JP6804514B2 - 環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤、亜鉛めっき鋼板及び亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤、亜鉛めっき鋼板及び亜鉛めっき鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は表面処理剤に関し、具体的には鋼板を被覆する表面処理剤に関する。本発明はまた、上記表面処理剤で被覆した鋼板及び上記鋼板の製造方法に関する。
亜鉛めっき鋼板は、一般的に自動車、家庭用機器、OA製品などの部品として用いられる。特に車の車体及び他の部品に用いられる場合、亜鉛めっき鋼板は、深絞り加工などのスタンプ成形工程が施される。輸送時及び保管時に亜鉛めっき鋼板が腐食して白錆が発生するのを防止するために、製造時に鋼板を錆止め油で被覆する必要がある。また、部品のスタンプ成形中の金型と鋼板との摩擦を低減して亜鉛層の亀裂及び表面摩耗を防ぐために、スタンプ成形工程では金型に潤滑油を加えなければならず、部品の成形後に脱脂洗浄を行う。同時に、外部部品としての耐腐食性要件を満たすように、亜鉛めっき鋼板を塗装(粉末スプレー又はスプレーコーティング)しなければならない。冷蔵庫、冷凍庫及び商業用空調産業では亜鉛めっき鋼板と発泡接着材(通常はポリウレタン又はポリスチレン)との良好な密着性が要求される。したがって、亜鉛めっき鋼板は塗装性についても高い要件が求められる。保管及び輸送時に錆止め油、潤滑油及び脱脂剤を用いると、環境に負担をかけ、製造コストも上昇する。亜鉛めっき鋼板の耐腐食性及び加工成形性を向上させるために、従来技術では、亜鉛めっき鋼板の耐腐食性を向上させるために亜鉛めっき鋼板をクロム酸塩不動態化処理する方法が採用されている。しかしながら、この方法では亜鉛めっき鋼板の加工成形性の改善の程度が限られる。現在、亜鉛めっき鋼板の耐腐食性と潤滑効果とのバランスが取れるように、クロム酸塩不動態化処理に加えて有機樹脂の固体潤滑膜(通常は、低表面エネルギーポリマー、例えばポリオレフィン及びポリテトラフルオロエチレンなど)を被覆する別の方法もある。しかしながら、固体潤滑膜を追加すると鋼板の表面エネルギーが減少して、後で被膜する膜に対する鋼板の密着性が大幅に低下し、鋼板の塗装性に影響を及ぼす。環境に関する指令が絶え間なく公布されるのに伴って、クロムめっきした亜鉛めっき鋼板は、クロムを含まない環境負荷の小さい製品に徐々に取って代わられている。
表面処理の点から、クロムを含まない環境負荷の小さい製品は、無機製品と有機/無機複合製品とに分類できる。無機潤滑膜は、主に、ケイ素、マンガン及びリンなどの無機化合物を含む薄膜である。このような製品は、深絞り加工後の外観及び塗装性が良好である。しかしながら、亜鉛めっき鋼板の耐腐食性は、無機潤滑膜によって大幅に向上させることができない。有機/無機複合潤滑膜は、樹脂、腐食防止剤、シランカップリング剤、シリカコロイド及び固体潤滑剤からなる薄膜である。この膜は、潤滑性、耐腐食性に優れるだけでなく、耐指紋性及び耐アルカリ性も良好である。
特許文献1(公開日2009年3月25日、名称「被覆鋼板及びその製造方法、加工品及び薄型テレビ用パネル」)には、化学膜で被覆された鋼板及び該鋼板の両面に形成された亜鉛系めっき層;上記鋼板の両面に形成された亜鉛系めっき層上に形成されたクロムを含まない化成皮膜;並びに、上記鋼板の片面の上記化成皮膜上に設けられた単層被膜であって、架橋剤で硬化させたポリエステル系樹脂と、平均粒径が3〜40μm、ガラス転移温度が70〜200℃で上記ポリエステル系樹脂よりも高い硬度を有する樹脂粒子とを含む単層被膜が開示されている。しかしながら、この特許で開示された技術的解決法は、まず鋼板の表面にクロムを含まない化成皮膜を形成し、その後、ポリエステル樹脂で被覆するという2工程の方法である。すなわち、上記化成皮膜は、被覆を2回、焼き付けを2回行わなければならない複雑な処理工程によって形成されるため、製造設備に対する要求が比較的高い。
