JP3201117B2 - プレス成形性、耐パウダリング性および塗装後鮮映性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
プレス成形性、耐パウダリング性および塗装後鮮映性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
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Description
ウダリング性および塗装後鮮映性に優れた合金化溶融亜
鉛めっき鋼板を製造するための方法に関するものであ
る。
板のように、塗装後の仕上がり外観が良好であることを
要求される合金化溶融亜鉛めっき鋼板の原板には、従
来、表面粗さが調整された冷延鋼板が使用されている。
このような冷延鋼板に対し、一般にプレス成形が施され
るために、プレス成形性を考慮して、冷延鋼板の表面
に、いわゆるダル仕上げが施されていた。しかしなが
ら、塗装後鮮映性を考慮すると、冷延鋼板の表面はブラ
イト仕上げされていることが望ましい。
者を満足し得るように、鋼板の表面粗さを調整すること
が、従来から種々研究されており、例えば、特開平2-17
5007号公報、特開平2-185959号公報、特開平4-285149号
公報等には、めっき原板として、表面粗さRa、Wca 、PP
I 等を調整した鋼板を使用したり、特定のロールを使用
して冷間圧延された鋼板に対し、合金化溶融亜鉛めっき
処理を施すか、または、合金化溶融亜鉛めっき処理を施
した後、特定のロールを使用して調質圧延することによ
って、塗装後鮮映性を改善する方法(以下、先行技術1
という)が開示されている。
ーによって表面にダル仕上げ加工が施されたロール、即
ち、レーザーダルロールによって、冷延鋼板の表面に所
定の凹凸を付与し、これによって、プレス成形性を改善
する方法(以下、先行技術2という)が開示されてい
る。
板の表面に、10〜500 μm の凹凸、特に、合金化処理過
程において、波長域が10〜100 μm 、凹部の深さが10μ
m 程度の多数の凹凸を形成せしめ、これによって、プレ
ス成形性を向上させる方法(以下、先行技術3という)
が開示されている。
た先行技術は、以下のような問題を有している。 先
行技術1のように、めっき原板として、表面粗さRa、Wc
a 、PPI 等が調整された鋼板や、特定のロールにより冷
間圧延された鋼板を使用しても、必ずしも塗装後鮮映性
が良好にはならない。 冷間圧延を、ブライトロール
またはレーザービーム加工が施されたロールを使用して
行った場合には、冷間圧延時におけるロールの損傷が激
しいために、ロール寿命が短くなる。従って、良好な塗
装後鮮映性およびプレス成形性を得るためには、ロール
交換を頻繁に行う必要が生じ、生産性の著しい低下を招
く。
後、先行技術1に示されているような特定のロールを使
用して調質圧延を施しても、必ずしも塗装後鮮映性が良
好になるとは限らない。 調質圧延を、ブライトロー
ルまたはレーザービーム加工が施されたロールを使用し
て行った場合には、調質圧延時におけるロールの損傷が
激しいためにロール寿命が短くなる。従って、良好な塗
装後鮮映性およびプレス成形性を得るためには、ロール
交換を頻繁に行うことが必要になり、生産性の著しい低
下を招く。
で合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造した場合には、プレ
ス成形性が劣化する。
に多数の凹凸を形成せしめる方法の場合には、合金化処
理条件によって、凹凸が形成されない場合があり、ま
た、凹凸が形成された場合でも、凹部に溜まったプレス
油の保持性が悪い。その結果、鋼板の搬送時に凹部から
プレス油が流れ落ちて、潤滑効果が不足する結果、型か
じりやプレス割れが生じやすくなる。
し、合金化溶融亜鉛めっき処理を施した後に、レーザー
ダルロールによって調質圧延し、鋼板の表面に所定の凹
凸を付与すると、調質圧延時にめっき被膜が大きく損傷
して剥離しやすくなり、耐パウダリング性が劣化する。
の表面に形成される凹凸は、比較的大きい。従って、凹
部に溜まったプレス油の保持性が悪く、プレス工程にお
ける鋼板の搬送時に凹部からプレス油が流れ落ちて潤滑
効果が不足する結果、型かじりやプレス割れが生じやす
くなる。 レーザーダルロールによって冷延鋼板の表
面に形成された凹部の相互間の間隙は広い。従って、凹
部にプレス油を保持させることによるプレス成形性の向
上効果に限界がある。即ち、凹部によってプレス油が保
持されても、凹部相互間の平坦な間隙が長いために、プ
レス時において、ダイが平坦部を通過する間に油切れが
生じ、潤滑効果が不足する。従って、型かじりやプレス
割れが生じやすくなる。
の問題を解決し、優れた塗装後鮮映性を有し、しかも、
プレス成形性および耐パウダリイング性に優れた合金化
溶融亜鉛めっき鋼板を安定して製造することができる方
法を提供することにある。
熱延鋼板を冷間圧延することによって冷延鋼板を調製
し、前記冷延鋼板に対し溶融亜鉛めっき処理を施すこと
によって、前記冷延鋼板の表面上に溶融亜鉛めっき層を
形成し、次いで、前記溶融亜鉛めっき層が形成された前
記鋼板に対し合金化処理を施すことによって、前記鋼板
の表面上に合金化溶融亜鉛めっき層を形成し、次いで、
