JP2001288549A - プレス成形性に優れた冷延鋼板、めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

プレス成形性に優れた冷延鋼板、めっき鋼板の製造方法

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JP2001288549A
JP2001288549A JP2000098666A JP2000098666A JP2001288549A JP 2001288549 A JP2001288549 A JP 2001288549A JP 2000098666 A JP2000098666 A JP 2000098666A JP 2000098666 A JP2000098666 A JP 2000098666A JP 2001288549 A JP2001288549 A JP 2001288549A
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steel sheet
cold
steel plate
ppi
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Kazunari Ono
一成 小野
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレス成形性、外観に優れた冷延鋼板、さら
には、プレス成形性、外観に優れためっき鋼板を、工業
的に優れた方法で製造することが可能な冷延鋼板、めっ
き鋼板の製造方法の提供。 【解決手段】 鋼板を冷間圧延後、焼鈍し、スキンパス
圧延を行う冷延鋼板の製造方法、または鋼板を冷間圧延
後、焼鈍し、その後、好ましくは溶融亜鉛めっきである
めっきを施し、スキンパス圧延を行うめっき鋼板の製造
方法において、冷間圧延の最終パスのロールとして、放
電加工によって算術平均粗さ:Ra≧4.5 μm 、粗さ曲線
の平均線方向の長さ25.4mm当たりの山の数:PPI ≧200
個の表面粗さとしたロールを用い、スキンパス圧延のロ
ールとして、算術平均粗さ:Ra=1〜4μm 、粗さ曲線
の平均線方向の長さ25.4mm当たりの山の数:PPI ≧200
個の表面粗さとしたロールを用いるプレス成形性に優れ
た冷延鋼板またはめっき鋼板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレス成形性およ
び外観に優れた冷延鋼板、めっき鋼板の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼板の成形性、塗装性、外観性に
影響を及ぼす鋼板表面のプロフィルが重視され、自動車
メーカーを主体に鋼板の表面構造に関する要求が高度化
している。このため、鋼板のプレス成形性、外観と鋼板
の表面粗さとの関係に関して研究が行われている。
【0003】鋼板に表面粗さを付与する方法としては、
粗度を付与した圧延ロールを用いて圧延を行う方法が研
究されている。上記したロール表面に粗度を付与する方
法としては、特開昭51−101774号公報に示されるショッ
トブラスト法、特開昭49−17331 号公報、特開平3−54
003 号公報に示される放電加工法、特公昭58−25557 号
公報に示されるレーザー光照射法が挙げられる。
【0004】上記した特開昭51−101774号公報に示され
るショットブラスト法は、加工が容易であると共に、加
工による表面硬化でロールの耐摩耗性が向上する利点が
あるが、加工後のロール表面粗さのばらつきが大きく、
ロール表面粗さの加工調整範囲も小さいという欠点があ
る。このため、上記で得られたロールを用いて圧延した
鋼板では前記した要求を満足することが難しい。
【0005】また、特開平3− 54003号公報の放電加工
による方法は、冷間圧延の最終圧延ロールとしてRaが2
〜4μm のロールを用い、焼鈍後のスキンパス圧延ロー
ルとしてRaが1〜3μm のロールを用いており、鮮映性
の面ではうねり(Wca) が小さな領域で加工できる利点が
あるが、板面の疵が目立ちやすいという欠点がある。ま
た、特公昭58−25557 号公報に示されるレーザー光を照
射する方法は、ロール表面のうねりは小さいが、加工コ
