JP5648308B2 - 摺動性に優れる亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents

摺動性に優れる亜鉛系めっき鋼板 Download PDF

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Description

本発明は、プレス成形時における摺動性に優れた亜鉛系めっき鋼板に関するものである。
鉄鋼、半導体、ディスプレーなどの製品分野では厚さ数10〜数100nmの表層皮膜が製品特性の支配因子になっている場合がある。鉄鋼製品分野でこのような表層の極薄膜が関係する製品特性の一つにプレス成形性がある。自動車や家電製品に使用される鋼板には、近年、高耐食性の観点から亜鉛系のめっきが施される場合が多いが、このめっき鋼板をプレス加工して難成形部品を製造する場合、加工の厳しい部位で鋼板のプレス割れが起こりやすいという問題がある。この亜鉛系めっき鋼板のプレス成形性をプレス時に高粘度の潤滑油を使用することで改善する方法が知られているが、この方法では脱脂工程を強化しないと化成処理や塗装などの後工程でムラが発生するという問題がある。
亜鉛系めっき鋼板の潤滑性を向上するために様々な提案がなされている。大きく分けて、めっき鋼板表面の形状を制御する方法と潤滑皮膜を表面に形成させる方法の2つに大別される。
表面形状を制御する方法としては、特許文献1にはRaを0.5〜0.8μmとした合金化溶融亜鉛めっき鋼板が、特許文献2には表面粗さ(Ra)を0.6μm〜1.0μm、表面上の長さ1インチ当たり山頂数(PPI)を350個以下、山谷のうねり値(Wca)を0.4μm以下とし、且つ、表面粗さの確率振幅密度分布で中央値より山頂方向2μmへ寄った位置からさらに上方の領域にある山部の存在確率を0.05以下、及びその位置での仮想平断面の山部面積が10−5〜10−3mmとなる山の密度を3×10個/mm以下とした合金化溶融亜鉛めっき鋼板が記載されている。
また、特許文献3には表面粗さを0.5〜1.5μmとすると共に、表面粗さの確率振幅密度分布で、最高山頂高さまでの頻度が全頻度の2%となる高さA、さらに谷方向へ1μm寄った高さにおける凸部の存在確率が0.25〜0.50であり、前記高さAから、さらに谷方向2μmへ寄った高さに対する凹部の体積を0.5〜2.5×10−3mm/mmにすることが記載されている。
一方、潤滑皮膜を形成させる方法としては、例えば、特許文献4〜6には、亜鉛系めっき鋼板の表面に電解処理、浸漬処理、塗布酸化処理、または加熱処理を施すことにより、亜鉛酸化物を主体とする酸化膜を形成させて溶接性または加工性を向上させる技術が開示されている。特許文献7には、亜鉛系めっき鋼板の表面にリン酸ナトリウム5〜60g/Lを含みpH2〜6の水溶液にめっき鋼板を浸漬するか、電解処理を行うか、または、上記水溶液を塗布することにより、リン酸化物を主体とする酸化膜を形成して、プレス成形性及び化成処理性を向上させる技術が開示されている。特許文献8には、亜鉛系めっき鋼板の表面に電解処理、浸漬処理、塗布処理、塗布酸化処理、または加熱処理により、Ni酸化物を生成させることにより、プレス成形性および化成処理性を向上させる技術が開示されている。
さらに、表面形状を制御して潤滑皮膜を形成させる方法としては、特許文献9には表面における平坦部の流体保持指標Sviが0.120以上である鉄−亜鉛合金めっきが、特許文献10には表面の平坦部において、表面高さ分布のスキューネスSskが0.3以下で、かつ、該表面高さ分布のクルトシスSkuが4以上14以下である合金化溶融亜鉛めっき鋼板が、特許文献11には平坦部表面における粗さ曲線の平均粗さ(Ra)が10nm以上100nm以下で、平坦部表面における微細凹凸の局部平均間隔(S)が100nm以上1000nm以下あり、かつ、平坦部の微細凹凸の少なくとも凸部が平均厚さ3nm以上50nm以下で、平均長径50nm以上1500nm以下のリン片状の物質で構成されている合金化溶融亜鉛めっき鋼板が記載されている。
