JP3368647B2 - プレス成形性、耐パウダリング性および塗装後鮮映性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
プレス成形性、耐パウダリング性および塗装後鮮映性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
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Description
ウダリング性および塗装後鮮映性に優れた合金化溶融亜
鉛めっき鋼板を製造するための方法に関するものであ
る。
板のように、塗装後の仕上がり外観が良好であることを
要求される合金化溶融亜鉛めっき鋼板の原板には、従
来、表面粗さが調整された冷延鋼板が使用されている。
このような冷延鋼板には、一般にプレス成形が施される
ため、プレス成形性を考慮して、冷延鋼板の表面に、い
わゆるダル仕上げが施されていた。しかしながら、塗装
後鮮映性を考慮すると、冷延鋼板の表面はブライト仕上
げされていることが望ましい。
者を満足し得るように、鋼板の表面粗さを調整すること
が、従来から種々研究されており、例えば、特開平2-17
5007号公報、特開平2-185959号公報、特開平2-225652号
公報、特開平4-285149号公報等には、めっき原板とし
て、表面粗さRa、Wca 、PPI 等を調整した鋼板を使用し
たり、特定のロールを使用して冷間圧延された鋼板に対
し、合金化溶融亜鉛めっき処理を施すか、または、合金
化溶融亜鉛めっき処理を施した後、特定のロールを使用
して調質圧延することによって、塗装後鮮映性を改善す
る方法(以下、先行技術1という)が開示されている。
ーによって表面にダル仕上げ加工が施されたロール即ち
レーザーダルロールによって、冷延鋼板の表面に所定の
凹凸を付与し、これによって、プレス成形性を改善する
方法(以下、先行技術2という)が開示されている。
板の表面に、10〜500μmの凹凸、特に、合金化処理過程
において、波長域が10〜100μm、凹部の深さが10μm程
度の多数の凹凸を形成せしめ、これによって、プレス成
形性を向上させる方法(以下、先行技術3という)が開
示されている。
た先行技術は、次のような問題を有している。 先行
技術1のように、めっき原板として、表面粗さRa、Wca
、PPI 等が調整された鋼板や、特定のロールにより冷
間圧延された鋼板を使用しても、必ずしも塗装後鮮映性
が良好にはならない。 冷間圧延を、ブライトロール
またはレーザービーム加工が施されたロールを使用して
行った場合には、冷間圧延時におけるロールの損傷が激
しいためにロール寿命が短くなる。従って、良好な塗装
後鮮映性およびプレス成形性を得るためには、ロール交
換を頻繁に行うことが必要になり、生産性の著しい低下
を招く。
後、先行技術1に示されているような特定のロールを使
用して調質圧延を施しても、必ずしも塗装後鮮映性が良
好にはならない。 調質圧延を、ブライトロールまた
はレーザービーム加工が施されたロールを使用して行っ
た場合には、調質圧延時におけるロールの損傷が激しい
ためにロール寿命が短くなる。従って、良好な塗装後鮮
映性およびプレス成形性を得るためには、ロール交換を
頻繁に行うことが必要になり、生産性の著しい低下を招
く。
で合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造した場合には、プレ
ス成形性が劣化する。 先行技術3のように、冷延鋼
板の表面に多数の凹凸を形成せしめる方法の場合には、
合金化処理条件によって、凹凸が形成されない場合があ
り、また、凹凸が形成された場合でも、凹部に溜まった
プレス油の保持性が悪い。その結果、鋼板の搬送時に凹
部からプレス油が流れ落ちて潤滑効果が不足するため、
型かじりやプレス割れ等が生じやすくなる。
し、合金化溶融亜鉛めっき処理を施した後に、レーザー
ダルロールによって調質圧延し、鋼板の表面に凹凸を付
与すると、調質圧延時にめっき被膜が大きく損傷して剥
離しやすくなり、耐パウダリング性が劣化する。 レ
ーザーダルロールによって冷延鋼板の表面に形成される
凹凸は、比較的大きい。従って、凹部に溜まったプレス
油の保持性が悪く、プレス工程における鋼板の搬送時に
凹部からプレス油が流れ落ちて潤滑効果が不足する結
果、型かじりやプレス割れが生じやすくなる。 レー
ザーダルロールによって冷延鋼板の表面に形成された凹
部相互間の間隙は広い。従って、凹部にプレス油を保持
させることによるプレス成形性向上効果に限界がある。
即ち、凹部によってプレス油が保持されても、凹部相互
間の平坦な間隙が長いために、プレス時において、ダイ
が平坦部を通過する間に油切れが生じ、潤滑効果が不足
する。従って、型かじりやプレス割れが生じやすくな
る。
の問題を解決し、優れた塗装後鮮映性を有し、しかも、
プレス成形性および耐パウダリング性に優れた合金化溶
融亜鉛めっき鋼板を安定して製造することができる方法
を提供することにある。
の方法は、下記を特徴とするものである。熱延鋼板を冷
間圧延することによって冷延鋼板を調製し、前記冷延鋼
板に対し溶融亜鉛めっき処理を施すことによって、前記
冷延鋼板の表面上に溶融亜鉛めっき層を形成し、次い
で、前記溶融亜鉛めっき層が形成された前記鋼板に対し
合金化処理を施すことによって、前記鋼板の表面上に合
金化溶融亜鉛めっき層を形成し、次いで、前記合金化溶
融亜鉛めっき層が形成された前記鋼板に対し調質圧延を
施すことからなる、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
法において、前記溶融亜鉛めっき処理を、アルミニウム
量:0.05〜0.30wt.%、残り: 亜鉛および不可避的不純物
からなる成分組成の溶融亜鉛めっき浴中に、 500〜600
℃の温度領域において初期反応が生ずるように鋼板を浸
漬することによって行い、そして、前記合金化処理を、
480 〜600 ℃の温度域によって行う。
特徴とするものである。熱延鋼板を冷間圧延することに
よって冷延鋼板を調製し、前記冷延鋼板に対し溶融亜鉛
めっき処理を施すことによって、前記冷延鋼板の表面上
に溶融亜鉛めっき層を形成し、次いで、前記溶融亜鉛め
っき層が形成された前記鋼板に対し合金化処理を施すこ
とによって、前記鋼板の表面上に合金化溶融亜鉛めっき
層を形成し、次いで、前記合金化溶融亜鉛めっき層が形
成された前記鋼板に対し調質圧延を施すことからなる、
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、前記冷
延鋼板として、鋼中に、炭素、窒素およびボロンのうち
の少なくとも1種が、1〜20ppm 固溶している鋼板を使
用し、前記冷延鋼板を焼鈍した後、前記溶融亜鉛めっき
処理を、アルミニウム量:0.05〜0.30wt.%、残り: 亜鉛
および不可避的不純物からなる成分組成の溶融亜鉛めっ
き浴中に鋼板を浸漬することによって行い、そして、前
記合金化処理を、480 〜600 ℃の温度域によって行う。
も最終スタンドにおいて、Raが 0.1〜0.8 μm であり、
そして、冷間圧延後の鋼板の断面曲線をフーリエ変換し
て得られるパワースペクトルの波長 100〜2000μm の積
分値が 200μm3以下となるように表面凹凸が調整され
たロールを使用して行い、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の
パワースペクトルの波長100〜2000μmの積分値を200μ
m 3 以下にすることが好ましい。
において、冷間圧延機の少なくとも最終スタンドにおい
