JP2003290804A - 溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents
溶融亜鉛めっき鋼板Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、摺動性を従来より良好にして、プレ
ス成形性を改善した溶融亜鉛めっき鋼板を提供すること
を目的としている。 【解決手段】鋼板の表面に溶融亜鉛めっきを施した溶融
亜鉛めっき鋼板において、前記鋼板の表面粗さを0.5
〜1.5μmとすると共に、表面粗さの確率振幅密度分
布で、最高山頂高さまでの頻度が全頻度の2%となる高
さA、さらに谷方向へ1μm寄った高さにおける凸部の
存在確率が0.25〜0.50であり、前記高さAか
ら、さらに谷方向2μmへ寄った高さに対する凹部の体
積を0.5〜2.5×10-3mm3/mm2にする。
ス成形性を改善した溶融亜鉛めっき鋼板を提供すること
を目的としている。 【解決手段】鋼板の表面に溶融亜鉛めっきを施した溶融
亜鉛めっき鋼板において、前記鋼板の表面粗さを0.5
〜1.5μmとすると共に、表面粗さの確率振幅密度分
布で、最高山頂高さまでの頻度が全頻度の2%となる高
さA、さらに谷方向へ1μm寄った高さにおける凸部の
存在確率が0.25〜0.50であり、前記高さAか
ら、さらに谷方向2μmへ寄った高さに対する凹部の体
積を0.5〜2.5×10-3mm3/mm2にする。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融亜鉛めっき鋼
板に係わり、特に自動車用防錆表面処理鋼板として用い
られ、プレス加工時に摺動性が良い溶融亜鉛めっき鋼板
に関する。 【0002】 【従来の技術】これまで、自動車用鋼板としては、加工
性に優れた冷延鋼板、あるいは防錆性に優れ、めっき後
加熱してめっき層をFe−Zn合金とし、摺動性や化成
処理性、電着塗装性を良好にした合金化溶融亜鉛めっき
鋼板(以下、GA鋼板と略す)が主に用いられている。 【0003】ところが、合金化せずに単に99質量%以
上が亜鉛(記号:Zn)のめっき層を有する溶融亜鉛め
っき鋼板は、その亜鉛めっき層が軟質であるため、プレ
ス成形時に型かじりを起こし易く、自動車用鋼板として
の利用はあまりなされていなかった。しかしながら、近
年、経済性の観点より、かかる安価で防錆性に富む溶融
亜鉛めっき鋼板を自動車用鋼板として用いることが検討
されるようになり、該溶融亜鉛めっき鋼板の外観やプレ
ス成形性といった性能を以前より向上させる必要が生じ
ている。 【0004】今まで自動車用鋼板として多用されてきた
前記の冷延鋼板やGA鋼板については、表面粗度及び形
状を調整して摺動性を改善し、そのプレス成形性を向上
させる方法や鋼板が多々開示されている。 【0005】例えば、特開平2−274860号公報
は、予めレーザで粗度を付与したロールで冷延して、鋼
板に粗度を転写させる方法を、特開平9−29304号
公報は、算術平均粗度(Ra)が0.2超え〜0.4μ
mの平坦部に、該平坦部からの深さが10μm〜30μ
mで、面積が0.0001〜0.01mm2(面積率で
5〜30%)の凹部を存在させた冷延鋼板を、日本国特
許No.2685576号は、平均粗さ0.2μm以下
の平坦部が鋼板表面の30%以上を占め、その中に深さ
1μm以上の凹部が分布する冷延鋼板を開示している。 【0006】また、GA鋼板についても、プレス成形性
を良好とするための技術開発が種々なされている。例え
ば、特開平2−274855号公報は、Rmaxが8μ
m以上、最も高い山部からRmaxの20%下がった位
置までの間に位置する表面面積率が40〜90%とした
表面を有する鋼板を提案している。さらに、特開平5−
117831号公報は、SRaが0.7〜1.4μmで
あって、表面粗さの確率振幅密度分布における歪度Sが
−0.3〜0.1とした鋼板を、日本国特許No.31
39231号は、深さ2μm以上の凹部が200〜82
00個/mm2、相対負荷長さTp(2μm)が30〜
90%にした鋼板を開示している。加えて、日本国特許
No.3139232号は、深さ2μm以上の凹部が2
00〜8200個/mm2、面積率(凹部開口面積が占
める割合)が10〜70%を満足する凹部が存在する鋼
板を開示している。 【0007】しかしながら、前記冷延鋼板に付与した粗
度は、溶融亜鉛めっきを施すと、ほとんど消滅し、平滑
な形状となる。また、溶融亜鉛めっき後、冷延鋼板と同
様の方法でめっき表面に粗度を付与することも考えられ
るが、製造装置(ライン)が異なるばかりでなく、粗度
を付与するための圧延での鋼板伸び率等の条件も異なる
ので、冷延板と同様な方法での粗度の付与は適当でな
い。また、表面が冷延鋼板では硬質の鉄であるが、溶融
亜鉛めっき鋼板では軟質のめっき層(Zn)であるた
め、同様な粗度の付与方法で摺動性が向上するかどうか
は明確でない。例えば、同等条件での摺動時、鉄は硬く
て潰れ難いが、めっき層は軟らかいので、金型との接触
面積及び摩擦係数が大きくなり、プレス成形時に型かじ
りを起こす等、冷延鋼板と異なる現象が起きる。 【0008】一方、GA鋼板でのプレス成形性向上のた
めの技術は、溶融亜鉛めっき後の合金化処理で、めっき
層厚さの局所的な相違による凹凸や表面Fe−Zn結晶
による1〜数μm程度の微細凹凸を形成させるので、溶
融亜鉛めっきで消滅した冷延鋼板での粗度が比較的復活
している。そのため、合金化前後で、つまり「溶融亜鉛
めっき鋼板」と「GA鋼板」の表面形状は全く異なった
ものになる。このように、GA鋼板では、焼鈍、めっき
及び合金化等の条件によって表面形状を変化させること
が可能であるが、溶融亜鉛めっき鋼板では、それらの条
件による影響はほとんど受けないので、別途めっき後の
調質圧延で粗度を付与しなければならない。また、GA
鋼板の表層は、基本的にZn−Fe合金が形成されてお
り、めっき相の硬度が200〜300Hv程度と溶融亜
鉛めっき鋼板の硬度50Hvに比べ非常に硬い。さら
に、Zn−Fe合金相は硬いけれども脆い性質を持つの
で、フレーキングと呼ばれるめっき剥離を起こし易い。
これは、溶融亜鉛めっき鋼板では見られない現象であ
る。 【0009】以上述べたようにめっきの表面状態(種
類)が異なると、摺動の形態も異なるようになるため、
GA鋼板に対して提案されている技術は、溶融亜鉛めっ