前記合金化溶融亜鉛めっき層が形成された前記鋼板に対
し調質圧延を施すことからなる、合金化溶融亜鉛めっき
鋼板の製造方法において、前記冷間圧延を、冷間圧延機
の少なくとも最終スタンドにおいて、Raが 0.1〜0.8 μ
m であり、そして、冷間圧延後の鋼板の断面曲線をフー
リエ変換して得られるパワースペクトルの波長 100〜20
00μm の積分値が 200μm 3 以下となるように表面凹凸が
調整されたロールを使用して行い、前記溶融亜鉛めっき
処理を、アルミニウム量:0.10〜0.25wt% 、残り:亜鉛
および不可避的不純物からなる成分組成の溶融亜鉛めっ
き浴中で行い、そして、前記合金化処理を、 440 +400 ×〔Al% 〕≦T≦500 +400 ×〔Al% 〕 但し、〔Al% 〕:亜鉛めっき浴中のAl含有量(wt% ) を満足する温度T(℃)において行うことに特徴を有す
るものである。
明において、冷間圧延を、冷間圧延機の少なくとも最終
スタンドにおいて、Raが 0.1〜0.8 μm であり、そし
て、冷間圧延後の鋼板の断面曲線をフーリエ変換して得
られるパワースペクトルの波長100〜2000μm の積分値
が 500μm3以下となるように表面凹凸が調整されたロー
ルを使用して行い、そして、調質圧延を、Raが0.5 μm
以下であり、そして、調質圧延後の鋼板の断面曲線をフ
ーリエ変換して得られるパワースペクトルの波長100〜2
000μm の積分値が 200μm3以下となるように表面凹凸
が調整されたロールを使用し、0.3 〜5.0%の伸張長率に
よって行うことに特徴を有するものである。
き処理条件および合金化処理条件と、めっき被膜構造と
の関係について調べ、プレス成形性を改善するための方
法について検討を行った。
金化溶融亜鉛めっき鋼板特有の微細な凹凸が生成する。
このような微細な凹凸の生成状況は、溶融亜鉛めっき処
理条件および合金化処理条件によって大きく変化する。
金化処理条件を適切に選択すれば、鋼板の表面にプレス
成形性を改善し得る凹部を形成し得ることがわかった。
における合金化反応を利用して、鋼板の表面上に、プレ
ス成形性に優れた特性を有するめっき層を形成するため
の方法について検討を重ねた結果、次の知見を得た。即
ち、冷延鋼板に対する溶融亜鉛めっき処理を、アルミニ
ウム量:0.10〜0.25wt% 、残り:亜鉛および不可避的不
純物からなる成分組成の溶融亜鉛めっき浴中で行い、そ
して、合金化処理を、 440 +400 ×〔Al% 〕≦T≦500 +400 ×〔Al% 〕 但し、〔Al% 〕:亜鉛めっき浴中のAl含有量(wt% ) を満足する温度T(℃)において行えば、その表面に極
めて微小の凹部を有する、プレス成形性、耐パウダリン
グ性および塗装後鮮映性に優れた合金化溶融亜鉛めっき
層を形成することができる。
鈍された冷延鋼板を、少量のアルミニウムを含有し、残
部が不可避的不純物からなる亜鉛めっき浴中に浸漬し、
前記亜鉛めっき浴の上方において、亜鉛めっき浴の目付
け量を調整した上、合金化炉において所定温度に加熱す
ることによって製造される。
応の初期段階に関して詳細に調査した結果、次のことが
わかった。図1〜4に、従来の合金化溶融亜鉛めっき鋼
板のめっき工程および合金化処理工程におけるめっき被
膜構造の変化を示す。図1に示すように、めっき浴への
浸漬直後においては、鋼板1と亜鉛めっき層3との界面
に、薄いFe−Al合金層4が生成し、Fe−Zn合金の成長を
抑制する。次いで、合金化処理の極めて初期に、図2に
示すように、Fe−Al合金層4の上に柱状晶のζ層5が核
発生しそして成長する。これと同時に、Fe−Al合金層4
を通って、Znが鋼板1の粒界2中に拡散し、粒界2にお
いてFe−Zn合金が生成する。
合金の生成によって体積変化が生じ、薄いFe−Al合金層
4が機械的に破壊されて、鋼板1と亜鉛めっき層3との
界面から剥離し、剥離したFe−Al合金6が亜鉛めっき層
3中に押し出される。薄いFe−Al合金層4が無くなった
部分において、溶融ZnとFeとが直接接触し、FeとZnとの
直接反応が急速に起こりアウトバースト組織7になる
(以下、これを「アウトバースト反応」という)。更
に、合金化が進むと、アウトバースト組織7が横方向に
広がって、めっき層全体が次第にFe−Zn合金になり、か
くして、図4に示すように、アウトバースト組織7から
なるFe−Zn合金めっき層が形成される。
少量のアルミニウムが添加されためっき浴によって、鋼
板に溶融亜鉛めっき処理を施し、図1に示すように、鋼
板1の表面上に薄いFe−Al合金層4を形成させ、Fe−Al
合金層におけるFe−Zn反応の速度を制御することによっ
て行っていた。
抑制効果とアウトバースト反応について詳細に検討を行
った結果、アウトバースト反応は、 480〜540 ℃の温度
領域において最も活発に発生すること、および、Fe−Al
合金層のFe−Zn反応抑制効果とアウトバースト反応とを
適度に組み合わせることによって、めっき層に凹部が形
成されることを新たに見出した。
とによって、プレス成形性が改善されることから、凹部
の大きさおよび数の最適化を図ることによって、プレス
成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造し得る
ことがわかった。
融亜鉛めっき鋼板のめっき工程および合金化処理工程に
