JP2704070B2 - プレス金型摺動性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents

プレス金型摺動性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプレス成形に供される合
金化溶融亜鉛めっき鋼板であって、プレス金型との摺動
性が優れることにより良好なプレス成形性を有する鋼板
に関する。
【0002】
【従来の技術】合金化溶融亜鉛めっき鋼板は自動車車体
用鋼板として広く使用されているが、プレス成形により
自動車車体部品に加工されるに際して、プレス金型との
摺動特性が問題となる。すなわち、摺動特性が劣ると鋼
板のプレス金型への流入が抑制されるために材料破断に
至る。特に、プレス加工による鋼板の変形に伴うめっき
剥離を抑制するために、合金化の程度を抑制し、めっき
層中の鉄含有率を比較的低くした合金化溶融亜鉛めっき
はプレス金型との摺動特性が劣るため、しばしばプレス
工程で材料破断を起こし問題となっていた。かかる問題
を避けるために、特開平3−82746号に開示される
ように、合金化溶融亜鉛めっき上にFe系合金めっきを
施し、めっき層の金型摺動性を改善したり、特開平3−
162492号に開示されるように潤滑性に優れた防錆
油やプレス油を塗油することにより材料の流入を促進す
るなどの方法が採られてきた。
【0003】しかし、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の上に
さらにFe系めっきを施すことは不可避的に材料のコス
ト上昇を招き、塗装性や化成処理性にも影響を与えるた
め自動車車体用鋼板全体に適用することは必ずしも適当
ではない。また、潤滑性に優れた防錆油やプレス油は脱
脂性が劣ることが多く、後工程の作業を煩雑にしたり、
また部品によっては工程上、これら潤滑性剤を使用する
ことができない場合があり、必ずしも十分な対策とはな
っていなかった。
【0004】したがって、材料コストの大きな上昇を避
けつつ、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のプレス金型摺動性
を改善し、一般の防錆油、洗浄油を用いても、プレス成
形時の金型との摺動問題を回避し得るような方策の開発
がのぞまれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】プレス成形における鋼
板とプレス金型との摺動挙動は鋼板表面の物性と表面形
状に影響され、また、鋼板に塗布されるプレス油、防錆
油、洗浄油などの潤滑効果に左右される。合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の場合、プレス成形における過酷な変形に
耐える良好なめっき密着性を得るためには、めっき層中
のFe含有率を制御し、めっき最表層に若干のζ相(F
eZn13)が残存する状態にすることが好ましい。しか
し、ζ相が存在するとプレス金型との摺動性は劣化す
る。かかる鋼板の摺動性を改善するためには鋼板の表面
形状を制御し、プレス油、防錆油を鋼板とプレス金型と
の間隙に保持せしめ、これら液体の潤滑効果を利用する
ことが一般に行われる。かかる効果を十分に発揮せしめ
るためには、鋼板の平均表面粗さ(SRa)を大きくす
ることが有効とされるが、過度にSRaを大きくすると
鋼板の塗装後の外観を損なったり、潤滑効果の不均一を
生じ、かえって鋼板のプレス成形性を阻害したり、プレ
ス部品形状に歪みを生じたりする。したがって、鋼板の
表面粗さを大きくするだけで十分な潤滑効果を得ること
はできない。
【0006】本発明は合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面
形状を防錆油等の液体潤滑剤を保持し易い形状とし、限
られた平均表面粗さの範囲内で十分な潤滑効果を得るこ
とによりプレス金型との摺動性が改善され、結果的に、
良好なプレス成形性が得られるプレス金型摺動性に優れ
た合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、めっき層中の
鉄含有率が7wt%以上、12wt%以下、めっき層の
3次元平均表面粗さSRaが0.7μm以上、1.4μ
m以下であって、下記の(1)式で定義される表面粗さ