特許文献9〜11は、平坦部の面積率や平坦部の粗度を規定するものであり、高さ方向で平坦部がどこに位置するのかを規定するものはない。
特開2000−64013号公報 特開2003−183801号公報 特開2003−290804号公報 特開昭53−60332号公報 特開平2−190483号公報 特開2004−3004号公報 特開平4−88196号公報 特開平3−191093号公報 特開2003−138361号公報 特開2003−138364号公報 特開2004−68141号公報
特許文献1〜3に記載される表面形状の制御だけではプレス成形時における摺動性を充分に改善できなかった。これは、亜鉛が金型に凝着するのを防止する効果が劣るためと考えられた。特許文献4〜8に記載される技術は亜鉛よりも高融点で硬質な金属酸化物を形成させることでプレス成形時における摺動性を改善させたが、成形の厳しい部材への適用では充分な性能を発揮しない場合があった。特許文献9〜11に記載の技術も特許文献4〜8に記載される技術と同様であった。従って、更なるプレス成形時における摺動性の向上が求められていた。
本発明は、プレス成形時における摺動性をさらに向上し、成形の厳しい部材へ適用しても優れた摺動性を発現できる、摺動性に優れた亜鉛系めっき鋼板を提供することを課題とする。
本発明者らは、亜鉛系めっき鋼板において、プレス成形の摺動時に金型に接するめっき表面の高い地点を平坦にすることで、金型との接触部で単位面積あたりの荷重が低下し、摺動抵抗が減少することを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
上記課題を解決する本発明の手段は次のとおりである。
[1]表面の最も高い点を通る鋼板面に平行な面を基準面とし、該基準面からの表面の深さのヒストグラムを作成したときに、深さ0.3μmから2μmの間に少なくとも1つのピークがあり、深さ0μmから5μmの間に存在するピークの中で最大ピークが深さ0.3μmから2μmの間にあり、かつ、少なくとも深さが0.3μmから2μmの範囲にある表面に潤滑皮膜を有することを特徴とする亜鉛系めっき鋼板である。
[2]前記[1]において、潤滑皮膜は亜鉛系酸化物で、めっき表面の平均厚さが10nm以上であることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板である。
本発明によれば、亜鉛系めっき鋼板をプレス成形する際に、金型と接する表面の高い地点を平坦にすることで金型との接触部の単位面積あたりの荷重を低下させ、また該平坦部に潤滑皮膜を形成することで、プレス成形時における摺動性を大きく向上させることができる。
ダル圧延後ブライト圧延する調質圧延を行った後、めっき表面に亜鉛系酸化物層を形成する処理を行った合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、ブライト圧延の圧下率を変えたときの深さプロファイル(表面の最も高い点を通る鋼板面に平行な面を基準面とし、該基準面からの深さのヒストグラム)を示す図である。 摩擦係数測定装置を示す概略正面図である。 図2中のビードの形状・寸法を示す概略斜視図である。 図2中のビードの形状・寸法を示す概略斜視図である。
