JP7380964B1 - 被覆鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

優れたプレス成形性を有する被覆鋼板を提供する。下地鋼板と、前記下地鋼板の少なくとも一方の面に設けられた有機樹脂およびワックスを含有する皮膜とを備える被覆鋼板であって、前記有機樹脂は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、およびポリエステル系樹脂からなる群より選択される少なくとも1つであり、前記ワックスは、融点が100℃以上145℃以下、かつ平均粒径が3.0μm以下であるポリオレフィンワックスであり、前記皮膜は、特定のワックスの分布を有し、前記皮膜の片面当たりの付着量が0.3g/m2以上である、被覆鋼板。

Description

本発明は、被覆鋼板に関し、特に、プレス成形性(press formability)に優れた被覆鋼板に関する。また、本発明は前記被覆鋼板の製造方法に関する。
冷延鋼板、熱延鋼板などの鋼板は様々な分野で広く用いられており、例えば、自動車車体などの用途においては、鋼板をプレス成形して用いることが一般的である。そのため、鋼板にはプレス成形性に優れることが求められる。
特に近年では、製品の意匠性向上のため、より複雑な形状にプレス成形される傾向にある。また、製造工程を簡略化するために部品の一体化が進められており、その意味でも、より複雑な形状にプレス成形される傾向にある。
しかし、鋼板を複雑な形状にプレス成形する場合、該鋼板が成形に耐えられず破断したり、連続プレス成形時に型カジリ(die galling)が生じたりする場合がある。そしてその結果、自動車等の製品の生産性に深刻な悪影響を及ぼす。そのため、プレス成形性をさらに向上させることが求められている。
プレス成形性を向上させる方法としては、例えば、プレス成形に使用される金型に表面処理を施す方法が挙げられる。これは広く用いられている方法であるものの、一旦表面処理を施すと、その後は金型の調整を行えないという問題がある。また、コストが高いという問題もある。
金型に表面処理を施さずにプレス成形性を向上させる方法としては、高粘度潤滑油を使う方法がある。しかし、この方法で得られるプレス成形部材には高粘度潤滑油が付着した状態となるため、プレス成形後に脱脂不良を起こす場合があり、脱脂不良が生じると塗装性が劣化する。
そのため、金型の表面処理や高粘度潤滑油に代えて、鋼板自体のプレス成形性を向上させることが求められている。
鋼板自体のプレス成形性を向上させる技術としては、表面処理を施して鋼板表面に潤滑皮膜を形成することが提案されている。
例えば、特許文献1では、亜鉛系めっき鋼板の表面にアクリル樹脂皮膜を形成した被覆鋼板が提案されている。
特許文献2では、金属板の表面に樹脂皮膜が形成された被覆金属板において、前記樹脂皮膜表面から固体潤滑剤を0.01~1.5μm突出させることが提案されている。
特許文献3では、金属製品の表面に、ポリウレタン樹脂に潤滑剤を含有させた皮膜を0.5~5μm被覆することが提案されている。
特許文献4では、エポキシ樹脂中に潤滑剤を添加したアルカリ可溶型有機皮膜を有する被覆鋼板が提案されている。
特開平09-170059号公報 特開平10-052881号公報 特開2000-309747号公報 特開2000-167981号公報
しかし、特許文献1~4で提案されている技術では、皮膜に含まれる潤滑剤の効果により潤滑性に一定の向上が見られるものの、複雑なプレス成形における成形性は必ずしも十分ではなかった。具体的には、プレス成形時の割れ危険部位において割れが生じたり、面圧が高くなる部位において型カジリが発生したりするという問題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、優れたプレス成形性を有する被覆鋼板を提供することを目的とする。
本発明者らは、有機樹脂とワックスを含む皮膜を備える被覆鋼板に着目し、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下の知見を得た。
(1)有機樹脂とワックスを含む皮膜を形成した鋼板をプレス成形すると、皮膜表面と金型表面が摺動する際に、皮膜が金型に削り取られ、皮膜中の有機樹脂とワックスが混合した潤滑皮膜が金型表面と鋼板の摺動面を被覆する。したがって、プレス成形性を向上させるためには、金型表面と鋼板の摺動面を被覆する潤滑皮膜の摺動性を向上させる、つまり摩擦係数を低下させる必要がある。
(2)特定の有機樹脂とワックスを使用し、かつ皮膜の付着量と該皮膜の表面におけるワックスの分布を制御することにより、摩擦係数を顕著に低下させることができる。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨は、次の通りである。
1.下地鋼板と、前記下地鋼板の少なくとも一方の面に設けられた有機樹脂およびワックスを含有する皮膜とを備える被覆鋼板であって、
前記有機樹脂は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、およびポリエステル系樹脂からなる群より選択される少なくとも1つであり、
前記ワックスは、融点が100℃以上145℃以下、かつ平均粒径が3.0μm以下であるポリオレフィンワックスであり、
前記皮膜は、下記(1)式で定義されるσの値が1.0以下であり、かつ下記(2)式で定義されるMの値が130以下であるワックスの分布を有し、
前記皮膜の片面当たりの付着量が0.3g/m以上である、被覆鋼板。
Figure 0007380964000001
Figure 0007380964000002
ここで、
σ:前記皮膜の表面におけるワックスの分布についてボロノイ分割を行って得られるボロノイ多角形の平均面積によって規格化された分散、
:前記ボロノイ多角形の面積(μm)、
m:前記ボロノイ多角形の平均面積(μm)、
N:前記ボロノイ多角形の総個数(個)、
M:前記ワックス1個当たりの体積で規格化した前記ボロノイ多角形の平均面積(/μm)、
r:前記ワックスの平均半径(μm)である。
2.前記皮膜中の前記有機樹脂の割合が30質量%以上、95質量%以下であり、
前記皮膜中の前記ワックスの割合が5質量%以上、50質量%以下である、上記1に記載の被覆鋼板。
