JP4039332B2 - 耐パウダリング性、摺動性および塗装後鮮映性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐パウダリング性、摺動性および塗装後鮮映性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プレス成形性、塗装後鮮映性および耐パウダリング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
合金化溶融亜鉛めっき鋼板は優れた塗装後耐食性、溶接性を有するため、自動車用、家電用、建材用の防錆鋼板としてその需要が近年増加しており、特に最近では、耐食性を確保するため亜鉛めっき皮膜が厚目付化する傾向にある。ところで、この合金化溶融亜鉛めっき鋼板を自動車等の用途に用いる場合、優れた耐めっき剥離性(耐パウダリング性)とプレス成形性(良好な摺動性)が要求される。さらに、自動車、家電製品および鋼製家具等の外板のように、塗装後の仕上がり外観が良好であること(塗装後鮮映性)も要求される。
【0003】
この「パウダリング」とは、めっき層が粉状または塊状に剥離する現象である。この現象が生じると、剥離部分の耐食性が劣化したり、剥離しためっき片により該鋼板自体に疵が生じるといった問題がある。「パウダリング」が生じる原因は、めっき層と地鉄との界面に、硬くて脆いГ相が生成するからであると言われている。
【0004】
一方、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のプレス加工時のもう一つの大きな不具合として、鋼板の割れの発生が挙げられる。割れの原因は、摩擦係数で代表させる「摺動性」が劣る(摩擦係数が大きい)ことにある。さらに、つき詰めるならば、めっき層の表面に軟質な合金相であるζ相が生成することにあり、このζ相が、該めっき鋼板プレス加工時に割れを引き起こすのである。また、ζ相が多いと、フレーキングと称される箔状のめっき剥離が起きることも知られている。
【0005】
そこで、例えば、特許文献1は、このГ相を極力減らし、且つζ相を含有しない合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提案している。確かに、「めっき密着性」を劣化させるГ相を極力減らし、且つ「摺動性」を劣化させるζ相を含有しない合金化溶融亜鉛めっき鋼板が安定して製造できれば、自動車の車体用鋼板を供給する者にとっては、非常に好ましいことである。しかしながら、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、溶融亜鉛めっき後に加熱拡散処理を施し、表面のめっき層と地鉄との間でFeを相互拡散させ、つまり合金化して製造するものであるから、Fe−Zn2元系状態図に現れる前記合金相がめっき層内に現れることは不可避である。そして、めっき表層に出現するFe含有率の低いζ相を抑制しようとすると、どうしてもめっき層と地鉄の界面にFe含有率の高いГ相が厚く成長し、一方、Г相の生成を抑制しようとすると、ζ相が厚く生成してしまうという関係は、回避できないものであった。
【0006】
また、特許文献2は、ζ相からなる結晶を主体にした合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提案している。しかしながら、該めっき鋼板は、上述したζ相の結晶が大きくなり過ぎるために、「摺動性」及び「耐フレーキング性」に劣るものであった。
【0007】
さらに、自動車、家電製品および鋼製家具等の外板のように、塗装後の仕上がり外観が良好であることを要求される鋼板には、従来、表面粗さが調節された冷延鋼板が使用されていた。また、自動車用鋼板等のように、優れた防錆効果が要求される鋼板としては、表面粗さが調節された冷延鋼板に、電気亜鉛めっき処理を施すことによって製造された、薄目付けの電気亜鉛めっき鋼板が使用されていた。
【0008】
近年、更に優れた防錆効果が要求されており、厚目付けの表面処理鋼板に対するニーズが高まっていることから、塗装性、溶接性および耐食性に優れており、しかも比較的安価に厚目付けが可能な、合金化溶融亜鉛めっき鋼板が広く使用されるようになってきた。しかしながら、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、最終の溶融亜鉛めっき工程および合金化処理工程において、めっき層の表面粗さが大きく変化するために、上述した鋼板の表面粗さを調節する方法による効果は期待できなかった。