き鋼板には適用できない。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑み、摺動性を従来より良好にして、プレス成形性を
改善した溶融亜鉛めっき鋼板を提供することを目的とし
ている。 【0011】 【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため鋭意研究を重ね、その成果を本発明に具現化
した。 【0012】すなわち、本発明は、表面に溶融亜鉛めっ
きが施されてなる溶融亜鉛めっき鋼板であって、前記鋼
板の表面粗さRaが0.5〜1.5μmであると共に、
表面粗さの確率振幅密度分布で、最高山頂高さまでの頻
度が全頻度の2%となる高さAから、さらに谷方向へ1
μm寄った高さにおける凸部の存在確率が0.25〜
0.50であり、前記高さAから、さらに谷方向2μm
へ寄った高さに対する凹部の体積が0.5〜2.5×1
0-3mm3/mm2であることを特徴とする溶融亜鉛めっ
き鋼板である。 【0013】本発明によれば、低面圧及び高面圧での摺
動性が共に良好な、自動車用鋼板として有用な溶融亜鉛
めっき鋼板が得られるようになる。 【0014】 【発明の実施の形態】自動車用鋼板のプレス加工では、
鋼板と金型との接触が弱いところ及び強いところの両方
が存在する。つまり、低面圧のところでも、高面圧のと
ころでも共に良好な摺動性を発揮し、成形性に優れた鋼
板が要求される。 【0015】そこで、発明者らは、種々の表面形状を有
する溶融亜鉛めっき鋼板を試作し、それらの低面圧・高
面圧での摺動性(成型性)を評価することにより、自動
車用鋼板として成形性が良好な溶融亜鉛めっき鋼板を得
ることができた。 【0016】以下に、図面を参照して本発明の実施の形
態を説明する。 【0017】まず、低面圧での摺動は、発明者らの調査
により、溶融亜鉛めっき鋼板(以下、単にめっき鋼板と
いう)の表面粗度(JISで規定された算術平均粗さ:
記号Ra)と良好な相関があり、Raが小さくて平坦な
めっき鋼板ほど摺動性が良好なことがわかった。これ
は、図1(a)に示すように、高Raのめっき鋼板1
は、大きな凸部2が存在し易いので、その大きな凸部2
に金型3の面が引っかかりやすく、摩擦抵抗が大きくな
るためである。これに対して、低Raのめっき鋼板4
は、大きな凸部2の存在確率が減少し、小さな凸部5が
多く存在するようになるので、金型3の面との摩擦抵抗
は小さくなり、摺動性は良好となると推定される。 【0018】一方、高面圧での摺動は、低面圧の場合と
異なり、めっき鋼板のRaが大きいほど良好になるよう
な傾向が見られた。ただし、Ra値が同一のめっき鋼板
でも、高面圧での摺動が良好なものと悪いものとがあっ
て、Raの調整だけでは摺動性を良好にできないことが
わかった。 【0019】そこで、発明者は、引き続き高面圧での摺
動について鋭意検討した。そして、めっき鋼板表面の山
部(凸部ともいう)は、摺動時に金型面でほとんど潰さ
れ、主として谷部(凹部ともいう)が残存するようにな
るが、その谷部には、プレス加工で使用する潤滑油が溜
まることに着眼した。そして、高面圧での摺動を良好に
するには、この谷部に溜まる潤滑油を山部へ吹き出させ
て、摺動時の摩擦抵抗を低減すれば良いと考えた。つま
り、低面圧及び高面圧での摺動を共に良好にするには、
低面圧では、金型の面と接触する山部が平坦であり、高
面圧では、油溜まりとなるような谷部が十分に存在する
ことが重要であると結論した。 【0020】さらに、発明者は、この考えを実現させる
具体的な手段について鋭意研究を行い、鋼板の表面粗さ
Raを0.5〜1.5μmにすると共に、表面粗さの確
率振幅密度分布で、最高山頂高さまでの頻度が全頻度の
2%となる高さAから、さらに谷方向へ1μm寄った高
さにおける凸部の存在確率が0.25〜0.50であ
り、前記高さAから、さらに谷方向2μmへ寄った高さ
に対する凹部の体積を0.5〜2.5×10-3mm3/
mm2にすれば、該鋼板は、低面圧及び高面圧のいずれ
の摺動でも良好な摺動性を示すことを見い出し、このこ
とをベースにして本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板を完
成させたのである。 【0021】本発明で、表面粗さの確率振幅密度分布に
おいて、最高山頂高さまでの頻度が全頻度の2%となる
高さAとは、図2に示すように、表面粗さの確率振幅密
度分布において、最高山頂高さhmaxから高さAまで
の頻度が全頻度に対して2%となる高さAのことを意味
する。すなわち、確率振幅密度分布f(h)から、高さ
Aは下記(1)式を満たす高さであることを意味する。 【0022】 【数1】 【0023】但し、f(h):表面粗さの確率振幅密度
分布曲線 h:高さ hmax:表面粗さの確率振幅密度分布曲線における最
高山頂高さ hmin:表面粗さの確率振幅密度分布曲線における最
低谷底高さ ここで、確率振幅密度分布とは、表面形状の凹凸曲線を
ある高さの直線で切った時、その直線と凹凸曲線の交点
の数をその高さの頻度とし、それぞれの高さにおける頻
度の分布を確率分布とすることにより求められるもので
ある。高さに対する頻度をヒストグラムに表わせば、図
2に示すような確率振幅分布曲線f(h)が得られる。
また、この高さAから谷方向へ1μm寄った平断面にお
ける凸部の存在確率とは、図3に示すように、表面粗さ
曲線Sにおいて、高さAより1μm谷方向へ寄った高さ
Bでの平面により切断される凸部の面積(図3中X部分
を矢印Z方向から見た面積)の総和を全面積(Z方向か
ら見た全面積)で除した値を意味する。 【0024】また、高さAからさらに谷方向へ2μm寄
った高さに対する凹部の体積とは、図3に示すように、
前記高さAから谷方向へ2μm寄った高さCで表面粗さ
曲面を切断したときに生じる凹部の体積(図3中凹部Y
の体積)を意味する。 【0025】以下、上記のように、表面状態を規定した
理由について説明する。本発明者らは、通常の圧延工程
にて熱間圧延、酸洗、冷間圧延を順次行い、板厚0.8
mmの冷延鋼板を製造し、その鋼板を、焼鈍温度800
℃で再結晶焼鈍を行ってから、溶融亜鉛めっき浴に浸漬
してめっきを施して溶融亜鉛めっき鋼板(以下GI鋼板
という)を製造した後、種々のワークロールを用いて調
質圧延を行い、GI鋼板の表面形状の摺動性に及ぼす影
響を調査した。 【0026】そして、低面圧時の摺動性については、表