3.前記下地鋼板表面の算術平均粗さRaが0.4μm以上、2.5μm以下である、上記1または2に記載の被覆鋼板。
4.前記皮膜の片面当たりの付着量が2.5g/m以下である、上記1~3のいずれか1つに記載の被覆鋼板。
5.前記有機樹脂がアルカリ可溶性樹脂である、上記1~4のいずれか1つに記載の被覆鋼板。
6.前記皮膜が、さらに防錆剤を含有する、上記1~5のいずれか1つに記載の被覆鋼板。
7.前記防錆剤が、リン酸類のアルミニウム塩、亜鉛塩、および酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1つである、上記6に記載の被覆鋼板。
8.前記皮膜が、さらに分散剤を含有する、上記1~7のいずれか1つに記載の被覆鋼板。
9.前記分散剤が、ポリカルボン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボン酸共重合体、およびスルホン酸共重合体からなる群より選択される少なくとも1つである、上記8に記載の被覆鋼板。
10.前記皮膜が、さらにシリカを含有する、上記1~9のいずれか1つに記載の被覆鋼板。
11.有機樹脂およびワックスを含む塗料を、下地鋼板の少なくとも一方の面に塗布し、乾燥する、上記1~10のいずれか1つに記載の被覆鋼板の製造方法であって、
前記有機樹脂は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、およびポリエステル系樹脂からなる群より選択される少なくとも1つであり、
前記ワックスは、融点が100℃以上145℃以下、かつ平均粒径が3.0μm以下であるポリオレフィンワックスである、被覆鋼板の製造方法。
12.前記乾燥時の前記下地鋼板の最高到達温度が60℃以上、前記ワックスの融点以下である、上記11に記載の被覆鋼板の製造方法。
13.前記塗料における全固形分の割合が1質量%以上30質量%以下である、上記11または12に記載の被覆鋼板の製造方法。
本発明によれば、鋼板と金型との間の摩擦係数を顕著に低下させることができる。その結果、本発明によれば、プレス成形時に割れが生じやすい部位においても割れを生じさせることなく成形を行うことができる。また、本発明によれば、面圧の高い部位における型カジリを抑制することができる。したがって、本発明の被覆鋼板は極めて良好なプレス成形性を有しており、複雑な形状への成形にも好適に用いることができる。
ワックス分布の評価に用いる走査電子顕微鏡像の一例である。 ワックス分布の評価に用いる走査電子顕微鏡像の一例である。 図1のSEM像を用いて、ボロノイ分割を行って得られたボロノイ図である。 図2のSEM像を用いて、ボロノイ分割を行って得られたボロノイ図である。 摩擦係数測定装置を示す概略正面図である。 図5中のビード形状および寸法を示す概略斜視図である。
以下、本発明の実施形態の例について説明する。なお、以下の説明において、含有量の単位「%」は、とくに断らない限り「質量%」を表すものとする。
(1)被覆鋼板
本発明の一実施形態における被覆鋼板は、下地鋼板と、前記下地鋼板の少なくとも一方の面に設けられた皮膜とを備えている。
[皮膜]
前記皮膜は、有機樹脂およびワックスを含有する。以下、各成分について説明する。
(有機樹脂)
本発明において有機樹脂は、ワックスを鋼板表面に保持するバインダーとしての役割を担う。無機系バインダーでは、ポリオレフィンとの親和性が低いため、潤滑皮膜を形成することによる摺動性付与効果を得ることができない。そのため、上記皮膜は有機樹脂を含むことが重要である。
前記有機樹脂としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、およびポリエステル系樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを使用する。前記有機樹脂としては、2以上の樹脂を混合して使用することもできる。
前記アクリル系樹脂としては、特に限定されることなく任意のアクリル系樹脂を用いることができる。ここで、アクリル系樹脂とは、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも1つを単量体単位として含む重合体である。
前記アクリル系樹脂は、さらにスチレンを単量体単位として含むことが好ましい。スチレンを単量体単位として含むアクリル系樹脂は、耐水性に優れているため、防錆性が良好となる。また、スチレンを含有しない場合に比べてさらに良好な摺動性が得られる。
前記エポキシ系樹脂としては、特に限定されることなく任意のエポキシ系樹脂を用いることができる。前記エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、およびノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。
前記ウレタン系樹脂としては、特に限定されることなく任意のウレタン系樹脂を用いることができる。前記ウレタン系樹脂としては、分子中にカルボキシ基を有するウレタン系樹脂を用いることが好ましい。
前記フェノール系樹脂としては特に限定されることなく任意のフェノール系樹脂を用いることができる。前記フェノール系樹脂としては、水系溶媒に溶解もしくは分散可能なレゾール系フェノール樹脂を用いることが好ましい。
前記酢酸ビニル系樹脂としては、特に限定されることなく任意の酢酸ビニル系樹脂を用いることができる。前記酢酸ビニル系樹脂としては、ポリ酢酸ビニルを用いることが好ましい。
前記ポリエステル系樹脂としては、特に限定されることなく任意のポリエステル系樹脂を用いることができる。前記ポリエステル系樹脂としては、カルボキシ基を有するモノマーを構成成分として含有するポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
脱膜性(film removability)の観点からは、前記有機樹脂がアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。すなわち、鋼板を自動車車体などに用いる場合には、プレス成形した後に塗装が施される。その際、有機樹脂がアルカリ可溶性樹脂であれば、塗装前に行われるアルカリ脱脂工程で皮膜を除去(脱膜)することができる。したがって、その後の塗装を良好に行うことができる。
