JP3903835B2 - めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用途等に用いられるプレス成形性と塗装後鮮映性に優れた亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車部品分野では、防錆性能の向上と材料の世界調達性などの観点から、合金化処理を伴わずめっきの厚め付けが可能な溶融亜鉛めっき鋼板(以下、GIと呼ぶ)の需要の増加が予想されている。この分野でプレス成形に使用される鋼板では、プレス成形時に割れや型かじりを起こさない摺動特性と塗装後の鮮映性に優れた製品設計が大変重要視されている。そのため、自動車用GIでもプレス成形性と塗装後鮮映性の確保が重要な課題になっている。
【0003】
プレス成形における型かじりは、摺動によって生じる鋼板表面の新生面が、金型と局所的に凝着することに起因して発生する。めっき皮膜が主としてη相から構成されるGIの場合、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(以下、GAと呼ぶ)に較べてめっき皮膜が柔らかく、かつ、その融点も低いために凝着が発生しやすい。そのため、自動車用GIでは安定したプレス成型を行うための対策が特に重要になっている。
【0004】
鋼板のプレス割れや型かじりを防止する対策としては、鋼板表面に潤滑油の保持性の高い凹凸形態(以下、表面テクスチャーと呼ぶ)を形成する方法が知られている。例えば、特開2001−247950号公報には、放電ダル加工したロールを用いた調質圧延などによって、めっき表面の算術平均粗さRaを1.0μm以上にし、更に、1インチ当たりの突起の数PPIを80〜250にすることによってGIのプレス成形性を改善する技術が開示されている。
【0005】
表層に鉄系めっきや酸化物、Ni化合物、P化合物等の境界潤滑作用を有する皮膜を形成する方法もプレス成形性の改善に効果的であることが知られている。
【0006】
例えば、特開昭53-60332号公報や特開平2-190483号公報には、亜鉛系めっき鋼板の表面に電界処理、浸漬処理、塗布酸化処理、または加熱処理を施すことにより、亜鉛酸化物を主体とする酸化膜を形成させて溶接性や加工性を向上させる技術が開示されている。
【0007】
特開平4-88196号公報には、亜鉛系めっき鋼板の表面に、浸漬処理、電解処理、または塗布処理を施すことにより、P酸化物を主体とする酸化膜を形成してプレス成形性及び化成処理性を向上させる技術が開示されている。
【0008】
特開平3-191093号公報には、亜鉛系めっき鋼板の表面に電解処理、浸漬処理、塗布処理、塗布酸化処理、または加熱処理によって、Ni酸化物を生成させることにより、プレス成形性および化成処理性を向上させる技術が開示されている。
【0009】
この他、特開2000-73183号公報、特開2000-160358号公報、特開2000-328220号公報、特開平9-111473号公報などにもこれらと同様の技術が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
めっき皮膜が柔らかいGIの場合、プレスによって表面テクスチャーが潰されやすく、めっき皮膜の変形抵抗も周辺温度によって変化しやすい。そのため、圧延法などの一般的な技術で表面テクスチャーを付与しても、安定したプレス成形は実現しがたい。また、圧延法で一定値以上の算術平均粗さRaを付与してプレス成形性を確保しようとすると、塗装後の鮮映性を劣化させる表面のうねり成分を抑制するのが困難になる。
【0011】