特許文献2(公開日2009年9月16日、名称「扁平部の耐腐食性及び耐黒変性、スタンプ成形後の外観及び耐腐食性に優れた表面処理亜鉛めっき鋼板及び亜鉛めっき鋼板用水性表面処理液」)には、水性表面処理液が開示されている。上記表面処理液は、特定の比率で水溶性ジルコニウム化合物、水分散性シリカ粒子、シランカップリング剤、バナジン酸化合物、リン酸化合物、ニッケル化合物及びアクリル樹脂乳液を含む。上記表面処理液を被覆して得た表面処理済み亜鉛めっき鋼板は、特定の比率でジルコニウム化合物、シリカ粒子、シランカップリング剤由来成分、バナジン酸化合物、リン酸化合物、ニッケル化合物及びアクリル樹脂を含む表面処理膜を有し、該表面処理膜のZr堆積量は10〜200mg/mである。しかしながら、上記特許文献に関する技術的解決法においては、アルカリ性脱脂剤での洗浄後の鋼板の塗装性及び耐腐食性について言及されていない。
特許文献3(公開日2010年7月28日、名称「優れた加工性、耐アルカリ性及び耐溶剤性を有する亜鉛めっき鋼板及び表面処理剤」)は、表面が有機複合保護膜で被覆された亜鉛めっき鋼板に関する。上記亜鉛めっき鋼板は、A)伸びが20〜100%、ガラス転移温度が50〜100℃のカチオン性ポリウレタン樹脂を50〜70重量%;B)粒径(メジアン径)が1〜2μmの酸化ポリエチレン粒子を5〜10%;C)少なくとも1個の活性水素を含む1個以上のアミノ官能基を含む1種以上のオルガノシランカップリング剤(Ca)及び少なくとも1個のエポキシ官能基を含む1種以上のオルガノシランカップリング剤(Cb)を重量比(Ca)/(Cb)0.2〜0.4、カチオン性ポリウレタン樹脂(A)の総量とオルガノシランカップリング剤の総量との重量比(A)/(Ca)+(Cb)2〜3;D)モリブデン酸アンモニウムをモリブデン元素換算で0.01〜0.1%;E)バナジウム化合物をバナジウム元素換算で0.1〜1.0%;F)フッ素含有チタン化合物をチタン元素換算で0.1〜5%;並びに、G)リン化合物をリン元素換算で0.01〜0.5%含む。上記表面処理鋼板の外観はアルカリ性脱脂剤によって損なわれないが、この処理方法では、アルカリ洗浄後の鋼板の耐腐食性を完全に保証することができない。なぜなら、実際、家電製品部品及びマイクロモーターなどはほとんどが露出しており、非常に高い鋼板の耐腐食性が求められるからである。したがって、上記亜鉛めっき鋼板の性能は、対応する基準を満たすことができない。
上記特許文献で開示された鋼板の表面に形成された膜層は、2回の被覆、2回の焼き付けによって得られるものであるか、あるいは、該膜層で被覆された鋼板が所定の性能要件を満たさないものである。この観点から、被覆した鋼板がより良好な性能パラメータを有し、且つ、表面処理剤を鋼板に被覆する処理工程を簡素化できる鋼板被覆用表面処理剤を求めるビジネスニーズがある。
中国特許出願公開第101394998号明細書 中国特許出願公開第101535529号明細書 中国特許出願公開第101787527号明細書
本発明の目的は、亜鉛めっき鋼板用表面処理剤を提供することである。この環境負荷の小さい表面処理剤で被覆した亜鉛めっき鋼板は、優れた加工性、優れた耐腐食性及び良好な塗装性を有する。また、この環境負荷の小さい表面処理剤はクロムを含まない。
上記目的を達成するため、本発明は、環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤を提供する。その水溶液は以下の質量部の固体成分:
封鎖型変性カチオン性ポリウレタン樹脂A30〜55部;
少なくとも1個の活性水素アミノ官能基を含む有機シランカップリング剤B1と、少なくとも1個のエポキシ官能基を含む有機シランカップリング剤B2とを含み、B1/B2比が0.4〜1であるシランカップリング剤B32〜60部;
表面グラフト化高密度ポリエチレン粒子又は表面グラフト化ポリアミド粒子C3〜15部;
バナジウム元素換算でバナジウム含有化合物D0.01〜0.5部:
リン元素換算でリン含有化合物E0.5〜1.5部;
チタン元素換算でフッ素含有チタン化合物F0.1〜1部;及び、
セリウム元素換算でセリウム含有化合物G0.01〜1部
を含む。