上記皮膜は、任意の割合で有機樹脂を含むことができる。しかし、有機樹脂の割合が過度に低いと、有機樹脂以外の成分の影響が大きくなり、有機樹脂の効果が相対的に低下する。そのため、有機樹脂の効果を高めるという観点からは、前記皮膜中の前記有機樹脂の割合を30%以上とすることが好ましい。前記有機樹脂の割合を30%以上とすることにより、プレス成形性の向上効果をさらに高めるとともに、脱膜性や接着性など有機樹脂の持つ作用を十分に発揮させることができる。前記皮膜中の前記有機樹脂の割合は40%以上とすることがより好ましく、50%以上とすることがさらに好ましい。一方、前記有機樹脂の割合の上限についても特に限定されないが、後述するようにある程度の量のワックスを添加するために、95%以下とすることが好ましく、90%以下とすることがより好ましい。
ここで、皮膜中の有機樹脂の割合とは、皮膜中の全固形分の合計質量に対する皮膜中の有機樹脂の固形分の質量の割合と定義される。
前記有機樹脂の質量平均分子量は特に限定されない。しかし、前記質量平均分子量が5000未満であると、防錆性が劣る場合がある。そのため、防錆性の観点からは、前記有機樹脂の質量平均分子量を5000以上とすることが好ましく、7000以上とすることがより好ましく、9000以上とすることがさらに好ましい。一方、前記有機樹脂の質量平均分子量が30000を超えると接着性が劣化する場合がある。そのため、接着性の観点からは、前記有機樹脂の質量平均分子量を30000以下とすることが好ましく、25000以下とすることがより好ましく、20000以下とすることがさらに好ましい。
ここで、前記有機樹脂の質量平均分子量とは、JIS K 7252「プラスチック-サイズ排除クロマトグラフィーによる高分子の平均分子量及び分子量分布の求め方」に基づいて測定される質量平均分子量である。
(ワックス)
前記ワックスとしてはポリオレフィンワックスを用いる。ポリオレフィンワックスは、表面エネルギーが低く、自己潤滑性を有している。したがって、下地鋼板の表面にポリオレフィンワックスを含む皮膜を設けることにより、優れたプレス成形性を得ることができる。また、ポリオレフィンは、密度や分子量を制御することにより、比較的容易に融点を後述する範囲に調整することができる。ポリオレフィンワックスの中でもポリエチレンワックスを用いた場合に最も潤滑効果が得られるため、ポリエチレンワックスを用いることが好ましい。
融点:100~145℃
前記ポリオレフィンワックスの融点は100℃以上145℃以下とする。上述したように、ポリオレフィンワックスはそれ自体が自己潤滑性を有している。加えて、ポリオレフィンワックスの融点が前記範囲内であれば、プレス成形時の金型との摺動による摩擦熱でポリオレフィンワックスが半溶融状態となり、有機樹脂とワックスが混合した潤滑皮膜が金型表面と鋼板の摺動面を被覆する。そしてその結果、金型と鋼板の直接の接触が抑制されるため、プレス成形性が顕著に向上する。
ポリオレフィンワックスの融点が100℃未満であると、プレス成形時の摺動による摩擦熱でポリオレフィンワックスが完全に溶融してしまうため、ポリオレフィンワックスが持つ潤滑効果が十分に発揮されない上に、前述した金型の被覆効果も得られない。そのため、ポリオレフィンワックスの融点は100℃以上、好ましくは120℃以上とする。一方、ポリオレフィンワックスの融点が145℃より高いと、プレス成形時の摩擦熱で該ポリオレフィンワックスが溶融しないため、十分な潤滑効果が得られないだけでなく、金型の被覆効果も得られない。そのため、ポリオレフィンワックスの融点は145℃以下、好ましくは140℃以下とする。
ここで、ポリオレフィンワックスの融点は、JIS K 7121「プラスチックの転移温度測定方法」に基づき測定される融解温度と定義する。
平均粒径:3.0μm以下
ポリオレフィンワックスの平均粒径が3.0μmより大きいと、皮膜中で該ポリオレフィンワックスが凝集しやすく、後述する所望のワックス分布を得ることができない。加えて、プレス成形時の金型との摺動時に有機樹脂とワックスが混合しにくくなり、前述した金型の被覆効果が得られず優れたプレス成形性が得られない。そのため、前記ポリオレフィンワックスの平均粒径は3.0μm以下、好ましくは1.5μm以下、より好ましくは0.5μm以下、さらに好ましくは0.3μm以下とする。一方、ポリオレフィンワックスの平均粒径の下限は特に限定されないが、過度に小さいと、プレス成形時にポリオレフィンワックスが潤滑油に溶解し、潤滑性向上効果が低下する場合がある。また、塗料中でもポリオレフィンワックスが凝集しやすいため塗料安定性が低く、所望のワックス分布が得られにくい場合がある。そのため、前記ポリオレフィンワックスの平均粒径は、0.01μm以上であることが好ましく、0.03μm以上であることがより好ましい。
ここで、前記平均粒径は、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて皮膜表面のワックス粒子を観察することにより測定できる。すなわち、ワックスの粒径に対応した倍率に設定したSEM像を取得し、画像解析することにより求められる。前記画像解析により求めた各ワックス粒子の円相当径の平均値を、前記平均粒径とする。なお、SEMによる観察の条件は、後述するσおよびMの測定の際と同じであってよい。
上記皮膜は、任意の割合でワックスを含むことができる。しかし、皮膜中のワックスの割合が過度に高いと、バインダーとしての有機樹脂の割合が相対的に低下し、ワックス成分が脱落しやすくなる。また、接着性が低下する。加えて、塗装を施す場合、アルカリ脱脂工程において皮膜が鋼板表面から十分に脱膜せず、十分な脱脂性が得られない結果、塗装性が劣化する場合がある。そのため、前記皮膜中のワックスの割合は、50%以下とすることが好ましく、30%以下とすることがより好ましい。
一方、前記ワックスの割合の下限についてもとくに限定されないが、5%以上とすることが好ましい。その理由は次の通りである。すなわち、鋼板上に皮膜を形成する際に、ワックス粒子が分散傾向にあれば、皮膜中ワックスの割合が減少しても、隣接ワックス粒子間距離は大きくなるが、その値は各ワックス粒子間で同程度となるため、ボロノイ多角形の面積の分散は変化しない。したがって、ボロノイ多角形の面積の分散は好適範囲にとどまる。しかし、皮膜中ワックスの割合が5%未満であると、後述するMの値が増加し、プレス成形性に悪影響を及ぼす場合がある。そのため、前記皮膜中のワックスの割合は、5%以上とすることが好ましく、10%以上とすることがより好ましい。