おけるめっき層構造の変化を示す。本発明の方法におい
ては、溶融亜鉛めっき処理を、アルミニウム量:0.10〜
0.25wt% 、残り:亜鉛および不可避的不純物からなる成
分組成の溶融亜鉛めっき浴中で行う。その結果、めっき
浴中のアルミニウムと鋼板との反応速度が高まり、図5
に示すように、Fe−Al合金層4が厚く形成される。
図7に示すように、アウトバースト反応を起こさせる。
合金化が更に進むと、本発明の場合には、Fe−Al合金層
4が広い面積にわたって厚く形成されているので、アウ
トバースト組織7は、その横方向への広がりが抑制さ
れ、めっき層の表面方向に成長する。そして、Fe−Al合
金層4が残存している領域のZnを、アウトバースト組織
7の成長に伴うFe−Zn合金形成のために消費させること
により、Fe−Al合金層4が残存している領域において、
図8に示すような、極めて微小な凹部8が形成される。
凹部の深さは2μm 以上であり、その個数は1mm平方中
のの数に換算して 201〜8192個であり、そして、凹部開
口部の総面積は面積率にして10〜70% である。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の溶融亜鉛めっき層の組織を
示す電子顕微鏡写真であり、図10は、従来の合金化溶融
亜鉛めっき鋼板の溶融亜鉛めっき層の組織を示す電子顕
微鏡写真である。
板の金型への流入抵抗が鋼板の破断限界を超えたときに
発生する。鋼板の総合的な流入抵抗は、鋼板の曲げおよ
び曲げ戻しの変形抵抗と、摩擦成分とにより成り立って
いる。従って、流入抵抗の低減のためには、鋼板表面の
摩擦抵抗を下げることが有効である。プレス加工時の摩
擦は、金型と鋼板表面とが接触して滑る際に生じ、金型
と鋼板との直接接触により凝着が発生した場合に摩擦抵
抗が増大する。
との接触界面にプレス油による油膜を形成させ、これに
よって摩擦力の増大を防止している。しかしながら、金
型と鋼板との接触面圧が高い場合には、油膜が破壊され
て金型と鋼板との直接接触が生じ、摩擦抵抗が増大す
る。このような状況下において、摩擦抵抗の増大を抑制
するためには、油膜の保持能力が重要である。
改善する技術として、従来、レーザーダルロールにより
調質圧延を行って、鋼板の表面に所定の凹凸を付与する
ことが知られている。しかしながら、このような方法に
は、調質圧延の際に、めっき被膜が大きな損傷を受けて
剥離しやすいこと、即ち、耐パウダリング性が劣化する
問題があった。また、レーザーダルロールにより付与さ
れる鋼板表面の凹凸は比較的大きく、そして、レーザー
ダルロールにより付与される鋼板表面の凹凸部の間隔が
広いことから、凹部でのプレス油保持によるプレス成形
性の向上には限界があった。
たように、合金化反応を利用して微小凹部が形成される
から、めっき層に損傷が生ずることはなく、従って、耐
パウダリング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製
造することができる。また、本発明によれば、合金化溶
融亜鉛めっき層の表面に、微小で且つ多数の凹部が形成
されているので、微小凹部内にプレス油が保持され、摩
擦界面においてミクロプールが独立した形で存在するよ
うになる。摩擦界面がこのような接触状態であると、ミ
クロプール内に封じ込まれたプレス油は、高圧下におい
ても、十分に静水圧を発生して、面圧の一部を負担する
ようになる。従って、金型と鋼板との直接接触が生ぜ
ず、良好なプレス成形性が得られる。
き鋼板の製造条件、即ち、冷間圧延条件、めっき浴の組
成、合金化処理条件および調質圧延条件と、鋼板表面の
凹凸、塗装後鮮映性、プレス成形性および耐パウダリン
グ性等の諸特性との関係について、検討を重ねた。
き鋼板の表面粗さRa、Wca と、塗装後鮮映性との関係
を、以下に述べる方法によって調べた。即ち、表面粗さ
の異なる種々の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面に対
し、20μm の厚さのED塗装と、35μm の厚さの中塗り塗
装と、同じく35μm の厚さの上塗り塗装とからなる3コ
ート塗装を施し、このような3コート塗装が施された合
金化溶融亜鉛めっき鋼板の塗装後鮮映性を、スガ試験機
株式会社製の「写像鮮明度測定装置 NSIC 型」を使用
し、各鋼板の NSIC 値を測定することによって調べた。
映性(NSIC 値) と合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面粗さ
Ra、Wca との関係を示すグラフである。図11から、鋼板
の表面粗さRa、Wca と、塗装後鮮映性との間の相関関係
は小であることが判明した。また、塗膜各層の表面粗さ
を測定して、塗装工程における表面粗さRa、Wca の変化
を調べた結果、何れの鋼板も、中塗り塗装の時点でほぼ
一定値に収束することが判明した。従って、塗装後鮮映
性の変化を、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面粗さRa、
Wca によっては、説明することができないことが明らか
になった。
めっき鋼板の表面凹凸の波長を解析し、各波長成分と塗
装後鮮映性との関係を、以下に述べる方法によって調べ
た。まず、3次元表面粗さ計によって、X軸測定長さ8