て、Raが0.1〜0.8μmであり、そして、冷間圧
延後の鋼板の断面曲線をフーリエ変換して得られるパワ
ースペクトルの波長100〜2000μmの積分値が5
00μm3以下となるように表面凹凸が調整されたロー
ルを使用して冷間圧延を行い、そして、調質圧延を、R
aが0.5μm以下であり、そして、調質圧延後の鋼板
の断面曲線をフーリエ変換して得られるパワースペクト
ルの波長100〜2000μmの積分値が200μm3
以下となるように表面凹凸が調整されたロールを使用
し、伸張率0.3〜5%の調質圧延を行い、合金化溶融
亜鉛めっき鋼板のパワースペクトルの波長100〜2000μm
の積分値を 200μm 3 以下にすることが好ましい。
述べる。本発明者等は、冷延鋼板に対する溶融亜鉛めっ
き処理条件および合金化処理条件と、めっき被膜構造と
の関係について調べ、プレス成形性を改善するための方
法について検討を行った。
特有の微細な凹凸が生成する。このような微細な凹凸の
生成状況は、溶融亜鉛めっきおよび合金化処理条件によ
って大きく変化する。従って、溶融亜鉛めっき処理条件
および合金化処理条件を適切に選択すれば、鋼板の表面
にプレス成形性を改善し得る凹部を形成し得ることがわ
かった。
における合金化反応を利用して、鋼板の表面上に、プレ
ス成形性に優れた特性を有するめっき層を形成するため
の方法について検討を重ねた結果、次の知見を得た。即
ち、冷延鋼板に対する溶融亜鉛めっき処理を、アルミニ
ウム量:0.05〜0.30wt.%、残り: 亜鉛および不可避的不
純物からなる成分組成の溶融亜鉛めっき浴中に、 500〜
600 ℃の温度領域において初期反応が生ずるように鋼板
を浸漬することによって行い、そして、合金化処理を、
480 〜600 ℃の温度域によって行えば、その表面に極め
て微小の凹部を有する、プレス成形性、耐パウダリング
性および塗装後鮮映性に優れた合金化溶融亜鉛めっき層
を形成することができる。
鈍された冷延鋼板を、少量のアルミニウムを含有し、残
部が不可避的不純物からなる亜鉛めっき浴中に浸漬し、
前記亜鉛めっき浴の上方において、亜鉛めっき浴の目付
け量を調整した上、合金化炉において所定温度に加熱す
ることによって製造される。
応の初期段階に関して詳細に調査した結果、次のことが
わかった。図1〜4に、従来の合金化溶融亜鉛めっき鋼
板のめっき工程および合金化処理工程におけるめっき被
膜構造の変化を示す。
には、鋼板1と亜鉛めっき層3との界面に、薄いFe−Al
合金層4が生成し、Fe−Zn合金の成長を抑制する。次い
で、合金化処理の極めて初期に、図2に示すように、Fe
−Al合金層4の上に柱状晶のζ層5が核発生しそして成
長する。これと同時に、Fe−Al合金層4を通って、Znが
鋼板1の粒界2中に拡散し、粒界2においてFe−Zn合金
が生成する。
合金の生成によって体積変化が生じ、薄いFe−Al合金層
4が機械的に破壊されて、鋼板1と亜鉛めっき層3との
界面から剥離し、剥離したFe−Al合金6が亜鉛めっき層
3中に押し出される。薄いFe−Al合金層4が無くなった
部分において、溶融ZnとFeとが直接接触し、FeとZnとの
直接反応が急速に起こりアウトバースト組織7になる
(以下、これを「アウトバースト反応」という)。更
に、合金化が進むと、アウトバースト組織7が横方向に
広がって、めっき層全体が次第にFe−Zn合金になり、か
くして、図4に示すように、アウトバースト組織7から
なるFe−Zn合金層が形成される。
少量のアルミニウムが添加されためっき浴によって、鋼
板に溶融亜鉛めっき処理を施し、図1に示すように、鋼
板1の表面上に薄いFe−Al合金層4を形成させ、Fe−Al
合金層におけるFe−Zn反応の速度を制御することによっ
て行っていた。
抑制効果とアウトバースト反応について詳細に検討を行
った結果、アウトバースト反応は、 480〜540 ℃の温度
領域において最も活発に発生すること、および、Fe−Al
合金層のFe−Zn反応抑制効果とアウトバースト反応とを
適度に組み合わせることによって、めっき層に凹部が形
成されることを新たに見出した。
とによって、プレス成形性が改善されることから、凹部
の大きさおよび数の最適化を図ることによって、プレス
成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造し得る
ことがわかった。
による合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき工程および合
金化処理工程におけるめっき層構造の変化を示す。本発
明の方法においては、溶融亜鉛めっき処理を、アルミニ
ウム量:0.05〜0.30wt.%、残り: 亜鉛および不可避的不
純物からなる成分組成の溶融亜鉛めっき浴中に、 500〜
600 ℃の温度領域において初期反応が生ずるように鋼板
を浸漬することによって行う。その結果、めっき浴中の
アルミニウムと鋼板との反応速度が高まり、図5に示す
ように、Fe−Al合金層4が厚く形成される。
の温度域により合金化処理を行うことによって、図7に
示すように、アウトバースト反応を起こさせる。合金化
が更に進むと、本発明の場合には、Fe−Al合金層4が広
い面積にわたって厚く形成されているので、アウトバー
スト組織7は、その横方向への広がりが抑制され、めっ
き層の表面方向に成長する。そして、Fe−Al合金層4が
残存している領域のZnを、アウトバースト組織7の成長
に伴うFe−Zn合金形成のために消費させることにより、
Fe−Al合金層4が残存している領域において、図8に示
すような、極めて微小な凹部8が形成される。
凹部の深さは2μm以上であり、その個数は1mm2の数に
換算して 201〜8192個であり、そして、凹部開口部の総
面積は面積率にして10〜70% である。
いて述べる。第2実施態様の方法は、前述したように、
鋼中に、炭素、窒素およびボロンのうちの少なくとも1
種が1〜20ppm 固溶している冷延鋼板を使用し、前記冷
延鋼板を焼鈍した後、前記溶融亜鉛めっき処理を、アル
ミニウム量:0.05〜0.30wt.%、残り: 亜鉛および不可避
的不純物からなる成分組成の溶融亜鉛めっき浴によって
行い、そして、前記合金化処理を、合金化炉において、
480 〜600 ℃の温度域によって行うことに特徴を有する
ものである。
ウトバースト組織の形成が抑制されることが、「鉄と
鋼」第72年(1986) P989 に報告されている。この報告に
よれば、鋼中に固溶されている炭素は、結晶粒界に偏析
するとされており、この結晶粒界に偏析した炭素が、亜
鉛の粒界中の拡散を抑えるため、粒界でのFe−Zn合金の
生成が少なく、Fe−Zn合金の生成による体積変化が起こ
らない。従って、Fe−Zn合金からなる薄い層が強固に存
在し、アウトバースト組織の形成を抑制しているものと
推定される。鋼板の粒界に偏析する傾向の強い窒素やボ
ロンにおいても、炭素と同様の働きを示すものと推定さ
れる。
応と下地鋼板の粒界との関係について詳細に検討した結
果、次の知見を得た。 アウトバースト反応は、 480
〜600 ℃好ましくは 480〜540 ℃の温度領域において最
も活発に発生する。 下地鋼板として、炭素、窒素お
よびボロンのうちの少なくとも1種が1〜20ppm 固溶し
ている冷延鋼板を使用した場合には、アウトバースト反
応を起こす粒界とアウトバースト反応を起こさない粒界
が生ずる。
果、下地鋼板として、鋼中に、炭素、窒素およびボロン
のうちの少なくとも1種が1〜20ppm 固溶している冷延
鋼板を使用し、前記冷延鋼板を焼鈍した後、アルミニウ
ム量:0.05〜0.30wt.%、残り:亜鉛および不可避的不純
物からなる成分組成の亜鉛めっき浴によって溶融亜鉛め