【0009】
以下に、先行技術文献情報について記載する。
【0010】
【特許文献1】
特公平3−55544号公報
【0011】
【特許文献2】
特公平3−55543号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑み、「耐パウダリング性」、「摺動性」及び「塗装後鮮映性」が共に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、まず、耐パウダリング性を確保することを目的に、表層にζ相が存在するめっき層において、いかに摺動性を向上させるかという課題に関し鋭意研究を重ねた。その結果、従来から言われているように、めっき層表面の相構造は摺動性に影響を及ぼすという大きな傾向があるものの、さらに、表面平坦部が摺動性に大きな影響を与えることを見出し、表面平坦部を制御することにより、表層にζ相が多く存在するめっき皮膜においても良好な摺動性を得ることできることが判明した。一方、塗装後鮮映性に及ぼす合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層の表面粗さについて、鋭意研究を行った結果、めっき層表面にζ相が存在している方が、塗装後鮮映性に有利な表面粗さを形成しやすいことを見出し、「耐パウダリング性」、「摺動性」及び「塗装後鮮映性」が共に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得ることに成功し、本発明を完成させたのである。
【0014】
すなわち、第1発明は、めっき皮膜の付着量が45〜65g/m2、該めっき皮膜中のFe含有量が6.5〜10%、該めっき皮膜をX線回折し、得られた強度から下記(1)式で表される皮膜中ζ相の存在比率Z/Dが20以上、調質圧延後の表面粗さRaが1.0μm以下且つめっき表面の平坦部の面積率が30%以上60%以下であることを特徴とする耐パウダリング性、摺動性および塗装後鮮映性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板である。
Z/D=(Iζ−Ibg)/(Iδ1−Ibg)×100…(1)
但し、Iζ:d=1.900のピーク強度、
Iδ1:d=1.990のピーク強度、
Ibg:バックグランド
また、第2発明は、鋼板を浴中Al量0.14%以下、残部Znおよび不可避的不純物からなる浴温度470℃以下の亜鉛めっき浴に侵入板温495℃以下で侵入させてめっきを施した後、該亜鉛めっき浴から引き上げるめっき工程と、めっき浴から引き上げた鋼板のめっき付着量を調整する目付量調整工程と、めっき付着量を調整した鋼板を高周波誘導加熱炉で加熱炉出側の板温が495℃以下で加熱した後冷却してめっき皮膜のFe含有量を6.5〜10%の範囲内にする合金化処理工程と、合金化処理後のめっき鋼板を表面粗さRaが1.4μm以下のロールで伸長率0.5〜2.0%の調質圧延を行う調質圧延工程と、を有することを特徴とする、耐パウダリング性、摺動性および塗装後鮮映性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、発明をなすに至った経緯とともに、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
本発明者らは、まず、塗装後鮮映性に及ぼす、合金化処理温度ならびに合金化処理後の調質圧延伸長率の影響を調査した。IF鋼冷延鋼板を連続溶融亜鉛めっきライン(CGL)において、亜鉛めっきし、実験室において、高周波誘導加熱炉により450、500、550℃での恒温合金化処理を施し、調質圧延を行った各サンプルに対して、一般的に自動車製造工程で用いられる方法により塗装を施した。即ち、リン酸亜鉛処理による前処理を行った後、カチオン電着塗装を行い、その後、塗装後鮮映性に及ぼす塗装条件の影響をより明確にする為、中塗りまでの2コートのスプレー塗装(塗装膜厚:55μm)を行った。塗装後鮮映性の評価は、スガ試験機(株)製の「写像鮮明度測定装置NSIC型」によりNSIC値を測定した。なお、NSIC値は、黒板研磨ガラスを100とし、その値が100に近いほど良好な鮮映性を示すものとされている。図1に実験結果を示した。
【0017】
450℃で合金化処理を行った場合には、めっき皮膜表層には柱状のζ相が生成した。そして、500、550℃で合金化処理を行った場合には、めっき皮膜表層には主にδ1相が存在した。
【0018】