mmの断面曲線をY軸に50μmピッチで21本採取した。採
取された21本の断面曲線を、X軸倍率20倍、Y軸倍率40
倍、Z軸倍率1000倍で描いた3次元表面断面曲線の一例
を図12に示す。
点とし、断面曲線を最小自乗法により水平化処理してそ
の傾きを無くし、鋼板の表面凹凸の不規則な波形、即
ち、X軸に対して不規則な高さ変動を示す波形をフーリ
ェ変換して、各波長毎の波高の2乗和に分解することに
より、波高分布を計算した。このようにして得られた21
本の波高分布をリニア加算しそして平均して1つの波高
分布となし、各波長の波高の2乗和をパワーとして表示
し、これを直線で結ぶことによって、パワースペクトル
を作成した。図13は、周波数解析によって作成した合金
化溶融亜鉛めっき鋼板のパワースペクトルの一例を示す
グラフである。
いて、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の各波長毎のパワー
と、3コート塗装が施された後の NSIC 値との相関係数
を求め、そして、各波長毎に相関係数をプロットした。
図14は、塗装後鮮映性と各波長域の鋼板のパワーとの相
関係数を波長毎にプロットしたグラフである。図14から
明らかなように、 100〜2000μm の波長のパワーと塗装
後鮮映性との相関関係は大であり、従って、この範囲の
波長の凹凸が塗装鮮映性に悪影響を与えることが判明し
た。そこで、本発明者等は、 100〜2000μm の波長の凹
凸を低下させることが、塗装後鮮映性の改善に効果的で
あることに着目し、この点に基づいて検討を重ねた。
くとも最終スタンドにおいて、Raが0.1〜0.8 μm 、冷
間圧延後の鋼板のパワースペクトルの波長 100〜2000μ
m の積分値が 200μm3以下となるように表面凹凸が調整
されたロールを使用して、冷間圧延された冷延鋼板を、
めっき原板として、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造し
たときの、製造過程における鋼板のパワースペクトルの
変化を調べ、これを図15に示した。
延が施されていない合金化溶融亜鉛めっき鋼板、cは一
般的な調質圧延ロールを使用して調質圧延を施した合金
化溶融亜鉛めっき鋼板、dは、Raが 0.5μm 以下で、調
質圧延後の鋼板のパワースペクトルの波長 100〜2000μ
m の積分値が 200μm3以下となるように表面凹凸が調整
されたロールを使用して調質圧延された合金化溶融亜鉛
めっき鋼板の、各々のパワースペクトルを示す。なお、
各鋼板のパワースペクトルの波長 100〜2000μm の積分
値は、上記aが98μm3、上記bが160 μm3、上記cが10
0 μm3、上記dが50μm3であった。
の少なくとも最終スタンドにおいて、Raが 0.1〜0.8 μ
m 、冷間圧延後の鋼板のパワースペクトルの波長 100〜
2000μm の積分値が 500μm3以下となるように表面凹凸
が調整されたロールを使用して、冷間圧延された冷延鋼
板を、めっき原板として、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を
製造したときの、製造過程における鋼板のパワースペク
トルの変化を調べ、これを図16に示した。なお、この発
明において、ロール表面に凹凸を付与する手段として
は、放電加工やショット加工等がある。
延が施されていない合金化溶融亜鉛めっき鋼板、cは一
般的な調質圧延ロールを使用して調質圧延を施した合金
化溶融亜鉛めっき鋼板、dは、Raが 0.5μm 以下で、調
質圧延後の鋼板のパワースペクトルの波長 100〜2000μ
m の積分値が 200μm 3 以下となるように表面凹凸が調
整されたロールを使用して調質圧延された合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の、各パワースペクトルを示す。なお、各
鋼板のパワースペクトルの波長 100〜2000μmの積分値
は、上記aが 485μm3、上記bが 523μm3、上記cが 2
50μm3、上記dが70μm3であった。
た。冷間圧延機の少なくとも最終スタンドにおいて、Ra
が 0.1〜0.8 μm 、冷間圧延後の鋼板のパワースペクト
ルの波長 100〜2000μm の積分値が 200μm3以下となる
ように表面凹凸が調整されたロールを使用して、冷間圧
延された冷延鋼板を、めっき原板として、溶融亜鉛めっ
き処理および合金化処理を施し、次いで、調質圧延を施
すことにより、良好な塗装後鮮映性を得ることができ
る。
ンドにおいて、Raが 0.1〜0.8 μm、冷間圧延後の鋼板
のパワースペクトルの波長 100〜2000μm の積分値が 5
00μm3以下となるように表面凹凸が調整されたロールを
使用して冷間圧延された冷延鋼板をめっき原板とし、こ
れに溶融亜鉛めっき処理および合金1処理を施し、次い
で、Raが 0.5μm 以下で、調質圧延後の鋼板のパワース
ペクトルの波長 100〜2000μm の積分値が 200μm3以下
となるように表面凹凸が調整されたロールを使用して、
調質圧延を施せば、更に、極めて良好な塗装後鮮映性を
得ることができる。
質圧延の効果を示したグラフである。図17は、通常の
調質圧延ロールを使用して調質圧延を行った場合であっ
