JP4543566B2 - プレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、溶融亜鉛めっき鋼板としては、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(以下、GAとも記す)と非合金化溶融亜鉛めっき鋼板(以下、単に溶融亜鉛めっき鋼板もしくはGIとも記す)が挙げられ、GAは加工性(プレス成形時の摺動性)に優れ、GIは厚目付が可能であるため耐食性に優れることが特徴である。
【0003】
GAは合金化工程が必要で製造コストがGIよりも高く、また合金化条件が律速でめっき付着量を多くできないため、製造コストが低く、容易にめっき付着量を多くできるGIを自動車用鋼板として使用する要求が出てきた。
また、近年、鋼板の成形性、塗装性、外観性に影響を及ぼす鋼板表面の性状が重視され、自動車メーカーを主体に鋼板の表面性状に関する要求が多様化かつ高度化している。
【0004】
中でも、欧米自動車メーカーは、欧州環境リサイクル法の制定を受け、非合金化溶融亜鉛めっき鋼板(:溶融亜鉛めっき鋼板、GI)の採用を増加する傾向にあり、自動車用GI鋼板の性能に対して厳格な要求を行っている。
また、製造ラインの安定稼働や歩留り向上の観点から、自動車用GI鋼板の性能の中でも特にプレス成形性に対して厳格な要求があり、めっき条件や板面の表面粗さのパターンの適正化が求められている。
【0005】
しかしながら、非合金化溶融亜鉛めっき鋼板(:GI)は、元々、建材用のGIが主流であるため、平板で使用されることが多く、自動車用亜鉛めっき鋼板のように複雑な形状に加工されることが無かったことから、GIに関してプレス成形性に対する要求性能を満足する製造方法は開示されていない。
鋼板に表面粗さを付与する方法としては、粗度を付与した圧延ロールを用いて圧延を行う方法が報告されている。
【0006】
上記したロール表面に粗度を付与する方法としては、特開昭51−101774号公報に示されるショットブラスト法、特公平3−54003 号公報に示される放電加工法、特公昭58−25557 号公報に示されるレーザー光照射法が挙げられる。
上記した特開昭51−101774号公報に示されるショットブラスト法は、加工が容易であると共に、加工による表面硬化でロールの耐摩耗性が向上する利点があるが、加工後のロール表面粗さのばらつきが大きく、ロール表面粗さの加工調整範囲も小さいという欠点がある。
【0007】
このため、上記で得られたロールを用いて圧延した鋼板では前記した要求を満足することが難しい。
また、めっき鋼板の例ではないが、特公平3− 54003号公報の放電加工による方法は、冷間圧延の最終圧延ロールとしてRaが2〜4μm のロールを用い、焼鈍後のスキンパス圧延ロールとしてRaが1〜3μm のロールを用いており、鮮映性の面ではうねり(Wca) が小さな領域で加工できる利点があるが、めっき鋼板への適用に関しては明らかでない。
【0008】
また、特公昭58−25557 号公報に示されるレーザー光を照射する方法は、ロール表面のうねりは小さいが、加工コストが高いこと、ロール表面粗さの加工調整範囲が小さいという欠点がある。
このため、上記で得られたロールを用いて圧延した鋼板では前記したプレス成形性に対する要求を満足することが難しい。
【0009】
以上述べたように、従来、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)に関してプレス成形性に対する要求性能を満足する製造方法は見出されておらず、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)のプレス成形性と鋼板の表面粗さとの関係に関して解明する必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した従来技術の問題点を解決し、プレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板(GI)を工業的に優れた方法で製造することが可能な溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、鋼板を冷間圧延後、焼鈍し、その後、算術平均粗さ:Ra=2〜4μm の表面粗さを有するロール(:ワークロール)を用いて調質圧延し、得られた鋼板に溶融亜鉛めっきを施し、その後、算術平均粗さ:Ra=0.5 〜2.0 μm の表面粗さを有するロール(:ワークロール)を用いて再度調質圧延することを特徴とするプレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