めっき鋼板の表層に境界潤滑作用を有する皮膜を形成する方法では、プレス割れや型かじりの抑制効果が潤滑皮膜の膜厚に依存する。一般に、膜厚が大きくなると摺動抵抗の低減効果も大きくなるが、これに伴ってプレス成形の後工程、例えば、化成処理や電着塗装などの工程に、潤滑皮膜の存在に起因する処理ムラなどが発生する危険性も増大する。そのため、潤滑皮膜の膜厚は、高々数100nm以下に設定するのが一般的であるが、このような薄い潤滑皮膜はプレス成形時に破壊を免れないため、加工が厳しい部分でのプレス割れの抑制効果をさほど大きく出来ない点に課題がある。また、この技術では、塗装後鮮映性について全く考慮されていない。
【0012】
以上述べたように、安定したプレス成形性と優れた塗装後鮮映性をGIに付与する技術は未だ開発途上であり、革新的な技術は知られていないのが現状である。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、比較的安価なプロセスで、従来技術では実現できない優れたプレス成形性と塗装後鮮映性を兼ね備えた亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、GIに安定したプレス成形性と優れた塗装後鮮映性を付与できて、プレス成形の後工程への弊害も生じない皮膜設計について鋭意研究を重ねた。その結果、(i)境界潤滑作用を有する物質を、皮膜としてではなく、粒子としてプレス金型と接触するめっき表面の極近傍に埋め込むことで優れたプレス成形性を確保できること、(ii)この際、境界潤滑作用を有する粒子の成分を、めっき皮膜中に元来含まれるものやプレス成形の後工程に悪影響を及ぼさないものにすることでプレス成形の後工程への弊害も抑制できること、(iii)ロール面で上記粒子を埋め込む方法を採用すれば鋼板表面のうねり成分も抑制できるため、優れた塗装後鮮映性も確保できること、を見出した。
【0015】
本発明は、この知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下の通りである。
【0018】
(1)溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板及び投射めっきした亜鉛めっき鋼板のうちの一つからなるめっき鋼板の表面に平均粒径1μm以上の金属酸化物粒子または金属粒子を投射してその表面に前記金属酸化物粒子または金属粒子を固定し、または押し込み、しかる後に圧延ロールで圧延して、前記金属酸化物粒子または金属粒子を前記めっき鋼板のプレス金型と接触するめっき表面に埋め込むことを特徴とするめっき鋼板の製造方法。
【0019】
(2)前記(1)において、圧延ロールで圧延して、めっき鋼板表面の算術平均うねりWaを0.6μm以下に調整することを特徴とするめっき鋼板の製造方法。
【0020】
【発明の実施の形態】
既に説明した通り、境界潤滑作用を有する皮膜をめっき表面に形成する方法では、化成処理や電着塗装などのプレス成形の後工程への悪影響を抑制するため、潤滑皮膜の膜厚を高々数100nm以下に設定する必要がある。しかし、潤滑皮膜の膜厚を数100nm以下のレベルまで下げるとプレス割れを抑制できないというケースが現実には多々存在する。
【0021】
本発明者らの研究によると、プレス成形性を改善するには、めっき皮膜と金型が接触する面積を減少し、且つ摺動距離を短く分断することが有効であり、係る観点から、境界潤滑作用を有する粒子をプレス金型と接触するめっき表面の極近傍に適量埋め込むとプレス成形性を大きく改善することができる。この点に注目して境界潤滑作用を有する物質を皮膜から微粒子に変え、粒径数100nm以上の微粒子をめっき面に均一に埋め込むことで、めっき皮膜が金型と接触する面積を減少かつ分散させて凝着を抑制できないか検討した。表面から見た前記微粒子の占める面積率が50%程度になるまで境界潤滑作用を有する微粒子をほぼ均一に埋め込んでプレス成形性を調査した結果、微粒子の平均粒径を1μm以上にすれば、潤滑皮膜を形成する方法と同程度の潤滑性が得られ、加工が厳しい部分でのプレス割れに関しては潤滑皮膜を凌ぐ改善効果が得られることがわかった。