上記技術スキームにおいて、封鎖型変性カチオン性ポリウレタン樹脂Aの量を30〜55部に調節するのは、次のような理由からである。該固体成分の量が30部未満であると、得られる皮膜の延性及び耐摩耗性が低下するとともに、皮膜と他の有機塗膜との塗膜密着性も低下する。該固体成分の量が55部を超えると、得られる皮膜と亜鉛めっき鋼板との密着性及び耐腐食性が低下する場合がある。
ここで、上記水溶液中の封鎖型変性カチオン性ポリウレタン樹脂Aは、水溶液又は水分散性型であってもよい。
なお、高密度ポリエチレンとは、配位重合によって形成され、密度が941kg/m〜960kg/mであり、結晶性が高く、分子鎖が規則的に配列したポリエチレンのことを言う。
有機シランカップリング剤B1及び有機シランカップリング剤B2は、水溶液中で部分的に事前合成される。この事前合成シラン化合物によって、平面方向の皮膜の架橋度を高めて、皮膜の耐摩耗性を向上させ、皮膜の耐腐食性を高めることができる。一方、事前合成シラン化合物中に残る活性基は、鋼板表面と反応して、皮膜と鋼板界面との密着性を高めることができる。シランカップリング剤Bの量を32〜60部に調節する理由は、この成分の量が32部未満であると、事前合成後のシラン中の残る活性基の量が鋼板との反応に必要な量よりも少なくなり、皮膜の密着性及び耐腐食性が低下し、一方、この成分の量が60部を超えると、シラン含有量が多くなりすぎて、架橋密度が高くなりすぎ、その結果、皮膜の延性が大幅に低下するからである。
本発明の技術的解決法に用いられる表面グラフト化高密度ポリエチレン粒子又は表面グラフト化ポリアミド粒子Cは、固体潤滑剤であり、皮膜との間に高い界面結合強度を提供し、腐食性媒体が固体潤滑剤の界面に沿って皮膜内に浸透するのを遅らせ、固体潤滑剤の添加が皮膜の耐腐食性に及ぼす負の影響を低下させる。表面グラフト化高密度ポリエチレン粒子又は表面グラフト化ポリアミド粒子Cの量は3〜15重量部に調節しなければならない。この量が3部未満であると、皮膜の表面潤滑性及び耐摩耗性が充分ではない。この量が15部を超えると、皮膜中の粒子が多くなりすぎて、表面グラフト化高密度ポリエチレン粒子又は表面グラフト化ポリアミド粒子によって形成された界面に沿って腐食性媒体が皮膜内に浸透する可能性があり、これによって皮膜の耐腐食性及び耐溶剤性が低下する。
バナジウム含有化合物Dのバナジウム元素換算量を0.01〜0.5部に調節する理由は、この量が0.01部未満であると、皮膜の耐腐食性が低下する場合があり、この量が0.5部を超えると、皮膜の密着性が悪化しやすくなるからである。
ここで、バナジウム含有化合物Dのバナジウムの原子価は+2〜+5の範囲のいずれであってもよい。バナジウム含有化合物Dは、バナジウム含有酸化物(例えば酸化バナジウム(+5)、酸化バナジウム(+3)など)であってもよく、フッ化物塩(例えばフッ化バナジウム(+4)、フッ化バナジウム(+5)など)であってもよい。
リン含有化合物E中のリン元素換算で、リン元素量が0.5部未満であると、リン元素の添加効果は顕著ではなく、皮膜の耐腐食性が低下する場合がある。リン元素量が1.5部を超えると、皮膜の密着性が悪化しやすくなる。
なお、リン含有化合物Eはリン酸又はアンモニウム塩として用意してもよい。
本発明の技術的解決法では、フッ素含有チタン化合物Fの量も調節する必要がある。フッ素含有チタン化合物中のチタン元素換算でチタン元素量が0.1部未満であると、何の効果も得られず、皮膜の密着性が悪化する場合がある。チタン元素量が1.0部を超えると、処理剤の安定性が悪化し、その結果、亜鉛めっき鋼板の表面処理品質に影響を及ぼす。
セリウム含有化合物Gは、亜鉛めっき鋼板の表面亜鉛めっき層と反応し、上記水溶液中のシランカップリング剤Bの加水分解後にヒドロキシル反応を起こして、高い結合エネルギーを有する−Ce−O−Zn−結合及び−Ce−O−Si−結合を形成することができる。したがって、薄く、構造的に緻密なセリウム塩変換膜が亜鉛めっき層の表面に形成され、このため、鋼板が腐食性媒体に直接接触するのが物理的に遮断され、鋼板の腐食の可能性が低減し、鋼板が塗膜下腐食に耐える能力が大幅に向上する。同時に、セリウム塩変換膜とシランカップリング剤Bとの反応によって形成された−Ce−O−Si−結合は、皮膜の密着性を向上させ、剥離摩擦の過程で皮膜が剥離するのを防止することができる。セリウム元素換算量が0.01部未満であると、添加効果が得られず、皮膜の耐腐食性及び密着性が低下する場合がある。セリウム元素換算で化合物の量が1部を超えると、処理剤の安定性が悪化し、亜鉛めっき鋼板の表面処理品質に影響を及ぼす場合がある。