て、図17から、通常の調質圧延ロールを使用して調質圧
延を行った場合には、めっき原板として、パワースペク
トルの波長 100〜2000μm の積分値が 200μm3以下とな
るように冷間圧延した冷延鋼板を使用することによっ
て、良好な塗装後鮮映性が得られることがわかる。
ワースペクトルの波長 100〜2000μm の積分値と、NSIC
値との関係をグラフによって示す。パワースペクトルの
波長100〜2000μm の積分値が200 μm3以下になると、
NSIC値が90以上になり、塗装後鮮映性が良好なレベルに
なる。
用して合金化溶融亜鉛めっき処理をし、次いで、調質圧
延したときの、冷延鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板お
よび調質圧延後の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の、パワー
スペクトルの波長 100〜2000μm の積分値の変化を示し
た。
載した部分は、冷延鋼板のパワースペクトル波長積分値
を示しており、横軸に「伸張率0.0 」と記載した部分
は、調質圧延前の合金化溶融亜鉛めっき鋼板のパワース
ペクトル波長積分値を示しており、そして、横軸に「伸
張率1.0 〜5.0 」と記載した部分は、各伸張率で調質圧
延された合金化溶融亜鉛めっき鋼板のパワースペクトル
波長積分値を示している。図面において、黒丸印は本発
明例を示し、白丸印は比較例を示しており、点線は通常
の調質圧延ロールを使用した場合を示し、そして、実線
は放電加工によりロール表面に凹凸加工を施した本発明
による調質圧延ロールを使用した場合を示している。
よって、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のパワースペクトル
の波長 100〜2000μm の積分値を200 μm3以下にする
ためには、冷延鋼板のパワースペクトルの波長 100〜20
00μm の積分値を、調質圧延時の伸張率との関係におい
て、 500μm3以下にする必要があることがわかった。
および調質圧延条件と、この発明の方法における溶融亜
鉛めっきおよび合金化処理条件とを組み合わせるとき
は、下記のような極めて微小な凹部を有する合金化溶融
亜鉛めっき層が形成される。即ち、凹部の深さは2μm
以上であり、その数は、1mm2 の数に換算して 201〜8
192個であり、そして、表面粗さ断面曲線の測定長さ間
において、平均線に平行で、且つ、最高山頂から2μm
下側にある直線で切断される長さを、測定長さに対する
百分率で表した相対負荷長さtp(2μm)は、30≦tp(2μm)
≦90(%) である。
について説明する。この発明において、溶融亜鉛めっき
処理時における溶融亜鉛めっき浴中のアルミニウム量
は、0.10〜0.25wt.%の範囲内に限定すべきである。これ
は、アルミニウム量が0.10wt.%未満では、浴中のアルミ
ニウム量が少ないために、生成したFe−Al合金層の厚さ
が薄すぎて、アウトバースト組織の横方向への成長を抑
制することができず、従って、極微小凹部を形成するこ
とができず、一方、アルミニウム量が0.25wt.%を超える
と、Fe−Al層によるFe−Zn反応の抑制効果が強すぎるた
めに、合金化完了までの時間が長くなり、従って、生産
性が低下するからである。
る合金化温度は、 440 +400 ×〔Al% 〕≦T≦500 +400 ×〔Al% 〕 但し、〔Al% 〕:亜鉛めっき浴中のAl含有量(wt% ) を満足する温度T(℃)に限定すべきである。その理由
について説明する。本願発明者等の研究によって、アウ
トバースト反応は、480 〜540 ℃の温度範囲内において
活発に発生すること、および、亜鉛めっき浴中のAl含有
量との兼ね合いによって、生産性が低下したり、最適な
凹部が形成されない場合があることは、前述した通りで
ある。即ち、合金化温度T(℃)が480 ℃未満では、ア
ウトバースト反応が起こるまでに柱状ζ相の成長が起こ
ってしまい、Fe−Zn反応が進行してしまうために、目的
の凹部を形成することができない。
亜鉛浴中Al含有量との関係を示すが、合金化温度T
(℃)が、 480 ≦T<440 +400 ×〔Al% 〕 但し、〔Al% 〕:亜鉛めっき浴中のAl含有量(wt% ) の場合(図11中、Aで示す範囲)には、アウトバースト
反応が活発に起こり凹部は形成されるものの、合金 温
度がやや低いために、相対的にFe−Al合金層による抑制
効果が強くなる。従って、合金化完了までの時間が長く
なるために、生産性の低下を招く。
成される。
反応はやや活発ではないものの、合金化温度がやや高い
ために、Fe−Al合金層によるFe−Zn反応の抑制効果が適
度であることから、良好な凹部が形成される。
反応が活発でないことと、合金化温度がやや高く、Fe−
Al合金層によるFe−Zn反応の抑制効果が相対的に弱いた
めに、凹部は形成されない。また、高温であることか
ら、Znの蒸発が起こったり、合金化反応によって界面付
近に厚いΓ相が形成されるために、耐パウダリング性を
著しく低下させる等、品質面において満足できるものは
製造することはできない。
工程における合金化温度を上述した範囲内に限定すべき
である。
ける、冷間圧延機の少なくとも最終スタンドのRaは、0.