【0022】
このような境界潤滑作用を有する微粒子は、化成処理や電着塗装などのプレス成形の後工程で処理液の汚染源になるようなものであってはならない。こうした観点から、Fe系、Zn系、Al系の酸化物やFeを主成分とする金属粒子が望ましいが、プレス成形の後工程に悪影響をもたらすものでなければ、他の金属成分や金属系酸化物を含む微粒子であっても構わない。尚、前記微粒子の種類と埋め込み量を調整すれば、この方法によって連続溶接性などの特性も改善できる。
【0023】
自動車用途のめっき鋼板では、プレス成形性と共に塗装後鮮映性が大変重要視されている。塗装後鮮映性は主にめっき鋼板表面のうねり成分に依存する。特公平6-75728号公報によれば、塗装膜自体が鋼板表面の微視的凹凸に対するローパス・フィルターとして作用するため、短周期の凹凸は塗膜によって埋められ、塗装後の鮮映性に影響を与えないものの、波長数100μm以上の長周期成分は塗装によっても隠蔽されずに、鮮映性を悪化させるとされている。このような長周期成分は、JIS-B0601(2001)等に規定された算術平均うねりWaで表すことができる。
【0024】
本発明者らの研究によると、粗さ成分とうねり成分を識別するための高域カットオフ値を0.8mmとした時のめっき鋼板表面の算術平均うねりWaを0.8μm以下に調整すると塗装後も比較的良好な鮮映性を確保することができ、算術平均うねりWaを0.6μm以下に調整すると極めて良好な塗装後鮮映性を確保することができる。
【0025】
尚、以上では、プレス成形性ならびに塗装後鮮映性に優れたGIを得るための構造上の要件に関して説明を行ったが、このような構造上の要件を満たせば電気亜鉛めっき鋼板でも同様の効果が得られる。
【0026】
次に、本発明に係わる亜鉛めっき鋼板の製造方法について説明する。前記で規定した亜鉛めっき鋼板を製造する方法としては、ショットブラスト装置を利用して、めっき表面にほぼ均一に微粒子を投射・固定した後、表面が平滑なロールで圧延して、これを亜鉛めっき鋼板表面に埋め込み、同時に、その表面の算術平均うねりWaを0.6μm以下に調整する方法が最適である。
【0027】
本発明のベースとなる亜鉛めっき鋼板としては、めっき皮膜が主としてη相からなる亜鉛めっき鋼板が好適である。溶融亜鉛めっき鋼板(GI)あるいは電気亜鉛めっき鋼板が一般的であるが、機械的に亜鉛皮膜を付与した、例えば、投射めっきした鋼板でも構わない。また、機械的性質を調整するために調質圧延を施したものでも、未調圧のものでも良い。更に、クロメート処理などの後処理を施したものを使用しても構わない。
【0028】
以上のような亜鉛めっき鋼板の表面に投射する微粒子は、平均粒径が1μm〜めっき厚さ程度のものが好適である。投射装置としては、圧縮空気によって固体粒子を加速させる空気式のショットブラスト装置、あるいは、遠心力によって固体粒子を加速させる機械式の加速装置を用いてもよい。このような微粒子を、毎秒30〜300mの投射速度で亜鉛めっき鋼板に一定時間投射することで、亜鉛めっき鋼板の表面に微粒子を押し付け、もしくは、食い込ませることができる。
【0029】
微粒子の投射密度は0.1〜10kg/m2程度が適当である。ここで投射密度とは、鋼板表面の単位面積当たりに投射される粒子の重量をさす。投射密度を2kg/m2以上とすることで、粒子を亜鉛めっき表面にほぼ隙間なく打ち込むことができるが、粒子の多くは、めっき面に固定されずに跳ね返るため、めっき表面に固定される微粒子の密度は投射密度よりも一般に低くなる。この際、投射後のめっき面には、微粒子が固定されずに跳ね返った結果生じる窪みも共存し、表面が平滑な圧延ロールで圧延してもその一部は平坦化されずに残る。このような窪みは害にはならず、寧ろ、プレス成形時の潤滑油のポケットとして機能するため、プレス成形性の改善に寄与する。尚、亜鉛めっき鋼板の表面に固定されずに飛散した粒子を循環回収して再投射するシステムにすると効率が良い。