ここで、セリウム含有化合物Gのセリウムの原子価は+3又は+4のいずれであってもよい。セリウム含有化合物Gは、硝酸セリウム、硫酸セリウム、フッ素含有セリウム塩又はセリウムアンモニウム錯塩の1種以上であってもよい。
さらに、本発明に係る環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤において、封鎖型変性カチオン性ポリウレタン樹脂Aは、有機化合物により末端封鎖変性されており、上記有機化合物は、エポキシ樹脂E−44、ヒドロキシシロキサン又はアクリル酸ヒドロキシエチルである。
封鎖型変性カチオン性ポリウレタン樹脂Aの末端封鎖変性に使用される有機化合物は、具体的には、エポキシ樹脂E−44、ヒドロキシシロキサン又はアクリル酸ヒドロキシエチルの何れかである。使用される有機化合物は、エポキシ基、エステル基又は水酸基などの活性基を1種有するので、該有機化合物は、シランカップリング剤B及び表面グラフト化高密度ポリエチレン粒子又は表面グラフト化ポリアミド粒子Cと反応して、皮膜の架橋度及び表面グラフト化高密度ポリエチレン粒子又は表面グラフト化ポリアミド粒子Cと皮膜との界面結合力を高めることにより、皮膜のスタンプ加工性及び耐摩耗性を向上させることができる。同時に、有機化合物と処理剤中の他の成分との反応により形成された基(例えばエーテル結合、カルボニル基及びエステル基など)はすべて極性基である。これらの極性基もまた、皮膜の表面極性を高めて、皮膜と他の有機塗膜との塗膜密着性を向上させることができる。
本発明に係る環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤において、封鎖型変性カチオン性ポリウレタン樹脂Aの量は40〜50部であるのが好ましい。
さらに、本発明に係る環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤において、封鎖型変性カチオン性ポリウレタン樹脂Aに対するシランカップリング剤Bの重量比は0.7〜2.0である。
封鎖型変性カチオン性ポリウレタン樹脂Aに対するシランカップリング剤Bの重量比が0.7未満、すなわち封鎖型変性カチオン性ポリウレタン樹脂Aの量が比較的多いと、皮膜の耐腐食性、密着性及び耐摩耗性が低下する場合がある。封鎖型変性カチオン性ポリウレタン樹脂Aに対するシランカップリング剤Bの重量比が2.0を超える、すなわち封鎖型変性カチオン性ポリウレタン樹脂Aの量が比較的少ないと、皮膜の延性が悪化し、鋼板のスタンプ成形時に皮膜に亀裂が生じやすく、その結果、その後の耐腐食性に影響を及ぼす。
さらに、本発明に係る環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤において、表面グラフト化高密度ポリエチレン粒子又は表面グラフト化ポリアミド粒子Cの粒径(メジアン径)は0.5〜3μmである。
表面グラフト化高密度ポリエチレン粒子又は表面グラフト化ポリアミド粒子Cの粒径は、環境負荷の小さい表面処理剤で被覆した亜鉛めっき鋼板の全体的性能がより良くなるように設定しなければならない。粒径が0.5μm未満であると、粒子は表面グラフト化後に凝集しやすく、水系に分散しにくくなり、また、皮膜に添加しても潤滑作用が得られない。粒径が3μmを超える、すなわち、粒径が皮膜の厚みよりも大きいと、粒子の大部分は皮膜の表面に露出する。したがって、スタンプ時の摩擦に曝されると、大きい粒子ほど剥離しやすくなり、それにより皮膜のスタンプ加工性が急激に低下する。
表面グラフト化高密度ポリエチレン粒子又は表面グラフト化ポリアミド粒子Cの粒径(メジアン径)は1.2〜2μmであることが好ましい。