ここで、皮膜中のワックスの割合とは、皮膜中の全固形分の合計質量に対する皮膜中のワックスの固形分の質量の割合と定義される。
(ワックスの分布)
本発明者らは、様々な表面粗度を有する鋼板表面に、有機樹脂およびワックスを含む皮膜を広範な付着量で形成した被覆鋼板を作製し、皮膜表面のワックス分布がプレス成形性に及ぼす影響を、ボロノイ分割を適用して評価した。その結果、前記皮膜が特定のワックスの分布を有する場合に、極めて優れたプレス成形性が得られることを見出した。以下、前記知見について説明する。
まず、ボロノイ分割とは、ある距離空間上の任意の位置に配置された複数個の点(母点)に対して、同一距離空間上の他の点がどの母点に近いかによって領域分けするものである。このボロノイ分割によって領域分けされた図はボロノイ図と呼ばれる。二次元平面では、ボロノイ分割の境界は隣接母点間の垂直二等分線になり、この垂直二等分線で囲まれた各分割領域はボロノイ多角形と呼ばれる。
本発明者らは、皮膜表面のある視野において観察されたワックス粒子の位置を母点として隣接ワックス粒子間に垂直二等分線を引くことで、ボロノイ分割を行い、各ワックス粒子の分割領域をワックスのボロノイ多角形とした。
ワックスのボロノイ多角形は、隣接ワックス粒子間の垂直二等分線を境界とする多角形であり、その面積は隣接ワックス粒子間距離を反映した値となる。そのため、ワックスのボロノイ多角形の面積の分散は、隣接ワックス粒子間距離のばらつきを反映した値であり、この分散の大小で、ワックスの分布を評価することができる。例えば、ワックス粒子が凝集傾向にあると、ワックス粒子凝集部の内側では隣接ワックス粒子間距離が小さく、ワックスのボロノイ多角形の面積が小さくなる。また、ワックス粒子凝集部の外側では隣接ワックス粒子間距離が大きく、ワックスのボロノイ多角形の面積が大きくなる。その結果、ワックスのボロノイ多角形の面積の分散は大きくなる。一方で、ワックスが均一に分布する場合、隣接ワックス粒子間距離は各ワックス粒子で同程度になり、ワックスのボロノイ多角形の面積は各ワックス粒子で同程度になるため、ワックスのボロノイ多角形の面積の分散は小さくなる。
そこで、皮膜表面におけるワックスの分布を、σとMの値を用いて評価した。ここで、σは、下記(1)式で定義される、規格化したワックスのボロノイ多角形の面積の分散(規格化した分散)である。また、Mは、下記(2)式で定義される、ワックス粒子1個の平均半径から求められる体積で規格化したボロノイ多角形の平均面積Mである。その結果、σの値およびMの値が、所定の条件を満たす場合に、被覆鋼板のプレス成形性が顕著に向上することを見出した。
Figure 0007380964000003
Figure 0007380964000004
ここで、
σ:前記皮膜の表面におけるワックスの分布についてボロノイ分割を行って得られるボロノイ多角形の平均面積によって規格化された分散、
:前記ボロノイ多角形の面積(μm)、
m:前記ボロノイ多角形の平均面積(μm)、
N:前記ボロノイ多角形の総個数(個)、
M:前記ワックス1個当たりの体積で規格化した前記ボロノイ多角形の平均面積(/μm)、
r:前記ワックスの平均半径(μm)である。
σ:1.0以下、M:130以下
σが1.0以下かつMが130以下である場合、皮膜表面のワックス分布が均一、かつワックスによる潤滑効果を発揮可能な量のワックスが皮膜中に存在することになる。したがって、金型表面と鋼板表面の皮膜が接触して摺動した際に、ワックスがほぼ均一に混合した潤滑皮膜が金型表面と鋼板の摺動面を被覆する結果、摺動性が向上(摩擦係数が低下)し、優れたプレス成形性が得られる。
反対に、σが1.0を超えると、皮膜表面のワックス分布が不均一となる。すなわち、ワックス粒子が凝集するワックス凝集部と、潤滑効果が不十分なワックス量の少ないワックス欠乏部が皮膜表面に形成される。ワックス凝集部にはワックス粒子が多く存在するため摺動性が向上するが、ワックス欠乏部はワックス量が少ないため、摺動性が低下する。したがって、ワックス欠乏部において潤滑効果の乏しい皮膜が金型と接触することとなり、結果的に摩擦係数が増加し、プレス成形性が低下する。また、Mの値が130を超えると、ワックス分布が均一であっても、皮膜中のワックス量が不十分となり、金型表面と鋼板の摺動面を被覆する潤滑皮膜の摺動性が低下し、所望のプレス成形性が得られない。
以上の理由から、σは、1.0以下、好ましくは0.85以下、より好ましくは0.75以下とする。また、Mは、130以下、好ましくは60以下、より好ましくは45以下とする。
一方、σの下限についてはとくに限定されないが、例えば、0.1以上であってよく、0.2以上であってよい。Mの下限についてもとくに限定されないが、例えば、5以上であってよく、10以上であってよい。Mが5未満である場合には、ワックス分布が均一であっても、皮膜中のワックス量が過剰であり、皮膜の脱膜性が低下する。
σおよびMは、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて皮膜表面のワックス粒子を観察することにより測定できる。すなわち、ワックスの粒径に対応した倍率に設定したSEM像を取得し、ワックス粒子の位置を特定し、ボロノイ分割することで、σとMを測定する。
以下、SEMを用いたσとMの測定方法について、具体的に説明する。SEMを用いて、σとMを測定する際には、電子線の広がりや透過を抑え、皮膜表面付近のワックス分布の情報を取得するために、加速電圧を十分低くする必要がある。そのためには、加速電圧1kV以下で測定することが好ましい。また、観察時の帯電による像障害を防止し、ワックス粒子を明瞭に識別するために、C、Au、Osなどの導電性物質によるコーティングを実施することが好ましい。前記導電性物質によるコーティングの膜厚は2nm以下とすることが好ましい。SEM像の測定範囲は、ワックス粒子を識別でき、統計上有意な個数のワックス粒子が含まれるようにする必要がある。例えば、ワックス粒子の直径が100nm~300nmの場合には、ピクセルサイズが30nm以下で、測定範囲は10μm×10μm以上であることが望ましい。なお、SEM像は、連続、または任意の複数視野を測定して取得し、合計で上記測定範囲を満足するように、複数のSEM像を取得してもよい。