の振幅確率分布の歪度Sが0.1以下、−0.3以上で
あることを特徴とするプレス金型摺動性に優れた合金化
溶融亜鉛めっき鋼板を提供するものである。 S=μ3 /σ3 (1) 但し μ3 :振幅確率密度の3次のモーメント σ:振幅確率密度の標準偏差
【0008】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本発明
はプレス金型との摺動性に優れた合金化溶融亜鉛めっき
層を有する鋼板に関するものであり、以下にそれぞれの
限定条件について説明する。
【0009】本発明においてめっき層中の鉄含有率(平
均含有率)は、良好な表面外観とプレス成形に適した優
れためっき密着性を得るために、7wt%以上、12w
t%以下に限定される。鉄含有率が7wt%未満では部
分的に亜鉛金属相が残存し、外観むらの原因となる。一
方、鉄含有率が12wt%を超えるとめっき密着性が劣
化し、プレス加工によりめっき剥離を起こし易くなり、
粉状のめっき剥離片が成形部品の押し傷の原因となる。
【0010】鉄含有率がかかる範囲に限定された合金化
溶融亜鉛めっき層は、プレス金型との摺動特性が劣るた
め特定の表面性状を形成せしめることで摺動性の改善を
図る必要がある。液体の潤滑剤を保持し良好な金型摺動
性を得るためには、めっき層の表面平均粗さSRaが
0.7μm以上でなくてはならない。また、平均表面粗
さSRaが0.7μm未満の場合プレスのブランクを真
空吸引で運搬したり、堆積させる際にスリップを起こし
易くなり作業性を阻害することがある。平均表面粗さS
Raが1.4μmを超えると塗装後の表面外観が損なわ
れるだけでなく、均一な潤滑性改善効果を得難くなり、
材料流入が相対的に抑制される部分が生じ、かえって潤
滑剤の量が十分ではないときにプレス成形性を阻害する
ことがある。したがって平均表面粗さSRaは0.7μ
m以上1.4μm以下、好ましくは0.7μm以上1.
1μm以下の範囲に限定される。
【0011】ここにS=μ3 /σ3 は統計学において度
数分布ないし確率分布の非対称性を表す尺度で歪度(Sk
ewness)と呼ばれる指標であり、例えば佐藤良一郎著
数理統計学概説(昭和25年3月10日 培風館)p.
15、あるいは工業数学便覧下巻(昭和41年12月2
4日日刊工業新聞社)p.116等に解説されるとおり
である。
【0012】すなわち、本願発明の場合、N個の測定点
についてxi なる表面粗さの振幅値を有する試料の出現
確率をfi 、xの平均値を
【数1】 とするとき
【数2】 からS=μ3 /σ3 によって歪度Sが算出される。
【0013】表面平均粗さSRaをかかる範囲に限定し
た上で、表面粗さの振幅確率分布の歪度Sを0.1以
下、−0.3以上とすることにより、鋼板に塗布された
潤滑油の効果を十分に発揮せしめ、摺動性が改善され、
均一で十分な材料流入が確保され、結果的に良好なプレ
ス成形性が得られる。合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面
粗さの振幅確率分布の歪度Sは、表面の長周期の凹凸の
凸部に短周期の凹凸が重なった表面形状となると、大き
くなる。長周期の凹凸の凸部はプレス金型から高い面圧
を受けるが、この部分に微細な凹凸があると、接触面へ
の潤滑剤の供給、保持を困難にすると同時に、局所的に
高面圧を生じる結果となりプレス金型と鋼板の摺動性を
著しく低下させる。したがって、表面粗さの振幅確率分
布の歪度Sは0.1以下に限定される。他方、長周期の
凹凸の凹部が深いと表面粗さの振幅確率分布の歪度Sは
小さくなる。深い凹部を有する表面形状で潤滑剤の効果
を十分発揮せしめるためには、多量の潤滑剤を塗布する
ことが必要であるが、多量に塗布した潤滑剤を均一に保
持せしめることはきわめて困難である。潤滑剤の塗布量
に不均一を生じると、摺動性の不均一が起こり、プレス
部品のひずみや材料破断の原因になる。したがって、一
定の平均表面粗さの範囲内では過度に深い凹部が存在す
る表面形状は好ましくなく、表面粗さの振幅確率分布の
歪度Sは−0.3以上に限定される。
【0014】平均表面粗さや振幅確率分布を適正な範囲
に制御するためには、調質圧延前のめっきの表面粗さに
応じて調質圧延条件を設定することが重要であるが、一
般には調質圧延ロールの粗度を十分に鋼板に転写するこ
とにより所定の表面粗さを得れば振幅確率分布の歪度S
の絶対値は小さくなる傾向がある。本来、合金化溶融亜