溶融亜鉛めっき鋼板は通常めっき後に調質圧延される。プレス成形される用途では、調質圧延は通常ダルロールを用いた調質圧延である。これは、めっき面に凹凸を付与することで潤滑油の保持性を向上させるためである。調質圧延後のめっき表面には、調質圧延の圧延ロールと接触して潰されて平坦となった領域(以下、調圧領域と記す。)と圧延ロールと接触しないために平坦となっていない領域(以下、未調圧領域と記す。)が存在する。調圧領域はめっき表面の高い地点(めっき厚が厚い部分)のみに存在するのではなく、低い地点(めっき厚が薄い部分)にも存在することがあり、未調圧領域がめっき表面の高い地点に存在することもある。
通常溶融亜鉛めっき鋼板(合金化溶融亜鉛めっき鋼板を含む。以下同様。)の表面は薄いAl酸化物で覆われていることが知られている。この薄いAl酸化物層は良好な摺動性を得るためには十分でなく、さらに厚い酸化物層を形成する必要がある。Al酸化物層は、酸性溶液で比較的安定であるため、酸性溶液と接触させてAl酸化物層が存在する部分に潤滑皮膜を生成させることが難しい。調圧領域では、このAl酸化物が物理的に取り除かれることで表面が活性化する。溶融亜鉛めっき鋼板に潤滑皮膜を形成すると、潤滑皮膜は調圧領域に形成され、未調圧領域は潤滑皮膜の形成が抑制される。未調圧領域はめっき表面の高い地点に存在することもあるので、潤滑皮膜は必ずしもめっき表面の高い地点に形成されているわけではない。
実際に合金化溶融亜鉛めっき鋼板を用いて摺動試験を行い、その前後の表面を観察した結果、摺動によって変形が大きいのは摺動前の表面の高い地点に対応する領域であることがわかった。また、表面の低い地点は摺動によって変形を受けることがなく、摺動前の形状が残存していることがわかった。これは、プレス成形時に押し付けられた金型ともっとも早く接触するのが材料表面の高い地点であり、材料表面の高い地点が、押し付けられた金型の荷重が最も集中するためである。
従って、溶融亜鉛めっき鋼板の摺動性を向上するには、摺動によってもっとも変形する領域である摺動前の表面の高い地点に対応する領域の摺動性を向上させればよい。このことは溶融亜鉛めっき鋼板だけではなく、電気亜鉛めっき鋼板等を含む亜鉛系めっき鋼板全般に言えることである。
本発明者らはこの点について検討した結果、金型と接する表面の高い地点を平坦にすることで溶融亜鉛めっき鋼板の摺動性を向上できることが分かった。具体的な尺度としては、表面の最も高い点を通る鋼板面に平行な面を基準面とし、該基準面からの表面の深さのヒストグラムを作成したときに、深さ0.3μmから2μmの間に少なくとも1つのピークがあり、深さ0μmから5μmの間に存在するピークの中で最大ピークが深さ0.3μmから2μmの間にある深さプロファイルを有し、さら深さが0.3μmから2μmの範囲にある表面に潤滑皮膜を有していればよいことがわかった。
このような深さプロファイルを有することで摺動性が良好となるのは、以下の理由によると考えられる。
深さプロファイルの最大ピークの位置が浅いものは、表面の深さプロファイルが基準面側に偏った表面形状を有し、最大ピークの位置が深いものは、表面の深さプロファイルが基準面から離れた側に偏った表面形状を有する。
ダルロールによって調質圧延された従来のめっき鋼板は、図1の記号「□」の曲線で示されるように、最大ピークの位置は3μmより深い位置にある。このめっき鋼板は、深さプロファイルの最大ピークの位置が深すぎるため、金型に最初に接する表面の最も高い位置から近いところにある表面が少ない。そのため、鋼板が金型に押し付けられて鋼板表面が押しつぶされる際に、金型との接触初期に少ない面積で金型と接触して金型との接触部の単位面積あたりの荷重が大きくなり、金型に亜鉛が凝着する。一旦金型に亜鉛が凝着すると、その後接触面積が増加して接触部の単位面積当たりの荷重が低くなっても凝着部が存在することで摺動性が良好にならない。