SEM像を取得した後、該SEM像に含まれるワックス粒子の位置を特定する。前記位置の特定は、例えば、肉眼で、または画像処理ソフトウェアを用いて行えばよい。次に、特定したワックス粒子の位置を母点として、ボロノイ分割を行うことで、ボロノイ多角形を描画する。ボロノイ多角形の描画は、例えば、手動で、または画像処理ソフトウェアを用いて行えばよい。その後、ボロノイ多角形の面積:S(μm)、ボロノイ多角形の平均面積:m(μm)、ボロノイ多角形の総個数:N(個)、ワックス粒子の平均半径:r(μm)を求める。
図1および図2は倍率を1万倍としてワックス分布をSEM観察し、取得したSEM像であり、図1はワックス分布が均一に近い場合、図2はワックス分布が不均一(ワックス凝集部と欠乏部が混在)な場合を表している。図3、4は、それぞれ図1、2のSEM像を用いて、ボロノイ分割を行って得られたボロノイ図である。図1のσの値は0.32、Mの値は26.6、図2のσの値は3.91、Mの値は25.2であった。
[防錆剤]
上記皮膜は、防錆剤を含有しない場合でも通常の保管環境では錆が発生することはない。しかし、防錆性をさらに向上させるという観点からは、前記皮膜は、さらに防錆剤を含有することが好ましい。
前記防錆剤としては、特に限定されることなく任意の防錆剤を用いることができるが、リン酸類のアルミニウム塩、亜鉛塩、および酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1つを用いることが好ましい。ここで、リン酸類とはオルトリン酸の他、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、メタリン酸などの縮合リン酸を含む。これらの防錆剤を用いることでさらに優れた防錆効果を発揮することができ、さらには塗料安定性の劣化も小さい。
防錆剤の含有量は特に限定されないが、防錆剤の含有量が過度に低いと、十分な効果が得られない場合がある。特に、被覆鋼板をコイル状に重ね合わせた状態で保管する場合には、吸湿により錆が発生しやすい。このような過酷な環境下でも錆の発生を防ぐという観点からは、皮膜中の防錆剤の割合を5%以上とすることが好ましい。一方、皮膜中の防錆剤の割合が30%を超えると接着性が劣化する場合がある。また、塗料の状態において防錆剤が沈殿し、塗料安定性が劣化する場合がある。そのため、皮膜中の防錆剤の割合を30%以下とすることが好ましい。
ここで、皮膜中の防錆剤の割合とは、皮膜中の全固形分の合計質量に対する皮膜中の防錆剤の質量の割合と定義される。
[分散剤]
皮膜成分の分散性を向上させるという観点からは、上記皮膜はさらに分散剤を含有することが好ましい。前記分散剤としては、特に限定されることなく任意の分散剤を使用できるが、アニオン系高分子型分散剤を用いることが好ましい。アニオン系高分子型分散剤は、数μm以下の粒子の分散性向上に特に有効であることに加え、ポリオレフィンワックスに吸着することができる。前記アニオン系高分子型分散剤としては、ポリカルボン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボン酸共重合体、およびスルホン酸共重合体からなる群より選択される少なくとも1つを用いることが好ましい。
皮膜中の分散剤の割合は特に限定されないが、0.5%以上とすることが好ましい。皮膜中の分散剤の割合が0.5%以上であると、塗料中のワックスの分散性が向上し、得られる皮膜におけるワックス分布の均一性が向上する。その結果、所望のワックス分布を実現し易くなり、プレス成形性がさらに向上する。一方、皮膜中の分散剤の割合が5%を超えると接着性が劣化する場合がある。そのため、皮膜中の分散剤の割合は、5%以下とすることが好ましい。
ここで、皮膜中の分散剤の割合とは、皮膜中の全成分の固形分質量の合計質量に対する皮膜中の分散剤の質量の割合である。
(シリカ)
皮膜の撥水性および防錆性を向上させるという観点からは、上記皮膜が、さらにシリカを含有することが好ましい。また、シリカを含有することで塗料に含まれる防錆剤の沈殿が抑制されるため、塗料安定性が向上する。
前記シリカとしては、特に限定されることなく任意のシリカを用いることができる。前記シリカとしては、コロイダルシリカを用いることが好ましい。前記コロイダルシリカの平均粒子径は特に限定されないが、5nm以上であることが好ましい。また、前記コロイダルシリカの平均粒子径は200nm以下であることが好ましい。前記コロイダルシリカの平均粒子径は動的光散乱法により測定することができる。具体的には、まず、動的光散乱法により散乱強度基準での粒子径分布を測定する。次いで、前記粒子径分布を散乱強度基準から体積基準に換算する。得られた体積基準の粒子径分布におけるメジアン径D50をコロイダルシリカの平均粒子径とする。
上記皮膜中のシリカの割合は、1%以上とすることが好ましい。皮膜中のシリカの割合を1%以上とすることで、皮膜の撥水性が高まり、防錆性がさらに向上する。また、一方、皮膜中のシリカの割合が10%を超えると接着性が劣化する場合がある。そのため、前記皮膜中のシリカの割合は、10%以下とすることが好ましい。
ここで、皮膜中のシリカの割合とは、皮膜中の全成分の固形分質量の合計質量に対する皮膜中のシリカの質量の割合である。
なお、上記皮膜に含まれる成分それぞれの割合は、塗料調合時の各皮膜成分の固形分質量から算出することができる。
上記皮膜は、上記有機樹脂、ワックス、防錆剤、分散剤、およびシリカに加え、その他の任意の成分を含有することができる。前記その他の成分としては、例えば、一般的に塗料に添加される表面調整剤や消泡剤などが挙げられる。
付着量:0.3g/m以上
上記皮膜の付着量が0.3g/m未満である場合、該皮膜を形成するために塗料を塗布してから乾燥させるまでの間に、ワックスの凝集が発生しやすいため、所望のワックス分布が得られず、その結果、プレス成形性が低下する。そのため、皮膜の片面あたりの付着量は、0.3g/m以上とする。なお、後述するように最終的なワックス分布は下地鋼板の表面粗さの影響を受ける。そこで、下地鋼板の表面粗さが大きい場合でも所望のワックス分布を得やすくするという観点からは、皮膜の片面あたりの付着量を0.4g/m以上とすることが好ましく、0.6g/m以上とすることがより好ましく、0.8g/m以上とすることがさらに好ましい。一方、前記皮膜の付着量の上限は特に限定されないが、2.5g/mを超えると、溶接性や脱膜性、接着性が劣化する場合がある。そのため、皮膜の片面あたりの付着量は、2.5g/m以下とすることが好ましい。