鉛めっき鋼板はめっきのままの状態で比較的大きな平均
表面粗さを有しており、めっき層自体の凹凸の振幅確率
分布の歪度が大きいため、調質圧延ロールの粗度を十分
に鋼板に転写することにより適切な範囲の平均表面粗さ
が得られると同時に振幅確率分布の歪度の絶対値が小さ
くなると考えられた。このような挙動から、めっき層自
体の凹凸は平均表面粗さには寄与するものの、摺動性改
善に有効な液体潤滑剤の保持に対しては十分有効に機能
しないと推定される。
【0015】上記のように、めっき組成および表面形状
を制御された合金化溶融亜鉛めっき鋼板を用いれば、防
錆油や洗浄油などを選択するに際して特別に潤滑性を配
慮せずに、金型との摺動性に優れ、良好なプレス成形性
を得ることができる。また、上層にFe系めっきを施し
たり、潤滑性の優れた防錆油を塗油するなどの摺動性改
善策と組み合わせれば、より効果的にプレス成形性が改
善できる。
【0016】
【実施例】以下に実施例に基づき本発明を説明する。現
場工程において表1に示す合金化溶融亜鉛めっき鋼板を
試作した。いずれの鋼板も素地鋼板として極低炭素鋼板
を使用した、めっき付着量60g/m2 、板厚0.8m
mの深絞り用鋼板である。表1にはめっき層組成、3次
元平均表面粗さ、引張り試験特性および、半径1mmで
垂直曲げ加工した時のめっき剥離量を5段階評価して求
めためっき密着性を示す。
【0017】
【表1】
【0018】これらの試験材をポンチ径33mmの平底
円筒絞り試験に供し、限界絞り比を求めた結果を図1に
示す。潤滑剤としては一般の防錆油(パーカー興産
(株)製ノックスラスト530F40)を用い、しわ押
さえ力は0.5tとした。図中の記号に付した数字は表
1に示した供試材の番号であり、また、図の横軸はめっ
き層中Fe含有率(wt%)としてある。これらの鋼板
の機械的性質はほぼ同様であるが、限界絞り比は種々に
異なり、プレス成形性に差があることがわかる。この差
はプレス金型と鋼板の摺動性に起因していると考えられ
る。全体的にはめっき層中Fe含有率が高くなるのにし
たがい、限界絞り比が改善される。しかしFe含有率が
12wt%をこえる鋼板は、表1に示すようにめっき密
着性が劣るため、プレス成形用鋼板としては実用的では
ない。良好なめっき密着性が得られるFe含有率が12
%以下の範囲では限界絞り比のばらつきが大きい。図中
の記号が△の鋼板は平均表面粗さが0.7μm未満の試
片である。平均表面粗さが小さい鋼板は同一のFe含有
率では限界絞り比が小さくプレス成形性が劣る。したが
って0.7μm以上の平均表面粗さが必要である。
【0019】プレス金型と同一の材料で作成した平面工
具と直径20mmの円柱工具でFe含有率が11%以下
の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の試片をはさんで、その試
片を引き抜くために必要な引き抜き力を測定することに
より、プレス金型との摩擦係数を求めた。潤滑剤として
一般の防錆油と高潤滑性防錆油を用いた。結果を図2に
示す。図中○印は一般の防錆油(パーカー興産(株)製
ノックスラスト530F40)、●印は高潤滑性防錆油
(パーカー興産(株)製ノックスラスト550HN)を
用いた場合を示す。平均表面粗さが大きくなると、摩擦
係数が小さくなり摺動性が改善される。しかし、平均表
面粗さが過度に大きいと、潤滑剤を高潤滑性の防錆油に
替えても摺動性の改善効果が小さい。したがって、平均
表面粗さは1.4μm以下とすることが好ましい。平均
表面粗さが0.7μm以上、1.4μm以下の範囲では
摩擦係数のばらつきが大きい。
【0020】円筒深絞り試験において高い限界絞り比を
示したNo.2,3および8は摩擦係数が低く摺動性が
良好である。平均表面粗さが0.7μm以上、1.4μ
mの範囲の鋼板の振幅確率分布を測定し、歪度を計算し
た結果と振幅確率分布曲線の形態を表2に示す。振幅確
率分布は、表面形状の凹凸曲線をある高さの直線で切っ
た時、その直線と凹凸曲線の交点の数をその高さの頻度
とし、それぞれの高さにおける頻度の分布を確率分布と
することにより求められるが、高さに対する頻度をヒス
トグラムに表せば振幅確率分布曲線が得られる。合金化
溶融亜鉛めっき鋼板の表面形状の振幅確率分布曲線は大
別すると表2に付記した3種の形態がある。
【0021】それぞれ鋼板の振幅確率分布の歪度Sは、