調質圧延をする前の鋼板のNSIC値は、合金化処理温度によらずほぼ一定の値を示した。これは、合金化処理時に生成するFe−Zn合金結晶の違いは、100μm以下の短い波長の成分であり、塗装後鮮映性には影響しないことを示している。しかしながら、調質圧延を施した場合には、450℃で合金化処理したサンプルのNSIC値は、500、550℃で合金化処理したサンプルに比べ高い値を示し、塗装後鮮映性が良好であった。
【0019】
前述のNSIC値の違いは、調質圧延でめっき表面に形成された平坦部の割合と関係していると考えられることから、以上のことは、めっき皮膜に生成したFe−Zn合金結晶の種類によって、調質圧延の際の平坦化挙動に違いがあることを示唆している。これは、ζ相がδ1相に比べ軟らかいことにより、調質圧延時の平坦化挙動に差を生じたものと考えられる。
【0020】
次に、IF鋼冷延鋼板を連続溶融亜鉛めっきライン(CGL)において、亜鉛めっき後高周波誘導加熱炉によりFe%をおよそ7〜12%に調整した後に表面粗さの異なるロールを用いて同一の伸長率(0.7%)で調質圧延を行った合金化溶融亜鉛めっき鋼板を用いて、耐パウダリング性および摺動性に及ぼす製造条件の影響を調査した。また、比較のために、調質圧延を行わなかった未調圧のサンプルについても調査した。
【0021】
耐パウダリング性の評価は図2に示すドロービード試験機にて行った。図2において、1は試験片、2はビード部、3はダイ、4はロードセル、5は油圧シリンダである。図3は図2のドロービード試験機のビードおよびダイ部分の拡大概略断面図、図4はビードの断面形状を説明する側面図である。図3に示すように、ビード部2のダイ3対向側にビード2aが取り付けられている。ビード2aの先端半径Rは0.5mmである。
【0022】
試験片1に防錆油(パーカー興産(株)製ノックスラスト550HN)を1g/m2塗布した後、ビード部2とダイ3の間に装着し、油圧シリンダ5で押し付け荷重P:500kg、押し込み深さh:4mmで、ダイ3を試験片1を介してビード部2に押し付け、試験片1を引き抜き速度:200mm/minで上方に引き抜くビード引き抜き試験を行い、ビード引き抜き試験後の試験片1表面をテープ剥離後重量測定した。ドロービード試験前の試験片重量と前記で測定したテープ剥離後の試験片重量の変化量から剥離量を算出した。
【0023】
図5は前述のドロービード試験結果を示す図で、耐パウダリング性に及ぼすめっき皮膜中Fe%の影響を示す。図5から、良好な耐パウダリング性を得るためには、Fe%は10%以下であることが好ましいことがわかった。
【0024】
ここで、合金化処理のヒートパターンを種々変えて、めっき付着量が50〜55g/m2の範囲内にある合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造し、めっき皮膜中に存在するζ相の存在比率Z/D(本明細書では、単に「Z/D」とも記載する。)とFe%の関係について調査した結果を図6に示す。皮膜中ζ相の量は、めっき皮膜をX線回折し、ζ相についてはd=1.900のピーク強度Iζを、またδ1相についてはd=1.990のピーク強度Iδ1をそれぞれ取り、下式で示すピーク強度比をもって皮膜中のζ相の量を表した。なお、Ibgはバックグランドである。
Z/D=(Iζ−Ibg)/(Iδ1−Ibg)×100
図6からわかるように、めっき皮膜のζ量はFe%が低いほど多く、Fe%が10%を超えるとかなり少なくなる。また、Fe%が9〜10%の範囲では、同じFe%であっても、ζ相の存在量にはかなりの差が生じる。これは、Fe%が9〜10%の範囲では、合金化のヒートパターンなどにより、柱状のζ相の生成にばらつきがあることによると考えられる。
【0025】
摺動性の評価は図7に示す平板摺動試験機により測定される摩擦係数にて行った。試験片11が試料台12に固定され、試料台12は、水平移動可能なスライドテーブル13の上面に固定されている。スライドテーブル13の下面には、これに接したローラ14を有する上下動可能なスライドテーブル支持台15が設けられ、これを押上げることにより、圧子16による試験片11への押付荷重Nを測定するための第1ロードセル17が、スライドテーブル支持台15に取付けられている。上記押付力を作用させた状態でスライドテーブル13を水平方向へ移動させるための摺動抵抗力Fを測定するための第2ロードセル18が、スライドテーブル13の一方の端部に取付けられている。
【0026】