ストが高いこと、ロール表面粗さの加工調整範囲が小さ
いという欠点がある。
【0006】このため、上記で得られたロールを用いて
圧延した鋼板では前記した要求を満足することが難し
い。一方、欧米自動車メーカーにおいては、欧州環境リ
サイクル法の制定を受け、溶融亜鉛めっき鋼板(以下GI
鋼板とも記す)の採用が増加する傾向にあり、プレス成
形性に優れると共に外観に優れた自動車用GI鋼板が要求
されている。
【0007】このため、めっき鋼板のプレス成形性、外
観と鋼板の表面粗さとの関係に関して解明する必要があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、プレス成形
性に優れ、かつ外観の優れた冷延鋼板、さらには、プレ
ス成形性に優れ、かつ外観の優れためっき鋼板を工業的
に優れた方法で製造することが可能な冷延鋼板、めっき
鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、鋼板を冷
間圧延後、焼鈍し、その後スキンパス圧延を行う冷延鋼
板の製造方法において、前記冷間圧延の最終パスのロー
ル(:ワークロール)として、放電加工によって、ロー
ル表面が、算術平均粗さ:Ra≧4.5 μm 、より好ましく
はRa=4.5 〜8μm 、粗さ曲線の平均線方向の長さ25.4
mm当たりの山の数:PPI ≧200 個、より好ましくはPPI
=200 〜 400個の表面粗さとしたロールを用い、前記ス
キンパス圧延のロール(:ワークロール)として、ロー
ル表面が、算術平均粗さ:Ra=1〜4μm 、粗さ曲線の
平均線方向の長さ25.4mm当たりの山の数:PPI ≧200
個、より好ましくはPPI =200 〜600 個の表面粗さとし
たロールを用いることを特徴とするプレス成形性に優れ
た冷延鋼板の製造方法である。
【0010】前記した第1の発明においては、前記スキ
ンパス圧延のロール(:ワークロール)として、放電加
工によって、ロール表面が、Ra=1〜4μm 、PPI ≧20
0 個、より好ましくはPPI =200 〜600 個の表面粗さと
したロールを用いることが好ましい。第2の発明は、鋼
板を冷間圧延後、焼鈍し、その後めっきを施し、得られ
ためっき鋼板のスキンパス圧延を行うめっき鋼板の製造
方法において、前記冷間圧延の最終パスのロール(:ワ
ークロール)として、放電加工によって、ロール表面
が、算術平均粗さ:Ra≧4.5 μm 、より好ましくはRa=
4.5 〜8μm 、粗さ曲線の平均線方向の長さ25.4mm当た
りの山の数:PPI ≧200 個、より好ましくはPPI=200
〜 400個の表面粗さとしたロールを用い、前記スキンパ
ス圧延のロール(:ワークロール)として、ロール表面
が、算術平均粗さ:Ra=1〜4μm 、粗さ曲線の平均線
方向の長さ25.4mm当たりの山の数:PPI ≧200 個、より
好ましくはPPI =200 〜600 個の表面粗さとしたロール
を用いることを特徴とするプレス成形性に優れためっき
鋼板の製造方法である。
【0011】前記した第2の発明においては、前記スキ
ンパス圧延のロール(:ワークロール)として、放電加
工によって、ロール表面が、Ra=1〜4μm 、PPI ≧20
0 個、より好ましくはPPI =200 〜600 個の表面粗さと
したロールを用いることが好ましい(第2の発明の好適
態様)。前記した第2の発明、第2の発明の好適態様に
おいては、前記しためっきが溶融亜鉛めっきであること
が好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明者は、前記した課題を解決するために鋭意
検討した結果、冷間圧延の最終圧延機のワークロールと
して、放電加工によって算術平均粗さ:Ra≧4.5 μm、
粗さ曲線の平均線方向の長さ25.4mm当たりの山の数:PP
I ≧200 個の表面粗さに加工したロールを用い、冷間圧
延、焼鈍後の鋼板もしくは冷間圧延、焼鈍、めっき後の
めっき鋼板のスキンパス圧延のワークロールとして、算
術平均粗さ:Ra=1〜4μm 、粗さ曲線の平均線方向の
長さ25.4mm当たりの山の数:PPI ≧200個の表面粗さに
加工したロールを用いることによって、本発明の目的を
達成することが可能であることを見出した。
【0013】なお、本発明における算術平均粗さ:Ra