皮膜の付着量は、被覆鋼板から皮膜を除去し、皮膜除去前後における質量差を鋼板の面積で除することにより求めることができる。皮膜の除去は、下地鋼板を損なうことなく当該皮膜のみを除去できる方法であれば任意の方法で行うことができる。典型的には、皮膜を構成する有機樹脂を溶解可能な溶媒(有機溶剤など)や、前記溶媒を含む剥離剤などを使用すればよい。前記皮膜がアルカリ可溶型である場合には、実施例に記載したように、アルカリ脱脂剤を用いることが好ましい。
[下地鋼板]
上述したように、本発明では皮膜の成分と、該皮膜におけるワックスの分布を制御することにより優れたプレス成形性を実現している。そのため、前記下地鋼板としては、特に限定されることなく任意の鋼板を用いることができる。前記下地鋼板は、冷延鋼板および熱延鋼板のいずれであってもよい。
前記下地鋼板の引張強度TSは特に限定されないが、過度に低いと、最終的に得られるプレス成形部材の強度が不足する場合がある。そのため、前記下地鋼板の引張強度は260MPa以上であることが好ましい。一方、前記引張強度の上限についても特に限定されない。例えば、引張強度が440MPa以上であるような高強度鋼板を下地鋼板として用いる場合、プレス成形時の面圧が高くなる。しかし、本発明によれば、鋼板と金型との間の摩擦係数を顕著に低下させることができるため、そのように面圧が高い条件であっても、割れや型カジリの発生を抑制し、良好なプレス成形性が得られる。したがって、下地鋼板の引張強さは、440MPa以上であってもよい。ただし、引張強度が過度に高いと複雑な形状へプレス成形することが困難となる。そのため、複雑形状へのプレス成形性という観点からは、前記下地鋼板の引張強度は440MPa以下であることが好ましい。
前記下地鋼板の板厚は特に限定されないが、過度に薄いと、最終的に得られるプレス成形部材の強度が不足する場合がある。そのため、前記下地鋼板の板厚は0.5mm以上であることが好ましい。一方、前記板厚の上限についても特に限定されないが、過度に厚いと複雑な形状へプレス成形することが困難となる。そのため、前記下地鋼板の板厚は4.0mm以下であることが好ましい。
上記下地鋼板の表面粗さ(皮膜形成前の下地鋼板の表面粗さ)はとくに限定されない。しかし、下地鋼板表面の算術平均粗さRaが2.5μmより大きい場合、下地鋼板表面の凹凸が大きいため、凹部に形成された皮膜はプレス成形の際に金型と接触しにくくなる。また、凸部では、凹部に比べて皮膜の付着量が少なくなるため、所望のワックス分布が得られにくくなる結果、プレス成形性向上効果が低下する場合がある。そのため、プレス成形性をさらに向上させるという観点からは、Raを2.5μm以下とすることが好ましい。一方、Raが0.4μmより小さい場合、プレス成形時に起こりうる微細な傷が目立ちやすい。また、Raが0.4μmより小さいと、プレス成形時にカジリが発生する場合がある。そのため、Raは0.4μm以上とすることが好ましい。
ここで、下地鋼板の算術平均粗さRaはJIS B 0633:2001(ISO 4288:1996)に従い測定することが出来る。例えば、Raが0.1より大きく2以下の場合には、カットオフ値および基準長さを0.8mm、評価長さを4mmとして測定した粗さ曲線からRaを求める。Raが2より大きく10以下の場合には、カットオフ値および基準長さを2.5mm、評価長さを12.5mmとして測定した粗さ曲線からRaを求める。
(2)製造方法
次に、本発明の被覆鋼板の製造方法について説明する。本発明の一実施形態においては、有機樹脂およびワックスを含む塗料を、下地鋼板の少なくとも一方の面に塗布し、乾燥することによって上記被覆鋼板を製造する。なお、特に言及しない点については、上記被覆鋼板の説明と同様とすることができる。
前記塗料としては、例えば、溶媒に有機樹脂を溶解させた有機樹脂溶液または溶媒に有機樹脂を分散させた有機樹脂エマルションに、ワックスを添加したものを用いることができる。前記溶媒としては、水および有機溶剤の一方または両方を用いることが出来るが、水を用いることが好ましい。
塗料における全固形分の割合は特に限定されないが、1~30%であることが好ましい。塗料における全固形分の割合が1%未満または30%超である場合、塗装ムラが発生し、所望のワックス分布が得られない場合がある。なお、ここで塗料における全固形分の割合とは、塗料中の全固形分の濃度、すなわち、塗料の(溶媒を含む)全質量に対する固形分質量の割合である。
下地鋼板への塗料の塗布は、特に限定されることなく任意の方法で行うことができる。前記塗布としては、例えば、ロールコーターやバーコーターを使用する方法、スプレー、浸漬、刷毛による塗布方法などが挙げられる。前記塗布においては、最終的に得られる被覆鋼板において、鋼板の片面当たりの皮膜付着量が乾燥質量で0.3g/m以上となるように塗料を塗布する。
塗料を塗布した後の乾燥についても、特に限定されることなく任意の方法で行うことができる。前記乾燥の方法としては、例えば、熱風による乾燥や、IHヒーターによる乾燥、赤外加熱による方法などが挙げられる。
乾燥時の鋼板の最高到達温度は60℃以上、使用したワックスの融点以下であることが好ましい。最高到達温度が60℃未満では乾燥に時間がかかる上に、防錆性が劣る場合がある。一方、最高到達温度がワックスの融点を超える場合、ワックスが溶融、合体し、粒径が粗大化することで、所望のワックス分布が得られにくい。
以下、本発明を実施例により説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
以下の手順で下地鋼板の表面に皮膜を形成して被覆鋼板を製造した。
まず、表1に示す算術平均粗さRaを有する4種類の下地鋼板を用意した。このうち下地鋼板A~Cは板厚0.8mmの冷延鋼板であり、下地鋼板Dは板厚2.0mmの熱延鋼板である。なお、A~Dの下地鋼板は、いずれも270MPa級の引張強度を有するSPCD(JIS G 3141)およびSPHD(JIS G 3131)である。
また、表2、3に示す組成の塗料を調製した。表2、3における各成分の割合は、塗料に含まれる全固形分の合計質量に対する各成分の固形分の質量の割合である。なお、シリカとしては体積平均粒子径9nmのコロイダルシリカを用いた。また、表2、3に示した有機樹脂の分子量ならびにワックスの融点および平均粒径は、それぞれ先に述べた方法で測定した値である。