っき処理を施し、次いで、合金化炉において、 480〜60
0 ℃好ましくは 480〜540 ℃の温度域において、合金化
処理を施すことによって、溶融亜鉛めっき層の表面に多
数の極めて微小な凹部が形成されることを見出した。
とによって、プレス成形性が改善されることから、凹部
の大きさおよび数の最適化を図ることによって、プレス
成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造し得る
ことがわかった。
による合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき工程および合
金化処理工程におけるめっき被膜構造の変化を示す。鋼
中に、炭素、窒素およびボロンのうちの少なくとも1種
が1〜20ppm 固溶している冷延鋼板を使用し、前記冷延
鋼板を焼鈍した後、アルミニウム量:0.05〜0.30wt.%、
残り: 亜鉛および不可避的不純物からなる成分組成の溶
融亜鉛めっき浴によって溶融亜鉛めっき処理を施し、次
いで、 480〜600 ℃好ましくは 480〜540 ℃の温度域に
よって合金化処理を施す。初期においては、図9および
図10に示した通常の方法と同様であるが、合金化処理の
過程において、図11に示したように、ある特定の粒界、
即ち、符号21で示すC,N,B の偏析が少ない粒界において
のみアウトバースト組織が形成されそしてめっき層の表
面に向けて成長を続ける。
Fe−Al合金層4が広い面積にわたって厚く形成されてい
るので、アウトバースト組織7は、その横方向の広がり
が抑制され、亜鉛めっき層3の表面方向に成長する。そ
して、Fe−Al合金層4が残存している領域のZnを、アウ
トバースト組織7の成長に伴うFe−Zn合金形成のために
消費させることにより、Fe−Al合金層4が残存している
領域において、図12に示すような、極めて微小な凹部8
が形成される。
鋼中に固溶されているC, N, B の量によって変化する。
即ち、C, N, B の固溶量が増加するに従って、アウトバ
ースト反応の生ずる頻度が減り、その結果、凹部8の直
径が大になる。即ち、鋼中におけるC, N, B の固溶量を
調整することによって、凹部8の大きさを制御すること
ができる。このようにして、溶融亜鉛めっき層の表面
に、極めて微小な凹部を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼
板が製造される。
凹部の深さは2μm 以上であり、その個数は1mm2の数
に換算して 201〜8192個であり、そして、凹部開口部の
総面積は面積率にして10〜70% である。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の溶融亜鉛めっき層の組織を
示す電子顕微鏡写真であり、図14は、従来の合金化溶融
亜鉛めっき鋼板の溶融亜鉛めっき層の組織を示す電子顕
微鏡写真である。
板の金型への流入抵抗が鋼板の破断限界を超えたときに
発生する。鋼板の総合的な流入抵抗は、鋼板の曲げおよ
び曲げ戻しの変形抵抗と、摩擦成分とにより成り立って
いる。従って、流入抵抗の低減のためには、鋼板表面の
摩擦抵抗を下げることが有効である。プレス加工時の摩
擦は、金型と鋼板表面とが接触して滑る際に生じ、金型
と鋼板との直接接触により凝着が発生した場合に摩擦抵
抗が増大する。
との接触界面にプレス油による油膜を形成させ、これに
よって、摩擦力の増大を防止している。しかしながら、
金型と鋼板との接触面圧が高い場合には、油膜が破壊さ
れて金型と鋼板との直接接触が生じ、摩擦抵抗が増大す
る。このような状況下において、摩擦抵抗の増大を抑制
するためには、油膜の保持能力が重要である。
改善する技術として、従来、レーザーダルロールにより
調質圧延を行って、鋼板の表面に所定の凹凸を付与する
ことが知られている。しかしながら、このような方法に
は、調質圧延の際に、めっき被膜が大きな損傷を受けて
剥離しやすいこと、即ち、耐パウダリング性が劣化する
問題があった。また、レーザーダルロールにより付与さ
れる鋼板表面の凹凸は比較的大きく、そして、レーザー
ダルロールにより付与される鋼板表面の凹凸部の間隔が
広いことから、凹部でのプレス油保持によるプレス成形
性の向上には限界があった。
たように、合金化反応を利用して微小凹部が形成される
から、めっき層に損傷が生ずることはなく、従って、耐
パウダリング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製
造することができる。また、本発明によれば、合金化溶
融亜鉛めっき層の表面に、微小で且つ多数の凹部が形成
されているので、微小凹部内にプレス油が保持され、摩
擦界面においてミクロプールが独立した形で存在するよ
うになる。摩擦界面がこのような接触状態であると、ミ
クロプール内に封じ込まれたプレス油は、高圧下におい
ても、十分に静水圧を発生して、面圧の一部を負担する
ようになる。従って、金型と鋼板との直接接触が生ぜ
ず、良好なプレス成形性が得られる。
き鋼板の製造条件、即ち、冷間圧延条件、めっき浴の組
成、合金化処理条件および調質圧延条件と、鋼板表面の
凹凸、塗装後鮮映性、プレス成形性および耐パウダリン
グ性等の諸特性との関係について、検討を重ねた。
き鋼板の表面粗さRa、Wca と、塗装後鮮映性との関係
を、以下に述べる方法によって調べた。即ち、表面粗さ
の異なる種々の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面に対
し、20μm の厚さのED塗装と、35μm の厚さの中塗り塗
装と、同じく35μm の厚さの上塗り塗装とからなる3コ
ート塗装を施し、このような3コート塗装が施された合
金化溶融亜鉛めっき鋼板の塗装後鮮映性を、スガ試験機
株式会社製の「写像鮮明度測定装置 NSIC 型」を使用
し、各鋼板の NSIC 値を測定することによって調べた。
映性(NSIC 値) と合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面粗さ
Ra、Wca との関係を示すグラフである。図15から、鋼板
の表面粗さRa、Wca と、塗装後鮮映性との間の相関関係
は小であることが判明した。また、塗膜各層の表面粗さ
を測定して、塗装工程における表面粗さRa、Wca の変化
を調べた結果、何れの鋼板も、中塗り塗装の時点でほぼ
一定値に収束することが判明した。従って、塗装後鮮映
性の変化を、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面粗さRa、
Wca によっては、説明することができないことが明らか
になった。
めっき鋼板の表面凹凸の波長を解析し、各波長成分と塗
装後鮮映性との関係を、以下に述べる方法によって調べ
た。まず、3次元表面粗さ計によって、X軸測定長さ8
mmの断面曲線をY軸に50μmピッチで21本採取した。採
取された21本の断面曲線を、X軸倍率20倍、Y軸倍率40
倍、Z軸倍率1000倍で描いた3次元表面断面曲線の一例
を図16に示す。
点とし、断面曲線を最小自乗法により水平化処理してそ
の傾きを無くし、鋼板の表面凹凸の不規則な波形、即
ち、X軸に対して不規則な高さ変動を示す波形をフーリ
ェ変換して、各波長毎の波高の2乗和に分解することに
より、波高分布を計算した。このようにして得られた21
本の波高分布をリニア加算しそして平均して1つの波高
分布となし、各波長の波高の2乗和をパワーとして表示
し、これを直線で結ぶことによって、パワースペクトル
を作成した。図17は、周波数解析によって作成した合金
化溶融亜鉛めっき鋼板のパワースペクトルの一例を示す