は、JIS B 0601-1994 に基づく。また、本発明における
PPI とは、前記記載に示されるように、米国のSAE 規格
で定められた、表面粗さの粗さ曲線における1インチ当
たりの山数(peaks perinch)を示し、この値が小さく
なると1山の縦断面面積が大きくなることを意味する。
【0014】なお、図4に、上記SAE 規格に関して米国
のThe Engineering Society for Advancing Mobility L
and Sea Air and Space:SAE J911-JUN 86 「SURFACE TE
XTURE MEASUREMENT OF COLD ROLLED SHEET STEEL」で定
められたPPI の定義に関する表面粗さの粗さ曲線を示
す。すなわち、図4において、粗さ曲線の平均線から、
正負、両方向に一定の基準レベルHを設け、負の基準レ
ベルを越えたあと、正の基準レベルを越えたとき、1カ
ウントする。
【0015】このカウントを評価長さLnに達するまで繰
り返し、数えた個数で表示したものをPPI と定義する。
本発明においては、Ln=1inch(=25.4mm)、2H(ピ
ークカウントレベル:正負の基準レベル間の幅)=50μ
inch(=1.27μm )とする。なお、以下の記載におい
て、前記した算術平均粗さ:Raを単にRaとも記し、粗さ
曲線の平均線方向の長さ25.4mm当たりの山の数:PPI
を、粗さ曲線の山の数:PPI もしくは単にPPI とも記
す。
【0016】本発明における冷間圧延の最終パスのロー
ル、およびスキンパス圧延のロールに関する規定は、鋼
板を冷間圧延後、焼鈍し、その後スキンパス圧延を行う
冷延鋼板の製造方法、さらには、鋼板を冷間圧延後、焼
鈍し、その後めっきを施し、得られためっき鋼板のスキ
ンパス圧延を行うめっき鋼板の製造方法に適用される。
【0017】本発明においては、冷間圧延の最終パスの
ワークロール、すなわちタンデム冷間圧延機であれば圧
延機の最終スタンドのワークロールとして、放電加工に
よってRa≧4.5 μm 、PPI ≧200 個の表面粗さとしたロ
ールを用いる。Raが4.5 μm 未満の場合、得られる冷延
鋼板もしくはめっき鋼板のRaが1.2 μm 以下程度とな
り、板面の微細な疵が見えやすい状態となり、鋼板の歩
留り低下につながる。
【0018】また、PPI が200 個未満の場合は、得られ
る冷延鋼板もしくはめっき鋼板の油保持能力が低下し、
プレス成形性の改善が不十分となる。したがって、冷間
圧延の最終パスのワークロールのRaを4.5 μm 以上、PP
I を200 個以上と限定する。上記したロールは、放電加
工によって、特殊なロール加工条件を伴うことなく製造
することができる。
【0019】なお、本発明においては、冷延鋼板の製造
およびめっき鋼板の製造の両者において、冷間圧延の最
終パスのワークロールのRaを4.5 〜8μm 、PPI を200
〜400 個とすることが、より好ましい。これは、上記し
たRaが8μm を超える場合、得られる鋼板のプレス成形
時に摩擦係数がかえって大となり、プレス成形性が低下
する可能性があり、PPI が400個を超える場合、山(凸
部)の縦断面面積が小さいため、山(凸部)の抗力が小
さくなり、高面圧のプレス条件において凸部がつぶれ、
油を保持できなくなりプレス成形性がかえって低下する
可能性があるためである。
【0020】また、本発明においては、冷間圧延、焼鈍
後の鋼板もしくは冷間圧延、焼鈍、めっき後の鋼板のス
キンパス圧延のワークロールとして、好ましくは放電加
工によって、Ra=1〜4μm 、PPI ≧200 個の表面粗さ
としたロールを用いる。Raが1μm 未満の場合、得られ
る冷延鋼板もしくはめっき鋼板の板面の微細な疵が見え
やすい状態となり、鋼板の歩留り低下につながる。
【0021】また、Raが4μm を超える場合、得られる
冷延鋼板もしくはめっき鋼板の鮮映性が低下する。ま
た、PPI が200 個未満の場合は、鋼板表面の潤滑油保持
能力が小さくなり、プレス成形時に割れなどの不具合が
生じる可能性が高くなる。したがって、スキンパス圧延
のワークロールのRaを1〜4μm 、PPI を200 個以上と
限定する。
【0022】上記したロールは、放電加工によって、特
