JP2745190B2 - 遅断ヒューズ - Google Patents

遅断ヒューズ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の電気回路の
保護に用いられるヒューズに関し、詳しくは過渡電流等
に対する耐久性の向上を図る遅断ヒューズに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般的に自動車等の電気回路の保護に使
用されるヒューズの溶断特性は、図7に示すように、高
電流域Hと低電流域Lとに区別される。前者の高電流域
Hは、例えば電気回路のデットショート発生時のバース
ト電流による溶断であり、熱発生から溶断までが数秒以
内の比較的短時間に進行するものである。よって、電線
の被覆部を焦がしたり、ケーシングを溶かす以前に電気
回路が遮断されるものである。
【0003】一方、後者の低電流域Lは、熱発生から溶
断までに比較的長時間を要するもので、レアショート発
生時に可溶体部の過熱状態が長く続き、電線の被覆部が
焦げて発煙したり、ケーシングが熱のため溶けたりする
恐れがある領域である。
【0004】例えば、電動モータなどの負荷回路では、
その起動時に定常負荷電流値の数倍に達する過渡電流が
流れる。また、パワーウインドモータでは、窓ガラスを
閉め切った時や開き切った時のモータロック時に定常負
荷電流値の数倍に達するモータロック電流が流れる。即
ち、前記低電流域においては、定常電流値を超える電流
が頻繁に流れる。このため、電動モータなどの負荷回路
では、このような定常電流値を超える過渡電流やモータ
ロック電流等に対して溶断することのない遅断ヒューズ
が使用されている。
【0005】従来、この種の遅断ヒューズとしては、例
えば実開昭59−66844号公報等において、高融点
の可溶体金属から成るヒューズ本体の中間部に低融点金
属チップを保持させ、該低融点金属チップの拡散による
合金の生成によって溶断特性の改良を図ったものが開示
されている。即ち、図8に示すように遅断ヒューズ10
0は、導電性金属板から一体的に成形されており、一対
の電気接続端子部103は幅狭の可溶体部101の両端
部から連設されている。この可溶体部101の中間位置
には、吸熱効果を有する低融点金属チップ110を保持
した溶断部102が形成されており、この溶断部102
を中心に逆U字形状に折り曲げられている。
【0006】前記低融点金属チップ110は、例えば、
モータ起動時に回路に使用される電線の連続許容電流よ
り高いが可溶体部101の溶断範囲内にある低電流が流
れた場合、可溶体部101が発熱して溶断部102に熱
が集中しても、熱伝導度が高く吸熱効果が良好な前記低
融点金属チップ110に伝熱吸収させることで溶断に至
るまでのタイムラグが確保されている。即ち、過渡電流
が流れても瞬時には溶断しない溶断部102の許容範囲
が前記低融点金属チップ110によって拡大され溶断の
遅断性が確保されるものである。
【0007】この時、遅断性が過度になり過ぎると電線
が長時間過熱状態になり、上述したように電線の被覆部
が焦げて発煙する不具合が発生する。そのため、予め定
めたタイムラグを超えた時点で遅断ヒューズ100は溶
断されなければならない。この原理を図9に基づいて説
明すると、ラッシュ電流などが流れたことで発生した熱
の伝熱吸収に伴い前記低融点金属チップ110の温度が
上昇する(図9a)。しかし、低融点温度に達すると、
前記低融点金属チップ110が溶融して可溶体部101
に拡散侵入して、元の可溶体部101の融点よりも低い
融点を有する固溶体、即ち合金層111を形成する(図
9b)。これによって、可溶体部101が所要のタイム
ラグ後に溶断することになる(図9c)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の遅断ヒューズにおいては、発熱する溶断部に低
融点金属チップが直接接触している。そのため、連続許
容電流よりは高い低電流域における過渡電流、例えばモ
ータロック電流のような定常電流値を超える電流が流れ
た場合、短時間ではあるが溶断部の発熱が低融点金属チ
ップに伝わる。そして、この過渡電流が頻繁に流れると