図8は、使用した圧子16の形状・寸法を示す概略斜視図である。圧子16の下面が試験片11の表面に押しつけられた状態で摺動する。図8に示す圧子16の形状は、幅10mm、試験片の摺動方向長さ12mm、摺動方向両端の下部は曲率4.5mmRの曲面で構成され、試験片が押付けられる圧子下面(摺動面)は幅10mm、摺動方向長さ3mmの平面を有する。
【0027】
試験片11に防錆洗浄油(スギムラ化学(株)製プレトンR352L)を1g/m2塗布した後、工具鋼SKD11製の圧子16を荷重400kgfで押し付け、1.0m/minの引き抜き速度で摺動長さ100mmの引き抜きを行い、引き抜き荷重Fと押し付け荷重Nとの比、F/Nを摩擦係数とした。
【0028】
引き抜き荷重は、▲1▼圧子と鋼板表面が凝着を起こし、凝着を引き剥がすための剪断力、▲2▼圧子が鋼板表面を変形させ潰していく力、が主要なものと考えられる。従って、▲1▼鋼板表面の組成、すなわち、鋼板表面の融点、▲2▼鋼板表面の硬さ、および、▲3▼鋼板表面の形状、が摩擦係数に及ぼす重要な要因である。
【0029】
図9に摩擦係数に及ぼすに及ぼすめっき皮膜中のζ相の存在量Z/Dおよび調質圧延の影響を示した。
【0030】
調質圧延を行わない場合は、Z/Dの増加とともに摩擦係数が徐々に高くなり、Z/Dが35程度以上になると、摩擦係数が一定かあるいはやや低下する傾向が認められる。Z/Dが高いほど、ζ相の存在量が多い。従って、融点が低く軟らかいζ相が圧子と凝着を起こし、引き抜き荷重が増加した結果、摩擦係数が高くなったものである。また、Z/Dが35程度以上で摩擦係数が一定かあるいはやや低下する傾向が認められた原因は、ζ相自体が軟らかいために、変形抵抗がやや小さくなったものと考えられる。尚、調質圧延を行わない場合には、摩擦測定時の変形に影響するマクロの表面の形状は、合金化条件の違いに関係なく、めっき前の原板である冷延鋼板形状と概ね一致する形状になる。そのため、調質圧延を行った場合に比べ、粗い表面形状となっているため、めっき鋼板表面の変形抵抗への寄与は調質圧延を行った材料に比べて大きい。
【0031】
Ra=1.0μmのロールにより調質圧延を行った場合には、Z/Dの増加とともに摩擦係数が小さくなった。摩擦係数は、Z/Dが20未満ではZ/Dの増加とともに徐々に低下したが、Z/Dが20以上ではZ/Dの増加とともに顕著に低下した。この原因を調べるために、図9中に示されるZ/Dの値の異なるA、BおよびCのめっき鋼板の表面を観察した結果を図10に示す。図10中、暗く見える部分が平坦部、明るく見える部分が凹部である。Z/Dは、Aが10、Bが25、Cが57である。また、図10中に記載されるように、各サンプルの平坦部面積率は、サンプルAは17%、サンプルBは23%、サンプルCは38%である。
【0032】
Z/Dの高い、すなわち表層がζ相主体の皮膜(サンプルC)の場合、調質圧延により平滑化された平坦部面積率が、Z/Dの低い、すなわち表層がδ1相主体の皮膜(サンプルA、B)の場合に比べ大きいことが判る。これは、ζ相がδ1相に比べ軟らかいことにより、調質圧延時の平坦化挙動に差を生じたものと考えられる。以上のことは、先に、塗装後鮮映性の説明でも述べたが、めっき皮膜に生成したFe−Zn合金結晶の種類によって、調質圧延の際の平坦化挙動に違いがあることを示している。
【0033】
以上より、Z/Dが高い、すなわちめっき表面のζ相存在量が多いサンプルであっても、調質圧延によりめっき表面が平滑化されている場合には、引き抜き抵抗が小さくなり、摩擦係数が低くなることが判明した。めっき鋼板表面の平坦部は、周囲と比較すると凸部として存在する。平坦部が多いことにより、摺動時の変形が抑制され、変形抵抗に基づく引き抜き荷重増加が軽減されたことが原因と考えられる。
【0034】
Ra=1.8μmのロールにより調質圧延を行った場合は、調質圧延を行わない場合に比べて摩擦係数が小さいが、Ra=1.0μmのロールで調質圧延を行った場合に比べて摩擦係数が大きく、摩擦係数とZ/Dの関係もRa=1.0μmのロールで調質圧延を行った場合とは異なる傾向を示した。すなわち、Z/Dが35程度まではZ/Dの増加とともに摩擦係数は徐々に大きくなり、Z/Dがそれ以上になると摩擦係数はほぼ一定又は若干低下する程度で、摩擦係数が顕著に低下する現象は認められなかった。これは、Z/D増加による凝着の寄与と、粗いロールにより調質圧延が行われていることにより、鋼板表面の平坦化よりもロール粗さの転写のほうが支配的であり、鋼板表面の変形抵抗の寄与がRa=1.0μmのロールで調質圧延を行った材料に比べて大きいことが原因と考えられる。
【0035】