面粗さ曲線が図4(a)に示すように、山頂部が平坦形
状である場合の方が、図4(b)に示すような表面粗さ
曲線を示す場合に比べて、摺動性が良好となることがわ
かった。そして、山頂部の平坦さの程度は、確率振幅密
度分布において、山頂部近傍の所定高さ範囲での凸部の
存在確率で評価でき、前記式(1)を満たす高さAから
谷方向へ1μm寄った高さおける凸部存在確率と低面圧
時の摺動性とに強い相関があることを知見した。 【0027】そして、高さAから谷方向へ1μm寄った
高さにおける凸部存在確率(以下単に凸部存在確率とい
う)が0.25未満では、山頂部の平坦さが十分でない
ため、山部がヤスリのような効果をもたらし、金型面と
の摩擦抵抗を大きくするためと推定される。ここで、前
記式(1)を満たす高さAから谷方向へ1μm寄った高
さにおける凸部存在確率で評価するのは、前記高さAよ
り高い凸部は存在確率が2%の特異的に高い凸部であ
り、存在しても摺動性に大きな影響を及ぼさないためで
ある。そして、この高さAから1μmだけ谷側へ寄った
高さBを凸部存在確率を評価する境界値とするのは、前
述のように、この高さBを境界値として求めた凸部存在
確率が低面圧時の摺動性と相関があったからである。 【0028】図5に、GI鋼板の、表面粗さを測定し、
前記式(1)を満たす高さAの平面またはAの高さから
1μm谷方向へ寄った高さBの平面を境界面として、そ
れ以上の高さの部分(該平面より高い凸部分)とそれ未
満の高さの部分とを画像解析により2値化し、白黒で表
した2値化マップの例を示す。図5に示した2値化マッ
プでは黒色部分が高さが境界面の高さ以上である部分、
白色部分が境界面より低い部分を示している。図5
(a)は境界面の高さがAである場合であり、黒色部分
の面積率が少ないことがわかる。図5(b)は境界面の
高さがBである場合であり、黒色部分の面積率が37%
であった。 【0029】次に、高面圧時の摺動性について、凸部存
在確率を変化させたGI鋼板に対して、後述する高面圧
試験により金型との摩擦係数を調査して評価した結果、
高面圧時の摺動性に対しては、前記の凸部存在確率が
0.25未満、あるいは、0.50超の場合は、摩擦係
数が大きくなることがわかった。これは、凸部存在確率
が0.25より小さいと、金型にてGI鋼板を押さえ付
けたときに、潰される凸部の面積が小さく、独立した凹
部が形成し難くなり、凹部内に潤滑油が封じ込まれず、
油圧が凹部を伝わって分散してしまい、油溜まり効果が
発揮されないためと考えられる。また、凸部存在確率が
0.50超では、金型にてGI鋼板を押さえ付けたとき
に、潤滑油の充満した独立した凹部は局所的にしか存在
しないことになり、油の噴き出し効果による凸部への潤
滑油の供給が不十分になるための考えられる。 【0030】一方、凸部存在確率が0.25〜0.50
の場合には、摩擦係数が低いものと高いものがあること
から、凸部存在確率が0.25〜0.50の範囲であっ
たとしても、金型にて押え付けたときに、十分に潤滑油
が溜まる凹部空間があるものと、ないものが混在してい
るため、摩擦係数がばらつくのではないかとの発想に至
った。そして、高面圧時の金型とGI鋼板表面との接触
状態についてさらに詳細な検討を加えた結果、高面圧時
には、GI鋼板の表面の凹凸における凸部は、前記式
(1)を満たす高さAからおよそ2μm谷側に寄った高
さまで潰され、潰された後に残る凹部の体積の大小が、
上記の摩擦係数のばらつきの原因であることがわかっ
た。そして、この凹部の体積、すなわち、前記式(1)
を満たす高さAから谷方向へ2μm寄った平面に対する
凹部の体積(以下単に凹部体積という)が0.5〜2.
5×10-3mm3/mm2の範囲が、高面圧時の摺動性に
対して最適であることがわかった。凹部体積が0.5×
10-3mm3/mm2未満では、凹部に溜まる潤滑油が少
なく油溜まり効果が不十分であり、2.5×10-3mm
3/mm2超となると凹部が必要以上に深く、油の噴き出
し効果がなくなるためと考えられる。 【0031】以上のことから、本発明では、低面圧時の
摺動性と高面圧時の摺動性との両方を考慮して、該鋼板
表面の凹凸状態について、上記式(1)を満たす高さA
から谷方向へ1μm寄った高さにおける凸部の存在確率
が0.25〜0.50であり、さらに、上記式(1)を
満たす高さAから谷方向へ2μm寄った高さに対する凹
部の体積が0.5〜2.5×10-3mm3/mm2である
ことを必要とする。 【0032】次に、以上説明した本発明の溶融亜鉛めっ
き鋼板を製造するの好適な製造方法について説明する。 【0033】常法にしたがい製造された熱延鋼板あるい
は冷延鋼板に対して、溶融亜鉛めっきを施して溶融亜鉛
めっき鋼板(GI鋼板)とする。このままでは、GI鋼
板の表面形状は平滑形状であり、前述した表面粗さR
a、凸部存在確率、凹部の体積を満たしていない。そこ
で、このGI鋼板に対して、調質圧延を施す。このと
き、調質圧延に用いるワークロールの表面形状と、調質
圧延時の伸び率を調整することにより、GI鋼板の表面
形状を、上記した本発明の範囲に調整することができ
る。図6(a)に、本発明のGI鋼板を製造するのに好
適な調質圧延用ワークロールの表面形状を示す。このワ
ークロールは、比較的なだらかな平坦部と、凸部とを有
している。そのため、このワークロールを用いて調質圧
延を行うと、GI鋼板の表面は、平坦部と凹部とが存在
する形状となる。一方、図6(b)に示すような表面粗
さRaが1.2μm程度であり、凹凸が全表面に分布
し、凸部の山頂部に平坦部がないワークロールを用い
て、このワークロール表面形状を十分転写させる調質圧
延を行うと、GI鋼板表面にも激しい凹凸が形成されて
しまうので、山頂付近の平坦部を付与できず摺動性が確
保できない。 【0034】したがって、調質圧延時に使用するワーク
ロールの表面を、放電加工、レーザー加工、エッチング
加工等の手段で加工して、平坦部と凸部とを適当な面積
率で存在させ、このワークロールを用いて十分な転写率
を確保できる伸び率にて調質圧延を行うことにより、上
述した本発明のGI鋼板を製造することができる。 【0035】また、図6(b)に示した通常の凹凸を有
するワークロールを用いても、図7(a)に示すよう
に、軽圧下としてワークロールの表面形状のGI鋼板へ
の転写を低く抑え、表面の凸部のみが転写するようにす
ることによって、図7(b)に示すように・山頂付近の