摺動性が良好であった鋼板の場合0.1以下、−0.3
以上の範囲にあり、比較的凹凸の対称性が良好な分布を
しているが、他の一部の試片では−0.34以下、ある
いは0.1以上となっている。振幅確率分布の歪度Sが
0.1以上の鋼板は表面粗さの凸部に高い分布密度を有
しており、めっき層が本来有している凹凸が調質圧延後
も多く残存している。その結果、平均表面粗さは適切な
範囲にあっても、潤滑剤の保持能力が阻害され摺動性が
劣ると考えられた。一方、振幅確率分布の歪度が−0.
3以下の鋼板は表面粗さに深い凹部があり、そこに潤滑
剤が吸収されてしまうため、通常の潤滑剤塗布量では十
分に潤滑効果が得られずに摺動性が低下したと考えられ
る。すなわち、潤滑剤による摺動性改善効果を十分に発
揮せしめる凹凸が対称性がよい表面形状を得るためには
振幅確率分布の歪度が0.1以下、−0.3以上とする
ことが必要である。
【0022】
【表2】
【0023】No.2,3,11,12およびNo.1
3の試験材を用いて実際に自動車車体のリアーフロアー
を連続プレスした。プレス条件は同一で、潤滑は一般の
防錆油(パーカー興産(株)製ノックスラスト530F
40)を1.2g/m2 塗油することにより行った。結
果を表3に示す。摩擦係数が小さく摺動性が良好なN
o.2およびNo.3は連続プレスにおいて安定して良
好な成形性を有するが、No.11,No.12および
No.13は摺動性が劣るため、連続プレスするとプレ
ス金型の発熱が著しく、次第にプレス成形性が劣化して
いく傾向があり、結局、材料破断が発生した。
【0024】
【0025】
【発明の効果】本発明は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の
表面形状の表面粗さと凹凸の対称性を特定の範囲に制御
することを特徴とし、それにより防錆油、洗浄油等の潤
滑効果を十分に発揮せしめプレス金型との摺動性を改善
し、良好なプレス成形性、特に連続プレス成形性を得る
ことができる。また表面形状の制御が従来の製造プロセ
スの中で、めっきおよび合金化条件と調質圧延条件を調
整すれば可能であることからコストアップすることなく
実現できるとともに、上層に潤滑性のめっきを施した
り、特別の潤滑処理を施す場合にも、その効果を顕現せ
しめるために組み合わせて実施できることから、工業的
な利用範囲は広く、その意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、めっき
層のFe含有率と限界絞り比との関係を示す図。
【図2】 合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、三次元
平均表面粗さと摩擦係数との関係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花 澤 利 健 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 上 野 宏 昭 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 芹 澤 義 久 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 森 下 忠 晃 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 佐 藤 和 良 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−190462(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】めっき層中の鉄含有率が7wt%以上、1
    2wt%以下、めっき層の3次元平均表面粗さSRaが
    0.7μm以上、1.4μm以下であって、下記の
    (1)式で定義される表面粗さの振幅確率分布の歪度S
    が0.1以下、−0.3以上であることを特徴とするプ
    レス金型摺動性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。 S=μ3 /σ3 (1) 但し μ3 :振幅確率密度の3次のモーメント σ:振幅確率密度の標準偏差
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