なお、調質圧延を行わない場合、調質圧延後のめっき表面粗さRaは1.2〜1.4μmの範囲内、Ra=1.0μmのロールにより調質圧延を行った場合の調質圧延後のめっき表面粗さRaは0.4〜0.8μmの範囲内、Ra=1.8μmのロールにより調質圧延を行った場合の調質圧延後のめっき表面粗さRaは1.2〜1.4μmの範囲内にあった。
【0036】
また、ここでは、データとして示さないが、ロール粗さが粗いロールで調質圧延を行うと、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき皮膜が、調質圧延時に剪断変形を受けやすくなるため、調質圧延終了の時点で既にめっき皮膜が損傷を受けた状態となり、耐パウダリング性が劣化する傾向にある。
本発明は、以上の知見に基づいてなされた。本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、耐パウダリング性、摺動性および塗装後鮮映性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板であり、めっき皮膜の付着量が45〜65g/m2、該めっき皮膜中のFe含有量が6.5〜10%、該めっき皮膜をX線回折し、得られた強度から以下の(1)の式で表される皮膜中ζ相の存在比率Z/Dが20以上、調質圧延後の表面粗さRaが1.0μm以下且つめっき表面の平坦部の面積率が30%以上60%以下であることを特徴とする。
Z/D=(Iζ−Ibg)/(Iδ1−Ibg)×100…(1)
但し、Iζ:d=1.900のピーク強度、
Iδ1:d=1.990のピーク強度、
Ibg:バックグランド。
【0037】
ここで、本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板におけるめっき皮膜の付着量、皮膜中のFe含有率、皮膜中ζ相の存在比率Z/D、調質圧延により平滑化された平坦部の面積率の限定理由について説明する。
【0038】
めっき皮膜の付着量は、45〜65g/m2とする。めっき皮膜が45g/m2未満では、満足する耐食性が得られない。一方、65g/m2を超えても耐食性は充分すぎることと、耐パウダリング性が劣化し、プレス成形時に表面欠陥を発生させる弊害が出るため好ましくない。
【0039】
皮膜中のFe含有量は6.5〜10%とする。6.5%を下回ると、純亜鉛相が表面に残存するため、摺動性が劣化し、また合金化溶融亜鉛めっき鋼板の特徴である、良好な塗装後耐食性や溶接性が得られなくなる。一方、10%を越えると、耐パウダリング性が劣化しプレス成形時に表面欠陥を発生させる弊害があるとともに、後述のζ相の存在量が少なくなるため、調質圧延による表面の平坦化効果が現れず、良好な摺動性および塗装後鮮映性が得られないので好ましくない。
【0040】
めっき皮膜をX線回折し、得られた強度で表される皮膜中ζ相の存在比率Z/Dは20以上とする。Z/Dが20未満では、調質圧延による平坦化効果が現れず、良好な摺動性および塗装後鮮映性が得られない。
【0041】
調質圧延後のめっき鋼板の表面粗さRaは1.0μm以下とする。表面粗さRaが1.0μm超では、良好な摺動性および塗装後鮮映性が得られない。表面粗さRaは0.8μm以下がより好ましい。表面粗さRaが小さすぎるとハンドリング疵が発生しやすくなるので、表面粗さRaは0.3μm以上であることが好ましい。
【0042】
調質圧延により平滑化された平坦部の面積率は30%以上60%以下とする。30%未満では、調質圧延による表面の平坦化効果が現れず、良好な摺動性および塗装後鮮映性が得られない。一方、60%を越えると、表面が平滑すぎて、ハンドリング上の問題があるため好ましくない。
【0043】
めっき表面の平坦部は、光学顕微鏡あるいは走査型電子顕微鏡等で表面を観察することで容易に識別可能である。めっき表面における平坦部の面積率は、上記顕微鏡写真を画像解析することにより求めることができる。
【0044】
次に、上記した本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法について説明する。
【0045】
本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、焼鈍工程で焼鈍された鋼板を、溶融亜鉛めっきするめっき工程、めっき付着量を調整する目付量調整工程、めっき量を調整した鋼板を合金化処理する合金化処理工程、次いで調質圧延する調質圧延工程により製造される。焼鈍工程の条件は常法でよく、特に限定されない。
【0046】