平坦部と、凹部との形成させることができる。 【0036】さらに、別の方法として、図6(b)に示
すような表面に凹凸を有するワークロールを用いて調質
圧延を施し、前述の図4(b)に示すようにGI鋼板の
表面にワークロールの凹凸形状を転写させ、その後、表
面が平滑なワークロールを用いて軽圧下の調質圧延を行
い、図4(a)に示すように凸部の山頂付近を平坦にす
るという手法によってもよい。この場合の、1回目の調
質圧延時のワークロール表面形状および伸び率、2回目
の調質圧延時のワークロール表面形状および伸び率は、
上述した本発明のGI鋼板の表面形状を得られるように
適宜決定すればよい。ただし、1回目の調質圧延時の伸
び率を高くし、2回目の調質圧延時の伸び率を低くする
必要がある。 【0037】 【実施例】通常の圧延工程にて、熱間圧延、酸洗、冷間
圧延を順次行い製造した板厚0.8mmの冷延鋼板を、
連続焼鈍ラインで焼鈍した後、連続溶融亜鉛めっきライ
ンで溶融亜鉛めっきを施し溶融亜鉛めっき鋼板(GI鋼
板)とした。その後、GI鋼板に対して、ワークロール
の表面形状、伸び率を種々変更して調質圧延を行い、種
々の表面形状を有するGI鋼板を製造した。 【0038】表1に調質圧延に用いたワークロール表面
の加工方法、ワークロールの表面形状、調質圧延時のワ
ークロール表面形状の鋼板への転写率、得られたGI鋼
板の表面形状を示す。ここで、ワークロールの表面形状
は「凹凸」とは、図6(b)に示した表面形状であるこ
とを意味し、「平坦凹部有り」とは、図6(a)に示し
た表面形状であることを意味する。 【0039】また、GI鋼板の表面形状については、以
下のようにして測定した。 【0040】表面粗さRa 接触式表面粗さ測定装置を用いて、先端2μmの触針を
用い、カットオフ値0.8mmで2.5mm長の粗さ曲
線から鋼板の算術平均粗さ(Ra)を求めた。 【0041】凸部存在確率、凹部体積 接触式表面粗さ測定装置で、先端2μmの触針を用い、
鋼板上の面積2mm×1mmについて、x方向に1μm
間隔で2mm(2000ポイント)の測定を、y方向に
10μm間隔で1mm(100本)に渡って測定し、3
次元表面粗さを測定し、測定結果から確率振幅密度分布
を求め、上記式(1)を満たす高さAを求めた。そし
て、3次元表面粗さ測定結果から、該高さAから1μm
谷方向へ寄った高さにおける凸部の存在確率、および、
該高さAから2μm谷方向へ寄った高さCの平面を境界
面として、該境界面より谷側についての凹部体積を、画
像解析により算出した。 【0042】また、得られたGI鋼板を低面圧、高面圧
の2条件で摺動試験を行い摺動性の評価を行った。摺動
性試験は以下の要領にて行った。 【0043】低面圧試験:鋼板の剪断時に発生するバリ
を除いた後、日本パーカーライジング(株)製の防錆油
(ノックスラスト550KH)を鋼板表面に1.5kg
/m2塗油し、平板摺動金型を用いて摺動試験を行い、
引き抜き荷重より摩擦係数を計算した。面圧は1kgf
/mm2(=9.8MPa)で、摺動距離は100m
m、金型面は#1000のペーパーで研磨したものを用
いた。摩擦係数の計算結果から、0.14以下を○、
0.14超〜0.15を△、0.15超を×として評価
した。 【0044】高面圧試験 日本パーカーライジング(株)製の防錆油(ノックスラ
スト550KH)を鋼板表面に1.5g/m2塗油し、
ボタン型摺動金型を用い、200kgf(=1.96k
N)の荷重で摺動試験を行い、摩擦係数を計算した。摺
動部の面積は、約2.5mmφであり、摺動距離は50
mmとした。金型面は#1000のペーパーで研磨した
ものを用いた。摩擦係数の計算結果から、0.10以下
を○、0.l0超〜0.11を△、0.11超を×とし
て評価した。 【0045】摺動性試験の結果を表1に示す。 【0046】表1より、実施例の鋼板は、いずも低面
圧、高面圧両方の条件において摩擦係数が○であり、摺
動性が良好であることがわかる。これに対して、比較例
は、鋼板表面の表面粗さRa、凸部存在確率、凹部体積
のうちのいずれかが本発明の範囲から外れているため、
低面圧あるいは高面圧のいずれかあるいは両方における
摺動性が悪いことがわかる。 【0047】 【表1】 【0048】 【発明の効果】以上述べたように、本発明により、摺動
性を従来より良好にして、プレス成形性を改善した溶融
亜鉛めっき鋼板が容易に製造できるようになる。
板に係わり、特に自動車用防錆表面処理鋼板として用い
られ、プレス加工時に摺動性が良い溶融亜鉛めっき鋼板
に関する。 【0002】 【従来の技術】これまで、自動車用鋼板としては、加工
性に優れた冷延鋼板、あるいは防錆性に優れ、めっき後
加熱してめっき層をFe−Zn合金とし、摺動性や化成
処理性、電着塗装性を良好にした合金化溶融亜鉛めっき
鋼板(以下、GA鋼板と略す)が主に用いられている。 【0003】ところが、合金化せずに単に99質量%以
上が亜鉛(記号:Zn)のめっき層を有する溶融亜鉛め
っき鋼板は、その亜鉛めっき層が軟質であるため、プレ
ス成形時に型かじりを起こし易く、自動車用鋼板として
の利用はあまりなされていなかった。しかしながら、近
年、経済性の観点より、かかる安価で防錆性に富む溶融
亜鉛めっき鋼板を自動車用鋼板として用いることが検討
されるようになり、該溶融亜鉛めっき鋼板の外観やプレ
ス成形性といった性能を以前より向上させる必要が生じ
ている。 【0004】今まで自動車用鋼板として多用されてきた
前記の冷延鋼板やGA鋼板については、表面粗度及び形
状を調整して摺動性を改善し、そのプレス成形性を向上
させる方法や鋼板が多々開示されている。 【0005】例えば、特開平2−274860号公報
は、予めレーザで粗度を付与したロールで冷延して、鋼
板に粗度を転写させる方法を、特開平9−29304号
公報は、算術平均粗度(Ra)が0.2超え〜0.4μ
mの平坦部に、該平坦部からの深さが10μm〜30μ
mで、面積が0.0001〜0.01mm2(面積率で
5〜30%)の凹部を存在させた冷延鋼板を、日本国特
許No.2685576号は、平均粗さ0.2μm以下
の平坦部が鋼板表面の30%以上を占め、その中に深さ
1μm以上の凹部が分布する冷延鋼板を開示している。 【0006】また、GA鋼板についても、プレス成形性
を良好とするための技術開発が種々なされている。例え
ば、特開平2−274855号公報は、Rmaxが8μ
m以上、最も高い山部からRmaxの20%下がった位