一方、周知のように、表面が完全に平坦であると、接触部の単位面積あたりの荷重は小さくなるが、鋼板と金型の間に存在できる潤滑油量が極めて少量になり、かえって凝着が起こりやすくなる。完全に平坦な表面は、深さプロファイルの最大ピークの位置は深さが0μmである。
摺動性の点からは、深さプロファイルの最大ピークの位置は、基準面から適切な深さ範囲にあることが必要である。そこで、この点についてさらに検討した。
発明者らが検討した結果、最大ピークの深さが基準面から0.3μm未満、又は2μm超になると摺動性が低下し、0.3μm〜2μmの範囲で良好な摺動性が得られた。
次に、基準面からの表面の深さのヒストグラムの作成方法について説明する。基準面からの表面の深さのヒストグラムは、探針を用いた粗度計やレーザー光などを用いる光学式の粗度計などを用いて表面形状を測定し、測定結果に基づいて表面の深さのヒストグラムを作成すればよい。好ましくは、ばらつきの影響を低下させるために、5地点以上の複数箇所で測定し平均値を求めるのが望ましい。また、1mm以上の領域を2μm程度以上の水平分解能で測定することが望ましい。
亜鉛系めっき鋼板の表面が上記表面状態であるだけでは摺動性は十分とはならない。これは、上述のように、亜鉛が軟質であり、融点がFeに比べて低いために、金型に凝着しやすいためである。摺動性を良好にするには、亜鉛表面に潤滑皮膜を形成させる必要がある。摺動性を良好にするには、潤滑皮膜は、平均厚さを10nm以上とすることが好ましい。
潤滑皮膜には、金属酸化物、金属リン酸塩、潤滑樹脂等があるが、中でも、潤滑皮膜を形成する際にめっき皮膜中に含まれる金属成分を利用できることから亜鉛系酸化物が最適である。
本発明者らは、上記の深さプロファイルを有する亜鉛系めっき鋼板の製造方法を検討した。その結果、めっき後に行う調質圧延を、ダルロールを用いるダル圧延と、ブライトロールを用いるブライト圧延の両方を行うことで、めっき表面の高い地点が平坦化されて、本発明範囲の深さプロファイルを有する亜鉛系めっき鋼板を製造できることを見出した。
次に、本発明の亜鉛系めっき鋼板の製造方法について説明する。
本発明の亜鉛系めっき鋼板は、鋼板上に亜鉛系めっき皮膜を形成する。亜鉛系めっき皮膜は、溶融亜鉛めっき皮膜、溶融亜鉛めっき後合金化処理した合金化処理皮膜、電気亜鉛めっき皮膜のいずれでもよい。亜鉛系めっき皮膜の形成方法は常法でよい。
亜鉛系めっき皮膜を形成した鋼板に調質圧延を行う。
調質圧延は、Raが2.0μm以上のダルロールを用いて圧下率5%以下で圧延するダル圧延と、Raが0.1μm以下のブライトロールを用いて圧下率3%以下0.1%以上で圧延するブライト圧延の両方を行う。ダル圧延後ブライト圧延を行ってもよいし、ブライト圧延後ダル圧延を行ってもよい。
ダル圧延とブライト圧延の両方を行うことによって、表面の高い地点が平坦化され、表面の最も高い点を通る鋼板面に平行な面を基準面とし、基準面からの表面の深さのヒストグラムを作成した場合に、該ヒストグラムが、深さ0.3μmから2μmの間に少なくとも1つのピークがあり、深さ0μmから5μmの間に存在するピークの中で最大ピークが深さ0.3μmから2μmの間にある亜鉛系めっき鋼板の表面状態を得ることができる。溶融亜鉛めっき鋼板では、上記のように平坦化された領域は、めっき表層に存在した薄いAl酸化物層が物理的に除去され、潤滑皮膜である亜鉛系酸化物層の生成に適した活性化された表面が得られる。
ダル圧延のダルロールのRaを2.0μm以上に規定したのは、Raが2.0μm未満になると、調質圧延後の亜鉛系めっき鋼板のRaが小さくなり、鋼板コイルをハンドリングする際に亜鉛系めっき鋼板同士の摩擦係数が低下し、コイルつぶれなどが懸念されハンドリング性が著しく低下するのためである。Raの上限は規定しないが、塗装後の鮮鋭性の点から5μm以下が好ましい。ダル圧延の圧下率を5%以下に規定したのは、圧下率が5%超になると鋼板の伸びが低下しプレス加工性に悪影響を及ぼすためである。下限は規定しないが、降伏点伸びを消滅させるため0.1%以上が好ましい。