徐々に拡散が進行し、溶断特性が劣化して所定の耐久性
が十分確保できないという問題点があった。
【0009】本発明の目的は、上記課題を解決するため
になされたもので、モータロック電流のような定常電流
値を超える電流が頻繁に流れても所定の耐久性が十分確
保でき、安定した溶断特性を得ることができる遅断ヒュ
ーズを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る上記目的
は、導電性金属で形成された幅狭の溶断部を持つ可溶体
部と、該可溶体部の両端に連設された一対の電気接続部
と、前記可溶体部に発生する熱を吸収するための低融点
金属から成る金属チップと、該金属チップを保持するた
めの包着部とから構成される遅断ヒューズにおいて、前
記導電性金属から成る前記包着部表面と前記低融点金属
から成る前記金属チップ表面との間に固溶体を形成する
際に係る活性化エネルギーを高めるための金属薄層を形
成したことを特徴とする遅断ヒューズにより達成するこ
とができる。
【0011】また上記目的は、前記金属薄層と前記金属
チップを形成する低融点金属とで固溶体を形成する際に
係る活性化エネルギーが、前記可溶体部を形成する導電
性金属と前記低融点金属とで固溶体を形成する際に係る
活性化エネルギーの最大7倍としたことにより達成する
ことができる。
【0012】更に上記目的は、前記金属薄層が、前記導
電性金属から成る前記包着部表面に形成するか、又は前
記低融点金属から成る前記金属チップ表面に形成しため
っき層であることにより達成することができる。
【0013】また更に上記目的は、前記めっき層がニッ
ケルめっきであり、めっき層の厚みが1乃至10μmで
あることにより達成することができる。
【0014】
【作用】本発明に係る遅断ヒューズにおいては、導電性
金属から成る包着部表面と低融点金属から成る金属チッ
プ表面との間に金属薄層が介在されている。この金属薄
層と前記低融点金属チップとで固溶体を形成する際に係
る活性化エネルギーは、前記導電性金属と前記低融点金
属とで固溶体を形成する際に係る活性化エネルギーに比
べて高レベルに設定されている。そのため、溶融時の固
溶体生成の障壁として作用してヒューズの溶断時間が延
長される。
【0015】更に、前記金属薄層と前記低融点金属チッ
プとで固溶体を形成する際に係る活性化エネルギーが、
前記導電性金属と前記低融点金属チップとで固溶体を形
成する際に係る活性化エネルギーの最大7倍とすること
で、接続電線の発煙特性との重畳が回避できる。
【0016】また、前記金属薄層が、前記導電性金属か
ら成る包着部表面に設けるか、又は前記低融点金属チッ
プ表面に設けたニッケルめっき層で構成されることで、
高活性化エネルギーで前記金属チップの拡散を促す安定
した層厚を実現できる。
【0017】更に、前記ニッケルめっき層の厚みが1乃
至10μmの範囲で構成されることで、接続電線の発煙
特性との重畳が回避され、かつピンホール等の不都合な
発生が回避される。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図6に基づ
いて詳細に説明する。図1は本発明に係る遅断ヒューズ
の第1実施例の説明図である。同図において、遅断ヒュ
ーズ1は、導電性金属で形成された幅狭の溶断部6を持
つ可溶体部2の両端に一対の電気接続部(図示せず)を
連設すると共に、可溶体部2に発生する熱を吸収するた
めの低融点金属から成る金属チップ5と、該金属チップ
5を可溶体部2上に保持するための包着部4が設けられ
ている。
【0019】そして、前記導電性金属と前記低融点金属
とで固溶体を形成する際に係る活性化エネルギーよりも
高いレベルの活性化エネルギーを要する固溶体を前記低
融点金属とで形成する金属薄層3が、前記導電性金属か
ら成る包着部4表面と低融点金属チップ5表面との間に
介在させられる。具体的には、金属薄層3が可溶体部2
の表面上に形成されるものである。本実施例において、
金属薄層3は可溶体部2表面に形成しためっき層であ
る。めっき以外にも、蒸着、含浸、塗布等、種々の工程
が可能である。
【0020】図2は本発明に係る遅断ヒューズの第2実
施例の説明図である。同図において、遅断ヒューズ1