置までの間に位置する表面面積率が40〜90%とした
表面を有する鋼板を提案している。さらに、特開平5−
117831号公報は、SRaが0.7〜1.4μmで
あって、表面粗さの確率振幅密度分布における歪度Sが
−0.3〜0.1とした鋼板を、日本国特許No.31
39231号は、深さ2μm以上の凹部が200〜82
00個/mm2、相対負荷長さTp(2μm)が30〜
90%にした鋼板を開示している。加えて、日本国特許
No.3139232号は、深さ2μm以上の凹部が2
00〜8200個/mm2、面積率(凹部開口面積が占
める割合)が10〜70%を満足する凹部が存在する鋼
板を開示している。 【0007】しかしながら、前記冷延鋼板に付与した粗
度は、溶融亜鉛めっきを施すと、ほとんど消滅し、平滑
な形状となる。また、溶融亜鉛めっき後、冷延鋼板と同
様の方法でめっき表面に粗度を付与することも考えられ
るが、製造装置(ライン)が異なるばかりでなく、粗度
を付与するための圧延での鋼板伸び率等の条件も異なる
ので、冷延板と同様な方法での粗度の付与は適当でな
い。また、表面が冷延鋼板では硬質の鉄であるが、溶融
亜鉛めっき鋼板では軟質のめっき層(Zn)であるた
め、同様な粗度の付与方法で摺動性が向上するかどうか
は明確でない。例えば、同等条件での摺動時、鉄は硬く
て潰れ難いが、めっき層は軟らかいので、金型との接触
面積及び摩擦係数が大きくなり、プレス成形時に型かじ
りを起こす等、冷延鋼板と異なる現象が起きる。 【0008】一方、GA鋼板でのプレス成形性向上のた
めの技術は、溶融亜鉛めっき後の合金化処理で、めっき
層厚さの局所的な相違による凹凸や表面Fe−Zn結晶
による1〜数μm程度の微細凹凸を形成させるので、溶
融亜鉛めっきで消滅した冷延鋼板での粗度が比較的復活
している。そのため、合金化前後で、つまり「溶融亜鉛
めっき鋼板」と「GA鋼板」の表面形状は全く異なった
ものになる。このように、GA鋼板では、焼鈍、めっき
及び合金化等の条件によって表面形状を変化させること
が可能であるが、溶融亜鉛めっき鋼板では、それらの条
件による影響はほとんど受けないので、別途めっき後の
調質圧延で粗度を付与しなければならない。また、GA
鋼板の表層は、基本的にZn−Fe合金が形成されてお
り、めっき相の硬度が200〜300Hv程度と溶融亜
鉛めっき鋼板の硬度50Hvに比べ非常に硬い。さら
に、Zn−Fe合金相は硬いけれども脆い性質を持つの
で、フレーキングと呼ばれるめっき剥離を起こし易い。
これは、溶融亜鉛めっき鋼板では見られない現象であ
る。 【0009】以上述べたようにめっきの表面状態(種
類)が異なると、摺動の形態も異なるようになるため、
GA鋼板に対して提案されている技術は、溶融亜鉛めっ
き鋼板には適用できない。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑み、摺動性を従来より良好にして、プレス成形性を
改善した溶融亜鉛めっき鋼板を提供することを目的とし
ている。 【0011】 【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため鋭意研究を重ね、その成果を本発明に具現化
した。 【0012】すなわち、本発明は、表面に溶融亜鉛めっ
きが施されてなる溶融亜鉛めっき鋼板であって、前記鋼
板の表面粗さRaが0.5〜1.5μmであると共に、
表面粗さの確率振幅密度分布で、最高山頂高さまでの頻
度が全頻度の2%となる高さAから、さらに谷方向へ1
μm寄った高さにおける凸部の存在確率が0.25〜
0.50であり、前記高さAから、さらに谷方向2μm
へ寄った高さに対する凹部の体積が0.5〜2.5×1
0-3mm3/mm2であることを特徴とする溶融亜鉛めっ
き鋼板である。 【0013】本発明によれば、低面圧及び高面圧での摺
動性が共に良好な、自動車用鋼板として有用な溶融亜鉛
めっき鋼板が得られるようになる。 【0014】 【発明の実施の形態】自動車用鋼板のプレス加工では、
鋼板と金型との接触が弱いところ及び強いところの両方
が存在する。つまり、低面圧のところでも、高面圧のと
ころでも共に良好な摺動性を発揮し、成形性に優れた鋼
板が要求される。 【0015】そこで、発明者らは、種々の表面形状を有
する溶融亜鉛めっき鋼板を試作し、それらの低面圧・高
面圧での摺動性(成型性)を評価することにより、自動
車用鋼板として成形性が良好な溶融亜鉛めっき鋼板を得
ることができた。 【0016】以下に、図面を参照して本発明の実施の形
態を説明する。 【0017】まず、低面圧での摺動は、発明者らの調査
により、溶融亜鉛めっき鋼板(以下、単にめっき鋼板と
いう)の表面粗度(JISで規定された算術平均粗さ:
記号Ra)と良好な相関があり、Raが小さくて平坦な
めっき鋼板ほど摺動性が良好なことがわかった。これ
は、図1(a)に示すように、高Raのめっき鋼板1
は、大きな凸部2が存在し易いので、その大きな凸部2
に金型3の面が引っかかりやすく、摩擦抵抗が大きくな
るためである。これに対して、低Raのめっき鋼板4
は、大きな凸部2の存在確率が減少し、小さな凸部5が
多く存在するようになるので、金型3の面との摩擦抵抗
は小さくなり、摺動性は良好となると推定される。 【0018】一方、高面圧での摺動は、低面圧の場合と
異なり、めっき鋼板のRaが大きいほど良好になるよう
な傾向が見られた。ただし、Ra値が同一のめっき鋼板
でも、高面圧での摺動が良好なものと悪いものとがあっ
て、Raの調整だけでは摺動性を良好にできないことが
わかった。 【0019】そこで、発明者は、引き続き高面圧での摺
動について鋭意検討した。そして、めっき鋼板表面の山
部(凸部ともいう)は、摺動時に金型面でほとんど潰さ
れ、主として谷部(凹部ともいう)が残存するようにな
るが、その谷部には、プレス加工で使用する潤滑油が溜
まることに着眼した。そして、高面圧での摺動を良好に
するには、この谷部に溜まる潤滑油を山部へ吹き出させ
て、摺動時の摩擦抵抗を低減すれば良いと考えた。つま
り、低面圧及び高面圧での摺動を共に良好にするには、
低面圧では、金型の面と接触する山部が平坦であり、高
面圧では、油溜まりとなるような谷部が十分に存在する
ことが重要であると結論した。 【0020】さらに、発明者は、この考えを実現させる
具体的な手段について鋭意研究を行い、鋼板の表面粗さ
Raを0.5〜1.5μmにすると共に、表面粗さの確
