAGGGCATT TTAAAAGCAA TTATATTGTC CTCCCCTATT TTAAGACGTG 1299 AATGTCTCAG CGAGGTGTAA AGTTGTTCGC CGCGTGGAAT GTGAGTGTGT TTGTGTGCAT 1359 GAAAGAGAAA GACTGATTAC CTCCTGTGTG GAAGAAGGAA ACACCGAGTC TCTGTATAAT 1419 CTATTTACAT AAAATGGGTG ATATGCGAAC AGCAAACC 1457
【0187】
【配列番号:2】 配列の長さ:1493 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 生物名:ブタ 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:148..711 特徴を決定した方法:S 配列 GCGGAACAGC TCGAGCCTTG CCACCTCTAG TTTCTTACCA CAGCTTGGAC GTCGGGGTTT 60 TGCCACTGCC AGAGGGACGT CTCAGACTTC ATCTTCCCAA ATCTTGGCAG ATCACCCCCT 120 TAGCAGGGTC TGCACATCTC AGCCGGG ATG AAG CTG GTT CCC GTA GCC CTC ATG 174 Met Lys Leu Val Pro Val Ala Leu Met -90 TAC CTG GGC TCG CTC GCC TTC CTG GGC GCT GAC ACA GCT CGG CTC GAC 222 Tyr Leu Gly Ser Leu Ala Phe Leu Gly Ala Asp Thr Ala Arg Leu Asp -85 -80 -75 -70 GTG GCG GCA GAG TTC CGA AAG AAA TGG AAT AAG TGG GCT CTA AGT CGT 270 Val Ala Ala Glu Phe Arg Lys Lys Trp Asn Lys Trp Ala Leu Ser Arg -65 -60 -55 GGA AAA AGA GAA CTT CGG CTG TCC AGC AGC TAC CCC ACC GGG ATC GCC 318 Gly Lys Arg Glu Leu Arg Leu Ser Ser Ser Tyr Pro Thr Gly Ile Ala -50 -45 -40 GAC TTG AAG GCC GGG CCT GCC CAG ACT GTC ATT CGG CCC CAG GAT GTG 366 Asp Leu Lys Ala Gly Pro Ala Gln Thr Val Ile Arg Pro Gln Asp Val -35 -30 -25 AAG GGC TCC TCT CGC AGC CCC CAG GCC AGC ATT CCG GAT GCA GCC CGC 414 Lys Gly Ser Ser Arg Ser Pro Gln Ala Ser Ile Pro Asp Ala Ala Arg -20 -15 -10 ATC CGA GTC AAG CGC TAC CGC CAG AGT ATG AAC AAC TTC CAG GGC CTG 462 Ile Arg Val Lys Arg Tyr Arg Gln Ser Met Asn Asn Phe Gln Gly Leu -5 1 5 10 CGG AGC TTC GGC TGT CGC TTT GGG ACG TGC ACC GTG CAG AAG CTG GCG 510 Arg Ser Phe Gly Cys Arg Phe Gly Thr Cys Thr Val Gln Lys Leu Ala 15 20 25 CAC CAG ATC TAC CAG TTC ACG GAC AAA GAC AAG GAC GGC GTC GCC CCC 558 His Gln Ile Tyr Gln Phe Thr Asp Lys Asp Lys Asp Gly Val Ala Pro 30 35 40 CGG AGC AAG ATC AGC CCC CAG GGC TAC GGC CGC CGG CGC CGA CGC TCT 606 Arg Ser Lys Ile Ser Pro Gln Gly Tyr Gly Arg Arg Arg Arg Arg Ser 45 50 55 CTG CCC GAA GCC AGC CTG GGC CGG ACT CTG AGG TCC CAG GAG CCA CAG 654 Leu Pro Glu Ala Ser Leu Gly Arg Thr Leu Arg Ser Gln Glu Pro Gln 60 65 70 75 GCG CAC GGG GCC CCG GCC TCC CCG GCG CAT CAA GTG CTC GCC ACT CTC 702 