殊なロール加工条件を伴うことなく製造することができ
る。なお、本発明においては、冷延鋼板の製造およびめ
っき鋼板の製造の両者において、前記したスキンパス圧
延のワークロールのPPI を200 〜600 個とすることがよ
り好ましい。
【0023】これは、PPI が600 個を超える場合、プレ
ス成形性の向上効果が実用上飽和すると共に、放電加工
機など加工機の工業的な加工可能範囲を超えるためであ
る。また、本発明においては、冷延鋼板の製造およびめ
っき鋼板の製造の両者において、スキンパス圧延の圧延
機のワークロールとして、算術平均粗さ:Ra=1〜4μ
m 、粗さ曲線の平均線方向の長さ25.4mm当たりの山の
数:PPI ≧200 個、より好ましくはPPI =200 〜600 個
の表面粗さとしたロールを用いることが好ましい。
【0024】冷間圧延ロール、スキンパス圧延ロールの
放電加工条件は、パルス電流ピーク値、電圧、パルス
巾、ロールと放電電極間の距離を、仕上げRa、仕上げPP
I 別に厳密に制御することが重要である。なお、前記し
た板面の微細な疵としては、冷間圧延前のスリ疵や冷間
圧延中に最終圧延ロール以前のロールの疵が板面に転写
されたロールマークが挙げられるが、本発明においては
主にロールマークに起因する疵を示す。
【0025】冷間圧延ロールおよびスキンパス圧延ロー
ルのRaが小さい場合は、ダル目が転写された後でもロー
ルマークは目視で見え、プレスをするとさらに浮き出て
くる。本発明におけるめっき鋼板のめっきとしては、特
に制限はないが、鋼板の耐食性の面から溶融亜鉛めっき
(:GI)または合金化溶融亜鉛めっき(:GA) が好まし
い。
【0026】また、本発明におけるめっき鋼板のめっき
としては、容易にめっき付着量を多くでき、経済性に優
れた溶融亜鉛めっき(:GI)(非合金化溶融亜鉛めっ
き)がより好ましい。また、溶融亜鉛めっき鋼板(:GI
鋼板)のめっき付着量は、要求される耐食性に従って定
めることができ、特に制限を受けるものではないが、め
っき付着量が、鋼板片面当たり、すなわち、めっき付着
単位面積当たり30〜300g/m2 であることが好ましい。
【0027】これは、めっき付着量が30g/m2未満の場
合、耐食性が低下し、300g/m2 を超える場合、加工時に
めっき皮膜が剥離するためである。さらに、本発明にお
いては、溶融亜鉛めっき鋼板の溶融亜鉛めっき皮膜中の
Fe含有量が、5%以下であることが好ましく、さらには
1%以下であることがより好ましい。
【0028】これは、めっき皮膜中のFe含有量が5%を
超える場合、めっき密着性を低下させるFe-Zn 合金層の
成長によって、プレス成形時のめっき密着性が低下する
ためである。なお、上記した溶融亜鉛めっき鋼板の溶融
亜鉛めっき皮膜中のFe含有量は少ないほど好ましく、そ
の下限は限定されるものではない。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体
的に説明する。なお、本実施例における冷延鋼板、めっ
き鋼板の表面の算術平均粗さ:RaはJIS B 0601-1994 に
基づき、また表面粗さの粗さ曲線の山の数:PPI は、前
記したSAE J911-JUN86(:SAE J911-1986)に基づく粗さ曲
線の平均線方向の長さ25.4mm当たりの山の数(個)を示
す。
【0030】また、ワークロールをロールと記す。 〔実施例1〕 板厚:1.0mm の極低炭素鋼板を冷間圧延後、焼鈍し、そ
の後、スキンパス圧延を行い冷延鋼板を製造した。本実
施例においては、冷間圧延の最終パス(最終スタンド)
のロールとして、ショットブラスト法もしくは放電加工
法でロール表面のRa、PPI を種々変えたロールを用いて
実験を行った。
【0031】冷間圧延の最終パス(最終スタンド)のロ
ールおよびスキンパス圧延のロールそれぞれの加工法お
よびロール表面のRa、PPI は下記の通りである。 〔冷間圧延の最終スタンドのロール:〕 ショットブラスト法(Ra:1.5 〜7.7 μm 、PPI :20
〜170 個) 放電加工法(Ra:4.8 〜7.2 μm 、PPI :210 〜310
個) 〔スキンパス圧延のロール:〕 放電加工法(Ra:2.5 〜4.0 μm 、PPI :250 〜350
個) 次に、得られた冷延鋼板を、下記試験方法および評価基