ブライト圧延のブライトロールのRaを0.1μm以下に規定したのは、ダル圧延後ブライト圧延する場合は、ブライトロールのRaが0.1μm超になるとダル圧延でダルロールと接触しなかった部分が、次のブライト圧延時にブライトロールと接触する部分の面積率が低下し、ブライト圧延後ダル圧延する場合は、ブライトロールのRaが0.1μm超になると、ブライト圧延時ブライトロールと接触しなかった部分が、次のダル圧延時にダルロールと接触する部分の面積率が低下し、Al酸化物を除去する作用が低下するためである。Raの下限は規定しないが、圧延ロールの加工コストから0.01μm以上が好ましい。ブライト圧延の圧下率を3%以下0.1%以下に規定したのは、圧下率が3%超になると深さプロファイルの最大ピークの位置が0.3μ未満になり、圧下率が0.1%未満になると深さプロファイルの最大ピークの位置が2μm超になるためである。
なお、Raは、JIS B0601−1994年の中心線平均粗さRaである。
亜鉛系めっき皮膜を形成した鋼板を、調質圧延後、pH緩衝作用を有する酸性溶液に接触させ、接触終了後1〜60秒保持した後水洗乾燥することによりめっき表面に酸化物層を形成する。酸性溶液がpH緩衝作用を持つ溶液であると、めっき表面平坦部に摺動性に優れる亜鉛系酸化物層を安定して形成することができる。
この酸化物層形成メカニズムについては明確ではないが、次のように考えることができる。亜鉛系めっき皮膜を形成した鋼板を酸性溶液に接触させると、めっき皮膜から亜鉛の溶解が生じる。この亜鉛の溶解は、同時に水素発生反応を生じるため、亜鉛の溶解が進行すると、溶液中の水素イオン濃度が減少し、その結果溶液のpHが上昇し、めっき皮膜の表面にZnを主体とする酸化物層を形成すると考えられる。pH緩衝作用を持たない酸性溶液を使用すると、溶液のpHが瞬時に上昇し、酸化物層の形成に十分な亜鉛の溶解が得られず、その結果、摺動性の向上に十分な酸化物層の形成が生じない。これに対して、pH緩衝作用を有する酸性溶液を使用すると、亜鉛が溶解し、水素発生反応が生じても、溶液のpH上昇が緩やかであるため、さらに亜鉛の溶解が進行し、結果的に、摺動性の向上に十分な酸化物の生成が生じる。
酸性溶液のpHが低すぎると、亜鉛の溶解は促進されるが、酸化物が生成しにくくなるため、pHは1.0以上であることが望ましい。一方、pHが高すぎると亜鉛溶解の反応速度が低くなるため、液のpHは5.0以下であることが望ましい。
pH緩衝作用を有する酸性溶液は、pHが2.0〜5.0の領域においてpH緩衝作用を有するものが好ましい。これは、前記pH範囲でpH緩衝作用を有する酸性溶液を使用すると、酸性溶液に接触後、所定時間保持することで、本発明が目的とする酸化物層を安定して得ることができるためである。
このようなpH緩衝作用を有する酸性溶液としては、酢酸ナトリウム(CHCOONa)などの酢酸塩、フタル酸水素カリウム((KOOC))などのフタル酸塩、クエン酸ナトリウム(Na)やクエン酸二水素カリウム(KH)などのクエン酸塩、コハク酸ナトリウム(Na)などのコハク酸塩、乳酸ナトリウム(NaCHCHOHCO)などの乳酸塩、酒石酸ナトリウム(Na)などの酒石酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、硫酸塩のうちの少なくとも1種以上を、前記各成分の含有量を5〜50g/Lの範囲で含有する水溶液を使用することができる。前記濃度が5g/L未満であると、亜鉛の溶解とともに溶液のpH上昇が比較的すばやく生じるため、摺動性の向上に十分な酸化物層を形成することができず、また50g/Lを超えると、亜鉛の溶解が促進され、酸化物層の形成に長時間を有するだけでなく、めっき層の損傷も激しく、本来の防錆鋼板としての役割も失うことが考えられるためである。