さらに、本発明に係る環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤において、表面グラフト化高密度ポリエチレン粒子又は表面グラフト化ポリアミド粒子Cは、表面が反応性活性基でグラフト化されており、上記反応性活性基は、エポキシ基、アミノ基及びカルバメート基のうちの少なくとも1種である。
上記反応性活性基は、処理剤中の封鎖型変性カチオン性ポリウレタン樹脂A及びシランカップリング剤Bと反応して共有結合を形成することができる。また、表面グラフト化高密度ポリエチレン粒子又は表面グラフト化ポリアミド粒子Cと皮膜との界面結合強度を高めながら、表面グラフト化高密度ポリエチレン粒子又は表面グラフト化ポリアミド粒子Cに結合することにより、皮膜表面へ蓄積するのを防止して、皮膜中に確実に均一に分散させて、皮膜の表面潤滑性能を高めるとともに、皮膜の厚み方向全体に亘って優れた耐摩耗性を提供し、これにより皮膜のスタンプ加工性及び耐摩耗性を向上させることができる。また、表面グラフト化高密度ポリエチレン粒子又は表面グラフト化ポリアミド粒子Cは皮膜の表面に存在するため、皮膜の表面極性を向上させるだけでなく、表面グラフト化高密度ポリエチレン粒子又は表面グラフト化ポリアミド粒子Cの添加が皮膜の塗工性に及ぼす悪影響を低減することもできる。
好ましい実施形態では、表面グラフト化高密度ポリエチレン粒子又は表面グラフト化ポリアミド粒子Cの量は6〜12重量部である。
本発明に係る環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤において、セリウム含有化合物Gのセリウム元素換算量は0.2〜0.6質量部であることが好ましい。
なお、本発明に係る環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤で被覆される亜鉛めっき鋼板の寸法及び形状は特に限定されない。
本発明の別の目的は、亜鉛めっき鋼板を提供することである。この亜鉛めっき鋼板は、優れた加工性、すなわちスタンプ加工後の良好な外観及び鋼板表面の良好な耐摩耗性を有する。また、この亜鉛めっき鋼板は、優れた耐腐食性、すなわち鋼板の良好な平板耐腐食性、スタンプ成形後の良好な耐腐食性及びアルカリ性脱脂剤による洗浄処理後の良好な耐腐食性を有する。さらに、この亜鉛めっき鋼板は、良好な塗装性、すなわちアルキド樹脂塗料、エポキシ粉末塗料及びポリウレタン断熱発泡体に対する良好な塗膜密着性を有する。同時に、この亜鉛めっき鋼板は、様々な薬品に対する良好な耐性、例えば良好な耐アルカリ性及び良好な耐溶剤性を有する。
上記目的を達成するために、本発明は、上記環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤の何れか1種を被覆して形成された複合膜を表面に有する亜鉛めっき鋼板を提供する。
複合膜(乾燥膜)の厚みは1〜3μmであることが好ましい。
複合膜の厚みは、以下の理由から1〜3μmに調節される。複合膜の厚みが1μm未満であると、皮膜が薄いためスタンプ加工性及び耐腐食性が低下する場合がある。複合膜の厚みが3μmを超えると、鋼板の単位面積あたりの表面処理コストが増加する。
本発明のさらなる目的は、亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することである。この製造方法によって得られた亜鉛めっき鋼板は、環境負荷の小さい水性処理剤で表面が被覆されており、優れた加工性、優れた耐腐食性及び良好な塗装性を示す。
上記目的を達成するために、本発明は、亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、亜鉛めっき鋼板の表面を環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤で被覆する工程と、80〜180℃の温度で乾燥して上記亜鉛めっき鋼板の表面に複合膜を形成する工程とを含む製造方法を提供する。
加熱及び乾燥温度が80℃未満であると、皮膜の架橋が充分ではなく、皮膜の性能が低下する場合がある。加熱及び乾燥温度が180℃を超えると、処理剤中の固体成分の性能が変化し、その結果、皮膜の成膜効果に影響が及ぼされる。