【0030】
微粒子の形状は、投射時の空力抵抗による減速を抑制する点からは球形が望ましいが、めっき面への食い込みを促進する点からは鋭角的形状、所謂、グリット形状でも構わない。
【0031】
微粒子としては、既に述べたFe系、Zn系、Al系の酸化物やFeを主成分とする金属粒子のように、プレス成形の後工程に処理液の汚染等の悪影響を来たさないものであれば良く、この条件を満たすものであれば、他の金属成分や金属系酸化物を含むものであっても構わない。
【0032】
投射後の微粒子を亜鉛めっき鋼板の表面に押し込み、加えて、同表面の算術平均うねりWaを0.6μm以下にするには、ロール表面が平滑なブライトロールで圧延するのが最適である。但し、製造された亜鉛めっき鋼板の表面テクスチャーの特徴が本発明を満足する限り、その製造方法はこれに限定されるものではない。
【0033】
【実施例】
<実施例1>
板厚0.8mmの冷延鋼板に片面あたりのめっき付着量が70g/m2の溶融亜鉛めっきを施してベースとなる亜鉛めっき鋼板(以下、ベースめっき鋼板)を作成した。この表面に空気式投射装置を用いて微粒子を投射した後、圧縮空気を吹き付けながら固定されない粒子を集塵機で回収した後に、材質調整のために行う調質圧延を利用して、微粒子の埋め込みと表面の平滑化を行って発明品を作成した。この際、調質圧延の伸長率は0.8%とし、調質圧延用のロールにはロール表面の算術平均粗さRaが0.28μmのブライトロールを用いた。微粒子の表面被覆率は表面積の約40%とした。
【0034】
微粒子の投射条件は以下の通りである。投射には、平均粒径1μmの酸化亜鉛粒子、平均粒径4μmのアルミナ粒子、平均粒径4μmφのSUS304粒子の3種類の微粒子を用いた。いずれの粒子の場合も投射密度は4kg/m2、投射速度は180m/sとし、投射ノズルからベースめっき鋼板までの距離は100mmとした。尚、調質圧延後のWaはいずれの条件でも0.4μm前後であった。
【0035】
作成した発明品のプレス成形性を調査するため、ベースめっき鋼板に放電ダルロールを用て伸長率0.8%の調質圧延を行って算術平均粗さRa:1.44μmを付与した亜鉛めっき鋼板1水準(以下、比較例1)、これに、第一リン酸アンモニウム水溶液(太平化学製、固形分20%)とクエン酸鉄(関東化学製)をリン酸と鉄のモル比が1:1になるように混合し、固形分が5%になるまで希釈した水溶液をロールコータで塗布し、到達板温80℃で乾燥させて形成したP系酸化物を51mg/m2塗布・乾燥したもの1水準(以下、比較例2)を加えて、球頭張出し成形における板厚減少率、円筒深絞り成形時の最大荷重、平板摺動における摩擦係数を測定した。
【0036】
球頭張出し成形試験では、100mm角に試験片を加工し、50mmφの球頭パンチによって前記で得た各亜鉛めっき鋼板を張出し成形した。この際、パンチ面には予め洗浄油(プレトン社製R352L)を塗布した。成形性の評価は、パンチ面において亜鉛めっき鋼板に割れが発生するまで成形を行い、割れが発生したパンチ面の近傍の板厚減少率を測定することによって行った。この板厚減少率が大きいほど張出し量を大きく取れる点でプレス成形性に優れると判断した。
【0037】
円筒深絞り成形試験では、直径100mmφに試験片を加工し、パンチ寸法50mmφ、ダイス寸法53mmmφの工具を用いて深絞り成形した。この際、しわ押さえ力2tonfとし、予め亜鉛めっき鋼板には、上記の洗浄油を塗布した。成形性の評価は、成形時の最大荷重を指標とし、これが大きいほど優れたプレス成形性を示すと判断した。
【0038】