このように、使用する酸性溶液がpH緩衝作用を有していれば、摺動性に優れる酸化物層を安定して形成できるため、溶液中に金属イオンや無機化合物などを不純物として、あるいは故意に含有していても本発明の効果が損なわれるものではない。
亜鉛系めっき皮膜を有する鋼板を酸性溶液に接触させる方法には特に制限はなく、酸性溶液に浸漬する方法、めっき鋼板に酸性溶液をスプレーする方法、塗布ロールを介して酸性溶液をめっき鋼板に塗布する方法等があるが、最終的に酸性溶液が薄い液膜状で鋼板表面に存在することが望ましい。鋼板表面に存在する液膜量が少ないと、めっき表面に所望厚さの酸化物層を形成することができない。しかし、鋼板表面に存在する酸性溶液の量が多すぎると、亜鉛の溶解が生じても溶液のpHが上昇せず、次々と亜鉛の溶解が生じるのみであり、酸化物層を形成するまでに長時間を有するだけでなく、めっき層の損傷も激しく、本来の防錆鋼板としての役割も失うことが考えられるためである。この観点から、酸性溶液に接触終了時の液膜量は、1g/m以上15g/m以下に調整することが有効である。液膜量の調整は、絞りロール、エアワイピング等で行うことができる。接触終了は、酸性溶液に浸漬する方法の場合は「浸漬終了」、めっき鋼板に酸性溶液をスプレーする方法の場合は「スプレー終了」、塗布ロールを介して酸性溶液を塗布する方法の場合は「塗布終了」を意味する。
また、酸洗溶液に接触終了後、水洗までの時間(水洗までの保持時間)は、1〜60秒必要である。これは、水洗までの時間が1秒未満であると、溶液のpHが上昇しZnを主体とする酸化物層が形成される前に、酸性溶液が洗い流されるため、摺動性の向上効果が得られず、また60秒を超えても、酸化物層の量に変化が見られないためである。
以上の条件を満たしていれば、亜鉛系めっき鋼板の表面に、効率よく安定的に亜鉛系酸化物層を形成することができる。
酸性溶液が水洗、乾燥後の鋼板表面に残存すると、鋼板コイルが長期保管されたときに錆が発生しやすくなる。係る錆発生を防止する観点から、アルカリ性溶液に浸漬あるいはアルカリ性溶液をスプレーするなどの方法でアルカリ性溶液と接触させて、鋼板表面に残存している酸性溶液を中和する処理を施してもよい。アルカリ性溶液は、表面に形成された亜鉛系酸化物の溶解を防止するためpHは12以下であることが望ましい。前記pHの範囲内であれば、使用する溶液に制限はなく、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウムなど使用することができる。
本発明における亜鉛系酸化物とは、金属成分として亜鉛を主体とする酸化物、水酸化物であり、鉄、Al等の金属成分を合計量として亜鉛よりも少なく含有する場合や、硫酸、硝酸、塩素等のアニオンを合計量として酸素と水酸基のモル数よりも少なく含有する場合も本発明の亜鉛系酸化物に含まれる。なお、亜鉛系酸化物層に酸性溶液のpH調整に使用する硫酸イオンなどのアニオン成分が亜鉛系酸化物層が含有される場合もあるが、硫酸イオンなどのアニオン成分や、pH緩衝作用を有する酸性溶液中に含まれるS、N、P、B、Cl、Na、Mn、Ca、Mg、Ba、Sr、Siなどの不純物、S、N、P、B、Cl、Na、Mn、Ca、Mg、Ba、Sr、Si、O、Cなどを含む化合物は、本発明の効果が損なわれない限り亜鉛系酸化物中に含有されても支障はない。