は、導電性金属で形成された幅狭の溶断部6を持つ可溶
体部2の両端に一対の電気接続部(図示せず)を連設
し、可溶体部2に発生する熱を吸収するための、低融点
金属チップ5を保持する包着部4が可溶体部2上に設け
られている。
【0021】そして、前記低融点金属チップ5の表面上
には金属薄層3が形成されている。この金属薄層3と前
記低融点金属チップ5とで固溶体を形成する際に係る活
性化エネルギーが、前記可溶体部2を形成する導電性金
属と前記金属チップ5を形成する低融点金属とで固溶体
を形成する際に係る活性化エネルギーに比べて高いレベ
ルになるように、前記金属薄層3を形成する金属材料は
選定される。本実施例において、金属薄層3は低融点金
属チップ5表面に形成されためっき層である。めっき以
外にも、蒸着、含浸、塗布等、種々の工程が可能であ
る。
【0022】上記構成の遅断ヒューズの動作について図
1に基づいて説明する。可溶体部2の両端に連設された
端子(図示せず)から、前記図7で述べた低電流域の電
流が長時間流れると、溶断部6はジュール熱により昇温
するが、この熱は低融点金属チップ5に伝達され、該低
融点金属チップ5自体を昇温させる。前記低融点金属チ
ップ5は低融点金属より成るため可溶体部2よりも早く
溶融する。この結果、金属薄層3が前記低融点金属チッ
プ5と可溶体部2との間に存在しなければ、低融点金属
チップ5が可溶体部2に容易に拡散侵入して固溶体を形
成する。この固溶体の融点は可溶体部2を形成する導電
性金属の融点よりも低いので、溶断時間が短縮されてヒ
ューズの耐久性が劣化する。
【0023】ところが本実施例においては、金属薄層3
が可溶体部2上にめっき層として形成されており、低融
点金属チップ5と可溶体部2との間に金属薄層3が介在
している。この時、金属薄層3の融点が可溶体部2を形
成する導電性金属の融点と低融点金属チップ5の融点と
の中間に在るものとする。例えば、前記可溶体部2の導
電性金属として銅合金(融点摂氏1050度)、前記低
融点金属チップ5として錫(融点摂氏230度)の場
合、前記金属薄層3としてニッケル(融点摂氏950
度)を選定する。
【0024】更に前記金属薄層3は、該金属薄層と低融
点金属チップ5とで固溶体を形成する際に係る活性化エ
ネルギーが、可溶体部2の導電性金属と低融点金属チッ
プ5とで固溶体を形成する際に係る活性化エネルギーよ
りも高いエネルギーレベルになるように選定される。例
えば、低融点金属チップ5の錫と可溶体部2の銅合金の
固溶体生成に要する活性化エネルギーは188(KJ/
mol)であるが、前記錫と金属薄層3のニッケルの固
溶体生成に要する活性化エネルギーは274(KJ/m
ol)である。よって、錫とニッケルとの固溶体を形成
するのに要するエネルギーの方が、錫と銅合金との固溶
体を形成するのに要するエネルギーよりも高いエネルギ
ーレベルにある。
【0025】従って、ニッケルから成る金属薄層3が錫
から成る低融点金属チップ5と銅合金から成る可溶体部
2との間に形成されることによって、錫は銅合金と直接
接しないで、ニッケルと接することになる。よって、錫
とニッケルとの固溶体を形成するには、上述したように
より高い活性化エネルギーが必要であり、錫は容易に固
溶体を形成することができない。その結果、ヒューズの
溶断時間が延長されることになる。
【0026】図3は前記金属薄層3の厚さが5(μm)
のニッケルめっきを施した本実施例に係る遅断ヒューズ
の溶断特性図である。溶断電流が40乃至90アンペア
である低電流域において、5(μm)のニッケルめっき
を施したヒューズは、めっき無しのヒューズに比べて明
らかに溶断時間が延長されており、前記活性化エネルギ
ーの差に基づく構成の効果が如実に現れている。
【0027】図4は本実施例に係る遅断ヒューズのめっ
き厚と溶断時間の関係を示す特性図であり、ニッケルめ
っきと銀めっきの場合の特性を示す。同図によれば、め
っきの無い場合(めっき厚さ0μm)の溶断時間は20
0秒であるが、例えば10(μm)のニッケルめっき厚
をヒューズ上に形成した場合、溶断時間は約650秒と
なり、めっき層無しの遅断ヒューズに比べて3倍以上改
善することができる。また、銀めっきの場合は、めっき