1 〜0.8 μm の範囲内に限定することが好ましい。少な
くとも最終スタンドのRaが0.1 μm 未満では、通板時に
焼鈍炉内においてロール疵が発生しやすくなるので、好
ましくない。一方、少なくとも最終スタンドのRaが0.8
μm を超えると、パワースペクトルの波長 100〜2000μ
m での凹凸が大になるので好ましくない。
長 100〜2000μm の積分値は、200μm3以下に限定する
ことが好ましい。パワースペクトルの波長 100〜2000μ
m の積分値が200 μm3を超えると、めっき後に行われる
調質圧延の方法によっては、合金化溶融亜鉛めっき鋼板
のパワースペクトルの波長 100〜2000μm の積分値を20
0μm3以下にすることができず、良好な塗装後鮮映性が
得られない。
溶融亜鉛めっき層を形成した後に、0.3 〜5.0%の伸張率
で調質圧延を施す場合における、冷間圧延後の鋼板のパ
ワースペクトルの波長 100〜2000μm の積分値は、500
μm3以下に限定することが好ましい。パワースペクトル
の波長 100〜2000μm の積分値が 500μm3を超えると、
合金化溶融亜鉛めっき層を形成した後に調質圧延を施し
ても、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のパワースペクトルの
波長 100〜2000μm の積分値を 200μm3以下にすること
ができず、良好な塗装後鮮映性が得られない。
は、0.5 μm 以下に限定することが好ましい。調質圧延
ロールのRaが0.5 μm を超えると、パワースペクトルの
波長100〜2000μm の凹凸が大になる。
溶融亜鉛めっき鋼板のパワースペククトルの波長100 〜
2000μm の積分値は、200 μm3以下であることが好まし
い。パワースペクトルの波長 100〜2000μm の積分値が
200μm3を超えると、塗装後鮮映性が劣化する。
0%の範囲内に限定することが好ましい。伸張率が0.3 %
未満では、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のパワースペクト
ルの波長 100〜2000μm の積分値を 200μm3以下にする
ことができず、従って、塗装後鮮映性が良好にならな
い。一方、伸張率が5.0%を超えると、加工硬化によって
材質が劣化する。
に説明する。 実施例1: めっき原板として、板厚0.8mm のIF鋼ベースの冷延鋼板
を使用し、連続溶融亜鉛めっきライン(CGL) によって、
上記冷延鋼板に対し、この発明の範囲内において溶融亜
鉛めっき条件および合金化処理条件を変え、溶融亜鉛め
っき処理、合金化処理および調質圧延を施し、冷延鋼板
の表面上に、鋼板片面当り、30g/m2、45g/m2および60g/
m2の量の合金化溶融亜鉛めっき層を形成した。
鉛めっき層が形成された合金化溶融亜鉛めっき鋼板の各
々から試験片を切り出し、各種の本発明試験片を調製し
た。比較のために、溶融亜鉛めっき条件および合金化処
理条件のうちの少なくとも1つが本発明の範囲外の条件
によって、上記冷延鋼板に対し、溶融亜鉛めっき処理、
合金化処理および調質圧延を施し、冷延鋼板の表面上
に、鋼板片面当り、30g/m2、45g/m2および60g/m2の量の
合金化溶融亜鉛めっき層を形成した。このようにして製
造した合金化溶融亜鉛めっき鋼板の各々から試験片を切
り出し、各種の比較用試験片を調製した。
に関する、溶融亜鉛めっき処理時における、めっき付着
量、浴中Al濃度、合金化処理時における合金化温度およ
び調質圧延時における伸張率を示す。
の各々について、下記の方法により、プレス成形性、耐
パウダリング性および塗装後鮮映性を調べ、その結果
を、表1に併せて示した。
係数は、図21に示す摩擦測定装置を使用して測定し
た。即ち、試験片10をローラー12上の試料台11に固定
し、押付け荷重N:400Kg 、引き抜き速度:1m/分によ
って、試料台11をレール15に沿って引き抜き、ビード9
を試験片10に押し付けた状態で、ロードセル13、14によ
って測定される、引抜き荷重Fと押付け荷重Nとから、
試験片10の摩擦係数F/N を算出した。ビード9として、
その材質が SKD11で、接触面積が 3mm×10mmのものを使
用した。このときに使用した潤滑油は、日本パーカライ
ジング(株)製の「ノックスラスト530F」であり、これ
を、試験片10の表面に塗布した。摩擦係数の評価は下記
の通りである。 摩擦係数0.142 以下:極めて良好 摩擦係数0.150 未満:良好 摩擦係数0.150 以上:劣る
に概略正面図で、図23にビードおよびダイ部分の拡大
概略正面図で示すドロービード試験機を使用し、ドロー
ビードテストによって、次のようにして評価した。即
ち、幅30mm×長さ120mm の寸法の試験片18を、ドロービ
ード試験機のビード16とダイ17との間に装着し、油圧装
置20により圧力P=500Kgfで、ダイ17を試験片18を介し
てビード16に押し付け、その押し付け圧力Pをロードセ
ル19によって測定した。次いで、このようにビード16と
ダイ17との間に挟まれた試験片18を、引抜き速度V=20
0mm/分で上方に引き抜いた。潤滑油として、日本パーカ
ライジング(株)製「ノックスラスト530F」を使用し、