【0012】
前記した本発明においては、前記した焼鈍後、溶融亜鉛めっき前の調質圧延に用いるロールが、放電ダル加工によって加工したロールであることが好ましい(本発明の好適態様)。
また、前記した本発明、本発明の好適態様においては、前記した溶融亜鉛めっき後の調質圧延に用いるロールが、放電ダル加工によって加工したロールであることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明者は、前記した課題を解決するために鋭意検討した結果、鋼板を冷間圧延後、焼鈍し、その後、算術平均粗さ:Ra≧2μm の表面粗さを有するロールを用いて調質圧延し、得られた鋼板に溶融亜鉛めっきを施し、その後、算術平均粗さ:Ra=0.5 〜2.0 μm の表面粗さを有するロールを用いて調質圧延することによって、プレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板を製造することが可能であることを見出した。
【0014】
なお、本発明における算術平均粗さ:Raは、JIS B 0601-1994 に基づく。
すなわち、本発明においては、非合金化溶融亜鉛めっき鋼板(溶融亜鉛めっき鋼板、GI)を製造する工程で、冷延鋼板焼鈍後に、好ましくは放電ダル加工によって算術平均粗さ:Ra≧2μm 、より好ましくは算術平均粗さ:Ra=2〜4μm の表面粗さとしたロールを用いて調質圧延する。
【0015】
冷延鋼板焼鈍後に粗度を付与したロールを用いて調質圧延する理由は、後記する実施例に示すように、冷間圧延の最終パスにおいて粗度を付与したロールを用いて調質圧延する方法に対して、冷延鋼板焼鈍後、溶融亜鉛めっき前に粗度を付与したロールを用いて調質圧延することによって、同一鋼板内におけるRaのばらつきを小さくできるためである。
【0016】
上記した算術平均粗さ:Raが2μm 未満の場合、溶融亜鉛めっき後のめっき表面の表面粗さの凹凸の凹部深さが小さく、溶融亜鉛めっき鋼板のプレス成形時の潤滑油保持性が改善されない。
なお、本発明においては、前記したように、上記した算術平均粗さ:Raを4μm 以下と制限することがより好ましい。
【0017】
これは、焼鈍後、溶融亜鉛めっき前の調質圧延において用いるロール表面の算術平均粗さ:Raが4μm を超える場合、得られる溶融亜鉛めっき鋼板の鮮映性が低下するためである。
上記した調質圧延後、得られた鋼板に溶融亜鉛めっきを施す。
溶融亜鉛めっきの条件は特に制限を受けるものではないが、下記条件が例示される。
【0018】
〔溶融亜鉛めっきの条件(溶融亜鉛めっき浴):〕
浴温:450 〜 480℃
侵入板温:460 〜 490℃
Al含有量:0.13〜0.22質量%
鋼板浸漬時間:0.5 〜3sec
溶融亜鉛めっき鋼板(:GI)のめっき付着量は、要求される耐食性に従って定めることができ、特に制限を受けるものではないが、めっき付着量が、鋼板片面当たり、すなわち、めっき付着単位面積当たり30〜300g/m2 であることが好ましい。
【0019】
これは、めっき付着量が30g/m2未満の場合、耐食性が低下し、300g/m2 を超える場合、加工時にめっき皮膜が剥離するためである。
さらに、本発明においては、溶融亜鉛めっき鋼板の溶融亜鉛めっき皮膜中のFe含有量が、5質量%以下であることが好ましく、さらには1質量%以下であることがより好ましい。
【0020】
これは、めっき皮膜中のFe含有量が5質量%を超える場合、めっき密着性を低下させるFe-Zn 合金層の成長によって、プレス成形時のめっき密着性が低下するためである。
なお、上記した溶融亜鉛めっき鋼板の溶融亜鉛めっき皮膜中のFe含有量は少ないほど好ましく、その下限は限定されるものではない。