前記下地鋼板の表面に前記塗料をバーコーターで塗布し、鋼板表面の最高到達温度が80℃となるようIHヒーターで加熱して乾燥し、被覆鋼板を得た。使用した下地鋼板と塗料の組み合わせは表4~7に示したとおりとした。なお、比較のため、一部の比較例では皮膜の形成を行わず、下地鋼板をそのまま後述する評価に供した。
(皮膜付着量)
得られた被覆鋼板における皮膜の付着量を測定した。具体的には、被覆鋼板から皮膜を除去し、皮膜除去前後における質量差を鋼板の面積で除して付着量を求めた。前記皮膜の除去は、被覆鋼板を脱脂剤濃度20g/L、温度40℃の脱脂液に300秒浸漬することにより行った。前記脱脂剤としては、アルカリ脱脂剤のファインクリーナーE6403(日本パーカライジング(株)製)を用いた。なお、上記条件で皮膜が完全に除去できていることを、別途、後述する脱膜性の試験と同様の手法で確認した。表4~7に示した皮膜付着量は鋼板片面あたりの値である。
(ワックス分布)
次に、得られた被覆鋼板の皮膜表面におけるワックス分布を以下の手順で評価した。
まず、上記被覆鋼板から、10mm角サイズの試験片を、各被覆鋼板につき5枚ずつ切り出した。前記試験片の中心近傍をSEMにより観察してSEM像を得た。前記SEMとしては、ショットキー電界放出型SEM(Carl Zeiss製Σigma)を用いた。前記SEMによる観察条件は、倍率1万倍、加速電圧1kV、解像度1024×768とした。
得られたSEM像からワックス粒子の位置を特定し、二値化を行った。次いで、ボロノイ分割により各ワックス粒子に対応するボロノイ多角形の面積Sを求め、ボロノイ多角形の総個数Nより、ボロノイ多角形の平均面積mを算出した。その後、ボロノイ多角形の平均面積によって規格化された分散σを算出した。また、ワックス粒子の平均半径rより、ワックス1個あたりの体積を求め、ワックス1個当たりの体積で規格化したボロノイ多角形の平均面積Mを算出した。
5枚の試験片のそれぞれについて、上記の手順でσとMを算出し、それぞれの平均値を当該被覆鋼板のσおよびMとした。なお、前記ボロノイ分割においては、画像端部の領域での面積の過大評価を防ぐために、ボロノイ多角形が閉じずに画像枠線に到達した場合、画像枠線をボロノイ多角形の辺とみなした。
次に、得られた被覆鋼板の特性を以下の手順で評価した。
(プレス成形性)
プレス成形性は、摺動性、つまり鋼板表面の摩擦係数と相関があり、摩擦係数が低いほどプレス成形性は良好となる。そこで、プレス成形性を評価するために、得られた被覆鋼板の摩擦係数を以下の手順で測定した。
図5は、摩擦係数測定装置を示す概略正面図である。同図に示すように、被覆鋼板から採取した摩擦係数測定用試料1が試料台2に固定され、試料台2は、水平移動可能なスライドテーブル3の上面に固定されている。スライドテーブル3の下面には、これに接したローラ4を有する上下動可能なスライドテーブル支持台5が設けられ、これを押上げることにより、ビード6による摩擦係数測定用試料1への押付荷重Nを測定するための第1ロードセル7が、スライドテーブル支持台5に取付けられている。上記押し付け力を作用させた状態でスライドテーブル3を水平方向へ移動させるための摺動抵抗力Fを測定するための第2ロードセル8が、スライドテーブル3の一方の端部に取付けられている。なお、潤滑油として、スギムラ化学工業(株)製のプレス用洗浄油プレトンR352Lを試料1の表面に塗布して試験を行った。
図6は使用したビードの形状および寸法を示す概略斜視図である。ビード6の下面が試料1の表面に押し付けられた状態で摺動する。図6に示すビード6の形状は幅10mm、試料の摺動方向長さ59mm、摺動方向両端の下部は曲率4.5mmRの曲面で構成され、試料が押し付けられるビード下面は幅10mm、摺動方向長さ50mmの平面を有する。
摩擦係数測定試験は、図6に示すビードを用い、押し付け荷重N:400kgf、試料の引き抜き速度(スライドテーブル3の水平移動速度):20cm/minとし行った。試料とビードとの間の摩擦係数μは、式:μ=F/Nで算出した。
得られた摩擦係数の値を表4~7に示した。前記摩擦係数が0.115以下である場合、プレス成形性(摺動性)が良好であると判断した。
(溶接性)
被覆鋼板をプレス成形して得られるプレス成形部材を自動車車体などに用いる際には、組み立て工程において溶接が行われることが一般的である。そのため、被覆鋼板は、プレス成形性に加え、溶接性にも優れていることが望ましい。そこで、被覆鋼板の溶接性を評価した。具体的には、被覆鋼板に対して、使用電極:DR型Cr-Cu電極、加圧力:150kgf、通電時間:10サイクル/60Hz、溶接電流:7.5kAの条件で連続打点性の溶接試験を行い、連続打点数を求めた。連続打点数が5000点以上の場合、溶接性が「良好」、5000点未満の場合は溶接性が「不十分」と評価した。
(脱膜性)
本発明に係る被覆鋼板が、自動車用途で使用される場合を想定して、脱脂時の脱膜性を評価した。皮膜の脱膜性を求めるために、まず、各被覆鋼板を脱脂剤濃度20g/L、温度40℃の脱脂液に所定の時間浸漬した後、水道水で洗浄することにより脱脂した。前記脱脂剤としては、アルカリ脱脂剤のファインクリーナーE6403(日本パーカライジング(株)製)を用いた。
次いで、蛍光X線分析装置を用いて脱脂処理後の試験片の表面炭素強度を測定した。測定された表面炭素強度と、予め測定しておいた脱脂前表面炭素強度および下地鋼板の表面炭素強度の測定値を用いて、以下の式により皮膜剥離率を算出した。
皮膜剥離率(%)=[(脱脂前表面炭素強度-脱脂後表面炭素強度)/(脱脂前表面炭素強度-下地鋼板の表面炭素強度)]×100
なお、ここで、下地鋼板の表面炭素強度とは、皮膜を形成する前の下地鋼板の表面炭素強度である。
脱脂液への浸漬時間を変化させて上記試験を行い、皮膜剥離率が98%以上となるアルカリ脱脂液への浸漬時間を求めた。求められた浸漬時間を「脱膜時間」として表4~7に示す。前記脱膜時間が120秒以下である場合、良好な脱膜性であるとした。
(防錆性)
被覆鋼板をコイル状に巻取った状態で保管した場合を想定し、重ね合わせ状態での防錆性を評価した。具体的には、被覆鋼板から150mm×70mmのサイズの試験片を採取し、前記試験片の表面に防錆油を片面当たり1.0g/mの付着量で両面に塗布した。次いで、2枚の試験片を重ね合わせ、面圧0.02kgf/mmで荷重をかけた状態で、温度50℃、湿度95%RHの環境で保持した。