本発明では、めっき皮膜にζ相を形成させることが第一の特徴である。
めっき工程は、前記鋼板を、浴中Al量0.14%以下、残部Znおよび不可避的不純物からなる、浴温度:470℃以下の亜鉛めっき浴に侵入板温495℃以下で侵入させてめっきを施した後、該めっき浴から鋼板を引き上げる。
【0047】
浴中Al量が0.14%を超えると、ζ相の生成量が減少し、Z/Dを20以上にすることが難しくなる上、合金化時間が長くなり生産性が低下するため好ましくない。浴温度が、470℃を超えると、浴中でアウトバースト反応が起こり、合金化が進みすぎるため好ましくない。侵入板温が495℃を超えると、ζ相が形成しにくくなり、安定してZ/Dを20以上にすることが難しくなるため好ましくない。
【0048】
目付量調整工程は、めっき浴から引き上げた鋼板のめっき付着量を気体絞りにより所定のめっき量に調整する。めっき量調整方法は常法でよい。
【0049】
次に、合金化処理工程で合金化処理を行う。合金化処理工程は、めっき付着量を調整した鋼板を高周波誘導加熱炉で加熱炉出側の板温が495℃以下で加熱した後冷却してめっき皮膜のFe含有量を6.5〜10%の範囲内にする。
【0050】
本発明では、合金化処理を高周波誘導加熱炉で行う。これは、以下に記載するように、ガス炉等の雰囲気加熱方式による合金化処理に比べて、優れた耐パウダリング性と摺動性が得られるためである。
【0051】
従来一般に行われているガス炉等の雰囲気加熱方式による合金化処理では、めっき皮膜の上から加熱され、加熱が不均一となり易く、合金化反応が微視的に不均一に生じ易い。特に結晶粒界は反応性に富むため、所謂アウトバースト反応が生じ易い。アウトバースト組織が発生すると、この部分からΓ相が成長し始め、このΓ相の形成により耐パウダリング性が劣化する。
【0052】
これに対して、高周波誘導加熱炉を用いて鋼板を高周波誘導加熱すると、鋼板自体を直接加熱することができ、しかも、めっき皮膜に接する界面が最も加熱されるため、界面におけるFe−Zn反応が短時間でしかも板面位置に無関係に均一に起こり、また微視的にも均一な合金化反応が生じる。また、短時間で合金化処理できるため、Γ相の生成を少なくできる。さらに、鋼板幅方向、長さ方向で均一な加熱が可能で、加熱炉出側での厳密な板温管理が可能であることから、過合金が起こりにくい。そのため、鋼板上での局部的な過合金やζ相の残留がなくなり、鋼板−めっき界面にΓ相を厚く生成させずに、めっき皮膜をδ1相主体のFe−Zn層とし、さらに、めっき層表面にζ相を安定して生成させることができる。
【0053】
加熱炉出側の板温を495℃以下に規定するのは、加熱炉出側の板温が495℃を超えると、ζ相が形成しにくくなり、安定してZ/Dを20以上にすることが難しくなるためである。
【0054】
皮膜中のFe含有量を6.5〜10%に規定するのは、6.5%を下回ると、摺動性が劣化し、良好な塗装後耐食性や溶接性が得られなくなり、一方、10%を越えると、耐パウダリング性が劣化しプレス成形時に表面欠陥を発生させる弊害があるとともに、後述のζ相の存在量が少なくなるため、調質圧延による表面の平坦化効果が発現されず、良好な摺動性および塗装後鮮映性が得られないためである。皮膜中のFe%は、加熱炉出側板温や冷却速度を調整することで調整可能である。
【0055】
高周波誘導加熱炉を用いると、ガス炉等の雰囲気加熱方式とは異なり、加熱された雰囲気ガスの上昇(ドラフト効果)がないため、加熱炉を出たあとで過合金が起り難いため、加熱炉をでた後は特殊な冷却を行わなくてもよい。
【0056】
調質圧延工程では、合金化処理後のめっき鋼板を表面粗さRaが1.4μm以下のロールで伸長率0.5〜2.0%の調質圧延を行う。
【0057】
本発明の第2の特徴は、鋼板表面に調質圧延により平滑化された表面平坦部を形成することである。調質圧延ロールの表面粗さRaが1.4μmを超えると、ロールの粗さが鋼板表面に転写され、調質圧延後のめっき鋼板の表面粗さRaが1.0μm超になって、良好な摺動性および塗装後鮮映性が得られないので好ましくない。調質圧延後のめっき鋼板の表面粗さRaを0.8μm以下にするには、調質圧延ロールの表面粗さRaが1.2μm以下とすることが好ましい。伸長率が0.5%未満では、平坦部面積率を30%以上にすることはできないため、良好な摺動性および塗装後鮮映性が得られないので好ましくない。また、伸長率が2.0%超では、材質が劣化するため、好ましくない。伸長率を大きくすることで平坦部面積率が大きくなるが、伸長率が2.0%以下であれば、平坦部面積率を確実に60%以下にできる。