Ala His Gly Ala Pro Ala Ser Pro Ala His Gln Val Leu Ala Thr Leu 80 85 90 TTT AGG ATT TAGGCGCCTA CTGTGGCAGC AGCGAACAGT CGCGCATGCA 751 Phe Arg Ile TCATGCCGGC GCTTCCTGGG GCGGGGGGCT TCCCGGAGCC GAGCCCCTCA GCGGCTGGGG 811 CCCGGGCAGA GACAGCATTG AGAGACCGAG AGTCCGGGAG GCACAGACCA GCGGCGAGCC 871 CTGCATTTTC AGGAACCCGT CCTGCTTGGA GGCAGTGTTC TCTTCGGCTT AATCCAGCCC 931 GGGTCCCCGG GTGGGGGTGG AGGGTGCAGA GGAATCCAAA GGAGTGTCAT CTGCCAGGCT 991 CACGGAGAGG AGAAACTGCG AAGTAAATGC TTAGACCCCC AGGGGCAAGG GTCTGAGCCA 1051 CTGCCGTGCC GCCCACAAAC TGATTTCTGA AGGGGAATAA CCCCAACAGG GCGCAAGCCT 1111 CACTATTACT TGAACTTTCC AAAACCTAGA GAGGAAAAGT GCAATGTATG TTGTATATAA 1171 AGAGGTAACT ATCAATATTT AAGTTTGTTG CTGTCAAGAT TTTTTTTTGT AACTTCAAAT 1231 ATAGAGATAT TTTTGTACGT TATATATTGT ATTAAGGGCA TTTTAAAACA ATTGTATTGT 1291 TCCCCTCCCC TCTATTTTAA TATGTGAATG TCTCAGCGAG GTGTAACATT GTTTGCTGCG 1351 CGAAATGTGA GAGTGTGTGT GTGTGTGTGC GTGAAAGAGA GTCTGGATGC CTCTTGGGGA 1411 AGAAGAAAAC ACCATATCTG TATAATCTAT TTACATAAAA TGGGTGATAT GCGAAGTAGC 1471 AAACCAATAA ACTGTCTCAA TG 1493
【0188】
【配列番号:3】 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CARTCNATGA AYAAYTTYCA RGG 23
【0189】
【配列番号:4】 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CARAGYATGA AYAAYTTYCA RGG 23
【0190】
【配列番号:5】 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ACNCCRTCYT TRTCYTTRTC 20
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒト褐色細胞腫由来のアドレノメデュ
リンのアミノ酸配列を示す図である。RE1からRE6は、
このアミノ酸配列をアルギニルエンドペプチドダーゼで
切断した場合に生成される断片を表す。
【図2】本発明のヒト褐色細胞腫由来のアドレノメデュ
リン(AM)、CGRP、CGRPII、およびアミリン(amy)の
アミノ酸配列の比較図である。
【図3】本発明のヒト褐色細胞腫由来のアドレノメデュ
リンあるいはCGRPを、麻酔したラットに静脈内単回投与
した場合の血圧変動を示す図である。
【図4】本発明のヒト褐色細胞腫由来のアドレノメデュ
リンを、麻酔したラットに静脈内単回投与した場合の、
各種血流力学的パラメーターの変動を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C12P 21/02 C12N 15/00 A (72)発明者 松尾 壽之 兵庫県神戸市東灘区西岡本6丁目4−24 (72)発明者 江藤 胤尚 宮崎県宮崎市学園木花台南2丁目6−13 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 14/47 ZNA C12N 15/00 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) GenBank/EMBL/DDBJ(G ENETYX) WPI(DIALOG)

Claims (57)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号1の13位のSerから
    52位のTyrまでのアミノ酸配列を含む血圧降下作用を
    有するペプチド。
  2. 【請求項2】 配列表の配列番号1の1位のTyrから5
    2位のTyrまでのアミノ酸配列を含む請求項1に記載の