7日ごとに重ね合わせた内側の面を確認し、錆が発生するまでの日数を評価した。錆が発生するまでの日数が56日以上である場合を「優」、21日以上である場合を「良」、21日未満の場合を「可」と評価した。
(接着性)
被覆鋼板をプレス成形して得られるプレス成形部材を自動車車体などに用いる際には、組み立て工程において接着が行われることがある。そのため、被覆鋼板は、プレス成形性に加え、接着性にも優れていることが望ましい。そこで、被覆鋼板の接着性を評価した。具体的には、各被覆鋼板から100×25.4mmサイズの試験片を2枚採取し、防錆油に浸漬した。前記試験片を防錆油から引上げた後、24時間垂直に立て掛けて余分な油を除去した。
次いで、前記試験片の表面の内、25.4mm×13mmの領域にエポキシ系接着剤を0.2mm厚に均一に塗布した。その後、2枚の試験片をクリップで重ね合わせて挟み、180℃で20分焼付けし、乾燥・硬化させた。冷却後、オートグラフ試験機によりせん断引張試験を行い、せん断接着力を測定した。せん断接着力が20MPa以上である場合、良好な接着性とした。
表4~7に示した結果から分かるように、本発明の条件を満たす被覆鋼板は、いずれも摩擦係数が0.115以下であり、優れたプレス成形性を有していた。これに対し、本発明の条件を満たさない被覆鋼板は、いずれも摩擦係数が0.115より高く、プレス成形性に劣っていた。
以上のとおり、本発明の被覆鋼板はプレス成形時の摺動性(プレス成形性)に優れており、自動車車体用途を初めとする様々な用途に好適に用いることができる。
Figure 0007380964000005
Figure 0007380964000006
Figure 0007380964000007
Figure 0007380964000008
Figure 0007380964000009
Figure 0007380964000010
Figure 0007380964000011
1 摩擦係数測定用試料
2 試料台
3 スライドテーブル
4 ローラ
5 スライドテーブル支持台
6 ビード
7 第1ロードセル
8 第2ロードセル
9 レール

Claims (15)

  1. 下地鋼板と、前記下地鋼板の少なくとも一方の面に設けられた有機樹脂およびワックスを含有する皮膜とを備える被覆鋼板であって、
    前記有機樹脂は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、およびポリエステル系樹脂からなる群より選択される少なくとも1つであり、
    前記ワックスは、融点が100℃以上145℃以下、かつ平均粒径が3.0μm以下であるポリオレフィンワックスであり、
    前記皮膜は、下記(1)式で定義されるσの値が1.0以下であり、かつ下記(2)式で定義されるMの値が130以下である前記ワックスの分布を有し、
    前記皮膜の片面当たりの付着量が0.3g/m以上である、被覆鋼板。
    Figure 0007380964000012
    Figure 0007380964000013
    ここで、
    σ:前記皮膜の表面における前記ワックスの分布についてボロノイ分割を行って得られるボロノイ多角形の、平均面積によって規格化された分散、
    :前記ボロノイ多角形の面積(μm)、
    m:前記ボロノイ多角形の平均面積(μm)、
    N:前記ボロノイ多角形の総個数(個)、
    M:前記ワックス1個当たりの体積で規格化した前記ボロノイ多角形の平均面積(/μm)、
    r:前記ワックスの平均半径(μm)である。
  2. 前記皮膜中の前記有機樹脂の割合が30質量%以上、95質量%以下であり、
    前記皮膜中の前記ワックスの割合が5質量%以上、50質量%以下である、請求項1に記載の被覆鋼板。
  3. 前記下地鋼板表面の算術平均粗さRaが0.4μm以上、2.5μm以下である、請求項1に記載の被覆鋼板。
  4. 前記下地鋼板表面の算術平均粗さRaが0.4μm以上、2.5μm以下である、請求項2に記載の被覆鋼板。
  5. 前記皮膜の片面当たりの付着量が2.5g/m以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の被覆鋼板。
  6. 前記有機樹脂がアルカリ可溶性樹脂である、請求項1~4のいずれか一項に記載の被覆鋼板。
  7. 前記皮膜が、さらに防錆剤を含有する、請求項1~のいずれか一項に記載の被覆鋼板。
  8. 前記防錆剤が、リン酸類のアルミニウム塩、亜鉛塩、および酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項に記載の被覆鋼板。
  9. 前記皮膜が、さらに分散剤を含有する、請求項1~のいずれか一項に記載の被覆鋼板。
  10. 前記分散剤が、ポリカルボン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボン酸共重合体、およびスルホン酸共重合体からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項に記載の被覆鋼板。
  11. 前記皮膜が、さらにシリカを含有する、請求項1~のいずれか一項に記載の被覆鋼板。
  12. 有機樹脂およびワックスを含む塗料を、下地鋼板の少なくとも一方の面に塗布し、乾燥する、請求項1~のいずれか一項に記載の被覆鋼板の製造方法であって、
    前記有機樹脂は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、およびポリエステル系樹脂からなる群より選択される少なくとも1つであり、
    前記ワックスは、融点が100℃以上145℃以下、かつ平均粒径が3.0μm以下であるポリオレフィンワックスである、被覆鋼板の製造方法。
  13. 前記乾燥時の前記下地鋼板の最高到達温度が60℃以上、前記ワックスの融点以下である、請求項12に記載の被覆鋼板の製造方法。
  14. 前記塗料における全固形分の割合が1質量%以上30質量%以下である、請求項12に記載の被覆鋼板の製造方法。
  15. 前記塗料における全固形分の割合が1質量%以上30質量%以下である、請求項13に記載の被覆鋼板の製造方法。
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