他の実施形態では、亜鉛めっき鋼板の製造方法は、亜鉛めっき鋼板の表面を環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤で被覆する工程と、80〜180℃の温度で乾燥して上記亜鉛めっき鋼板の表面に厚みが1〜3μmの複合膜を形成する工程とを含む。
また、亜鉛めっき鋼板の製造方法では、環境負荷の小さい表面処理剤を用いて、亜鉛めっき鋼板の表面に1回の被覆(例えばロールコーティング)によって複合膜を形成してもよい。従来の2回の被覆+2回の焼き付けに比べて、本発明の表面処理剤の被覆工程は、本発明の環境負荷の小さい表面処理剤を用いることによって、より簡単になり、実行しやすく、製造設備に対する要求がより低くなる。
亜鉛めっき鋼板の製造方法では、亜鉛めっき鋼板の表面を被覆する環境負荷の小さい表面処理剤の加熱及び乾燥方法は特に限定されず、熱風加熱、誘導加熱、赤外線加熱などの様々な加熱方法であってもよい。
本発明に係る環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤で被覆した亜鉛めっき鋼板は、優れた加工性、良好な耐腐食性及び良好な塗装性を有する。
また、本発明に係る環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤で被覆した亜鉛めっき鋼板は、耐アルカリ性又は耐溶剤性など、様々な薬品に対する耐性が向上している。
また、本発明に係る環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤はクロムを含まないため、環境への影響が小さい。上記処理剤及びその処理剤で被覆した亜鉛めっき鋼板は、環境負荷がより小さく、より経済的である。
環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤は、良好な加工性及び安定性を有する。
本発明に係る亜鉛めっき鋼板は、優れた加工性、優れた耐腐食性、良好な塗装性及び向上した耐性を有する。
また、本発明に係る亜鉛めっき鋼板の表面の被覆膜はクロムを含まない。
また、本発明に係る亜鉛めっき鋼板の製造方法は処理工程が少なく、実行しやすい。
以下、本発明に係る環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤、亜鉛めっき鋼板及び亜鉛めっき鋼板の製造方法を具体例を参照しながらさらに説明及び例示する。しかしながら、この説明及び例示は本発明の技術的解決法に不当な限定となるものではない。
実施例1〜5及び比較例1〜3
実施例1〜5及び比較例1〜3の基板は、厚みが0.5mmの亜鉛めっき鋼板であり、亜鉛層の重量が40/40g/mである。まず、鋼板の表面を中程度のアルカリ性の脱脂剤(pH:11〜12)でスプレー洗浄し、次いで純水で洗浄して表面に残留するアルカリ性成分を除去した。亜鉛めっき鋼板の表面を環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤で被覆して、80〜180℃で乾燥して、亜鉛めっき鋼板の表面に厚みが1〜3μmの複合膜を形成した。
実施例1〜5及び比較例1〜3の環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤中の各固体成分の質量部を表1に示す。
Figure 0006804514
注:
A1は封鎖型変性カチオン性ポリウレタン樹脂Aである。
B1−1はアミノプロピルトリエトキシシラン、B2−1はグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、B1−2はアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、B2−2はグリシドキシプロピルトリエトキシシランである。
C1は表面グラフト化高密度ポリエチレン、C2は表面グラフト化ポリアミドである。
D1はメタバナジン酸アンモニウム、D2はホスホモリブドバナジン酸である。
E1はリン酸、E2はリン酸アンモニウムである。
F1はフルオロチタン酸アンモニウム、F2はヘキサフルオロチタン酸である。