この潤滑油を、試験片18の表面に塗布した。次いで、試
験片18を脱脂し、測定対象面にテープを張りつけそして
これを剥離し、再度脱脂した後、試験片18の重量を測定
し、試験前後における試験片の重量差からパウダリング
量を求めた。耐パウダリング性の評価は、下記の通りで
ある。 パウダリング量5g/m2未満:良好 パウダリング量5g/m2以上:劣る
た。日本パーカライジング(株)製の「PB-L3080」を使
用して、試験片に化成処理を施し、次いで、関西ペイン
ト(株)の「El-2000 」、「TP-37 グレー」、「TM-13
(RC)」を使用して、それぞれED塗装、中塗り塗装、上塗
り塗装を行った。このようにして塗装された試験片のNS
IC値を、スガ試験機(株)製の「写像鮮明度測定装置
NSIC型」を使用して測定した。なお、NSIC値は、黒板研
磨ガラスを100 とし、その値が100 に近いほど良好な鮮
映性を示すものとした。
濃度および合金化温度の何れかが、本願発明範囲を外れ
ている比較用試験片No.1、2 、4 、8 〜11、21〜24、29
〜31、35、39〜41は、プレス成形性、耐パウダリング性
および塗装後鮮映性の何れかが劣っている。比較用試験
片No.6、16、26は、めっき浴中のAl濃度および合金化温
度は、本願発明範囲内であるがレーザーダル鋼板である
ことから耐パウダリング性に劣っていた。比較用試験片
No.32 、36は、合金化温度が低いために合金化に時間が
かかる。これに対して、本願明試験片No.3、5 、7 、13
〜15、17〜20、25、27、28、33、34、37、38は、何れ
も、プレス成形性、耐パウダリング性および塗装後鮮映
性のすべてにおいて優れていた。
を使用し、冷間圧延時における冷延ロールのRaおよび冷
間圧延後の鋼板のパワースペクトル積分値、調質圧延時
における調質圧延ロールのRaおよび調質圧延後の鋼板の
パワースペクトル積分値をこの発明の範囲内において変
えて調製した。このようにして調製された冷延鋼板に対
し、この発明の範囲内において、溶融亜鉛めっき条件、
合金化処理条件および調質圧延条件を変え、溶融亜鉛め
っき処理、合金化処理および調質圧延を施し、冷延鋼板
の表面上に、鋼板片面当り、30g/m2、45g/m2および60g/
m2の量の合金化溶融亜鉛めっき層を形成した。このよう
にして製造した合金化溶融亜鉛めっき鋼板の各々から試
験片を切り出し、各種の本発明試験片を調製した。
っき条件、合金化処理条件および調質圧延条件のうちの
少なくとも1つが本発明の範囲外の条件によって、冷間
圧延、溶融亜鉛めっき処理、合金化処理および調質圧延
を施し、冷延鋼板の表面上に、鋼板片面当り、30g/m2、
45g/m2および60g/m2の量の合金化溶融亜鉛めっき層を形
成した。このようにして製造した合金化溶融亜鉛めっき
鋼板の各々から試験片を切り出し、各種の比較用試験片
を調製した。
に関する、溶融亜鉛めっき処理時における、めっき付着
量、浴中Al濃度、合金化温度、冷間圧延時における冷延
ロールのRa、冷延鋼板のパワースペクトルの積分値、調
質圧延ロールのRa、調質圧延された鋼板のパワースペク
トルの積分値および調質圧延伸張率を示す。
について、上述したと同様の方法により、プレス成形
性、耐パウダリング性および塗装後鮮映性を調べ、その
結果を、表2に併せて示した。
が本発明の範囲を外れて小さい場合、比較用試験片No.4
2 は、プレス成形性、耐パウダリング性および塗装後鮮
映性が何れも良好であったが、冷圧ロールにロール疵が
発生し、製品品質が劣化した。調質圧延のパワースペク
トル積分値が高い冷延ロールを使用し、Raが本発明の範
囲を外れて高い冷圧ロールを使用して冷間圧延を行なっ
た比較用試験片No.47は、塗装後鮮映性が劣化した。調
質圧延鋼板のパワースペクトル積分値が高い従来の調質
圧延ロールを使用し、パワースペクトル積分値が本発明
範囲を外れて高い冷圧ロールを使用して冷間圧延を行っ
た比較用試験片No.48は、塗装後鮮映性が劣化した。
パワースペクトル積分値が本発明範囲を外れて高い冷圧
ロールを使用して冷間圧延を行なわなかった比較用試験
片No.49は、塗装後鮮映性が劣化した。
て高い比較用試験片No.56 は、プレス成形性、耐パウダ
リング性および塗装後鮮映性が何れも良好であったが、
製品の材質が劣化した。合金化温度が本発明の範囲を外
れて低い比較用試験片No.57、58は、プレス成形性に劣
っていた。従来のレーザーダル鋼板である比較用試験片
No.60 は、耐パウダリング性に劣っていた。合金化温度
が本発明の範囲を外れて高い比較用試験片No.63 、64
プレス成形性に劣っていた。めっき浴中のAl含有量が本
発明の範囲を外れて少ない比較用試験片No.65 、66は、
プレス成形性および耐パウダリング性が共に劣ってい
た。めっき浴中のAl含有量が本発明の範囲を外れて多い
比較用試験片No.72 は、合金化しなかった。そして、調
質圧延鋼板のパワースペクトル積分値が本発明の範囲を
外れて多い比較用試験片No.73 は、塗装後鮮映性に劣っ
ていた。
温度、冷延ロールのRa、冷延鋼板のパワースペクトル積
分値、調質圧延ロールのRa、調質圧延鋼板のパワースペ
クトル積分値、および、調質圧延伸張率がすべてこの発
明の範囲内である本発明試験片No.43 〜46、50〜55、5