厚に対する溶断時間の変化が少ないため、ニッケルめっ
きに比べより厚いめっき層が必要になる。
【0028】最適なめっき厚としては、図6に示した電
線の発煙特性及びめっき層に係るコストを勘案して決定
される。即ち、めっき層が必要以上に厚くなると、製造
コストが増大するだけでなく、溶断時間が必要以上に延
長される結果、接続電線の被覆部が過熱され、焦げて発
煙する状態に至っても溶断しなくなり、逆効果となる。
即ち、グラフ上で溶断特性曲線が電線の発煙特性曲線と
交わらない、または重畳しない範囲にめっき層の厚さが
設定される必要がある。ニッケルめっきでは、10(μ
m)程度までの厚さが望ましい。
【0029】一方、めっき層厚さが1(μm)以下で
は、ピンホール等が多く発生する不都合があり、設計値
どおりの効果を得るのは困難である。以上の観点から、
ニッケルめっき厚は1(μm)以上で、10(μm)以
下が望ましい範囲である。なお、めっき層を形成する金
属としては、ニッケル以外にも銀、金、白金等を適宜使
用することも可能であるが、上述したように溶断特性及
びコスト面で一般的にニッケルが使用されている。
【0030】次に、図5は本実施例に係る遅断ヒューズ
の活性化エネルギーと溶断時間の関係を示した特性図で
ある。図中のパラメータはニッケルめっき層の厚さであ
り、それぞれ1(μm)と5(μm)の2通りのめっき
厚における溶断時間の違いを示している。例えば、銅と
錫から成る固溶体が形成されるには、金属データブック
(日本金属学会編)によると、活性化エネルギーが18
8(KJ/mol)必要であり、溶断時間は約200秒
である。ところが、例えば、ニッケルと錫から成る固溶
体が形成されるには、活性化エネルギーが274(KJ
/mol)必要であり、ニッケルめっき層1(μm)で
の溶断時間は略250秒となり、上記銅と錫の固溶体の
溶断時間の略20%程度溶断時間を延ばすことができ
る。
【0031】更に、ニッケルめっき層が5(μm)の場
合では、活性化エネルギーが188(KJ/mol)必
要とする銅と錫の組合わせによる溶断時間は上述のよう
に約200秒であるが、活性化エネルギーが274(K
J/mol)必要とするニッケルと錫の組合わせによる
固溶体の溶断時間は略430秒となり、上記銅と錫の固
溶体の溶断時間の略110%以上溶断時間を延ばすこと
ができる。
【0032】最適な金属の組合わせは、固溶体の形成に
伴う活性化エネルギーの大きい金属の組合わせの中か
ら、加工性やコスト面を勘案して選択すべきである。し
かしながら、耐久性の観点からみると、基準となる金属
の組合わせ、例えば可溶体部を形成する導電性金属と低
融点金属チップとの組合わせの活性化エネルギーを基準
値とすると、可溶体部を形成する前記導電性金属と前記
可溶体部上に形成する金属薄層であるめっき層との組合
わせの活性化エネルギーが前記基準値の最大7倍程度の
範囲に入るものから選択するのが有効である。
【0033】このように、固溶体の形成に伴う活性化エ
ネルギーの高い金属の組合わせ程、上記エネルギー障壁
としての効果があり、溶断時間が延長される。また、同
じ金属の組合わせにあっては、めっき層の厚いもの程、
溶断時間が延長されることが判る。
【0034】図6は、本実施例及び従来の遅断ヒューズ
の初期溶断特性図である。同図において、白丸を結ぶ曲
線は本実施例のニッケルめっき層を有する遅断ヒューズ
の溶断特性であり、黒丸を結ぶ曲線は従来のめっき層無
しの遅断ヒューズの溶断特性である。これら両曲線か
ら、本実施例の遅断ヒューズの低電流域での溶断時間が
延長され、改善されていることが判る。例えば、通電電
流60アンペアでは、従来のめっき層無しの遅断ヒュー
ズの溶断時間は約12秒であるが、本実施例の遅断ヒュ
ーズの溶断時間は約45秒であり、略4倍の時間延長が
実現されている。
【0035】このように本実施例の遅断ヒューズにあっ
ては、ニッケルめっき層の金属薄層がその高い活性化エ
ネルギーによって錫である低融点金属チップが銅である
可溶体部へ拡散するのを効果的に抑制する。そのため、
溶断時間が延長され、モータロック電流のような定常電
流値を超える電流が繰り返し流れても、溶断部の溶断が
起こり難く、ヒューズの耐久性を向上させることができ
る。