準に基づいて評価した。
【0032】(摺動性試験:)図3に示す試験方法およ
び下記試験条件に基づいて行った。なお、図3におい
て、3は冷延鋼板の試験片、4a、4bは金型、5はチャッ
ク、Fはチャックによる引き抜き力、Lは金型長さ、l
は摺動距離、Pは荷重を示す。
【0033】 摺動条件 :平面摺動試験 試験片の幅:20mm 金型長さL:10mm 摺動距離l:100mm 荷重P :1960N(: 200kgf ) 引き抜き速度(摺動速度):20mm/s 塗油条件 :洗浄油R303P 〔杉村化学(株)社製〕塗油 上記条件で試験を行ったときの引き抜き力F(単位:
N)を測定し、下記式(1) から算出される摩擦係数μを
求めた。
【0034】μ=F/P………(1) (プレス成形性:)自動車用鋼板の金型でプレスし、割
れの発生の有無で評価した。 A:割れ発生無し。 B:割れ発生無し。ただし、肉厚が薄い部分に発生。
【0035】C:割れ発生の場合有り。 (表面疵の残り度合:)冷間圧延の最終スタンドの前の
ロール表面に、径:5mm、深さ:15μm の凹疵をつけ、
鋼板に転写させ、最終製品である冷延鋼板の表面を目視
で観察。 ○:鋼板疵(凹疵)が見つからない。
【0036】×:鋼板疵(凹疵)が見つかる。 図1、図2に得られた実験結果を示す。図1は、得られ
た冷延鋼板表面のPPI と摺動性試験における摩擦係数と
の関係を示し、図2は、冷間圧延最終スタンドのロール
表面のRaおよびPPI と最終製品である冷延鋼板のプレス
成形性、表面疵の残り度合との関係を示す。
【0037】なお、図1、図2において、1はショット
ブラスト法で加工した冷間圧延最終スタンドのロールの
鋼板製造範囲、2は放電加工で加工した冷間圧延最終ス
タンドのロールの鋼板製造範囲を示す。また、図2にお
いて、プレス成形性が劣る領域とは、前記したプレス成
形性試験における評価においてBもしくはCの領域を示
す。
【0038】図1に示されるように、冷延鋼板表面のPP
I を100 個以上(:ロール表面のPPI が200 個以上に対
応)とするためには、ショットブラスト法によるロール
加工では困難である。また、図2に示されるように、冷
間圧延最終スタンドのロールとして、ロール表面のRaが
4.5 μm 以上(:冷延鋼板表面のRaが1.4 μm 以上に対
応)の放電加工ロールを用いた場合、冷延鋼板板面の微
細な疵がダル転写により見えなくなり、外観に優れた冷
延鋼板を製造することができる。
【0039】また、ロール表面のPPI が200 個以上の放
電加工ロールを用いた場合、プレス成形性に優れた冷延
鋼板を製造することができる。これに対して、冷間圧延
最終スタンドのロールとして、ショットブラスト法によ
るロールを用いた場合、ロール表面のRaが4.5 μm に対
してロール表面のPPIは40〜100 個程度であり、ロール
表面のPPI を200 個以上とすることができない。
【0040】〔実施例2〕(本発明例1〜4、比較例1
〜4) 板厚:1.0mm の極低炭素鋼板を冷間圧延後、焼鈍し、そ
の後、溶融亜鉛めっきを施し、得られた溶融亜鉛めっき
鋼板のスキンパス圧延を行い、下記に示す溶融亜鉛めっ
き鋼板(GI鋼板、非合金化溶融亜鉛めっき鋼板)を製造
した。 (溶融亜鉛めっき鋼板:) めっき付着量:90g/m2(鋼板片面当たりの付着量) めっき皮膜中のFe含有量:0.5 % 本実施例においては、上記した冷間圧延の最終パス(最
終スタンド)のロールおよび上記したスキンパス圧延の
ロールとして、ショットブラスト法もしくは放電加工法
でロール表面のRa、PPI を種々変えたロールを用いて実
験を行った。
【0041】次に、得られた溶融亜鉛めっき鋼板のプレ
ス成形性、表面疵の残り度合を、前記した実施例1と同
じ試験方法および評価基準に基づいて評価した(本発明
例1〜4、比較例1〜4)。表1に、得られた実験結果
を、ロールの仕様と併せて示す。表1に示されるよう
に、本発明例1〜4の溶融亜鉛めっき鋼板はいずれもプ
レス成形性が優れ、また表面に残存疵が見られず、プレ
ス成形性および外観に優れた溶融亜鉛めっき鋼板を製造
することができた。
【0042】これに対して、比較例1、2の場合、ショ
ットブラスト法によって、ロール表面に本発明例1、2
と同一のRaを付与したが、ロール表面のPPI が少ない領