    ペプチド。
  3. 【請求項3】 配列表の配列番号1の−73位のAlaか
    ら52位のTyrまでのアミノ酸配列を含む請求項1に記
    載のペプチド。
  4. 【請求項4】 配列表の配列番号1の13位のSerから
    52位のTyrまでのアミノ酸配列からなる請求項1に記
    載のペプチド。
  5. 【請求項5】 配列表の配列番号1の1位のTyrから5
    2位のTyrまでのアミノ酸配列からなる請求項2に記載
    のペプチド。
  6. 【請求項6】 配列表の配列番号1の−73位のAlaか
    ら52位のTyrまでのアミノ酸配列からなる請求項3に
    記載のペプチド。
  7. 【請求項7】 C末端がアミド化されている、請求項1
    〜6のいずれかに記載のペプチド。
  8. 【請求項8】 C末端にGlyが付加している、請求項1
    〜6のいずれかに記載のペプチド。
  9. 【請求項9】 配列表の配列番号1の−94位のMetか
    ら91位のLeuまでのアミノ酸配列を含む請求項1に記
    載のペプチド。
  10. 【請求項10】 配列表の配列番号1の16位のCysと
    21位のCysとが、ジスルフィド結合している、請求項
    1〜9のいずれかに記載のペプチド。
  11. 【請求項11】 前記ジスルフィド結合が-CH2-CH2-結
    合に置換されている、請求項10に記載のペプチド。
  12. 【請求項12】 配列表の配列番号1の3位のGlnから
    12位のArgまでのアミノ酸配列を含むペプチドであっ
    て、請求項2に記載のアミノ酸配列を認識する抗体を産
    生させるペプチド。
  13. 【請求項13】 配列表の配列番号1の1位のTyrから
    12位のArgまでのアミノ酸配列を含む請求項12に記
    載のペプチド。
  14. 【請求項14】 配列表の配列番号1の47位のIleか
    ら52位のTyrまでのアミノ酸配列を含むペプチドであ
    って、請求項1または2に記載のアミノ酸配列を認識す
    る抗体を産生させるペプチド。
  15. 【請求項15】 配列表の配列番号1の45位のSerか
    ら52位のTyrまでのアミノ酸配列を含む請求項14に
    記載のペプチド。
  16. 【請求項16】 配列表の配列番号1の40位のAsnか
    ら52位のTyrまでのアミノ酸配列を含む請求項14に
    記載のペプチド。
  17. 【請求項17】 C末端がアミド化されている、請求項
    14〜16のいずれかに記載のペプチド。
  18. 【請求項18】 配列表の配列番号1の−64位のArg
    から−54位のArgまでのアミノ酸配列を含むNaチャ
    ンネル抑制作用を有するペプチド。
  19. 【請求項19】 配列表の配列番号1の−73位のAla
    から−54位のArgまでのアミノ酸配列を含むカテコル
    アミン分泌抑制作用を有するペプチド。
  20. 【請求項20】 C末端がアミド化されている、請求項
    18または19に記載のペプチド。
  21. 【請求項21】 C末端にGlyが付加している、請求項
    18または19に記載のペプチド。
  22. 【請求項22】 配列表の配列番号1の−61位のTrp
    から−54位のArgまでのアミノ酸配列を含むペプチド
    であって、請求項19に記載のアミノ酸配列を認識する
    抗体を産生させるペプチド。
  23. 【請求項23】 配列表の配列番号1の−65位のPhe
    から−54位のArgまでのアミノ酸配列を含む請求項2
    2に記載のペプチド。
  24. 【請求項24】 C末端がアミド化されている、請求項
    22または23に記載のペプチド。
  25. 【請求項25】 前記ペプチドを構成するアミノ酸配列
    のうちの少なくとも1個が標識化されている、請求項1
    〜24のいずれかに記載のペプチド。
  26. 【請求項26】 放射性同位元素で標識されているTyr
    が付加されている、請求項1〜24のいずれかに記載の
    ペプチド。
  27. 【請求項27】 請求項1〜24のいずれかに記載のペ
    プチドをコードする、DNA配列。
  28. 【請求項28】 配列表の配列番号1の483位のAか
    ら602位のCまでの塩基配列を含む、請求項27に記
    載のDNA配列。
  29. 【請求項29】 配列表の配列番号1の483位のAか
    ら605位のCまでの塩基配列を含む、請求項27に記
    載のDNA配列。
  30. 【請求項30】 配列表の配列番号1の447位のTか
    ら602位のCまでの塩基配列を含む、請求項27に記
    載のDNA配列。
  31. 【請求項31】 配列表の配列番号1の447位のTか
    ら605位のCまでの塩基配列を含む、請求項27に記