めっき表層における酸化物層の厚さを10nm以上とすることにより、良好な摺動性を示す亜鉛系めっき鋼板が得られるが、酸化物層の厚さを20nm以上、より好ましくは30nm以上とするとより効果的である。これは、金型と被加工物の接触面積が大きくなるプレス成形加工において、表層の酸化物層が摩耗した場合でも残存し、摺動性の低下を招くことがないためである。一方、酸化物層の厚さの上限は特に設けないが、200nmを超えると表面の反応性が低下し、酸化物層の生成量が低下するため、200nm以下とするのが望ましい。
冷間圧延後焼鈍した厚さ0.7mmの鋼板上に、常法により片面あたりのめっき付着量45g/mの溶融亜鉛めっきを施し、その後、合金化処理を行い、めっき皮膜中のFe含有率を10質量%とした。その後、調質圧延を行った。調質圧延は、Raが2.1μmのダルロールを用いて圧下率0.7%でダル圧延し、引き続いてRaが0.1μmのブライトロールを用いて圧下率を変えてブライト圧延した。調質圧延後、下記の潤滑皮膜形成処理を行い、めっき表面に亜鉛系酸化物皮膜を形成した。比較のために、ダル圧延だけでブライト圧延と潤滑皮膜形成処理を行わないもの、ダル圧延後ブライト圧延を行わずに潤滑皮膜生成処理を行ったものも作成した。
<潤滑皮膜形成処理>
調質圧延した鋼板を、酢酸ナトリウム30g/Lを含有し、50℃、pH2.0の酸性溶液に浸漬した後、酸性溶液槽出側の絞りロールで鋼板表面に付着させる液膜量を調整した。その際、絞りロールの圧力を変化させることで、液膜量を5g/mに調整した。液膜量調整後、10〜30秒放置した後、50℃の温水を鋼板にスプレーして洗浄し、めっき表面に酸化物層を形成した。
前記で作成した各合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面形状プロファイル、酸化物層が存在する領域、酸化物層の厚さ、摺動性を以下の方法で調査した。
<深さプロファイル>
各鋼板について、めっき表面の最も高い点を通る鋼板面に平行な面を基準面とし、該基準面からの深さを測定し、深さのヒストグラムを作成した。測定は光学式表面形状測定機(Canon社、NewView6000)を用い、測定領域:1.41mm×1.06mm、測定点数:640×480点、水平分解能:2.21μmとした。各鋼板について、N数5で測定した。深さのヒストグラムの例を図1に示す。
各深さのヒストグラム(深さプロファイル)から、最大ピークとなる深さを求め、その平均値(5点の平均値)を最大ピークの深さとし、この深さが、深さ0.3〜2μmの間にあるかどうかを判定した。
<酸化物層が存在する領域>
発明例の鋼板について、EPMAを用いて酸素のマッピング分析し,同一領域の表面形状を光学式表面形状測定機で測定することで、深さが0.3μmから2μmの範囲にある表面に酸化物層が形成されていることを確認した。
<酸化物層の厚さ>
酸化物層の厚さの測定には蛍光X線分析装置を使用した。測定時の管球の電圧および電流は30kVおよび100mAとし、分光結晶はTAPに設定してO−Kα線を検出した。O−Kα線の測定に際しては、そのピーク位置に加えてバックグラウンド位置での強度も測定し、O−Kα線の正味の強度が算出できるようにした。なお、ピーク位置およびバックグラウンド位置での積分時間は、それぞれ20秒とした。
また、試料ステージには、これら一連の試料と一緒に、適当な大きさに劈開した膜厚96nm、54nmおよび24nmの酸化シリコン皮膜を形成したシリコンウエハーをセットし、これらの酸化シリコン皮膜からもO−Kα線の強度を算出できるようにした。これらのデータを用いて酸化物層の厚さとO−Kα線強度との検量線を作成し、供試材の酸化物層の厚さを酸化シリコン皮膜換算での酸化物層の厚さとして算出するようにした。
<摺動性>