【0058】
【実施例】
(実施例1)
被めっき原板として、板厚0.8mm、表1に示す成分組成、及び残部がFe及び不可避不純物であるIF鋼冷延鋼板を準備し、連続溶融亜鉛めっきライン(CGL)において、通板速度90mpmで、850℃で焼鈍後、浴温度:460℃、浴中Al量0.13%、残部Znおよび不可避的不純物からなる亜鉛めっき浴に、侵入板温465℃で侵入させてめっきを施した後、ガスワイピングノズルでめっき皮膜の付着量を調整し、次いで高周波誘導加熱炉で合金化処理を行い、引き続き調質圧延を行って合金化溶融亜鉛めっき鋼板の供試材を製造した。ガスワイピングノズル条件を調整することでめっき皮膜の付着量を調整し、高周波誘導加熱炉で加熱装置の出力を調整して加熱炉出側板温を調整することでめっき皮膜中Fe%、Z/Dの値の異なる供試材を得た。調質圧延は表面粗さRaが1.0μmのダルロール(但し、比較例7および比較例8のみ表面粗さRaが1.6μmのダルロール)を用い、伸長率を調整することで、めっき鋼板の表面粗さRaと平坦部の面積率を調整した。
【0059】
【表1】
Figure 0004039332
【0060】
前記で得た供試材のめっき付着量、皮膜中のFe%、表面粗さ(Ra)、Z/D(皮膜中ζ相の存在比率)、平坦部面積率、耐パウダリング性、摺動性(摩擦係数)、塗装後鮮映性を調査した。Z/Dは、めっき皮膜をX線回折し、得られた強度に基き前記(1)式から求めた。平坦部面積率は、めっき表面の走査型電子顕微鏡による観察結果から求めた。耐パウダリング性は、図2のドロービード試験機を用いて、実施の形態に記載した方法で剥離量を算出して評価した。摺動性は、図7の平板摺動試験機を用いて、実施の形態に記載した方法で摩擦係数を測定して評価した。塗装後鮮映性は、実施の形態に記載した方法で、膜厚55μmの2コート塗装を行い、NSIC値を測定して評価した。調査結果を表2に記載した。
【0061】
【表2】
Figure 0004039332
【0062】
めっき皮膜の付着量、皮膜中のFe含有量、表面粗さ(Ra)、Z/D、平坦部の面積率が本発明範囲内にある本発明例の各鋼板は、何れも、「耐パウダリング性」、「摺動性」及び「塗装後鮮映性」が優れる。
【0063】
これに対して、皮膜中のFe含有量、Z/Dが本発明範囲を外れる比較例2、5、平坦部の面積率は本発明範囲の下限を下回る比較例3、めっき皮膜の付着量が本発明範囲の上限を超える比較例6は、「耐パウダリング性」、「摺動性」及び「塗装後鮮映性」のうちの少なくとも一つの特性が劣る。
【0064】
めっき皮膜の付着量が本発明範囲の下限を外れる比較例1は、「耐パウダリング性」、「摺動性」及び「塗装後鮮映性」は良好であるが、耐食性が劣る。平坦部の面積率が本発明範囲を上回る比較例4は「耐パウダリング性」、「摺動性」及び「塗装後鮮映性」は良好であるが、ハンドリング性に劣る。
【0065】
比較例7および比較例8は表面粗さRaが本発明範囲を外れるため、「摺動性」と「塗装後鮮映性」が劣る。尚、比較例7および比較例8は表面粗さRaが大きい調質圧延ロールを用いて調質圧延を行っているために、「耐パウダリング性」が比較的劣る傾向にあり、特に、比較例8では、顕著である。
【0066】
(実施例2)
被めっき原板として、板厚0.8mm、実施例1と同じ成分組成のIF鋼冷延鋼板を準備し、連続溶融亜鉛めっきライン(CGL)において、通板速度90mpmで、850℃で焼鈍後、浴中Al量0.13%、残部Znおよび不可避的不純物からなる亜鉛めっき浴に侵入させてめっきを施した後、ガスワイピングノズルでめっき皮膜の付着量を50g/m2に調整し、次いで高周波誘導加熱炉で合金化処理を行い、引き続き調質圧延を行って合金化溶融亜鉛めっき鋼板の供試材を製造した。供試材の製造条件を表3に記載した。前記で得ためっき鋼板のめっき付着量、皮膜中のFe%、表面粗さ(Ra)、Z/D、平坦部面積率、耐パウダリング性、摺動性(摩擦係数)、塗装後鮮映性を調査した。Z/D、平坦部面積率、耐パウダリング性、摺動性(摩擦係数)、塗装後鮮映性は、実施例1と同様の方法で調査した。調査結果を表4に記載した。
【0067】
【表3】
Figure 0004039332
【0068】
【表4】
Figure 0004039332
【0069】
めっき浴温度、侵入板温、誘導加熱炉出側板温、調質圧延条件(ロール粗さ、伸長率)が本発明範囲内にある本発明例の各鋼板は、表面粗さ(Ra)、Z/Dの値及び平坦部の面積率が第1発明で規定する範囲内にあり、何れも、「耐パウダリング性」、「摺動性」及び「塗装後鮮映性」が優れる。