G1は硝酸アンモニウムセリウム、G2は硝酸セリウムである。
実施例1〜5及び比較例1〜3の乾燥温度並びに亜鉛めっき鋼板表面に形成された複合膜の厚みを表2に示す。
Figure 0006804514
以下の試験方法に従って、実施例1〜5及び比較例1〜3の環境負荷の小さい亜鉛めっき鋼板用表面処理剤で被覆した亜鉛めっき鋼板の試料を採取し、試験した。これらのそれぞれの性能を評価するために得た試験データを表3に示す。表中、性能パラメータ評価試験は以下のように説明される。
1)平板耐腐食性:
ASTM B117に従って試験時間120時間で平板の塩水スプレー試験を行った。評価基準は以下の通りである。
◎:白錆面積率が5%未満
○:白錆面積率が5%超10%未満
△:白錆面積率が10%超50%未満
×:白錆面積率が50%超
2)成形後の耐腐食性
1.ASTM B117に従って、エリクセンカッピング試験機(8mmカッピング用)を用いてカッピング部分の塩水スプレー試験を行った。試験時間は72時間であった。評価基準は以下の通りである。
◎:カッピング部分の白錆面積率が5%未満
○:カッピング部分の白錆面積率が5%超10%未満
△:カッピング部分の白錆面積率が10%超50%未満
×:カッピング部分の白錆面積率が50%超
2.深絞り法により試料を作製した。実験の条件:固定ビード下圧力3kN、圧力ヘッド直径9.6mm、深絞り速度200mm/分。ASTM B117に従って試験時間72時間で深絞り部分の塩水スプレー試験を行った。評価基準は以下の通りである。
◎:深絞り部分の白錆面積率が5%未満
○:深絞り部分の白錆面積率が5%超10%未満
△:深絞り部分の白錆面積率が10%超50%未満
×:深絞り部分の白錆面積率が50%超
3)アルカリ洗浄後の耐腐食性:
中程度のアルカリ性の脱脂剤(pH:11〜12)で洗浄し、50℃で3分間スプレーした。ASTM B117に従って試験時間240時間で洗浄後の試料の塩水スプレー試験を行った。評価基準は以下の通りである。
◎:白錆面積率が5%未満
○:白錆面積率が5%超10%未満
△:白錆面積率が10%超50%未満
×:白錆面積率が50%超
4)スタンプ成形性:
深絞り方法を用いて試料を作製した。実験の条件:固定ビード下圧力3kN、圧力ヘッド直径9.6mm、深絞り速度200mm/分。評価基準は以下の通りである。
◎:外観に変化無し
○:外観に少量の黒点
△:外観によりはっきりした黒すじ
×:外観の全面に黒色
5)塗装性:
被覆後、以下の条件で表面処理済み亜鉛めっき鋼板に対して塗膜密着性試験を行った。試験条件は以下である。
1.アルキド白色塗料(上海振華造漆廠製、等級:A−09)、22#バーコーティング、焼き付け条件:140℃×40分;
2.エポキシ粉末塗料(Akzo Nobel製、等級:EA05BH)、スプレー層厚み70〜80μm、焼き付け条件:200℃×10分;
上記2種類の塗料の被覆後、ナイフを用いて塗膜表面に100個の小さな格子状の切り込みを入れた。格子の寸法は1mmで、深さは塗膜層を通って鋼板表面に達する深さであった。ガラステープで剥離した後、塗膜に残った格子の数を数えた。残った格子の数が多い程、鋼板に対するアルキド白色塗料又はエポキシ粉末塗料の塗装性能が優れている。
3.ポリウレタン断熱発泡体層(上海克絡蒂製)、ポリウレタンA材料及びB材料(重量比2:1)を採取した後、互いに混合し、素早く撹拌してから、試験鋼板上に注いで、鋼板上で発泡させ硬化させた。24時間静置した後、ポリウレタン発泡体層を鋼板の表面から剥がした。剥がした跡のポリウレタン発泡体残留物の有無を観察した。残留比率が高いほど、ポリウレタン発泡体の密着性が強くなり、鋼板に対するポリウレタン発泡体の塗装性能が優れていることを示す。
表3は、実施例1〜5及び比較例1〜3の環境負荷の小さい表面処理剤で被覆した亜鉛めっき鋼板の試料を試験して得られた性能パラメータを示す。
Figure 0006804514
表3に示すように、実施例1〜5の環境負荷の小さい表面処理剤で被覆した亜鉛めっき鋼板は、上記試験の評価で「◎」及び「○」という結果を得た。また、亜鉛めっき鋼板の塗膜及びポリウレタン発泡体層は残留割合が高く、これは、環境負荷の小さい表面処理剤で被覆した亜鉛めっき鋼板の耐腐食性(平板、成形後及びアルカリ洗浄後)、加工性及び塗装性などの総合性能が優れている又は良好であることを示している。