グラフである。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の各波長毎のパワーと、3コ
ート塗装が施された後の NSIC 値との相関係数を求め、
そして、各波長毎に相関係数をプロットした。図18は、
塗装後鮮映性と各波長域の鋼板のパワーとの相関係数を
波長毎にプロットしたグラフである。図18から明らかな
ように、 100〜2000μm の波長のパワーと塗装後鮮映性
との相関関係は大であり、従って、この範囲の波長の凹
凸が塗装鮮映性に悪影響を与えることが判明した。そこ
で、本発明者等は、100〜2000μm の波長の凹凸を低下
させることが、塗装後鮮映性の改善に効果的であること
に着目し、この点に基づいて更に検討を重ねた。
ワースペクトルの波長100〜2000μmの積分値
と、NSIC値との関係をグラフによって示す。パワー
スペクトルの波長100〜2000μmの積分値が20
0μm3以下になると、NSIC値が85以上になり、
塗装後鮮映性が良好なレベルになる。
くとも最終スタンドにおいて、Raが0.1〜0.8 μm 、冷
間圧延後の鋼板のパワースペクトルの波長 100〜2000μ
m の積分値が 200μm3以下となるように表面凹凸が調
整されたロールを使用して、冷間圧延された冷延鋼板
を、めっき原板として、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製
造したときの、製造過程における鋼板のパワースペクト
ルの変化を調べ、これを図19に示した。
延が施されていない合金化溶融亜鉛めっき鋼板、cは一
般的な調質圧延ロールを使用して調質圧延を施した合金
化溶融亜鉛めっき鋼板、dは、Raが 0.5μm 以下で、調
質圧延後の鋼板のパワースペクトルの波長 100〜2000μ
m の積分値が 200μm3以下となるように表面凹凸が調
整されたロールを使用して調質圧延された合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の、各々のパワースペクトルを示す。な
お、各鋼板のパワースペクトルの波長 100〜2000μm の
積分値は、上記aが98μm3、上記bが160μm3、上記
cが100μm3、上記dが50μm3であった。
の少なくとも最終スタンドにおいて、Raが 0.1〜0.8 μ
m 、冷間圧延後の鋼板のパワースペクトルの波長 100〜
2000μm の積分値が 500μm3以下となるように表面凹
凸が調整されたロールを使用して、冷間圧延された冷延
鋼板を、めっき原板として、合金化溶融亜鉛めっき鋼板
を製造したときの、製造過程における鋼板のパワースペ
クトルの変化を調べ、これを図20に示した。
延が施されていない合金化溶融亜鉛めっき鋼板、cは一
般的な調質圧延ロールを使用して調質圧延を施した合金
化溶融亜鉛めっき鋼板、dは、Raが 0.5μm 以下で、調
質圧延後の鋼板のパワースペクトルの波長 100〜2000μ
m の積分値が 200μm3以下となるように表面凹凸が調
整されたロールを使用して調質圧延された合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の、各パワースペクトルを示す。なお、各
鋼板のパワースペクトルの波長 100〜2000μmの積分値
は、上記aが 485μm3、上記bが 523μm3、上記cが
250μm3、上記d が70μm3であった。
た。冷間圧延機の少なくとも最終スタンドにおいて、Ra
が 0.1〜0.8 μm 、冷間圧延後の鋼板のパワースペクト
ルの波長 100〜2000μm の積分値が 200μm3以下とな
るように表面凹凸が調整されたロールを使用して、冷間
圧延された冷延鋼板を、めっき原板として、溶融亜鉛め
っき処理および合金化処理を施し、次いで、調質圧延を
施すことにより、良好な塗装後鮮映性を得ることができ
る。
ンドにおいて、Raが 0.1〜0.8 μm、冷間圧延後の鋼板
のパワースペクトルの波長 100〜2000μm の積分値が 5
00μm3以下となるように表面凹凸が調整されたロール
を使用して冷間圧延された冷延鋼板をめっき原板とし、
これに溶融亜鉛めっき処理および合金化処理を施し、次
いで、Raが 0.5μm 以下で、調質圧延後の鋼板のパワー
スペクトルの波長 100〜2000μm の積分値が 200μm3
以下となるように表面凹凸が調整されたロールを使用し
て、調質圧延を施せば、良好な塗装後鮮映性を得ること
ができる。
調質圧延の効果を示したグラフである。図21は、通常
の調質圧延ロールを使用して調質圧延を行った場合であ
って、図21から、通常の調質圧延ロールを使用して調
質圧延を行った場合には、めっき原板として、パワース
ペクトルの波長100〜2000μmの積分値が200
μm3以下となるように冷間圧延した冷延鋼板を使用す
ることによって、良好な塗装後鮮映性が得られることが
わかる。
用して合金化溶融亜鉛めっき処理をし、次いで、調質圧
延したときの、冷延鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板お
よび調質圧延後の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の、パワー
スペクトルの波長100〜2000μmの積分値の変化
を示した。図23において、横軸に「冷延鋼板」と記載
した部分は、冷延鋼板のパワースペクトル波長積分値を
示しており、横軸に「伸張率0.0」と記載した部分
は、調質圧延前の合金化溶融亜鉛めっき鋼板のパワース
ペクトル波長積分値を示しており、そして、横軸に「伸
張率1.0〜5.0」と記載した部分は、各伸張率で調質
圧延された合金化溶融亜鉛めっき鋼板のパワースペクト
ル波長積分値を示している。図面において、黒丸印は本
発明例を示し、白丸印は比較例を示しており、点線は通
常の調質圧延ロールを使用した場合を示し、そして、実
線は本発明による調質圧延ロールを使用した場合を示し
ている。
よって、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のパワースペクトル
の波長100〜2000μmの積分値を200μm3以
下にするためには、冷延鋼板のパワースペクトルの波長
100〜2000μmの積分値を、調質圧延時の伸張率
との関係において、500μm3以下にする必要がある
ことが分かった。
および調質圧延条件と、この発明の方法における溶融亜
鉛めっきおよび合金化処理条件とを組み合わせるとき
は、下記のような極めて微小な凹部を有する合金化溶融
亜鉛めっき層が形成される。即ち、凹部の深さは2μm
以上であり、その数は、1mm2の数に換算して 201〜819
2個であり、そして、表面粗さ断面曲線の測定長さ間に
おいて、平均線に平行で、且つ、最高山頂から2μm 下
側にある直線で切断される長さを、測定長さに対する百
分率で表した相対負荷長さtp(2μm)は、30≦tp(2μm)≦
90(%) である。
について説明する。第1実施態様および第2実施態様の
発明において、溶融亜鉛めっき処理時における溶融亜鉛
めっき浴中のアルミニウム量は、0.05〜0.30wt.%の範囲
内に限定すべきである。アルミニウム量が0.05wt.%未満
では、めっき浴中で、 500〜600 ℃の温度領域において
初期反応を起こさせても、浴中のアルミニウム量が少な
いために、生成したFe−Al合金層の厚さが薄すぎて、ア
ウトバースト組織の横方向への成長を抑制することがで
きず、従って、極微小凹部を形成することができない。
一方、アルミニウム量が0.30wt.%を超えると、Fe−Al層