【0021】
さらに、本発明においては、溶融亜鉛めっき後の鋼板を、好ましくは放電ダル加工によって算術平均粗さ:Ra=0.5 〜2.0 μm の表面粗さとしたロールを用いて調質圧延する。
これは、上記した算術平均粗さ:Raが0.5 μm 未満の場合、めっき鋼板表面の微細な疵が見えやすい状態となり、製品歩留りが低下するためである。
【0022】
なお、上記しためっき鋼板表面の微細な疵とは、冷間圧延前に生じた擦り疵や冷間圧延時に圧延ロールの疵が板面に転写されて生じた疵(ロールマーク)などに起因する疵を示す。
すなわち、前記した算術平均粗さ:Raが0.5 μm 未満の場合、ダル目が転写された後でもロールマークなどの疵が目視で見え、溶融亜鉛めっき鋼板のプレス成形時にさらに浮き出てくる。
【0023】
なお、本発明においては、前記したように、前記した算術平均粗さ:Raを2.0 μm 以下と制限する。
これは、溶融亜鉛めっき後の調質圧延において用いるロール表面の算術平均粗さ:Raが2.0 μm を超える場合、得られる溶融亜鉛めっき鋼板の摩擦係数が大となり、かえってプレス成形性が低下する可能性があるためである。
【0024】
前記したロール表面の算術平均粗さ:Raが0.5 〜2.0 μm の範囲内であれば、溶融亜鉛めっき前に付与した鋼板表面の凹凸の凸部を平滑化でき、溶融亜鉛めっき鋼板のプレス成形時の潤滑油保持性を確実に向上することができる。
溶融亜鉛めっき後に調質圧延することでプレス成形の潤滑油保持性が向上する機構について、図3に模式的に示す。図3(a) に、凸部を平滑化した溶融亜鉛めっき鋼板11をプレス成形したときの潤滑油4の状態を、図3(b) に、凸部を平滑化せずにそのまま溶融亜鉛めっき鋼板11をプレス成形したときの潤滑油4の状態を示す。
【0025】
凸部を平滑化した溶融亜鉛めっき鋼板は、プレス成形の初期から、潤滑油4が、表面の凹部の油だまり6に封入されるため(図3(a) )、荷重がかかったときに潤滑油が油だまり6に封入され、充満してプレス金型2が支えられることになり、結果として、接触面7の荷重軽減につながり、もって、摩擦係数が減少するものと考えている。
【0026】
対して、表面の凸部を平滑化せずに溶融亜鉛めっき鋼板11をプレス成形した場合には、プレス形成の初期では、金型2と接触している凸部と接触していない凸部とが存在し、潤滑油の逃げる溝5が形成されるため、溶融亜鉛めっき鋼板11上で潤滑油4が金型接触部から外に逃げ、上記したような、金型2と溶融亜鉛めっき鋼板11との摩擦係数低減効果が期待できない(図3(b) )。そのため、摩擦係数が増大するものと考えている。
【0027】
本発明によれば、前記した条件下での調質圧延の組み合わせによって、焼鈍後、溶融亜鉛めっき前に、プレス成形時の潤滑油保持に必要な表面凹凸を鋼板表面に均一に付与し、溶融亜鉛めっき後に鋼板表面の凹凸の凸部を平滑化することによって、プレス成形時の潤滑油保持性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板を製造することができる。
【0028】
本発明においては、焼鈍後、溶融亜鉛めっき前の調質圧延に用いるロール、さらには溶融亜鉛めっき後の調質圧延に用いるロールが、放電ダル加工によって加工したロールであることが好ましい。
これは、前記した算術平均粗さ:Raの表面粗さを有するロールは、放電ダル加工によって、特殊なロール加工条件を伴うことなく製造できるためである。
【0029】
ロールの放電加工条件は、パルス電流ピーク値、電圧、パルス巾、ロールと放電電極間の距離を、仕上げRa別に厳密に制御することが重要である。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
先ず、本実施例における各試験法について示す。
〔鋼板の算術平均粗さRa:〕
JIS B 0601-1994 に基づく。
【0031】
〔鋼板の摩擦係数:〕
鋼板の摩擦係数は、下記に示す摺動性試験によって測定した。
(摺動性試験:)
図2に示す試験方法および下記試験条件に基づいて行った。
なお、図2において、1は冷延鋼板または溶融亜鉛めっき鋼板の試験片、2a、2bは金型、3はチャック、Fはチャックによる引き抜き力、Lは金型長さ、lは摺動距離、Pは荷重を示す。