域しか加工できず、比較例1、2の溶融亜鉛めっき鋼板
は、プレス成形性に劣るものであった。比較例3、4に
おいては、いずれも放電加工によって加工したRa:4.0
μm 、PPI :150 個のロールまたはRa:3.0 μm 、PPI
:180 個のロールを冷間圧延の最終スタンドのロール
として用いたが、ロール表面のRaが4.5 μm 未満である
とめっき鋼板に微細疵が残り、またPPI が200 個未満の
場合、プレス成形性も劣る。
【0043】以上、実施例について述べたが、前記した
実施例に示されるように、本発明によれば、冷間圧延お
よびスキンパス圧延におけるロール表面のRaおよび粗さ
曲線の山の数:PPI の両者を規定することによって、プ
レス成形性および外観に優れた冷延鋼板、さらには、プ
レス成形性および外観に優れためっき鋼板を提供するこ
とが可能となった。
【0044】また、本発明によれば、上記したロールの
加工を放電加工によって行うことによって、特殊なロー
ル加工条件を伴うことなく、工業的に優れた方法でプレ
ス成形性および外観に優れた冷延鋼板、めっき鋼板を提
供することが可能となった。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、プレス成形性および外
観に優れた冷延鋼板、さらには、プレス成形性および外
観に優れためっき鋼板を工業的に優れた方法で製造する
ことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷延鋼板表面のPPI と摩擦係数との関係を示す
グラフである。
【図2】冷間圧延最終スタンドのロール表面のRa、PPI
と冷延鋼板のプレス成形性、表面疵の残り度合との関係
を示すグラフである。
【図3】摺動性試験方法を示す説明図(縦断面図)であ
る。
【図4】PPI に関する表面粗さの粗さ曲線を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1 ショットブラスト法で加工した冷間圧延最終スタン
ドのロールの鋼板製造範囲 2 放電加工で加工した冷間圧延最終スタンドのロール
の鋼板製造範囲 3 試験片 4a、4b 金型 5 チャック F 引き抜き力 L 金型長さ l 摺動距離 P 荷重

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板を冷間圧延後、焼鈍し、その後スキ
    ンパス圧延を行う冷延鋼板の製造方法において、前記冷
    間圧延の最終パスのロールとして、放電加工によって、
    算術平均粗さ:Ra≧4.5 μm 、粗さ曲線の平均線方向の
    長さ25.4mm当たりの山の数:PPI ≧200 個の表面粗さと
    したロールを用い、前記スキンパス圧延のロールとし
    て、算術平均粗さ:Ra=1〜4μm 、粗さ曲線の平均線
    方向の長さ25.4mm当たりの山の数:PPI ≧200 個の表面
    粗さとしたロールを用いることを特徴とするプレス成形
    性に優れた冷延鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 鋼板を冷間圧延後、焼鈍し、その後めっ
    きを施し、得られためっき鋼板のスキンパス圧延を行う
    めっき鋼板の製造方法において、前記冷間圧延の最終パ
    スのロールとして、放電加工によって、算術平均粗さ:
    Ra≧4.5 μm、粗さ曲線の平均線方向の長さ25.4mm当た
    りの山の数:PPI ≧200 個の表面粗さとしたロールを用
    い、前記スキンパス圧延のロールとして、算術平均粗
    さ:Ra=1〜4μm 、粗さ曲線の平均線方向の長さ25.4
    mm当たりの山の数:PPI ≧200 個の表面粗さとしたロー
    ルを用いることを特徴とするプレス成形性に優れためっ
    き鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記しためっきが溶融亜鉛めっきである
    ことを特徴とする請求項2記載のプレス成形性に優れた
    めっき鋼板の製造方法。
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