【0036】よって、本実施例の遅断ヒューズは耐久性
が向上するため、サーキットブレーカーの代用として使
用することができる。更に、電動モータ駆動のロック電
流の発生時に略5万回以上の耐久性を得ることができ
る。しかも、その溶断特性が、接続電線の発煙特性と重
畳しないように設計できるため、非常に有効な回路保護
機構として機能させることが可能である。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る遅断
ヒューズにおいては、金属薄層と低融点金属とで固溶体
を形成する際に係る活性化エネルギーが、導電性金属と
前記低融点金属とで固溶体を形成する際に係る活性化エ
ネルギーよりも高くなるように、前記金属薄層を選定し
て、導電性金属から成る包着部表面と前記低融点金属か
ら成る金属チップ表面との間に介在させることによっ
て、前記金属薄層がエネルギーの障壁として作用し、前
記低融点金属が溶融時に導電性金属へ拡散して固溶体を
形成するのが抑制され、溶断時間が延長されるものであ
る。この結果、モータロック電流のような定常電流値を
超える電流が繰り返し流れた場合でも所要の耐久性が確
保でき、安定した溶断特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遅断ヒューズの要部の説明図であ
る。
【図2】本発明に係る遅断ヒューズの別構成の要部の説
明図である。
【図3】ニッケルめっきを施した遅断ヒューズの溶断特
性図である。
【図4】めっき厚と溶断時間の関係を示す特性図であ
る。
【図5】活性化エネルギーと溶断時間の関係を示す特性
図である。
【図6】本発明の遅断ヒューズ及び従来の遅断ヒューズ
の初期溶断特性図である。
【図7】ヒューズの作動電流域の説明図である。
【図8】従来の遅断ヒューズを示す斜視図である。
【図9】従来の遅断ヒューズの固溶体形成の過程を示す
説明図である。
【符号の説明】
1 遅断ヒューズ 2 可溶体部 3 金属薄層 4 包着部 5 低融点金属チップ 6 溶断部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花崎 恒 静岡県榛原郡榛原町布引原206−1 矢 崎部品株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−315924(JP,A) 特開 平1−241729(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性金属で形成された幅狭の溶断部を
    持つ可溶体部と、該可溶体部の両端に連設された一対の
    電気接続部と、前記可溶体部に発生する熱を吸収するた
    めの低融点金属から成る金属チップと、該金属チップを
    保持するための包着部とから構成される遅断ヒューズに
    おいて、 前記導電性金属から成る前記包着部表面と前記低融点金
    属から成る前記金属チップ表面との間に固溶体を形成す
    る際に係る活性化エネルギーを高めるための金属薄層を
    形成したことを特徴とする遅断ヒューズ。
  2. 【請求項2】 前記金属薄層と前記金属チップを形成す
    る低融点金属とで固溶体を形成する際に係る活性化エネ
    ルギーが、前記可溶体部を形成する導電性金属と前記低
    融点金属とで固溶体を形成する際に係る活性化エネルギ
    ーの最大7倍とした請求項1記載の遅断ヒューズ。
  3. 【請求項3】 前記金属薄層が、前記導電性金属から成
    る前記包着部表面に形成しためっき層である請求項1お
    よび請求項2記載の遅断ヒューズ。
  4. 【請求項4】 前記金属薄層が、前記低融点金属から成
    る前記金属チップ表面に形成しためっき層である請求項
    1および請求項2記載の遅断ヒューズ。
  5. 【請求項5】 前記めっき層がニッケルめっきである請
    求項3および請求項4記載の遅断ヒューズ。
  6. 【請求項6】 前記ニッケルめっき層の厚みが1乃至1
    0μmである請求項5記載の遅断ヒューズ。
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