【0032】
摺動条件 :平面摺動試験
試験片の幅:20mm
金型長さL:10mm
摺動距離l:100mm
荷重P :3920N(:400kgf)
引き抜き速度(摺動速度):20mm/s
塗油条件 :洗浄油R303P 〔杉村化学(株)社製〕塗油
上記条件で試験を行ったときの引き抜き力F(単位:N)を測定し、下記式(1) から算出される摩擦係数μを求めた。
【0033】
μ=F/P(−)………(1)
〔表面疵の残り度合:〕
冷間圧延の最終パス(最終スタンド)の前のロール表面に、径:5mm、深さ:15μm の凹疵をつけ、鋼板に転写させ、調質圧延後の溶融亜鉛めっき鋼板の表面を目視で観察。
【0034】
○:鋼板疵(凹疵)が見つからない。
×:鋼板疵(凹疵)が見つかる。
〔実施例1〕
板厚:0.8mm の極低炭素鋼板を、冷間圧延の最終パス(最終スタンド)において、放電ダル加工で加工した算術平均粗さ:Ra=3μm の表面粗さを有するロール(ワークロール)を用いて調質圧延した。
【0035】
また、板厚:0.8mm の極低炭素鋼板を冷間圧延後、焼鈍し、その後、放電ダル加工で加工した算術平均粗さ:Ra=2μm の表面粗さを有するロール(ワークロール)を用いて調質圧延した。
次に、上記で得られた2種類の鋼板(冷間圧延時に粗度を付与した鋼板、焼鈍後に粗度を付与した鋼板)について、鋼板表面粗さ(算術平均粗さ:Ra)の均一性を調べた。
【0036】
すなわち、鋼板の評価面積を1500mm×1500mmとし、各25点の算術平均粗さ:Raを測定した。
なお、2種類の鋼板の算術平均粗さ:Raの平均値はいずれも1.2 μm である。
図1に、得られた試験結果を示す。
図1に示すように、冷間圧延時に粗度を付与した鋼板は、同一鋼板内におけるRaのばらつきが大きいが、焼鈍後に粗度を付与した鋼板は、同一鋼板内におけるRaのばらつきが小さいことが分かった。
【0037】
また、冷間圧延時に粗度を付与した鋼板は、特に、板エッジ部においてRaのばらつきが大きく、Raが板面において均一でないことが分かった。
以上の結果から、溶融亜鉛めっき前の鋼板への粗度の付与は、冷間圧延時でなく、焼鈍後に行うことが適切であることが分かった。
〔実施例2〕(本発明例1〜3、比較例1〜4)
板厚:0.8mm の極低炭素鋼板を冷間圧延後、焼鈍し、その後、放電ダル加工で加工した算術平均粗さ:Ra=1.7 〜2.5 μm の表面粗さを有するロール(ワークロール)を用いて調質圧延した。
【0038】
次に、得られた鋼板に下記条件下で溶融亜鉛めっきを施した。
〔溶融亜鉛めっきの条件:〕
(溶融亜鉛めっき浴)
浴温:460 ℃
侵入板温:470 ℃
Al含有量:0.14質量%
鋼板浸漬時間:1.2 sec
(めっき皮膜)
めっき付着量:60g/m2
めっき皮膜中のFe含有量:0.8 質量%
次に、得られた溶融亜鉛めっき鋼板を、放電ダル加工で加工した算術平均粗さ:Ra=0.4 〜2.1 μm の表面粗さを有するロール(ワークロール)を用いて調質圧延した。
【0039】
次に、前記した試験方法に基づき、焼鈍後、溶融亜鉛めっき前の調質圧延で得られた鋼板のサンプルについて、算術平均粗さ:Raを測定し、溶融亜鉛めっき後かつ調質圧延後の鋼板のサンプルについて、算術平均粗さ:Ra、摩擦係数および表面疵の残り度合を測定、評価した。
表1に、得られた試験結果を、調質圧延のロールの仕様と併せて示す。
【0040】
表1に示されるように、本発明の製造方法で得られた溶融亜鉛めっき鋼板(本発明例1〜3)は、プレス時の潤滑油保持性が良好で摩擦係数が小さく、プレス成形性に優れている。
これに対して、焼鈍後、溶融亜鉛めっき前の調質圧延におけるロールの算術平均粗さ:Raが本発明の範囲を外れている比較例1、2、溶融亜鉛めっき後の調質圧延におけるロールの算術平均粗さ:Raが本発明の範囲を外れている比較例3の場合、いずれも摩擦係数が大きく、プレス成形性が劣った。
【0041】
また、溶融亜鉛めっき後の調質圧延におけるロールの算術平均粗さ:Raが本発明の範囲を外れ0.4 μm と小さい比較例4の場合、鋼板疵が見え、外観性に劣った。