    載のDNA配列。
  32. 【請求項32】 配列表の配列番号1の228位のGか
    ら602位のCまでの塩基配列を含む、請求項27に記
    載のDNA配列。
  33. 【請求項33】 配列表の配列番号1の228位のGか
    ら605位のCまでの塩基配列を含む、請求項27に記
    載のDNA配列。
  34. 【請求項34】 配列表の配列番号1の165位のAか
    ら719位のTまでの塩基配列を含む、請求項27に記
    載のDNA配列。
  35. 【請求項35】 配列表の配列番号1の255位のCか
    ら287位のTまでの塩基配列を含む、請求項27に記
    載のDNA配列。
  36. 【請求項36】 配列表の配列番号1の255位のCか
    ら290位のGまでの塩基配列を含む、請求項27に記
    載のDNA配列。
  37. 【請求項37】 配列表の配列番号1の228位のGか
    ら287位のTまでの塩基配列を含む、請求項27に記
    載のDNA配列。
  38. 【請求項38】 配列表の配列番号1の228位のGか
    ら290位のGまでの塩基配列を含む、請求項27に記
    載のDNA配列。
  39. 【請求項39】 配列表の配列番号1の264位のTか
    ら287位のTまでの塩基配列を含む、請求項27に記
    載のDNA配列。
  40. 【請求項40】 配列表の配列番号1の252位のTか
    ら287位のTまでの塩基配列を含む、請求項27に記
    載のDNA配列。
  41. 【請求項41】 請求項27〜40のいずれかに記載の
    DNA配列を有する発現ベクター。
  42. 【請求項42】 請求項41に記載の発現ベクターを宿
    主に導入して得られる形質転換体。
  43. 【請求項43】 請求項1〜17のいずれかに記載のペ
    プチドを製造する方法であって、請求項42に記載の形
    質転換体を培養する工程、および生産されたペプチドを
    培養培地から回収する工程を包含する、方法。
  44. 【請求項44】 請求項43に記載のペプチドの製造方
    法であって、さらに、ペプチドのC末端をアミド化する
    工程を包含する、方法。
  45. 【請求項45】 請求項1〜26のいずれかに記載のペ
    プチドを認識する、抗体。
  46. 【請求項46】 配列表の配列番号1の1位のTyrから
    12位のArgまでのアミノ酸配列に含まれる部分を認識
    する、請求項45に記載の抗体。
  47. 【請求項47】 配列表の配列番号1の3位のGlnから
    12位のArgまでのアミノ酸配列に含まれる部分を認識
    する、請求項45に記載の抗体。
  48. 【請求項48】 配列表の配列番号1の47位のIleか
    ら52位のTyrまでのアミノ酸配列に含まれる部分を認
    識する、請求項45に記載の抗体。
  49. 【請求項49】 配列表の配列番号1の45位のSerか
    ら52位のTyrまでのアミノ酸配列に含まれる部分を認
    識する、請求項45に記載の抗体。
  50. 【請求項50】 配列表の配列番号1の40位のAsnか
    ら52位のTyrまでのアミノ酸配列に含まれる部分を認
    識する、請求項45に記載の抗体。
  51. 【請求項51】 配列表の配列番号1の−61位のTrp
    から−54位のArgまでのアミノ酸配列に含まれる部分
    を認識する、請求項45に記載の抗体。
  52. 【請求項52】 配列表の配列番号1の−65位のPhe
    から−54位のArgまでのアミノ酸配列に含まれる部分
    を認識する、請求項45に記載の抗体。
  53. 【請求項53】 前記アミノ酸配列のC末端のカルボキ
    シル基がアミド化されている、請求項48〜52のいず
    れかに記載の抗体。
  54. 【請求項54】 請求項1〜26のいずれかに記載のペ
    プチドを含有する試料を、請求項45〜53のいずれか
    に記載の抗体とともに、抗原抗体複合体を形成させる条
    件下でインキュベーションする工程;および該抗原抗体
    複合体の量を測定する工程を包含する、ペプチドの免疫
    学的測定法。
  55. 【請求項55】 請求項1〜11および18〜21のい
    ずれかに記載のペプチドを有効成分とする、血圧降下
    剤、血管拡張剤、または心不全治療薬。
  56. 【請求項56】 請求項45〜53のいずれかに記載の
    抗体を含む、請求項1〜26のいずれかに記載のペプチ
    ドを免疫学的に測定するためのキット。
  57. 【請求項57】 さらに請求項1〜26のいずれかに記
    載のペプチドを含む、請求項56に記載のキット。
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