プレス成形性を評価するために、各供試材の摩擦係数を以下のようにして測定した。
図2は、摩擦係数測定装置を示す概略正面図である。同図に示すように、供試材から採取した摩擦係数測定用試料1が試料台2に固定され、試料台2は、水平移動可能なスライドテーブル3の上面に固定されている。スライドテーブル3の下面には、これに接したローラ4を有する上下動可能なスライドテーブル支持台5が設けられ、これを押上げることにより、ビード6による摩擦係数測定用試料1への押付荷重Nを測定するための第1ロードセル7が、スライドテーブル支持台5に取付けられている。上記押付力を作用させた状態でスライドテーブル3を水平方向へ移動させるための摺動抵抗力Fを測定するための第2ロードセル8が、スライドテーブル3の一方の端部に取付けられている。なお、潤滑油として、スギムラ化学工業(株)製の防錆洗浄油(プレトンR352L、プレトンは登録商標)を試料1の表面に塗布して試験を行った。
図3、図4は使用したビードの形状・寸法を示す概略斜視図である。ビード6の下面が試料1の表面に押し付けられた状態で摺動する。図3に示すビード6の形状は幅10mm、試料の摺動方向長さ12mm、摺動方向両端の下部は曲率半径4.5mmRの曲面で構成され、試料が押し付けられるビード下面は幅10mm、摺動方向長さ3mmの平面を有する。図4に示すビード6の形状は幅10mm、試料の摺動方向長さ69mm、摺動方向両端の下部は曲率4.5mmRの曲面で構成され、試料が押し付けられるビード下面は幅10mm、摺動方向長さ60mmの平面を有する。
摩擦係数の測定は以下に示す2条件で行った。
[条件A]
図3に示すビードを用い、押し付け荷重N:400kgf、試料の引き抜き速度(スライドテーブル3の水平移動速度):100cm/minとした。
[条件B]
図4に示すビードを用い、押し付け荷重N:400kgf、試料の引き抜き速度(スライドテーブル3の水平移動速度):20cm/minとした。
供試材とビードとの間の摩擦係数μは、式:μ=F/Nで算出した。
調質圧延条件及び表面形状プロファイル、酸化物層の厚さ、摺動性の調査結果を表1に示す。
Figure 0005648308
本発明例は、比較例に比べて摺動性が優れることがわかる。
本実施例は,本発明によるブライトスキンパス後潤滑処理の効果を見るために,潤滑皮膜の形成時間(放置時間)を制御して、同じ潤滑皮膜量にした結果を示したものである。潤滑皮膜の形成時間が同じなら、本発明によればブライトスキンパスによって活性化された面積が大きくなるので、潤滑皮膜の形成領域が増え、潤滑皮膜量も増加することになる。潤滑皮膜量の増加によってさらに摺動性は向上する。製造工程を考えると従来のダルロールによる調質圧延のみに比べて本発明によれば、潤滑皮膜を形成できる面積が増えるのでより潤滑皮膜を短時間で形成することができるため生産性を向上できる利点もある。
本発明によれば、プレス成形時における摺動性を向上できるので、より成形の厳しい部材へ適用しても、優れた摺動性を発現できる。

Claims (1)

  1. 表面の最も高い点を通る鋼板面に平行な面を基準面とし、該基準面からの表面の深さのヒストグラムを作成したときに、深さ0.3μmから2μmの間に少なくとも1つのピークがあり、深さ0μmから5μmの間に存在するピークの中で最大ピークが深さ0.3μmから2μmの間にあり、かつ、少なくとも深さが0.3μmから2μmの範囲にある表面に潤滑皮膜を有し、該潤滑皮膜は亜鉛系酸化物で、めっき表面の平均厚さが10nm以上であることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板。
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