率振幅密度分布で、最高山頂高さまでの頻度が全頻度の
2%となる高さAから、さらに谷方向へ1μm寄った高
さにおける凸部の存在確率が0.25〜0.50であ
り、前記高さAから、さらに谷方向2μmへ寄った高さ
に対する凹部の体積を0.5〜2.5×10-3mm3/
mm2にすれば、該鋼板は、低面圧及び高面圧のいずれ
の摺動でも良好な摺動性を示すことを見い出し、このこ
とをベースにして本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板を完
成させたのである。 【0021】本発明で、表面粗さの確率振幅密度分布に
おいて、最高山頂高さまでの頻度が全頻度の2%となる
高さAとは、図2に示すように、表面粗さの確率振幅密
度分布において、最高山頂高さhmaxから高さAまで
の頻度が全頻度に対して2%となる高さAのことを意味
する。すなわち、確率振幅密度分布f(h)から、高さ
Aは下記(1)式を満たす高さであることを意味する。 【0022】 【数1】 【0023】但し、f(h):表面粗さの確率振幅密度
分布曲線 h:高さ hmax:表面粗さの確率振幅密度分布曲線における最
高山頂高さ hmin:表面粗さの確率振幅密度分布曲線における最
低谷底高さ ここで、確率振幅密度分布とは、表面形状の凹凸曲線を
ある高さの直線で切った時、その直線と凹凸曲線の交点
の数をその高さの頻度とし、それぞれの高さにおける頻
度の分布を確率分布とすることにより求められるもので
ある。高さに対する頻度をヒストグラムに表わせば、図
2に示すような確率振幅分布曲線f(h)が得られる。
また、この高さAから谷方向へ1μm寄った平断面にお
ける凸部の存在確率とは、図3に示すように、表面粗さ
曲線Sにおいて、高さAより1μm谷方向へ寄った高さ
Bでの平面により切断される凸部の面積(図3中X部分
を矢印Z方向から見た面積)の総和を全面積(Z方向か
ら見た全面積)で除した値を意味する。 【0024】また、高さAからさらに谷方向へ2μm寄
った高さに対する凹部の体積とは、図3に示すように、
前記高さAから谷方向へ2μm寄った高さCで表面粗さ
曲面を切断したときに生じる凹部の体積(図3中凹部Y
の体積)を意味する。 【0025】以下、上記のように、表面状態を規定した
理由について説明する。本発明者らは、通常の圧延工程
にて熱間圧延、酸洗、冷間圧延を順次行い、板厚0.8
mmの冷延鋼板を製造し、その鋼板を、焼鈍温度800
℃で再結晶焼鈍を行ってから、溶融亜鉛めっき浴に浸漬
してめっきを施して溶融亜鉛めっき鋼板(以下GI鋼板
という)を製造した後、種々のワークロールを用いて調
質圧延を行い、GI鋼板の表面形状の摺動性に及ぼす影
響を調査した。 【0026】そして、低面圧時の摺動性については、表
面粗さ曲線が図4(a)に示すように、山頂部が平坦形
状である場合の方が、図4(b)に示すような表面粗さ
曲線を示す場合に比べて、摺動性が良好となることがわ
かった。そして、山頂部の平坦さの程度は、確率振幅密
度分布において、山頂部近傍の所定高さ範囲での凸部の
存在確率で評価でき、前記式(1)を満たす高さAから
谷方向へ1μm寄った高さおける凸部存在確率と低面圧
時の摺動性とに強い相関があることを知見した。 【0027】そして、高さAから谷方向へ1μm寄った
高さにおける凸部存在確率(以下単に凸部存在確率とい
う)が0.25未満では、山頂部の平坦さが十分でない
ため、山部がヤスリのような効果をもたらし、金型面と
の摩擦抵抗を大きくするためと推定される。ここで、前
記式(1)を満たす高さAから谷方向へ1μm寄った高
さにおける凸部存在確率で評価するのは、前記高さAよ
り高い凸部は存在確率が2%の特異的に高い凸部であ
り、存在しても摺動性に大きな影響を及ぼさないためで
ある。そして、この高さAから1μmだけ谷側へ寄った
高さBを凸部存在確率を評価する境界値とするのは、前
述のように、この高さBを境界値として求めた凸部存在
確率が低面圧時の摺動性と相関があったからである。 【0028】図5に、GI鋼板の、表面粗さを測定し、
前記式(1)を満たす高さAの平面またはAの高さから
1μm谷方向へ寄った高さBの平面を境界面として、そ
れ以上の高さの部分(該平面より高い凸部分)とそれ未
満の高さの部分とを画像解析により2値化し、白黒で表
した2値化マップの例を示す。図5に示した2値化マッ
プでは黒色部分が高さが境界面の高さ以上である部分、
白色部分が境界面より低い部分を示している。図5
(a)は境界面の高さがAである場合であり、黒色部分
の面積率が少ないことがわかる。図5(b)は境界面の
高さがBである場合であり、黒色部分の面積率が37%
であった。 【0029】次に、高面圧時の摺動性について、凸部存
在確率を変化させたGI鋼板に対して、後述する高面圧
試験により金型との摩擦係数を調査して評価した結果、
高面圧時の摺動性に対しては、前記の凸部存在確率が
0.25未満、あるいは、0.50超の場合は、摩擦係
数が大きくなることがわかった。これは、凸部存在確率
が0.25より小さいと、金型にてGI鋼板を押さえ付
けたときに、潰される凸部の面積が小さく、独立した凹
部が形成し難くなり、凹部内に潤滑油が封じ込まれず、
油圧が凹部を伝わって分散してしまい、油溜まり効果が
発揮されないためと考えられる。また、凸部存在確率が
0.50超では、金型にてGI鋼板を押さえ付けたとき
に、潤滑油の充満した独立した凹部は局所的にしか存在
しないことになり、油の噴き出し効果による凸部への潤
滑油の供給が不十分になるための考えられる。 【0030】一方、凸部存在確率が0.25〜0.50
の場合には、摩擦係数が低いものと高いものがあること
から、凸部存在確率が0.25〜0.50の範囲であっ
たとしても、金型にて押え付けたときに、十分に潤滑油
が溜まる凹部空間があるものと、ないものが混在してい
るため、摩擦係数がばらつくのではないかとの発想に至
った。そして、高面圧時の金型とGI鋼板表面との接触
状態についてさらに詳細な検討を加えた結果、高面圧時
には、GI鋼板の表面の凹凸における凸部は、前記式
(1)を満たす高さAからおよそ2μm谷側に寄った高
さまで潰され、潰された後に残る凹部の体積の大小が、
上記の摩擦係数のばらつきの原因であることがわかっ
た。そして、この凹部の体積、すなわち、前記式(1)
を満たす高さAから谷方向へ2μm寄った平面に対する
凹部の体積(以下単に凹部体積という)が0.5〜2.