以上、実施例について述べたが、前記した実施例に示されるように、本発明によれば、溶融亜鉛めっき鋼板を製造する工程で、冷延鋼板の焼鈍後に、算術平均粗さ:Ra≧2μm の表面粗さを有するロールを用いて調質圧延し、かつ、溶融亜鉛めっき後に、算術平均粗さRaが0.5 〜2.0 μm の表面粗さを有するロールを用いて調質圧延することによって、焼鈍後、溶融亜鉛めっき前に、潤滑油保持に必要な表面凹凸を鋼板板面に均一に付与することができ、溶融亜鉛めっき後に、凸部を平滑にし、潤滑油保持性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板を製造することが可能となった。
【0042】
また、本発明によれば、上記したロールの加工を放電ダル加工によって行うことによって、特殊なロール加工条件を伴うことなく、工業的に優れた方法でプレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板を製造することが可能となった。
さらに、本発明における溶融亜鉛めっき鋼板(GI)の場合、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA) に対して、亜鉛めっき付着量の制限を受けることが無いため、簡易な工程で、プレス成形性に優れ、かつ、合金化溶融亜鉛めっき鋼板よりも耐食性に優れた亜鉛めっき鋼板を提供することができる。
【0043】
【表1】
Figure 0004543566
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、焼鈍後、溶融亜鉛めっき前に、潤滑油保持に必要な表面凹凸を鋼板板面に均一に付与し、溶融亜鉛めっき後に、凸部を平滑にし、潤滑油保持性、すなわちプレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板を、工業的に優れた方法で製造することが可能となった。
【0045】
さらに、本発明における溶融亜鉛めっき鋼板(GI)の場合、亜鉛めっき付着量の制限を受けることが無いため、簡易な工程で、プレス成形性に優れ、かつ、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)よりも耐食性に優れた亜鉛めっき鋼板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷間圧延時に粗度を付与した鋼板および焼鈍後に粗度を付与した鋼板それぞれの、同一鋼板内における表面粗さ(算術平均粗さ:Ra)のばらつきを示すグラフである。
【図2】摺動性試験方法を示す説明図(縦断面図)である。
【図3】溶融亜鉛めっき鋼板のプレス成形時に金型と表面凹凸との間の潤滑油保持機構を説明する断面模式図である。
【符号の説明】
1 試験片
2、2a、2b 金型
3 チャック
4 潤滑油
5 潤滑油が逃げる溝
6 潤滑油が封入された油だまり
7 平滑化された凸部(金型と溶融亜鉛めっき鋼板の接触部)
11 溶融亜鉛めっき鋼板
F 引き抜き力
L 金型長さ
l 摺動距離
P 荷重

Claims (3)

  1. 鋼板を冷間圧延後、焼鈍し、その後、算術平均粗さ:Ra=2〜4μm の表面粗さを有するロールを用いて調質圧延し、得られた鋼板に溶融亜鉛めっきを施し、その後、算術平均粗さ:Ra=0.5 〜2.0 μm の表面粗さを有するロールを用いて再度調質圧延することを特徴とするプレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 前記した焼鈍後、溶融亜鉛めっき前の調質圧延に用いるロールが、放電ダル加工によって加工したロールであることを特徴とする請求項1記載のプレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  3. 前記した溶融亜鉛めっき後の調質圧延に用いるロールが、放電ダル加工によって加工したロールであることを特徴とする請求項1または2記載のプレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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