によるFe−Zn反応の抑制効果が強すぎるため、いかなる
条件で合金化処理を施しても、合金化させることができ
ない。
っき処理時に初期反応を起こさせる温度は、500 〜600
℃の範囲内に限定すべきである。初期反応を起こさせる
温度が500 ℃未満では、浴中のアルミニウムと鋼板との
反応速度が小さいために、生成したFe−Al合金層の厚さ
が薄すぎて、アウトバースト組織の横方向への成長を抑
制することができず、従って、極微小凹部を形成するこ
とができない。一方、初期反応を起こさせる温度が600
℃を超えると、めっき浴中のアルミニウムと鋼板との反
応速度が大きいために、Fe−Al合金層の厚さは十分であ
るものの、同時に、亜鉛と鋼板との反応速度が急激に上
昇するため、Fe−Zn合金層の成長を抑制することができ
ず、従って、極微小凹部を形成することができない。
を起こさせる手段としては、500 〜600 ℃の温度の鋼板
をめっき浴中に浸漬するか、鋼板を500 〜600 ℃の温度
のめっき浴中に浸漬するか、または、500 〜600 ℃の温
度の鋼板を500 〜600 ℃の温度のめっき浴中に浸漬する
ことが考えられる。しかしながら、500 〜600 ℃の温度
の鋼板をめっき浴中に浸漬する場合には、適正温度で初
期反応が生じた後、すぐに熱容量の高い浴温と同じ温度
になるために、鋼板の板厚が薄い場合には、適正な初期
反応時間が短くなる。
浴中に浸漬する場合には、鋼板を、めっき浴中に浸漬す
ると、直ちに、熱容量の高い浴温と同じ温度になるため
に、適正温度での初期反応は生ずるが、鋼板の板厚が厚
い場合には、鋼板の熱容量が比較的大になる結果、極め
て初期の反応では、適正範囲を外れる可能性がある。従
って、500 〜600 ℃の温度の鋼板を500 〜600 ℃の温度
のめっき浴中に浸漬することが望ましい。なお、浴温の
全体が500 〜600 ℃の温度領域である必要はなく、初期
反応が起こる場所、即ち、鋼板が通過する近傍の浴温
を、500 〜600 ℃の温度領域に保てば十分である。
しての冷延鋼板には、鋼中に、炭素、窒素およびボロン
のうちの少なくとも1種が1〜20ppm 固溶していること
が必要である。上記固溶量が1ppm 未満では、特定の粒
界におけるアウトバースト反応およびアウトバースト組
織の横方向への成長を抑制できず、極微小凹部を形成せ
しめることができない。一方、上記固溶量が20ppm を超
えると、冷延鋼板の材質が劣化する。
溶量の調整は、製鋼段階における溶鋼中への、C, N, B,
Ti, Nb 等の添加量を調整することによって行うことが
でき、また、熱延条件やCGL での焼鈍条件によっても調
整することができる。更に、連続溶融亜鉛めっきライン
(CGL) に鋼板を送り込む直前に、鋼板の表面に、Fe-C,
Fe-N, Fe-B等を被覆することによって、その後の焼鈍工
程において、C, N, Bを固溶させることができる。本発
明において、下地鋼板の鋼中に、炭素、窒素およびボロ
ンのうちの少なくとも1種を固溶させるのは、アウトバ
ースト反応を制御するためである。従って、鋼板が亜鉛
めっき浴中に浸漬される際に、鋼板中に炭素、窒素およ
びボロンのうちの少なくとも1種が固溶されておればよ
く、その固溶方法は特に限定されるものではない。
おいて、合金化処理工程における合金化温度は、 480〜
600 ℃の範囲内に限定すべきである。合金化温度が 480
℃未満では、アウトバースト反応が起こるまでに柱状ζ
相の成長が生ずる結果、所望の凹部を形成することがで
きない。一方、合金化温度が600 ℃を超えると、Fe−Zn
反応が強くなりすぎるために、相対的にFe−Al合金層の
抑制効果が弱くなる。従って、アウトバースト組織の横
方向への成長を抑制することができなくなって、極微小
凹部の形成が不可能になる。更に、高温のために亜鉛の
蒸発が生じたり、高温合金化により界面付近がΓ相単相
になって、耐パウダリング性が著しく低下する等の問題
が生ずる。アウトバースト反応は、500 ℃付近において
もっとも活発に生ずる。従って、好ましい合金化温度
は、 480〜540 ℃の範囲内である。
冷延鋼板の製造時における、冷間圧延機の少なくとも最
終スタンドのRaは、0.1 〜0.8 μm の範囲内に限定する
ことが好ましい。少なくとも最終スタンドのRaが0.1 μ
m 未満では、通板時に焼鈍炉内においてロール疵が発生
しやすくなるので、好ましくない。一方、少なくとも最
終スタンドのRaが0.8 μm を超えると、パワースペクト
ルの波長 100〜2000μm での凹凸が大になるので好まし
くない。
長 100〜2000μm の積分値は、200μm3以下に限定する
ことが好ましい。パワースペクトルの波長 100〜2000μ
mの積分値が200μm3を超えると、めっき後に行われる
調質圧延の方法によっては、合金化溶融亜鉛めっき鋼板
のパワースペクトルの波長 100〜2000μm の積分値を 2
00μm3以下にすることができず、良好な塗装後鮮映性
が得られない。
鋼板の表面上に合金化溶融亜鉛めっき層を形成した後
に、0.3 〜5.0%の伸長率で調質圧延を施す場合におけ
る、冷間圧延後の鋼板のパワースペクトルの波長 100〜
2000μm の積分値は、500μm3以下に限定することが好
ましい。パワースペクトルの波長 100〜2000μm の積分
値が 500μm3を超えると、合金化溶融亜鉛めっき層を
形成した後に調質圧延を施しても、合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板のパワースペクトルの波長 100〜2000μm の積分
値を 200μm3以下にすることができず、良好な塗装後
鮮映性が得られない。
は、0.5 μm 以下に限定することが好ましい。調質圧延
ロールのRaが0.5 μm を超えると、パワースペクトルの
波長100〜2000μm の凹凸が大になる。
パワースペククトルの波長100 〜2000μm の積分値は、
200μm3以下であることが好ましい。パワースペククト
ルの波長100 〜2000μm の積分値が200μm3を超える
と、塗装後鮮映性が劣化する。
5.0%の範囲内に限定することが好ましい。伸張率が
0.3%未満では、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のパワー
スペクトルの波長100〜2000μmの積分値を20
0μm3以下にすることができず、従って、塗装後鮮映
性が良好にならない。一方、伸張率が5.0%を超える
と、加工硬化によって材質が劣化する。
を使用し、連続溶融亜鉛めっきライン(CGL) によって、
上記冷延鋼板に対し、この発明の範囲内において溶融亜
鉛めっき条件および合金化処理条件を変え、溶融亜鉛め
っき処理、合金化処理および調質圧延を施し、冷延鋼板
の表面上に、鋼板片面当り、30g/m2、45g/m2および60g/
m2の量の合金化溶融亜鉛めっき層を形成した。
鉛めっき層が形成された合金化溶融亜鉛めっき鋼板の各
々から試験片を切り出し、各種の本発明試験片を調製し
た。比較のために、溶融亜鉛めっき条件および合金化処
理条件のうちの少なくとも1つが本発明の範囲外の条件
によって、上記冷延鋼板に対し、溶融亜鉛めっき処理、
合金化処理および調質圧延を施し、冷延鋼板の表面上
に、鋼板片面当り、30g/m2、45g/m2および60g/m2の量
の合金化溶融亜鉛めっき層を形成した。このようにして
製造した合金化溶融亜鉛めっき鋼板の各々から試験片を
切り出し、各種の比較用試験片を調製した。
よび比較用試験片に関する、溶融亜鉛めっき処理時にお
ける、めっき付着量、浴中Al濃度、初期反応温度、板
温、浴温、合金化処理時における合金化温度および調質