5×10-3mm3/mm2の範囲が、高面圧時の摺動性に
対して最適であることがわかった。凹部体積が0.5×
10-3mm3/mm2未満では、凹部に溜まる潤滑油が少
なく油溜まり効果が不十分であり、2.5×10-3mm
3/mm2超となると凹部が必要以上に深く、油の噴き出
し効果がなくなるためと考えられる。 【0031】以上のことから、本発明では、低面圧時の
摺動性と高面圧時の摺動性との両方を考慮して、該鋼板
表面の凹凸状態について、上記式(1)を満たす高さA
から谷方向へ1μm寄った高さにおける凸部の存在確率
が0.25〜0.50であり、さらに、上記式(1)を
満たす高さAから谷方向へ2μm寄った高さに対する凹
部の体積が0.5〜2.5×10-3mm3/mm2である
ことを必要とする。 【0032】次に、以上説明した本発明の溶融亜鉛めっ
き鋼板を製造するの好適な製造方法について説明する。 【0033】常法にしたがい製造された熱延鋼板あるい
は冷延鋼板に対して、溶融亜鉛めっきを施して溶融亜鉛
めっき鋼板(GI鋼板)とする。このままでは、GI鋼
板の表面形状は平滑形状であり、前述した表面粗さR
a、凸部存在確率、凹部の体積を満たしていない。そこ
で、このGI鋼板に対して、調質圧延を施す。このと
き、調質圧延に用いるワークロールの表面形状と、調質
圧延時の伸び率を調整することにより、GI鋼板の表面
形状を、上記した本発明の範囲に調整することができ
る。図6(a)に、本発明のGI鋼板を製造するのに好
適な調質圧延用ワークロールの表面形状を示す。このワ
ークロールは、比較的なだらかな平坦部と、凸部とを有
している。そのため、このワークロールを用いて調質圧
延を行うと、GI鋼板の表面は、平坦部と凹部とが存在
する形状となる。一方、図6(b)に示すような表面粗
さRaが1.2μm程度であり、凹凸が全表面に分布
し、凸部の山頂部に平坦部がないワークロールを用い
て、このワークロール表面形状を十分転写させる調質圧
延を行うと、GI鋼板表面にも激しい凹凸が形成されて
しまうので、山頂付近の平坦部を付与できず摺動性が確
保できない。 【0034】したがって、調質圧延時に使用するワーク
ロールの表面を、放電加工、レーザー加工、エッチング
加工等の手段で加工して、平坦部と凸部とを適当な面積
率で存在させ、このワークロールを用いて十分な転写率
を確保できる伸び率にて調質圧延を行うことにより、上
述した本発明のGI鋼板を製造することができる。 【0035】また、図6(b)に示した通常の凹凸を有
するワークロールを用いても、図7(a)に示すよう
に、軽圧下としてワークロールの表面形状のGI鋼板へ
の転写を低く抑え、表面の凸部のみが転写するようにす
ることによって、図7(b)に示すように・山頂付近の
平坦部と、凹部との形成させることができる。 【0036】さらに、別の方法として、図6(b)に示
すような表面に凹凸を有するワークロールを用いて調質
圧延を施し、前述の図4(b)に示すようにGI鋼板の
表面にワークロールの凹凸形状を転写させ、その後、表
面が平滑なワークロールを用いて軽圧下の調質圧延を行
い、図4(a)に示すように凸部の山頂付近を平坦にす
るという手法によってもよい。この場合の、1回目の調
質圧延時のワークロール表面形状および伸び率、2回目
の調質圧延時のワークロール表面形状および伸び率は、
上述した本発明のGI鋼板の表面形状を得られるように
適宜決定すればよい。ただし、1回目の調質圧延時の伸
び率を高くし、2回目の調質圧延時の伸び率を低くする
必要がある。 【0037】 【実施例】通常の圧延工程にて、熱間圧延、酸洗、冷間
圧延を順次行い製造した板厚0.8mmの冷延鋼板を、
連続焼鈍ラインで焼鈍した後、連続溶融亜鉛めっきライ
ンで溶融亜鉛めっきを施し溶融亜鉛めっき鋼板(GI鋼
板)とした。その後、GI鋼板に対して、ワークロール
の表面形状、伸び率を種々変更して調質圧延を行い、種
々の表面形状を有するGI鋼板を製造した。 【0038】表1に調質圧延に用いたワークロール表面
の加工方法、ワークロールの表面形状、調質圧延時のワ
ークロール表面形状の鋼板への転写率、得られたGI鋼
板の表面形状を示す。ここで、ワークロールの表面形状
は「凹凸」とは、図6(b)に示した表面形状であるこ
とを意味し、「平坦凹部有り」とは、図6(a)に示し
た表面形状であることを意味する。 【0039】また、GI鋼板の表面形状については、以
下のようにして測定した。 【0040】表面粗さRa 接触式表面粗さ測定装置を用いて、先端2μmの触針を
用い、カットオフ値0.8mmで2.5mm長の粗さ曲
線から鋼板の算術平均粗さ(Ra)を求めた。 【0041】凸部存在確率、凹部体積 接触式表面粗さ測定装置で、先端2μmの触針を用い、
鋼板上の面積2mm×1mmについて、x方向に1μm
間隔で2mm(2000ポイント)の測定を、y方向に
10μm間隔で1mm(100本)に渡って測定し、3
次元表面粗さを測定し、測定結果から確率振幅密度分布
を求め、上記式(1)を満たす高さAを求めた。そし
て、3次元表面粗さ測定結果から、該高さAから1μm
谷方向へ寄った高さにおける凸部の存在確率、および、
該高さAから2μm谷方向へ寄った高さCの平面を境界
面として、該境界面より谷側についての凹部体積を、画
像解析により算出した。 【0042】また、得られたGI鋼板を低面圧、高面圧
の2条件で摺動試験を行い摺動性の評価を行った。摺動
性試験は以下の要領にて行った。 【0043】低面圧試験:鋼板の剪断時に発生するバリ
を除いた後、日本パーカーライジング(株)製の防錆油
(ノックスラスト550KH)を鋼板表面に1.5kg
/m2塗油し、平板摺動金型を用いて摺動試験を行い、
引き抜き荷重より摩擦係数を計算した。面圧は1kgf
/mm2(=9.8MPa)で、摺動距離は100m
m、金型面は#1000のペーパーで研磨したものを用
いた。摩擦係数の計算結果から、0.14以下を○、
0.14超〜0.15を△、0.15超を×として評価
した。 【0044】高面圧試験 日本パーカーライジング(株)製の防錆油(ノックスラ
スト550KH)を鋼板表面に1.5g/m2塗油し、
ボタン型摺動金型を用い、200kgf(=1.96k
N)の荷重で摺動試験を行い、摩擦係数を計算した。摺
動部の面積は、約2.5mmφであり、摺動距離は50
mmとした。金型面は#1000のペーパーで研磨した
ものを用いた。摩擦係数の計算結果から、0.10以下
を○、0.l0超〜0.11を△、0.11超を×とし