9、61、62、67〜71は、何れもプレス成形性、耐パウダ
リング性および塗装後鮮映性のすべてが優れていた。
優れた塗装後鮮映性を有し、しかも、プレス成形性およ
び耐パウダリング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板
を安定して製造することがきる工業上有用な効果がもた
らされる。
および合金化処理工程におけるめっき層構造の第1段階
の変化を示した図である。
および合金化処理工程におけるめっき層構造の第2段階
の変化を示した図である。
および合金化処理工程におけるめっき層構造の第3段階
の変化を示した図である。
および合金化処理工程におけるめっき層構造の第4段階
の変化を示した図である。
板のめっき工程および合金化処理工程におけるめっき層
構造の第1段階の変化を示した図である。
板のめっき工程および合金化処理工程におけるめっき層
構造の第2段階の変化を示した図である。
板のめっき工程および合金化処理工程におけるめっき層
構造の第3段階の変化を示した図である。
板のめっき工程および合金化処理工程におけるめっき層
構造の第4段階の変化を示した図である。
亜鉛めっき鋼板の溶融亜鉛めっき層の組織を示す電子顕
微鏡写真である。
鉛めっき鋼板の溶融亜鉛めっき層の組織を示す電子顕微
鏡写真である。
表面粗さRa, Wca との関係を示すグラフである。
線を描いた、3次元表面断面曲線の一例を示す図であ
る。
っき鋼板のパワースペクトルの一例を示す図である。
相関係数を波長毎にプロットした図である。
分値が200 μm3以下となるように表面凹凸が調整された
ロールを使用して冷間圧延された冷延鋼板をめっき原板
として合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造したときの、製
造過程におけるパワースペクトルの変化を示した図であ
る。
分値が500 μm3以下となるように表面凹凸が調整された
ロールを使用して冷間圧延された冷延鋼板をめっき原板
として合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造したときの、製
造過程におけるパワースペクトルの変化を示した図であ
る。
行った場合の伸張率と冷延鋼板のパワースペクトルの波
長100 〜2000μm の積分値との関係を示す図である。
ルの波長100 〜2000μm の積分値と塗装後鮮映性(NSIC
値)との関係を示す図である。
00μm の積分値および合金化溶融亜鉛めっき鋼板のパワ
ースペクトルの波長100 〜2000μm の積分値の、調質圧
延による変化を示した図である。
中のAl含有量との関係を示すグラフである。
装置を示した概略正面図である。
ード試験機を示した概略正面図である。
概略正面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱延鋼板を冷間圧延することによって冷
延鋼板を調製し、前記冷延鋼板に対し溶融亜鉛めっき処
理を施すことによって、前記冷延鋼板の表面上に溶融亜
鉛めっき層を形成し、次いで、前記溶融亜鉛めっき層が
形成された前記鋼板に対し合金化処理を施すことによっ
て、前記鋼板の表面上に合金化溶融亜鉛めっき層を形成
し、次いで、前記合金化溶融亜鉛めっき層が形成された
前記鋼板に対し調質圧延を施すことからなる、合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、前記冷間圧延を、冷間圧延機の少なくとも最終スタンド
において、Raが 0.1〜0.8 μm であり、そして、冷間圧
延後の鋼板の断面曲線をフーリエ変換して得られるパワ
ースペクトルの波長 100〜2000μm の積分値が 200μm 3
以下となるように表面凹凸が調整されたロールを使用し
て行い、 前記溶融亜鉛めっき処理を、アルミニウム量:
0.10〜0.25wt% 、残り:亜鉛および不可避的不純物から
なる成分組成の溶融亜鉛めっき浴中で行い、そして、前
記合金化処理を、 440 +400 ×〔Al% 〕≦T≦500 +400 ×〔Al% 〕 但し、〔Al% 〕:亜鉛めっき浴中のAl含有量(wt% ) を満足する温度T(℃)において行うことを特徴とす
る、プレス成形性、耐パウダリング性および塗装後鮮映
性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 前記冷間圧延を、冷間圧延機の少なくと
も最終スタンドにおいて、Raが 0.1〜0.8 μm であり、
そして、冷間圧延後の鋼板の断面曲線をフーリエ変換し
て得られるパワースペクトルの波長 100〜2000μm の積
分値が 500μm3以下となるように表面凹凸が調整された
ロールを使用して行い、そして、前記調質圧延を、Raが
0.5 μm 以下であり、そして、調質圧延後の鋼板の断面
曲線をフーリエ変換して得られるパワースペクトルの波
長 100〜2000μm の積分値が 200μm3以下となるように
表面凹凸が調整されたロールを使用し、0.3 〜5.0%の伸
張率によって行うことを特徴とする、請求項1記載の方
法。
Priority Applications (11)
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