表1及び表3に示されるように、実施例1〜5に比べて、比較例1の環境負荷の小さい表面処理剤中にセリウム含有化合物Gが存在しないため、この環境負荷の小さい表面処理剤で被覆した亜鉛めっき鋼板の深絞り後の耐腐食性及びアルカリ洗浄後の耐腐食性はいずれも劣っている。また、比較例2の環境負荷の小さい表面処理剤中の封鎖型変性カチオン性ポリウレタン樹脂Aの量が少ないため、この環境負荷の小さい表面処理剤で被覆した亜鉛めっき鋼板の皮膜の耐腐食性は劣っており、また該亜鉛めっき鋼板に対するアルキド白色塗料、エポキシ粉末塗料及びポリウレタン断熱発泡体層の塗装性にも影響が及ぼされる。また、比較例3の環境負荷の小さい表面処理剤中の表面グラフト化高密度ポリエチレン粒子又は表面グラフト化ポリアミド粒子Cの量が少ないため、この環境負荷の小さい表面処理剤で被覆した亜鉛めっき鋼板はスタンプ成形性が劣っている。
なお、上述したものは単に本発明の特定の実施形態に過ぎず、本発明が上記実施形態に限定されず、さらに、多くの類似した変更を加えることができることは明らかである。当業者には自明であるが、本発明の開示内容から直接得られた又は想到されたすべての変更は本発明の保護範囲内である。

Claims (10)

  1. クロムを含まない亜鉛めっき鋼板用表面処理剤であって、その水溶液は以下の質量部の固体成分:
    封鎖型変性カチオン性ポリウレタン樹脂A30〜55部;
    少なくとも1個の活性水素アミノ官能基を含む有機シランカップリング剤B1と、少なくとも1個のエポキシ官能基を含む有機シランカップリング剤B2とを含み、B1/B2比が0.4〜1であるシランカップリング剤B32〜60部;
    表面グラフト化高密度ポリエチレン粒子又は表面グラフト化ポリアミド粒子C6〜12部;
    バナジウム元素換算でバナジウム含有化合物D0.01〜0.5部;
    リン元素換算でリン含有化合物E0.5〜1.5部;
    チタン元素換算でフッ素含有チタン化合物F0.1〜1部;及び、
    セリウム元素換算でセリウム含有化合物G0.2〜0.6
    を含む、表面処理剤。
  2. 上記封鎖型変性カチオン性ポリウレタン樹脂Aは、有機化合物により末端封鎖変性されており、上記有機化合物は、エポキシ樹脂E−44、ヒドロキシシロキサン又はアクリル酸ヒドロキシエチルである、請求項1に記載の表面処理剤。
  3. 上記封鎖型変性カチオン性ポリウレタン樹脂Aの量は40〜50質量部である、請求項1に記載の表面処理剤。
  4. 上記シランカップリング剤Bの上記封鎖型変性カチオン性ポリウレタン樹脂Aに対する重量比は0.7〜2.0である、請求項1に記載の表面処理剤。
  5. 上記表面グラフト化高密度ポリエチレン粒子又は表面グラフト化ポリアミド粒子Cのメジアン径は0.5〜3μmである、請求項1に記載の表面処理剤。
  6. 上記表面グラフト化高密度ポリエチレン粒子又は表面グラフト化ポリアミド粒子Cのメジアン径は1.2〜2μmである、請求項5に記載の表面処理剤。
  7. 上記表面グラフト化高密度ポリエチレン粒子又は表面グラフト化ポリアミド粒子Cは、表面が反応性活性基でグラフト化されており、上記反応性活性基は、エポキシ基、アミノ基及びカルバメート基のうちの少なくとも1種である、請求項5に記載の表面処理剤。
  8. 請求項1〜の何れか一項に記載のクロムを含まない亜鉛めっき鋼板用表面処理剤の乾燥物である複合膜を表面に有する亜鉛めっき鋼板。
  9. 上記複合膜の厚みは1〜3μmである、請求項に記載の亜鉛めっき鋼板。
  10. 請求項に記載の亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、亜鉛めっき鋼板の表面を上記クロムを含まない亜鉛めっき鋼板用表面処理剤で被覆する工程と、80〜180℃の温度で乾燥して上記亜鉛めっき鋼板の表面に複合膜を形成する工程とを含む製造方法。
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