平板摺動試験では、スライドテーブル上に固定した亜鉛めっき鋼板の表面に、押し付け荷重400kgfでビード工具を押し付けながらスライドテーブルを20cm/minで移動させて、亜鉛めっき鋼板とビードとの間にすべりを与えて試験した。この時のビードの押し付け荷重Nとスライドテーブルを移動させる力Fを、それぞれロードセルを用いて測定し、その比(F/N)から摺動時の摩擦係数を求めた。尚、鋼板のビード接触面には予め上記の洗浄油を塗布した。ビードの鋼板接触面は幅10mm、摺動方向長さ60mmの平面とした。このようにして求めた摩擦係数は、主に、プレス成形時のパンチ面の摺動特性を反映するため、この値が小さいほど同部分での摺動抵抗が小さく、プレス成形時の破断等が生じにくいと判断した。
【0039】
微粒子に、酸化亜鉛粒子、アルミナ粒子、SUS304粒子を用いたものをそれぞれ発明例1、2、3と標記して、比較例1、2と共に、球頭張出し成形における板厚減少率、円筒深絞り成形時の最大荷重、平板摺動における摩擦係数を測定した結果を図1〜3に示した。
【0040】
図1〜3に示したいずれの特性においても、発明例は、比較例よりも格段に優れていることが明らかである。
【0041】
このように、発明品を用いれば、従来の亜鉛めっき鋼板と比較して優れた摺動特性を備えた亜鉛めっき鋼板を提供することができる。
【0042】
<実施例2>
実施例1に示した発明例1〜3と比較例1、2に、実施例1のベースめっき鋼板に種々の調質圧延を行った比較例を加えて、算術平均うねりWaと塗装後鮮映性の関係を調査した。
【0043】
まず、塗装後鮮映性の評価法について説明する。日本パーカーライジング製のPB-L3080を使用して、試験片に化成処理を施し、次いで関西ペイント製のEl-2000、TP-37グレー、TM-13(RC)を使用して、それぞれED塗装、中塗り塗装、上塗り塗装からなる3コート塗装を施した。このようにして塗装された試験片のNSIC値を、スガ試験機製の写像鮮明度測定装置NSIC型を使用して測定した。なお、NSIC値は黒板研磨ガラスを100とし、その値が100に近いほど良好な鮮映性となる。
【0044】
発明例と比較例に対して得られた算術平均うねりWaと塗装後鮮映性の関係を図4に示す。図から算術平均うねりWaが小さくなるほど塗装後鮮映性が向上しており、この値が0.6μm以下であれば、極めて良好な塗装後鮮映性を示し、発明例はいずれもこの範囲にあることが明らかである。
【0045】
このように、本発明によれば、プレス成形性に加え、塗装後鮮映性においても、従来よりも優れた亜鉛めっき鋼板を提供することができる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の亜鉛めっき鋼板に較べて格段に優れたプレス成形性と塗装後の鮮映性を備えた亜鉛めっき鋼板を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】球頭張出し成形における発明例と比較例の板厚減少率を示す図である。
【図2】円筒深絞り成形における発明例と比較例の最大荷重を示す図である。
【図3】平板摺動における発明例と比較例の摩擦係数を示す図である。
【図4】発明例と比較例の算術平均うねりWaと塗装後の鮮映性の関係を示す図である。
Claims (2)
- 溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板及び投射めっきした亜鉛めっき鋼板のうちの一つからなるめっき鋼板の表面に平均粒径1μm以上の金属酸化物粒子または金属粒子を投射してその表面に前記金属酸化物粒子または金属粒子を固定し、または押し込み、しかる後に圧延ロールで圧延して、前記金属酸化物粒子または金属粒子を前記めっき鋼板のプレス金型と接触するめっき表面に埋め込むことを特徴とするめっき鋼板の製造方法。
- 請求項1において、圧延ロールで圧延して、めっき鋼板表面の算術平均うねりWaを0.6μm以下に調整することを特徴とするめっき鋼板の製造方法。
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