【0070】
一方、めっき浴温度、侵入板温、誘導加熱炉出側板温の内のいずれかの条件が本発明範囲を外れる比較例1〜3は、Z/Dの値と平坦部面積率が第1発明で規定する範囲を下回るため、「摺動性」と「塗装後鮮映性」又はさらに「耐パウダリング性」、が劣る。
【0071】
調質圧延の伸長率が第2発明範囲を下回る比較例4は平坦部面積率が本発明範囲の下限を外れるため、摺動性と塗装後鮮映性が劣る。
【0072】
調質圧延の伸長率が第2発明範囲を上回る比較例5は平坦部面積率が本発明範囲の上限を外れるため、ハンドリング性に劣る。
【0073】
調質圧延の圧延ロールの表面粗さが本発明範囲を外れる比較例6及び比較例7は、鋼板表面粗さが第1発明範囲を外れるため、摺動性に劣る結果となった。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、プレス成形性、塗装後鮮映性および耐パウダリング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られる。
【0075】
本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、比較的安価に厚目付けが可能であるので、プレス成形性、塗装後鮮映性および耐パウダリング性に加えて、さらに耐食性が要求される用途への適用にも適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】合金化処理温度ならびに合金化処理後の調質圧延伸長率の塗装後鮮映性に及ぼす影響を示す図である。
【図2】ドロービード試験機の概略正面図である。
【図3】ドロービード試験機のビードおよびダイ部分の拡大概略断面図である。
【図4】ドロービード試験機のビード形状を説明する側面図である。
【図5】耐パウダリング性に及ぼすめっき皮膜中Fe%の影響を示す図である。
【図6】めっき皮膜中に存在するζ相の比率とFe%の関係を示す図である。
【図7】平板摺動試験機の概略正面図である。
【図8】図7の平板摺動試験機に使用した圧子の形状・寸法を示す概略斜視図である。
【図9】摩擦係数に及ぼすに及ぼすめっき皮膜中のζ相の存在量Z/Dおよび調質圧延の影響を示す図である。
【図10】Z/Dの値の異なる鋼板のめっき表面の平坦化状態を示す図面代用の顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 試験片
2 ビード部
2a ビード
3 ダイ
4 ロードセル
5 油圧シリンダ
11 試験片
12 試料台
13 スライドテーブル
14 ローラ
15 スライドテーブル支持台
16 圧子
17 第1ロードセル
18 第2ロードセル
N 押付荷重
F 摺動抵抗力

Claims (2)

  1. めっき皮膜の付着量が45〜65g/m2、該めっき皮膜中のFe含有量が6.5〜10%、該めっき皮膜をX線回折し、得られた強度から下記(1)式で表される皮膜中ζ相の存在比率Z/Dが20以上、調質圧延後の表面粗さRaが1.0μm以下且つめっき表面の平坦部の面積率が30%以上60%以下であることを特徴とする耐パウダリング性、摺動性および塗装後鮮映性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
    Z/D=(Iζ−Ibg)/(Iδ1−Ibg)×100…(1)
    但し、Iζ:d=1.900のピーク強度、
    Iδ1:d=1.990のピーク強度、
    Ibg:バックグランド
  2. 鋼板を浴中Al量0.14%以下、残部Znおよび不可避的不純物からなる浴温度470℃以下の亜鉛めっき浴に侵入板温495℃以下で侵入させてめっきを施した後、該亜鉛めっき浴から引き上げるめっき工程と、
    めっき浴から引き上げた鋼板のめっき付着量を調整する目付量調整工程と、
    めっき付着量を調整した鋼板を高周波誘導加熱炉で加熱炉出側の板温が495℃以下で加熱した後冷却してめっき皮膜のFe含有量を6.5〜10%の範囲内にする合金化処理工程と、
    合金化処理後のめっき鋼板を表面粗さRaが1.4μm以下のロールで伸長率0.5〜2.0%の調質圧延を行う調質圧延工程と、
    を有することを特徴とする、耐パウダリング性、摺動性および塗装後鮮映性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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