圧延時における伸長率を示す。
の各々について、下記の方法により、プレス成形性、耐
パウダリング性および塗装後鮮映性を調べ、その結果
を、表1、表2および表3に併せて示した。
係数は、図24に示す摩擦測定装置を使用して測定し
た。即ち、試験片10をローラー12上の試料台11に
固定し、押付け荷重N:400kg、引き抜き速度:1
m/分によって、試料台11をレール15に沿って引き
抜き、ビード9を試験片10に押し付けた状態で、ロー
ドセル13、14によって測定される、引抜き荷重Fと
押付け荷重Nとから、試験片10の摩擦係数F/Nを算
出した。
触面積が 3mm×10mmのものを使用した。このときに使用
した潤滑油は、日本パーカライジング(株)製の「ノッ
クスラスト530F」であり、これを、試験片10の表面に塗
布した。摩擦係数の評価は下記の通りである。 摩擦係数0.142 以下:極めて良好 摩擦係数0.150 未満:良好 摩擦係数0.150 以上:劣る
に概略正面図で、図26にビードおよびダイ部分の拡大
概略正面図で示すドロービード試験機を使用し、ドロー
ビードテストによって、次のようにして評価した。即
ち、幅30mm×長さ120mmの寸法の試験片18
を、ドロービード試験機のビード16とダイ17との間
に装着し、油圧装置20により圧力P=500kgf
で、ダイ17を試験片18を介してビード16に押し付
け、その押し付け圧力Pをロードセル19によって測定
した。
間に挟まれた試験片18を、引抜き速度V=200mm/分で上
方に引き抜いた。潤滑油として、日本パーカライジング
(株)製「ノックスラスト530F」を使用し、この潤滑油
を、試験片18の表面に塗布した。次いで、試験片18を脱
脂し、測定対象面にテープを張りつけそしてこれを剥離
し、再度脱脂した後、試験片18の重量を測定し、試験前
後における試験片の重量差からパウダリング量を求め
た。耐パウダリング性の評価は、下記の通りである。 パウダリング量5g/m2未満:良好 パウダリング量5g/m2以上:劣る
た。日本パーカライジング(株)製の「PB-L3080」を使
用して、試験片に化成処理を施し、次いで、関西ペイン
ト(株)の「El-2000 」、「TP-37 グレー」、「TM-13
(RC)」を使用して、それぞれED塗装、中塗り塗装、上塗
り塗装を行った。このようにして塗装された試験片のNS
IC値を、スガ試験機(株)製の「写像鮮明度測定装置
NSIC型」を使用して測定した。なお、NSIC値は、黒板研
磨ガラスを100 とし、その値が100 に近いほど良好な鮮
映性を示すものとした。
に、めっき浴中のAl濃度が本発明の範囲を外れて少ない
比較用試験片No.1は、プレス成形性および耐パウダリン
グ性が悪かった。めっき浴中のAl濃度が本発明の範囲を
外れて多い比較用試験片No.44は合金化されなかった。
初期反応温度が本発明の範囲を外れて低い比較用試験片
No.2、7 、12、25、34、39、46、55、および、初期反応
温度が本発明の範囲を外れて高い比較用試験片No.6、1
1、20、29、38、43、50、59は、何れもプレス成形性が
悪かった。
い比較用試験片No.21 、30、51、60は、プレス成形性が
悪かった。合金化処理温度が本発明の範囲を外れて高い
比較用試験片No.24 、33、54、63は、耐パウダリング性
が悪かった。伸張率が0% 即ち調質圧延を行わなかった
比較用試験片No.3、8 、13、26、35、40、47、56は、塗
装後鮮映性が悪かった。そして、比較用試験片No.45の
従来のレーザーダル鋼板は、耐パウダリング性が悪かっ
た。
応温度、合金化温度および伸張率がすべてこの発明の範
囲内である本発明試験片No.4、5 、9 、10、14〜19、2
2、23、27、28、31、32、36、37、41、42、48、49、5
2、53、57、58、61、62は、何れも、プレス成形性、耐
パウダリング性および塗装後鮮映性のすべてにおいて優
れていた。
の、冷間圧延時における冷延ロールのRaおよび冷間圧延
後の鋼板のパワースペクトル積分値を、この発明の範囲
内において変えて調製した。このようにして調製された
冷延鋼板に対し、この発明の範囲内において、溶融亜鉛
めっき条件、合金化処理条件および調質圧延条件を変
え、溶融亜鉛めっき処理、合金化処理および調質圧延を
施し、冷延鋼板の表面上に、鋼板片面当り、30g/m2、45
g/m2および60g/m2の量の合金化溶融亜鉛めっき層を形成
した。このようにして製造した合金化溶融亜鉛めっき鋼
板の各々から試験片を切り出し、各種の本発明試験片を
調製した。
っき条件、合金化処理条件および調質圧延条件のうちの
少なくとも1つが本発明の範囲外の条件によって、冷間
圧延、溶融亜鉛めっき処理、合金化処理および調質圧延
を施し、冷延鋼板の表面上に、鋼板片面当り、30g/m2、
45g/m2および60g/m2の量の合金化溶融亜鉛めっき層を形
成した。このようにして製造した合金化溶融亜鉛めっき
鋼板の各々から試験片を切り出し、比較用試験片を調製
した。
較用試験片に関する、溶融亜鉛めっき処理時における、
めっき付着量、浴中Al濃度、初期反応温度、板温、浴
温、合金化処理時における合金化温度、冷間圧延時にお
ける冷延ロールのRa、冷延鋼板のパワースペクトルの積
分値、調質圧延ロールのRa、調質圧延された鋼板のパワ
ースペクトルの積分値および調質圧延伸張率を示す。
について、上述したと同様の方法により、プレス成形
性、耐パウダリング性および塗装後鮮映性を調べ、その
結果を、表4および表5に併せて示した。
ロールのRaが小さい本発明試験片No.64 は、プレス成形
性、耐パウダリング性および塗装後鮮映性が何れも良好
であったが、冷延ロールにロール疵が発生しやすく、製
品品質がやや劣化した。調質圧延鋼板のパワースペクト
ル積分値が高い従来の調質圧延ロールを使用し、パワー
スペクトル積分値が高い冷延ロールを使用して冷間圧延
を行った本発明試験片No.69 〜71は、塗装後鮮映性がや
や劣化した。
8 は、プレス成形性、耐パウダリング性および塗装後鮮
映性が何れも良好であったが、製品の材質がやや劣化し
た。合金化温度が本発明の範囲を外れて低い比較用試験
片No.79 、80は、プレス成形性に劣っていた。従来のレ
ーザーダル鋼板である比較用試験片No.82 は、耐パウダ
リング性に劣っていた。
較用試験片No.86 およびめっき浴中のAl含有量が本発明
の範囲を外れて少ない比較用試験片No.87 は、プレス成
形性および耐パウダリング性が共に劣っていた。めっき
浴中のAl含有量が本発明の範囲を外れて多い比較用試験
片No.93 は、合金化することができなかった。そして、
調質圧延鋼板のパワースペクトル積分値が多い本発明試
験片No.94 は、塗装後鮮映性にやや劣っていた。
応温度、合金化温度、冷延ロールのRa、冷延鋼板のパワ
ースペクトル積分値、調質圧延ロールのRa、調質圧延鋼
板のパワースペクトル積分値、および、調質圧延伸張率
がすべてこの発明の範囲内である本発明試験片No.65 〜
68、No.72 〜77、No.81 、No.83 〜85、No.88 〜92は、
プレス成形性、耐パウダリング性および塗装後鮮映性の
すべてが優れていた。
り比較例と共に説明する。 〔実施例3〕 各種のIF鋼をベースとし、B, Ti, Nb, sol.Al および
N量を変化させて、表6および表7に示した、本発明範
囲内の成分組成を有する本発明鋼および本発明の範囲外
の成分組成を有する比較鋼を調製した。
較鋼からなる板厚0.8mm の冷延鋼板を使用し、連続溶融
亜鉛めっきライン(CGL) によって、上記冷延鋼板に対
し、この発明の範囲内において溶融亜鉛めっき条件およ