て評価した。 【0045】摺動性試験の結果を表1に示す。 【0046】表1より、実施例の鋼板は、いずも低面
圧、高面圧両方の条件において摩擦係数が○であり、摺
動性が良好であることがわかる。これに対して、比較例
は、鋼板表面の表面粗さRa、凸部存在確率、凹部体積
のうちのいずれかが本発明の範囲から外れているため、
低面圧あるいは高面圧のいずれかあるいは両方における
摺動性が悪いことがわかる。 【0047】 【表1】 【0048】 【発明の効果】以上述べたように、本発明により、摺動
性を従来より良好にして、プレス成形性を改善した溶融
亜鉛めっき鋼板が容易に製造できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融亜鉛めっき鋼板の表面粗度が、該鋼板の摺
動性に及ぼす影響を説明する図であり、(a)は表面粗
度が大きい場合、(b)は表面粗度が中程度の場合であ
る。 【図2】本発明をなすに際して基礎とした溶融亜鉛めっ
き鋼板の表面粗さの確率振幅密度分布を示す図である。 【図3】本発明における凸部存在確率および凹部体積を
説明する模式図である。 【図4】表面粗さ曲線を示す模式図であり、(a)は、
本発明を、(b)は比較例を示す。 【図5】本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の平断面を示
す図であり、(a)は、図2の確率振幅密度分布のAで
鋼板を切断した場合、(b)はAから1μm下方のBで
切断した場合である。 【図6】調質圧延に用いたロールの表面粗さ及び形状
と、そのロールで圧延された鋼板の表面の縦断面との関
係を示す図であり、(a)は本発明の実施例で採用した
ロールの場合、(b)は比較例で採用したロールの場合
である。 【図7】本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方
法の一例を説明する図であり、(a)は、調質圧延で使
用するロールの表面の縦断面を、(b)は製造した鋼板
の縦断面である。 【符号の説明】 1 高Raのめっき鋼板 2 大きな凸部 3 金型 4 低Raのめっき鋼板 5 小さな凸部 6 なだらかな平坦部 7 なだらかな凸部 8 凹部 9 ロールの表面 10 溶融亜鉛めっき鋼板(めっき鋼板)
動性に及ぼす影響を説明する図であり、(a)は表面粗
度が大きい場合、(b)は表面粗度が中程度の場合であ
る。 【図2】本発明をなすに際して基礎とした溶融亜鉛めっ
き鋼板の表面粗さの確率振幅密度分布を示す図である。 【図3】本発明における凸部存在確率および凹部体積を
説明する模式図である。 【図4】表面粗さ曲線を示す模式図であり、(a)は、
本発明を、(b)は比較例を示す。 【図5】本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の平断面を示
す図であり、(a)は、図2の確率振幅密度分布のAで
鋼板を切断した場合、(b)はAから1μm下方のBで
切断した場合である。 【図6】調質圧延に用いたロールの表面粗さ及び形状
と、そのロールで圧延された鋼板の表面の縦断面との関
係を示す図であり、(a)は本発明の実施例で採用した
ロールの場合、(b)は比較例で採用したロールの場合
である。 【図7】本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方
法の一例を説明する図であり、(a)は、調質圧延で使
用するロールの表面の縦断面を、(b)は製造した鋼板
の縦断面である。 【符号の説明】 1 高Raのめっき鋼板 2 大きな凸部 3 金型 4 低Raのめっき鋼板 5 小さな凸部 6 なだらかな平坦部 7 なだらかな凸部 8 凹部 9 ロールの表面 10 溶融亜鉛めっき鋼板(めっき鋼板)
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Fターム(参考) 4E002 AD05 BB09 BD20 CB03 CB10
4K027 AA05 AA22 AB02 AB28 AB42
AC18 AC73
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 表面に溶融亜鉛めっきが施されてなる溶
融亜鉛めっき鋼板であって、 前記鋼板の表面粗さRaが0.5〜1.5μmであると
共に、表面粗さの確率振幅密度分布で、最高山頂高さま
での頻度が全頻度の2%となる高さAから、さらに谷方
向へ1μm寄った高さにおける凸部の存在確率が0.2
5〜0.50であり、前記高さAから、さらに谷方向2
μmへ寄った高さに対する凹部の体積が0.5〜2.5
×10-3mm3/mm2であることを特徴とする溶融亜鉛
めっき鋼板。
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JP2002090697A JP2003290804A (ja) | 2002-03-28 | 2002-03-28 | 溶融亜鉛めっき鋼板 |
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JP2002090697A JP2003290804A (ja) | 2002-03-28 | 2002-03-28 | 溶融亜鉛めっき鋼板 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011214029A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Jfe Steel Corp | 摺動性に優れる亜鉛系めっき鋼板 |
JP2018535313A (ja) * | 2015-09-30 | 2018-11-29 | ティッセンクルップ スチール ヨーロッパ アクチェンゲゼルシャフトThyssenKrupp Steel Europe AG | Znガルバニール処理保護コーティングを有する平鋼製品およびその製造方法 |
CN114101324A (zh) * | 2021-10-29 | 2022-03-01 | 马鞍山钢铁股份有限公司 | 一种汽车用无机自润滑镀锌钢带及其生产方法 |
-
2002
- 2002-03-28 JP JP2002090697A patent/JP2003290804A/ja active Pending
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