び合金化処理条件を変え、溶融亜鉛めっき処理、合金化
処理および調質圧延を施し、冷延鋼板の表面上に、鋼板
片面当り、30g/m2、45g/m2および60g/m2の量の合金化溶
融亜鉛めっき層を形成した。
鉛めっき層が形成された合金化溶融亜鉛めっき鋼板の各
々から試験片を切り出し、本発明試験片を調製した。比
較のために、溶融亜鉛めっき条件および合金化処理条件
の少なくとも1つが本発明の範囲外の条件によって、上
記冷延鋼板に対し、溶融亜鉛めっき処理、合金化処理お
よび調質圧延を施し、冷延鋼板の表面上に、鋼板片面当
り、30g/m2、45g/m2および60g/m2の量の合金化溶融亜鉛
めっき層を形成した。このようにして製造した合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の各々から試験片を切り出し、比較用
試験片を調製した。
験片および比較用試験片に関する、C, N, B の固溶量、
溶融亜鉛めっき処理時における、めっき付着量、浴中Al
濃度、合金化処理時における合金化温度および調質圧延
時における伸張率を示す。
の各々について、前述した方法により、プレス成形性、
耐パウダリング性および塗装後鮮映性を調べ、その結果
を、表8、表9、表10および表11に併せて示した。
のC, N, B 固溶量が0である比較例試験片No.101、106
、111 、116 、128 、133 、140は、何れもプレス成形
性が悪かった。下地鋼板のC, N, B 固溶量が本発明の範
囲を超えて多い比較用試験片No.105、110 、115 、132
、137 、144 は、何れもその材質が劣化した。
て低い比較用試験片No.153、167 は、プレス成形性およ
び耐パウダリング性が悪かった。めっき浴中のAl濃度が
本発明の範囲を外れて高い比較用試験片No.158、172 は
合金化しなかった。合金化温度が本発明の範囲を外れて
低い比較用試験片No.173はプレス成形性が劣っていた。
合金化温度が本発明の範囲を外れて高い比較用試験片N
o.162、176 は、プレス成形性および耐パウダリング性
が悪かった。そして、伸張率が0% 即ち調質圧延を行わ
なかった比較用試験片No.163、177は、塗装後鮮映性が
悪く、そして、レーザーダル鋼板No.164、178は、耐パ
ウダリング性が悪かった。
量、めっき浴中のAl濃度、合金化温度および伸張率がす
べてこの発明の範囲内である本発明試験片No.102〜104
、107〜109 、112 〜114 、117 〜127 、129 〜131 、
134 〜136 、138 〜139 、141〜143 、145 〜152 、154
〜157 、159 〜161 、165 〜166 、168 〜171 、174〜
175 は、何れも、プレス成形性、耐パウダリング性およ
び塗装後鮮映性のすべてにおいて優れていた。
板厚0.8mm の冷延鋼板を、冷間圧延時における冷延ロー
ルのRaおよび冷間圧延後の鋼板のパワースペクトル積分
値、調質圧延時における調質圧延ロールのRa、調質圧延
後の鋼板のパワースペクトル積分値、および、調質圧延
の伸張率を、この発明の範囲内において変えて調製し
た。
し、この発明の範囲内において、溶融亜鉛めっき条件、
合金化処理条件および調質圧延条件を変え、溶融亜鉛め
っき処理、合金化処理および調質圧延を施し、冷延鋼板
の表面上に、鋼板片面当り、30g/m2、45g/m2および60g/
m2の量の合金化溶融亜鉛めっき層を形成した。このよう
にして製造した合金化溶融亜鉛めっき鋼板の各々から試
験片を切り出し、各種の本発明試験片を調製した。
量、冷間圧延条件、溶融亜鉛めっき条件、合金化処理条
件および調質圧延条件のうちの少なくとも1つが本発明
の範囲外の条件によって、冷間圧延、溶融亜鉛めっき処
理、合金化処理および調質圧延を施し、冷延鋼板の表面
上に、鋼板片面当り、30g/m2、45g/m2および60g/m2の量
の合金化溶融亜鉛めっき層を形成した。このようにして
製造した合金化溶融亜鉛めっき鋼板の各々から試験片を
切り出し、比較用試験片を調製した。
較用試験片に関する、下地鋼板のC,N, B の固溶量、溶
融亜鉛めっき処理時におけるめっき付着量、浴中Al濃
度、合金化処理時における合金化温度、冷間圧延時にお
ける冷延ロールのRa、冷延鋼板のパワースペクトルの積
分値、調質圧延ロールのRa、調質圧延された鋼板のパワ
ースペクトルの積分値および調質圧延伸張率を示す。
について、上述したと同様の方法により、プレス成形
性、耐パウダリング性および塗装後鮮映性を調べ、その
結果を、表12および表13に併せて示した。
ロールのRaが小さい本発明試験片No.179は、プレス成形
性、耐パウダリング性および塗装後鮮映性が何れも良好
であったが、冷延ロールにロール疵が発生しやすく、製
品品質がやや劣化した。調質圧延鋼板のパワースペクト
ル積分値が高い従来の調質圧延ロールを使用し、パワー
スペクトル積分値が高い冷延ロールを使用して冷間圧延
を行った本発明試験片No.184〜186 は、塗装後鮮映性が
やや劣化した。
較用試験片No.197 は、耐パウダリング性が劣化した。
調質圧延の伸張率が本発明の範囲を外れて高い比較用試
験片No.193は、材質が劣化した。合金化温度が本発明の
範囲を外れて低い比較用試験片No.194、195 は、プレス
成形性が劣化した。合金化温度が本発明の範囲を外れて
高い比較用試験片No.201およびめっき浴中のAl濃度が本
発明の範囲を外れて低い比較用試験片No.202は、耐パウ
ダリング性が劣化した。
て高い比較用試験片No.208は合金化しなかった。そし
て、調質圧延ロールのRaが本発明の範囲を外れて高く、
且つ、調質圧延鋼板のパワースペクトル積分値が本発明
の範囲を外れて高い比較用試験片No.209は塗装後鮮映性
が劣化した。
量、めっき浴中のAl濃度、合金化温度、冷延ロールのR
a、冷延鋼板のパワースペクトル積分値、調質圧延ロー
ルのRa、調質圧延鋼板のパワースペクトル積分値、およ
び、調質圧延伸張率がすべてこの発明の範囲内である本
発明試験片No.180〜183 、187 〜191 、196 、198 〜20
0、203 〜207 は、プレス成形性、耐パウダリング性お
よび塗装後鮮映性のすべてが優れていた。
優れた塗装後鮮映性を有し、しかも、プレス成形性およ
び耐パウダリング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板
を安定して製造することがきる工業上有用な効果がもた
らされる。
および合金化処理工程におけるめっき層構造の第1段階
の変化を示した図である。
および合金化処理工程におけるめっき層構造の第2段階
の変化を示した図である。
および合金化処理工程におけるめっき層構造の第3段階
の変化を示した図である。
および合金化処理工程におけるめっき層構造の第4段階
の変化を示した図である。
亜鉛めっき鋼板のめっき工程および合金化処理工程にお
けるめっき層構造の第1段階の変化を示した図である。
亜鉛めっき鋼板のめっき工程および合金化処理工程にお
けるめっき層構造の第2段階の変化を示した図である。
亜鉛めっき鋼板のめっき工程および合金化処理工程にお
けるめっき層構造の第3段階の変化を示した図である。
亜鉛めっき鋼板のめっき工程および合金化処理工程にお
けるめっき層構造の第4段階の変化を示した図である。
亜鉛めっき鋼板のめっき工程および合金化処理工程にお
けるめっき層構造の第1段階の変化を示した図である。
融亜鉛めっき鋼板のめっき工程および合金化処理工程に
おけるめっき層構造の第2段階の変化を示した図であ
る。
融亜鉛めっき鋼板のめっき工程および合金化処理工程に
おけるめっき層構造の第3段階の変化を示した図であ
る。
融亜鉛めっき鋼板のめっき工程および合金化処理工程に
おけるめっき層構造の第4段階の変化を示した図であ
る。
亜鉛めっき鋼板の溶融亜鉛めっき層の組織を示す電子顕
微鏡写真である。
鉛めっき鋼板の溶融亜鉛めっき層の組織を示す電子顕微
鏡写真である。
表面粗さRa,Wcaとの関係を示すグラフである。
曲線を描いた、3次元表面断面曲線の一例を示す図であ
る。
っき鋼板のパワースペクトルの一例を示す図である。
相関係数を波長毎にプロットした図である。
mの積分値が200μm3以下となるように表面凹凸が
調整されたロールを使用して冷間圧延された冷延鋼板を
めっき原板として合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造した
ときの、製造過程におけるパワースペクトルの変化を示
した図である。
mの積分値が500μm3以下となるように表面凹凸が
調整されたロールを使用して冷間圧延された冷延鋼板を
めっき原板として合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造した
ときの、製造過程におけるパワースペクトルの変化を示
した図である。
行った場合の伸張率と冷延鋼板のパワースペクトルの波
長100〜2000μmの積分値との関係を示す図であ
る。
ルの波長100〜2000μmの積分値と塗装後鮮映性
(NSIC値)との関係を示す図である。
2000μmの積分値および合金化溶融亜鉛めっき鋼板
のパワースペクトルの波長100〜2000μmの積分
値の、調質圧延による変化を示した図である。
装置を示した概略正面図である。
ード試験機を示した概略正面図である。
概略正面図である。
Fe−Al合金層5 ζ相、6 剥離したFe−Al
合金、7 アウトバースト組織、8 極微小凹部、9
ビード、10 試験片、11 試料台、12 ローラ
ー、13 ロードセル、14 ロードセル、15 レー
ル、16 ビード、17 ダイ、18 試験片、19
ロードセル、20 油圧装置、21 粒界に偏析した
C,N,B。
Claims (4)
- 【請求項1】 熱延鋼板を冷間圧延することによって冷
延鋼板を調製し、前記冷延鋼板に対し溶融亜鉛めっき処
理を施すことによって、前記冷延鋼板の表面上に溶融亜
鉛めっき層を形成し、次いで、前記溶融亜鉛めっき層が
形成された前記鋼板に対し合金化処理を施すことによっ
て、前記鋼板の表面上に合金化溶融亜鉛めっき層を形成
し、次いで、前記合金化溶融亜鉛めっき層が形成された
前記鋼板に対し調質圧延を施すことからなる、合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、 前記溶融亜鉛めっき処理を、アルミニウム量:0.05〜0.
30wt.%、残り: 亜鉛および不可避的不純物からなる成分
組成の溶融亜鉛めっき浴中に、 500〜600 ℃の温度領域
において初期反応が生ずるように鋼板を浸漬することに
よって行い、そして、前記合金化処理を、480 〜600 ℃
の温度域によって行うことを特徴とする、プレス成形
性、耐パウダリング性および塗装後鮮映性に優れた合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 熱延鋼板を冷間圧延することによって冷
延鋼板を調製し、前記冷延鋼板に対し溶融亜鉛めっき処
理を施すことによって、前記冷延鋼板の表面上に溶融亜
鉛めっき層を形成し、次いで、前記溶融亜鉛めっき層が
形成された前記鋼板に対し合金化処理を施すことによっ
て、前記鋼板の表面上に合金化溶融亜鉛めっき層を形成
し、次いで、前記合金化溶融亜鉛めっき層が形成された
前記鋼板に対し調質圧延を施すことからなる、合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、 前記冷延鋼板として、鋼中に、炭素、窒素およびボロン
のうちの少なくとも1種が1〜20ppm 固溶している鋼板
を使用し、前記溶融亜鉛めっき処理を、アルミニウム
量:0.05〜0.30wt.%、残り: 亜鉛および不可避的不純物
からなる成分組成の溶融亜鉛めっき浴中に前記鋼板を浸
漬することによって行い、そして、前記合金化処理を、
480 〜600 ℃の温度域によって行うことを特徴とする、
プレス成形性、耐パウダリング性および塗装後鮮映性に
優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 前記冷間圧延を、冷間圧延機の少なくと
も最終スタンドにおいて、Raが 0.1〜0.8 μm であり、
そして、冷間圧延後の鋼板の断面曲線をフーリエ変換し
て得られるパワースペクトルの波長 100〜2000μm の積
分値が 200μm3以下となるように表面凹凸が調整され
たロールを使用して行い、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の
パワースペクトルの波長100〜2000μm の積分値を200μ
m 3 以下にする請求項1または2に記載の方法。 - 【請求項4】 前記冷間圧延を、冷間圧延機の少なくと
も最終スタンドにおいて、Raが 0.1〜0.8 μm であり、
そして、冷間圧延後の鋼板の断面曲線をフーリエ変換し
て得られるパワースペクトルの波長 100〜2000μm の積
分値が 500μm3以下となるように表面凹凸が調整され
たロールを使用して行い、そして、 前記調質圧延を、Raが0.5 μm 以下であり、そして、調
質圧延後の鋼板の断面曲線をフーリエ変換して得られる
パワースペクトルの波長 100〜2000μm の積分値が 200
μm3以下となるように表面凹凸が調整されたロールを
使用し、伸張率0.3〜5%の調質圧延を行い、合金化
溶融亜鉛めっき鋼板のパワースペクトルの波長100〜200
0μm の積分値を 200μm 3 以下にする請求項1または2
に記載の方法。
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DE69418437T DE69418437T2 (de) | 1993-06-30 | 1994-06-29 | Feuerverzinktes stahlblech mit guter pressbarkeit |
EP98111150A EP0882810B1 (en) | 1993-06-30 | 1994-06-29 | Method for manufacturing an alloying-treated iron-zinc alloy dip-plated steel sheet excellent in press-formability |
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DE102020200326A1 (de) * | 2020-01-13 | 2021-07-15 | Thyssenkrupp Steel Europe Ag | Verfahren zur Herstellung eines oberflächenveredelten und oberflächenkonditionierten Stahlblechs |
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-
1993
- 1993-12-20 JP JP34482893A patent/JP3368647B2/ja not_active Expired - Fee Related
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